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<title>ワトソンのブログ</title>
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<description>司法試験や予備試験の勉強法や法律関係のお話しを中心に。</description>
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<title>平成２９年司法試験成績</title>
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<![CDATA[ <p>&nbsp;</p><p>遅くなりましたが，今年の司法試験の成績を公開したいと思います。また，出題趣旨を踏まえて，各科目どの部分が評価されたのかについて自分なりの考えを簡単にお示ししたいと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>■　成績</p><p>&nbsp;</p><p>公法系</p><p>１０６．２７点（憲法Ｂ，行政法Ｂ）</p><p>９３３～９９２位（上位約２４％）</p><p>&nbsp;</p><p>民事系</p><p>１６９．７３点（民法Ａ，商法Ａ，民訴Ｂ）</p><p>５７６～６１０位（上位約１５％）</p><p>&nbsp;</p><p>刑事系</p><p>１１７．６４点（刑法Ａ，刑訴Ａ）</p><p>５１１～５５３位（上位約１３％）</p><p>&nbsp;</p><p>選択科目（倒産法）</p><p>６７．８８点</p><p>１４～１６位（上位約２％）</p><p>&nbsp;</p><p>論文合計</p><p>４６１．５３点</p><p>３９２位（上位約１０％）</p><p>&nbsp;</p><p>総合評価</p><p>９３０．６８点</p><p>４３５位（上位約１２％）</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20171015/23/asnk5490/90/3c/j/o3024403214049663917.jpg"><img alt="" height="560" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20171015/23/asnk5490/90/3c/j/o3024403214049663917.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>公法系と刑法は予想よりも評価が良かったですが，それ以外は概ね手応え通りの評価でした。</p><p>&nbsp;</p><p>昨年よりも全科目順位ランクを上げることができた点が何よりも嬉しかったです。敗因分析と課題の克服が上手くいった証ではないでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>昨年の成績との対比をすると，以下のようになります。</p><p>&nbsp;</p><p>憲法　　　Ｆ　→　Ｂ</p><p>行政　　　Ｄ　→　Ｂ</p><p>民法　　　Ｃ　→　Ａ</p><p>商法　　　Ｆ　→　Ａ</p><p>民訴　　　Ｃ　→　Ｂ</p><p>刑法　　　Ｄ　→　Ａ</p><p>刑訴　　　Ｂ　→　Ａ</p><p>倒産　　　６４．４３　→　６７．８８</p><p>&nbsp;</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20171016/00/asnk5490/01/5d/j/o1437204314049683266.jpg"><img alt="" height="597" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20171016/00/asnk5490/01/5d/j/o1437204314049683266.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>■　評価されたと考えられる部分</p><p>&nbsp;</p><p>私の答案の概要については，過去の記事をご覧頂ければと思います。</p><p><a href="https://ameblo.jp/asnk5490/entry-12291157148.html">公法系</a></p><p><a href="https://ameblo.jp/asnk5490/entry-12291194791.html">民事系</a></p><p><a href="https://ameblo.jp/asnk5490/entry-12291805326.html">刑事系</a></p><p>&nbsp;</p><p>１．公法系</p><p>&nbsp;</p><p>憲法</p><p>適正手続については，設問１と設問２ともにかなりあっさりした論述になってしまったため，あまり点は入っていないと思います。他方，妊娠・出産の自由については，概ね点の取りどころを抑えた論述ができていたと思います。特に，設問１については，保障根拠の部分を丁寧目に書いた点，規制目的を問題文のヒントから的確に読み取れた点，設問２については，個別法の条文を使いながら自分の頭で考えたことをちゃんと伝わるように書けた点が評価されたのではないかと考えています。</p><p>&nbsp;</p><p>行政法</p><p>設問１（１）の訴訟要件の検討のメリハリが上手くできた点（補充性を一番厚く書いた），設問２（１）の処分性の誘導を的確に読み取り答案に表現できた点が評価されたのではないかと思います。恐らく，設問１（２）は最低限の論述しかできておらず，設問２（２）は時間不足＆問題文読み間違いによりほとんど点は入っていないと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>２．民事系</p><p>&nbsp;</p><p>民法</p><p>全体的に出題意図に沿った論述ができていた点，設問１の占有開始時の認定を時系列に沿って細かく検討した点，設問２の信頼関係破壊の法理の当てはめで事実の摘示と評価を厚めに書いた点が評価されたのではないかと思います。設問３は，恐らく，借地借家法１０条１項を摘示できれば十分で，それ以降出題意図に沿った論述ができた答案はほとんどないのではないかと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>商法</p><p>全体的に出題意図に沿った論述ができていた点，設問１（１）で判例と反対説を対比させながら事案に即して自身の見解を述べられた点，設問２で議決権の代理行使の論点を判例の規範を正確に示した上で事案に即して検討できた点（当てはめで書面や電磁的方法による議決権行使が認められていなかった点を指摘できたのが結構効いたと思います），同じく設問２で説明義務の根拠条文として１８０条４項を摘示した上で現場思考で趣旨から論述した点，設問３で株式買取請求の手続を一通り説明できた点が評価されたのではないかと思います。民事系の中では，恐らく商法が一番点数は良いと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>民訴</p><p>設問３以外は概ね出題趣旨に沿った論述ができていた点，設問１で代理の主要事実を示せていた点，設問２（１）で訴えの追加的変更に触れられていた点と同時履行の抗弁が権利抗弁のうち一時的抗弁である旨論述できていた点が評価されたのではないかと思います。全体的に，一般論が長くなり事案に即した検討が薄くなってしまった点，設問３で売買契約の成否と代金額で既判力が生じるか否かを分けてしまったことと，信義則等について検討できなかった点が，Ａ評価に届かなかった要因ではないかと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>３．刑事系</p><p>&nbsp;</p><p>刑法</p><p>正直，手応え的にはＢかＣでした。甲の罪責では，詐欺罪や背任罪について具体的にいくらの金額の範囲で犯罪が成立するのか，詐欺罪や有印私文書偽造及び同行使罪について名義人の承諾が与える影響の有無等，事案の特殊性に配慮した論述ができていた点，乙の罪責では，正当防衛の「急迫」性や「やむを得ずにした」の当てはめをかなり厚く書いた（この２つだけで約１．５頁）点，全体的に法的三段論法を徹底できていた点が評価されたのではないかと思います。甲の罪責の正当防衛の成否や不法領得の意思の有無，乙の罪責の窃盗罪の共同正犯の成否については時間不足によりまともな論述ができませんでしたが，多くの受験生も同じようにあまりよく検討できなかったのではないかと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>刑訴</p><p>７科目の中では一番手応えは良かったです。全体的に出題意図に沿った論述ができ，条文や制度の趣旨に遡った論述ができていた点，設問１捜査①で令状の事前呈示の要否を検討できた点，設問１全般で事実の摘示と評価を満遍なく行えた点，設問２で小問１と小問２の論理的整合性を保った論述ができていたのと，供述調書のどの部分が公判供述とどう矛盾しあるいは弾劾証拠とどう矛盾するのかを具体的に論述できていた点が評価されたのではないかと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>以上</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>　　</p>
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<link>https://ameblo.jp/asnk5490/entry-12319905447.html</link>
<pubDate>Mon, 16 Oct 2017 01:21:04 +0900</pubDate>
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<title>平成２９年司法試験結果</title>
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<![CDATA[ <div><br></div><div><br></div>取り急ぎ、結果のみご報告します。<div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><font color="#ff0000" size="7">合格しました！</font></div><div><font color="#ff0000" size="7"><br></font></div><div><font color="#ff0000" size="7"><br></font></div><div><font color="#ff0000" size="7"><br></font></div><div><font color="#ff0000" size="7"><br></font></div><div><font color="#ff0000" size="7"><br></font></div><div><font color="#ff0000" size="7"><br></font></div><div>この１年間とても苦しかったですが、今まで応援して下さった方々に良い結果を報告することができて、本当に本当に嬉しかったです。</div><div><br></div><div><br></div><div>勝因分析や成績の詳細等については追い追い記事にしていきたいと思います。</div><div><br></div><div><br></div><div>今後ともよろしくお願いしますm(__)m</div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div>
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<link>https://ameblo.jp/asnk5490/entry-12310259942.html</link>
<pubDate>Tue, 12 Sep 2017 23:12:02 +0900</pubDate>
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<title>平成２９年予備試験論文式試験の考察（刑訴）</title>
