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<title>狂言綺語航海</title>
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<description>座右の銘として、「人間は、他人の心のなかを観察しないために不幸になることはほとんどない。しかし、自分の心の動きを注意しない人は必ずや不幸におちいる」アラレソウス</description>
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<title>しばらく、休暇です。</title>
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<![CDATA[ <p>　書くべき、状況でもなくなりました。</p><p>　書くことは愛しき人が行ってくれるでしょう。</p><br><p>　幸せな時間をありがとう。</p><p>　パリで、子供たちと、一緒に、しばらくの安楽。</p><br><p>　みなさまのご健勝を祈りつつ、戻れる日に望みを抱き。</p><p>　使命を果たして参ります。</p><br>
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<pubDate>Tue, 29 Mar 2011 00:00:00 +0900</pubDate>
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<title>賀正</title>
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<![CDATA[ <p><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20101230/22/banbootree/cc/5f/j/o0564042310951255672.jpg"><img alt="狂言綺語航海-賀正" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20101230/22/banbootree/cc/5f/j/o0564042310951255672.jpg" border="0" complete="true"><br clear="left"></a><br></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">昨年はBlogを十四行詩からこちらにお引っ越しをしてきたり、様々な出会いやお別れもありました。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">今年こそはじっくりと腰を据えて、きちんとしたテーマを据えて小説の一つぐらいでも書きたいと思っています。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">読んで頂ける幸せを創作の喜びに変えて、人の中にある真実を書き表したいと思います。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">本年も、どうかよろしくお願い申し上げます。</font></p><p><font size="2"><br></font></p><p><font size="2">平成二十三年　元旦</font></p><p><font size="2">　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　昊天</font></p>
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<link>https://ameblo.jp/banbootree/entry-10753003852.html</link>
<pubDate>Sat, 01 Jan 2011 00:00:00 +0900</pubDate>
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<title>インフォリアル属性52.001　ポトウィック</title>
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<![CDATA[ <div><font size="3"><strong>第一章　プレサージュ </strong></font></div><div><font size="3">　 </font></div><div><font size="3">　自動検索されキャッシュの中にあるデータと改変された部分をコンピューターが拾い上げる。ディスプレイに赤いライン点滅で示されたポジションをクリックさせて表示させ、男はその二つを比較して、その意図や意味を考える。 </font></div><div><font size="3">　この仕事に就いてから、データの中に表示される差に意図を見つけたことは一度もなかった。意図かも知れないと思ったこともあるが、翌日、確認すると既に改変されて属性は消されていて、何もなかったように戻っていることも多かった。 </font></div><div><font size="3">　もうすでに二年同じ事を行っていた。ディスプレイの向こうには広い窓の向こうには雄大な山脈が広がっていた。ポトウィックは単純作業の繰り返しを緩和するために広がる山肌が真っ白に飾られた景色に視線を向ける。 </font></div><div><font size="3">　情報は可及的増大していく。同じ建物には同じ作業をするものが他にもいることは知ってたが、シフトを細かくスライドされて出会うことがないように調整されていた。 </font></div><div><font size="3">　充実感も使命感も失っていた。 </font></div><div><font size="3">　衣食住は保障されていたが、実感できない作業を長く続ける者は少なかった。 </font></div><div><font size="3">　契約当初、この場所に六十名配属されて、三交代で働いていたが、昨日一人が契約終了となって、この事務所エリアには二名しか残っていなかった。 </font></div><div><font size="3">　ポトウィックはこの仕事の目的は、悪意の調査かと最近思い始めていた。 </font></div><div><font size="3">「今日の労働は、後二時間か」ポトウィックに向かって隣で同じ作業しているフェライルは手を止めずに話しかける。 </font></div><div><font size="3">「さあ、今日も残業を命じられるのではないか」丸い顔の輪郭が特徴的なポトウィックはディスプレイに光る文字を見続けながらフェライルへと言葉を返す。 </font></div><div><font size="3">「まだ、水曜日だというのに、既に十六時間も残業をしているのだが」ずり落ちたはやりの眼鏡をかけ直してフェライルはG-236地区で会話された言葉が改変された意義を探索していく。 </font></div><div><font size="3">　電話やメールやつぶやきなどの全てが対象だった。 </font></div><div><font size="3">「他の班は正直どうなのだろうか？」と言った瞬間にポトウィックは改変された部分がアラートするのをみつける。今度は意図を発見してやるとマウスを手慣れた様子でクリックして、三台並んだ液晶ディスプレイにその内容を映す。 </font></div><div><font size="3">　振り戻ってその言葉を探そうとするが、アクセスされた痕跡は正常なものであり、改変ではなく単なる消去だと気が付かされる。コンピューターの推察は単に誤字を消しただけだと示している。 </font></div><div><font size="3">「くそう」ポトウィックはキーボードから指を外して細かく激しく叩きつける。 </font></div><div><font size="3">「またかよ」 </font></div><div><font size="3">「苛つくよな」ポトウィックは同僚に同意を求める。 </font></div><div><font size="3">「毎回ながら、バカにされている気がするように感じさせるな」 </font></div><div><font size="3">「無残な毎日だとは思わないか、フェライル」 </font></div><div><font size="3">「仕事だろう、ポトウィック」 </font></div><div><font size="3">「くそったれ」と、答えてポトウィックは先ほどのD-497地区のアラート箇所に再び改変アラートが出ているのに気が付きマウスを動かしてクリックする。 </font></div><div><font size="3">　 </font></div><div><font size="3">　なぁ、君、靴に穴が開いてるけど、そんな様子じゃまともな仕事についていないんじゃないかと、声をかけてきた男にポトウィックは顔を上げる。 </font></div><div><font size="3">　秋葉原の歩行者天国に残った水たまりに写る青空が美しかったのに邪魔しやがってと目をつり上げてポトウィックが男を見ると、隣にはサングラスで顔を隠した女がいた。 </font></div><div><font size="3">　こいつの女かと思って見やっていると男はポトウィックの視線から女を隠すように前に立ちはだかる。 </font></div><div><font size="3">　男はポトウィックを値踏みするように上から下へと見やる。 </font></div><div><font size="3">「どうですか？」男の影に隠れた女が男へと聞いている。 </font></div><div><font size="3">「いいだろう」男は女へ言葉を返す。 </font></div><div><font size="3">「お仕事の紹介をしています」女は手に持ったチラシを見せる。 </font></div><div><font size="3">「突然、なんだよ」ポトウィックは苛立ちをむき出しにする。 </font></div><div><font size="3">「悪いお話ではありません」女は有無を言わさぬような強い口調で胸の高さにチラシを差し出してくる。 </font></div><div><font size="3">　人間が防衛的に反応して必ず受け取ろうしてしまう高さに意図的にチラシは突き出されていた。 </font></div><div><font size="3">「何かを説明するのにサングラス掛けたままかよ」ポトウィックは女へと警戒心をわずかに顕して言い述べる。 </font></div><div><font size="3">「君にはまだ見せるわけにはいかない」男は低い声でポトウィックに厳しい目を向ける。 </font></div><div><font size="3">「日当、二万円のお仕事です。ICT関連のお仕事です。パソコンは使えますか？」女は男が言った言葉に続けて聞いてくる。 </font></div><div><font size="3">「パソコンは使える」WindowsやMacとか言うのだろう。義務教育の中にもあることをこの女は知らないのだろうか。 </font></div><div><font size="3">「でしたら、おすすめの仕事です。簡単な作業を行って貰うだけなのです」 </font></div><div><font size="3">「入力作業とかか？」 </font></div><div><font size="3">　ポトウィックは、どうせまともな仕事ではないだろうと思いながら失業保険が来月切れる事も脳裏にあった。何も突然にここで、仕事の話を聞かなくても良いが、少し話を聞いてみようかと逡巡する。 </font></div><div><font size="3">　サングラスで隠されて分からなかったが、女はきれいな顔立ちのようだった。サングラスを外した顔を見てみたいとも、ポトウィックには思うところもあった。 </font></div><div><font size="3">「入力作業の経験がおありなる？」男はメモ帳に何かを綴りながらポトウィックに質問をする。 </font></div><div><font size="3">「短期の派遣で」二週間だけ通信会社の古い紙に記された個人情報をデータ化する仕事だったと思い起こす。 </font></div><div><font size="3">「もう少し高度で、判断力もいるのです。あなたなら、きっとそんなお仕事もこなせると、お声掛けさせて頂きました」 </font></div><div><font size="3">「俺がか？」ポトウィックは少々驚いたように答える。 </font></div><div><font size="3">「寮も完備しています。希望者は月一万五千円で入寮することが出来ます」女は言葉を続ける。 </font></div><div><font size="3">　男と女の格好を見る。高そうな服を着ているようだった。 </font></div><div><font size="3">「我々は人材を見つける会社の者だ」男はチラシに書いてある会社のマークとスーツのバッチを指し示す。「君は運がいいと思う」 </font></div><div><font size="3">「運がいい？」それではまるで何かの販売のようではないかとポトウィックは柔和に微笑みを向ける男を見る。 </font></div><div><font size="3">「就労日を月二十日として支給額は月額四十万円だ。悪い条件ではないと思うし、後一名で定員に達するところだ」 </font></div><div><font size="3">「たいていは、すぐに定員へ達してしまうのです」 </font></div><div><font size="3">「はぁ」 </font></div><div><font size="3">「これは、粗品なのです」女はボールペンが入っていると思われる人材会社のロゴが浮かぶ小袋を渡してくる。 </font></div><div><font size="3">「どうも」ポトウィックはきれいな指をしていると思いながら女から小袋を貰う。 </font></div><div><font size="3">「説明会場でお使いください」 </font></div><div><font size="3">「説明会場？」 </font></div><div><font size="3">「すぐ、近くに設けています。マンツーマンで説明していますのでプライバシーも安心なのです」 </font></div><div><font size="3">「悪い話ではないと思うが、仕事の内容だけでも聞いてみないか？」男はセールスマンの様に笑顔を浮かべている。 </font></div><div><font size="3">「聞くだけなら」しばらく躊躇してからポトウィックは聞いてみても損にはならないだろうと思う。 </font></div><div><font size="3">　どうせ時間は余っている。今日も、何を買うわけでもなく時間つぶしに来ていただけだ。 </font></div><div><font size="3">「じゃぁ、こちらへ」女が手を差し出す数歩行くと、黒いスーツに身を包んだ女性スタッフが雑踏の中から現れ出る。 </font></div><div><font size="3">「ご案内します」女性スタッフは女に変わってポトウィックにとりすました笑顔を浮かべてみせ、軽く腕に触れて説明会場へと連れて行く。 </font></div><div><font size="3">　ポトウィックの姿が見えなくなってから男と女は、再び秋葉原の街頭で声をかけるべき相手を探し始める。 </font></div><div><font size="3">「ノルマまでは、二十名は送り込まないと達成できないと思うのです」 </font></div><div><font size="3">「昼で締めた全体報告では目標の半数に留まっているからな」 </font></div><div><font size="3">「説明しても契約しない人間が一割はいると思いますしね」女は男へ視線をくべてから、リュックを背負い壽屋の紙袋を持った男が歩道を歩いてくるのを見つける。 </font></div><div><font size="3">「次は、あれでどうですか？」女はあごでしゃくってみせる。 </font></div><div><font size="3">「大丈夫だろう」 </font></div><div><font size="3">　女はついと頷いてリュックを背負った二十歳ぐらいの男へ車道から近づく。 </font></div><div><font size="3">「すみません。そのフィギュアまだ売ってましたか？」と、女は声をかける。 </font></div><div><font size="3">　 </font></div><div><font size="3">　フェライルは新宿の街を俯いて静かに歩いていた。派遣されていた会社への就労は今日が最後の日だったが、次の仕事は何も決まっていなかった。ハローワークは中高年が多くて行きたくなかったし、複数の派遣会社に登録をしていたが仕事の紹介は何もなかった。 </font></div><div><font size="3">　また、収入が無くなる。 </font></div><div><font size="3">　親に文句は言われるだろう。だけども、仕事がないのは私のせいではない。景気のせいだと、クリスマス間近で彩り鮮やかにイルミネーションが輝いている町並みを見渡す。 </font></div><div><font size="3">　家に帰ってもやることはない。それならば母親の機嫌を少しでも取っておこうとクリスピー・クリーム・ドーナツで売っている千円セットでも買って帰ろうと思い立つ。 </font></div><div><font size="3">　看板には一時間待ちと表示されている。暇つぶしにはなるだろう。 </font></div><div><font size="3">　だいたい今の仕事はみなとみらいまで行かなくてはならず時間がかかりすいていた。逆方向だから通勤は楽だったが、片道二時間近くの時間を使っていくのは高時給だったからだ。 </font></div><div><font size="3">　だが、派遣の仕事は必ず契約が終了する。今回も前回と同様に次の仕事先を同じ派遣会社で見つけられる事はなかった。 </font></div><div><font size="3">「少し、お時間、よろしいでしょうか？」フェライルの前に行く手を遮るように女が立つ。 </font></div><div><font size="3">　フェライルは注意深く女を見るが、体に合わせて作られたようなビジネススーツを着ていた。こんな服はどこのデパートで売っているのだろうかと思う。 </font></div><div><font size="3">「なんですか？」昔から呼び止められると、結構ですと断ることが苦手だった。少しだけなら話を聞いてあげてもいいのじゃないかという気持ちが起きてくる。最後は断ればいい。宗教の勧誘にもそうやって断ってきた。 </font></div><div><font size="3">「あの、お仕事の紹介をしています。すごく高い時給です」女はチラシを差し出してくる。 </font></div><div><font size="3">　いくら明日からの仕事がないと言っても風俗で働くつもりは無かった。女の出したチラシをフェライルは見もせずに断ろうとする。 </font></div><div><font size="3">「勘違いしないでください。ちゃんとしたICT関連のお仕事なのです」女はにこやかにチラシを見せてくる。 </font></div><div><font size="3">「はぁ」フェライルは、この女は心が読めるのかといぶかしがりながら女を見る。 </font></div><div><font size="3">「私どもは人材会社の者です」フェライルに背広のバッチとチラシのマークを女は見せてくる。 </font></div><div><font size="3">　前回の派遣会社と同じマークだとフェライルは気が付く。 </font></div><div><font size="3">「はい、でも、どうしてこんなところで」だったら、まともな話かと思うが、それにしてもこんな時間にこんなところでと思い聞いてみる。 </font></div><div><font size="3">「今日はクリスマス・イブです。あたしも予定があるのですが、後一人でノルマを達成しますので、何とか説明を聞いてもらえませんか。ボスなんですが、達成しないと解放してくれないのです」女は小さな声で少し離れて立つ体格の立派な男を見やって言う。 </font></div><div><font size="3">　あれが上司なのかとフェライルは視線をさっと走らす。 </font></div><div><font size="3">「説明を聞くだけでいいの？」ついフェライルは同い年ぐらいの女が、必死な様子で言ってくるので、助けてあげようかという気持ちになる。 </font></div><div><font size="3">「ええ、もちろんなのです」小声で女は言ってチラシをフェライルへと渡す。 </font></div><div><font size="3">　フェライルは白黒だけで色が無くローコストで印刷されたチラシを見詰める。 </font></div><div><font size="3">　しかし、チラシを読んで日当二万円などと記載された内容にフェライルは驚いていた。 </font></div><div><font size="3">　 </font></div><div><font size="3">　ネットカフェに行きインターネットでいろいろと調べたが、会社は問題がないようだった。説明してくれた女性スタッフからは、電話一本貰えれば契約手続きを開始すると説明を受けた。 </font></div><div><font size="3">　失業が続けばこのワンルームマンションからも出なくてはならない。来月の家賃は蓄えから払えもしたが、再来月の家賃は払える見込みはなかった。 </font></div><div><font size="3">　ポトウィックは、秋葉原から帰ってきてベッドに寝転がり天井を見上げながら、もう一度、鞄から今日貰ってきた説明資料を出してめくってみる。 </font></div><div><font size="3">　離婚して生活保護を貰って暮らしている母親のところには戻るわけにはいかなかったし、違う女と暮らしている父親のところには絶対に行くつもりはなかった。 </font></div><div><font size="3">　富山県のICTセンターで、データチェックを三交代で行う仕事と説明を受けた。 </font></div><div><font size="3">　仕事の内容はさほど難しくないようでもあり、導入教育も用意されていて、今までとは違う直接雇用になる可能性もあると言われた。 </font></div><div><font size="3">　直接雇用と派遣契約の違いの説明も聞いたが良く理解できないでいた。まだ先のことだしと思ってその説明ページはやり過ごして勤務形態のところを読む。日勤・夜勤・深夜勤と休憩時間や就業時間が書かれている。 </font></div><div><font size="3">　自動車部品工場で三交代の仕事は行った経験があるので、つらさは分かっていたが、立ち作業で無いからまだ楽だろう。それに、シフトは週固定だとある。それなら疲れも回復させ安いだろう。 </font></div><div><font size="3">　説明では寮は同じ敷地内にあり、休日は自由に過ごせるとあった。寮と言ってもワンルームマンションと、資料には載っている。一人一部屋だ。 </font></div><div><font size="3">　週休二日だそうだ。これは嬉しかった。 </font></div><div><font size="3">　ポトウィックは機材を売り払ったパソコンデスクを見やる。ネットゲームでまた遊びたいと思いがつのる。 </font></div><div><font size="3">　それにやはり給料だった。残業もあると言われていて、それも含めると、五十万円ぐらい貰っている人もいると聞かされた。 </font></div><div><font size="3">　それだけあれば母親に十万円ぐらいは仕送りをしてあげられる。 </font></div><div><font size="3">　パソコンも買い戻せるし、車だって買えるだろう。しかも、寮の駐車場は月二千円だと説明書にあり、インターネットは無料だ。 </font></div><div><font size="3">　確かにあの男が言うように、運がいいのかも知れなかった。 </font></div><div><font size="3">「都落ちか。金になれば、それでもいいか。東京にいなくても、ネットで何でも買えるしな」 </font></div><div><font size="3">　ポトウィックは明日の朝に電話をしようと、大きな文字で資料に記されている連絡先の電話番号を携帯に登録しておくことにする。 </font></div><div><font size="3">　 </font></div><div><font size="3">　集合は一月十四日（月）バスの時間は九時と新たに宅配便で送られてきた就労準備用資料集には書かれていた。大晦日から年末年始は帰って、母親には新しい仕事で富山に行くことは伝えていて、うまくすれば仕送りも出来るかも知れないと話をしていた。 </font></div><div><font size="3">「仕送りだなんて、気を遣わなくて、いいわよ」ポトウィックの母はNHKの紅白歌合戦を見ながら、ホットプレートのお好み焼きをひっくり返して息子へ微笑む。 </font></div><div><font size="3">「やばいからさ、失業保険も終わるし、俺、運が良かったと思うんだ。まだ、仕事をしてないから、詳しくは分からないけどさ、ほら、これがその会社だ」ポトウィックは母親に資料を広げてみせる。 </font></div><div><font size="3">「立山連峰を後ろにしてるんだね。きれいなところだね」ポトウィックの母は鏝を置いて息子が渡す資料を受け取ってページをめくっていく。 </font></div><div><font size="3">　立派な資料だと思った。こういう資料を作れるのは相当大きな企業なのだろうとも思いやる。もし息子のような年齢なら可能性はあるのだろうが、五十半ばで雇ってくれるのはスーパーのバックヤードぐらいしか無い。時給は安く仕事も毎日あるわけはなかったが、職場へ行って仲間と話するのが楽しみだった。 </font></div><div><font size="3">　生活保護を受けていたので、収入のある息子とは同居は出来なかったが、富山に一人で住むのならその心配もないし、仕送りは息子の将来のために貯金をしておこうと考える。 </font></div><div><font size="3">「見送りに行こうか」唐突にポトウィックの母は息子へと告げる。 </font></div><div><font size="3">「なんだか、恥ずかしいな」 </font></div><div><font size="3">「だって、東京から離れるのは初めてじゃないか」ポトウィックの母は言い述べる。 </font></div><div><font size="3">　その母にポトウィックは手を握って新宿の改札口から歩いてきたトンネルの出口で別れの言葉を告げる。 </font></div><div><font size="3">「富山へは飛行機が一番速いらしいけど、高速バスが一番安いとスーパーの人が教えてくれたよ」 </font></div><div><font size="3">「落ち着いたら一度、遊びに来てくれたらいい」ポトウィックはワンルームマンションは個別になっていて、家族なら泊めても良いと、念のために連絡先に電話をして確認をしていた。 </font></div><div><font size="3">　ボストンバッグなどを持った人が新宿都庁へと同じように向かっているのにポトウィックは気が付く。ひょっとしたら自分と同じように富山のICTセンターへ働きに行く者なのだろうかと見やる。 </font></div><div><font size="3">　仕事の内容からだろうか、同じような年代の者が多いようだった。 </font></div><div><font size="3">「では、母さん、見送りありがとう」 </font></div><div><font size="3">「がんばって」 </font></div><div><font size="3">　年老いた母に言ってからポトウィックは偉容な高層ビルが並ぶ景色を見上げて、ああいうビルにはどういう人たちが働いているのだろうかと想像する。きっと、一流の大学を出て、ゼミの推薦状を貰った勝ち組なんだろうと見上げる。 </font></div><div><font size="3">　してみたかったが、努力する経済的機会が無かった。 </font></div><div><font size="3">　高層ビルの脇に何台ものバスが並んでいた。まずは受付に氏名を記入されたカードを出して何号車に乗るのかを指示して貰うようにと資料には書かれていた。 </font></div><div><font size="3">　ポトウィックは始めて訪れた高層ビル街をきょろきょろと見渡しながら周囲を探し、歩道に”ICTセンター受付はこの先、100M”と書かれた札を掲げたスタッフが立っているのを見付ける。 </font></div><div><font size="3">　ぞろぞろと人が集まっている様子が見えてくる。 </font></div><div><font size="3">「富山のICTセンターへ行かれる方は、この先に受付がありますから並んでください」と言って、男性スタッフが使い捨てカイロを配って列へとポトウィックを案内する。 </font></div><div><font size="3">　しばらく列に並んで秋葉原の小部屋で説明をしてくれた女性スタッフが受付で、氏名を記入したカードと用紙を交換しているのが見えてきて、視線があって会釈すると、相手も覚えていてくれたようで、さわやかに会釈を返してくれる。 </font></div><div><font size="3">　女性に会釈を返されるのは、どれくらいぶりだろうかとも思いながら、ポトウィックは、説明書にある通り富山の寒さはここの比ではないのだろうなと、不安にも感じながら少しずつ進んでいく列に、他の者と同じように無言で並んでいた。 </font></div><div><font size="3">　何台ものバスが車内を暖めるためエンジンをかける音が高層ビル街には響き渡り始めていた。 </font></div><div><font size="3">　 </font></div>
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<pubDate>Sun, 12 Dec 2010 00:01:01 +0900</pubDate>
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<title>インスパイア</title>
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<![CDATA[ <p> </p><div style="TEXT-ALIGN: center"><img style="WIDTH: 564px; HEIGHT: 423px" title="横浜美術館" border="0" hspace="10" alt="横浜美術館" vspace="5" src="https://blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_024/kenlan21/E381B2E381BEE3828FE3828A1.jpg" width="564" height="423"></div><br><br>夏休みは今日で終わり<br>僕は君をスポーツカーに乗せ<br>樹海を抜け西湖を走り東へと向かう<br>屋根を開け吹き込む風に乱れる髪を<br>愛しく撫でる東名高速道路<br><br>展覧会を見たいと語り<br>僕は君をスポーツカーに乗せ<br>横浜へ行き印象派とパリ派展に集う<br>睡蓮やシスレーの河畔とルノワールの裸婦<br>二人でまわる横浜美術館<br><br>久しぶり君は絵の前で詩句を綴る<br>僕も失った物語を埋める<br>ピカソの海辺の母子像<br>お婆ちゃんの詩を綴るわ　君は微笑む<br>これは面白い展開だろう　僕も微笑む<br><br>週末はマン・レイ展へ行こう<br>屋台のお祭りに行こう<br>暑いから自転車は辞めて<br>歩いて行こう<br>車は環境に悪いから<br>電車に乗って行こう<br><br>インスパイア　