<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom">
<channel>
<title>またーり試験勉強ｄｅ社労士</title>
<link>https://ameblo.jp/2heibei/</link>
<atom:link href="https://rssblog.ameba.jp/2heibei/rss20.xml" rel="self" type="application/rss+xml" />
<atom:link rel="hub" href="http://pubsubhubbub.appspot.com" />
<description>社労士の勉強をしています。同じような勉強をしている仲間ができたらいいなと思ってます。</description>
<language>ja</language>
<item>
<title>給付の種類と主な内容～その３～</title>
<description>
<![CDATA[ <p>店を出た二人。駅へと歩く。<br>夜の帳が濃くなるごとに、街の色は鮮やかになっていく。</p><br><p>「ちょっと大事な話があるんだ」</p><p><br></p><p>改まった表情の好男、ネーブルのような街灯の下で立ち止った。<br></p><p>「何かしら」<br></p><br><p>のぶ子も立ち止り、少しびっくりした表情。</p><br><p>「のぶ子さん、ぼ、ぼ、僕と…」</p><br><p>「…僕の遺族基礎年金の受給権者になって下さい」</p><br><p>「あら、イヤだ。私はあなたより年上だから養子縁組であなたの法律上の子に<br>なることはできないわよ」</p><br><p>「ち、違うんだのぶ子さん。僕と結婚して欲しいんだ」</p><br><p>「え、もしかして…。それってプロポーズなの。つまり私にあなたが亡くなった場合、<br>寡婦年金や死亡一時金の受給権者になって欲しいということなのかしら」</p><br><p>「そうなんだ。もちろん僕は厚生年金の適用事業で働くサラリーマンで、<br>第一号被保険者ではないから、死亡一時金も寡婦年金も君に捧げることはできないけど、<br>君を思う気持ちはだれにも負けない。だから僕と結婚をして欲しいんだ」</p><br><p>「そんなこと急に言われても困るわ。保険料納付済み期間もあなたと知り合ってからの<br>期間もまだ、6箇月も経っていないのよ。脱退一時金の計算の基礎期間も満たしていないわ。<br>心の準備なんて、私できない」</p><br><p>「一目、君を見た日から僕の心は決まっていたんだ。一緒に過ごした時間の長さなんて関係ない。<br>被保険者期間の月数だって、３００カ月に満たない場合は３００カ月にみなすじゃないか」</p><p><br>「即時としては無効でも、これを僕の予告として受け取ってもらって構わない」</p><br><p>「ちょっと科目が違う気がするけど、うれしいわ。好男さん」</p><p>のぶ子の瞳から小さな粒が伝って光った。</p><br><p>「でも、こんな昭和31年以前生まれの国民年金の強制加入期間の短い私でいいの。もしかしたら<br>老齢基礎年金の額が中高齢寡婦加算の額よりも少なくなってしまうかも知れないのよ」</p><br><p>「大丈夫。経過的寡婦加算があるじゃないか」</p><br><p>得意げな表情の好男、言葉をつなげる。</p><br><br><br><p>「君が中高齢寡婦加算の行われる40歳に達しても、それが打ち切りになる65歳に達しても<br>僕の気持は加山雄三よりも変わらない。いつまでも」</p><br><br><br><p><br>のぶ子が小さな声で呟いた。</p><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><p>「…幸せだなぁ」</p><p>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　了</p><p><br></p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/2heibei/entry-11115666810.html</link>
<pubDate>Sat, 24 Dec 2011 11:32:10 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>給付の種類と主な内容　～その２～</title>
<description>
