<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom">
<channel>
<title>恋愛小説 私があなたを守ります</title>
<link>https://ameblo.jp/8pxq8/</link>
<atom:link href="https://rssblog.ameba.jp/8pxq8/rss20.xml" rel="self" type="application/rss+xml" />
<atom:link rel="hub" href="http://pubsubhubbub.appspot.com" />
<description>初めて体験する本気の恋。少し遠慮がちで純粋な年下の彼に恋をする。初めて感じる誰かを想う気持ち。でも幸せは幾度も訪れるものではなかった。春菜はそんな現実にぶつかり戸惑いながらも大切な劉輝と共に歩くため彼を守ろうとする。最後にくだす2人の思いは？</description>
<language>ja</language>
<item>
<title>全てあなたのためだから 22話 此処からもう一度</title>
<description>
<![CDATA[ <br><p>チャイムが鳴り終わるまで、私たちの時間は止まったままのようだった。</p><p>私は拭いきれない涙を流したまま、彼の少し怒った表情をじっと見つめていた。</p><p>彼は、両手を強く握りしめ、私から視線をそらすことなく、じっと私を見つめていた。</p><br><p>もう二度と戻れないという事実を知っていながらも、彼のことを嫌いになることなどできない。</p><p>そんな風に絡まっていた糸が一気にほどけたように、私の心は解放されていた。</p><br><p>もし、もう一度あなたのことを本気で好きになっていいのなら・・・</p><p>もし、もう一度あなたのことを守れるチャンスをくれるなら・・・私はちゃんとあなたの彼女になりたい。</p><p>いつも傍にいてあげられるような。おいしいご飯を作ってあげられるような。</p><p>もう二度と、離したくないと思われるような彼女になりたいと心から思いました。</p><br><p>静まり返っていた廊下が、授業の終わりを告げた教室から生徒たちが通る。</p><p>私はあわてて涙をぬぐい、平然を装ってみようとした。でも、足に力が入らない。</p><p>そんな時、彼が優しく私の手を引っ張った。</p><p>私は、そのまますがるように、彼の方に身を任せた。</p><p>このままがいい。このまま、時間が止まったらいいのに。</p><p>普段は、恥ずかしくして考えることもできないような台詞を自然と何度も唱えてしまっていた。</p><br><p>「春菜・・・、りゅうき・・・？」</p><p>聞きなれた声に私の心はざわめいた。</p><p>「飯島君・・・」</p><p>「飯島先輩・・・」</p><p>少し震えた声に、私は顔を上げ、彼の表情を確かめた。</p><p>いつもの和らいだ笑顔とは裏腹に少し眉を細め、飯島君を見つめる視線がきつく思えた。</p><p>「何やってんの？」</p><p>飯島君の怒った声に私は声も出なかった。</p><p>「なあ、何やってんのって聞いてんだけど」</p><p>そういって飯島君がりゅうきくんの肩を強く押した。</p><p>私から突き放すように。</p><p>「行くぞ」</p><p>そういって飯島君は私の手首を乱暴につかんだ。</p><p>「やだ・・・！」</p><p>初めて彼に反抗した。思い切り腕を振りほどいた。</p><p>その瞬間、彼の怒った顔と、手を振り上げたのが見えた。あの時みたいに・・・</p><p>殴られる・・・</p><p>そう思った瞬間、私は目を閉じた。覚悟をしたんだ、今までの私が悪かったからって。</p><br><p>でも、倒れているのはなぜかりゅうきくんだった。</p><p>私は恐る恐る目を開き、りゅうきくんにかけよった。</p><p>「大丈夫・・・？りゅうきくん・・・大丈・・・」</p><p>「何やってるんですか・・・！」</p><p>りゅうきくんの怒鳴り声に、廊下中が静まり返るのがわかった。</p><p>「なんで手を上げるんですか・・・！僕は・・・僕は絶対に許さない</p><p>　何があっても、男が女性に手を上げることは絶対に許さない・・・</p><p>　それに、僕の大事な春菜先輩に手を上げることは・・・絶対に許しません・・・」</p><p>「んだよ・・・うるせーよ・・・お前にとやかく言われる必要ねーだろ？</p><p>　俺は、春菜の彼氏なんだぞ。元彼かもしれねーけどな、口だしてんじゃねーよ。</p><p>　どうせ、キスもろくにできないようなやつなんだからな」</p><p>そういってうつむくりゅうきくんのことを鼻で笑った。</p><br><p>「ほら、春菜行くぞ。こんなやつのことは無視して行こうぜ。」</p><p>腕を掴まれた時、私の過ちは怒りと化していた。</p><p>「好きじゃなかった・・・」</p><p>「あ・・・？なんて？」</p><p>「飯島君のこと・・・好きなんかじゃなかった・・・。</p><p>　ごめんね・・・最低だってわかってるけど、今のあなたも前の私も同じだと思うから」</p><p>「何言ってんだお前・・・殴られてーの？」</p><p>「もう・・・何回殴られてもいい・・・！もうわかったの・・・。</p><p>　私・・・飯島君と付き合ってる時、りゅうきくんのこと忘れたことなんてなかった・・・！</p><p>　いつも・・・りゅうきくんならって・・・頭の中そればっかりで・・・</p><p>　りゅうきくんだったらこうしてくれた・・・りゅうきくんならこんなときって・・・そればっかりで・・・</p><p>　結局嫌いになんてなれてなかったの・・・ただ寂しかったの・・・</p><p>　何もできない自分に腹が立っていたの、誰かに埋めてほしかったの・・・！</p><p>　ごめんね・・・謝っても謝りきれないと思うけど・・・飯島君もりゅうきくんに謝ってほしい・・・</p><p>　私たちのしてたことは、両想いのドキドキした恋なんかじゃなかったから・・・」</p><p>「は・・・意味わかんねーよ・・・</p><p>　俺だってな・・・お前のことなんか別に好きじゃなかったよ。</p><p>　ただの自慢？ヤれたらいいかなくらいにしか思ってなかったけど、ガードかたすぎて笑えてさ</p><p>　こいつに教えてやろうか？キスもできないようなやつにさ、俺たちがどれだけキスしたかって・・・」</p><p>私は唇を噛みしめ、自分の過ちを悔いていた時、りゅうきくんは私の前を通り過ぎ、</p><p>思い切り、飯島君を殴った。</p><p>あまりの出来事に、目を見開き、声を失った。</p><p>「いい加減にしてください・・・！</p><p>　僕のことを悪く言うのはいいです・・・でも春菜先輩のことを悪く言わないでください・・・</p><p>　僕はもう・・・先輩に春菜先輩を渡そうなんて思ってません・・・」</p><p>「は・・・？意味わかんねーし・・・だって俺ら・・・」</p><br><p>「自分勝手でごめんね・・・でも、もう終わりにしたい」</p><p>私は飯島君の視線を断ち切るように、りゅうきくんの震える拳をぎゅっと握りしめた。</p><p>そして、後から実感する彼の言葉の意味に涙がでた。</p><p>「もう二度と・・・春菜先輩のことを離そうとしません。</p><p>　何度親に反対されても、僕は諦めずに頑張ってみようと思います。</p><p>　春菜先輩が誰かに傷つけられるのを黙って見ているしかできないなら・・・</p><p>　僕は少しずつでも、彼女の力になれるように努力していたいと思いました」</p><p>「りゅうくん・・・」</p><p>「ああ・・・そうかよ・・・勝手にしろよ・・・」</p><p>そういって彼は音を立てながら階段を降りていった。</p><p>私は3回深呼吸し、彼の少し涙ぐむ顔を、じっと見つめた。</p><p>「春菜先輩・・・遅くなってすいません・・・」</p><p>そういってうつむく彼に、私は涙を流しながら微笑んだ。</p><br><p>「もう二度と・・・離したりしないでね・・・」</p><br><br><br><br><br><p>おわり</p><br><br><br><br><br><p>全てあなたのためだから、完結しました。</p><p>今回は、初めて本気の恋を経験した春菜と劉輝が、大きな問題に立ち止まり、別れてしまってから、</p><p>たくさんの間違いを乗り越え、もう一度本当の絆を確認することができる。</p><p>そんな、お互いの気持ちを確認しあう回が多かったと思います。</p><p>これから、春菜と劉輝の恋はどう進展していくのか、次回に期待をしてください。</p><br><p>追記、更新なかなかむらがあってしまって申し訳ないです。</p><p>読んでくださっている方には感謝の気持ちしかありません。</p><p>これにこりず、これからもぜひ愛読のほどよろしくお願いします。</p><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/8pxq8/entry-11752271900.html</link>
<pubDate>Fri, 17 Jan 2014 23:15:28 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>全てあなたのためだから 21話 守られていること</title>
<description>