絵の前で書き付ける<br>イマジネーション　せき止めることなく言葉に変わる<br>スーティンの青い服を着た子供の肖像<br>書き換えるのよ　君はつぶやく<br>結末を付け足す　僕はつぶやく<br><br>週末は一緒に創作しよう<br>一緒のベッドで過ごそう<br>暑いから服は脱いで<br>はだかで過ごそう<br>徹夜は身体に悪いから<br>早めにベッドに行こう<br><br><div style="TEXT-ALIGN: center"><img style="WIDTH: 564px; HEIGHT: 423px" title="横浜美術館" border="0" hspace="10" alt="横浜美術館" vspace="5" src="https://blog.so-net.ne.jp/_images/blog/_024/kenlan21/E381B2E381BEE3828FE3828A2-3f689.jpg" width="564" height="423"></div><p> </p><p align="center">　香奈先生の「あたし　コインロッカー」と一緒にコラボです。<br>　横浜美術館で経験した事を創作しています。</p><p> </p>
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<link>https://ameblo.jp/banbootree/entry-10688681028.html</link>
<pubDate>Tue, 26 Oct 2010 23:49:33 +0900</pubDate>
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<title>プロレス</title>
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<![CDATA[ <div style="text-indent: 3.03em"><font style="font-size: 1.52em">         <font size="5"><strong>プロレス</strong></font></font> </div><div>　 </div><div style="text-indent: 3.54em">あさがお乱れる児童公園 </div><div style="text-indent: 3.54em">ゴングの音が宴の始め </div><div style="text-indent: 3.54em">神社の影に隠れせし </div><div style="text-indent: 3.54em">リングの王者現れて </div><div style="text-indent: 3.54em">歓声上げる子供たち </div><div style="text-indent: 3.54em">　 </div><div style="text-indent: 3.54em">仕事の帰り僕とふたり肩ふれて </div><div style="text-indent: 3.54em">歩道橋　国道越えて </div><div style="text-indent: 3.54em">裸電球　淡く光りて　屋台匂いて誘いしや </div><div style="text-indent: 3.54em">指ふれて喋れ得ぬ </div><div style="text-indent: 3.54em">代わりに求むあんずあめ </div><div style="text-indent: 3.54em">二つ当たって拍手を鳴らし </div><div style="text-indent: 3.54em">微笑んで首を振りやる澄みし眼は </div><div style="text-indent: 3.54em">たこやきとラムネを求め </div><div style="text-indent: 3.54em">手を振って声援がわり </div><div style="text-indent: 3.54em">汗光るマスクのプロレスラー </div><div style="text-indent: 3.54em">公園に声沸き立ちて </div><div style="text-indent: 3.54em">君と初めての夏祭り </div><div style="text-indent: 3.54em">　 </div><div style="text-indent: 3.54em">挑発の咆哮　軽いパンチがはじまりで </div><div style="text-indent: 3.54em">キックは空中に　交じり合い </div><div style="text-indent: 3.54em">からだとカラダがかちあって </div><div style="text-indent: 3.54em">ロープにあがって男とび </div><div style="text-indent: 3.54em">落ちた肉の上　床うなり </div><div style="text-indent: 3.54em">男の腕が激しくぶつかって </div><div style="text-indent: 3.54em">リング底　ヒーロー沈み </div><div style="text-indent: 3.54em">滴り落ちる汗 </div><div style="text-indent: 3.54em">男の脚がきつく曲げられ </div><div style="text-indent: 3.54em">苦悩の声が上がる </div><div style="text-indent: 3.54em">カウントが開始され </div><div style="text-indent: 3.54em">ヒーローに立ち上がれと </div><div style="text-indent: 3.54em">アナウンサーは叫び </div><div style="text-indent: 3.54em">子供たちの応援が続く </div><div style="text-indent: 3.54em">　 </div><div style="text-indent: 3.54em">声が吠えレスラーの筋肉 </div><div style="text-indent: 3.54em">弾けし仮設のリング </div><div style="text-indent: 3.54em">毎夏の夜開かれて </div><div style="text-indent: 3.54em">リングの王者殴り合い </div><div style="text-indent: 