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<title>あかねぞら room</title>
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<title>風の中の馬(56最終回)</title>
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<![CDATA[ ロンシャンの直線。 <br>　 <br>フォルスストレートを抜けた一団が遥か彼方に見えた。 <br>　 <br>宏の目にまず入ったのはもがく白い馬体だった。 <br>　 <br>『ノリさん、遅いよ！』 <br>　 <br>横山典弘騎手のアクションにも反応がないゴールドシップ。 <br>　 <br>そして…。 <br>　 <br>『ハープ！ハープ！』 <br>　 <br>恵美の叫んだ先には大外に出したハープスターが。 <br>　 <br>だんだんと近づく馬群。 <br>　 <br>　 <br>『…ダメだ。』 <br>　 <br>『ジャスタはどうだ？』 <br>　 <br>インでもがいている福永騎手が目にはいった。 <br>　 <br>　 <br>一瞬の静寂の後歓声が訪れた。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>今年も『重い扉』は開かなかった。 <br>　 <br>　 <br>宏が <br>『でもさ、来年もまた夢が見られるってことじゃない？』 <br>　 <br>『夢は叶っちゃったら終わっちゃう。次の夢を見つけなきゃならないから。来年も来ような…。』 <br>　 <br>恵美は泣いているようだった <br>　 <br>『…。』 <br>　 <br>どうした？ <br>宏が聞いた。 <br>　 <br>『でも、夢は叶えなきゃいけないと思うんだ。叶っちゃったら終わりじゃないよ！』 <br>　 <br>そういうと人混みに一人走り去ってしまった。 <br>　 <br>宏に恵美のその言葉の意味が分かるのはまだ先の話だった。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>ロンシャンから帰ってきた恵美の店は閉まったままだった。 <br>もうすぐクリスマス。 <br>書き入れ時だというのに…。 <br>　 <br>宏も恵美と連絡が取れなくなっていた。 <br>　 <br>『恵美ちゃん、なんか思い詰めたように出ていったよ。』 <br>　 <br>圭子の言葉でようやくハッとした宏だった。 <br>　 <br>『行かなくていいんですか？』 <br>　 <br>少し考えてから宏が口を開いた。 <br>　 <br>『夢は叶えなきゃダメなんだもんな…。』 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>201×年、ダービー。 <br>　 <br>府中のスタンドに宏と圭子の姿があった。 <br>　 <br>宏は一頭の馬に熱い視線を送っていた。 <br>　 <br>ディープインパクトの子供、ニジノカケラ。 <br>　 <br>　 <br>鞍上はもちろん武豊。 <br><br>　 <br>大外からニジノカケラ！これは独走になりそうだ。7馬身、8馬身圧勝！ <br>　 <br>　 <br>『よし！行ける。』 <br>　 <br>　 <br>『豊さん、強かったですね？三冠確実と言ってもいいんじゃないですか？』 <br>　 <br>アナウンサーの問いかけに武豊騎手は <br>　 <br>『いや、菊にはいきません！世界を取りにいきます！』 <br>　 <br>東京競馬場を埋め尽くした15万人の大観衆から地響きのような歓声が上がった。　 <br>　 <br>　 <br>『やっぱり行くのね。』 <br>　 <br>圭子が宏に問いかけた。 <br>　 <br>『ああ、俺にも叶えなきゃならない夢はあるから…。』 <br>　 <br>『頑張ってね。』 <br>　 <br>『ああ…、頑張るのはニジノカケラもだけどね。』 <br>　 <br>　 <br>　 <br>201×年、凱旋門賞。 <br>　 <br>ロンシャンはかつてない盛り上がりを見せていた。 <br>　 <br>ニジノカケラのブックメーカーのオッズは2倍を切っていた。 <br>　 <br>　 <br>『つかないなあ、まあ馬券勝負はいいか。』 <br>宏が呟いた。 <br>　 <br>　 <br>スタート。 <br>　 <br>武豊騎手はスタートと同時にニジノカケラを最後方に下げた。 <br>　 <br>『豊さん、ロンシャンでその位置は…』 <br>　 <br>でもレース前に武豊騎手が言った言葉を思い出した。『いつもと同じ競馬をして勝たなければ意味がないから…。』 <br>　 <br>父、ディープインパクトで先行して敗れたレースを思い出した。 <br>　 <br>『そうか、それでいいんだ…。』 <br>　 <br>　 <br>4コーナー。 <br>　 <br>ニジノカケラのエンジンがかかるのが確認できた。 <br>　 <br>あえて大外を回す武豊騎手。 <br>　 <br>さあ、残り200メートル。来た来た来た！ <br>日本のニジノカケラ！ <br>　 <br>引き離す、さらに引き離す。 <br>飛んだ！間違いなくロンシャンで飛んだ！ <br>　 <br>凱旋門賞圧勝！ <br>歴史が変わりました！ <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>恵美はパリ市内で小さなパティスリーを開業していた。 <br>現地でも人気の店になっていた。 <br>　 <br>　 <br>宏は表彰式も見ないで競馬場から駆け出していた。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>『恵美、ニジノカケラ勝ったぞ！』 <br>　 <br>『宏！どうしてここが…。今日だったんだね…。』 <br>　 <br>店は大繁盛。凱旋門賞だからといって簡単には休めなかった。 <br>　 <br>　 <br>『恵美、お前も武豊も、ディープインパクトも、ニジノカケラも叶えなきゃならない夢を叶えたんだ。』 <br>　 <br>『え？』 <br>　 <br>『俺にも叶えさせてくれ！』 <br>　 <br>　 <br>『それ、プロポーズ？』 <br>　 <br>　 <br>店の中のお客さんたちはビックリした表情だったがやがて温かな拍手に変わった。 <br>　 <br>　 <br>『…ありがとう。』 <br>　 <br>　 <br>雨上がりのパリの空に虹がかかっていた。 <br>　 <br>夢は夢で終わらせるものじゃない。 <br>叶えなきゃならないものなんだ…。<br>　 <br>いや、叶うものなんだ。 <br>　 <br>それがたとえ、夢の中であっても…。 <br>　 <br>　 <br>完。<br>
