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<title>アキウマレナツコのブログ</title>
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<description>日々のあれこれとイメージの記録</description>
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<title>130610</title>
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<![CDATA[ 大きな音を立ててドアは閉まり<br>充満する蒸し暑い土埃の匂い<br>窓を全開にしてエンジンをかける<br>今日のラジオのDJは１２年目のベテランで<br>水曜日の番組はいつも聴いている<br>煙草を深く吸い込んでからバックミラーに目をやって<br>顎を突き出し鼻毛のチェック<br>無意識にハンドルを指先で叩いたのちアクセルをゆっくりと踏みこむと<br>フロントガラスにぶら下げたキーホルダーが前後に揺れ<br>そうしてよくあるトラックは走り出し<br>膨大な車の流れに合流してすぐに消えていく<br>彼はただの一人で　彼は何人もいて<br>彼は死に　彼は生まれ<br>暑くてかなわねえなと思っている<br>ぬるくてどうしようもないペットボトルが転がる車内で<br>行った事のある場所に向かっていつも何かを思い出しながら<br>もう一度深くアクセルを踏む<br>愛すべき例えばそんな彼<br><br>
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<link>https://ameblo.jp/akiumarenatsuko/entry-11549571931.html</link>
<pubDate>Tue, 11 Jun 2013 00:39:50 +0900</pubDate>
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<title>知らない部屋の夢を見る</title>
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<![CDATA[ 夢の中に出てくる部屋がある。<br>実際に住んでいるところとは違う。古い家の一室だ。<br>その家はとても広い平屋の木造家屋で、私はそこに一人で住んでいるという設定だ。<br>家の中をぐるりと歩いて見るとあまりにも広すぎて全体的に手を入れられておらず、住む前からある古い置物などがあちこちに散らばっている。<br>年季の入った床板と畳の上を進みながら、そして、ふと、知らない部屋にさしかかるのだ。<br>自分の家なのに、そこで初めてその部屋の存在を知った私は驚いている。<br>入ってみると6畳分ほどの広さで、和箪笥があって、着物が一枚壁に吊るしてある以外は、細々したものが脇に寄せられこざっぱりと片付いている。<br>空気が、いつのものともわからぬ名もなき当時のまま留まっているのを感じる。<br>いい印象も悪い印象もなく、森の中にいる時と同じような「濃さ」だけがある。<br>今まで発見されなかった。知らない部屋なのに、私の所有物としてここにあったのだ。夢の中の私はそのことを何度も反芻する。<br>部屋の奥は、見覚えのある場所につながるようだ。<br>この部屋を通って向こう側に出ると、そのあとはもう普通の夢になって、適当に終わる。<br><br><br>部屋の様子は多少違うものの、設定が毎回同じで気になる。<br>老舗旅館のように古くて広すぎる自分の家と、初めて気がつく部屋とそこに漂う雰囲気。<br><br><br>今日も見たので部屋の様子を絵に描いてみたけれど、全然うまく描けなくてもどかしい。<br>頭ではわかるのに、これを表す術がない。<br>こういうときに絵心があったりパソコンのソフトを自由自在に操れる人が羨ましい。<br>それでやむを得ず久しぶりに文章で書いてみたものの、あまりの下手さとスピードの遅さに愕然となる。<br>もう私は書けないのか。<br>これほどはっきりと覚えていることすら表現できないなんて。<br>体が固くなって歳をとっていくみたいに、書けなくなって歳をとっていくようで悲しい。<br>夢の中で、頭の中で、こんなに思っているのに。<br>私は黙る。すごくうるさく黙っている。
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<link>https://ameblo.jp/akiumarenatsuko/entry-11175617271.html</link>
