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<title>723のブログ</title>
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<title>覚醒</title>
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<![CDATA[ <p>「それにしても、ジョゴアのやつ……。」</p><p>私は墾農王邸へ戻る助手席内で、先の出来事を物思いにふけっていた。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>皇兄、勉殿下は、顔面蒼白で口から泡を出して苦悶の表情で息を引き取られ、侍医が死亡診断書をリー近衛長官へ手渡し、二人が部屋を去った後のことだった。</p><p>&nbsp;</p><p>殿下に抱きつき、タン王妃は泣きながらその体に縋りついていた。</p><p>&nbsp;</p><p>いくらタン王妃が声をかけても微動だにしなかった殿下の体が、突然痙攣し、口から赤黒い血を吐いて蘇生されたのだ。</p><p>&nbsp;</p><p>三日三晩もの間、意識不明の危篤状態が続いたが、一度死亡と認定した帝国政府（関白側）は、この異常事態へ、更なる刺客を送り込むことができずにいた。</p><p>&nbsp;</p><p>意識が戻られた殿下が、看病する我々一同へ最初に口にされた言葉は、私に向けられたものだった。</p><p>&nbsp;</p><p>「あれは仕方がないことだ、そなたは、あの状況で最善を尽くした。」</p><p>&nbsp;</p><p>その労りの言葉に、私はあの時、偽らざる自分自身の心に誓ったのだ。終生の忠誠を。</p><p>&nbsp;</p><p>床上げをされた殿下は、私に最初の命令を下された。</p><p>「遷都後に関白の暗殺を企てて獄に繋がれている者が幾人かいたはずだ。獄中にいる政治犯のリストを秘密裏に作ってほしい。」</p><p>&nbsp;</p><p>私が人物リストを提出し、その書類に目を通されていた殿下は、続けて質問された。</p><p>「獄中へ潜入し、政治犯と接触できそうな人物を雇えないか？」</p><p>&nbsp;</p><p>あの時は、皇兄殿下が政治犯と結託して関白へ謀反を起こすのだと、私は考えていた。そこで、男女問わず秘密裏に人選した結果、私はジョゴアを雇い、殿下へ推挙したのだった。</p><p>&nbsp;</p><p>（しかし、それ以後の殿下は……。）</p><p>&nbsp;</p><p>私の想像をはるかに超えた行動の連続だった。それは、この都に留まるだけでは成し得ない、壮大な計画の始まりを予感させるものだった。</p><p>&nbsp;</p><p>つづく</p><p>&nbsp;</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">※表現に不備な点があれば訂正していきます。</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">&nbsp;</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">※加筆修正しました。</p>
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<link>https://ameblo.jp/080320sama/entry-12906444074.html</link>
<pubDate>Tue, 27 May 2025 15:33:29 +0900</pubDate>
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<title>アヒルの夢は見ない</title>
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<![CDATA[ <p data-sourcepos="9:1-9:35">漆黒の宇宙空間に、幾筋もの光線が明滅し、無数の光点が散ってはまたたく。</p><p data-sourcepos="9:1-9:35">&nbsp;</p><p data-sourcepos="11:1-11:54">連邦軍の可変型モビルアーマー（MA）部隊。その一機のコクピット内は、緊急を示す赤い光に染まっていた。</p><p data-sourcepos="11:1-11:54">&nbsp;</p><p data-sourcepos="13:1-13:62">「くそっ！デコイは撒いたはずだぞ、なぜここまで正確に狙われる！？」 けたたましい警報音が鳴り響き、パイロットの苛立ちを煽る。</p><p data-sourcepos="13:1-13:62">&nbsp;</p><p data-sourcepos="15:1-15:71">「右脚部が機能不全か？ロートル機め、可変機構の整備不良か！この状況で、何とか挽回できるのか？」 機体はさらに不安定になり、操縦は困難を極める。</p><p data-sourcepos="15:1-15:71">&nbsp;</p><p data-sourcepos="17:1-17:98">「推進剤も底が見えてきた、これ以上は危険だ、早く帰還せねば…。……敵パイロットは<strong>カルメン・ダイクン</strong>。……<strong>ダイクン</strong>だと？……この名前、士官学校の歴史講義で聞いたような気がするが…？」</p><p data-sourcepos="17:1-17:98">&nbsp;</p><p data-sourcepos="19:1-19:10">その時、通信が入る。</p><p data-sourcepos="19:1-19:10">&nbsp;</p><p data-sourcepos="21:1-21:15">「ザザザ…中尉！援護します！」</p><p data-sourcepos="23:1-23:87">前方を進んでいた8機の編隊から、2機が反転し、猛烈な勢いでこちらへ向かってくる。中尉が搭乗する可変型MAに酷似した僚機が、高速巡航形態から戦闘形態へと変形を開始する。</p><p data-sourcepos="23:1-23:87">&nbsp;</p><p data-sourcepos="25:1-25:35">「来るな！狙われている！罠だ！」 中尉が警告するも、時すでに遅かった。</p><p data-sourcepos="25:1-25:35">&nbsp;</p><p data-sourcepos="27:1-27:28">中尉は自らの予測をも上回る最悪の結果を目の当たりにする。</p><p data-sourcepos="27:1-27:28">&nbsp;</p><p data-sourcepos="29:1-29:54">先行していた6機の機体が、突如として放たれた四方八方からの光線によって巨大な光に包まれ、漆黒の静寂に帰した。</p><p data-sourcepos="29:1-29:54">&nbsp;</p><p data-sourcepos="31:1-31:22">「…くそっ！先行部隊が待ち伏せされたのか？」</p><p data-sourcepos="31:1-31:22">&nbsp;</p><p data-sourcepos="33:1-33:51">先ほどまで6機の機体が存在した宙域の少し先、後方から追ってきたMAと同じ、白銀の機体が見える。</p><p data-sourcepos="33:1-33:51">&nbsp;</p><hr data-sourcepos="35:1-35:3"><p data-sourcepos="37:1-37:27">白銀のMAのコクピットに、雑音交じりの秘匿通信が入る。