<![CDATA[ <p>「あれ、このお店って前からあったかなぁ」</p><p><br>こじんまりとした佇まいの赤い看板の前に立ち止まるのぶ子。<br></p><p>障害厚生年金。看板にはそう書かれている。</p><br><p>「前は障害基礎年金のお店だったんじゃなかったっけ」<br></p><p>好男、首を傾げながら答える。</p><br><p>「ああ、そうね。結構前だけど私、ここのお店で20歳前傷病による障害基礎年金を<br>いただいたことがあったもの」</p><br><p>「へえ、じゃあ、国内に居住しているときのことだね」</p><br><p>「そうなのよ、ふうん…前と違って等級が１から3級までなんだ。それと手当金というものもあるのね」<br></p><p>ロフトやハンズで販売しているような小型のイーゼルに掲げられたメニューを<br>かがみこみ、眺めながら応えるのぶ子。</p><br><p>「支給形態は、20歳前傷病以外はほぼ同じだし、入ってみる」<br></p><p>「ええ、そうしましょう。ちょっとこの障害手当金というものに興味があるわ」</p><br><p>中に入る二人。</p><p>それほど、お客の入っていない店内、店員に促されるままカウンターに座る。</p><p>おしぼりで手をふく、のぶ子。顔まで拭いてしまう好男に軽い軽蔑の眼差しを送る。</p><br><p>メニューからは子に係る加算額が消え、新しく配偶者に係る加給年金が付け加えられている。</p><br><p>「ご注文はお決まりでしょうか」<br></p><p>軽い７：３の店員。赤いタータンチェックのベストを着ている。</p><br><p>「はい。私は原則支給と事後重症、それと併合認定でお願いします」<br></p><p>「僕は基準障害とその他障害で」</p><p>店員軽く頷く。<br></p><p>「それでは、保険料納付要件の方をご確認させていただきます。初診日の属する<br>前々月までの国民年金の被保険者期間のうち、保険料納付済み期間と免除期間とを<br>合算した期間が3分の2以上で、よろしかったでしょうか」</p><br><p>「ええ、大丈夫です。それでお願いします」</p><br><p>店員、恭しく頭を下げ厨房に消えた。</p><br><br><br><br><br><p>頼んだものが、運ばれあらかた片付いたテーブル。<br>入ってきたときに比べ、お客の数が増えてきている。</p><br><p>「事後重症、どうだった？」<br></p><p>好男が尋ねる。</p><br><p>「そうね、最初は3級にも該当しないかなって思ってたけど、そのあと該当することに<br>なったかなって感じ。勿論65歳に達する前日までにだけどね」</p><br><p>「ああ、よかった。僕が頼んだ基準障害は該当日に受発するけど、<br>事後重症は請求して初めて受給権が発生する請求年金だから、心配していたんだ」</p><br><p>「原則支給と併合認定は、まあ可もなく不可もなくって感じ。メニューを読めば<br>大体のことは理解できるもの」</p><br><p>「そうだよね。僕はその他障害がちょっとあれだったな」</p><br><p>「あれというと、何かしら」</p><br><p>「うん、うまく言えないんだけど、基準傷病と間違いそうになったよ」<br></p><p>「そんなことないでしょ、普通。もともと１、2級に該当していなかった程度のものが<br>１，２級にシフトするのは基準障害だけなんだから」</p><br><p>びっくりした顔ののぶ子が応える。</p><br><p>「それを言うなら事後重症だってもともと、１、2級どころか3級にも該当していないじゃないか」</p><br><p>好男が聞き返した。</p><br><p>「あれは、違うわよ。だって新しい障害が出てこないじゃない。まったくの別物よ」<br></p><p>のぶ子が早口に言う。</p><br><p>効き過ぎたエアコンの風。14インチのテレビからはナイターの中継が流れている。<br>好男、腑に落ちない表情で天井を見つめる。</p><br><p>「まあ、それは今度ゆっくり説明するわ。今日は給付の種類の主な内容だけだから」<br></p><p>「なんのことだい。それは」</p><br><p>「いいの、いいの。こっちの話だから」</p><br><p>その場の空気を強制的にリセットするのぶ子。<br></p><p>会計の時は必ずトイレに入っている。</p><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/2heibei/entry-11115637510.html</link>
<pubDate>Sat, 24 Dec 2011 11:28:46 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>給付の種類と主な内容</title>