<pubDate>Sun, 26 Feb 2012 00:32:17 +0900</pubDate>
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<title>たとえば今日の帰り道</title>
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<![CDATA[ 周りの人の比べて、私だけいつも鼻が痒い。<br>鼻炎持ちなので鼻水が出たり詰まったりが原因のことも多いけれど、それ以上に鼻の穴のまわりにある皮がしょっちゅうむずむずする。<br>だから人差し指を左右に動かして掻くのが癖になりつつある。よく、漫画で照れ笑いするときにやるあの仕草だ。<br>恋人には「少年みたいだね」と笑われた。へへ、とそれでまたこする。<br>汗をかくときに真っ先なのも鼻の穴のまわりだ。鼻の下といったほうが近い。<br>そこに、細かい汗の水滴が吹き出してしまうので、それを拭くのにもまたこする。<br>鼻の下に弦を張って、人差し指を滑らせれば、一日にたくさんの音を奏でることができるかもしれない。<br>やらないのに、またそういうこと言って私ってば。<br>今日みたいに両手にたくさんの買い物袋を下げて歩いているときに限って、やっぱり鼻がむずがり始める。<br>重たい手首を持ち上げるのも大変なので、路地裏の道を歩きながら顔の筋肉をうんしょうんしょと波立たせてやり過ごすのだ。<br>夕食の匂いが瓦屋根の家やアパートの窓から流れてきて、ああみんな和食やにんにくを使った料理を作り始めていて、どのお宅も甲乙つけがたく、それぞれベストな選択をしたのですねと労いそして羨ましい気持ちになる。こんなに親近感のある匂いをさせておいて、すべてがよその家だなんて変な感じだ。知らない人たち、朝の満員電車で押し合ったかもしれない人たちが、今晩こういうものを食べるのだろう。<br>うちの献立は決まっていないけれど、今日は新鮮な鯵を一尾８０円で買うことができた。何を作るかということよりも、新鮮な魚を安く手に入れたというその一点の事実が私自身をとてもいい気分にさせる。<br>そういう「魚の日」は、帰り道に猫はいないかしらとチラと思う。でも猫にはあげない。猫がこちらを気にして後をついてくるくらいの、魅力的な魚であることを確信したいだけなのだ。ナンパ待ちというのはこういう気分だろうか。<br>気にしないようにしていたけど、やっぱり鼻が痒い。ああ！あっという間に限界だ。早く早く。<br>仕方ないので足下に袋をそっと置いて、わーっと勢いよく鼻をこする。またすぐに痒くならないようにちょっと多めに掻く。<br>すっきりして、鼻の下がほんのり熱を持ったぶん、ほかの皮膚では夜の完全なる秋の空気に改めて気がつく。一瞬だけそういうことを思う。<br>それからまた、ビニールが食い込んだ跡の残る手首にいくつも袋をひっかけて、頭は鯵のことでいっぱいにしながら歩き出す。<br>お家まではあともう少し。あれ、やっぱりなんか鼻がまだ痒いかも。<br><br><br><br><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/akiumarenatsuko/entry-11033510788.html</link>
<pubDate>Fri, 30 Sep 2011 00:25:48 +0900</pubDate>
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<title>大きな小人の話</title>
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<![CDATA[ 久しぶりにブログを更新することにした。<br>（ちなみに前回は交通事故にあっていたままだったけど、その後トラブルなく割と穏やかに過ごしていたので大丈夫です。）<br><br><br>昨晩は恋人とお酒を飲みに行ったところ、思いのほか酔っぱらってしまった。<br>お店にいるときはそうでもなかったけれど、帰り道からのことはまったく覚えていない。<br>家に着いてベッドに倒れ込んでからは、音楽が流れればそれに合わせて寝たまま踊り、最近買った馬油の名前をしつこいほどに連呼し、よくわからないことを延々と話し続けていたらしい。まさしくただの酔っぱらいだ。<br>そして今回恋人は機転を利かせて、私が思いつくままに喋った内容を一部記録してくれたのだという。<br>たしかに自分が無意識？に話した細かな内容を知る機会もないので、どれどれと読み始めると自分でもびっくり笑ってしまうような物語だったので、ここは恋人の承諾も得つつ今回はリアルタイムで記録された文章そのままでアップしようと思う。<br>私は酔っぱらってこんなことを話していた。