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<![CDATA[ <p>１　はじめに</p><p>&nbsp;</p><p>全体的にひねりがあまりなく，オーソドックスな問題であると思います。難易度としても，過去の出題と比較して易しい方ではないかと思います。ただ，刑法と刑訴ともに検討事項が中々多く，時間配分に苦戦した受験生が多いのではないでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>２　設問１</p><p>&nbsp;</p><p>設問１は，現行犯逮捕の適法性を問う出題ですが，私は設問文の記載を見た瞬間若干戸惑いました。というのも，設問文には「現行犯逮捕の適法性について論じなさい」と記載されていますが，①刑事訴訟法２１２条１項の現行犯人として逮捕することの適法性だけ検討すればよいのか，それとも，①が違法である場合には②同条２項のいわゆる準現行犯人として逮捕することの適法性まで検討すべきなのかが明らかではないからです。条文上，準現行犯人も「現行犯人とみなす」とされ，逮捕の根拠条文は現行犯逮捕と同じ２１３条ですから，準現行犯人を逮捕することも「現行犯逮捕」と言えそうです。また，司法協会から出版されている「刑事訴訟法講義案」や酒巻匡「刑事訴訟法」には「準現行犯逮捕」という用語が用いられておらず，「現行犯逮捕」という項目の中で準現行犯人についても記載されています。そのため，本番の現場で私と同じような疑問を抱いた受験生もいらっしゃるのではないでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>とはいえ，判例（最決平成８・１・29刑集50巻１号１頁）が決定文の中で「準現行犯逮捕」という用語を用いていること，平成25年司法試験論文式試験刑事系科目第２問の出題趣旨や採点実感の中で「準現行犯逮捕」という用語を用いていることから，出題者は準現行犯人として逮捕することは「現行犯逮捕」に含まれないと考えている可能性の方が高いといえ，上記①のみを検討するだけで足りると割り切っても良いのではないでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>ということで，設問１は，２１２条１項の現行犯人として逮捕することの適法性についてのみ考察したいと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>まず，現行犯逮捕が令状主義（憲法３３条）の例外とされている趣旨から２１２条１項の文言を解釈し，現行犯逮捕の要件として，①犯罪と犯人の明白性，②犯行と逮捕との時間的（・場所的）接着性が挙げられると思います。また，③逮捕の必要性（１９９条２項ただし書，規則１４３条の３）も挙げておいた方が無難でしょう。</p><p>&nbsp;</p><p>（１）　要件①</p><p>&nbsp;</p><p>本問では，逮捕行為を行った警察官が甲の犯行を現認しているわけではないので，この要件を満たすのかが問題となりそうです。すなわち，逮捕者自身が直接知覚した状況以外の資料に基づいて犯罪と犯人の明白性を認定してもよいかが問題となります。</p><p>&nbsp;</p><p>結論としては，違法の方が筋が良いとは思いますが，適法でも論述が説得的であれば十分評価される余地はあると思います。</p><p>&nbsp;</p><p>現行犯逮捕が令状主義の例外とされている趣旨を徹底すれば，犯罪と犯人の明白性は逮捕者が直接知覚した資料に基づいて認定しなければならないと考えることができ，本問では，警察官は，Ｖの胸部にナイフが刺さった状況を現認していると考えられはするものの，甲が犯人であるかどうかの認定は主にＷの供述及び甲の自白に依拠しており，犯人が明白とは言えないことになりそうです。また，条文上「現に罪を行い終わつた者」も現行犯人とされ，この場合逮捕者自身が犯行を現認することは予定されていないと考えられることから，他人の供述等とあいまって明白性が認められれば足りると解釈したとしても，本問の問題文には警察官自身が犯人の明白性を認定するための資料を知覚したと考え得るような事情が記載されていないので，犯人の明白性を肯定することは難しそうです。</p><p>&nbsp;</p><p>そこで，適法とするための構成として，本問の現行犯逮捕をＷと警察官による共同逮捕とすることが考えられるのではないでしょうか。Ｗ自身は甲の犯行を現認し，追跡行為に着手もしています。そのため，Ｗの逮捕行為を警察官が引き継いだと考えれば，犯罪と犯人の明白性は認められるように思います。実務家の中では，犯罪と犯人の明白性が問題となる事案でこのような構成を考える方もいらっしゃるそうです（植村立郎ほか編「事例研究刑事法・Ⅱ刑事訴訟法」第１版４１３頁参照）。</p><p>&nbsp;</p><p>（２）　要件②</p><p>&nbsp;</p><p>本問の現行犯逮捕が行われたのは，犯行から約３０分後，犯行現場から約２キロメートルの地点であることから，犯行と逮捕行為との時間的（・場所的）接着性は認められると言えそうです。</p><p>&nbsp;</p><p>（３）　要件③</p><p>&nbsp;</p><p>当てはめに使えそうな事情が問題文にほとんど記載されていないため，「逮捕の必要性を否定するような事情は見当たらない」といったように簡潔に認定すれば足りるのではないでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>２　設問２小問１</p><p>&nbsp;</p><p>訴因明示の機能について受験生の多数派だと思われる識別説に立った場合，答案の論理展開は概ね次のようになると思います。</p><p>&nbsp;</p><p>刑事訴訟法２５６条３項後段は，「訴因を明示するには，できる限り日時，場所及び方法を以て罪となるべき事実を特定してこれをしなければならない」と規定している。</p><p>↓</p><p>同項の趣旨は，①審判対象の画定と②被告人の防御権の保障にあると考えられるが，被告人の防御権の保障は審判対象の画定により一定程度図られ，起訴に引き続く手続の進行過程に応じて様々な局面で制度化されている。</p><p>↓</p><p>そのため，訴因明示の第１次的機能は①審判対象の画定にあり，罪となるべき事実が特定されているかどうかは審判対象が他の犯罪事実と識別できるかどうかにより判断する。</p><p>↓</p><p>まず，「罪となるべき事実」として構成要件該当事実はもれなく記載される必要があるところ，②の公訴事実には殺人罪の共同正犯（刑法１９９条，６０条）の構成要件該当事実である甲と乙の共謀，甲がサバイバルナイフでＶの胸部を突き刺した行為，甲の殺意がもれなく記載されている。</p><p>↓</p><p>また，甲と乙の共謀の日時等は記載されていないが，甲による実行行為の日時，場所，方法が具体的に記載されており，これによって他の犯罪事実との識別が可能であるから，共謀の日時等の記載は不要である。</p><p>↓</p><p>訴因の記載として罪となるべき事実を特定したものといえる。</p><p>&nbsp;</p><p>以上に対して，訴因明示の機能につき防御権説に立った場合，共謀の日時等は「罪となるべき事実」を特定するために必要な事実と考えられており（宇藤崇ほか「リーガルクエスト刑事訴訟法」初版２０９頁），本問の②の公訴事実は訴因の記載として罪となるべき事実を特定したものとはいえないということになります。</p><p>&nbsp;</p><p>３　設問２小問２</p><p>&nbsp;</p><p>訴因についての裁判所の求釈明に対し，検察官が釈明した場合，それが訴因の特定にとって不可欠な事項である場合には訴因の内容となるが，反対に，訴因の特定にとって不可欠でない事項である場合には訴因の内容とはならないと考えられているようです（古江頼隆「事例演習刑事訴訟法」第２版１９７頁）。したがって，本問では，小問１で識別説に立った場合は③の検察官が釈明した事項は訴因の内容とはならないといえ，反対に，小問１で防御権説に立った場合は③の検察官が釈明した事項は訴因の内容になるということになります。</p><p>&nbsp;</p><p>４　設問２小問３</p><p>&nbsp;</p><p>小問１，２との論理的整合性が問われていると思います。すなわち，小問１で識別説に立った場合は争点顕在化措置の問題となり，小問１で防御権説に立った場合は訴因変更の要否の問題になると考えられます。</p><p>&nbsp;</p><p>（１）識別説に立った場合</p><p>&nbsp;</p><p>本問と同じように共謀の日時が争われた最判昭和58年12月13日刑集37巻10号1581頁（よど号ハイジャック事件）において，裁判所は，両当事者が攻撃防御を行っていない日時の謀議を認定しようとするのであれば，裁判所としてその存否の点を「争点として顕在化させたうえで十分の審理を遂げる必要があると解されるのであって，このような措置をとることなく，・・・率然として」このような事実を認定することは，「被告人に対し不意打ちを与え，その防御権を不当に侵害するものであって違法であるといわなければならない」と判示しています。</p><p>&nbsp;</p><p>この判例を踏まえた規範としては，訴因明示の趣旨・機能から①審判対象の画定に必要でない事項であっても，被告人の防御上重要な事項については原則として争点顕在化措置が必要，②①の場合であっても，審理の具体的状況等から被告人に不意打ちを与えない場合には例外的に争点顕在化措置不要，といったものが一例として考えられるのではないでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>本問では，共謀の日時が防御上重要な事項であることは明白であり，また，公判前整理手続の結果，公判の争点が５月11日の共謀の有無とされ，攻撃防御もこれを前提に展開されていたことからすれば，乙に不意打ちを与えることは明らかといえるのではないかと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>したがって，裁判所が平成29年５月11日の共謀を認定して有罪判決をすることは許されないといえそうです。</p><p>&nbsp;</p><p>（２）防御権説に立った場合</p><p>&nbsp;</p><p>訴因変更の要否については，有名な最決平成13・４・11刑集55巻３号127頁がありますので，同決定を踏まえた規範を定立することになります。</p><p>&nbsp;</p><p>まず，審判対象の画定の見地からみると，共謀の日時については，上記のとおり訴因の記載として不可欠な事項ではないため，訴因変更が必要になるとはいえません。</p><p>&nbsp;</p><p>もっとも，被告人乙は共謀共同正犯として起訴されていますが，一般的に実行行為を分担していない共謀者としては共謀の存否が防御の主戦場となりますし，本問の乙も共謀の事実を否認しています。したがって，共謀の日時は被告人乙の防御上重要な事項といえ，そうすると，訴因と異なる日時を認定するには原則として訴因変更が必要といえそうです。</p><p>&nbsp;</p><p>そして，確かに，共謀の日時が５月18日から５月11日にされたとしても乙にとって不利益とはいえませんが，上記のとおり不意打ちであることは明らかといえるので，例外的に訴因変更が不要な場合には当たらないことになりそうです。</p><p>&nbsp;</p><p>したがって，防御権説に立った場合でも，裁判所が平成29年５月11日の共謀を認定して有罪判決をすることは許されないということになります。</p><p>&nbsp;</p><p>５　本問から読み取る出題者のメッセージ</p><p>&nbsp;</p><p>設問２は，小問１から３までで検討事項が重なる部分が多々ありますが，問題作成者は何故このような出題形式にしたのでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>私の推測ですが，恐らく，「論証崩し」を目的としたものではないかと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>小問３は，一見すると訴因変更の問題のように思えます。そして，受験生の多くは，「訴因変更の要否が出たら最決平成13年の規範」というようにパターン的な準備をしていると思います。私もそうでした。他方，設問２の小問１と２では，共謀の日時は訴因の内容とならないと考えるのが受験生の多数派ではないでしょうか（最決平成13年も識別説に親和的と評価されることが多いように思います）。しかし，共謀の日時が訴因の内容とならないと書くと，小問３では最決平成13年の規範を使えなくなります。最決平成13年の規範を書くと，小問２で検察官が釈明しても共謀の日時は「訴因の内容にならない」としたはずなのに，被告人の防御上重要な事項である場合には原則として「訴因変更が必要」というように，訴因外の事実の変動を理由に訴因変更をすることを肯定することになってしまいます。訴因のどこを変更するの？という話になってしまいます。そのため，この点をよく考えずに「訴因変更が出たら最決平成13年の規範」というようにパターン的な思考で論証を展開すると，落とし穴にはまってしまいます。</p><p>&nbsp;</p><p>このような「論証崩し」は，今年の司法試験論文式試験の刑事訴訟法の設問２でもありました。３２８条の問題です。</p><p>「３２８条の証拠は自己矛盾供述に限る」というように，判例の結論のみを重視して論証を用意していた場合，今年の設問２の小問２では回復証拠として自己矛盾供述以外の供述の証拠能力を認めるための規範を定立することに苦戦したと思います。弾劾目的か回復目的か分けずに小問１で「自己矛盾供述に限る」と言い切ってしまったら，小問２で回復証拠として一致供述の証拠能力を認めることはできなくなってしまいます。</p><p>&nbsp;</p><p>以上をまとめると，出題者としては，【パターン的な思考に陥らずに条文や原理原則から思考する姿勢を身につけて欲しい】といった趣旨のメッセージを送っているのではないでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>以上</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/asnk5490/entry-12297289442.html</link>
<pubDate>Sun, 30 Jul 2017 22:58:55 +0900</pubDate>
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<title>平成２９年予備試験論文式試験の考察（刑法）</title>