<description>
<![CDATA[ <p>薄い蛍光灯の明かり、油と喧噪の匂い。<br>改札口から流れ出る雑踏から少し外れた場所に立っている女。<br>男が小走りに駆けよる。</p><br><p>「ごめん、のぶ子ちゃん、お待たせしちゃって」<br></p><p>「遅いわよ、好男さん。私、もう6分も待っちゃったわよ」<br></p><p>「ごめん、ごめん。今日は僕がおごるからさ」</p><br><p>怒っている風でもない女、顔の半分で笑いながら、<br>残りの半分で怒って見せる。<br>男も口だけは申し訳なさそうにゆがめているもののその上の部分では<br>やっぱり笑っている。</p><br><p>誰も見ているわけでもないのに、ちょっと痛い小芝居。小学生の学芸会に<br>紛れ込んだ特別出演の先生のてい</p><br><p>「今日はどこの店に食べに行こうか」</p><br><p>小首を傾げるのぶ子、しばらく考えた後に言う。</p><br><p>「老齢基礎年金なんかいいわね。私けっこう好きなんだ。振替加算もあるし、<br>支給の繰り上げや繰下げなんかもあって、助かるのよね」</p><p>困った顔をする好男</p><br><p>「でも今日は、あれじゃないかな。確か定休日だった気がするよ。<br>それに配偶者と子に係る加算額もないし」</p><br><p>「どうしても国民年金法がイイって言うなら付加年金なんかどうかな。<br>支給事由も老齢で同じだし」</p><br><p>「うーん、でも付加年金って第１号被保険者の独自給付でしょ、それに付加給付って言ったら、<br>やっぱり老齢基礎年金とセットじゃないと」</p><br><p>「じゃあ、たまには気分を変えて老齢厚生年金なんて、どうかな。けっこうボリュームあるよ。<br>特別支給とか原則支給とか。それに老齢厚生年金だったら配偶者と子に係る加給年金もあるしね」</p><br><p>「ごめんなさい、今日のお昼が雇用保険給付だったから、それはちょっと調整しないといけないのよね」<br></p><p>「それと、老齢厚生年金は報酬比例とか定額部分とか経過的加算額で年金額を計算するのが<br>ちょっとめんどくさいわ」</p><br><p>「そうだね、僕も本当のことを言うと、在職老齢年金がちょっと苦手なんだ。<br>だいたい被保険者でもない７０歳以上の者の年金も調整するなんさ」</p><br><p>「少し、歩きながら考えましょうか。まだ時間も早いことだし」</p><br><p>好男の返事を待つことなく、歩き出すのぶ子。あわてて後を追う好男。</p><p>安っぽい七夕飾り取り残された電信柱をかすめ、賑やかしい、店の並びに<br>二人は歩いていく。</p><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/2heibei/entry-11115634470.html</link>
<pubDate>Sat, 24 Dec 2011 11:24:43 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>あれとキリギリス</title>
<description>
<![CDATA[ <p>昔々、と言ってもそんなに昔のことではありません。</p><p><br>新幹線の“のぞみ”がまだ全席指定席だった頃のお話です。<br>あるところにアリとお約束のキリギリスが住んでいました。</p><p><br>ふたりは同じ都営住宅にお隣同士で暮らしていました。<br>たまに味噌が切れてしまったと言っては、キリギリスが借りに来たり、茨城にあるキリギリスの</p><p>実家からカボチャが送られてきたときはお裾分けに半分届けたりと、</p><p>そんな恰好でお互いに仲良く暮らしていました。</p><br><p>そんなアリとキリギリスですが、ひとつだけ大きな違いがありました。<br></p><p>足立区の工業高校を卒業したアリは法人である厚生年金及び健康保険の適用事業である</p><p>工場において工員として働き、キリギリスのほうは葛飾区の普通科の高校を中退し</p><p>人生はロックだと言いながらろくに定職にもつかず、身なりで人を判断する奴はクソだと言う</p><p>持論を振りかざし周りとの調和を省みない奔放な服装でブロークンな人生を歩んでいました。<br></p><p>勿論、第一号被保険者としての国民年金保険料、国民健康保険なども払っていません。</p><br><p>来る日も来る日もアリはよく働きました。自分のことしか考えていない上司の責任逃れに</p><p>挫けそうになったことも、やる気も技術もないのに、自分の権利だけは一人前に主張してくる<br>後輩などにつくづく嫌気がさしたことも、１度や２度ではありません。