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<link>https://ameblo.jp/akane24akane/entry-12262607394.html</link>
<pubDate>Tue, 04 Apr 2017 20:47:50 +0900</pubDate>
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<title>風の中の馬(55)</title>
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<![CDATA[ 『夏ってケーキ屋にとっては暇な時期なのよね…』 府中の競馬場の裏に店を構えて3年、もうそんな台詞は恒例になっていた。 <br>『でも今年はちょっといそがしいんだよね…』 <br>美が嬉しそうに言った。 <br>『なんで!?もうローカル開催じゃない…』 <br>宏が怪訝そうな顔をした。　 <br>『実はね、今年、競馬場の花火大会に店を出すことになったんだ。評判が良くて市の方から要請がきちゃったの』 <br>　 <br>恵美の店は評判が評判を呼んでいまや人気のパティスリーになっていた。 <br>　 <br>『ねぇ、宏、なんかアイデアない？なんか、こう、馬と花火がコラボしたようなスイーツ』 <br>　 <br>『えっ、いきなりかよ!?』　 <br>『いつも宏が考えたメニュー当たるんだから！』 <br>　　 <br>『そうだなあ。馬だけなら思い付くけど花火でしょ。しかも花火大会にスイーツなんて…』 <br>　 <br>『片手で食べられて、夏だからアイスか氷菓子にするか…』 <br>　 <br>『…ほら、宏もう考えちゃってる。そういうの好きなのは分かってるんだから！』 <br>府中の競馬場では毎年7月の終わりに花火大会を開催する。 <br>これは府中市の花火大会。地元の人たちが店を出しあって手作りの花火大会なのである。 <br>　 <br>『そうだ！ひらめいた。』　 <br>『どんなの!?』 <br>　 <br>『名前はハープスター！』　 <br>『えっ！多分そう来ると思ったよ。夜空に関係してるからね…。』<br>　 <br>『来週までに考えとくから楽しみにしてて！』 <br>　 <br>宏はそういうと走って店を後にした。 <br>　 <br>『いい人ですね…。』 <br>　 <br>店員の圭子が恵美に笑いかける。 <br>　 <br>『まだ一緒にならないんですか？』 <br>　 <br>恵美はただにっこり微笑むだけだった。 <br>　 <br>花火大会当日を迎えた。 <br>　 <br>恵美の店のブースはパドック横の小さなパラソルの下。 <br>　 <br>『雨、降らなくて良かったね。去年は大変だったから…。』 <br>　 <br>恵美が空を見上げて呟く。　 <br>『…ハープスター。こういうことだったんですね。』　 <br>圭子が笑った。 <br>　 <br>宏が考えた『ハープスター』とは…<br>　 <br>クレープ生地にハープミント味のアイスをくるんでチョコで星をつくってちりばめたもの。『ハーブスター』だった…。 <br>　 <br>そしてもう一品。 <br>　 <br>パイ生地を何層にも重ねてミルフィーユ場にして船の形にしてアイスを挟んだもの。 <br>『コールドシップ』 <br>　 <br>宏が考えるメニューなんてそんなものだった。でも不思議と当たるのだ。 <br>　 <br>用意した分はものの30分でなくなった…。 <br>　 <br>『すごいね、宏が考えると本当にあたるね。いつもありがとう』 <br>　 <br>『いや、これは恵美の腕があってからこそのことだから気にしないで。』 <br>　 <br>『お二人さん、本当に夫婦みたいですね』 <br>　 <br>圭子にはなぜ二人が一緒にならないのか不思議だった。 <br>　 <br>『よし、早く売りきれたから店たたんで花火見よう！』 <br>　 <br>『うん、いきましょ！』 <br>　 <br>恵美と宏が店以外でこうやって一緒にいるのは久しぶりのことだった。 <br>　 <br>パティシエとしての恵美の名声は高まりつつあり、店を離れられない日が多くなってきたからだ。 <br>　 <br>それでも宏は恵美の傍らで手伝えるのが嬉しかった。　 <br>『きれいだね。わっ、すごーい！』 <br>　 <br>夏の空に上がる花火。 <br>　 <br>でも、宏にも、恵美にも花火を楽しそうに見るお互いの横顔が気になってしようがなかった。 <br>　 <br>圭子もいつのまにかあの日のことを思い出していた。ディープの菊花賞の日…。　 <br>宏と仕事以外でこうやっているのはやっぱりあの日以来だったから…。 <br>　 <br>『私、先に帰りますね。』『えっ、帰っちゃうの？』『だってお二人さん、いい雰囲気なんですもの…』 <br>『えっ、いや、あの…』 <br>　 <br>圭子にも複雑な感情が芽生え始めていた。 <br>一歩引いて二人を見るのがちょっと辛かった。　 <br>　 <br>『また思い出作ったね。』『ハーブスターとコールドシップ？』 <br>　 <br>『違うよ！』 <br>　 <br>『そういや、今年も凱旋門行けるかな？』 <br>　 <br>『行こうよ！また連れてくよ。忘れ物取りにいこう！』 <br>　 <br>『でも去年までとは違うからね。忙しさが…。』 <br>　 <br>『大丈夫。何とかするから。』 <br>　 <br>『でもお客さんは待ってくれないんだよ。圭子ちゃんにも迷惑かかるし…』 <br>　 <br>『…行きたいなあ』 <br>　 <br>『私ね、今の生活すごく幸せだよ。好きなこと出来てみんなに喜んでもらえて。宏、いつもありがとう…。』 <br>　 <br>『…俺は…。何か足りないな。ちゃんと幸せじゃないな…。』 <br>　 <br>『えっ…。』 <br>『宏？』 <br>　 <br>競馬場の花火はクライマックスを迎えていた。 <br>　 <br>恵美には宏が言った言葉は花火の音にかき消されて聞こえていなかった。 <br>　 <br>凱旋門賞まであと2ヶ月。去年開けられなかった扉は開くことができるのか…。　 <br>日本馬にも。 <br>宏にも…。 <br><br>
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<link>https://ameblo.jp/akane24akane/entry-12262606279.html</link>
<pubDate>Tue, 04 Apr 2017 20:44:04 +0900</pubDate>
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<title>風の中の馬(54)</title>