</p><p data-sourcepos="39:1-39:14">「ザザッ…撤収よ、シビル。」</p><p data-sourcepos="39:1-39:14">&nbsp;</p><p data-sourcepos="41:1-42:22">パイロットが応じる。 「カルメンは優しすぎます。殲滅しましょう。」</p><p data-sourcepos="41:1-42:22">&nbsp;</p><p data-sourcepos="44:1-44:56">「指令からの…ザッ…命令よ。敵の任務は阻止できたから…この宙域は物騒だわ…海賊やテロリストなどが潜んでる…ザザ…。」</p><p data-sourcepos="44:1-44:56">&nbsp;</p><p data-sourcepos="46:1-47:18">パイロットは呟いた。 「…海賊とテロリストを区別するの？」</p><p data-sourcepos="46:1-47:18">&nbsp;</p><p data-sourcepos="49:1-49:68">「聞こえてるわ。海賊は…義賊だとの噂もあるし…私たちだって連邦から見れば残党だっ…ザザ…テロリスト呼ばわりされてるのよ」と返事が入った。</p><p data-sourcepos="49:1-49:68">&nbsp;</p><p data-sourcepos="51:1-51:16">「私は正義を信条にやってます。」</p><p data-sourcepos="51:1-51:16">&nbsp;</p><p data-sourcepos="53:1-53:22">「正義と悪は観方次第で…ザッ…逆転するわ。」</p><p data-sourcepos="55:1-55:41">それ以上は不毛な議論だと諦めたパイロットは、最後に「了解！」と言って通信を切った。</p><p data-sourcepos="55:1-55:41">&nbsp;</p><p data-sourcepos="57:1-58:8">一方、生き残った連邦軍の士気はパニックに陥っていた。&nbsp;</p><p data-sourcepos="57:1-58:8">「やってやる！」</p><p data-sourcepos="57:1-58:8">&nbsp;</p><p data-sourcepos="60:1-60:8">「やめろ曹長！」</p><p data-sourcepos="60:1-60:8">&nbsp;</p><p data-sourcepos="62:1-62:17">「なめやがって。これでもくらえ！」</p><p data-sourcepos="64:1-64:51">中尉の制止も聞かず、それ以上追撃してこないパールホワイトのMAに、僚機の一機からメガ粒子砲が放たれた。</p><p data-sourcepos="64:1-64:51">&nbsp;</p><p data-sourcepos="66:1-66:43">メガ粒子砲は、敵のMAに到達する前に反射され、援護しに来た機体は溶けるように消失した。</p><p data-sourcepos="68:1-69:23">「リフレクターかっ！」 中尉は歯ぎしりしながら、くぐもった声で唸った。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">※表現に不備な点があれば訂正していきます。</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">&nbsp;</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">※加筆修正しました。</p>
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<link>https://ameblo.jp/080320sama/entry-12906366495.html</link>
<pubDate>Tue, 27 May 2025 08:40:45 +0900</pubDate>
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<title>新たな創作のヒント（仮称『アヒルの夢は見ない』）</title>
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アメンバー限定公開記事です。
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<link>https://ameblo.jp/080320sama/amemberentry-12906351358.html</link>
<pubDate>Tue, 27 May 2025 03:21:19 +0900</pubDate>
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<title>贖罪</title>
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<![CDATA[ <p>「淑妃様の頃から、宮廷内でも仲睦まじいと評判でしたが、今の王の素行は、タン王妃におかれましても嘆かわしく思われているのではないでしょうか？」</p><p>&nbsp;</p><p>王邸の玄関前に到着し私が車のドアを開けると、アホネン課長は車から降り立ち、タン王妃へ丁寧にお辞儀をした後、先程来からの苦言を蒸し返し始めた。</p><p>&nbsp;</p><p>タン王妃は、その言葉に動じることなく、微笑を浮かべながら答えた。</p><p>&nbsp;</p><p>「私には、わかりかねますので。」</p><p>&nbsp;</p><p>予想外の反応に、手応えのなさを感じたアホネン課長は、半ば諦めたように再び客席へと身を沈めた。続いて、高野少尉も、王と王妃に向けて軍式の敬礼を行い、アホネン課長の後に乗車した。</p><p>&nbsp;</p><p>皇兄殿下は、「力士、いつものように二人を送ってくれ。」と言い残し、タン王妃と手を取り合って邸宅の中へと消えていった。</p><p>その際、私へ向けられたタン王妃の、氷のように冷たい眼差しを、私はまともに受け止めるのだった。</p><p>&nbsp;</p><p>武官の居住区域、通称「武家屋敷」で高野少尉を降ろし、官吏公舎が立ち並ぶ区域へと車を走らせながら、私は、タン王妃から未だに許されていないのだと、改めて痛感していた。</p><p>&nbsp;</p><p>（そうだ、陛下に毒を盛ったのは、私なのだから。）</p><p>&nbsp;</p><p>あの忌まわしい記憶が、鮮明に蘇る。</p><p>&nbsp;</p><p>「お前が毒を盛らなければ、王邸の全員の命はないと思え。先帝の侍従長だったお前なら、わかるはずだな。」</p><p>邸宅の玄関前に居並ぶ、武装した多くの近衛兵の中から、近衛長官が私の前まで進み出て、嘲るように言った。</p><p>それは、有無を言わさぬ脅しだった。</p><p>&nbsp;</p><p>「わかりました。献上してまいりますので、そのまま、お待ちください。」</p><p>私は、震える手で毒杯を受け取り、邸宅の中へと足を踏み入れた。</p><p>&nbsp;</p><p>女官たちのすすり泣く声が漏れる王の居室では、皇兄殿下が、泣き崩れるタン王妃を必死になだめていた。</p><p>&nbsp;</p><p>「ついに、その時が来たのだな……。」</p><p>&nbsp;</p><p>まだ十代のあどけなさを残す青年は、まるで全てを諦めたかのような、虚ろな表情で私を見つめた。