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<![CDATA[ <p>１　はじめに</p><p>&nbsp;</p><p>難易度は，過去の出題と比較して結構難しい方ではないでしょうか。検討すべき事項の分量はそこまで多くはないですが，理論的に難しい部分が多々あり，本番で時間配分に苦戦したた方も多いかと思います。全体的に見ると，本問のテーマは「実行行為性」であり，おまけとしてマニアックな各論の問題がついているといった感じでしょうか。なお，本問の問題作成委員は塩見淳先生（京都大学大学院法学研究科教授）ではないかと思われ，同先生が執筆された「間接正犯・離隔犯における実行の着手時期」という論文（川端博ほか編「理論刑法学の探究④」に掲載）を読めば本問の分析の際の参考になるのではないでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>２　甲の罪責</p><p>&nbsp;</p><p>（１）　劇薬Ｘを注入したワインをＶ宅宛てに宅配便で送った行為について</p><p>&nbsp;</p><p>甲はＶを殺害する目的で上記行為を行っているため，殺人未遂罪（刑法２０３条，１９９条）の成否を検討することになると思います。そして，①甲が注入した劇薬Ｘの量が一般人を基準とした致死量１０ミリリットルに達していない点で不能犯の肯否が問題になるのと，また，②犯行態様が離隔犯であり実際にワイン自体は配達されていない点で実行の着手時期が問題になると考えられます。</p><p>&nbsp;</p><p>①不能犯の肯否</p><p>&nbsp;</p><p>不能犯の肯否の判断基準については様々な見解がありますが，恐らく本問の事情ではどの見解に立っても不能犯は否定されるのではないかと思います。</p><p>受験生の多数派だと思われる具体的危険説によれば，行為当時に行為者が実際に認識していた事情及び一般人が認識し得たであろう事情を基礎とし，一般人の立場から事後的かつ客観的に犯罪実現の危険性の有無を判断することになります。</p><p>本問では，Ｖの心臓に特異な疾患があるという事情を甲は認識しているため，かかる事情は判断の基礎資料となり，致死量にわずか２ミリリットル足りなくても，心臓に特異な疾患を有する者が飲めば死亡する危険があると一般人であれば感じるといえそうです。</p><p>したがって，不能犯は否定されるでしょう。</p><p>&nbsp;</p><p>②実行の着手時期</p><p>&nbsp;</p><p>離隔犯の実行の着手時期については，発送時説と到着時説があるかと思いますが，判例（大判大正７・11・16刑録24輯1352頁）は，毒入り砂糖を郵便で送った事案において，「飲食し得うべき状態に置」いた時点で殺人の実行の着手があるとしており，到着時説をとっていると言われています。</p><p>ところが，本問では，Ｖ宅には劇薬入りのワインは到着しておらず，不在連絡票が郵便受けに入っているだけであり，しかもＶはその不在連絡票の存在にすら気付いておりません。そのため，到着時説からは実行の着手を否定するのが自然ではないでしょうか。</p><p>もっとも，判例とは異なり，結果発生の自働性・蓋然性等を根拠に発送時説に立ち，実行の着手を認めることも十分にあり得る筋だと思います。</p><p>大事なことは，結論よりも，刑法４３条の文言や未遂犯の処罰根拠から出発して丁寧な法的三段論法を展開することではないでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>（２）　Ｖに劇薬Ｙを注射するよう乙に指示した行為</p><p>&nbsp;</p><p>甲はＶを殺害する意思で事情を知らない乙に注射を指示し，注射されたＶは結果的に死亡しているので，殺人罪（１９９条）の間接正犯の成否を検討することになると思います。メインで問題になるのは，殺人罪の実行行為性でしょう。</p><p>&nbsp;</p><p>ア　実行行為性</p><p>&nbsp;</p><p>間接正犯の正犯性について，受験生の多数派は恐らく実行行為説（直接正犯のそれと異ならない実行行為性を根拠に正犯性を肯定する見解）に立つかと思います。この見解によれば，正犯性，すなわち実行行為性を認めるためには，（人によって微妙な違いはあると思いますが）①正犯意思，②一方的な支配・利用，③法益侵害の現実的危険性，が必要になるかと思われます。</p><p>&nbsp;</p><p>①正犯意思</p><p>問題なく認められるでしょう。</p><p>&nbsp;</p><p>②一方的な支配・利用</p><p>乙がＶに劇薬Ｙを注射をしたことについて，乙自身に刑事上の過失があるとしても，乙は甲の意図を認識していなかった以上甲の道具に過ぎず，一方的な支配・利用は認められると言えそうです。もっとも，被利用者に過失犯が成立する場合には間接正犯の正犯性を否定する見解もあるようです（池田修ほか編「新実例刑法（総論）」初版３９頁参照）。</p><p>&nbsp;</p><p>③法益侵害の現実的危険性</p><p>劇薬Ｙの致死量が６ミリリットルであり，甲が乙に渡した注射器には劇薬Ｙが６ミリリットル入っていたこと，心臓に特異な疾患を有するＶは３ミリリットルで死亡する危険があることからすれば，上記注射器による注射によりＶが劇薬Ｙの影響で死亡する危険は十分に認められるといえ，法益侵害の現実的危険性は認められるでしょう。</p><p>&nbsp;</p><p>以上から，通説的な見解からすれば，殺人罪の実行行為性は認められることになると思います。なお，実行の着手時期についても触れられれば加点事由になるのではないでしょうか（上記の劇薬Ｘ入りのワインを送った行為について到着時説に立った場合は，被利用者基準説に立つのが整合的かと思われます）。</p><p>&nbsp;</p><p>イ　その他の要件</p><p>&nbsp;</p><p>構成要件的結果，因果関係，故意は軽く認定すればよいでしょう。</p><p>&nbsp;</p><p>ウ　結論</p><p>&nbsp;</p><p>甲には殺人罪の間接正犯が成立します。</p><p>&nbsp;</p><p>３　乙の罪責</p><p>&nbsp;</p><p>（１）　劇薬ＹをＶに注射した行為</p><p>&nbsp;</p><p>問題文に「刑事上の過失があった」と記載されているので，業務上過失致死罪（２１１条前段）の要件を簡単に認定して同罪を成立させてよいと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>（２）　虚偽の死因を記載した死亡診断書を作成した行為</p><p>&nbsp;</p><p>虚偽診断書作成罪（１６０条）の成否を簡潔に検討することになるかと思います。また，あまり自信はありませんが，個人的には，証拠隠滅罪（１０４条）の成否も検討した方が良いのかなと問題文を最初に読んだ時には思いました。というのも，問題文の「専ら甲のために」という文言を見て，自己の事件と他人の事件とで共通の証拠が「他人の刑事事件に関する証拠」に当たるかという論点を思い出したからです。</p><p>&nbsp;</p><p>ア　虚偽診断書作成罪の成否</p><p>&nbsp;</p><p>マイナーな犯罪であることから，各構成要件の意義を正確に知っていた受験生はほとんどいないかと思います。ただ，各論の問題については，各構成要件の正確な意義を知らなくても，簡潔な記載でよいので法的三段論法の流れできちんと書けている答案は評価が良いと思います（私の経験上も）。同罪のポイントは，「虚偽の記載」の意義が無形偽造であることでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>イ　証拠隠滅罪</p><p>&nbsp;</p><p>本問では，死亡診断書は，甲のＶに対する殺人事件の証拠になるとともに，乙のＶに対する業務上過失致死事件の証拠にもなります。そこで，この死亡診断書が，「他人の刑事事件に関する証拠」に当たるのかが問題になります。</p><p>判例・通説である折衷説によれば，同罪が自己の刑事事件に関する証拠を客体から除外している趣旨が期待可能性の欠如である点に鑑み，専ら他人のためにする隠滅等の場合に限り，同罪が成立することになります。</p><p>本問では，乙は「専ら甲のために」行っているので，死亡診断書は「他人の刑事事件に関する証拠」に当たると言えそうです。</p><p>&nbsp;</p><p>また，「隠滅」とは，証拠の顕出を妨げ，または，その証拠としての価値を滅失・減少させる行為のすべてをいうところ，乙の上記行為は，死亡診断書の証拠としての顕出を妨げるものといえ，「隠滅」に当たると言えるのではないでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>（３）　罪数</p><p>&nbsp;</p><p>乙には，①業務上過失致死罪，②虚偽診断書作成罪，③証拠隠滅罪が成立し，②と③は１つの行為により実現されているため観念的競合（５４条１項前段）となり，これらと①が併合罪（４５条前段）になるかと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>以上</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/asnk5490/entry-12296969497.html</link>
<pubDate>Sat, 29 Jul 2017 21:18:18 +0900</pubDate>
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<title>これまでの論文の勉強方法</title>
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<![CDATA[ <p>昨年の不合格発表から今年の司法試験を受験するまでに私が行ってきた論文の勉強方法について，大まかな流れを書いていきたいと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>今年の結果がまだ出ていないので，これが正しい方法であったのかはまだ分かりませんが，回顧録として残しておきたいと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>■　敗因分析</p><p>&nbsp;</p><p>まず，立ち直りは早ければ早いほど良いと考え，不合格発表の翌日から早速敗因分析を進めました。</p><p>この時点ではまだ出題趣旨や採点実感は公表されていませんでしたので，予備校の無料の解説講義を聴いたり各種雑誌の解説を読んだりしていました。また，再現答案は受験直後に作成していたので，ロースクール同期の合格者に添削を依頼したり再現答案をもらったりしていました。</p><p>そして，これらを基に敗因分析をしたところ，大きく分けて以下の３つの課題が浮き彫りになりました。</p><p>&nbsp;</p><p>①時間配分</p><p>&nbsp;</p><p>②正確な基礎知識の定着度</p><p>&nbsp;</p><p>③科目ごとの作法が身についていない</p><p>&nbsp;</p><p>これら３つの課題を踏まえて大まかな勉強方針やスケジュールを立てた上で，以下のような勉強を行ってまいりました。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>■　総論</p><p>&nbsp;</p><p>１．答練</p><p>&nbsp;</p><p>１０月から，伊藤塾のペースメーカー論文答練を通学クラスで受講しました。そして，ただ受講するだけではなく，添付写真のような【答練反省シート】というものを自分で作り，毎回の答練直後に反省点を記入していきました。【答練反省シート】には，上記の課題を踏まえた項目を設けました。</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20170717/18/asnk5490/3a/3f/j/o3264244813984536717.jpg"><img alt="" height="315" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20170717/18/asnk5490/3a/3f/j/o3264244813984536717.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>２．過去問演習</p><p>&nbsp;</p><p>１０月から伊藤塾の論文過去問答練及び論文マスターを通信で受講しました。</p><p>過去問は１回目の受験前に１周はしていたので，何も見ずに時間を計って作成した答案を提出し，ありのままの自分を評価してもらうようにしました。そして，答案作成直後に論文マスターの解説講義を視聴し，解説冊子を読み，自己添削をしました。また，出題趣旨・採点実感を熟読することはもちろん，辰巳のぶんせき本の合格者答案を熟読し，合格者の共通点と自分の答案との差をみつけて記録していきました。本試験で評価の悪かった憲法及び商法からこの作業を行い，１２月下旬には７科目全年度（この講座の対象は平成２０年～平成２６年のみ）終了しました。</p><p>&nbsp;</p><p>１月からは，再び時間を計って答案を作成し，論文マスターの解説冊子や辰巳のぶんせき本を参考にして自己添削をしました。３月末頃までに全科目平成２０年～平成２８年が終了しました。</p><p>&nbsp;</p><p>また，同じく１月から，不合格者の友人１名と合格して修習中の友人１名の計３名で過去問演習のゼミを組みました。頻度は週１で，ゼミ当日に集まった時に修習生の友人が過去問の中からチョイスした問題を出題し，その場で２時間で答案を作成し，添削・講評を行うというものです。集まるまで科目も年度も分からないですが，過去問の修得度を図ることができる非常に良いゼミであったと思います。このゼミは本試験の１週間前まで継続しました。</p><p>&nbsp;</p><p>３．正確な基本知識の定着</p><p>&nbsp;</p><p>合格者のブログを拝見したり身近にいる合格者に話を聞いてみると，本当に多くの方が「基本的な知識をとにかく繰り返し学ぶことが大事」と仰っていました。私も今では本当にその通りだと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>そのため，基本書や演習書については，あれこれ手を出すのをやめて各科目これぞと思うものを基本書と演習書各１冊ずつ決めて（判例百選は別），それらをただひたすら繰り返すことにしました。</p><p>&nbsp;</p><p>また，１年目の受験と同様辰巳の趣旨・規範ハンドブックに情報を一元化していましたが，自分で苦手だと感じる分野や答練で上手く書けなかった論点等をまとめたまとめノートを別途作成していきました。まとめノートを作成する際は，常に「答案でどのようにこの知識を使うのか」ということを意識していました。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>■　各論</p><p>&nbsp;</p><p>各科目について，使用していた教材と，上記の総論的な勉強以外に行っていた勉強や，普段の勉強で心がけていたこと等を簡単に書いていきます。</p><p>&nbsp;</p><p>１．憲法</p><p>&nbsp;</p><p>使用した教材は，基本書が渡辺康行先生他「憲法Ⅰ基本権」（通称新４人本），演習書が小山剛先生他「判例から考える憲法」です。</p><p>&nbsp;</p><p>これらの教材を用いて，本試験でこの人権の問題が出たらどのような判例が使えてどのような主張反論構造になるのかというリストを作っていました。</p><p>&nbsp;</p><p>本試験の憲法で大事なことは問題文の事実からイメージを膨らませてどれだけ具体的な論述ができるかということであると考えていたので，判例を読む際はどのような事実がどのように評価されて結論に結びついているのかという点を特に注意していました。</p><p>&nbsp;</p><p>２．行政法</p><p>&nbsp;</p><p>使用した教材は，基本書が中原茂樹先生「基本行政法」，演習書が曽和俊文先生他「事例研究行政法」です。</p><p>&nbsp;</p><p>「事例研究行政法」は司法試験で求められるエッセンスが凝縮された非常に良い演習書であるという評判であったため，繰り返し解きました。実際に答案を作成したわけではありませんが，個別法の構造や当てはめ部分を中心に答案構成をしていきました。