<br><br><br><br>****************************************<br>わたしは大きな小人を見ました。<br>大きな小人は転びました。<br>わたしは大きな小人が転ぶのを見ました。<br><br>中略<br><br>わたしはタバコの煙に目もくれず<br>大きな小人を冷蔵庫に入れました。<br>大きな小人はチーズに目がなかったのですが、<br>わたしは優しいので大きな小人が冷蔵庫にいるのを知らないフリをしました。<br>でも大事な大事なヨーグルトを大きな小人が食べているのを見てしまい、<br>わたしは「コラ！」と言ってしまいました。<br>大きな小人はびっくりして、慌ててわたしの冷蔵庫から逃げ出しました。<br>だけど外には犬がたくさんいて、犬たちは大きな小人が大好物なので、一生懸命大きな小人をくわえようとしました。<br><br>大きな小人は犬たちから逃げました。<br>そして新井薬師に行って目がよくなりました。<br><br>目が良くなった大きな小人はいろいろなものが良く見えるようになりました。<br>そうしたら、大きな小人は今まで思っていたものと違うものが見えました。<br>自分はチーズでできてると思っていたけれど、チーズでできていなかったのです。<br><br>中略<br><br>小人は新井薬師に隠れているもう一人の大きな小人に会いました。<br>そこで友達になった二人の小人は電車に乗ろうとしました。<br>だけど電車とホームの隙間がすごく離れていたのでとっても怖くて乗れませんでした。<br><br>小人には遠すぎる！電車はわたしたちのためにできていない！<br><br>がっかりした二人の小人はictarzの中の小人に会いました。<br>やあこんなところに時間を管理している小人がおるぞ。<br><br>ictarzの中の小人はictarzの体内時間を管理をしていたのですが、<br>二人の大きな小人に話しかけられて一秒時間がずれてしまいました。<br><br>小人はとってもとっても悲しみました。<br>時間が一秒ずれてしまった！<br><br>だけど小人がこんなに悲しかったのに、ictarzは時間が一秒もずれてしまったのにまったく気づかないのです。<br>小人はがっかりしました。自分が一生懸命時間を管理して来たのに、それが一秒もずれたのにictarzは気づかないのです。<br><br>がっかりした小人はこんな家主はもういいや、と思って二人の小人と一緒にictarzの中から出て行きました。<br><br>三人の小人は公園に来ました。<br>灰色の町と違って公園は緑で美しく、三人の大きな小人はシャボン玉を捉まえようとしました。<br>だけどシャボン玉は捕まえられず三人は困ってしまいました。<br><br>捕まえられないからシャボン玉の中に入ればいいことに気づきました。<br><br>だけど一つのシャボン玉に三人は多すぎるから、三人は別々のシャボン玉に乗って別々に飛んで行き別々の風になりました。<br><br>バイバイ！<br><br>わたしの小人は梅の花の上でシャボン玉が割れて外に出ました。<br>梅の花の中には別の小人がいて、それは梅の花の小人でした。<br><br>二人は仲良くなりましたが、通りを歩く人が手を振った拍子に梅の花の小人は下に落ちてしまいました。<br>わたしの大きな小人はだから梅の花の中に住みました。<br>梅の花には他に虫たちが来ましたが、虫はわりと早く死んでしまうので大きな小人は寂しくなって、それでやっぱり外に出ました。<br><br>大きな小人は別の公園に行って、そこで時計台を管理している小人に会いました。<br>大きな小人は、やあこんなところにも時間を管理してるこびとがいるぞ、と思って話しかけました。<br>わたしの友達も人の体内時計を管理していたのですが、ぼんくらな家主なので出て行ったのです。それにしても時間を管理しているなんて立派ですね。あなたはどんな時間を管理してるのですか？<br><br>時計台の小人は答えました。公園で管理する時間なんてあんまりないんです。わたしは恋人たちの時間を管理しているのですが、恋人たちにとって時間はとっても甘くて、実際時間はあまり重要じゃないのです。<br>でも時間という概念が大切なのです。だからわたしは時間という概念を管理しているんです。<br><br>わたしの大きな小人は感心して、概念を管理している何てすごいですな、わたしは新井薬師から来たんですが概念をかんりしているというのはとても立派な仕事だと思います、と言いました。<br><br>中略<br><br>時計台の小人と別れたわたしの大きな小人は台風１５号に攫われてしまいました。<br>台風の中はとても温かくて気持ちがよく小人はとっても気持ちがよかったのでそのまま台風の中にいまいした。<br><br>台風の中には台風の小人がいて、台風の小人はイチゴジャムに目がなかったのです。