</p><p>&nbsp;</p><p>「関白殿へ送った、朕……いや、余の書状が、聞き届けられたということか。」</p><p>&nbsp;</p><p>「さようでございます。」</p><p>私が声を絞り出すように答えると、殿下の表情に、わずかな安堵の色が浮かんだ。</p><p>&nbsp;</p><p>「よかった……。」</p><p>「それでは、検死のための見分を行う侍医と、近衛長官の入室を許可する。」</p><p>普段は緊張のあまり、言葉に詰まることの多かった殿下が、今日はまるで別人のように、淀みなく言葉を紡いだ。</p><p>&nbsp;</p><p>「今日は、別れの宴だが、悲しむことはない。余……私は、これで王という呪縛から解放されるのだから。皆には、心から祝福してほしい。」</p><p>&nbsp;</p><p>私の後に続いて、玄関にいた近衛長官と侍医が居室に入ってきた。</p><p>&nbsp;</p><p>「リーよ、関白殿から余宛に届いた書状を、ここにいる皆へ読み聞かせてくれ。」</p><p>&nbsp;</p><p>いつもとは違う殿下の様子に、近衛長官は背筋を伸ばし、恭しく書状を取り出すと、そこに記された言葉を読み上げた。</p><p>&nbsp;</p><p>「墾農王の求めに応じて答えせし…」これは公表されることのない書状だが誠実に履行されるであろう文面が続く。</p><p>そして書状は最後の部分にさしかかった。</p><p>「……タン王妃殿におかれては、墾農王薨去の後も、引き続き王邸宅への居住を認め、国庫より毎月の生活費を支給する。この年金は、王妃殿の居住地の変更、あるいは再婚後も保証するものとする。」</p><p>全てを近衛長官が読み終えた後、タン王妃が涙ながらに皇兄殿下へ訴えた。</p><p>「生と死の道は違えども、私は、生涯殿下をお慕いし続けます……！」</p><p>&nbsp;</p><p>しかし、皇兄殿下は、優しくタン王妃の髪を撫でながら、静かに首を横に振った。</p><p>「タンよ、そなたの人生は、これからまだ長いのだから。どうか、一刻も早く余のことを忘れ、幸せに生きてほしい。そなたを、幸せにできなかったことだけが、私の唯一の心残りなのだ。」</p><p>&nbsp;</p><p>そして、一同を見渡し、晴れやかな笑顔で言った。</p><p>「皆の者、これにて、永い別れだ。」</p><p>&nbsp;</p><p>皇兄殿下は、毒杯を持ち上げ、静かに、そして力強く、それを煽った。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>「おお！やっと帰宅できたぞ！」</p><p>突然、客席のインターホンから、アホネン課長の陽気な声が響き渡り、私は我に返った。</p><p>&nbsp;</p><p>邸宅の玄関先には、アホネン課長の妻子が、彼の帰りを待ちわびていた。</p><p>「これはいつものお土産です。」</p><p>菓子折りの中には、菓子以外のモノも入っている。</p><p>&nbsp;</p><p>私が手渡すと、高野少尉が頑なに辞退したのとは対照的に、アホネン課長は満面の笑みで受け取り、家路へと急いだ。</p><p>彼の後ろ姿が見えなくなるまで見届け、私は再び車に乗り込んだ。</p><p>&nbsp;</p><p>（陛下…いえ、皇兄殿下。あの日の選択が、本当に正しかったのか、今でも私にはわかりません。）</p><p>&nbsp;</p><p>邸宅へと続く道を走りながら、やり場のない後悔の念が、胸の中に深く沈んでいた。</p><p>&nbsp;</p><p>つづく。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">※表現に不備な点があれば訂正していきます。</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">&nbsp;</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">※加筆修正しました。</p>
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<link>https://ameblo.jp/080320sama/entry-12902693054.html</link>
<pubDate>Tue, 13 May 2025 16:51:35 +0900</pubDate>
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<title>龍の門</title>
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<![CDATA[ <p data-sourcepos="11:1-11:63">一階へ降りてきた皇兄勉と、その後ろに控える私を認め、アホネン課長と高野少尉が二人へ歩み寄った。</p><p data-sourcepos="11:1-11:63">&nbsp;</p><p data-sourcepos="13:1-13:23">「お疲れのところ、お目付け役、ご苦労様です。」</p><p data-sourcepos="13:1-13:23">&nbsp;</p><p data-sourcepos="15:1-15:63">相手によっては嫌味に聞こえかねない言い回しも、勉が柔らかな笑みを浮かべながら語ると、不思議と素直に労いの言葉として受け取れた。</p><p data-sourcepos="17:1-17:68">それでも内務省の文官アホネン課長は何かもの言いたげな様子だったが、高野少尉が背筋を伸ばし、恭しく敬礼したため、言葉を飲み込み、無言で深々と頭を下げた。</p><p data-sourcepos="17:1-17:68">&nbsp;</p><p data-sourcepos="19:1-19:82">彼ら三人が店の外へ出る前に、私は既に店先の道路まで黒塗りのリムジンカーを誘導していた。</p><p data-sourcepos="19:1-19:82">皇室用とわかる意匠はないものの、磨き上げられた車体は上品な光沢を放っている。</p><p data-sourcepos="21:1-21:71">私は観音開きの後部座席のドアを開け、三人を促すように軽く頭を下げた。</p><p data-sourcepos="21:1-21:71">後部座席のドアが静かに閉まると、私は運転手の隣、助手席へと滑り込んだ。</p><p data-sourcepos="21:1-21:71">&nbsp;</p><p data-sourcepos="23:1-23:9">「墾農王邸まで。」</p><p data-sourcepos="23:1-23:9">&nbsp;</p><p data-sourcepos="25:1-25:51">低い声で運転手に告げると、リムジンカーは夜の帳がまだ濃い歓楽街の目抜き通りを、静かに走り出した。</p><p>&nbsp;</p><p>パーテーションで仕切られた客室の会話は聞こえない。</p><p>&nbsp;</p><p>しかし、先ほどのアホネン課長が言い淀んでいた様子から、皇兄殿下に対して苦言を呈しているのは想像に難くない。</p><p>&nbsp;</p><p>そもそも帝国では、庶民と皇族とでは元服、つまり成人年齢が異なる。</p><p>一般常識人であるアホネン課長にとって、ここ最近の遊興にふける殿下の行動は、彼の倫理観では到底受け入れがたいものなのだろう。</p><p>&nbsp;</p><p>私は助手席から見える夜景を眺めながら、皇兄殿下の変貌の理由について頭の片隅で思いを巡らせていた。</p><p>&nbsp;</p><p>やがて、邸宅の門が見えてきた。遷都して間もないため、急造の鉄製ゲートは簡素ながらも、皇族しか使用が許されない龍の文様が施されている。</p><p>その両脇に立つ衛兵が鋭く敬礼し、重厚な門扉がゆっくりと開かれた。</p><p>&nbsp;</p><p>車は、灯りに照らされた玄関のエントランスへと緩やかに横付けされた。</p><p>私が後部座席のドアを開けると、三人が降り立つ。</p><p>&nbsp;</p><p>邸宅の玄関が開き、執事や女官など数人が出迎え、その中にはタン王妃の姿もあった。</p><p>&nbsp;</p><p>つづく。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">※表現に不備な点があれば訂正していきます。</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">&nbsp;</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">※加筆修正しました。</p>