<br></p><p>それでもアリは働き続けました。</p><br><p>キリギリスは、と言えば、相変わらず定職に就くこともなく、３０日未満で仕事を転々としておりました。</p><p>一定の地理的条件は満たしていましたので、手続きさえしていれば日雇労働被保険者に<br>なることもできましたが、キリギリスがそれをすることはありませんでした。<br>公共職業安定所を日々利用するなんて、ロックじゃないと思ったのか、あるいは印紙保険料の</p><p>半額負担が嫌だったのか。<br></p><p>それは誰にも分かりません。</p><br><p><br>キリギリスは夜の蝶々と闇に戯れ、アリは日の光の中あぶらと埃に塗れながら働き続けました。<br></p><p>粛々と誰にも邪魔されることなく滑らかにお互いの年月は流れていきました。</p><br><p>アリもそしてキリギリスも６５歳です。</p><br><p>第二号被保険者として立派に勤めあげたアリは当然、満額の基礎年金それから２階部分の</p><p>厚生年金もそれなりの金額を受給できるようになっていました。</p><p><br>国民年金どころか、住民税すら非課税で生きてきたキリギリスは、どうでしょうか？<br></p><p>あの寓話に出てくる昆虫のように雪に埋もれてしまったのでしょうか。</p><br><br><br><br><br><p>　いえ、そんなことはありません。</p><p><br></p><br><p>キリギリスは厚生労働大臣が定める基準に基づく最低生活費を保護費として毎月支給されながら</p><p>最低限度ではありますが健康で文化的な生活を営んでおりました。</p><br><p>一方アリは満額の基礎年金を受給できると言っても、厚生年金の支給額については</p><p>標準的な年金受給世帯において、現役世代（働いている時）の平均収入の50%以上の</p><p>水準を確保するに止まり、それほど裕福な生活ができると言うほどの収入には達しないのが現状なのでした。</p><p><br>「いくら、国はすべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び</p><p>増進に努めなければならないといっても、これじゃ、あんまりにも不公平じゃないかしら」</p><br><p>「わたし、納得いかないわ」</p><br><p>アリの奥さんが、やりきれないと言った表情で愚痴をこぼします。</p><br><p>「まあ、そんなこと言うもんじゃないよ。それぞれ、違った価値観があるからさ」</p><br><p>「キリギリスさんが生活保護法に定める生活扶助を受けていなかったとしても、ぼくの年金が</p><p>増える訳じゃなし、人と比べてどうこうではなくて、正しいと信じたことを継続することが</p><p>出来た自分が幸せだなって思うんだよ」</p><br><p>「でも、あなた…」</p><br><p>アリの奥さんはまだ、納得が行きませんでしたが、のんびりと触角を揺らしながら膝に乗せた</p><p>孫をあやしている少し小さくなったように見えるアリを見ていると、</p><p>静かに柔らかい気持ちが戻って来ました。</p><br><br><br><p>…正しいと信じたことを継続することが出来た自分が幸せだなって思うんだよ。</p><p><br>ふわふわと宙に舞っていたその言葉に対して奥さんは心の中で、つぶやきました。</p><br><br><br><br><p><br>「…まあ、それもアリかな」</p><p><br>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　了<br></p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/2heibei/entry-11111364103.html</link>
<pubDate>Mon, 19 Dec 2011 17:39:27 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>年金基本事項　目的等</title>
<description>