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<![CDATA[ 　 <br>『先頭はトレヴ！日本のオルフェーヴルは届かない！キズナはその後ろだ…。』　 <br>　 <br>一瞬の静寂の後ロンシャンは歓声に包まれた。 <br>　 <br>宏も恵美も空を見つめたまま動くことも言葉にすることもできなかった。 <br>　 <br>　 <br>オルフェーヴルのスミヨン騎手はさばさばとした表情だった。 <br>　 <br>『あいつフランス人だから最初っから勝たす気なかったんじゃないのか…？』 <br>　 <br>宏が悔し紛れにそういった。 <br>　 <br>すると恵美がやっと声を絞り出した。 <br>　 <br>『そんなことないと思う。スミヨン騎手はちゃんとやってたよ。』 <br>　 <br>『いや、前のレースと明らかに追い出す位置が後ろ。もっと先に行くべきなんだ今日の馬場は。』 <br>　 <br>『もういいじゃない頑張ったんだから…』 <br>　 <br>『いや、納得いかないな…。』 <br>　 <br>二人はちょっとした言い合いになってしまった。 <br>　 <br>恵美が切り出した。 <br>『あれ、キズナじゃなかったの？オルフェーヴルよりも応援していたのは』 <br>　 <br>『キズナはまだ3歳だ。来年もある。オルフェーヴルは次で引退なんだぞ。もうここに来ることはないんだぞ…』 <br>　 <br>宏がそう言いながら一粒の涙を落とした。 <br>　 <br>『…宏…。』 <br>　 <br>このレースを90年も見守ってきたエッフェル塔が涙でにじんでいた。 <br>　 <br>池江調教師は去年は開きかけた扉を開けきれなかったけど、今年の扉は重い扉だったと称した。 <br>　 <br>　 <br>『ねえ、宏。』 <br>恵美がおもむろに宏に語りかけた。 <br>　 <br>『来年もここに来ようよ。』 <br>　 <br>『え？』 <br>　 <br>『オルフェーヴルの夢は破れても人と違って競馬は子供に受け継がれていくのよ。それまで毎年見に来ればいいじゃない。』 <br>　 <br>『夢は叶っちゃったら後は守らなきゃならないから辛いものなの。叶いそうで叶わない時期。追いかけてるときが一番楽しくてキラキラしてるんだよ。そのキラキラを来年も追いかけられるんだから！だからキズナにはこの後最強馬になってもらって来年ね！』 <br>　 <br>宏は恵美の言葉に重い雰囲気が一気に軽くなった気がした。 <br>　 <br>～心のなか優しい風が吹いて明日への扉そっと開く…　 <br>そんな歌の歌詞を思い出していた。 <br>　 <br>重い扉でも壁ではないんだ。開ける方法をまだこれからも探していく楽しさ。ワクワク感をまた一年味わえる。またこれからも恵美と一緒にここに来られる。 <br>そう考えたら一気に明るい気持ちになったのだった。　 <br>宿題。 <br>そんなことばとはちょっと違うかも知れない。 <br>　 <br>希望。 <br>それも違うかも知れない。 <br>　 <br>『ねえ、来年はキズナと他に3歳の牝馬連れてこなきゃね』 <br>　 <br>そうか、 <br>『夢は叶っちゃったら守らなきゃならないもの』 <br>　 <br>宏にはその言葉が頭に渦巻いていた。 <br>　 <br>『オルフェーヴル、キズナ、そしてここに連れてきてくれたみんなありがとう…』 <br>　 <br>二人は人もまばらになったロンシャン競馬場の門を出た。 <br>　 <br>『さあ、日本に帰ったら新作のケーキ考えよう！タイトルは『重い扉』どう？思いっきりカロリー高いガッツリメニューで。』 <br>　 <br>『恵美、本気か!?それだったら『明日への扉』ぐらいできれいにまとめたら…』 <br>　 <br>『それ、いいね。じゃ、宏考えてね…』 <br>　 <br>日本の夢。そして二人の夢はまだまだ続きます。そして新しい夢を探して時は流れていくのです…。<br>
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<link>https://ameblo.jp/akane24akane/entry-12262302410.html</link>
<pubDate>Mon, 03 Apr 2017 20:29:03 +0900</pubDate>
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<title>風の中の馬(53)</title>
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<![CDATA[ 『夏の間って暇なのよね。』 <br>　 <br>恵美が店の時計を眺めて退屈そうに言った。 <br>　 <br>『競馬もケーキ屋もオフシーズンだからなあ。』 <br>　 <br>『何か、夏に売れるようなメニュー考えてよ。』 <br>　 <br>夏競馬の間は府中の町もひっそりと自らの欅並木で涼を取るかのように静かである。 <br>　 <br>『そうじゃなくてもロケーション悪いしね…』 <br>　 <br>『お前が、競馬場の近くがいいっていったからじゃないか…。』 <br>　 <br>競馬場から程近い路地裏に小さな店を構える恵美たち。 <br>　 <br>『ねえ、夏競馬の間はお休みにしない？』 <br>　 <br>『えっ!?その間の収入はどうするんだよ！』 <br>　 <br>『夏の間だけ札幌とか函館に店を臨時で借りるのよ。出張よ。出張！』 <br>　 <br>『お前な…。北海道開催にあわせて!?北海道は洋菓子の激戦区だぞ。。』 <br>　 <br>『じゃあ、福島とか新潟とかの方がいいかもね。』 <br>　 <br>『どうしても馬から離れようとしないな…』 <br>　 <br>『うちの店は馬と洋菓子の融合がコンセプトでしょ！』 <br>　 <br>口を尖らせて主張する恵美。いつしか、自分よりも馬にこだわりを見せるようになっていた。 <br><br>　 <br>『しようがないなあ…』 <br>　 <br>そういいながらも宏は嬉しかった。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>秋の中山開催が始まると東京競馬場も人影が増えてくる。 <br>しかし、この季節、台風がやって来ることも多いのだ。 <br>　 <br>『明日関東直撃だって！』　 <br>『ねえ、明日お店お休みにしようよ。』 <br>　 <br>普段は月曜日が定休日の店でも、競馬が三日間開催の時は店を開けることにしていた。 <br>　 <br>『それに今日はあの日じゃない！』 <br>　 <br>『お前、夜更かししたいから初めから休むつもりだったろ。』 <br>　 <br>『そんなことないよー』 <br>　 <br>その日の夜。 <br>ある馬が世界デビューを飾った。 <br>武豊騎手騎乗のディープインパクトの子供キズナだった。 <br>　 <br>キズナは6年前の武豊騎手の悪夢を振り払うかのように差し切って見せた。 <br>　 <br>そして…。 <br>前年2着の雪辱を果たすべく池江厩舎のオルフェーヴルも前哨戦を圧勝した。 <br>　 <br>　 <br>『これ以上ない前哨戦だったね。