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<link>https://ameblo.jp/080320sama/entry-12896519501.html</link>
<pubDate>Wed, 23 Apr 2025 23:27:12 +0900</pubDate>
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<title>閨の後</title>
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<![CDATA[ <p data-sourcepos="11:1-12:44">ギシリ。</p><p data-sourcepos="11:1-12:44">&nbsp;臥榻（がとう）がきしむ音がして、半裸の勉が茶道具がおいてある小卓（しょうたく）へ向かう。</p><p data-sourcepos="11:1-12:44">&nbsp;</p><p data-sourcepos="14:1-14:23">彼は無駄のない所作で急須へ茶葉を入れ、湯を注いだ。</p><p data-sourcepos="14:1-14:23">&nbsp;</p><p data-sourcepos="16:1-16:47">先ほどまで桃色に上気した胸を上下させ、乱れた呼吸を整えていたリラが衣をまとい寝所から出てきた。</p><p data-sourcepos="16:1-16:47">&nbsp;</p><p data-sourcepos="18:1-18:46">勉は、リラが腰を下ろした頃合いを見計らい、蛍手の煎茶碗へ茶を注ぎながら、一方を彼女へ勧める。</p><p data-sourcepos="18:1-18:46">&nbsp;</p><p data-sourcepos="20:1-21:30">「殿下、感謝いたします。」 リラは彼が一口茶を飲んでから、茶碗の口縁へそっと唇を触れた。</p><p data-sourcepos="20:1-21:30">&nbsp;</p><p data-sourcepos="23:1-23:37">一息間をおいて「ジョゴアも飲むか？」と、部屋の片隅に控えている女に問うた。</p><p data-sourcepos="23:1-23:37">&nbsp;</p><p data-sourcepos="25:1-26:45">「必要ございません。」 室内の陰に同化しているような女は、囁くように密やかだが、はっきり聞き取れる声量で答えた。</p><p data-sourcepos="25:1-26:45">&nbsp;</p><p data-sourcepos="28:1-28:59">力士の配下であり、彼が勉へ取り次いだ侍女だが、初めて彼がジョゴアに対面した時の第一印象は（無機質な感じの女）だった。</p><p data-sourcepos="30:1-30:62">今も感情がこもっていない彼女の声音を聞きながら（まさか、この世界線にもヒューマノイドが存在するのか？）と黙考していた。</p><p data-sourcepos="30:1-30:62">&nbsp;</p><p data-sourcepos="30:1-30:62">「殿下？」</p><p data-sourcepos="30:1-30:62">&nbsp;</p><p data-sourcepos="30:1-30:62">リラの呼びかけに、勉は気を取り直して彼女へ振り返り</p><p data-sourcepos="30:1-30:62">「では例の品について、このジョゴアに受け取とらせよう。」</p><p data-sourcepos="30:1-30:62">&nbsp;</p><p data-sourcepos="30:1-30:62">彼の言葉を受けて、リラが答えた。</p><p data-sourcepos="30:1-30:62">「承諾いたしました。私から馴染みの商人へ手配いたしましょう。いつものように『遊興費』として娼館の方へお納めください。」</p><p data-sourcepos="30:1-30:62">&nbsp;</p><p data-sourcepos="30:1-30:62">再び勉はジョゴアへ振り向き</p><p data-sourcepos="32:1-32:22">「一階にいる力士へ『帰る』旨を伝えてくれ。」</p><p data-sourcepos="32:1-32:22">&nbsp;</p><p data-sourcepos="34:1-35:11">侍女は低頭しながら 「かしこまりました。」と答えると、</p><p data-sourcepos="37:1-37:26">物音を立てることなく、消えるように下がっていった。</p><p data-sourcepos="37:1-37:26">&nbsp;</p><p data-sourcepos="37:1-37:26">リラが手慣れた様子で勉の着衣を整え終えた頃、階下から落ち着いた物腰の青年が姿を現した。</p><p data-sourcepos="37:1-37:26">「殿下。」</p><p data-sourcepos="37:1-37:26">&nbsp;</p><p data-sourcepos="7:1-7:58">私の声に、勉は軽くうなずき返した。そして、別れを惜しむように、リラの緑の瞳をじっと覗き込みながら、囁くように言った。</p><p data-sourcepos="7:1-7:58">「また来ます。」</p><p data-sourcepos="7:1-7:58">&nbsp;</p><p data-sourcepos="11:1-11:37">控えていた私は、その鋭い聴覚で確かに聞き逃さなかった。</p><p data-sourcepos="11:1-11:37">&nbsp;</p><p data-sourcepos="3:1-3:54">二人の足音が遠ざかり、再び静寂が部屋を満たした。</p><p data-sourcepos="3:1-3:54">&nbsp;</p><p data-sourcepos="3:1-3:54">リラは、先ほどまで勉が座っていた場所をぼんやりと見つめる。（また来る、と……）</p><p data-sourcepos="7:1-7:125">その囁きが、耳の奥で微かに反響している。</p><p data-sourcepos="7:1-7:125">皇兄殿下の飾り気がない、けれどどこか切実な響きを持った言葉。</p><p data-sourcepos="7:1-7:125">初めて会った時から、その瞳の奥に秘められた強い光を感じていた。