<br>私の小人は台風の小人に挨拶して、私の新井薬師の家主の家から来たのですが、大切なヨーグルト食べてしまい逃げて来たのです。<br>台風の小人はそのときジャムを食べましたか？と訊きました。<br>ジャムは食べてないといいました。<br>台風の小人は、信じられない、ジャムには桃のジャムやブルーベリーのジャムやいろんなおいしいジャムがあるのに、と言いました。<br><br>台風の小人はジャムの話ばかりでいけ好かないやつでした。<br>結局台風の中は温かくて気持ちよかったけれど、その外で何が起こっているか台風の中にいても全然気づかないのです。<br>とっておきのジャムをあげようといって小瓶を取り出しました。<br>私の小人は、こいつはいけ好かないやつだけど、せっかくくれるならもらおうと思いました。<br><br>小瓶の中は緑の液体で<br><br><br>なつがむずがりはじめたのでここまで。<br><br>****************************************<br><br><br>※中略、とある部分は記録が追いつかなかったとのこと。本当はこの３倍くらい話していたらしい。<br><br><br><br>それではまた。そのうち。<br><br>
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<link>https://ameblo.jp/akiumarenatsuko/entry-11030581749.html</link>
<pubDate>Mon, 26 Sep 2011 22:36:38 +0900</pubDate>
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<title>事故に遭う</title>
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<![CDATA[ 今週末は交通事故に遭った。<br><br>都内で恋人の運転する車の助手席に乗っていたところ、信号無視の車が左手から突っ込んできたのだ。<br>あぶない、と言ったときの既に車のごく近い感じだけが目に焼き付いて、それからぶつかって車は止まった。<br>車内は音もどこかへ行ってしまって真空のように静まり、恋人は私の安否を確認したあとすぐにてきぱきと車から降りていったので、その様子を呆然となりながら眺めた。彼の声が焦りうわずっていたことが珍しくて、そんな声を出させてしまったことが可哀想だった。信号待ちをしている人びとや店などはさっきと変わらず窓の外にあって、空も変わらないし、遊園地のゴーカートのようにまたすぐに走り出せる気がした。<br>そんなふうに冷静に混乱していた。<br>相手の車から透明な液体が流れ出ているのが見えて、これは引火して爆発するやつかもしれないと思ったら体のほうがしっかりと動いてくれてようやく外に出た。<br>そこは大きな交差点で、みんなが見ていた。<br>信号待ちをしている人びとや店などはさっきと変わらずあったけど、こちらを見る目が異様だった。<br>どうやって道路の端に出たのか覚えていないけど、すぐに警察と救急車がやってきて次から次へと質問を受け、目にライトをあてられ、署名をした。<br>窓硝子に額をぶつけたけど幸い大きな怪我には至らず、恋人も相手の人も無事だった。<br>「気分悪くなったらすぐにでも救急車で運ぶので、いつでも周りの警察官に言ってください」と言われたけれど、交差点の中央で全員が作業しはじめて恋人も説明をしなければならなかったので、結局側道に一人で待った。具合が悪いような気もしてくるし、心細かった。<br>会社帰りのサラリーマンが薄ら笑いを浮かべながら携帯で写真を撮っていた。<br>目つきの悪い若者二人が止めっぱなしの警官の自転車を見てひそひそと相談していた。<br>ほろ酔いのおじさんは新聞を読むみたいに私の全身をじろじろと見て通り過ぎた。<br>事故の様子を身振り手振りで得意気に連れの女性に説明している人もいた。<br>誘導に従い、たくさんの車がそのままになった私達の車を避けながら通り過ぎていった。<br>信号が青になるたびに楽しい金曜の夜を過ごす通行人が繁華街の方向に消えていく。<br>自転車便の青年は一瞥もくれず、派手な太ももで私のぎりぎり前を猛スピードで走り去った。<br>警察の人も慣れた様子でいつも通りの仕事をしていた。会社の部長みたいな、友達のお父さんみたいな、そういう普通のおじさんの顔だった。<br>周りの人々の日常のなかに入れて貰えず、私は余っていた。<br>直面している状況が一つ多いのだ。私は事故に遭い、ほかの人はそうではなかった。<br>そばに誰もいないので肌寒かった。<br>潰れた車の横で何度も説明をせねばならない恋人の表情は、いろんな感情が交じっていた。私たちは何度も視線を交わしたけれど、声は届かず、遠かった。<br>きっと向こうもそう思っているだろう。<br>それがとても可哀想で、そしたら彼のすべてが可哀想で、とにかく早く家に帰りたいと私は震えながら切に願っていた。<br><br><br><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/akiumarenatsuko/entry-10899859930.html</link>