本番が楽しみだなあ…。』 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>10月のパリは雨だった。 <br>　 <br>シャルルドゴール空港に降り立った恵美と宏。 <br>　 <br>『二人で来るの初めてだね。』 <br>　 <br>『…初めてなもんか。一緒にいたんだぜ。』 <br>　 <br>　 <br>意識のない恵美に付き添っていたあの時間。ディープインパクトの敗戦を告げられなかったあの日のブローニュの森の事。 <br>フラッシュバックを消し去るかのように宏は恵美に話しかけた。 <br>　 <br>『お前が働いていた店を紹介してくれないかな』 <br>　 <br>『そうだね…。連れていかないとね。私のルーツ。』　 <br>今日のシェルブールの雨傘は相合い傘だった…。 <br>　 <br>　 <br>『ポンピドゥーセンター。私が宏にローマ字でメール送ってたのここなんだ。』　 <br>『その路地をまがると…。』 <br>　 <br>恵美が住んでいた小さな部屋だろ…。知ってるよ…。そういいかけて言葉を飲見こんだ。 <br>　 <br>『ここ、あの橋の向こう！』 <br>　 <br>恵美が働いていたパティスリーはセーヌ川からエッフェル塔が見渡せる橋の近くにあった。 <br>　 <br>『大好きな場所なの。ディスイズパリ！って感じでしょ？』 <br>　 <br>『恵美、そこはフランス語だろ！』 <br>　 <br>笑い会う二人。 <br>二人でこうしてここにいることが嬉しかった。 <br>普通に二人で笑い会えることが幸せだった。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>10月6日。 <br>ロンシャン競馬場。 <br>　 <br>その場所に立っていた。 <br>二人で立っていた。 <br>　 <br>『忘れ物が見つかるといいね。』 <br>恵美が呟いた。 <br>　 <br>『少なくとも一つは見つかったよな…。』 <br>宏が昨日までの雨が嘘のように晴れ渡るパリの空を仰ぎながら…。 <br>　 <br>『…うん。』 <br>小さく頷いた恵美だった。　 <br>恵美は宏にキズナの単勝馬券を見せた。 <br>『こっちの忘れ物も見つかるよね…。』 <br>　 <br>すると宏が見せたものは…。 <br>『えっ！オルフェーヴル！裏切り者だ…。』 <br>　 <br>『オルフェーヴルの調教師は池江さんの息子さんだぜ！こっちにも忘れ物があるんだよ。』 <br>　 <br>『そういや、宏、あの有馬の時もハーツクライ買ってたもんね…。』<br>　 <br>『勝負と願いは別物だよ。』 <br>　 <br>『やっぱり賭け事にしか考えてないんだ…。』 <br>　 <br>『ちがうよ！馬と人間、それぞれに忘れ物があるってことだよ』 <br>　 <br>『それもそうかもね…。あっ、始まるよ！』 <br>　 <br>宏と恵美の前を誇らしげな顔をしたキズナとオルフェーヴルが通りすぎていった…。 <br>　 <br>決して見つかりそうもなかった忘れ物が見つかるかもしれない時間はもうすぐ。そこまで…。 <br>　 <br>　 <br>
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<link>https://ameblo.jp/akane24akane/entry-12262191630.html</link>
<pubDate>Mon, 03 Apr 2017 13:08:30 +0900</pubDate>
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<title>風の中の馬(52)</title>
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<![CDATA[ 恵美が府中で小さなケーキ屋をはじめて2年。 <br>すっかり人気店になっていた。 <br>　 <br>宏も土日の競馬開催の度に顔を出しては手伝っていた。 <br>　 <br>『ダービー馬はキズナ』　 <br>　 <br>あれから7年、恵美と宏、そしてユタカとディープが叶えられなかった夢の舞台に一本のレールが敷かれることになった。 <br>　 <br>『凱旋門賞行きたいなあ…。』 <br>恵美がつぶやいた。 <br>　 <br>『休みがうまくとれたらなあ。今度は二人一緒に…。』 <br>　 <br>宏はちょっとちからなく答えた。 <br>　 <br>仕事を変わってから別人のように働くようになった。　 <br>ギャンブル漬けだった毎日が嘘のように…。 <br>　 <br>『宏、もうすぐメインだよ。見に行かなくていいの？』 <br>　 <br>『いや、今日は注文たくさん入ってるだろ。お前一人じゃきついだろうから』 <br>　 <br>最近は大好きだった競馬よりも恵美を第一に考えるようになった宏だった。 <br>　 <br>　 <br>『春のG1シーズンも終わりだね。今年の夏はどこへ連れてってくれるのかな？新潟？福島？いや、やっぱり函館がいいな…。』 <br>　 <br>恵美が楽しそうな面持ちで宏に問いかけた…。 <br>　 <br>『…そうだな。休みがとれたら。』<br>　 <br>『もう、宏そればっかりじゃない！』 <br>　 <br>宏は恵美との結婚を本気で考え始めていた。そのために貯金を始めていた。 <br>　 <br>正直凱旋門賞への旅費も迷っていた…。 <br>　 <br>　 <br>夏競馬が始まると府中のケーキ屋も暇になる。 <br>　 <br>この頃から宏が店に顔を出さなくなった。 <br>　 <br>恵美は宏はメールをしてみた。 <br>『ごめんね。ちょっと体調悪くて…。』 <br>　 <br>『えっ？だったら宏の家に行くよ。ご飯とか作るから…』 <br>　 <br>『いや、大丈夫だよ。大したことないから…』 <br>　 <br>　 <br>恵美は不安を感じていた。　 <br>またすれ違い…！？ <br>　 <br>　 <br>通りかかった駅前で一人のストリートシンガーが歌っていた。 <br>『大丈夫だよ。なんとかなるよ…。』 <br>　 <br>その歌詞を無理矢理頭に押し込んで復唱してみた。 <br>　 <br>空には二本の虹が出ていた…。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>結局宏と連絡が取れないまま9月を迎えてしまった。　 <br>虫の声も心地よい季節。 <br>　 <br>でも恵美の気持ちは浮かないままだった。 <br>　 <br>凱旋門賞まであと1ヶ月。 <br>　 <br>携帯を見つめては『…。はあ。』とため息をつくばかりだった。 <br>　 <br>　 <br>『そうだ！キズナ!!』 <br>　 <br>恵美は突然思い出したように調理場にこもるようになった。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>凱旋門賞まで一週間たったある日。