（世間知らずの御曹司が放蕩しているように見せかけているけれど、あの人は、きっと何か大きなことを背負っている。）</p><p data-sourcepos="7:1-7:125">今晩もそうだ。アルバ嬢を篭絡するためだと言っていたけれど、本当にそれだけだろうか。あの真剣な眼差しは、ただの遊戯の色ではなかった。</p><p data-sourcepos="11:1-11:28">（あなた様は、一体何を企んでいらっしゃるのでしょう……）</p><p data-sourcepos="13:1-13:88">まだ幼さの残る顔立ちなのに、時折見せる強い意志の光。</p><p data-sourcepos="13:1-13:88">あの危うさと、秘めたる覚悟が、彼女の心をざわつかせる。まるで、まだ蕾のまま、嵐の中に身を置こうとしている花を見ているようだ。</p><p data-sourcepos="15:1-15:17">（どうか、ご無事でいてください……）</p><p data-sourcepos="17:1-17:122">そんな、立場を越えた、まるで姉のような感情が、胸の奥底から湧き上がってくるのをリラは感じていた。</p><p data-sourcepos="17:1-17:122">仕事の上で禁じられた感情だと理性ではわかるのに、どうしようもなく惹かれてしまう。</p><p data-sourcepos="17:1-17:122">あの純粋さと、時折見せる脆さが、彼女の奥底に眠る母性本能をくすぐるのだ。</p><p data-sourcepos="19:1-19:20">殿下が指示された通り、目的であるアルバの素行を調べ、彼女の関心を引く仕草を指南できたと自負している。</p><p data-sourcepos="19:1-19:20">（それこそ閨事まで…）</p><p data-sourcepos="21:1-21:90">頭は冷静なのにアルバへの嫉妬心が湧きそうになる。</p><p data-sourcepos="21:1-21:90">&nbsp;</p><p data-sourcepos="21:1-21:90">彼の残していった微かな温もりを、まだ指先が覚えている。</p><p data-sourcepos="21:1-21:90">夜の帳の中で交わした言葉と、触れ合った肌の記憶が、彼女の心を優しく、そして深く揺さぶるのだった。</p><p>&nbsp;</p><p>つづく。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">※表現に不備な点があれば訂正していきます。</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">&nbsp;</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">※加筆修正しました。</p>
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<link>https://ameblo.jp/080320sama/entry-12893520615.html</link>
<pubDate>Fri, 11 Apr 2025 23:18:32 +0900</pubDate>
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<title>新しく登場した人物の追加。</title>
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<![CDATA[ <p>『<a aria-current="page" data-google-interstitial="false" href="https://ameblo.jp/080320sama/entry-12892867270.html" rel="bookmark">夜に咲く花</a>』に登場した人物像を追加します。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20250411/22/080320sama/53/39/j/o2048204815565311683.jpg"><img alt="" height="420" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20250411/22/080320sama/53/39/j/o2048204815565311683.jpg" width="420"></a></p><p>5.リラ。</p><p>新都にできた歓楽街で5本の指に入る高級娼婦。</p><p>『リラ』は彼女の源氏名であり本名は不明。</p><p>ライラックの花を意味するリラは、彼女のラテン系の風貌と、情熱的な内面を表現している。</p><p>リラは「愛の芽生え」「思い出」「友情」などの意味を持ち、彼女の情に厚い深層を表現しているが、仕事上では決して表に出さない。</p><p>このように、プロ意識は高いが傲慢ではない。</p><p>緑の目をもち、中南米コロンビアに実在しそうなラテン系の風貌。</p><p>&nbsp;</p><p>知性が高く高学歴な人物と対等に会話ができる。</p><p>皇兄への好意を隠しとおせる配慮を持ち合わせている。</p><p>&nbsp;</p><p>女衒に売られる前は、年の離れた弟（消息不明）がいた。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>『<a aria-current="page" data-google-interstitial="false" href="https://ameblo.jp/080320sama/entry-12893520615.html" rel="bookmark">閨の後</a>』に登場した人物像を追加します。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20250413/17/080320sama/6c/0b/j/o2048204815566016521.jpg"><img alt="" height="420" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20250413/17/080320sama/6c/0b/j/o2048204815566016521.jpg" width="420"></a></p><p>6.ジョゴア。</p><p>力士の配下。皇兄勉の侍女。</p><p>力士が直属の手下を探しているときに志願してきた。</p><p>志願時の経歴はあるが、素性がよくわからない。</p><p>諜報能力に優れていて、腕力こそないが体さばきが上手い。</p><p>車や銃器の知識も深いが、主に暗器を隠し持つ。</p><p>普段はナイフ使いで、戦闘では近接戦が中心。</p><p>&nbsp;</p><p>容姿はバルト三国の特徴を持つ金髪碧眼。</p><p>身長は169.5センチと帝国内の一般女性より高い。</p><p>外見は「やや瘦せ」だが陸上スポーツ選手のように必要な筋肉は備わっている。</p><p>&nbsp;</p><p>※加筆修正しました。</p>
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<link>https://ameblo.jp/080320sama/entry-12893515620.html</link>
<pubDate>Mon, 07 Apr 2025 22:25:00 +0900</pubDate>