<![CDATA[ <br><p>私は本当に馬鹿だ。</p><p>疑う余地など微塵もない彼と、一番の親友である愛梨のことを何もわかっていなかった。</p><p>そしてその期待を、私は何一つ疑いもせず裏切ってしまったんだ。</p><p>大切な人に必死で、本当に大切なものを何も考えずに傷つけていく。</p><p>私のしてきたことは、残酷なまでに最低だった。</p><p>誰かに気づかされて、正しい道を歩いていると勘違いしている。</p><p>一人で何でもできていると勘違いをして、気づけば私の周りには誰もいなくなっている。</p><p>そんな事実と、私自身が怖くなった。</p><br><p>「春菜先輩・・・？」</p><p>心配した劉輝くんが私に声をかける。</p><p>「ごめ・・・んね・・・。」</p><p>声の震えを抑えることなどできなかった。</p><p>「どうして春菜先輩が謝るんですか・・・？</p><p>　僕はもう本当に大丈夫ですから！先輩は・・・これからですよ・・・！」</p><p>そういって精一杯の笑顔を浮かべる彼に私は返す言葉を見つけることすらできなかった。</p><br><p>いつもそうだった。</p><p>私が悪いこと。なのに彼はいつも僕のせいですと私をかばってくれた。</p><p>何も悪くないのに、いつもそうやって精一杯の笑顔で私を安心させようとしてくれた。</p><p>不器用な彼だから、そんなこともすぐわかってしまう。</p><p>それがもどかしい。</p><p>もっとひどい言葉で私を突き放してくれたら・・・</p><p>本当のことかどうかなんてわからないような人だったら・・・</p><p>私はどう頑張っても彼のことを嫌いになることなんて出来ない。</p><p>それが切ない。</p><p>こんな最低な私のことを、彼は今でも好きでいてくれているんだ。</p><p>こんな私のために、別れを切り出して・・・僕は大丈夫ですと嘘をついて・・・</p><p>私と飯島君が付き合うことを精一杯の笑顔で送り出しているの・・・？</p><br><p>私はもう一度彼の顔を見上げた。</p><p>彼は心配そうに私の顔を見つめ返した。</p><p>「どうして・・・？どうしてそんな顔するの・・・？」</p><p>「え・・・？」</p><p>「私は・・・劉輝くんのこと・・・守れなかったんだよ・・・？</p><p>　いっぱい傷つけたんだよ・・・？なのにどうして・・・？</p><p>　寂しいからって飯島君にすがろうともしたんだよ・・・？</p><p>　劉輝くんが大切にしてくれてたこと・・・平気でいっぱいしちゃったんだよ・・・？</p><p>　なのにどうして・・・どうしてこんな私のこと、今でも好きでいてくれるの・・・？」</p><p>私の精一杯の想いをぶつけた後、彼が強く両手を握り締めた。</p><br><p>「僕は・・・守られてました・・・春菜先輩にちゃんと守ってもらっていました・・・」</p><p>「え・・・？」</p><p>「僕が一番怖かったのは・・・独りだったことです・・・。</p><p>　家族がいなくて・・・守りたいと思える人もいませんでした・・・。</p><p>　幸せになれるならなりたい。でも・・・僕が同じ幸せを返してあげられるかわからなかったから・・・</p><p>　正直、春菜先輩と付き合っているときも不安でした。</p><p>　僕は自信がなかったから・・・もっと良い人がいるんじゃないかって、いつも思っていました・・・。</p><p>　それでも春菜先輩は、こんな僕の傍にいつもいてくれました・・・。</p><p>　離れたほうがいい・・・でも・・・それよりも僕が幸せにしたいって思う気持ちのほうが強かった・・・。</p><p>　そんな風に想える人には・・・もう二度と出会えないと思っていたんです。</p><p>　だから・・・・・・」</p><br><p>「だから・・・春菜先輩は僕のことをずっと守ってくれていたんです。</p><p>　一番怖かった孤独から・・・いつもいつも守ってくれていたんです・・・。</p><p>　ぬくもりを感じるたびに、ずっと傍に居たいと思えました。</p><p>　声を聴くだけで、いつも安心していました。</p><p>　だから・・・最低なんて言わないでください。僕が好きだった春菜先輩を悪く言わないでください。」</p><br><p>涙をこらえながら彼の話を聞くことなど出来なかった。</p><p>私はそのまま、床に崩れ落ちた。</p><p>本当はあなたが想っているような私じゃないんだよ・・・</p><br><p>「本当はね、恋愛が初心者で私みたいに容量が悪くて勘違いばかりでね・・・</p><p>こんな私じゃなくて・・・もっと・・・もっとね・・・あなたのこと大切に思ってくれる人なんてたくさんいるんだよ・・・？</p><p>いつも傍にいてくれる人なんて・・・たくさんいるんだよ・・・？</p><p>毎日ご飯を作りにいけて・・・もっとたくさんお金を持っていて・・・</p><p>劉輝くんがバイトで疲れなくてもいいように支えてくれる人だっているんだよ・・・？</p><p>私なんて・・・どっちかとゆうとふさわしくないほうなんだよ・・・</p><p>どうして気づいてくれないの？どうして悪く言わせてくれないの・・・？</p><p>もっと会いに来いって言ってよ・・・！</p><p>お前もバイトくらいしろよって叱ってよ・・・！</p><p>守るとか言って嘘つくなって・・・突き放してよ・・・・・・」</p><br><p>「そんなこと言うわけないじゃないですか・・・！」</p><br><p>初めて聞く彼の怒鳴った声に私の涙の流れが止まった。</p><br><p>「誰が何て言おうと・・・僕が幸せだと感じた気持ちを変えることなんてできません。</p><p>　僕は・・・初めて誰かと気持ちが繋がったと思いました。</p><p>　初めて・・・分かり合えたと思いました。</p><p>　こんな・・・報われたみたいな気持ちになったのが・・・初めてだったんです。</p><p>　そんな気持ちを教えてくれたのは、初めて教えてくれたのは紛れもなく春菜先輩なんです。</p><p>　だから僕は嫌いになんてなりません。</p><p>　どんな春菜先輩だっていい。僕の知っている春菜先輩は最低なんかじゃありません。」</p><p>「劉輝くん・・・・・・」</p><br><p>もう一度流れる涙を、彼が優しく拭ってくれた。</p><p>私は頬に触れた彼の手を右手で優しく包み込んだ。</p><br><p>もう一度チャイムが鳴り響き、終わりを告げたはずの合図が私たちには違う意味で鳴り響いていた。</p><br><p>つづく・・・</p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/8pxq8/entry-11728736502.html</link>
<pubDate>Fri, 13 Dec 2013 22:53:20 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>全てあなたのためだから 20話 あなたの想い</title>
<description>
<![CDATA[ <p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">私は自分の耳を疑った。そして揺れ動く心を確かに感じていた。</font></p><p><font size="2">「愛梨と付き合ってない・・・の・・・？</font></p><p><font size="2">　どうして？私はりゅうきくんが愛梨と付き合ってるって聞いたから・・・！」</font></p><p><font size="2">喉にでかかった言葉を必死に奥へと飲み込んだ。</font></p><p><font size="2">「なんで僕が愛梨先輩と・・・？」</font></p><p><font size="2">彼はまだ状況がよくつかめていないようだった。</font></p><p><font size="2">態度やしぐさですぐわかってしまう。彼は嘘などつけない人だということは痛いほどわかっていた。</font></p><p><font size="2">「愛梨が・・・付き合ってるって・・・」</font></p><p><font size="2">私はなぜか心が痛んだ。すべて愛梨のせいにしているみたいで。</font></p><p><font size="2">「それは・・・中学の話で・・・」</font></p><p><font size="2">「え・・・？」</font></p><p><font size="2">私はもう一度唾を飲み込んだ。</font></p><p><font size="2">理解が追いつけないほどの言葉たちが私に襲い掛かる。</font></p><p><font size="2">心の中の喜怒哀楽さえわからなくなっていた。</font></p><p><font size="2">「中学の時・・・愛梨と付き合ってたのって・・・りゅうきくんなの・・・？」</font></p><p><font size="2">私は信じたくなかった。「いいえ」を選んでほしかった。</font></p><p><font size="2">「はい。」</font></p><p><font size="2">そんな都合の良い答えが返ってくるはずもなく、私はうつむいた。</font></p><p><font size="2">「ちゃんと話たい・・・。」</font></p><p><font size="2">彼の顔を見るのが怖かった。彼は今、どんな気持ちなんだろう。</font></p><p><font size="2">考えるのが怖かった。それと同時に、表情を見るのも辛かった。</font></p><p><font size="2">「はい・・・ちゃんと話します。」</font></p><br><p><font size="2">学校のチャイムが鳴りびいていたのを、聞き逃すことなどできなかった。</font></p><p><font size="2">辺りは普通に授業を始めている。私たちは、二人だけだった。</font></p><p><font size="2">静けさが増す廊下の端で、私たちは何を話すのだろう。どんな気持ちになるのだろう。</font></p><p><font size="2">想像などつかなかった。数分前の私が、こんな状況を想像できていたはずがない。</font></p><p><font size="2">最早、飯島君のことなど、思い出す余裕すらないほどだった。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">「愛梨先輩は、中学の先輩でした。</font></p><p><font size="2">　前に春菜先輩に話した相手が愛梨先輩で・・・</font></p><p><font size="2">　つい最近まで、同じ高校に通ってることも、春菜先輩と仲がいいことも知りませんでした。</font></p><p><font size="2">　たまたま教室の前で会って、最初は驚きました。</font></p><p><font size="2">　そして・・・今までのこと、春菜先輩のこと、色々聞きました。</font></p><p><font size="2">　本当にいい子だからって・・・すぐ考えこんじゃうからって・・・。</font></p><p><font size="2">　今の愛梨先輩は、僕の知っている愛梨先輩とは少し違っていました。</font></p><p><font size="2">　元々、優しい人でしたけど・・・本当に春菜先輩のことを大切に思っています。</font></p><p><font size="2">　だから、これ以上一緒に居ても・・・僕が何もできないことだってわかっていたんです。</font></p><p><font size="2">　それできっと、僕と付き合っているなんて言ったんだと思います。