<pubDate>Sun, 22 May 2011 19:42:21 +0900</pubDate>
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<title>飛んでくる</title>
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<![CDATA[ うちの庭には、たまに物が届く。<br>電気製品の説明書、灰皿、古びた傷だらけのCD-R、『檸檬』の文庫本の破れた1枚、化粧用ポーチ、茎から離れた花の頭、ATMの明細書、歴史上の人物が描かれたお菓子のおまけカード。<br>どこからかそういったものが風に吹かれてやって来て、まるでもとより私のものであったかのような顔をして、ベランダの端っこのほうに溜まるのである。<br>近くにゴミを放置している家があるふうでもなく、各地からの風向きとか、建物の構造とか、よくわからないけれど多分そういうのが影響して、最終的にうちに届くようだ。<br>折角ならもっといいものが飛んできたらなあと思っていたら、今朝、＜特別招待券＞と書かれたチケットが枯れ葉に紛れて届いた。<br>それは缶入りクッキーの一番上にあるような素材の透けた紙でできていて、こんなことが書いてあった。<br>「忘れられたものだらけの世界へようこそ。わたしたちはあなたを忘れていません。くれぐれも忘れもののないようにお越し下さい。日にちは５月３日（金）ですので、こちらもお忘れなく。場所は東京駅地下街…」<br>カレンダーを見ると、来週だった。<br>面白そうなので早速ボールペンで３日の欄に予定を書き込んだ。<br><br><br>地下街を何周しても場所が見つからなかった。<br>飲食店やお土産屋の前を行ったり来たり、途中でお総菜の試食もしつつ、それにしても看板も出ていないし店の人に訊いてみてもわからない。詳しいことは招待券にも書かれていない。<br>えー、と思いながら歩いていると近くで小銭が落ちる音がした。振り向くと、いくつも袋を抱えたおばさんがちょうど屈んで拾いはじめるところだった。<br>おばさんの背後に細い通路が見えた。あれ。あんなとこに通路あったんだ。<br>入口に近づいてよく見ると、小さな文字で<br>＜忘れられたものだらけの世界はこちら＞<br>とある。ほっと胸をなでおろす。<br>気づかないところだった。わかりづらい入口だけど、あれで大丈夫なんだろうか。<br><br><br>細い通路をずっと真っ直ぐ行くと、やがて小さな受付があった。<br>赤い制服を着た女性がにこりと笑い、招待券を渡すと一礼して「そちらのドアからご入場ください。ごゆっくりどうぞ」と言った。パンフレットも何も貰えなかったので、珍しいなと思った。<br>ドアを開けると外は晴れていた。室内ではなく、外だったのだ。<br>そこには空があり、街があり、あたたかく、人びとが行き交い、車が走っていた。びっくりしていると、卒業以来会っていない中学時代の友人に遭遇した。向かいから歩いて来るところだった。<br>声をかけようとしても、名前が思い出せない。<br>すると彼女は笑いかけ、「久しぶりナツコちゃん。葉子だよ」と言ってそのまま通り過ぎていってしまった。<br>そうだ。葉ちゃん、だ。違うグループで、たしか化学が得意だったのだ。<br>彼女が行ってしまったのでとりあえず歩き始めると、人びとの顔に大体見覚えがあることに気が付く。葉ちゃんだけではない、知っている人だらけだ。そして全員が本当に懐かしく、すっかり忘れていた存在だった。<br>子供時代のサッカースクールでライバルだったＮ小の7番が、一度だけ飲んだことのある姉の大学仲間の庄司さんだか庄野さんだかと手を繋いで歩いている。<br>最初に入った会社のお客さんが、昔好きだった俳優と一緒に、宅急便のトラックから降りて荷物を運んでいる。<br>そしてよく見るとどの車も、乗っているのは知人だった。<br>昔父と母が乗っていたいくつかの車もたくさん走っていたし、ナンバープレートは何度もかけた友達の自宅の電話番号だ。あれは自分のポケベルの番号だったか。<br>そうなると、人以外も大体知っているものだった。電柱に貼られた雑誌付録のステッカー、そういえばどこかにしまっていたワンピース、手渡された漫画喫茶のティッシュには以前住んでいたアパートの住所、貸したままのＣＤは中古セールに、現像しないままのカメラに収めた写真集が売られ、なくしたと思っていたボタンや片方の手袋を組み合わせた洋服屋が繁盛していた。