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<title>夜に咲く花</title>
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<![CDATA[ <p data-sourcepos="3:1-3:23">一階の喧騒が嘘のように静まり返った二階の一室。</p><p data-sourcepos="3:1-3:23">&nbsp;</p><p data-sourcepos="5:1-6:11">窓辺にたたずむリラは、夜空を見上げ、艶やかな唇を小さく開いた。 「きれいなお月さま。」</p><p data-sourcepos="5:1-6:11">&nbsp;</p><p data-sourcepos="8:1-9:10">その言葉に、部屋の奥に腰を下ろしていた男、すなわち皇兄勉が、穏やかな笑みを浮かべた。 「ええ、本当に……」</p><p data-sourcepos="8:1-9:10">&nbsp;</p><p data-sourcepos="11:1-14:31">リラが彼の返事に一瞬、嬉しさを表したのも束の間、隠すように平静を装い彼に微笑みかけた。 その笑みは高級娼婦としての武器だ。自然と他人の緊張をほぐしてしまう口元は『アルカイックスマイル』と呼ばれるが、『古風』や『素朴』とは真逆の、深淵を覗かせる感情を宿している。</p><p data-sourcepos="11:1-14:31">そして緑色の瞳は、夜の闇に吸い込まれそうなほど深く、見る者を惹きつける妖艶な光を放っていた。</p><p data-sourcepos="11:1-14:31">「殿下がお探しの品について、いくつか心当たりがございますわ。」</p><p data-sourcepos="11:1-14:31">&nbsp;</p><p data-sourcepos="16:1-17:53">勉は十代相応の喜色をあらわにした。しかし、すぐに少しだけ思案するような表情を浮かべた。&nbsp;</p><p data-sourcepos="16:1-17:53">「あのアルバ嬢（※アルバの嬢ちゃんの意味）は、宝玉や高級な装飾品など、こと珍しいものに目がないからな。助かるよ。」</p><p data-sourcepos="19:1-21:29">&nbsp;</p><p data-sourcepos="19:1-21:29">リラは、殿下の仕草に、一瞬目を輝かせた。&nbsp;</p><p data-sourcepos="19:1-21:29">（やはり殿下も、根は市井の少年と何ら変わらない。弟も……） 彼女は、不覚にも幼い頃に生き別れた弟の面影を重ねてしまう。</p><p data-sourcepos="23:1-24:89">その心情を悟られぬよう、彼女は少しだけ意地悪な物言いをする。&nbsp;</p><p data-sourcepos="23:1-24:89">「殿下にはお妃様がいらっしゃいますし、まさかお探しの品が別の女性（にょしょう）への贈り物などと露見せぬよう、近習へではなく私（わたくし）を利用されたのですね。色男も大変ですわね。」</p><p data-sourcepos="26:1-27:77">&nbsp;</p><p data-sourcepos="26:1-27:77">勉は困惑の表情を浮かべながら弁明した。 「入手経路から辿られる恐れの無いようにするには、リラの手回しが必要不可欠だ。それとアルバを篭絡するためには、希少な宝玉以外の手練手管も教示してもらわねばな。」</p><p data-sourcepos="29:1-30:33">&nbsp;</p><p data-sourcepos="29:1-30:33">リラは、殿下と最初に対面した時を思い返した。 （あなたは最初から素性を明かして、私に相談を持ちかけてきた……。）</p><p data-sourcepos="32:1-34:33">あれから、殿下が娼館に足しげく通う目的が、単なる女遊びではないことを悟り始めていた。 若干十代の彼に、並々ならぬ覚悟があることだけは分かる。まだ幼さが残る貴人が、これから何をするのか、何を成し遂げるのか、多くの客から得た経験豊富な彼女でも推し量れないものがあった。&nbsp;</p><p data-sourcepos="32:1-34:33">（あなた様は私が聡明だと認めてくださいました。それに応えなければ）</p><p data-sourcepos="36:1-37:71">&nbsp;</p><p data-sourcepos="36:1-37:71">殿下の役に少しでも立てたことが、リラの心の奥底に、小さな幸せと満足感を与えている。 彼女は、弟と年の差が変わらない殿下の身を危惧しながら、あえて親愛や恋情に流されぬよう心に蓋をする。このような経験はリラにとって、これが初めてのことだった。</p><p data-sourcepos="36:1-37:71">&nbsp;</p><p data-sourcepos="39:1-41:64">自分の意識を変えるためか、リラは着ていた上着を脱ぎながら、殿下に艶やかな笑みを向けた。</p><p data-sourcepos="39:1-41:64">「それでは、これから、その『ご教示』をいたしましょう。どうぞこちらへ」&nbsp;</p><p data-sourcepos="39:1-41:64">&nbsp;</p><p data-sourcepos="39:1-41:64">彼女は、殿下の手を取り夜具のある部屋へ誘った。その仕草は、殿下への警戒心を微塵も感じさせず、むしろ誘惑するように艶めかしかった。</p><p data-sourcepos="39:1-41:64">&nbsp;</p><p data-sourcepos="39:1-41:64">つづく</p><p data-sourcepos="39:1-41:64">&nbsp;</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">※表現に不備な点があれば訂正していきます。</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">&nbsp;</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">※加筆修正しました。</p>
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<link>https://ameblo.jp/080320sama/entry-12892867270.html</link>
<pubDate>Sun, 06 Apr 2025 23:30:10 +0900</pubDate>
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<title>夜の帳と嘘と酒</title>