<![CDATA[ <p>「だから、おかしくはないだろ」</p><p><br>７杯目の中生のジョッキを握ったまま、厚生年金が言った。</p><br><p>「いや、先輩は間違っていますよ」<br></p><p>普段はおとなしい、国民年金も冷凍の枝豆を指先でいじりながら<br>１９歳も年上の厚生年金に珍しく食ってかかった。</p><br><p>「だいたい先輩はおかしいですよ。生活の安定と福祉の向上に<br>寄与するとことをお題目のように謳うのなら、なんでその対象を<br>労働者の老齢、障害または死亡に保険給付を限定しているんですか」</p><br><p>「だから言っているだろ、おれは厚生年金基金がその加入員に対して<br>行う給付に関しても必要な事項を定めなければならないのだ。<br>分かるか？忙しいんだよ」</p><br><p>「ぼくだって国民年金基金について法第10章第1節第115条から第137条で<br>ちゃんと規定していますよ」</p><br><p>「何を言っているんだ。そんな昨日、今日できた基金を持ち出して、<br>ガタガタ言っても仕方ないだろ。目的条文に明示もされていない分際で」</p><br><p>「それは確かに、昭和４２年に設立された厚生年金基金連合会に比べたら、<br>平成３年に設けられた国民年金基金連合会はひよっこかも知れませんけど…」</p><br><p>「でも、目的条文と言うのなら先輩だって日本国憲法にすら触れていない<br>じゃないですか。こっちは日本国憲法２５条２項に規定する理念に基づいて<br>頑張っているんですよ」</p><br><p>「頑張っているが聞いて呆れるね。だいたい、何が国民の共同連帯だよ。<br>そんな甘いこと言っているから、保険料の未納が４０％にも上るのではないか」</p><br><p>厚生年金は続けた。</p><br><p>「そんなことで、健全な国民生活の維持及び向上に寄与することができると<br>思っているのか、それこそ、真面目に保険料払っている人たちの生活の安定が<br>そこなわれるんじゃないのか」</p><br><p>「保険料が事業主と折半負担で納付義務も被保険者にはないからって、<br>ちょっと言い過ぎじゃないですか」</p><br><p>国民年金は軽く腰を浮かせ、厚生年金を鋭い目で見た。</p><br><p>調理場の奥で事務を行っている厚生労働大臣が申し訳なさそうに言った。</p><br><p>「すみません、他にもお客様が見えていますし、物価変動率もマイナスに<br>なってしまっているので、年金額を少し落としてもらえませんか、<br>あと、できれば声を少し小さく…」</p><br><p>厚生年金が軽く首を振り、あたりを見まわすと事務の委託と委任をされている<br>日本年金機構が心配そうにこちらを見ている。</p><br><p>カウンターで飲んでいる３人に見覚えがあった。</p><p>それほど飲んだつもりはない。<br>それでも、かなり酔っているみたいだった。その３人を都道府県議会議員年金、<br>市議会議員年金、町村議会議員年金だと思いだすのに結構な時間が掛った。</p><br><p>喪服を着ているところから考えると、最近亡くなった国会議員互助年金の<br>お通夜の帰りのようだった。</p><br><p>なんだか急速に白けた雰囲気になっていった。</p><br><p>「ちょっと言い過ぎたかも知れないな。申し訳なかった」</p><br><p>「いえ、すいません。こちらのほうこそ偉そうなことばかり言ってしまって」</p><br><p>厚生年金は国民年金に詫び、国民年金も素直に謝った。</p><br><p>「お互い、事故は業務外、業務上を問わないという、間柄だ。これからも<br>ひとつ、仲良くして行こう」</p><br><p> 顔の半分で笑った厚生年金はテーブルの伝票をつまみ立ち上がった。</p><br><p> 胸のポケットに刺さってあったコードバンの財布の中から基礎年金拠出金を取り出すと</p><p>店の出口のレジに向かって少しだけ揺れながら歩き始めた。</p><p>                     <br>                     　　　　　　　　　　　　      　　　　　了</p><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/2heibei/entry-11111346743.html</link>
<pubDate>Mon, 19 Dec 2011 17:23:29 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>労働基準法20条1項</title>
<description>