</p><p>&nbsp;</p><p>行政法は誘導に乗れるか否かで大きく点数に差がつくといういように，とにかく特性の強い科目であるので，過去問分析は全科目の中で１番濃密に行いました。</p><p>&nbsp;</p><p>３．民法</p><p>&nbsp;</p><p>使用した教材は，基本書が内田貴先生「民法Ⅰ～Ⅳ」，演習書が池田清治先生「基本事例で考える民法演習１・２」です。</p><p>&nbsp;</p><p>民法はとにかく旧司過去問を繰り返しました。本試験直前には，平成元年以降であれば問題文を見れば何年の第何問かがわかり，答案の論理構成がすぐに頭に浮かぶほどにまでなりました。</p><p>&nbsp;</p><p>民法で大事なことは「原理原則を出発点として自分の思考過程を分かりやすく表現すること」であると考えていたので，条文や制度の趣旨・目的を理解して覚えることはもちろん，条文と条文の繋がりや論点と論点の繋がりを特に注意して勉強していました。旧司過去問は現行司法試験のエッセンスの宝庫であり，民法で点を稼ぐためには必須の勉強だと思いました。</p><p>&nbsp;</p><p>また，「基本事例で考える民法演習１・２」は，池田先生が旧司及び司法試験の考査委員を担当されていたこともあって，司法試験で求められる「基本知識からの応用」の意味がとてもよくわかる内容になっています。問題文は旧司程度の長さですが，事案を解決するために条文や原理原則からどのような思考をすればよいのかについてとても丁寧に書かれており，司法試験で求められる思考を身につけるには最適な演習書だと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>４．商法</p><p>&nbsp;</p><p>使用した教材は，基本書が伊藤靖史先生他「リーガルクエスト・会社法」で，演習書が小林量先生他「事例研究会社法」です。</p><p>&nbsp;</p><p>「事例研究会社法」は，受験生の多くが使用している伊藤靖史先生他「事例で考える会社法」に比べると問題のレベルがかなり易しめですが，私は商法が苦手であったため，易しめの演習書を繰り返すことにしました。答案構成を結構細かめに行った後に解説を読むという作業を繰り返し，本試験までに３周回し終えました。模試では商法の成績が結構良かったのですが，この演習書のおかげで苦手克服ができたのではないかと思っています。今年の本試験で同書から似たような問題が出ていたことも踏まえると，商法が苦手な方にはおすすめの演習書といえそうです。</p><p>&nbsp;</p><p>また，商法ではとにかく条文を正確に挙げることが命であると考えていたため，商法だけ特別に短答の肢別本も使いました。１日５０肢を繰り返し，２月下旬ごろに３周回し終えていました。</p><p>&nbsp;</p><p>５．民訴</p><p>&nbsp;</p><p>使用した教材は，基本書が三木浩一先生他「リーガルクエスト・民事訴訟法」で，演習書が長谷部由起子先生他「基礎演習民事訴訟法」です。</p><p>&nbsp;</p><p>民訴の勉強は，過去問分析と判例百選で８割ぐらいを占めていたと思います。分からなかったり忘れていた論点があったりした際に基本書や演習書を参照していました。</p><p>&nbsp;</p><p>民訴ではとにかく判例が大事であると考えていたため，解説を含めて丁寧に読み込み，この判例が出たら何をどう書くかという戦略をまとめノートに書いていきました。</p><p>&nbsp;</p><p>６．刑法</p><p>&nbsp;</p><p>使用した教材は，基本書が佐久間修先生他「刑法基本講義総論・各論」で，演習書が井田良先生他「刑法事例演習教材」です。</p><p>&nbsp;</p><p>刑法については，民法の次に旧司過去問が重要であると考えていたため，平成元年以降の過去問を時間を計って解き，Ｗセミナーの「スタンダード１００」を用いて自己添削を行っていました。「刑法事例演習教材」は，答案構成を書いたりすることはなく，問題文を読んで頭の中で考えてすぐに解説を読むという作業を繰り返し，２周ほど回したと思います。この程度の使い方でしたが，今年の本試験で同書に掲載されていた同じような問題を思い出して書くことはでたので良かったと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>刑法はとにかくメリハリが命であり，メリハリ自分の課題でもありました。そのため，上記の修習生とのゼミでは刑法を多めに出題してもらい，徹底的に鍛えてもらいました。</p><p>また，もう１つ大事と言われている事実の摘示と評価については，上位答案のその部分だけを写経したりしていました。最終的には筆が止まらず言葉がすぐに頭に浮かぶようになったので，効果はあったのではないかと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>７．刑訴</p><p>&nbsp;</p><p>使用した教材は，基本書が宇藤崇先生他「リーガルクエスト・刑事訴訟法」で，演習書が古江頼隆先生「事例演習刑事訴訟」です。</p><p>&nbsp;</p><p>「事例演習刑事訴訟法」は，問題を解くというよりも完全に読み物として使っていました。基本知識の定着度にはあまり問題はないと考えていたため，過去問分析と判例百選が勉強の８割ぐらいを占めていたと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>本試験の刑訴では，刑法よりも理論面の配点がやや多いと考えていたため，コンパクトかつ説得力のある規範を基本書や過去の上位答案を参考にして練っていました。また，刑法と同様，上位答案の事実の摘示と評価の部分を写経していました。</p><p>&nbsp;</p><p>８．選択科目（倒産法）</p><p>&nbsp;</p><p>使用した教材は，基本書が伊藤眞先生「破産法・民事再生法」，演習書が山本和彦先生「倒産法演習ノート」で，辰巳の「１冊だけで倒産法」をまとめノート代わりにしていました。</p><p>&nbsp;</p><p>倒産法は昨年の本試験の点数も良く，全科目の中で１番自信はあったので，年明けから勉強を再開することにしました。過去問を時間を計って解き，出題趣旨・採点実感や上位答案を参考にして自己添削を行うという作業を平成１８年から平成２７年まで行いました。</p><p>「倒産法演習ノート」については，問題を解くというよりも読み物として使っていました。</p><p>&nbsp;</p><p>本試験の倒産法では，とにかく条文を正確に挙げることが大事であるため，勉強の際は逐一条文を引いて読むことを心がけました。また，判例学習もかなり重要であるため，１年目の受験勉強で作っていた百選のまとめノートを繰り返し読んでいました。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>■　まとめ</p><p>&nbsp;</p><p>私の勉強は常に過去問を中心に回っていたと思います。過去問は何回解いても満足のいく答案を書くことができませんでしたが，その代わりに毎回必ず学ぶことが何かしらあり，本当に最高の教材だと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>また，「基本知識が大事」という言葉は耳がタコになるぐらい聞くと思いますが，自分は１年目の受験勉強でその言葉の意味をちゃんと理解していませんでした。「基本知識」を「知っている」と「理解している」というのは全く別であり，また，「理解している」受験生でもその理解の「正確さ」や「深さ」次第で大きく差が付くということを，この２年目の受験勉強では痛感しました。</p><p>&nbsp;</p><p>以上をまとめると，私の２年目の受験勉強は，「過去問分析」と「基本知識の反復学習」という２つの言葉にまとめることができると思います。これが正解なのかは分かりませんし，正しい勉強方法は個人の性格にも左右されるのかもしれませんが，私個人としては，この勉強スタイルで手応えを感じたことは確かです。</p><p>&nbsp;</p><p>各科目の詳細な勉強方法や個別的な問題（途中答案対策等）については，別の記事で書くかもしれません。&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>以上</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/asnk5490/entry-12293535266.html</link>
<pubDate>Mon, 17 Jul 2017 22:00:34 +0900</pubDate>
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<title>強制処分該当性を問う問題の書き方</title>
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<![CDATA[ <p>１．はじめに</p><p>&nbsp;</p><p>たまには個々の論点についての考察みたいな記事も書いていきたいと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>刑事訴訟法については，好きな科目でありそれなりに深く学んできたことと，答練や予備試験等で良い成績を残すことができていたため，記事は多めになると思われます。</p><p>&nbsp;</p><p>今回は強制処分該当性の論点についてですが，なぜこの論点を選んだのかというと，これまで周りの受験生の答案を読んでいて，超頻出論点であるにもかかわらず理解に微妙なズレがあると思われる受験生が多いように感じたからです。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>２．強制処分法定主義と令状主義の区別</p><p>&nbsp;</p><p>よく，「本件の捜査①は「強制の処分」（刑事訴訟法１９７条１項ただし書）に当たるか。<span style="color:#ff0000;">何ら令状の発付を受けていないため問題となる</span>。」という問題提起の答案を見ますが，やや不正確であるように思います。</p><p>&nbsp;</p><p>確かに，裁判官から何らかの令状の発付を受けていれば強制処分該当性はほとんど問題になりませんし，私も初期の頃はこのような書き方をしていました。</p><p>&nbsp;</p><p>しかし，「強制の処分」に該当することの法律効果は，あくまで「この法律に特別の定めのある場合でなければ，これをすることができない」こと，すなわち刑事訴訟法に根拠規定を必要とすることであって，何らかの令状を必要とすることではありません。令状が必要となるのは，当該根拠規定が令状を要求している場合です。逮捕や捜索・差押えが「強制の処分」に当たることについては争いがないと思いますが，これらの強制処分であっても，現行犯逮捕は無令状で行えますし（２１３条），逮捕に伴う捜索差押えも無令状で行えます（２２０条１項２号・同条３項）。</p><p>&nbsp;</p><p>つまり，強制処分該当性はその捜査について刑訴法上の根拠規定を必要とすべきかという問題にとどまり，その捜査に令状を要求すべきかについては令状主義の問題ということになります。</p><p>&nbsp;</p><p>論理構造で表現すると，</p><p>&nbsp;</p><p>【「強制の処分」に該当→令状必要なのに何ら令状ないから違法】なのではなく，</p><p>&nbsp;</p><p>Ａ．【「強制の処分」に該当→刑訴法に根拠規定必要→本件の捜査の性質は（例えば）検証（２１８条１項本文）に該当→同項は令状を要求しているのに令状ない→<span style="color:#ff0000;">２１８条１項本文に反して</span>違法】</p><p>&nbsp;</p><p>又は，</p><p>&nbsp;</p><p>Ｂ．【「強制の処分」に該当→刑訴法に根拠規定必要→本件の捜査の性質に当てはまるような根拠規定がない（例えば，ＧＰＳ捜査に関する最大判平成２９年３月１５日がそうでしたね）→<span style="color:#ff0000;">１９７条１項ただし書に反して</span>違法】</p><p>&nbsp;</p><p>ということになります。</p><p>&nbsp;</p><p>そのため，強制処分該当性の問題における問題提起については，</p><p>「本件の捜査①は「強制の処分」（刑事訴訟法１９７条１項ただし書）に該当しないか。<span style="color:#ff0000;">該当する場合，同法に根拠規定を必要とするため問題となる</span>。」という書き方が正確であると思います。</p><p>&nbsp;</p><p>平成２７年司法試験の採点実感において，「<span style="color:#ff0000;">強制処分であることと令状主義とを何らの説明も加えることなく直結させ，強制処分が服する法的規律について，法定主義と令状主義とを混同しているのではないかと見られる答案などが散見された</span>。」という指摘がなされています。問題提起の書き方だけで大きく減点されることはないと思いますが，問題提起の書き方で採点者に与える印象は変わると思いますし，上記の論理構造で答案が書ければ深い理解を伝えることができるのではないでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>ポイントは，<span style="color:#ff0000;">強制処分法定主義は捜査機関に対する民主的コントロール</span>（国民の権利利益を制約する処分をする権限は国民の代表機関である国会が授権（立法）すべき）であり，<span style="color:#ff0000;">令状主義は捜査機関に対する司法的コントロール</span>（国会が定めた手続に従って捜査が行われるよう司法機関が監視する）であるという違いをイメージすることでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>３．「強制の処分」の定義</p><p>&nbsp;</p><p>ここは上記２に比べればそれほど重要ではないと思います。</p><p>理由づけをちゃんと書いていれば，規範は井上説でも酒巻説でも川出説でも良いと思います。ＧＰＳ捜査に関する最大判平成２９年３月１５日の判旨における「個人の意思を制圧して憲法の保障する重要な法的利益を侵害するもの」という部分を使うのもありではないでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>ちなみに，同最大判はリーディングケースである最決昭和５１年３月１６日刑集３０巻２号１８７頁の「個人の意思を制圧し，身体，住居，財産等に制約を加えて強制的に捜査目的を実現するなど，特別の根拠規定がなければ許容することが相当でない手段を意味する」という説示を用いていませんね。