高校のサマーセミナーで同じ斑だった大久保くんは花屋で働いていて、私がいつも名前の覚えられない花の入ったバケツを運びながら英語で何か言ったので、私も咄嗟に英語で返した。普段全く喋れないはずなのに、一度だけ覚えて使ったことのある言い回しが口をついて出たことに嬉しくなった。店頭にある花の頭がひとつ無くなっていたけど、それを伝える前に大久保くんは店の奥に戻ってしまった。<br>すべてが夢のようだった。一体何が起こっているのかよくわからなかったけれど、ある程度驚き続けていたらあとは慣れて、とにかく懐かしくて且つ最も新しい世界を一周したいと思った。それでも歩けば歩くほどに道は広がり、どこにでも人や物があり、この先もずっと終わりがないようだった。<br>残念なのはみんな忙しそうにしていて、ろくに話ができないということだ。葉ちゃんみたいに笑いかけたり手を振ってくれたりした後は、それぞれが私などいないかのように作業に戻った。<br>夢中で歩き回ったので、コーヒーを飲んで休憩することにした。レジで雅楽好きの斉藤さんが注文をきき、前歯がちょっとしかない電撃くんが運んできてくれた。<br>店内には私しか客がいない。<br>もう日が暮れ始めていた。入ってからあっという間に３時間が過ぎていた。<br>鞄を探ると、携帯を家に忘れてきてしまったことに今更気が付いた。まあいい。こんな時間に誰からも連絡来ないだろうし。明日は土曜日だし、今週は歯医者もないから気が楽だ。約束はどうだったか、たぶんないはず。<br>とりあえず最後の一口を飲み干したら、そろそろ戻ろう。<br>どこに。<br>どこに戻るんだったか。あれ。あれ。<br>ああ。<br>ああそうだ、自分の家に戻るんだから、たぶんここを右にずっと出れば青梅街道に出るはずで、そしたら迷わないで行ける。<br>危なかった、忘れるところだった。そう思ってにやっとなる。<br>「じゃあまたねー」と電撃くんに声をかけたら「あ、そうだ今度家で鍋やるから誘うよ」と言う。「この時期に？いいね、誰来るの？」「小笠原と、れいちゃんと、あと馬場の妹が来るかも」「うわ、すごいメンバーだね。おもしろそう。じゃ連絡頂戴」「おう、じゃあね」<br>店を出て、てくてくと歩く。帰ったら洗濯をしておこう。あのDVDそういえばもうレンタル始まってるかもなあ。<br><br><br><br><br><br><br>うちの庭には、たまに物が届く。<br>電気製品の説明書、灰皿、古びた傷だらけのCD-R、『檸檬』の文庫本の破れた1枚、化粧用ポーチ、茎から離れた花の頭、ATMの明細書、歴史上の人物が描かれたお菓子のおまけカード。<br>どこからかそういったものが風に吹かれてやって来て、まるでもとより私のものであったかのような顔をして、ベランダの端っこのほうに溜まるのである。<br>近くにゴミを放置している家があるふうでもなく、各地からの風向きとか、建物の構造とか、よくわからないけれど多分そういうのが影響して、最終的にうちに届くようだ。<br>折角ならもっといいものが飛んできたらなあと思っているけれど、やって来ない。<br>持ち主にとっくに忘れられたようなものばかりが、枯れ葉に紛れて届くだけだ。<br>見たことのあるような気もするけれど、誰のものともわからない世界の枠外にある品々。<br>さて今日はこれから葉ちゃんと、大久保くんが出るというイベントに出かける。大体いつも３人で集まることが多い。最近は大久保くんのおかげで花の名前を少しずつ覚えてきて嬉しい。<br>戸締まりをして、中古セールで買ったお気に入りのCDを止めて、出かけようとしたとき、窓にこつんと何かがぶつかる音がした。<br>カーテンを少しだけ開けると、枯れ葉に混じって携帯電話の部品のようなものが届いているのがちらりと見えた。<br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/akiumarenatsuko/entry-10878103622.html</link>
<pubDate>Sun, 01 May 2011 18:00:01 +0900</pubDate>
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<title>いつかの記録の抜粋</title>