恵美は宏にメールをした。 <br>　 <br>『今週の日曜日店に絶対来て！何があっても来て！』　 <br>　 <br>返信はないまま日曜日。 <br>もう秋の夕暮れが武蔵野の空を染めていた。 <br>　 <br>『やっぱりダメなのかな？もうダメなのかな私たち…。』 <br>　 <br>そうつぶやくと恵美の瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。 <br>　 <br>駅前のストリートシンガーが歌っていた。 <br>『さよならとありがとうの言葉を永遠の心にしまった…』 <br>　 <br>『そうか…さよならか…。』 <br>　 <br>そのときだった。 <br>　 <br>『恵美！』 <br>　 <br>宏だった。 <br>　 <br>『宏！どうしてたの!?』 <br>そういうともう泣きながら胸に飛び込んでいた。 <br>　 <br>『宏、とにかく来て！見せたいものがあるの。』 <br>　 <br>　 <br>二人は店に戻っていった。　 <br>『これ、食べてみて』 <br>　 <br>恵美が差し出したケーキ。　 <br>こしあんが入ったパイと生クリームが入ったパイをチョコレートで繋いでラズベリーソースをかけたケーキ。 <br>　 <br>『題してキズナ!!』 <br>　 <br>『日本とフランスのキズナ。つまり和菓子と洋菓子を繋いでみました！』 <br>　 <br>半ば呆れ顔の宏 <br>『ベタだなあ…。』 <br>　 <br>店員の圭子が顔を出した。『店長、凱旋門賞に間に合わすんだって1ヶ月も寝ないで考えていたんですよ。』 <br>　 <br>　 <br>『恵美、来週金曜日出発な！凱旋門賞いくぞ！』 <br>　　 <br>『何よ、いまさら！店を急に休みになんて出来ないよ…。』 <br>　 <br>　 <br>『行って来てください。留守は私が預かりますからキズナのケーキきっと売れますよ。』 <br>　 <br>　 <br>『えっ…。』 <br>　 <br>恵美の目からは今度は暖かい涙が流れ始めていた。 <br>　 <br>『まあ、私はオルフェ派ですけどね(笑)』圭子が恵美の肩を叩いた。<br>　 <br>宏はこの二ヶ月間、旅費を稼ぎ出すためにがむしゃらに働いていたのだった。 <br>　 <br>『よし！。結婚しよう！』　 <br>唐突に宏が指輪とチケットを差し出した…。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>それぞれの凱旋門賞まであと2ヶ月あまり。夢は叶うのかな…。 <br>
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<link>https://ameblo.jp/akane24akane/entry-12262061757.html</link>
<pubDate>Sun, 02 Apr 2017 23:24:58 +0900</pubDate>
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<title>風の中の馬(51)</title>
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<![CDATA[ ディープインパクト圧勝！ <br>　 <br>これがディープが私たちに贈る最後の衝撃!! <br>　　 <br>　 <br>　 <br>ディープインパクトの見事なラストランに場内から惜しみ無いディープコールが巻き起こった。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>『恵美…？』 <br>　 <br>　 <br>宏が握っていたはずの右手が軽くなったのを感じたのはその時だった。 <br>　 <br>　 <br>さっきまで隣にいたはずの恵美がいない。 <br>　 <br>　 <br>身動きがとれないまま視線で恵美を探す。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>表彰式が終わるか終わらない頃になってようやく宏はスタンドにたどり着いた。 <br>　 <br>人という人をかき分け恵美を探す。 <br>　 <br>　 <br>クリスマスツリーの下、そしてよく待ち合わせをした地下のターフショップ。 <br>　 <br>　 <br>そして恵美がお気に入りだった欅広場のベンチ…。 <br>　 <br>　 <br>いない…。 <br>どこにもいない…。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>やがてクリスマスイブの夜に夕闇が訪れた。 <br>　 <br>　 <br>場内の照明が落とされる。 <br>　 <br>　 <br>ディープインパクトの引退式のはじまり…。 <br>　 <br>　 <br>さっきまで恵美を探して場内を走り回っていた宏もさすがにゴール前の位置に戻ってきた。 <br>　 <br>　 <br>やがて再びの <br>グレードエクウスマーチ。 <br>　 <br>　 <br>たくさんのフラッシュを浴びながらさっきまで着けていたゼッケン4をつけたディープインパクトが姿を表した。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>宏はまだ恵美を視線で探しながらもディープインパクトの小柄なしかし力強い光り輝く馬体に吸い込まれていった…。 <br>　 <br>　 <br>武豊騎手、池江調教師、金子オーナーの話が続く。 <br>　 <br>　 <br>ターフビジョンにはデビューからの軌跡が映し出される。 <br>　 <br>　 <br>『この馬がいなかったら俺もこんな色んな経験できなかったな…。フランスまで3回も行くなんて…。』 <br>　 <br>　 <br>そう思いながら、恵美の携帯に電話をかけてみる。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>『この番号は現在使われておりません…。』 <br>　 <br>　 <br>『えっ…。』 <br>　 <br>　 <br>　 <br>じゃあ、さっきまでいたのは…。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>さあ、ディープインパクトの旅立ちです！皆さん、最後の姿を目に焼き付けてください。 <br>　 <br>白川次郎アナウンサーの声に送られてディープインパクトが地下馬道に消えてゆく…。 <br><br>　 <br>　 <br>　 <br>やがて <br>小田和正の <br>『言葉に出来ない』が…。 <br>　 <br>　 <br>『あなたに会えて本当に良かった…。』 <br>　 <br>　 <br>　 <br>『嬉しくて、嬉しくて <br>言葉に出来ない…。』 <br><br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>宏の頬を伝わる二本のの熱い筋があった。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>『…ディープインパクトに会えて本当に良かった…。』 <br>　 <br>　 <br>そして…。 <br>　 <br>　 <br>『…恵美に会えて本当に良かった…。』 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>やがて、人影のまばらになった中山のスタンドに一人。 <br>　 <br>宏は声を上げて号泣した。 <br>　 <br>　 <br>生まれてから、そして、今まで生きてきて一番悲しくて美しいクリスマスイブだった。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　　 <br>ディープインパクトは翌日北海道に旅立った。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　　 <br>　 <br>そして… <br><br>　 <br>宏の前に恵美は二度と姿を現すことはなかった。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>2011年ダービー。 <br>　 <br>宏は相変わらず競馬場通いを続けていた。 <br>　 <br>『さあ2011年のダービー。1番人気から5番人気までをディープインパクト産駒が占めております。なかでも無敗でダービーに駒を進めてきたのは <br>ニジイロマシンガン』 <br>　 <br>　 <br>さあ18頭がゲートインしました。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>ガッチャン！！ <br>　 <br>　 <br>スタート！！ <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>『宏！！』 <br>　 <br>　 <br>『えっ!?…』 <br>　 <br>　 <br>　
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<pubDate>Sun, 02 Apr 2017 23:22:48 +0900</pubDate>
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<title>風の中の馬(50)</title>
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<![CDATA[ ガッチャン!! <br>　 <br><br>あなたに捧げる最後の祈り。 <br>ディープインパクト、あなたは伝説になる！ <br>　 <br>　 <br>中山の2500メートルのスタート地点は向こう正面の一番奥。 <br>　 <br>　 <br>例によってディープインパクトが後ろに下げたのが見えた。 <br>　 <br>　 <br>逃げるのは大方の予想通りアドマイヤメインと柴田善臣。 <br><br>　 <br>　 <br>最初の4コーナーに かかる頃にはもうかなりの差をつけ始めていた。 <br>　 <br>　 <br>ディープインパクトは落ち着いて定位置に。 <br>　　 <br>　 <br>『菊花賞はこのあたりでかかってたなあ。豊さんがなだめるのに必至だったっけ…。大人になったなあ…。』 <br>　 <br>　 <br>『あの時合えなかったんだよね…。菊花賞。』 <br>　 <br>　 <br>『え？』 <br>　　 <br>『あんなレコードの入場人員の中じゃ無理だよ。』 <br>　 <br>　 <br>『でもね、わたし見つけたんだよ。宏のこと。』 <br>　 <br>　 <br>『だったら…。』 <br>　 <br>　 <br>『もういいじゃない。終わったことだから。』 <br>　 <br>　 <br>『終わってないんだよ！』　 <br>　 <br>そういうと宏は恵美の手を強く握りしめた。 <br>　 <br>　 <br>『絶対に終わらせない！』　 <br>独り言のように、自分に言い聞かせるように言った宏の言葉が果たして恵美に届いているかはわからなかった。 <br>　 <br>　 <br>目の前を通りすぎていく14頭。でも二人ともそのうちの一頭しか見ていなかった。 <br>　 <br>　 <br>やがて二週目のバックストレッチに入ると隊列が落ち着く。 <br>アドマイヤメインの逃げは軽快そうに見えた。 <br>　 <br>　 <br>『去年は飛ばなかったんだよね…。』 <br>　 <br>　 <br>『それはね、俺らの気持ちが中途半端だったからだよ。』 <br>　 <br>　 <br>『えっ？わたしの気持ちまで？わたしは中途半端なんかじゃなかったんだから！』 <br>　 <br>　 <br>『…いや。そうじゃなくて心の叫びが…(笑)』 <br>　 <br><br>　 <br>『でも今年は飛ぶよね。絶対に飛ぶよね。』 <br>　 <br>　 <br>『俺が飛ばして見せます!!虹色のマシンガンで!!』 <br>　 <br>　 <br>『なにそれ？』 <br>　 <br>　 <br>『独り言、独り言。』 <br>　 <br>　 <br>3コーナーにかかる。 <br>馬群がひとつになってきた。 <br>アドマイヤメインが早くもつかまる。 <br>　 <br>　 <br>そのときだった。 <br>　 <br>　 <br>ディープインパクトが後ろから進出開始。 <br>　 <br>ターフビジョンの画面はただ一頭加速していくディープインパクトを大写しにした。 <br>　 <br>離陸準備オーケー。 <br>　 <br>ラストフライトの滑走路を滑り始めた。 <br>　 <br>　 <br>さあ！ここで。 <br>ディープインパクトが <br>翼を広げた！ <br>　 <br>　 <br>　 <br>間違いなく飛んだ！ <br>　 <br>間違いなく飛んだ!! <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>全身を鳥肌で一杯にして宏は叫んだ。 <br>　 <br>　 <br>『ディープありがとう!!』　 <br>　 <br>恵美も声にならないくらい叫んだ。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>これがディープインパクトが私たちにくれた最後の衝撃!!… <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>『ディープ！ディープ！』　 <br>　 <br>ウイニングランをする武豊騎手とディープインパクトにやがてコールが巻き起こる。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>両目から熱いものが落ちるのを感じたとき、ふと握りしめていた右手の感覚がなくなったのを感じた。 <br>　 <br>　 <br>　 <br>　 <br>振り向くと恵美はいなかった…。 <br>　 <br>　 <br>身動きがとれないまま視線だけが大観衆の中の恵美を探し始めていた…。