</p><p>&nbsp;</p><p>これについては，同最大判の調査官解説（ジュリスト１５０７号１０６頁「時の判例」）に次のように書かれています。</p><p>&nbsp;</p><p>「昭和５１年判例は，強制処分と任意処分とを「有形力の行使の有無」で分ける考え方を否定し，任意処分においても有形力の行使を伴うことが許容される場合があるとの判断を示したものであり，前記の説示〔昭和５１年判例の説示〕の中には，<span style="color:#ff0000;">事案に則して用いられたとみられる表現や用語が含まれているように思われる</span>。本判決が「強制の処分」の定義について昭和５１年判例をなぞるような説示をせず，同判例を参照判例として引用するにとどめているのは，この点を踏まえたことによると思われる。」</p><p>&nbsp;</p><p>つまり，両判決の考え方は基本的に異なるものではなく，昭和５１年判例の「強制の処分」の定義は事案に則した表現をしたものであって，より一般的な表現で定義を示したのが最大判平成２９年ということになるのではないでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>４．平成２７年予備試験の再現答案</p><p>&nbsp;</p><p>最後に，論文式試験において具体的にどのような論述をすれば良いのかということについて，平成２７年予備試験論文式試験の私の再現答案（捜査部分のみ）を一例としてお示ししたいと思います（評価はＡ）。</p><p>&nbsp;</p><p><a href="http://www.moj.go.jp/content/001167205.pdf" target="_blank">問題文リンク（法務省）</a></p><p>&nbsp;</p><p>第１　設問１</p><p>&nbsp;</p><p>１　まず，①から③の写真撮影は，いずれも甲方居室内で行われていることから，「強制の処分」（刑事訴訟法１９７条１項ただし書）に該当しないか。該当する場合，同法に根拠規定を要するため（強制処分法定主義），問題となる。</p><p>&nbsp;</p><p>（１）国民の権利利益を制約する処分については，国民の代表機関たる国会の定める法律によって民主的コントロールを及ぼすことが望ましい。もっとも，そのような処分すべてに法律の根拠を要するとすると，円滑・迅速な捜査活動を妨げてしまう。そこで，「強制の処分」とは，被処分者の意思に反し，重要な権利利益を制約する処分をいうと考える。</p><p>&nbsp;</p><p>（２）本件では，甲が不在の間に甲方居室内で撮影が行われているが，甲が在室していれば撮影を拒否すると考えられる。また，公道上と異なり，住居内ではプライバシーの要保護性が高く，住居内で写真撮影を行うことは，捜索に類似するものであり，被処分者の重要な権利利益を制約するものと言える。</p><p>（３）したがって，①から③の写真撮影は，「強制の処分」にあたる。</p><p>&nbsp;</p><p>２　そして，写真撮影は，五官の作用により物や人，場所の形状・性質を認識・知覚するものとして，検証（１２８条）としての性質を有する。ところが，本件においては，Ｐらは検証令状を所持していないため，①から③の写真撮影を検証として適法ということはできない（２１８条１項参照）。</p><p>&nbsp;</p><p>３　では，Ｐらは，捜索差押許可状の執行中に撮影していることから，捜索差押えの付随処分として適法ということはできないか。</p><p>（１）ここで，令状主義（憲法３５条１項）の趣旨は，令状裁判官による司法的抑制により，捜査機関の恣意的権限行使を防止する点にあるため，令状裁判官が許可した範囲外の新たな法益侵害を生じさせるような処分は許されない。しかし，捜索差押えの際に，証拠物の証拠価値の保存や，手続の適法性担保のために写真撮影を行う必要性も認められ，このような写真撮影は，捜索差押えに伴うプライバシー侵害の範囲内と言える。そこで，これらの目的で行う写真撮影については，手段の相当性が認められる限り，捜索差押えの付随処分として許容されると考える。</p><p>&nbsp;</p><p>（２）①について</p><p>　①は，捜索差押許可状を甲の同居人である乙に対して呈示している状況を撮影したものである。捜索差押え実施の際には，「住居主…又はこれらの物に代わるべき者をこれに立ち会わせなければなら」ず（２２２条１項・１１４条２項本文），令状は，被処分者に呈示しなければならない（２２２条１項・１１０条）。そうすると，①の撮影は，これらの手続きが確実に実施されているという証拠を残すことにより，捜索差押手続の適法性を担保すると言える。また，手段の相当性を逸脱するような事情はない。</p><p>　したがって，①の写真撮影は，捜索差押えの付随処分として適法である。</p><p>&nbsp;</p><p>（３）②について</p><p>　②は，甲の運転免許証等とサバイバルナイフを１枚の写真に収まるように近接撮影したものである。サバイバルナイフは，令状の差し押さえるべき物に記載されているものの，甲の運転免許証等は記載されていないため，これを撮影することは，甲に対する新たなプライバシー侵害のおそれがある。もっとも，甲方には甲だけでなく乙も同居していることから，発見されたサバイバルナイフが乙の所有物である可能性も否定できない。そこで，サバイバルナイフ発見の際に，その左横に甲の運転免許証等が置いてあったことは，サバイバルナイフの所有者が甲であることを示すものと言え，この状況をそのまま撮影することは，サバイバルナイフの証拠価値の保全に資するものと言える。また，相当性を逸脱するような事情もない。</p><p>　したがって，②の写真撮影は，捜索差押えの付随処分として適法である。</p><p>（４）③について</p><p>　③は，甲方の捜索中にたまたま発見した注射器及びビニール小袋を撮影したものであるが，これらは，令状の差し押さえるべき物に記載されていない。そのため，写真撮影をしても証拠価値の保全に資するとは言えないし，捜索差押手続の適法性担保とも関係がない。むしろ，これらは別の犯罪に関する証拠であり，このような撮影は，令状主義の潜脱を招くため，許容すべきでない。</p><p>　したがって，③の写真撮影は，捜索差押えの付随処分としても許容できず，違法である。</p><p>&nbsp;</p><p>以上</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/asnk5490/entry-12292115793.html</link>
<pubDate>Thu, 13 Jul 2017 01:15:35 +0900</pubDate>
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<title>平成２９年司法試験論文式試験を振り返って（刑事系）</title>
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<![CDATA[ <p>■　刑法</p><p>&nbsp;</p><p>周期的に各論メインの出題だと予想していたのですが，各論も総論も同じぐらいの比率の出題でした。検討すべき事項の分量は，恐らく過去最高の多さではないでしょうか。答案構成は約２５分で終えたのですが，最後の方はぐだぐだになってしまいました。前半の各論メインの部分はもっと簡潔に済ませるべきであったと反省しています。なお，私は普段は人ごとに書いていましたが，本問は行為ごとに書きました。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>１．甲が本件クレジットカードを用いてＣから腕時計ＸとＹを購入した行為</p><p>&nbsp;</p><p>（１）Ｃに対する詐欺罪（刑法２４６条１項）の成否</p><p>&nbsp;</p><p>「欺」く行為について判例の定義→ＣがＢ信販会社から立替払いを受けられないおそれ等を指摘してカード利用者が名義人本人であるかどうかの重要事項性を肯定（名義人から許諾を得ていたとしても）→重要事項を偽ったことの認定→「欺」く行為該当</p><p>&nbsp;</p><p>その他の要件簡潔に認定</p><p>&nbsp;</p><p>詐欺罪成立</p><p>&nbsp;</p><p>（２）Ａに対する５０万円の背任罪（２４７条）の成否</p><p>&nbsp;</p><p>「刑法事例演習教材」で同じような事案の問題を解いていたので，背任罪を検討すべきことはすぐに分かりました。</p><p>&nbsp;</p><p>事務処理者該当性をやや丁寧に検討し肯定→その他の要件簡潔に認定（甲の給料日や給料の額に関する事実が詳細に書かれてあったため，出題者は財産的損害の有無も丁寧に検討して欲しかったのかも）</p><p>&nbsp;</p><p>背任罪成立</p><p>&nbsp;</p><p>２．甲が売上票用紙にＡの名前を書いてＣに手渡した行為</p><p>&nbsp;</p><p>有印私文書偽造及び同行使罪（１５９条１項・１６１条１項）成立</p><p>&nbsp;</p><p>３．乙がＡに体当たり等をし石で顔面を殴った行為</p><p>&nbsp;</p><p>（１）乙の罪責</p><p>&nbsp;</p><p>傷害罪（２０４条）の成否</p><p>&nbsp;</p><p>構成要件該当性肯定</p><p>&nbsp;</p><p>正当防衛（３６条１項）の成否→「不正の侵害」簡潔に認定→「急迫」性丁寧に検討し肯定→「防衛するため」簡潔に認定→「やむを得ずにした行為」丁寧に検討し否定（防衛行為の一体性は飛ばしてしまいました）→過剰防衛（３６条２項）成立</p><p>&nbsp;</p><p>傷害罪成立</p><p>&nbsp;</p><p>（２）甲の罪責</p><p>&nbsp;</p><p>傷害罪の共同正犯（６０条）の成否</p><p>&nbsp;</p><p>石で殴った行為については共謀の射程及ばず暴行罪の共同正犯の限度で構成要件該当性肯定→正当防衛成立（ここは構成でよく考えずに書き始めてしまったため理論的に崩壊しています）</p><p>&nbsp;</p><p>なんら罪責負わない</p><p>&nbsp;</p><p>４．甲がＡのポケットから財布を取った行為</p><p>&nbsp;</p><p>（１）甲の罪責</p><p>&nbsp;</p><p>窃盗罪（２３５条）の成否</p><p>&nbsp;</p><p>客観的構成要件該当性肯定→甲がＡを死んでいるものと認識していたことを失念し，故意肯定→不法領得の意思について，財布と中身の現金は一体的に考えるべきとして肯定</p><p>&nbsp;</p><p>窃盗罪成立</p><p>&nbsp;</p><p>恐らく，占有侵害の認識を欠くとした上で，死者の占有の論点に走らずに占有離脱物横領罪を成立させるのが正解筋だと思われます。</p><p>&nbsp;</p><p>（２）乙の罪責</p><p>&nbsp;</p><p>窃盗罪の共同正犯の成否</p><p>&nbsp;</p><p>①共謀（意思連絡及び正犯意思）と②①に基づく一部の者の実行行為が必要→①について，器物損壊罪（２６１条）の意思連絡を認定し，正犯意思を肯定→②について，甲が窃盗罪を実行していることに言及した上で共謀の射程を肯定→乙に窃盗の故意が欠けることを指摘し，器物損壊と窃盗は構成要件的重なり合いが認められるとして前者の限度で共同正犯成立</p><p>&nbsp;</p><p>５．罪数</p><p>&nbsp;</p><p>（１）甲</p><p>&nbsp;</p><p>①詐欺罪，②背任罪，③有印私文書偽造及び同行使罪，④窃盗罪が成立し，①と②が観念的競合（５４条１項前段），①と③が牽連犯（同項後段）となり，これらは全体として科刑上一罪，これらと④が併合罪（４５条前段）</p><p>&nbsp;</p><p>（２）乙</p><p>&nbsp;</p><p>①傷害罪，②器物損壊罪の共同正犯が成立し，併合罪</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>■　刑訴</p><p>&nbsp;</p><p>論文全科目の中で一番手応えは良かったです。ただ，ロースクールの定期試験のような典型論点の出題であったため，ハイレベルの答案が多いのではないでしょうか。差がつくポイントとしては，設問１の当てはめにおける事実の使い方，設問２の小問１と小問２との論理的整合性が挙げられると思います。</p><p>&nbsp;</p><p>設問１</p><p>&nbsp;</p><p>１．捜査①</p><p>&nbsp;</p><p>（１）令状の事前呈示の問題</p><p>Ｑらがベランダの柵を乗り越えた時点で住居の管理権に対する制約が認められ，捜索に着手したといえるが，この時点ではまだ令状呈示していないため，刑事訴訟法２２２条１項本文前段が準用する１１０条に反しないか→判例を踏まえて規範定立（１１０条の趣旨から捜索の実効性確保のための必要性と着手後の速やかな呈示）→Ａらの供述や事前の捜査から甲方が覚せい剤密売の拠点となっている疑いが濃厚＋覚せい剤の隠滅の容易性＝必要性肯定，入室後速やかな令状呈示あり→要件満たす→１１０条に反しない</p><p>&nbsp;</p><p>（２）「必要な処分」（２２２条１項本文前段・１１１条１項）</p><p>掃き出し窓のガラスを割って解錠した行為が「必要な処分」に当たるか→同項の趣旨から捜索の実効性確保のための必要性と相当性という規範を定立→ドアチェーンをクリッパーで切断できるとしても入室するまでには多少の時間を要すること等を指摘して必要性肯定＋窓の交換で容易に損害の填補が可能であり被制約利益小さく相当性肯定→要件満たす→「必要な処分」に当たる</p><p>&nbsp;</p><p>（３）捜査①は適法</p><p>&nbsp;</p><p>２．