</font></p><p><font size="2">　愛梨先輩なりの優しさだったんだと思います。」</font></p><p><font size="2">そういって真っ直ぐな瞳で私に訴えかける。私は目をそらすことができなかった。</font></p><p><font size="2">「愛梨が・・・そんなに私のことを・・・。」</font></p><p><font size="2">よく考えればすぐにわかることだった。</font></p><p><font size="2">彼が誰かと付き合うこと。そんなこと・・・あるわけないって。</font></p><p><font size="2">愛梨が私の好きな人と付き合うこと。そんなこと・・・。</font></p><p><font size="2">私は悔いた。何回悔いても悔やみきれないほど。</font></p><p><font size="2">誰かが背中を押してくれたこと。それを勘違いして違う道を進んでしまっていたこと。</font></p><p><font size="2">私の周りには、本当に優しい人ばかりだったんだ。</font></p><p><font size="2">その現状に甘えて、満足して、救いようがないほど無様だった。</font></p><p><font size="2">「ごめん・・・私・・・ごめんね・・・。」</font></p><p><font size="2">「謝らないでください！元はと言えば、僕が悪いんです。</font></p><p><font size="2">　春菜先輩と釣り合わないとわかっていても、それほど頑張れなくて・・・</font></p><p><font size="2">　今の僕のままじゃ、春菜先輩の隣に居てはいけないと思ったから別れたんです。」</font></p><p><font size="2">私は必死に涙をこらえた。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">「だから・・・進学をやめるなんて言わないでください！</font></p><p><font size="2">　もう僕のために・・・何かを犠牲にしたりしないでください。」</font></p><p><font size="2">私はその一言に胸を打たれた。</font></p><p><font size="2">自分のふがいない一言が、彼をこんな気持ちにさせてしまっていたのだと痛感した。</font></p><p><font size="2">何もわかっていなかった。私は、こんなに一緒に居たのに何も気づいていなかった。</font></p><p><font size="2">彼が本当に求めていたことは、私と距離をとることじゃない。</font></p><p><font size="2">私を忘れるためじゃない。愛梨と付き合うことじゃない。</font></p><p><font size="2">全部・・・私のためだったんだ・・・。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">抑えきれなくなった涙が一気に溢れ出した。</font></p><p><font size="2">私は・・・また・・・どれほど彼を傷つけただろう。</font></p><p><font size="2">勝手に彼のためだと思い込んで、出した答えで、彼を傷つけて、</font></p><p><font size="2">私がそこまでして、彼と一緒にいることを望むことは間違っていた。</font></p><p><font size="2">成長したいと言って、離れた事実が、何もわかっていなかった。</font></p><p>両手を握り締め、彼の痛みを想像した。</p><p>黙って泣き続ける私に、彼が口を開いた。</p><p>「だから・・・本当にこれでよかったんです。」</p><p>私は、ぐしゃぐしゃの泣き顔のまま彼を見つめた。</p><p>「飯島先輩と付き合えて・・・本当によかったですね。」</p><br><p>その一言で、私は思い知らされた。</p><p>忘れそうになっていた。あわよくば、消される事実だと思っていた。</p><p>でも、そんな都合の良いことがあるわけなかったんだ。</p><p>悪いことをしたら必ず罰を受けることになる。</p><p>私はもう、彼の彼女には戻れない。それは、紛れもなく突き付けられた現実だった。</p><br><p>つづく・・・</p><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/8pxq8/entry-11647812666.html</link>
<pubDate>Tue, 22 Oct 2013 22:15:08 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>全てあなたのためだから 19話 もう一度</title>
<description>
<![CDATA[ <p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">私は、今まで見失い、間違え続けてきた道をもう一度正しい道へと歩き出そうとしていた。</font></p><p><font size="2">智美が照らし出してくれた道を・・・。</font></p><p><font size="2">今まで知らなかった幸せに気づいて、両想いになって、お互いを支えあってきた。</font></p><p><font size="2">時間は短く、本当に平等に幸せを分け合っていたかと問いかけられると、</font></p><p><font size="2">明らかに私のほうが少ない。そんなことはわかっている。</font></p><p><font size="2">私がしてあげられたこと、そんなものは片手で数えられるほどのものかもしれない。</font></p><p><font size="2">でも、好きって気持ちを、二人で築き上げてきた幸せの半分にも満たない時間で、</font></p><p><font size="2">かき消すことなんてできるわけがなかったんだ。</font></p><p><font size="2">まして、一番大切な親友の助言を聞かないふりなんて、できるはずがなかったんだ。</font></p><p><font size="2">私はまだまだ子供だ。自分一人の意見や気持ちで何とかしていけるなんて思っていた。</font></p><p><font size="2">そんな自分が無力で、愚かで、何度泣いてもぬぐいきれない後悔とこれから向き合っていく。</font></p><p><font size="2">もう、その覚悟はできていたんだ。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">「私・・・飯島君にちゃんと本当の気持ち伝えられるかな・・・」</font></p><p><font size="2">私はただそれだけが心配だった。</font></p><p><font size="2">一度は諦めさせてしまい、こんな私のことをまだ好きで居てくれた。</font></p><p><font size="2">それでも、私は、本当の恋ではなかったんだ。ただ・・・りゅうきくんの優しさを求めてしまった。</font></p><p><font size="2">そんな事実を伝えても、傷つけてしまうだけで、何も変わらない気がした。</font></p><p><font size="2">それでも、変わらないといけないということはわかっている。</font></p><p><font size="2">「私だって、春菜には幸せでいてほしい。もちろんそれは・・・飯島じゃなくてりゅうきくんだって、</font></p><p><font size="2">　わかってるよ？わかってるけど・・・。」</font></p><p><font size="2">智美はうつむいた。わかっている。私だってわかっている・・・。</font></p><p><font size="2">「私は・・・どれだけの人を傷つけたら気が済むんだろう・・・」</font></p><p><font size="2">無意識のうちに心の叫びが言葉となっていた。</font></p><p><font size="2">私は本当に無力だ。なぜ、こんなにも無力なのに、傷つけてしまうのだろう。</font></p><p><font size="2">気づかないうちに、誰かを傷つけてしまう。</font></p><p><font size="2">ドラマでよく見ていたような台詞に、まさか自分が照らしあうなんて思ってもいなかった。</font></p><p><font size="2">こんな事実は見つけられないほうがよかったのかもしれない。</font></p><p><font size="2">「このまま春菜が苦しい思いしたまま、付き合ってほしいって思ってるわけじゃないよ。</font></p><p><font size="2">　でも飯島だってさ・・・やっと春菜と付き合えて、これから大事にしたいって思ってる。」</font></p><p><font size="2">「うん・・・」</font></p><p><font size="2">「りゅうきくんだってさ・・・もしかしたらもう春菜のこと・・・」</font></p><p><font size="2">「・・・。」</font></p><p><font size="2">私は不意にも泣きそうになってしまった。泣かないでよ私。</font></p><p><font size="2">もう、そんなことでいちいち傷ついてどうするの？</font></p><p><font size="2">こんなことで、傷つける資格すらない。そんなことは一番、痛いほどわかっていた。</font></p><p><font size="2">「ごめん・・・！今のは言い過ぎた・・・」</font></p><p><font size="2">「ううん。いいの・・・本当はそれよりもっとひどいこと言われても仕方ないことしてるから・・・。</font></p><p><font size="2">　りゅうきくんのことまだ好きだからとか、もうそんなわがままで誰かを傷つけたりしない。</font></p><p><font size="2">　りゅうきくんだってちゃんと・・・幸せな道を歩き始めたんだから。」</font></p><p><font size="2">「春菜・・・。」</font></p><p><font size="2">私はまだ、泣きそうだった。