<![CDATA[ <p>「社長！」</p><p><br>青年はアルミ製のフラッシュドアを閉めると事務所の一番奥の机に座っている男に向かって歩を早めた。<br></p><p>「おかしいじゃないですか。なぜ私が会社を解雇にならなければいけないのですか」<br>青年は真赤だ。</p><br><p>「解雇？」</p><br><p>「とぼけないで下さいよ。解雇というのは、使用者が一方的に労働契約を将来に向かって<br>解約することですよ」</p><br><p>「まあ、落ち着きたまえ」</p><br><p>男は諭すように言ったが、青年の声のトーンが下がる様子は全くなかった。</p><br><p>「落ち着いていられるわけがないじゃないですか」</p><br><p>ナショナルパルックライトの昼白色の灯りは自然で無機質な空間を演出し、</p><p>ダイキンのハウジングエアコンからは少しかび臭い冷風が流れてくる。</p><br><p>「大体ですよ。使用者は労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前に</p><p>その予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の</p><p>平均賃金を支払わなければならないと、法律にもうたってありますよ」</p><br><p>「いや、君は…」</p><br><p>「社長のおっしゃることが分からないこともないですよ。確かに私はクロームメッキ用の</p><p>治具にクレセントを差し込む作業の際に誤って転倒し大けがをし、何か月も仕事を休んでますよ。</p><p>それについては私だって、それなりに申し訳ないと思ってますよ。だけどこれは業務上の傷病ですよ。</p><p>いいですか？」</p><br><p>「労働者が業務上負傷し、または疾病にかかり、その療養のため休業する期間、及びその後30日間は、</p><p>理由のいかんを問わず、使用者はその労働者を解雇することはできないんですよ」</p><br><p>「いや、しかし、君やむを得ない事由ということもあるじゃないか」</p><br><p>男は遠い目で青年を見ながら言った。</p><br><p>「やむを得ない事由かどうかは行政官庁が判断することでしょう。労働基準監督署の認定は下りたんですか」<br></p><p>青年はあくまでも挑戦的だった。</p><br><p>「いや」男は力なく首を横に振った。</p><br><p>「それでは、なぜ私がクビなんですか。どうして私の作業机がなくなっているんですか」<br></p><p>青年は早口に言い切り、差向いにはさんだ机に手をつくと大きく身を乗り出した。</p><br><p>「それは…」</p><br><br><p><br>「君が隣の会社の社員だからだろう」</p><br><p>これで何度めだろう…。</p><br><p>男は数カ月前、営業時間中に転倒し不幸にも頭を強打し部分的な記憶喪失を患い、</p><p>自分の会社の場所すら分からなくなってしまった気の毒な青年に噛んで含めるように言って聞かせると、</p><br><p>左手に受話器を取ったが、隣の会社に電話するのがいいものか、</p><p>救急車か何かを呼んだ方がいいものか決めかねながら、</p><br><p>摺ガラス越し、塊のようなアブラゼミの鳴き声を聞いていた。</p><br><p>　　　　　　　　　　　　　　　　了<br></p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/2heibei/entry-11111337204.html</link>
<pubDate>Mon, 19 Dec 2011 17:13:57 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>３つの願い</title>
<description>
<![CDATA[ <p>蒸し暑い夏の夜だった。</p><p>秩序なく建てられた、高かったり低かったりする住宅の隙間を縫って、<br>ずかずかと走る私鉄の駅にはタクシーのロータリーもない。<br>一路線だけあるマメのようなバスはまだ子供すら塾から帰って来ないくらいの時刻に<br>操車場に戻っていく。</p><p><br>　当然、仕事帰りに一杯ひっかけたサラリーマンが改札から吐き出される頃には、<br>すでにゴーストタウンのようになって塊のような空気を凝縮させているのだった。</p><br><p>　彼は襟元の少し湿ったワイシャツのネクタイを怠惰に緩め、寝るためだけに存在する<br>アパートへの道を歩いた。つい先刻までの脂っこい喧騒とは打って変わった静寂。<br>　昼間の疲れとアルコールでついつい瞼が下がってくる。</p><p><br>　道端に明かりを灯す自動販売機の赤と白が滲んで見えた。</p><br><p>「おい」</p><br><p>突然後ろから呼び止められた。</p><br><p>「はい」</p><br><p>呼ばれれば必ず、ハイ応じてしまうサラリーマンの悲しい性……。<br>振り返るとそこには、老齢厚生年金も基礎年金も、マルっと貰っているくらいの頃合いの、<br>老人が立っていた。　見たことのない顔だった。<br>　まして、そんな風に居丈高に呼び止められる覚えは彼にはなかった。