捜査②</p><p>&nbsp;</p><p>令状に基づく捜索（２１８条１項前段）としての適法性</p><p>&nbsp;</p><p>（１）令状の効力が及ぶ範囲</p><p>場所に対する令状の効力が捜索場所に居合わせた者の携帯物に及ぶか→令状主義の趣旨から，令状裁判官が事前に審査したと考えられる範囲に効力及ぶ→本来捜索場所に存在することが予定されている物については，その物に対するプライバシーは場所に対するプライバシーに包摂されていると考えられ，令状裁判官が事前に審査したといえる＋このことは，携帯しているかどうかによって異ならない→乙は甲の内妻として甲と同居→乙の物は本来甲方に存在することが予定されているといえる→令状の効力及ぶ</p><p>&nbsp;</p><p>（２）２２２条１項本文前段・１０２条２項</p><p>乙は被疑者ではないため，ハンドバッグについて「押収すべき物の存在を認めるに足りる状況」が必要→甲方が覚せい剤密売の拠点＋乙は甲方で甲と同居＝乙はＡに対する譲渡に何らかの関与をしていると疑われる（ここでちゃんと本件の捜索差押許可状の被疑事実があくまでＡに対する覚せい剤の譲渡であることを踏まえることがポイントだと思います（平成２４年採点実感参照））→バッグの開披を頑なに拒否して外に出ようとする乙の不自然な態度→バッグの中に本件の被疑事実に関する証拠が存在する蓋然性が認められる→要件満たす</p><p>&nbsp;</p><p>（３）捜査②は適法</p><p>&nbsp;</p><p>３．捜査③</p><p>&nbsp;</p><p>令状に基づく捜索としての適法性</p><p>&nbsp;</p><p>場所に対する令状による身体の捜索の可否→２１９条１項が「場所」と「身体」を明確に区別していることに加えて，身体に対するプライバシーは高度であり場所に対するプライバシーに包摂できないため，令状裁判官が事前に審査したとは考えられない→令状の効力及ばず不可</p><p>&nbsp;</p><p>もっとも，その者が証拠物を着衣に隠匿したと疑うに足りる十分な理由がある場合には，捜索に対する妨害排除措置として身体の捜索を行うことができる→丙は頻繁に甲方に出入りしておりＡに対する譲渡に何らかの関与をしている可能性が高いという点や，丙の落ち着きのない態度，急にトイレに行こうとした素振り等を指摘→上記要件満たす</p><p>&nbsp;</p><p>捜査③は適法</p><p>&nbsp;</p><p>設問２</p><p>&nbsp;</p><p>１．小問１</p><p>&nbsp;</p><p>裁判所が証拠調べの決定をするためには証拠能力必要（３１７条）→Ｓは甲証言の証明力を争うために各証拠の証拠調べを請求しているから，３２８条に基づき証拠能力が認められるかが問題</p><p>&nbsp;</p><p>（１）「証拠」（３２８条）の意義</p><p>３２８条の趣旨は伝聞法則（３２０条１項）の潜脱を防止しつつ公判外供述を非伝聞的に利用することを確認的に許容した点にある→「争う」態様が公判供述の証明力の弾劾である場合には，同一人が異なる機会に矛盾した発言をしたこと自体を証明することにより公判供述の証明力を減殺可能→弾劾目的の場合は自己矛盾供述に限る→伝聞法則潜脱防止のため，自己矛盾供述の存在については厳格な証明必要</p><p>&nbsp;</p><p>（２）証拠１について</p><p>証拠１は甲の供述を録取したもの→甲証言と証拠１から問題となる部分を引用し，甲の関与の有無について矛盾することを指摘→自己矛盾供述に当たる→もっとも，供述録取書であるため甲の署名・押印が必要であるが（３２１条１項柱書），証拠１にはこれがない→証拠１は「証拠」に当たらず証拠能力認められない→裁判所は証拠調決定できない</p><p>&nbsp;</p><p>（３）証拠２について</p><p>証拠２は甲の供述を録取したもの→甲証言と証拠２から問題となる部分を引用し，覚せい剤の仕入れ先や甲名義の預金口座への送金の目的が矛盾することを指摘→自己矛盾供述に当たる→甲の署名・押印もある→証拠２は「証拠」に当たり証拠能力認められる→裁判所は証拠調決定できる</p><p>&nbsp;</p><p>（４）証拠４について</p><p>証拠４は甲でなく乙の供述を録取したもの→自己矛盾供述とはいえず「証拠」に当たらないため証拠能力認められない→裁判所は証拠調決定できない</p><p>&nbsp;</p><p>２．小問２</p><p>&nbsp;</p><p>証拠３が３２８条の「証拠」に当たるのかが問題</p><p>&nbsp;</p><p>３２８条の趣旨を上記のように解するとすれば，「争う」態様から公判供述の証明力の回復を除外する理由はなく，この場合には自己矛盾供述に限られない→もっとも，回復証拠の内容が公判供述の繰り返しに過ぎない場合は，弾劾証拠の内容とどちらが正しいのかという水掛け論となり結局内容の真実性が問題になるから，非伝聞的利用とはいえなくなってしまう→回復目的の場合は，公判供述と異なる内容の供述であり，かつ，弾劾証拠と直接矛盾する供述に限り，「証拠」に当たると考えるべき→供述の存在について厳格な証明が必要なことは同じ</p><p>&nbsp;</p><p>証拠３は，前段部分は甲証言の繰り返しに過ぎないが，後段部分は異なる内容→そして，「警察では，私が密売グループのトップであり，丁は関係がないと供述したが，これは嘘である。」との部分は，弾劾証拠である証拠２の覚せい剤の仕入れ先が丁ではないという旨の供述と直接矛盾する→甲の署名・押印もある→後段部分に限り「証拠」に当たり証拠能力認められる</p><p>&nbsp;</p><p>裁判所は証拠３のうち後段部分に限り証拠調決定できる</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>※自己矛盾供述に限られないとするのは最判平成１８年１１月７日（百選９版９０事件）の見解に反すると思われるかもしれませんが，同最判の事案は弾劾目的で３２８条に基づく証拠調請求がされた事案であるため，回復目的の場合において自己矛盾供述に限られないという規範を定立しても，同最判の見解に直ちに反するとはいえないように思います。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>以上</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/asnk5490/entry-12291805326.html</link>
<pubDate>Tue, 11 Jul 2017 23:25:21 +0900</pubDate>
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<title>平成２９年司法試験論文式試験を振り返って（民事系）</title>
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<![CDATA[ <p>■　民法</p><p>&nbsp;</p><p>全体的に設問の抽象度が高くなり，旧司法試験的な傾向が強まったように感じました。既知の論点知識だけで解けるような設問はなく，受験生が知ってそうで知らないところを突いた非常に良い問題であると思います。</p><p>現場では，正解を追求することよりも基本からの思考過程を分かりやすく表現することを心がけました。細かいミスや検討不十分な点も多々ありますが，概ね出題意図に沿った論述で最低限の守りはできたのではないかと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>設問１</p><p>&nbsp;</p><p>Ｃの反論の根拠</p><p>甲１部分について賃借権の短期取得時効（民法１６３条・１６２条２項）による占有権原の抗弁</p><p>&nbsp;</p><p>反論が認められるための要件</p><p>土地の継続的な用役が認められ，賃借の意思が客観的に表現されていると認められる場合には，賃借権も「所有権以外の財産権」に当たる。</p><p>「１０年間」の占有は前後の両時点の占有が認められれば推定（１８６条２項），「平穏」「公然」「善意」は１８６条１項により推定。土地の継続的な用役と賃借の意思の客観的な表現が認められる時点を占有開始時とすべき。</p><p>以上から，要件は，①土地の継続的な用役と賃借の意思の客観的な表現が認められた時点からの１０年間の占有と，②占有開始時点の無過失。</p><p>&nbsp;</p><p>要件を満たすかについて</p><p>&nbsp;</p><p>要件②</p><p>実地調査をしたことや登記簿を閲覧したこと等から無過失肯定</p><p>&nbsp;</p><p>要件①</p><p>賃料の支払いを開始した平成１６年１０月１日には賃借の意思の客観的な表現が認められるが，継続的な用役の開始は認められない。</p><p>工事が開始した平成１７年６月１日に，甲１部分を間接占有することにより，継続的な用役の開始が認められる。</p><p>占有開始時点は平成１７年６月１日であり，１０年経過していない。</p><p>要件満たさない。</p><p>&nbsp;</p><p>Ｃの反論認められない。</p><p>&nbsp;</p><p>設問２</p><p>&nbsp;</p><p>Ａの解除は６１２条２項に基づくもの→（ａ）無断で「使用又は収益させた」ことが必要（転貸借契約の締結と使用収益を分けるべきでした）</p><p>また，信頼関係破壊の法理→（ｂ）背信行為と認めるに足りない特段の事情が認められれば解除権制限</p><p>&nbsp;</p><p>（ａ）について</p><p>下線①及び②の事実はこの要件との関係で問題</p><p>下線①→借地上建物の賃貸は借地の転貸に当たらない→法律上の意義を有しない</p><p>下線②→駐車場を使用させているから無断で「使用・・・させた」といえる→主要事実としての法律上の意義を有する（ＣＤ間の賃貸借契約に甲２土地の賃貸が含まれているのか解釈すべきでした）</p><p>&nbsp;</p><p>（ｂ）について</p><p>確かに，賃料月額６０万円はＡＣ間の賃貸借契約の賃料月額２０万円の３倍であり収益性が高いとも思える→しかし，６０万円には丙建物の使用収益の対価も含まれており，借地上建物の賃貸は借地人の自由である以上，これをもって背信性を強めるとはいえない→また，甲２土地の利用形態はほとんど変わらない→背信行為と認めるに足りない特段の事情あり</p><p>&nbsp;</p><p>Ａの解除認められない</p><p>&nbsp;</p><p>設問３</p><p>&nbsp;</p><p>反論の根拠</p><p>ＡＣ間の賃貸借契約は建物所有目的→借地借家法適用→本件土地上にＣ名義の丙建物存在→賃借権の対抗要件あり（借地借家法１０条１項）→賃貸人の地位がＡからＥに当然に移転したとして，占有権原の抗弁</p><p>&nbsp;</p><p>反論が認められるかについて</p><p>賃貸目的物の譲渡が行われた場合において，賃借人が賃借権の対抗要件を備えている場合，譲受人は通常賃借権の対抗を受けることを前提に譲り受けていること，賃貸人の債務は状態債務であること→賃貸人の地位が当然に移転するのが原則</p><p>しかし，本件でＥはＡから虚偽の説明を受けており，賃借権の対抗を受けることを前提に譲り受けているわけではない→このような場合でも賃貸人の地位は当然に移転するのか</p><p>借地借家法１０条１項が借地人の保護を強化していること，借地人の関知しえない事情で借地権が消滅させられるのは不合理→上記の場合でも賃貸人の地位は当然に移転→反論認められる</p><p>&nbsp;</p><p>設問３は全然自信がないです。ＡＣ間の和解契約の使い方がよくわかりませんでした。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>■　商法</p><p>&nbsp;</p><p>設問１の設立を見た瞬間，若干吐き気がしました。とはいえ，設問２と設問３はそれほ難しそうではなく配点も多かったのでそこで点数を稼ぐべきと考え，設問１は最低限のことだけを書く作戦をとることにしました。</p><p>&nbsp;</p><p>設問１小問（１）</p><p>&nbsp;</p><p>判例の見解→本問のように債権者が複数いて債権額の合計が定款記載額を超える場合に不都合という理由から，全額が成立後の会社に帰属し定款記載額を超える額について発起人に求償できるとする見解があることに言及→しかし発起人が無資力の場合に会社の財産的基礎が害されること，債権取得日の早い順に成立後の会社への帰属を認めれば不都合ではないことを理由に，判例の見解を支持→Ｄに対する債務６０万円とＥに対する債務２０万円が甲社に帰属→甲社はＥに対する残り２０万円の支払を拒める</p><p>&nbsp;</p><p>設問１小問（２）</p><p>&nbsp;</p><p>定款に記載のない財産引受は無効→しかし成立後の会社にとって有益な場合もあるため追認を認めるべき→定款変更（会社法４６６条）により追認できる→必要な手続について，株主総会特別決議は書いたものの，事後設立の知識がなかったため，現物出資の場合と同様に検査役選任の申立て（２０７条１項）をすべきという意味の分からないことを論述</p><p>&nbsp;</p><p>設問２</p><p>&nbsp;</p><p>株主総会決議の取消の訴え（８３１条１項）を提起</p><p>&nbsp;</p><p>訴訟要件</p><p>訴え提起時に既に株式併合の効力が生じておりＧの株式数が１株に満たないことを失念してしまい，単にＧが「株主等」に当たるとして原告適格肯定→出訴期間問題なし→訴訟要件満たす</p><p>&nbsp;</p><p>取消事由①</p><p>Ｌの入場を認めなかったことがＬの議決権を侵害し決議方法の法令違反に当たらないか→他の株主に対する瑕疵も主張可能→基準日の時点でＬは名義書換していないから株主であることを乙社に対抗できない→Ｌの議決権侵害しない→決議方法の法令違反に当たらない（相続が１３０条１項の「株式の譲渡」に当たるのかについては検討できませんでした）</p><p>&nbsp;</p><p>取消事由②</p><p>非株主であるＫに議決権の代理行使を認めたことが代理人資格を株主に限定する定款１６条に反し決議方法の定款違反に当たらないか→定款１６条は合理的理由に基づく相当程度の制限であり３１０条１項に反せず有効→形式的には定款違反になる→しかし，総会かく乱のおそれがなく，代理行使を認めなければ議決権行使の機会を奪うことになる場合には，定款１６条は適用されない→持株会の実態や規約を根拠に総会かく乱のおそれを否定，本件では書面や電磁的方法による議決権行使が認められていなかったため代理行使認めなければＨの議決権行使の機会奪う→定款１６条適用されない→決議方法の定款違反に当たらない</p><p>&nbsp;</p><p>この取消事由については，「事例研究会社法」で同じような事案の問題を直前に解いていたので，思考過程がすぐに頭に浮かびました。</p><p>&nbsp;</p><p>取消事由③</p><p>Ｊが株式併合の本来の目的を説明しなかったことが１８０条４項に反し決議方法の法令違反に当たらないか→１８０条４項の趣旨は株式併合に賛成するか反対して株式買取請求権を行使するかの判断をするための資料を株主に提供すること（株式併合差止請求権を行使するかどうかを判断するための資料の提供とした方が良かったと思いました）→併合の本来の目的は「株式の併合をすることを必要とする理由」に当たる→１８０条４項に違反→決議方法の法令違反に当たる→裁量棄却否定</p><p>&nbsp;</p><p>甲社が議決権を行使して可決されたことが８３１条１項３号に当たらないかについては検討できませんでした。