</font></p><p><font size="2">自分は物わかりが良い子だと、世間に見せつけているだけで、内心はあきれるほど子供だった。</font></p><p><font size="2">今の気持ちのまま、飯島君と付き合っていくことが不安で仕方なかった。</font></p><p><font size="2">これから私は、りゅうきくんのことが好きな裏の気持ちと、飯島君のことを好きになる表の気持ち、</font></p><p><font size="2">両方に嘘をつきながら生きていくんだ。</font></p><p><font size="2">そのリスクは想像よりも遥かに私の心に重くのしかかった。</font></p><p><font size="2">「今はまだ曖昧なままかもしれないけど・・・</font></p><p><font size="2">　ほら！傍にいたら急にとか・・・あるかもしれないでしょ・・・りゅうきくんのときみたいに・・・。」</font></p><p><font size="2">智美の精一杯がわかってしまった。それほど気を使ってくれているのだと痛いほど伝わる。</font></p><p><font size="2">「大丈夫・・・ありがとう智美。」</font></p><p><font size="2">「うん・・・。」</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">何度も誓ってきた。「泣かないこと」「精一杯誰かを愛すること」</font></p><p><font size="2">でも、そんなことは心で誓っても、本当に感じる心とはまるで違っていた。</font></p><p><font size="2">何度、言葉を繰り返し、誓っても、本当に感じてしまう感情は自分でコントロールなどできない。</font></p><p><font size="2">暗示をかけても、そんなものはすぐに無意味となってしまうのだ。</font></p><p><font size="2">私はどこかでわかっていたのかもしれない。</font></p><p><font size="2">りゅうきくんが離れていってしまうこと。飯島君への気持ちが本当ではないこと。</font></p><p><font size="2">夢を見て、すべて思い通りに、私が幸せな道へ勝手に続いていくのだと思っていた。</font></p><p><font size="2">誰もが最初はそう思ってしまうでしょう。困難なんてふりかかってくるのは夢の中だけで、</font></p><p><font size="2">本当は温かく、幸せな気持ちのまま全て上手くいくのだと。</font></p><p><font size="2">人生は、そんな簡単なものではなかった。</font></p><p><font size="2">誰かと付き合うこと。それは幸せが倍になり、喜びが倍になるかもしれない。</font></p><p><font size="2">だが、それと同時に、一緒にいること、一緒に感じることで生まれる切なさや悲しみは、</font></p><p><font size="2">残酷なほど大きなものになってしまうのだということを。</font></p><p><font size="2">ドラマを眺めて、感じるものとは大きく違っていた。</font></p><p><font size="2">少女漫画を片手に泣いていた自分が愛おしくさえ思えた。</font></p><p><font size="2">あの頃の私が、本当に感じたかった恋愛はこれなのだろうか・・・？</font></p><p><font size="2">このまま続いていく恋に、その先の未来を期待することはできるのだろうか・・・？</font></p><p><font size="2">最終的に、「飯島君と結婚します」そんなドラマのような展開は、嘘でも想像などできなかった。</font></p><p><font size="2">無意味だとわかっていても、私はまだあなたに恋をしているから・・・。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">「私・・・もう一度ちゃんと飯島君のこと好きになれるように頑張ってみるよ・・・」</font></p><p><font size="2">それが今の私が唯一誰かを幸せにしてあげられる道だとおもった。</font></p><p><font size="2">だから、精一杯の嘘をついた。</font></p><p><font size="2">もう、後悔ではない。ここからちゃんと始まるんだ。</font></p><p><font size="2">こんな私のことを好きだと言ってくれる人に、恩返しを・・・あわよくばあなたを忘れられるようにと・・・</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">「あーあ！私もまた恋したいなー！」</font></p><p><font size="2">「智美なら、またすぐいい人が見つかるよ！」</font></p><p><font size="2">私は微笑んだ。数時間前には考えられないほどの笑顔だった。</font></p><p><font size="2">それが心からの笑みなのかはわからない。それでも笑える自分に少し安心した。</font></p><p><font size="2">「ごめん！私、飯島君に言いたいことがあるから行ってくるね・・・！」</font></p><p><font size="2">「うん！いってこーい！（笑）」</font></p><p><font size="2">そういって、私は走り出した。飯島君の元へ。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">階段を降り、飯島君の教室へと向かう。</font></p><p><font size="2">丁度、角を曲がったところで、あまりの勢いに前から歩いてくる人と肩がぶつかりそうになった。</font></p><p><font size="2">私は不意に、立ち止まり、必死に頭を下げた。</font></p><p><font size="2">「すいません・・・急いでて！」</font></p><p><font size="2">「春菜先輩・・・？」</font></p><p><font size="2">私は聞きなれた声に驚き、顔を上げた。</font></p><p><font size="2">「りゅうきくん・・・。」</font></p><p><font size="2">私の鼓動は恐ろしいほど早くなっていた。</font></p><p><font size="2">「ご、ごめんね・・・ちょっと急いでて・・・」</font></p><p><font size="2">なぜか私は落ち着いていられなかった。</font></p><p><font size="2">「大丈夫ですか？怪我とかしてないですか？」</font></p><p><font size="2">どこか懐かしい表情と、包み込まれていたときの優しさを感じ、胸が熱くなる。</font></p><p><font size="2">「大丈夫・・・大丈夫だよ・・・。」</font></p><p><font size="2">その一言は、りゅうきくんへ伝えたというよりも、自分に言い聞かせるようにつぶやいた。</font></p><p><font size="2">「ならよかったです。気を付けてくださいね。」</font></p><p><font size="2">そういってほほ笑み、歩き出そうとする彼を必死に止めた。</font></p><p><font size="2">「りゅうきくん・・・！愛梨と・・・つ、付き合うことになったんでしょ・・・？」</font></p><p><font size="2">「え・・・？」</font></p><p><font size="2">彼は目を見開き、何も答えなかった。</font></p><p><font size="2">想像もしていなかった反応に、余計鼓動が早くなるのを感じた。</font></p><p><font size="2">私は唾を飲み込んだ。</font></p><p><font size="2">「僕・・・付き合ってないです。誰とも付き合ってないです。」</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">つづく・・・</font></p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/8pxq8/entry-11644855792.html</link>
<pubDate>Tue, 22 Oct 2013 20:58:38 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>全てあなたのためだから 18話 偽りの仮面</title>
<description>
<![CDATA[ <br><p><font size="2">私の心が一瞬でも揺れ動いてしまったことを、隠すことはできなかった。</font></p><p><font size="2">彼は、私のことを大事にしてくれる。その事実は変わらない。それでも・・・</font></p><p><font size="2">表現の仕方は、りゅうきくんとはまるで違っていた。</font></p><p><font size="2">そんな、裏表に値するほど遠いものだと感じるのはまだ先の話で、</font></p><p><font size="2">私はまだあなたの優しさに溺れたままだった。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">あの日の帰り道、そのまま何もなかったかのように手を繋いで帰った。</font></p><p><font size="2">私が悪いんだ。忘れられないこと、いつまでも引きずっている弱い心が邪魔をしている。</font></p><p><font size="2">そんな気持ちを振り払えず、ただ何度もかき消そうとして自分の心をすり減らしていく。</font></p><p><font size="2">気づかないうちに私は弱っていた。</font></p><p><font size="2">思考回路はぐるぐる回り、いつも考えたことがあるところにたどり着く。</font></p><p><font size="2">なぜ、何度考えても答えを導きだすことができないのだろう。