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<![CDATA[ <p data-sourcepos="5:1-5:80">煤けた外套を羽織り、深く帽子を被った男。その男は、周囲を警戒するように見回しながら、足早に娼館へと入っていった。その後ろには、いつも通り、宦官の私が控えていた。</p><p data-sourcepos="5:1-5:80">&nbsp;</p><p data-sourcepos="7:1-7:24">男が二階へと消えていくのを見届け、四半時が経つ。</p><p data-sourcepos="7:1-7:24">&nbsp;</p><p data-sourcepos="9:1-9:5">「<b style="font-weight:bold;">チッ！</b>」</p><p data-sourcepos="11:1-11:25">店の喧騒を打ち消すように、男が盛大に舌打ちをした。</p><p data-sourcepos="13:1-13:74">日も暮れて煌々と赤く怪しい明りで溢れ、行き交う人々の笑い声や嬌声が飛び交う中、いかにも身なりを整えた官吏風の小太りな男は、露骨に苛立ちを露わしはじめた。</p><p data-sourcepos="13:1-13:74">&nbsp;</p><p data-sourcepos="15:1-15:56">男と、緑のポロシャツを着たカジュアルな男。この不釣り合いな二人組は、相対する机の上で、それぞれの時間を過ごしている。</p><p data-sourcepos="15:1-15:56">&nbsp;</p><p data-sourcepos="17:1-17:45">酔いが回ってきた官吏風の男は、先ほどから口調だけでなく態度まで締まりがなくなり始めている。</p><p data-sourcepos="17:1-17:45">&nbsp;</p><p data-sourcepos="19:1-19:18">「おい！酒が無くなってるぞ。<b style="font-weight:bold;">おい！</b>」</p><p data-sourcepos="19:1-19:18">&nbsp;</p><p data-sourcepos="21:1-21:35">店の女中へ声をかけるが、来店客が増え始め、なかなか注文を取りに来ない。</p><p data-sourcepos="21:1-21:35">&nbsp;</p><p data-sourcepos="23:1-23:28">二階から降りてきた私は、店の厨房へ急ぎ彼の好みの酒を受け取り盃へ注いだ。</p><p data-sourcepos="23:1-23:28">「お待たせいたしました。どうぞ」</p><p data-sourcepos="25:1-25:16">&nbsp;</p><p data-sourcepos="27:1-27:30">「<b style="font-weight:bold;">宦官</b>に酒を注いでもらってもなぁ、ちっとも美味くねえんだよ！」</p><p data-sourcepos="29:1-29:40">官吏風の男は、聞こえよがしに店内の他の客へも届くように、少し大きめの声で答えた。</p><p data-sourcepos="29:1-29:40">&nbsp;</p><p data-sourcepos="31:1-31:15">「まあまあ。そのようなことを言わずに」</p><p data-sourcepos="33:1-33:30">ポロシャツの男が、官吏風の男の言葉を遮るように、たしなめた。</p><p data-sourcepos="33:1-33:30">&nbsp;</p><p data-sourcepos="35:1-35:73">酔客特有のドロンとした濁った眼を向け、私に何か嫌味を言いたそうに口をへの字にしていた官吏風の男だったが、すぐに矛先を変え、ポロシャツの男に酒を勧めた。</p><p data-sourcepos="37:1-37:26">「貴殿も一杯ぐらい、どうですか？非番なんでしょ？」</p><p data-sourcepos="37:1-37:26">&nbsp;</p><p data-sourcepos="39:1-39:31">「まあ、勤務時間外ではありますが…私は酒が強くないので…はは」</p><p data-sourcepos="41:1-41:52">ポロシャツの男は、酔いどれのダル絡みを受け流し、皿に盛られている肉野菜炒めを自分の小皿へ取り分けている。</p><p data-sourcepos="41:1-41:52">&nbsp;</p><p data-sourcepos="43:1-43:6">「…そもそも」</p><p data-sourcepos="45:1-45:37">官吏風の男は、盃に注がれた酒を眺めながら、独り言のように愚痴を続けた。</p><p data-sourcepos="47:1-47:59">「いくら関白殿から内々の頼みとはいえ、貴殿も私も仕事時間外にですぞ、こう何度も殿下の<b style="font-weight:bold;">ご趣味</b>に付き合わされるとなると迷惑至極だ。」</p><p data-sourcepos="47:1-47:59">&nbsp;</p><p data-sourcepos="49:1-49:22">「アホネン殿！それは<b style="font-weight:bold;">不遜</b>というものですぞ。」</p><p data-sourcepos="49:1-49:22">&nbsp;</p><p data-sourcepos="51:1-51:97">官吏風の男が「迷惑至極」と言い終わる前に、ポロシャツの男が遮った。普段よりも低いが、聞いている者がハッと我に返るほど重く鋭い声色。そして歴戦の軍人としての本性を現したかのような眼光だ。</p><p data-sourcepos="51:1-51:97">&nbsp;</p><p data-sourcepos="53:1-53:23">その気迫に、アホネン課長の酔いは一瞬で醒めた。</p><p data-sourcepos="55:1-55:53">「だ、だがしかし高野どの、こうも頻繁に娼…このような如何わしい店へ通われるのはいかがなものか？少尉も思いませんか？」</p><p data-sourcepos="55:1-55:53">&nbsp;</p><p data-sourcepos="57:1-57:27">高野少尉は、肉野菜炒めを口に運びながら、静かに答えた。</p><p data-sourcepos="59:1-59:58">「……皇兄殿下は、我々尉官に教えを乞われました。その知識の吸収力は、目を見張るものがある。その聡明さは…」と擁護するような口調になっていることに気が付き、彼は襟を正して続けた。</p><p data-sourcepos="59:1-59:58">「殿下には何か意図があるように思えます。それに、貴殿も私もあくまで目付け役。公私の区別は弁えているつもりです」</p><p data-sourcepos="59:1-59:58">&nbsp;</p><p data-sourcepos="61:1-61:22">アホネン課長は、鼻を鳴らし、再び酒を煽った。</p><p data-sourcepos="63:1-63:29">「ふん、苦労するな。あんな『うつけ』の相手をするとは……」</p><p data-sourcepos="65:1-65:62">私に向けられたアホネン課長の嫌味を無視し、無言で課長の酌と適当に肴をそえる。</p><p data-sourcepos="65:1-65:62">&nbsp;</p><p data-sourcepos="65:1-65:62">「まあまあ、関白殿の好意で貴殿はただ酒が飲めて、私もココの名物料理を堪能できる。それで良いではないですか？今は楽しみましょう。わっはっはっはっ。」</p><p data-sourcepos="65:1-65:62">高野少尉は、先ほど一瞬垣間見せた厳しい顔つきが嘘のように、人好きのする笑顔へ戻っていた。</p><p data-sourcepos="65:1-65:62">&nbsp;</p><p data-sourcepos="65:1-65:62">二人の相手をしながら私は、事件以後から殿下の変容を思い返していた。</p><p data-sourcepos="65:1-65:62">私には殿下への忠誠心と、それに反して殿下の行動に対する疑念が渦巻いている。