</p><p>&nbsp;</p><p>設問３</p><p>&nbsp;</p><p>Ｌは株式買取請求権（１８２条の４第１項）を行使→上記のとおりＬは議決権を行使できないから「反対株主」（同条２項２号）に当たる→併合割合からしてＬが有する８００株は「一株に満たない端数となるものの全部」に当たる→Ｌは乙社に対し８００株を「公正な価格」で買い取るよう請求することができる</p><p>&nbsp;</p><p>価格の決定手続きについて，１８２条の５第１項及び同条２項→買取請求の効力は株式併合の効力発生日に生じる（同条６項）</p><p>&nbsp;</p><p>「公正な価格」の判断基準については言及できませんでした。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>■　民訴</p><p>&nbsp;</p><p>昨年が史上最高レベルに難しかったせいか，今年の問題はとても易しく感じました。また，旧司過去問や司法試験過去問で問われた論点の寄せ集めであり，過去問演習の濃度で差がつくような問題であったと思います。</p><p>民事系の中では１番手応えは良かったですが，ハイレベルな答案が多いと思われるため格差調整点ではそこまで伸びないような気がします。</p><p>&nbsp;</p><p>設問１</p><p>&nbsp;</p><p>弁論主義第１テーゼの問題→弁論主義の趣旨・機能から第１テーゼを導出→主要事実のみに適用→代理人が締結した契約に基づく請求をする場合の主要事実を列挙→ＡＸ間の契約締結の事実は主要事実に当たる→第１テーゼ適用→証拠資料と主張資料の峻別，当事者主張してない→裁判所は上記事実を判決の基礎とすることはできない</p><p>&nbsp;</p><p>判例に言及すべきかどうか迷いましたが，配点１５点しかなかったため言及しませんでした。</p><p>&nbsp;</p><p>設問２小問（１）</p><p>&nbsp;</p><p>処分権主義（２４６条）及び弁論主義第１テーゼとの関係で問題</p><p>&nbsp;</p><p>処分権主義との関係</p><p>２４６条は申立事項と判決事項の一致を要求→処分権主義の趣旨から申立事項とは訴訟物を意味する→訴訟物概念について旧訴訟物理論→訴訟物は訴状の請求の趣旨・原因によって特定され（１３３条２項２号），訴えの変更（１４３条１項）により変更又は追加される→本件判決は売買契約に基づく目的物引渡請求を認容するものであるから，申立事項と判決事項の一致を満たすためには，売買契約に基づく目的物引渡請求権が訴訟物になっている必要がある→Ｘの訴状に現われた訴訟物は贈与契約に基づく目的物引渡請求権→Ｙの主張は積極否認（民訴規則７９条３項）であり，これに対するＸの主張は単なる譲歩に過ぎず，訴えの追加的変更には当たらない（訴えの変更には書面の提出と相手方への送達が必要（１４３条２項・３項））→結局，訴訟物は贈与契約に基づく目的物引渡請求権１個であり，これが申立事項→Ｘから訴えの追加的変更の申立てが必要</p><p>&nbsp;</p><p>弁論主義第１テーゼとの関係</p><p>主張共通の原則→もっとも，権利抗弁のうち一時的抗弁については権利者による権利行使の意思表示が訴訟上なされる必要がある→本件判決は引換給付判決であり同時履行の抗弁権の行使を前提とする→同時履行の抗弁権は権利抗弁のうち請求される度に行使が必要な一時的抗弁→Ｙによる同時履行の抗弁権の主張が必要</p><p>&nbsp;</p><p>以上から，Ｘによる訴えの追加的変更の申立てとＹによる同時履行の抗弁権の主張がなされれば，裁判所は本件判決をすることができる</p><p>&nbsp;</p><p>設問２小問（２）</p><p>&nbsp;</p><p>処分権主義（２４６条）との関係で問題→処分権主義の趣旨・機能から，原告の合理的意思に反するか被告に対する不意打ちとなる場合は２４６条に反する→本件，２００万円から３００万円の範囲で争いが生じているため，この範囲内であればＸの合理的意思に反せずＹに対する不意打ちにもならないのに対し，範囲外であればＸの合理的意思に反しＹに対する不意打ちにもなる→２２０万円は２４６条に反しないためその額で引換給付判決，１８０万円は２４６条に反するため２００万円で引換給付判決</p><p>&nbsp;</p><p>設問３</p><p>&nbsp;</p><p>既判力の一般論</p><p>既判力の意義→必要性・正当化根拠→「主文に包含するもの」（１１４条１項）は訴訟物の存否についての判断→消極的作用の説明</p><p>&nbsp;</p><p>売買契約の成否について</p><p>前訴確定判決では売買契約に基づく目的物引渡請求権の存在に既判力が生じている→売買契約が成立していないという判断はこれと矛盾するためできない→売買契約の成否について改めて審理・判断できない</p><p>&nbsp;</p><p>代金額について</p><p>前訴確定判決の主文に表示されているが，強制執行開始の要件（民事執行法３１条１項）を表示する趣旨にすぎず，訴訟物を構成しないから，代金額について既判力は生じていない→後訴裁判所が前訴と異なる代金額を認定したとしても，売買契約に基づく目的物引渡請求権が存在するという既判力の内容と矛盾しない→代金額について改めて審理・判断することができる</p><p>&nbsp;</p><p>設問３はあまり自信がありません。引換給付部分の判断に既判力が生じないことについては知っていたのですが，売買契約の成否について改めて審理・判断することまでできるのかについてはよく理解していませんでした。会話文の「売買契約の成否及びその代金額に関して」という文言から両者を分けた方が良いようなニュアンスを感じ取ったことと，売買契約の成否についてまで争えるとするのは手続保障と訴訟経済のバランスを失しているのではないかという感覚から上記のように書くことにしました。また，代金額については，「既判力に準じた効力」や信義則による遮断も頭に浮かびましたが，限定承認の判例の理由づけが妥当するのか疑問であったこと，訴訟経過の具体的事情が問題文にそれほど挙げられていなかったこと，書いたとしても時間的に雑になってしまうおそれああったことから，上記の論述にとどめました。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>以上</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/asnk5490/entry-12291194791.html</link>
<pubDate>Sun, 09 Jul 2017 23:06:16 +0900</pubDate>
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<title>平成２９年司法試験論文式試験を振り返って（公法系）</title>
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<![CDATA[ <p>あまり自信があるわけではありませんが，今年の論文式試験について，私が現場でどのようなことを考え，どのようなことを書いたのかについて，大まかに述べていきたいと思います。</p><p>再現答案はＩ塾に提出義務があった関係で５月末には全て完成させてあるので，リクエストがあれば公開しようと考えています。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>■　憲法</p><p>&nbsp;</p><p>問題文を見た瞬間，かなりの衝撃を受けました。</p><p>２年連続１３条後段＋初の適正手続ということに。</p><p>&nbsp;</p><p>問題文にかなり強めの誘導があり議論の対立軸はなんとなくわかったのですが，細かい部分で悩むことが多く，答案構成に結構時間がかかってしまいました（約４５分）。そのため，国賠の違法性の論点は書くべきかどうか迷いましたが，捨てることにしました。</p><p>&nbsp;</p><p>憲法は本番までずっと苦手意識が拭えず，かなり足を引っ張ってしまったと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>設問１</p><p>&nbsp;</p><p>１つめの憲法上の主張→法１５条８号が特定労務外国人の妊娠・出産に関する自己決定権（憲法１３条後段）を侵害し，違憲無効。</p><p>&nbsp;</p><p>保障根拠</p><p>１３条後段に関する人格的利益説＋人権享有主体性についての性質説→妊娠・出産に関する自己決定権は子孫を残すという人間の本質的営みに関わること＋前国家的権利→保障される（昨年の出題趣旨・採点実感を踏まえて丁寧に論述することを心がけました）</p><p>&nbsp;</p><p>制約</p><p>法１５条８号</p><p>&nbsp;</p><p>判断枠組</p><p>個人の尊厳に密接に関わる権利＋一律に妊娠・出産を禁止されるという制限の強度→厳格審査基準</p><p>&nbsp;</p><p>目的</p><p>①日本への長期にわたる定住を認めないという法の趣旨を徹底することと，②外国人被扶養者の増加による社会保障費の増加を防止すること（問題文の誘導から）</p><p>時間的に厳しかったため，目的の必要不可欠性については争わず。「労働力不足が深刻化する中で入管法よりも緩やかな要件で外国人を受け入れる必要があったことからすれば，目的①は必要不可欠といいうる。また，国の財源にも限りがある以上，目的②も必要不可欠といいうる。」といった感じです。</p><p>&nbsp;</p><p>手段</p><p>目的①との関係→申請により滞在期間の更新を受け得るとしている（法４条４項）のに，妊娠後も働けるかどうかを問わず妊娠による滞在の長期化を一切認めないことは過剰であり必要最小限度とはいえない</p><p>目的②との関係→子を出産したとしてもその子が日本に滞在し続けるとは限らず，必ずしも社会保障費が増加するわけではないから，必要最小限度とはいえない</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>２つ目の憲法上の主張→法１８条１項が身体拘束に関する適正手続（憲法３１条，３３条）に反し違憲無効。</p><p>&nbsp;</p><p>川崎民商事件や成田新法事件の規範を書いていては時間が無くなると思い，身体を直接的に拘束するという被侵害利益の強度から，適正手続の保障が及ぶと主張</p><p>&nbsp;</p><p>問題文の誘導から，身柄拘束を実施する機関とその可否を判断する機関が別になっていなければ憲法３１条，３３条に違反すると規範定立→法はそのような仕組みになっていない→違憲無効</p><p>&nbsp;</p><p>設問２</p><p>&nbsp;</p><p>自己決定権について</p><p>&nbsp;</p><p>反論①</p><p>禁止事項については国の広範な立法裁量が認められ，厳格審査基準は妥当でないとの反論</p><p>確かに，主権的判断に属するため立法裁量尊重せざるを得ない→しかし，権利重要・制約強度→中間審査基準</p><p>&nbsp;</p><p>反論②</p><p>妊娠した場合通常働くことができず労働者を受け入れるという法の目的に沿わないため，妊娠の禁止と目的①との間に実質的関連性は認められるとの反論</p><p>確かに，特定労務の対象とされている農業・製造業（法２条）は肉体的に負担が大きい→しかし，働き方は様々であり，実際にＢが妊娠後も働き続けることができている→労務提供の可能性を問わず一律に妊娠を禁止することは過剰であり実質的関連性なし</p><p>&nbsp;</p><p>反論③</p><p>出産した子が帰国するとは限らないため，出産の禁止と目的②との間に実質的関連性は認められるとの反論</p><p>しかし，出産した場合に子だけを帰国させるかともに帰国するかを選択させることでも社会保障費の増加を防止することは可能→事前に一律に禁止することは過剰であり実質的関連性なし</p><p>&nbsp;</p><p>法１５条８号は憲法１３条後段に反し違憲無効</p><p>&nbsp;</p><p>適正手続について</p><p>&nbsp;</p><p>国は，事後的な手続きが保障されていることをもって憲法３１条，３３条に違反しないと反論（原告の主張とだいぶ噛み合ってませんね・・・）</p><p>&nbsp;</p><p>私見では，想定よりも少し多く時間が残っていたので，比較衡量基準を用いてみました</p><p>&nbsp;</p><p>身体の拘束という被制約利益の程度は極めて大きい</p><p>&nbsp;</p><p>他方，公益の重要性については，入管法よりも緩やかな要件で入国を認めている以上，問題がある場合には迅速な対応が必要である→しかし，身柄拘束の可否を事前に判断するのか事後的に判断するのかによって迅速性に大きな差が生じるとはいえない→被制約利益の程度を上回るほどの重要性は認められない→違憲無効</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>■　行政法</p><p>&nbsp;</p><p>問題文のページ数が昨年の半分ぐらいであったため分量が減って良かったと思いきや，それぞれの小問書くことが多すぎて実質的に設問４つだし，相変わらず腕力試験であると感じました。</p><p>&nbsp;</p><p>また，昨年は誘導がかなり丁寧であったため分量が多くても何とか食らいつけたのですが，今年は書くべきことがすぐにわかるほどの丁寧な誘導ではなかったため，頭の思考スピードも結構なレベルで求められていたように感じました。最後の方は字がかなり乱雑になってしまったため，判読してもらえるかどうかが心配です。