</font></p><p><font size="2">『彼の傍は安心する。それでも・・・りゅうきくんと愛梨が付き合うのは嫌・・・？』</font></p><p><font size="2">そんなわがまま通用するはずがなかった。</font></p><p><font size="2">私だけが幸せになって、りゅうきくんには一人の思いをさせるの・・・？</font></p><p><font size="2">なら私が独りになればいい。でもそうしたら・・・また彼を裏切ることになる。</font></p><p><font size="2">また・・・私のせいで傷つく人がいる。</font></p><p><font size="2">誰もが幸せになるの道があるのなら、このままがいいんだ。忘れることがいいんだ。</font></p><p><font size="2">そう思うのに、どうしてまた、同じことを繰り返し思ってしまうのだろう。</font></p><p><font size="2">矛盾している自分に妙に腹が立ち、どこかで少し後悔を覚える私がいた。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">「春菜・・・ごめん・・・大丈夫か？」</font></p><p><font size="2">そういって彼が私の顔を覗き込んだ。</font></p><p><font size="2">私はとても、笑顔をつくれるような心情ではなかった。</font></p><p><font size="2">「うん・・・。」</font></p><p><font size="2">そういってもう一度うつむく。悪気があったわけではない。ただ作れなかったんだ。</font></p><p><font size="2">「ごめん・・・本当にごめん・・・もうしない。」</font></p><p><font size="2">そういって立ち止まる彼に、不覚にも何も感じなくなってしまっていた。</font></p><p><font size="2">『そっか・・・そうだね・・・大丈夫だね・・・もう安心だね』</font></p><p><font size="2">そう言いたかった。何も感じない心のまま、そう言おうとした口を閉じた。</font></p><p><font size="2">「うん・・・。」</font></p><p><font size="2">「なんかさ！こう、心の晴れることしようぜ！今度の休みとかさ、どっか行こうよ。」</font></p><p><font size="2">「うん・・・。」</font></p><p><font size="2">私の答えはそれだけだった。「はい」か「いいえ」の「はい」しか、選択肢がないようだった。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">自宅につき、私は彼を見つめる。</font></p><p><font size="2">飯島君は何を期待したのか、私に顔を近づけてきた。</font></p><p><font size="2">「やっ・・・」</font></p><p><font size="2">不意にも体が反応してしまった。</font></p><p><font size="2">「ああ・・・ごめん・・・でも、もう乱暴はしねーから」</font></p><p><font size="2">そういって私の手をそっと避けて、私にキスをした。</font></p><p><font size="2">キスってこんなに何回もするものだっけ・・・？</font></p><p><font size="2">「よし！じゃあまたな！」</font></p><p><font size="2">そういって、遠ざかっていく彼に、どこか心が落ち着いてしまっていた。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">私の心には矛盾が生じていた。</font></p><p><font size="2">どうしていつも、自分の失態に気づくのは手遅れになってからなんだろう。</font></p><p><font size="2">私は何も学習していなかった。</font></p><p><font size="2">智美や愛梨の言葉を思い出し、私は何時間も考えた。</font></p><p><font size="2">りゅうきくんの言葉・・・飯島君の態度・・・</font></p><p><font size="2">私の心はなぜこんなにも、考えるのが苦しいほど重くなってしまっているのか・・・</font></p><p><font size="2">私がりゅうきくんと別れたこと・・・</font></p><p><font size="2">『彼の重荷になってしまったから』『彼を幸せにすることができなかったから』</font></p><p><font size="2">『彼を守れなかったから・・・』</font></p><p><font size="2">そして、彼が愛梨と付き合うことになった。</font></p><p><font size="2">そして私は・・・りゅうきくんのことを嫌いになった・・・の？</font></p><p><font size="2">そして、飯島君のことを好きになったの・・・？</font></p><p><font size="2">傍にいてくれるから？優しくしてくれるから？キスしてくれるから・・・？</font></p><p><font size="2">私は、あれほど見たかった、自分の答えを導きだし、涙が止まらなかった。</font></p><p><font size="2">智美の言いたい事・・・気づかせたかったこと・・・痛いほど理解ができた。</font></p><p><font size="2">今の私がしていることは、ただ独りの現状に寂しさを覚えて、</font></p><p><font size="2">りゅうきくんが私以外の人でもいいって、</font></p><p><font size="2">その人のほうが幸せになれるって事実を受け止められなくて、</font></p><p><font size="2">ただただ子供のように、誰かにその隙間を埋めてほしかっただけなんだ。</font></p><p><font size="2">好きなんて・・・呼べるような素敵な恋愛じゃなくて・・・ただ・・・</font></p><p><font size="2">最低なんて言葉じゃ片付けられないほど濁った自分が汚いと思えた。</font></p><p><font size="2">そんな自分に気づけなかったことが、醜いと思った。</font></p><p><font size="2">そして、そんな自分に巻き込んでしまった人たちに、顔向けできないと思った。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">でも・・・どうしたら・・・。</font></p><p><font size="2">やっぱりこのままの私でいるのは嫌。</font></p><p><font size="2">それでも・・・飯島君を突き放して、また過去の繰り返しで、</font></p><p><font size="2">りゅうきくんと愛梨が付き合っている事実は変わらなくて・・・</font></p><p><font size="2">飯島君を傷つけて、それで・・・</font></p><p><font size="2">私は今日の彼の怒鳴り声と冷たい表情を思い出し、震えが止まらなくなった。</font></p><p><font size="2">また・・・あのときみたいになってしまうかもしれない・・・</font></p><p><font size="2">そんな思いがよぎると、また弱い自分に戻ってしまう。</font></p><p><font size="2">わかっていても、今の私にできることは何もないと思ってしまう。</font></p><p><font size="2">皆幸せになるなんて道はなくて、全てを辛くさせる道しかなくて・・・</font></p><p><font size="2">飯島君を振ること。愛梨からりゅうきくんを奪うこと。幸せになれない私と付き合わせてしまうこと。</font></p><p><font size="2">私は、気づかないうちに、誰も幸せにできない道を選んでしまっていたんだ。</font></p><p><font size="2">それは、全部私が選んできたことで。</font></p><p><font size="2">りゅうきくんが与えてくれた幸せが、きっと一生分に値するほど幸せなことだったんだ。</font></p><p><font size="2">でも私は、そんな贅沢にも気づけないで、またすぐ同じものを求めようとした。</font></p><p><font size="2">またすぐに、手に入ると思ってしまっていたんだ。</font></p><p><font size="2">だから・・・「はい」しか言えないところまできてしまった。自業自得だ。</font></p><p><font size="2">その日から私は、自分に嘘をつくことを、何とも思わなくなってしまったんだ。</font></p><p><font size="2">自分の気持ちさえ押し殺していれば、皆が幸せになれる。それだけを信じて・・・</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">長い夜が過ぎ、私は学校へと向かった。</font></p><p><font size="2">正直、学校なんて気分ではない。それでも・・・ここで立ち止まってしまったら、</font></p><p><font size="2">二度と動けないところまで行ってしまいそうな気がした。</font></p><p><font size="2">人間誰でも、山場というものがある。今の私にはここが人生の山場だと思った。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">学校へ着き、教室の扉を開ける。</font></p><p><font size="2">「智美・・・！」</font></p><p><font size="2">私は入るや否や、真っ先に彼女の表情を視界に捉えた。</font></p><p><font size="2">智美は相変わらず何も答えなかった。</font></p><p><font size="2">私はそのまま智美の席の目の前まで近寄った。</font></p><p><font size="2">「智美！