</p><br><p>「何か、ご用でしょうか？」</p><br><p>　彼はハイと応えてしまったテンションそのままに老人に尋ねてみた。<br></p><p>　老人と思っていたが、まだ後期高齢者医療制度で年金から保険料は<br>特別徴収されていないくらいの年齢のようにも見えた。</p><br><p>「おれは神だ。率直に用件を言うと、お前の望むところの願いを3つだけかなえてやる。今日のノルマだ」</p><br><p>　老人は、現役並み自己負担3割かと思うようなしっかりとした口ぶりで話したが、<br>話している内容は成年被後見人も、びっくりだ。</p><br><p>「…メンドクサイひとにロックオンされてしまった」</p><p>「そのへんに生活救助員か後見人さんでもいないものだろうか」</p><br><p>あたりを見回しながら、彼が心の中で一人ごちると老人は言った。</p><br><p>「お前、今めんどくせーなと思っただろ」</p><br><p>彼は驚いた。なんと老人は彼が今、思ったことを正確に言い当てたのだから。</p><br><p>「ちょっと待ってください」</p><br><p>彼は慌てて言った。この老人が本当の神様だったとは。</p><br><p>ベビーブーム絶頂期に生まれ大学受験の倍率は、その辺の有名三流大学でも一著前。<br>思い通りの学校へは進学できなかった。<br>卒業時、バブル崩壊の影響で、就職先はほとんどなかった。<br>そんな自分にもやっと運が向いてきた。彼はそう思った。</p><p>欲望が胸を、計算が頭を駆け巡る。</p><br><p>「金、女？」「土地？やっぱり銀座」<br></p><p>「ＮＴＴの株？憧れの不労収入、投信、国債」</p><br><p>「早くしろ」</p><br><p>老人はイライラしながら怒鳴った。</p><p>「すみません、少しだけゆっくり考えさせてください」</p><p>思わず崩れてくる表情を必死に平常に保つ努力をしながら、彼は答えた。<br>日本の王様にしてもらおうか、王様なら金も女も思いのままだ。いやまてよ…。<br>日本は民主主義、主権在民を掲げた国だ。すると王様にしてもらっても<br>実質的にはあまりいいことがなさそうだ。どうすればいいのか、金は魅力的だが、<br>将来的に急激なインフレーションが起こらないとも限らない。<br>どんなに高価な株だって会社が倒産してしまえば紙クズだ。　　　　　<br>いや、証券保管振替機構による株券電子化のために紙クズすらならない。<br>債権だってデフォルトのリスクを伴う。結構、難しいものである。</p><p>また分不相応な財産をもつことは余計な心配ごとを抱え込むことにもつながる……。<br>とここは、やはり身の丈にあった願いをしなければ。<br>自分の体重は約６３キログラムだから……。</p><br><p>　頭を散々悩ませた挙句、絶対的な価値を持つ金融資産を彼は思いついた。</p><br><p>「願いは決まりました」</p><br><p>　彼は老人に言った。</p><br><p>「よく聞いてくださいよ」</p><br><p>待ちくたびれたと言った表情の老人は頷き、彼の言葉に耳を欹てた。</p><br><p>「私の願いはですね…。いいますよ…」</p><br><p>「２０２５．５トロイオンスの金を、金塊を下さい」</p><br><p>老人は黙って聞いていた。<br>シンと静まった夜更けに、昼間の日差しで柔らかくなったアスファルトが<br>オイルの臭いを蒸散させていた。</p><br><p>少しの間を置き老人は口を開いた。</p><br><p>「ああ、そうですか」</p><br><p>老人はそれだけ言うと彼にくるりと背中を向け歩き出した。<br>金塊は現れなかった。</p><br><p>「話が違うじゃないですか。金塊はどうしたんですか」<br></p><p>彼は老人に食ってかかった。</p><br><p>「願いは３つといったはずだ」<br></p><p>老人はこれだから、最近の若い者はといった愁嘆めいた表情を浮かべた。</p><br><p>「ちょっと待ってやって、ゆっくり考えさせてやって、よく聞いてやっただろ」</p><br><p>老人はそのまま歩き続け、自動販売機の横に立て掛けてあったマルキン自転車にまたがると、<br>ゆらりゆらりと闇の中へ消えていった。</p><br><p>　　　　　　　　　　　　　　　　　了</p><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/2heibei/entry-11111332497.html</link>
<pubDate>Mon, 19 Dec 2011 17:04:42 +0900</pubDate>
</item>
</channel>
</rss>