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>設問１小問（１）</p><p>&nbsp;</p><p>Ｙ市がＡに対して道路法７１条１項１号に基づき本件フェンスの撤去を命じることを義務付ける非申請型義務付け訴訟（行訴法３条６項１号）を提起</p><p>&nbsp;</p><p>誘導文の内容から，メインで検討すべき訴訟要件は補充性と「重大な損害を生ずるおそれ」であると考えました</p><p>&nbsp;</p><p>「一定の処分」</p><p>あっさり肯定</p><p>&nbsp;</p><p>「重大な損害を生ずるおそれ」</p><p>交通事故の危険性が高まることや災害時に逃げ遅れることを強調して肯定</p><p>&nbsp;</p><p>補充性</p><p>参考判例や積極要件として規定されていることからすれば認められないとも思える→あえて義務付け訴訟が創設された意義，民訴と義務付け訴訟では要件・効果が異なる→個別法に救済手段が法定されていない限り補充性満たす→道路法に救済手段なし→満たす</p><p>&nbsp;</p><p>原告適格</p><p>重損要件の検討で指摘した損害の重大性や道路法７１条１項１号の趣旨が道路利用者の安全確保にあることを強調して，肯定</p><p>&nbsp;</p><p>設問１小問（２）</p><p>&nbsp;</p><p>本件フェンスの設置が「道路の・・・交通に支障を及ぼす虞のある行為」（法４３条２号）に該当すると簡単に認定（法解釈をして三段論法をすべきだったと反省）</p><p>&nbsp;</p><p>法７１条１項柱書の文言と専門技術性から効果裁量を肯定→Ａの相談内容のみに依拠していたことから，考慮不尽→裁量権の逸脱濫用</p><p>&nbsp;</p><p>行訴法３７条の４第５項の本案勝訴要件を満たす</p><p>&nbsp;</p><p>設問２小問（１）</p><p>&nbsp;</p><p>処分性の定義→①公権力性，②直接的・具体的法効果性に分解</p><p>&nbsp;</p><p>①公権力性</p><p>問題なく認められる</p><p>&nbsp;</p><p>②直接的・具体的法効果性</p><p>道路の区域の決定（法１８条１項）がなされると，当該区域内における土地の形質の変更等が制限される（法９１条１項）だけでなく，私権の行使が原則として禁止され（同条２項・４条本文），障害物等の設置も禁止され（法９１条２項・４３条），これに違反した場合には撤去命令等が発令される（法９１条２項・７１条）ことから，敷地所有者に対する直接的・具体的法効果性を肯定→その反面，当該道路の通行を必要とする者は，自由に当該道路を通行することができるという法的地位を取得することになる→道路の区域を消滅させる路線の廃止（法１０条１項）がなされると，敷地所有者の上記義務が消滅し私権の自由な行使が許されることになる一方で，道路通行者は上記地位を失うことになる→道路通行者に対しても直接的・具体的法効果性認められる</p><p>&nbsp;</p><p>処分性肯定</p><p>&nbsp;</p><p>設問２小問（２）</p><p>&nbsp;</p><p>法１０条１項の文言と専門技術性から要件裁量・効果裁量を肯定→裁量権の逸脱濫用と認められる場合に違法となる（行訴法３０条）</p><p>&nbsp;</p><p>裁量が認められることから，内部基準は裁量基準→行政規則であり外部的効果は認められないため，内部基準に従わずに処分をしたとしても直ちに違法とはならない→しかし，公開されている以上，信頼保護及び平等原則の観点から，内部基準と異なる取扱いをするには相当の理由が必要（最判平成２７年３月３日は押さえていました）</p><p>&nbsp;</p><p>Ｙ市長は十分な調査を実施しておらず，相当の理由は認められない→裁量権の逸脱濫用</p><p>&nbsp;</p><p>結論違法</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/asnk5490/entry-12291157148.html</link>
<pubDate>Sun, 09 Jul 2017 21:21:32 +0900</pubDate>
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<title>短答の勉強方法</title>
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<![CDATA[ <p>これまでの成績の公開を一通り終えたので、勉強方法についての記事を書いていきたいと思います。まずは短答から。</p><p>&nbsp;</p><p>今年の短答の点数はあまり良くないので偉そうなことは言えませんが、勉強方法でお悩みの方に何か少しでもお役に立てれば幸いです。これまでの私の成績も踏まえて、ご参考にして頂ければと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>ちなみに、短答の勉強方法は司法試験と予備試験で全く同じです。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>■私が実際に行っていた勉強方法</p><p>&nbsp;</p><p>短答の勉強方法といっても、論文対策で勉強する基礎知識は当然のことながら短答で活かせるので、短答固有の勉強はそんなに多くありません。</p><p>&nbsp;</p><p>大まかな流れは以下のとおりです。</p><p>&nbsp;</p><p>①辰巳の「短答過去問パーフェクト」を１周する（なるべく短期間で）。</p><p>　　　　↓</p><p>②法務省のホームページで、過去問の問題用紙と答案用紙（マークシート）を印刷する。司法試験の場合、平成２６年以前の問題は下４法まで印刷しないように注意する。マークシートは何周かするので複数枚印刷しておく。</p><p>　　　　↓</p><p>③問題用紙とマークシートを使って、本番と同じように鉛筆で、本番と同じ制限時間で解く。</p><p>　　　　↓</p><p>④答え合わせをする。辰巳の「短答過去問パーフェクト」の最後の方に配点表が載っています。</p><p>　　　　↓</p><p>⑤辰巳の「短答過去問パーフェクト」を使って、<span style="color:#ff0000;">正解した問題も間違った問題も、全ての肢について条文をちゃんと引きながら丁寧に解説を読む</span>。その時に解説に書いてあることを覚える必要はない。ただ、<span style="color:#ff0000;">肢の正誤の理由と自分が間違えた理由はその時に必ず「理解」をすることが大事</span>。</p><p>　　　　↓</p><p>③～⑤の作業をただひたすら繰り返す。以上です。</p><p>&nbsp;</p><p>私は、昨年の受験までに平成１８年～２７年を少なくとも５周はしていたと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>マークシートはこんな感じです（平成２６年憲法）。</p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20170702/16/asnk5490/ad/c8/j/o3264244813973570320.jpg"><img alt="" height="315" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20170702/16/asnk5490/ad/c8/j/o3264244813973570320.jpg" width="420"></a></p><p>&nbsp;</p><p>青で書いてある数字は、辰巳の「短答過去問パーフェクト」に乗っている受験生の正答率です。自分が間違えた問題の正答率が分かるようにしておきました。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>■過去問中心主義</p><p>&nbsp;</p><p>以上の勉強方法からお分かりのとおり、私は、短答固有の勉強としては過去問しかやっておりません。定期的に実施されるＴＫＣの短答実力確認テストや予備校の模試で解く初見の問題を含めれば過去問だけではありませんが。</p><p>&nbsp;</p><p>もちろん、私も最初の頃は色々と試行錯誤はしました。条文の素読や判例六法の読込みをしたり、肢別本にも手を出しました。</p><p>&nbsp;</p><p>しかし、過去問を何回か解いていくうちに気付いたのですが、<span style="color:#ff0000;">出題されている条文や論点、判例は同じものばかりです</span>。確かに、かなりマニアックな肢もたまにはありますが、後述するようにほとんどの問題はそういった肢の正誤が判断できなくても解けるように作られています。求められているのは、１００のあやふやな知識よりも１０の正確な基本知識であるように思います。</p><p>&nbsp;</p><p>そして、過去問が１０年分もあれば、重要な基本知識は十分に網羅されています。</p><p>&nbsp;</p><p>このような理由から、私は過去問をひたすら繰り返す勉強をすることにしました。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>■マークシートを使う理由</p><p>&nbsp;</p><p><span style="color:#ff0000;">本番はマークシートで解くのだから普段からマークシートを使おうというのが、私がマークシートを使っていた理由です</span>。</p><p>&nbsp;</p><p>短答の勉強のゴールは、単に知識を増やすことではなく、本番で目標とする点数を取ることです。本番で目標とする点数を取るためには、本番の環境に慣れるという意味で、極力本番に近い環境で勉強した方が良いのは確かです。本番では制限時間があり、マークを塗りつぶすのにも数秒かかり、マークミスをしてしまう可能性もゼロではありません。</p><p>&nbsp;</p><p>また、本番と同じような環境で取った点数を記録しておくことで、１回目は何点、２回目は何点というように、自分の実力と目標との距離を常に把握することができます。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>■辰巳の「短答過去問パーフェクト」を使う理由</p><p>&nbsp;</p><p>辰巳の「短答過去問パーフェクト」の素晴らしいところは、まず何よりも解説が非常に丁寧である点です。丁寧に書かれているため、問題を解く上での思考過程がすんなり頭に入ってきます。論文で使えるようなことが書いてあることも多く、私はよくここから抜粋してまとめノートに記載したりしていました。</p><p>&nbsp;</p><p>また、<span style="color:#ff0000;">受験生の正答率が記載されている点も重要です</span>。辰巳は統計の母集団が多く数値の信頼性も高いので、落とせない問題か落としても良い問題かの判断の際の参考になります。私の感覚では、正答率７０％以上の問題を全て間違えなければ、本番で８割程度の点数は取れるイメージです。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>■知識に頼り過ぎないこと</p><p>&nbsp;</p><p>「短答が苦手という人ほど知識に頼り過ぎている」という言葉を聞いたことがありますが、私も同感です。</p><p>&nbsp;</p><p>私は、９割の点数を取れた昨年の短答式試験でも、知識だけで解けたという問題は全体の半分～６割ぐらいのイメージです。<span style="color:#ff0000;">残り２つの肢に絞ってから原理原則から考えたり利益較量をしたりというように、現場思考をすることも多かったです</span>。そいうった現場思考は、間違いなく過去問の繰り返しで身につけることができたと思います。</p><p>&nbsp;</p><p>また、特に民法について言えることですが（予備試験は商法と民訴も）、テクニックで簡単に解ける問題も多いです。</p><p>&nbsp;</p><p>民法は毎年ほぼ全ての問題が組み合わせ問題（５つの肢のうちから正しいもの又は誤っているものを２つ組み合わせたものを５つの中から選択する問題）です。このような問題の場合、１つの肢について正誤の確信が持てれば、選択肢を２つに絞ることができ、２つの肢は読む必要すらありません。</p><p>&nbsp;</p><p>例えば、肢がア～オまであり、選択肢が１ア・イ、２ア・オ、３イ・エ、４ウ・エ、５ウ・オで、正しい組み合わせを選ぶという問題を想定します。</p><p>&nbsp;</p><p>ここで、肢アが正しいという確信を持てれば、正解は１又は２に絞ることができ、肢イと肢オだけを読めばよく、肢ウと肢エは読む必要すらなくなります。私は、効率性を考えて文章の短い肢から読んでいました。</p><p>&nbsp;</p><p>そして、過去問を繰り返し解いていれば分かりますが、大抵このように確信を持てる肢は簡単な基本知識である一方で、読む必要のない肢はマニアックな知識であることが多いです。つまり、<span style="color:#ff0000;">考査委員は受験生を惑わせるためにマニアックな肢を入れているだけであって、基本知識を確信を持って答えられる受験生はそのような肢に惑わされないということではないでしょうか</span>。</p><p>&nbsp;</p><p>１００のあやふや知識よりも１０の正確な基本知識が求められていると上述したのも、このような理由からです。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>もちろん、これまでに述べたことはあくまで私のこれまでの経験に基づいた見解であって、もっと優れた勉強方法もあると思います。条文の素読や肢別本を利用することを否定する趣旨では全くありません。他の勉強法で高得点を取っている合格者もたくさん存在します。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>確実に言えることは、司法試験の総合評価の中で短答の配点は９分の１に過ぎないということを踏まえて、いかに効率的に点数が取れる勉強をするかということではないでしょうか。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>結構な長文になってしまいましたので、このあたりで絞めたいと思います。勉強方法でお悩みの方にとって少しでもお役に立てれば幸いです。</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><p>何かご質問やご指摘等ありましたら、お気軽にコメント欄へお願い致しますm(__)m</p><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/asnk5490/entry-12289014006.html</link>
<pubDate>Sun, 02 Jul 2017 19:13:19 +0900</pubDate>
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