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<link>https://ameblo.jp/akane24akane/entry-12262060255.html</link>
<pubDate>Sun, 02 Apr 2017 23:20:36 +0900</pubDate>
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<title>4月2日。川嶋あいちゃんからもらった気持ち。</title>
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<![CDATA[ きょうであれから8年。 <br><br>でもお参りに行きませんでした。 <br>ようやく一区切り出来た気がします。 <br><br>周りに寂しい気持ちをわかってほしくてたくさん迷惑かけて… <br>でも自分にしか解決できないことだった… <br><br>そのうちに時代も流れてしまって周りにいる人たちも離れていったり生活も変わってしまってもう愚痴をいえる人も数少なくなって… <br><br>ただひとつのきっかけは病気だった。今年に入って食道の治療をしてから呼吸が楽になった。 <br>びっくりした。 <br>今までずっと息苦しい状態で8年も過ごしていた。 <br><br>こんなに気持ちが前に向くんだ。 <br><br>元気でいればなんでもできる。 <br><br>本当なんだね。 <br><br>酸素が薄い状態だと思考が先走っちゃう。 <br>手術後、急かされることが全くなくなって日記さえ書かなくなっちゃったけどね。 <br><br>今日今年初めての川嶋あいちゃんのイベントに。 <br>この日にあると本当にありがたい。 <br><br>養子の日のイベントで日本財団ビルというお堅い場所。 <br>場違いだな…と、緊張する。 <br><br>でもひさびさに山口マネ見つけてちょっと楽に。 <br><br>もらった資料の中に特別養子縁組の話が… <br>もちろんあいちゃんもこの制度によって救われた。 <br>でも今まで受け入れる側の話ははじめてだったので… <br><br>子供が出来ない体。 <br><br>子供が欲しい…。 <br><br>この制度を利用している人の主な理由がそうなんだ…って。 <br><br>目から鱗だった。 <br><br>ちゃんと話聞こうって。 <br><br>そんなことをTwitterに呟いた。 <br>選択として考えたことがなかったって。 <br><br><br>イベントはあいちゃんの生い立ちが詳細に語られた。 <br>多分今までどこでかたられたものより深く、鮮明に。 <br><br>養子だと分かった時の親子の葛藤。 <br>愛という名前は生みの親がつけてくれたこと。 <br>生みの親の知り合いの方までたどり着いて手紙までもらったこと。 <br><br>淡々と語っていたけど思い出すにはかなり辛い話だと思う。 <br><br>旅立ちの日に… <br><br>を一曲歌い終えた後であいちゃんが突然涙声になった。 <br><br>養子縁組によって救われた親子がたくさんいること。そしてはっきりと子供が出来にくい体の人が受け入れる事に興味をもってくれることはうれしいということ。 <br>そしてなによりも愛情は実の親でも引き取ってくれた親でも変わらないよ。今まで不幸だと思ったことはないよ。という話。 <br><br>あいちゃん、自分のTwitterの言葉見たのかな… <br>その間ずっと自分の目を見て話してくれてた。涙いっぱいためて。 <br><br>特別養子縁組は、決して悲しい結果ではない。 <br>親も子供も幸せになることなんだ。 <br><br>今、格差社会などで色々な理由で離れ離れになるケースが以前より増えているという。 <br><br>将来的にこんな選択もあるんだと強く感じた。 <br><br>川嶋あいちゃんと過ごしていくと本当に色々なことを知ることができる。本当に出会ってよかったよ。 <br><br><br>空色のアルバムを歌ってイベントは終了。 <br><br>帰り際にタクシーに乗り込んで福岡に向かう際、車内から深くお辞儀してくれたあいちゃん。 <br><br>色々ヒントをもらったよ。 <br><br>ありがとう。 <br><br>やっと4月2日に負けなくなったかな。<br>
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<link>https://ameblo.jp/akane24akane/entry-12261987576.html</link>
<pubDate>Sun, 02 Apr 2017 19:52:39 +0900</pubDate>
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<title>芽音ワンマンライブ2015</title>
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<![CDATA[ 　 <br>11月21日の土曜日の夜、上野のカラオケ館の9階にあるパーティールームで芽音ちゃんのワンマンライブがありました。 <br>　 <br>『カラオケ店』でライブをする。新しい試みにカラオケ館さんの方も興味を示したみたいで今回なんと、芽音ちゃん、カラオケ館のCMに楽曲が使用されることになりました。 <br>　 <br>人がやらないこと。これ凄く大切なこと。そしてタイミング。ずっとずっと頑張っていけば芽音ちゃんの音楽は間違いないのでこれ以上のこと、あると思います。 <br>　 <br>今回は20人限定ということでしっかりとしたテーブルでつまみながらリラックスムードで進んでいきました。 <br>　 <br><img src="https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/320.gif" alt="音符" class="m">セットリスト <br>　 <br>Happy party♪ <br>好きな時間 <br>泣いていいかな？ <br>ピンク色 <br><br>(カラオケタイム) <br>セーラー服と機関銃 <br>愛を込めて花束を <br>気分上々↑↑ <br>世界に一つだけの花 <br>White Love <br><br><br>空と絆 <br>餃子のうた <br>わくわくしようよ <br>君へ <br>笑っていてね <br>ありがとう～伝えたかった言葉～ <br><br>　 <br>途中にカラオケタイムや芽音ちゃんが各テーブルを回りながらの交流タイムがあったりの楽しい時間でした。 <br>　 <br>音響を心配してた芽音ちゃんでしたが全く問題なかったですね。 <br>　 <br>それにしても最近芽音ちゃんの高音の伸びが心地よい。久しぶりに歌う曲も違う曲に聞こえます。 <br>　 <br>　 <br>今回『わくわくしようよ』という新曲を歌いました。　 <br>前回が初演だった『笑っていてね』程のインパクトはありませんが、じわじわ伝わります。 <br>　 <br>この二曲、芽音ちゃんのこれからの代表曲になるぐらいのいい作品。 <br>　 <br>すぐにでも音源で欲しいぐらいだな…。 <br>　 <br>来年の3月に次のワンマンの発表もあったしまだまだ楽しませてくれそうだね。　 <br>常にいかに音を楽しむかを真剣に考えてる芽音ちゃんにとってこういった感じのライブ、すごくあってるような気がします。 <br>　 <br>緊張したくないから…って言ってたけど、緊張してる芽音ちゃんもビンビン伝わってきて好きなんだけどね…。 <br>　 <br>来年も色々な芽音ちゃんを見せてね。<br>
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<link>https://ameblo.jp/akane24akane/entry-12099218520.html</link>
<pubDate>Tue, 24 Nov 2015 21:51:26 +0900</pubDate>
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<title>marina O-WESTワンマン</title>
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<![CDATA[ <br>　 <br>『まりなった』とはもう呼べないぐらい思いをぶつけた最高のライブ。 <br>　 <br>嬉しさよりももどかしさ、悔しさ、苦しさがストレートな歌声になって突き刺さってきた。 <br>　 <br>　 <br>実はO-WESTは2013年の2月、川嶋あいちゃんで来て以来。川嶋あいちゃんでさえワンマンじゃなかったことを考えるとまりなったクラスがここでワンマンするのは快挙。　 <br>　 <br>会場前十数人しかいなかったので嫌な予感はしました。 <br>でも開演前にはほぼ埋まりました。 <br>　 <br>満員ではもちろんなかったけどワンマンとしては決して恥ずかしくないほどの人達。 <br>　 <br>　 <br>まりなったはっきり言ってた。 <br>　 <br>『YouTubeとか映像には頼らないでライブや路上で人と人との繋がりを大切にしたかった』 <br>　 <br>って。 <br>　 <br>頑なに楽な道を拒んできたまりなった。端から見れば路上だけで200人近く集めたのはすごいとしか言いようがない。 <br>　 <br>川嶋あいだって宮崎美穂子だって実は路上ライブにはスタッフがいた。 <br>　 <br>まりなったは全て一人でやった。誰の力も借りずに来る日も来る日も路上にたち、そう。ワンマンの前日も路上に立った。 <br>　 <br>雨の日にはライブハウスとレコード店周りを欠かさなかった。 <br>　 <br>その結果インデイーズの個人レーベルアーティストとしては異例のタワレコでのリリイベまで勝ち取った。　 <br>　 <br>彼女は全国のインデイーズアーティストさんの中でも希望の存在なのを知った。　 <br>『まりなったが有名にならなかったら誰がなるの？』　 <br>本来ならライバルであるはずのアーティストさん達も彼女の事をずっと応援してきた。 <br>　 <br>川嶋あいより頑張り屋さんな人は初めて見た。不器用で臆病だけど勇気で乗りきる。 <br>　 <br>正直まりなったのやり方は間違ってると思ってた。自己満足でしかないと思った時もあった。 <br>　 <br>でも単にそれはストレートに音楽と人間が大好きなだけなんだ。今日のライブでそれは感じた。 <br>　 <br><img src="https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/320.gif" alt="音符" class="m">セットリスト <br>　 <br>幸せの色 <br>夕暮れと雨 <br>あなたに出会えて <br>everytime,everything <br>愛してる <br>ツメタイハナビラ <br>本当 <br>夕凪 <br>希望の光 <br>ねがいごと <br>月光 <br>風よ消えないで <br>通り風が吹いたら <br>ほんの少しの勇気 <br>愛の花 <br>　 <br>　 <br>いつもの数倍声が出ていた。笑顔も数倍輝いていた。泣きそうにはなったけど泣かなかった。 <br>　 <br>それよりも何処かに怒りか悔しさのような表情が垣間見えていた。 <br>　 <br>それは満員に出来なかった苛立ちと自分が出来ることの限界を知ったからかもしれない。 <br>　 <br>　 <br>一人で出来ることは限界がある。<br>妥協してメジャーにいくのか、それとも今のペースで続けるのか…。 <br>　 <br>彼女の場合、メジャーがあってるような気がするけどね。でも決めるのは彼女自身だから…。 <br>　 <br>だれかがTwitterで書いてたけどそろそろ可愛すぎるルックスが邪魔になってくると…。 <br>　 <br>同意を得たり。 <br>　 <br>これだけレベルが上がってくると逆に有名になったときにアイドル視されてしまう。もちろんルックスのせいでファンが増したのは事実なのだけれども。 <br>　 <br>　 <br>ただ、今日のライブで何かを決めるきっかけになるかもしれない。 <br>　 <br>7月頃、まりなったの様子を見てたらもしかしたら今日がラストライブになるんじゃないか位の様子だった。 <br>　 <br>でもアーティストさんって最後だと思ってがむしゃらにやったときに限ってレベルが上がっちゃう。やめられなくなっちゃう。そんなもんだよ。 <br>　 <br>　 <br>なにか決めなきゃならないだろうけど今後に大注目です。 <br>　 <br>せめて今日明日は路上やるとか言い出さないでね…。　 <br>　<br>新曲達も良かったけど今日ほど『希望の光』で泣きそうになったことはない。 <br>　 <br>みんなまりなったが歌ってる後ろに路上での苦労してるシーンを舞台の上の見えないスクリーンにうつし出してただろうから…。 <br>
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<link>https://ameblo.jp/akane24akane/entry-12083272048.html</link>
<pubDate>Mon, 12 Oct 2015 09:45:05 +0900</pubDate>
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