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<![CDATA[ 恋愛のことは書きやすい。<br>気持ちを順番につぶさに追っていくのに楽だからだ。<br>それをきっかけに書く勢いが出るので、よく思い返したり、過去の記録を読み返したりしている。<br>なかなかいいのが出てきて、ほう、となった。当時の気持ちが鮮やかに蘇る手応えのものだった。<br>今が一番だと思っていたけれど、そんなこともなかったのだ。<br>これまでの気持ちに戻ってみたら、いつだっていつも一番で、似たような自分がいつも生きていて、そこにたしかな息遣いがあるのだった。<br><br>これからもちょくちょく書くことがあると思う。<br><br><br>*************************<br><br>足の爪を青く塗って、前髪を直して、彼が来るのを待っていた。<br>甘たるいプリンの入ったビニール袋を手にドアをノックするのを、玄関にぺたりと座って待っていた。<br>こんなおかしな現実は、どこか遠い国の話のようだ。<br>それでも結末はもう変わらないのだろう。<br>これからのことは、とうにわかっているのに、それなのに好きな気持ちが変わらないかもしれない。ひんやりとそう思う。<br>そしておろかなことに、彼も私を好きでいてくれるかもしれないと考える。<br>目の前のことに夢中でいようとすれば、これはやがて過ぎていく梅雨のようなものじゃないかとさえ思える。<br>私はばかで、どこか心がおかしいのかもしれない。<br>麻痺していて、よくない成分が私を覆っているのかもしれない。<br>それでもばかな私を彼がほんの少しでも好きだと思ってくれるなら、こんなにいいことはないと思う。<br>待っていたらメールが届いた。<br>『あと10秒でつく』<br>私はすぐに息を潜める。<br>ドアの向こうで、すでに彼も息を潜めている。<br>きっと同じ数字を心の中でカウントしながら、私たちは、なかなか幕の下りない劇の続きをのろのろと始める。<br><br><br><br><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/akiumarenatsuko/entry-10863290520.html</link>
<pubDate>Sat, 16 Apr 2011 15:51:02 +0900</pubDate>
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<title>実際にどこかにありそうな求人</title>
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<![CDATA[ <br> 　【簡単なデータ入力】大手企業！研修があるから安心♪駅チカ！服装自由！¥1500<br><br>　指定された形式に沿って、物語を書いていただく簡単なお仕事です。<br>　最初に研修がありますので、適性を見て各ジャンルの担当部署へ配属となります。<br>　営業から電話やメールでセリフや設定の細かい指示がありますので、その内容を専用端末で入力し、<br>　物語として全体の体裁を整えていただきます。<br>　フォーマットがすでにありますので、難しい知識や資格は不要で、未経験からのチャレンジもOK！<br>　ほか、簡単な校正や、コピー、電話対応などの庶務をお願いします。<br>　同じ作業を行っている派遣スタッフがほかにもたくさんいますので、未経験の方でもしっかりと教えて<br>　もらえる環境で安心です！残業はほとんどありませんのでプライベートとの両立も◎。<br>　入力スピードに自身のある方、こつこつと作業を進めるルーチンワークですので、単純作業を厭わない方。<br>　指示内容に素直に対応できる協調性のある方、大歓迎！<br>　※簡単な「作曲」、「ペイント」など他仕事多数！（すべてフォーマットあり☆）詳しくはHPで。<br><br>　<br><br><br><br>　
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<link>https://ameblo.jp/akiumarenatsuko/entry-10862415146.html</link>
<pubDate>Fri, 15 Apr 2011 18:03:31 +0900</pubDate>
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<title>青春なんてそうそう何度も来ない</title>