ごめんね・・・」</font></p><p><font size="2">「え・・・？」</font></p><p><font size="2">それが、久しぶりに聞いた智美の第一声だった。</font></p><p><font size="2">「私全然気づけてなかった。智美は何度も私のこと正しい道に導いてくれようとしてたのに・・・」</font></p><p><font size="2">私はうつむき、拳を握った。</font></p><p><font size="2">智美は何かを察したかのように、私の手を引いた。</font></p><p><font size="2">「おいで。」</font></p><p><font size="2">そしてそのまま教室をでた。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">息を切らしながら、智美が口を開いた。</font></p><p><font size="2">「気づいたってなに？」</font></p><p><font size="2">「私・・・りゅうきくんのこと幸せにできないって、自分でわかってたのに、認めたくなかった。</font></p><p><font size="2">　愛梨と付き合うって聞いた時、すごく動揺したし、嫌だって思った。</font></p><p><font size="2">　飯島君が思いを伝えてくれて、正直、好きって思ったわけじゃなくて、優しさに甘えただけだった。</font></p><p><font size="2">　傍に誰かいてくれるから、りゅうきくんの替わりになるわけじゃなくて・・・</font></p><p><font size="2">　りゅうきくんの優しさが簡単に手に入ると思って、近づいて、飯島君の優しさも、温かいけど</font></p><p><font size="2">　それでもやっぱり・・・言葉遣いとか、しぐさとか・・・全然違うんだなって。</font></p><p><font size="2">　気づくたびに、どれだけりゅうきくんのことが好きだったのか、優しさに甘えてたのかって、</font></p><p><font size="2">　気づかされて、でも遅くて・・・もう皆・・・傷つける道しか・・・ないの・・・」</font></p><p><font size="2">智美は私の話を黙って聞いててくれた。</font></p><p><font size="2">こんな私のどうしようもない話を・・・ちゃんと聞いててくれた。</font></p><p><font size="2">「だから・・・本当にそれでいいのかって言ったでしょ・・・？</font></p><p><font size="2">　でも・・・ちゃんと気づけて偉いよ。遅くなっても、気づけて偉いよ・・・。」</font></p><p><font size="2">誉めるところなんて一つもない私の現状なのに、私の頭を優しく撫でてくれる。</font></p><p><font size="2">私は、こんな大切な人まで失いそうになっていたんだ。</font></p><p><font size="2">そう思うと、余計に涙がでた。</font></p><p><font size="2">初めての気持ちばかりに気持ちが動揺して、</font></p><p><font size="2">今まで欲しくなかったものが急に欲しくなって、求めて、</font></p><p><font size="2">今まで必要じゃなかったものが、一番大切なものになって、なくなったら替わりを求める。</font></p><p><font size="2">私は本当に最低だった。そして、恋の恐ろしさを知った。好きになることの怖さを知った。</font></p><p><font size="2">そして、何よりも、自分の無力さを一番思い知った。</font></p><p><font size="2">「これから・・・ゆっくり考えていこう・・・独りで考えこむなんて絶対しないでね・・・」</font></p><p><font size="2">「うん・・・。」</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">確かに今の私にも選択肢は「はい」のみかもしれないけど、</font></p><p><font size="2">数時間前の私とは確かに違う気がした。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">つづく・・・</font></p><p><font size="2"><br></font></p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/8pxq8/entry-11644457092.html</link>
<pubDate>Sun, 20 Oct 2013 12:11:13 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>全てあなたのためだから 17話 暗闇の道</title>
<description>
<![CDATA[ <br><p>私はあなたと手を繋ぎ、いつか通ったことのある道を何も言わずに歩き続けた。</p><p>もう後戻りなどできない。</p><p>そう、言われているかのように、一歩一歩、彼のぬくもりを確かめながら歩く。</p><p>私の涙は止まらなかった。</p><p>わかっているのに。もう、戻れないこと。今の私にはあなたがいること。</p><p>それでも、涙が溢れて止まらなかった。</p><br><p>急に彼が私の手を強く引いた。</p><p>建物の隙間の、路地裏へと入っていく。</p><p>私は、不意な出来事に何が起きているのか、考えることすらできなかった。</p><p>「もう・・・なくなって言っただろ。」</p><p>そういって、彼が大きな声をあげる。</p><p>それは、いつも見つめていた、辛そうな表情とは一転していた。</p><p>私は、衝撃と共に、涙が止まっていた。</p><p>それ以前に、何が起きているのか把握することができない。</p><p>彼は私の腕を強く抑えた。</p><p>そしてそのまま、無理矢理キスをする。</p><p>「やめてください・・・！」</p><p>私は、無理矢理入ってくる彼の唇と、強く握られた手首の痛さに思わず彼の体を遠ざけてしまった。</p><p>私はハッとした。彼の顔を見るのが怖くなった。</p><p>「なんだよ・・・忘れるっていったのはお前だろ・・・？</p><p>　じゃあ、いつまでもあいつのことで泣くのやめろよ・・・。俺だけ見ろよ。」</p><p>そういって、私が見つめたことのない、表情を浮かべる彼に、私の鼓動は鳴りやまない。</p><p>違う・・・。私がこれからをともにしたいのは・・・違うの・・・。</p><p>私は急に怖くなった。震えが止まらなかった。</p><p>「飯島君・・・？」</p><p>私の目から静かにしずくがこぼれ落ちた。</p><p>それと同時に、ふと我に返った彼の目が見開いた。</p><p>「ごめん・・・俺・・・不安で・・・取り乱しちゃってたね・・・。」</p><p>そういって、うつむき、私との距離をとる。</p><p>私は、鼓動を落ち着かせ、いつも見ていた彼の表情に胸をなでおろす。</p><p>「大丈夫・・・私も泣いちゃってごめんね・・・。」</p><p>そうつぶやくと、彼が優しく私の体を抱き寄せた。</p><p>安心した。もう、彼のあんな顔は見たくない。</p><p>だから、泣くのはやめよう・・・。</p><p>りゅうきくんのことも、もう・・・思い出さないようにしよう。</p><p>愛梨と・・・お似合いだよ。だから、今の私は彼に不安を与えないように、</p><p>精一杯愛せるような人になろう。それを、頑張ればいいんだ。</p><p>そう、何度も自分に言い聞かせた。</p><br><p>今の幸せが続くように、何度も言い聞かせた。</p><p>これからどうなってしまうのかなんて、今の私にわかるはずもない。</p><p>わかるはずも・・・なかったんだ。</p><br><p>つづく・・・</p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/8pxq8/entry-11620883438.html</link>
<pubDate>Sun, 29 Sep 2013 11:59:51 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>全てあなたのためだから 16話 新たな季節</title>
<description>
<![CDATA[ <br><p>私はそのまま教室を走り出し、屋上へと向かった。</p><p>そこで大粒の涙を流し、周りの反応や言葉がズキズキと胸を刺す。</p><p>私は間違ったことをしているのかな・・・？</p><p>そう思っても、今更引き返すことなんてできない。</p><p>今の私は、涙を流し、迷いを何度も巡らせることしかできなかった。</p><br><p>「はるな・・・？」</p><p>「飯島君・・・。」</p><p>「なにまた泣いてんだよ・・・。」</p><p>「ごめ・・・ごめんなさい・・・。」</p><p>私は涙越しに映る、彼の悲しそうな顔を見つめて、大きく瞼をつぶった。</p><p>いつもそう。周りの顔色をうかがって、自分が決めたことをいつも揺らがしてしまう。</p><p>だからだめなのかな。大切な人が離れて行ってしまうのかな。</p><p>わかっているはずなのに・・・</p><p>「もうさ・・・泣くなって言っただろ。周りのやつなんかさ、気にするなよ・・・。</p><p>　俺がそばにいてやるから、それでいいだろ？」</p><p>「う・・・ん・・・。」</p><p>私は、迷い大きくかかった雲を拭うように、彼を見つめた。</p><p>「私・・・いっぱい考えた。りゅうきくんのこと、ぐちゃぐちゃのままで・・・。</p><p>　それでも、何回考えても、もうりゅうきくんの元へは戻れない。</p><p>　それなら・・・飯島君のことを幸せにしてあげられるような人になりたい。</p><p>　もう迷わないよ・・・。周りに何を言われても、泣いたりしない。迷ったりしない。</p><p>　今度はちゃんと・・・私が守ってあげられるようになりたいよ・・・。」</p><p>そういってうつむく私を、彼はぎゅっと抱きしめてくれた。</p><p>彼のぬくもりが、私を独りではないと教えてくれる。</p><p>それが、心地よく、私の傷を癒してくれる。</p><p>そしてそのまま、キスをした。もう・・・何も感じなくなっていた。