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<title>あんずのブログ</title>
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<title>気まぐれ　(1)</title>
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<![CDATA[ ふと目が覚めた。<br>淡い藍色の光が海のように揺れて差し込んでくる。反射神経が作動したようにぱっとベッドの上で飛び跳ね上がる。同時に布団の中に埋まっていた手を上げてしまった。自分の体の上にあった重さが暖かさと共にふわっと逃げていく。<br>「どんな夢だったっけ」<br>思い出したいのに思い出せなかった。<br>さっきまで覚えていたはずだった。あたかもさっきの布団と共にどっかへ飛んでいってしまったようだった。<br><br>また1日が始まってしまった。<br><br>寝なくても明日が来てしまう。<br>ただ寝たら「明日」がより早く訪れてしまった。毎日、どんどんとドアを叩きにくるんだ。終いには、開けてもいないのに、ドアを壊してそばへやってくる。<br>何もかもに知らんぷりして、隣にやってくる。それがどんだけ憎たらしいか。<br><br>「今日はマシだよ。多分ね。知ったこっちゃないけど」<br><br>ほらまた今日も言う。<br>毎日同じように言ってくる。その声が聞こえると分かっていても怒りがこみ上げてくる。同時にいつもわからないこの感情も湧いてくる。<br><br>「はぁ。お前さえいれば、な。」<br><br>なんてね。と心で足す。毎回同じ会話を繰り返す。最近はちょっと飽き飽きしてきた。僕にそんなこと言える権利はちょっとないかもしれないけど。<br><br>さっと足だけを覆っていた布団を剥がす。また暖かさを失った。この喪失感とっても嫌いだ。あの感覚と一緒な気がしてしょうがない。<br><br>僕はその気持ちを無視し続けてベッドから這い落ちる。誰もいない部屋の隅っこから紺色と黒が交えたt-シャツと黒のスキニーのジーンズを拾い出した。男物が好きだ。僕は僕で居たいと切実に毎日服選びと共に強く願う。<br><br>明日起きたら僕は僕じゃなくなっていたらどうしようと考えてしまい昨日も寝付けなかった。なのにいつのまにか毎日寝ていて、寝ている時間を違うことに裂けたらもっと僕だってもっと考えられるんじゃないかって思う。<br><br>「でも人間って弱いんだね。睡眠は必要だから。」<br><br>この言葉誰が言ってたんだっけ。変な気分と頭に浮かんだフレーズを払い除けた。あたかも手を頭上に振ることで本当に消えるかのように。<br><br>鏡の前で自分の眠たい目を睨みながら着替える。僕についてるこいつが嫌いだ。<br>毎日そう思いながら着替える。それで自分の意思が変わっていないか確認してる。変わっていればいいと切実に太陽が昇る度に思う。<br><br>僕だけなのだろうか。<br><br>「多分。僕より辛い人はいっぱいいる。<br>うん。お腹減った」<br><br>言われるよ。独り言が無駄に多いってね。だって実際こうやって頭の中で会話をしてる。でも分かって欲しい。これは寂しさと虚しさを紛らすためでもあるけど、自分の考えと気持ちを整理したいが故にやっていること。毎回こうやって説明する。でもなんでだろう。みんなわかってくれんかった。だから最近は考えるのと気持ちとの引き換え券を買って独り言はしないようにしてる。<br><br>「なにぶつぶつ言ってるんだよ。まじでうるせぇんだよ。お前、あいつがくる間は出てくんじゃねーからな。まー出てきてもしょうがないか」<br><br>あーあー。思い出したくないこと思いだーした。脳内消去。<br><br>部屋のドアを開けてリビングに向かう。<br><br>ふんわりとまだベーコンの油の匂いがまだ残っていた。なんとも言えないこの匂いはあんまり好きじゃない。<br><br>それでも腹は空く。<br><br>「あ。トイレ。あ。水」<br><br>思い出す。忘れるところだった。起きた時からトイレに行きたかった。後体を労るために一番最初に口に入れるものは水にしている。労る気なんてさらさらないんだけどね。<br><br>僕はリビングをでて玄関の方へ向かう。<br>僕の部屋がトイレに一番近い。これに関してはとてもありがたい。鏡の中で自分が自分であることをもう一度チェックしてから便座に座る。冷たい…とてつもなく冷たい。うん。冷たかった。<br><br>便座が無性に冷たかったせいか、廊下が生温く感じた。常温にしたゼリーみたいだ。<br><br>こんな温度差を感じた後の卵焼きはもっと曖昧だった。「優しい人」が多分朝早く作ってくれたことが本当は冷たいであろう物が生ぬるく感じた。それに対して、ベーコンは冷たかった。<br><br>食べ終わった後の食器を食洗機の中へ。今日は、洗い物をしなかった。朝から気分が悪い。自分が、他人が人間であることを思った以上に再確認してしまった。<br><br>生々しい。生きていると言うよりは、動いてる。僕みたいな人は生きているとは認められないのであろう。<br><br>僕は財布をジーンズのポッケに突っ込んだ。イヤホンを挿して、耳に毎日の幸福を。そして、ドアを開ける。冷たい風が僕の肌に触れる。あまり気安く触らないで欲しいと思った。冷たい物が僕に触れたら僕の暖かさがこれ以上に少なくなりそうだ。<br><br>マフラーをつけようとも思った。だけど僕自身はマフラーを持っていない。どちらかと言うと、僕自身が好んで買ったのはない。だから玄関ドアを閉めて、部屋に向かって椅子に掛けていたパーカーを手にして羽織った。<br><br>「あー時間を無駄にした」<br><br>なぜかルーズなのに時間を気にする事が多い。<br><br>玄関ドアを開けた。今回は風が少しは躊躇している気がした。気持ちが通じてよかった。<br><br>僕はパーカーのポッケに手を突っ込みながら駅へ向かう。満員電車の時間には電車に乗らない。正しくは、乗れない。か。僕は人混みが苦手だ。人自身が苦手だ。こう言うと、<br><br>「お前自身も人間じゃないか」<br>って言ってくる人がいる。<br><br>「うん。僕も人間。だから苦手」<br><br><br><br>(追加します。今日の分。読んでくださってありがとう。直した方がいいところ書いてってください)
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<pubDate>Thu, 28 Nov 2019 15:23:40 +0900</pubDate>
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