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<![CDATA[ 青春は使い捨てじゃない。<br>現状を何かと「青春」という言葉に頼る同年代の人がいるけど、懐古的だし雑だと思う。<br>自分に言い聞かせたり、他人に共有を求めるのなら、それはただの幻だ。<br>そうやって現実を見ようともせず、色眼鏡でまわりを一斉に捉えても、実物に触れはしないだろう。<br>だから馬鹿の振りをやめ、それから賢い振りもやめて、いいから黙って、そこから動くな。<br>もっとひとりになって、それから好きな言葉で騒げばいい。<br><br><br><br><br>*************************<br>友情や青春や恋愛やフィッシュマンズ。<br>それぞれ全然違うもののはずなのに、誰かが言うとすべて同じに聞こえるときがある。<br>文字にしてみても、同じ意味に見えることもある。<br>そういった言葉を脅迫的に使う人が多いから、私はたまにどれも好きじゃない。<br>友達にも結構いて、そんな流れになると輪からすっと離れる。<br>そんな私を指さして「変わってるね」と彼らは肩をすくめるけれど、<br>こちらからすれば変わらず同じ言葉で喋っているあなた方のほうがよっぽど変だ。<br><br><br><br><br>そういうことを思ったのでつらつらと。<br>言葉を選んで使っている人かどうか。私はいつも無意識にそれを追う。<br><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/akiumarenatsuko/entry-10852759079.html</link>
<pubDate>Tue, 05 Apr 2011 23:51:50 +0900</pubDate>
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<title>街頭募金で私が心を動かされない理由</title>
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<![CDATA[ 街頭でやっている募金活動の多くに対し、私が心を動かされない理由は何だろうかとたまに考える。<br>もちろん全部ではない。役に立てれば、という気持ちでお金を入れたことは何度かある。<br>でもほとんどの場合、いつも違和感があって素通りする。何でだろう。<br>声を張り上げる感じかもしれない。<br>それも、いっせーのーせっ、で言うところ。<br>大体そういうことをするのは若者に多い。<br>中学生とか、大学生の有志みたいなグループ。<br>活動自体は大変素晴らしいことなのだけど、みんなで一斉に期間限定のキャンペーンというか、行事をしているような気がして落ち着かない。<br>サークルの勧誘や合唱コンクールみたいな、そういう熱がある。<br>どうしても、楽しそうな部分が見えてしまう。<br>それに比べて大人の募金活動は、落ち着いていて、大声で唱和することもない。<br>日頃から活動をしているのだろうなと思える、地味で堅実な雰囲気がたくさん出ている。<br>そういった人の持つ箱にはお金も入れやすく、気持ちも込めやすい。<br>そして、しんしんとした儀式のように互いに会釈を交わし、そっと立ち去る。<br>これでいいんじゃないだろうか。何か多すぎたり、少なすぎるだろうか。<br><br><br>でも方法という点ではいろんな種類があって仕方ないことだし、結果、目的であるお金が貯まるということが達成されていれば問題ないのだろう。<br>若い子たちの箱のほうがたくさんのお金が集まっているかもしれない。<br>だからこれは、あくまでも私の好みという話だ。<br>コンビニのレジ前に置いてある募金箱にはわりと小銭を入れている。<br>本当にそうしたいという気持ちがあれば、声の大きさやうわずった熱意に関係なく人は協力すると思うのだ。<br><br><br><br>ただ、今日ひとつ残念なことがあった。<br>ツイッターでも書いたけど、新宿の駅を出たところでたくさんの若い団体が入り乱れて、声を張り上げ被災地に向けた募金活動をしていた。<br>本当にずらり、と並んでいてその姿はどこか異様だった。<br>団体の名前は各大学の有志が多かった。有志、有志、有志、有志。<br>彼らは自分の仲間と一緒に、ほかのどの団体よりも大きな声でアピールするのに夢中だった。<br>もしかしたら寄付する先がそれぞれ異なっていたのかもしれないけれど、被災地の人を助けたいという気持ちは同じはず。<br>それなのに、有志たちはばらばらだった。<br>ただの新宿で、見知らぬ同士の有志たちは力を合わせなかった。<br>これは競争ではなく、まずはここでどの団体も協力することが大事なんじゃないかって残念だった。<br>そう思って、まるで呼び込みのような大勢の甲高い声の中を一気に素通りした。<br>なんかこれってすごく変だから。<br><br><br><br><br><br><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/akiumarenatsuko/entry-10843412729.html</link>
<pubDate>Mon, 28 Mar 2011 00:25:11 +0900</pubDate>
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