</p><p>恥ずかしさも、罪悪感も、何もかも感じなくなっていたんだ。</p><br><p>私は飯島君に手を引かれ、教室へと戻った。</p><p>「春菜・・・。」</p><p>智美が、私たちの関係を察し、目を見開いたまま何かを訴えている。</p><p>「ごめん・・・。智美にはちゃんと説明しなきゃって・・・。」</p><p>「もう・・・いい・・・。」</p><p>そういって智美は私の視界からいなくなった。</p><p>「え・・・？」</p><p>私は驚き、不意にも智美の姿を目で追ってしまった。</p><p>「智美・・・？智美・・・！」</p><p>何度呼んでも、智美は戻ってきてはくれなかった。</p><p>その時の私は、まだ失ったものの大きさに気づくことができなかったんだ。</p><br><p>「調子でも悪かったんじゃないか？大丈夫だよ、また今度話せばいいだろ？」</p><p>そういって私の頭を優しく撫でる彼に、私は安心する。</p><p>「そうだね・・・。」</p><p>そういってほほ笑む。それでも、私の胸は痛んだままだった。</p><p>「気晴らしにさ、帰りどっか寄っていこーぜ！」</p><p>「うん・・・そうだね・・・。」</p><p>私は、そんな気分でもなかった。</p><p>それでも、今断ってしまうと、家の中で何度も智美のことを思い出して、</p><p>泣いてしまいそうだから、飯島君といることにした。</p><br><p>授業が終わり、飯島君が教室まで迎えにきてくれた。</p><p>「いこうぜ！」</p><p>「うん・・・。」</p><p>私はそっと、横目で智美を見つめる。</p><p>それでも、智美は何も話しかけてくれなかった。</p><p>むしろ、私を避けるように、一度も目を合わせてくれない。</p><p>「智美・・・！また・・・明日ね。」</p><p>私はおそるおそる、智美に返事を求めた。</p><p>「・・・。」</p><p>智美は、私に何も言わず、そのまま教室を出て行ってしまった。</p><p>「なんだよアイツ・・・感じ悪いな」</p><p>「違うよ・・・私が悪いんだよ・・・。」</p><p>そういって、両手を握り締めた。</p><p>わかっている。自分でも都合のいいやつだってわかってる。</p><p>りゅうきくんが好きで、ずっと、好きで、智美はすごく応援してくれていた。</p><p>部活を通じて遊びに行こうと、りゅうきくんを誘ってくれていたりもした。</p><p>私が、進路の変更で悩んでいるときも、遅くまで話を聞いてくれていたりもした。</p><p>それなのに・・・いきなり彼を諦めて、飯島君と付き合い始めたなんて言われたら・・・。</p><p>私はようやく智美の気持ちに気が付いた。</p><p>「やっぱり・・・間違ってたのかな・・・。」</p><p>私は小さくつぶやいた。</p><p>「え？なんか言った？」</p><p>そういって、顔を近づける飯島君の姿が、いつかの彼を思い出させる。</p><p>「ううん・・・なんでもない・・・。いこっか。」</p><p>そういって私たちは教室をでた。</p><p>何も、解決しないまま。</p><p>それでも、私は今隣にいてくれる彼を大切にしたいと思ってしまう。</p><p>いつかの彼のように・・・傷つけてしまわないように・・・。</p><br><p>無意識のうちに、早歩きで校舎を出た。</p><p>すると、グラウンドで部活の練習をしている彼の姿をはっきりと捉えてしまった。</p><p>私は固まった。</p><p>愛梨と付き合っているとゆう事実を聞いてから、初めて見つめたからだった。</p><p>ゆっくりと周りを見渡してみると、ベンチに座って彼の様子を見つめる愛梨がいた。</p><p>「やっぱり・・・。」</p><p>私は心のどこかで、嘘であってほしいと思ってしまっていたのかもしれない。</p><p>何度も確認するたびに、胸がズキズキと痛んでしまった。</p><p>「春菜・・・？」</p><p>飯島君に名前を呼ばれて、ふと我にかえる。</p><p>「ごめんね・・・！もう大丈夫だから！」</p><p>そういって私は、彼の手を掴んだ。今の彼の手を・・・。</p><p>飯島君が、いつもより私の手を強く握るから・・・</p><p>自然と涙が溢れだしてしまった。もう泣かないと決めたのに・・・。</p><p>その力が、大丈夫と言ってくれているようで・・・</p><p>それと同時に、悔しさと、後悔が私の背中を余計に押しているようにも思えた。</p><p>私たちはそのまま、歩き出した。</p><br><p>つづく・・・　</p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/8pxq8/entry-11619842170.html</link>
<pubDate>Tue, 24 Sep 2013 20:41:12 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>全てあなたのためだから 15話 別れ道</title>
<description>
<![CDATA[ <br><p>私は飯島君と付き合うことを決意した。</p><p>もしかしたら、こんな私から救い出してくれると思ってしまったのかもしれない。</p><p>今のままの私でいたくない。独りでいたくない。</p><p>そんなわがままな思いから、身勝手な行動を募らせてゆく。</p><p>それでも私は、変われると思ったんだ。</p><p>あなたの存在も、忘れられると思ったんだ。</p><br><p>私は自宅に戻り、真っ先に部屋へと向かった。</p><p>そして、もう一度自分の唇をなぞる。</p><p>まだ飯島君のぬくもりと、つらそうな表情、キスの感触が残ったままだった。</p><p>私は携帯の明かりをつけ、電話帳から『桐谷劉輝』の名前を探した。</p><p>「愛梨と・・・」</p><p>私は思い出しただけで胸が痛んだ。</p><p>あんな愛梨の表情や態度を見たことがなかった。</p><p>それでも、中身は優しくて大人びたいい子だということは知っている。</p><p>過去のことや、りゅうきくんのこと、ぬぐいきれない気持ちはたくさんあった。</p><p>でも、私には・・・もう飯島君とゆう新しい彼氏がいる。</p><p>その事実は・・・自分で決めたことだから。</p><p>何もかも変えられないことを悔やむのではなく、これからできることをしたいと思った。</p><p>だから・・・両目を瞑り、彼の名前を携帯から消した。</p><p>それで、今までの私の気持ちも、様々な思い出も、全部消せたと思った。</p><p>これからは、新しい私として、生まれ変われると思えた。</p><br><p>長い一日が過ぎ、部屋の窓からは朝の日差しが入り込んでいた。</p><p>私は、洗面所へ向かい、顔を洗った。</p><p>昨日までの自分ではなく、新たな私の一歩を踏み出した気がした。</p><p>「おはよう。」</p><p>「あら、春菜、昨日降りてこなかったけど、大丈夫なの？」</p><p>「うん・・・もう大丈夫だから。」</p><p>そういって私は、パンを頬張った。</p><p>昨日から何も食べていなかった空腹感で、とてもお腹がすいていた。</p><p>なので、いつもの食パンがいつもよりおいしく感じられた。</p><p>「あ、春菜帰ってたんだ。」</p><p>「お姉ちゃん・・・ただいま、おはよ。」</p><p>「どうしたの・・・？その目・・・？」</p><p>「え・・・？」</p><p>私は、泣いて腫れた目を隠すように手で押さえた。</p><p>「何かあったの・・・？」</p><p>お姉ちゃんが心配そうに問いかけ、お母さんも心配そうな表情を浮かべていた。</p><p>「なんでもないよ・・・！ちょっと・・・あっただけで・・・もう大丈夫。」</p><p>そういって私は少しうつむき、笑顔を浮かべた。</p><p>「そっか・・・ならいいんだけど。何かあったらすぐいいなさいよ？」</p><p>「うん・・・お姉ちゃんありがとう。」</p><p>いつも優しい、姉や母に背中を押されて生きてきたけれど、</p><p>高校3年生、卒業、進学、私の前に立ちはだかる壁は大きかった。</p><p>いつまでも、周りの優しさに甘えていてはいけない。</p><p>ちゃんと・・・自分で決断できるようにならないと。そう強く決意していた。</p><br><p>「行ってきます・・・！」</p><p>私は力強く、扉を開けた。</p><p>これからはこの道を歩いてゆく。あなたとは、正反対の道を・・・。</p><p>私は校舎の前で立ち止まり、大きく息を吸った。</p><p>ここから、また始まるんだ。</p><p>そう思うと、期待と不安がのしかかる。</p><p>それでも、私は独りじゃないから・・・。そう何度も繰り返した。</p><br><p>教室へ入り、辺りを見渡す。なぜか、周りからの視線を感じた。</p><p>「春菜！」</p><p>「あ・・・智美！」</p><p>「ちょっと！どういうこと？春菜ってりゅうきくんが好きなんじゃないの？」</p><p>「あ・・・えっと・・・。」</p><p>「飯島と付き合うって・・・何があったのよ。」</p><p>そういって、問いただす智美へ、私は口を開こうとするものの、何も言葉がでてこなかった。</p><p>・・・私が飯島君と付き合うこと。</p><p>『独りでいるのが怖かったから』『こんな自分のままでいたくなかったから』『彼を忘れたいから』</p><p>『愛梨と付き合うりゅうきくんに・・・りゅうきくんに・・・』</p><p>「私最低だ・・・。」</p><p>「え・・・？」</p><p>私は痛感した。飯島君と付き合うこと。それはただ、今の私を変えたいだけではなかった。</p><p>愛梨に嫉妬して、りゅうきくんがそうなら、私もって・・・。</p><p>あの時の飯島君のぬくもりが・・・独りじゃないって教えてくれたみたいに・・・。</p><p>まだ、その感触に、言葉に、すがっていただけなのだとゆうことを思い知った。</p><p>でも・・・私はその事実を認めたくなかった。</p><p>両手を握り締め、顔を上げた。</p><p>「もう・・・りゅうきくんのことは諦めたの！付き合うんだって、愛梨と・・・！」</p><p>「え・・・？」</p><p>智美は目を見開き、信じられないような表情を浮かべた。</p><p>「だから・・・。」</p><p>私は言葉をつまらせた。そこから先は・・・何を言っても言い訳にしかならないからだ。</p><p>それを、私は痛いほど理解していた。</p><p>「だから・・・？飯島と付き合うんだ。寂しいから？りゅうきくんに裏切られたから？</p><p>　そんなの春菜じゃないよ・・・。最近の春菜おかしいよ・・・。</p><p>　りゅうきくんといたいから進学あきらめるとか、寂しいから飯島と付き合うとか・・・！</p><p>　どうしたの・・・？そんなの春菜じゃないよ・・・！彼氏に左右されるなんてそんなの・・・。」</p><p>私は唇を噛みしめた。</p><br><p>「私のこんな気持ち・・・わからないよ！智美にはわからないよ・・・！」</p><p>そういって、私は教室を走り出した。</p><p>自ら何もかも、失う準備を初めてしまっていたんだ。</p><br><p>つづく・・・</p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/8pxq8/entry-11619023548.html</link>