</p><p data-sourcepos="67:1-67:52">（殿下は、なぜ頻繁に娼館へ通われるのか？本当にただの道楽なのか？それとも、少尉が言うように何か別の目的があるのだろうか？）</p><p data-sourcepos="67:1-67:52">&nbsp;</p><p data-sourcepos="69:1-69:62">私は、殿下の真意を探ろうと、密かに情報収集を続けている。しかし殿下は常に周囲を警戒し、近習の私だけでなく誰にも本心を明かそうとはしなかった。</p><p data-sourcepos="69:1-69:62">&nbsp;</p><p data-sourcepos="71:1-71:26">（事件後の殿下を身近で観ているが、あのお方の行動は、まるで霧の中に隠された謎のようだ）</p><p data-sourcepos="71:1-71:26">&nbsp;</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">私は、皇兄殿下に仕える身でありながら、彼の行動に何か危険なものが潜んでいるのではないかと感じていた。それは、私が宦官として、常に権力闘争の渦中に身を置いてきた経験からくる、第六感のようなものだった。</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">&nbsp;</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">つづく</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">&nbsp;</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">&nbsp;</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">※表現に不備な点があれば訂正していきます。</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">&nbsp;</p><p data-sourcepos="73:1-73:85">※加筆修正しました。</p>
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<link>https://ameblo.jp/080320sama/entry-12892121022.html</link>
<pubDate>Tue, 01 Apr 2025 03:57:19 +0900</pubDate>
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<title>書いてみた。</title>
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<![CDATA[ <p>試作を経て、つまらない文章を</p><p>&nbsp;</p><p>つらつらと書いてみた</p><p>&nbsp;</p><p>まずは登場人物を考えてみる。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20250402/13/080320sama/e2/c9/j/o2048204815561562433.jpg"><img alt="" height="420" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20250402/13/080320sama/e2/c9/j/o2048204815561562433.jpg" width="420"></a></p><p>1.主人公は「力士（Rikishi）」という名を持つ者。</p><p>彼は宦官。つまり男性器を切除された去勢者である。</p><p>この物語世界では２００年以上昔に廃れていた風習だったが彼が住んでいる帝国で制度が復活し１００年ほどが経過している。</p><p>年齢は20代、斜陽となりつつある帝国の皇室において皇兄にあたる人物の近習として仕えている。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20250402/13/080320sama/56/5b/j/o2048204815561562596.jpg"><img alt="" height="420" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20250402/13/080320sama/56/5b/j/o2048204815561562596.jpg" width="420"></a></p><p>2.アホネン (Ahonen)課長。</p><p>内務省に務める文官。ノルディック系なので顔立ちは彫りが深く、やや赤毛の入った金髪で、灰色に少し碧を帯びた瞳。</p><p>酒を好む（ストレス解消のやけ酒）ため鼻先や頬が赤ら顔。</p><p>長身だが飲酒などの不摂生から『ビア樽体型』であり周囲からはだらしなく見える</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20250402/13/080320sama/d0/6f/j/o2048204815561562843.jpg"><img alt="" height="420" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20250402/13/080320sama/d0/6f/j/o2048204815561562843.jpg" width="420"></a></p><p>3.高野（Koya）少尉。</p><p>軍に所属する武官。アジア系で瞳は黒く勤務の内容から露出している肌は浅黒く日焼けしているが黒人ではない。</p><p>一見すると中肉中背で一般的な市民のようであるが、実戦で鍛えられた筋肉は隆々としており『細マッチョ』に近い。</p><p>引き締まった顔立ちは普段は人当たりの良い風貌なので『兄貴分』的な出で立ち。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20250402/13/080320sama/be/e3/j/o2048204815561563006.jpg"><img alt="" height="420" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20250402/13/080320sama/be/e3/j/o2048204815561563006.jpg" width="420"></a></p><p>4.勉（Ben）殿下。</p><p>現在の帝（みかど）の異母兄。年齢は１５歳。</p><p>１４歳の頃に帝位に就くが異母弟に帝位を譲り王となった直後に毒殺未遂にあう。</p><p>時の権力者である関白から毒を賜り、服毒死するも奇跡的に蘇生する。</p><p>肌は白いが白人ではない。肌の色を除けば、どこにでもいるような10代の青年だが、帝に相応しい貴人の風格がある。</p><p>&nbsp;</p><p>これらの人物により話を作ることにします。</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/080320sama/entry-12892120425.html</link>
<pubDate>Tue, 01 Apr 2025 03:35:42 +0900</pubDate>
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