<pubDate>Mon, 23 Sep 2013 00:17:45 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>全てあなたのためだから 14話 離した手</title>
<description>
<![CDATA[ <p>どれくらい、飯島君にすがり続けただろう。</p><p>辺りは、夕暮れの日差しが私たちを照らし出していた。</p><br><p>「もう・・・見たくないよ。春菜のこんな姿もう見たくない。</p><p>　お前を傷つける奴は、例えりゅうきでも許さない。辛いってわかってるなら・・・もうやめろよ。」</p><p>そういって、いつもより悲しそうな表情を浮かべる彼に、私は期待してしまったのかもしれない。</p><p>この闇から、救い出してくれることを。</p><p>そういって目を閉じ、顔を近づける飯島君の体を必死に遠ざけた。</p><p>「違うの・・・違うと思うの・・・。」</p><p>私の気持ちは矛盾していた。すがるだけすがって、彼の気持ちに答えられないなんて、最低だと思った。</p><p>「なんで？俺が忘れさせてやるから・・・」</p><p>「でも・・・」</p><p>私は、少し目を瞑っただけでも、思い返される彼の優しい笑顔を断ち切ることができなかった。</p><p>「こんな気持ちのまま・・・飯島君とキスなんてできない・・・。」</p><p>本当に勝手だった。こんな私だから・・・。</p><p>私はもう一度、震える両手を握り締めた。</p><p>「そんなお前でも・・・いいよ。」</p><p>そういって、私の震える手を、飯島君はそっと握り締めた。</p><p>私は思わず、顔を上げた。</p><p>そしてそのまま、キスをしてしまった。</p><p>何も考えず、有耶無耶な気持ちのまま、キスしてしまった。</p><p>ただ・・・その事実だけが確信として残ってしまった。</p><br><p>「今日は、もう帰ろう。鞄持ってきてやるから。春菜はここで待ってろよ。」</p><p>そういって、飯島君の背中が遠ざかっていく。</p><p>私は、自分の唇を何度も、確かめるように指でなぞった。</p><p>それと同時に、また涙が溢れだす。</p><p>もう・・・戻れないと思った。これで、終わってしまったんだと思った。</p><p>りゅうきくんの元になど・・・りゅうきくんの彼女になど・・・なれない。</p><p>それを痛感するかのように、何度も何度も唇をなぞった。</p><p>まるで・・・なかった事実のようにするように。それでも、自分の過ちを消し去ることなど出来なかった。</p><p>私は自分の無力さに泣いた。</p><br><p>「立てる？ほら、帰ろう。」</p><p>そういって、何時間も座り込んでいた私の手を優しく引く。</p><p>それでも私の脚は全く力が入らず、立つことすらできなかった。</p><p>飯島君は優しく、私の体を抱きしめ、寄りかかるように私は立ち上がった。</p><p>ふらつく脚に、思わず飯島君の体にすがってしまう。</p><p>そのたび、私の胸は痛んだ。</p><p>「体重かけていいから。転ばないようにしよろ。」</p><p>言葉は乱暴だけど、たまに見える言葉の優しさに涙が出そうになる。</p><p>私は、その足取りのまま、何十分もかけて家への道を歩いた。</p><p>その間、何度も飯島君の姿を見るたびに、</p><p>思い出される事実と、飯島君との出来事。</p><p>私の小さな胸で、今の現状を把握し、整理することなど不可能に近かった。</p><p>全部、自分のまいた種だとわかっているのに・・・飲み込めないことだけが頭をめぐる。</p><p>私は・・・どうなってしまうのだろう。</p><p>失ったものが大きすぎて、ただ、今繋いでいる飯島君の体温を確かめることしかできなかった。</p><br><p>「着いたよ。もう離しても大丈夫か？」</p><p>そういって、ゆっくりと彼のぬくもりが遠のく。</p><p>私はしっかりと自分の脚で立てていた。</p><p>「今日は・・・ごめんなさい・・・。飯島君は関係ないのに・・・いろいろごめんなさい・・・。</p><p>　何も話せなくて・・・ごめんなさい・・・。」</p><p>そういって私は、必死に頭を下げた。</p><p>「いいよ。それよりも考えすぎるなよ。もう忘れろ。俺は春菜を泣かせたりしないよ。」</p><p>そういって、飯島君は私の体を引き寄せた。</p><p>飯島君の、体温と、初めて感じる彼の匂いが私を包む。</p><p>それでも、私はまだわからかった。</p><p>「私・・・わからない・・・。本当にりゅうきくんのこと嫌いになっちゃったのか・・・。</p><p>　飯島君まで・・・傷つけたくない・・・だから・・・。」</p><p>「もういいから。一人で考え込む必要なんてないから。俺にしておけよ。」</p><p>そういって、辛そうな表情を浮かべる彼に心を許してしまったんだ。</p><p>私はもう一度、彼とキスをした。</p><p>それと同時に、私はりゅうきくんの隣で笑う未来をかき消した。</p><p>それでも、いいと思ってしまったんだ。</p><br><p>つづく・・・</p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/8pxq8/entry-11618550667.html</link>
<pubDate>Sun, 22 Sep 2013 10:20:26 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>全てあなたのためだから 13話 思いがけない景色</title>
<description>
<![CDATA[ <p>『もういらないんだよ』</p><br><p>その言葉が、何度も何度もこだまする。</p><p>私は何も考えられず、茫然と座り込んだままだった。</p><p>「わかった？だからさ、もうりゅうきのことは忘れなよ」</p><p>その一言が、私の半信半疑な思いをまた揺らした。</p><p>「りゅうきくんは・・・？りゅうきくんは・・・なんて言ってるの・・・？」</p><p>「それ聞いてどうするの？また春菜が傷つくだけだと思うけど？」</p><p>その冷たく突き放された一言で、もう確信した。</p><p>・・・付き合うんだ。</p><p>私は、落ち着いたはずの涙と震えが止まらなくなった。</p><p>「そういうことだから。」</p><p>そういって、愛梨は何もなかったかのように校舎へと向かった。</p><p>私はただ・・・この真実を飲み込むことができず、しばらく座り込んだままだった。</p><p>悔しさと、混乱だけが何度も繰り返される。</p><p>理解できる事実など、何一つなかった。</p><p>私の知らないところで、大事な親友と、思い続けてきた元カレがつながっていることなど、</p><p>考えられない。結びつかない。</p><p>私は、何度も何度も両手を握り締め、絞り出すかのように何度も涙を流した。</p><br><p>「春菜ちゃん・・・？」</p><p>私は、うつむき、ぐしゃぐしゃになった顔を上げた。</p><p>そこには、思い描いていた彼の姿ではなく、飯島君が視界に映っていた。</p><p>私はもう一度うつむき、涙を流した。</p><p>それは、がっかりした態度からなのか、心配してくれる人がいる安心からなのか、わからなかった。</p><p>「春菜ちゃん・・・！」</p><p>だんだんと、私へ声が近づいてくる。</p><p>「どうした？大丈夫？」</p><p>そんな言葉を何度も投げかけられた気がするが、私は何一つ答えられなかった。</p><p>そしてそのまま、飯島君の腕の中で抱きしめられていた。</p><p>私は、彼と重ね、飯島君にすがるように、そのまま胸の中で泣いた。</p><p>もう、流すほどの涙はないはずなのに、そのままずっと泣き続けていた。</p><br><p>しばらくして、飯島君のぬくもりが感じられるようになり、私は我に返った。</p><p>「ごめん・・・ごめんなさい・・・。」</p><p>でも、まだ涙は止まらなかった。</p><p>飯島君は、もう一度私を抱きしめた、</p><p>私は、何も考えられず、抵抗などできるはずもなかった。</p><p>「大丈夫、大丈夫」</p><p>飯島君はただそれだけを何度もつぶやき、私の頭を優しく撫で続けた。</p><p>涙がでないほど泣き続け、それでもまた、何度も愛梨の言葉を思い出し、</p><p>すすり泣くように、そのあとも私は震えが止まらなかった。</p><p>「何があった？」</p><p>飯島君は、私の表情を伺い問いかける。</p><p>「ごめん・・・言いたくない・・・」</p><p>今考えても、その時の私は勝手だった。</p><p>「りゅうき？あいつとなんかあったの？」</p><p>彼の名前を聞くだけ、乾ききったはずの涙がまた溢れ出す。</p><p>どうして・・・こうなってしまったんだろう。</p><p>何度考えても答えなど浮かんでこなかった。</p><p>「私が・・・悪かったのかな・・・？負担にさせちゃってたのかな・・・？</p><p>　守れもしないのに、いっぱい期待させちゃってたからかな・・・？もうだめなのかな・・・」</p><p>聞き出すことなどできないはずの質問を何度も問いかける。</p><p>それでも、誰かに聞いてほしかった。</p><p>いっぱいになって、溢れ出しそうな気持ちを吐き出したかった。</p><p>「もう忘れろ・・・！あいつのことはもう考えなくていいから」</p><p>そういって強い力で飯島君に抱きしめられる。</p><p>私は、そのまま目を閉じた。</p><br><p>つづく・・・</p>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/8pxq8/entry-11618522502.html</link>
<pubDate>Sat, 21 Sep 2013 17:18:15 +0900</pubDate>
</item>
</channel>
</rss>