3.54em">鯨波を上げる同僚たち </div><div style="text-indent: 3.54em">　 </div><div style="text-indent: 3.54em">日が落ちて　スポットライトに </div><div style="text-indent: 3.54em">リング閃く　児童公園 </div><div style="text-indent: 3.54em">ヒーローは男を攻め続け </div><div style="text-indent: 3.54em">アナウンサーが叫び </div><div style="text-indent: 3.54em">子供たちの応援が続く </div><div style="text-indent: 3.54em">　 </div><div style="text-indent: 3.54em">妻のいとこと嘘ついて手を触れて </div><div style="text-indent: 3.54em">かき氷　二人でつつき </div><div style="text-indent: 3.54em">裸電球　淡く光りて　君美しく照らされて </div><div style="text-indent: 3.54em">手を繋ぎ喋れ得ぬ </div><div style="text-indent: 3.54em">色めかしゆかた姿に </div><div style="text-indent: 3.54em">ビル影でキスをして </div><div style="text-indent: 3.54em">半天に仰ぎ見る月微笑んで　 </div><div style="text-indent: 3.54em">サイダーと屋台のワイン </div><div style="text-indent: 3.54em">味わいながら喝采を向け </div><div style="text-indent: 3.54em">近勝りリングのプロレスラー </div><div style="text-indent: 3.54em">公園に声沸き立ちて </div><div style="text-indent: 3.54em">君と初めての夏祭り </div>
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<link>https://ameblo.jp/banbootree/entry-10688668860.html</link>
<pubDate>Tue, 26 Oct 2010 23:45:01 +0900</pubDate>
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<title>万年筆をなくして</title>
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<![CDATA[ <p><font size="3">　先週の日曜日、静嘉堂文庫へ行ったときにはシャーペンで書いていた。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　どこかで購入したオーダーメードの革製ペンケースに、RHODIAの消しゴム付き鉛筆数本と、ペン型消しゴム、蛍光ペンと、四色ボールペンを入れている。<br>　いつもは家でしか使っていない万年筆。<br>　香奈から初めてのプレゼントである万年筆。<br>　今日は、この万年筆を連れ出して書こうと魔が差した。<br>　ツバメ印のノートとか、ニーモシネのメモ帳とか。文房具にはこだわりが多い。<br>　お出かけの時には万年筆は、長年連れ添ってきたCROSSで書いてることが多かった。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　大切な人から頂いた品々は何度もなくしているのに。なぜ今回も。なくすときには、いつも持ち出すときに、ちょっとした違和感がある。月曜日の朝にペンケースに万年筆をいれた。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　今朝、ペンケースごと、香奈にプレゼントしていただいた万年筆をなくした事に気がついた。<br>　優れた書き心地だった万年筆。<br>　年賀状や暑中見舞いの時に、パソコンで印刷すべきではない方へ、僕の手書きを読める筆致にしてくれた、素敵な万年筆。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　なくした。<br>　そのことを告げると、「書いたものがなくなることがなくて良かったわ」と、微笑む香奈の返事。<br>　いとおしい。<br>　<br></font></p>
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<pubDate>Sun, 24 Oct 2010 22:30:00 +0900</pubDate>
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<title>みちのく</title>
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<![CDATA[ <div style="TEXT-INDENT: 6em"><font size="6"><font style="FONT-SIZE: 1.43em" size="5"><strong>みちのく</strong></font> </font></div><div><font size="4">　 </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">入道雲が浮かぶ空　まぶしく </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">客歳来れしあぜ道　懐かしくて歩く </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">田んぼの稲　あおあおしく </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">稔り導く水車　回るカタカタと </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">あどなし響き　草木の匂い愛おしくて </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">たわわに騒がせ </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">夏のみちのくはいつも </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">東京へ帰る途中のしばらくを </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">青き葉が擦れる音に </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">蝉鳴いてうらぶれる </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">　 </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">送られる車に乗って見付けやる </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">流れゆく川面に映る傘被る釣り人が </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">中州より竿投げ鮎求めしを眺めやり </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">瞬刻 </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">空曇り光隠して </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">驟雨に会いて急ぎ駅へと橋から向かう </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">　 </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">雷に声震えるを横に聞き </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">警報の出る街からは </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">喧噪消えて </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">着きし駅にて子供達へと </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">買い求める売店で店員と </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">驟雨を笑い野球を話し </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">笑顔思って選びし土産 </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">夏のみちのくはいつも </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">東京へ帰る途中　しばらくを </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">繁る葉に汗のにおいを </font></div><div style="TEXT-INDENT: -3.54em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em"><font size="4">蝉消えて　うらぶれる</font> </div><div style="TEXT-INDENT: -4.04em; MARGIN: 0em 0em 0em 6.06em">　 </div><div>　 </div><div align="center"><font size="2">作　平成二十二年七月二十八日 </font></div><div align="center"><font size="2">東北に行きて友に送られし夕方に詠む。</font></div>
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<link>https://ameblo.jp/banbootree/entry-10681002957.html</link>
<pubDate>Tue, 19 Oct 2010 05:30:30 +0900</pubDate>
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<title>ひまわり</title>
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<![CDATA[ <div align="center"><strong><font size="6">ひまわり</font></strong> </div><div>　 </div><div>　 </div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">草原に車を止めた </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">君は少女のようにはしゃいでひまわり畑に飛び込んでいった </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">僕の手を掴んで鬼ごっこをしようと言って </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">君の姿を見失っても携帯電話で呼べばいいと </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">高をくくってた </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">君がひまわり畑に消えてしまうなんて思いもしなくて </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">　 </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">空を見あげるひまわり畑 </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">君は咲いている数本のうち一本だけを選んで指差した </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">まだたくさんのひまわりは育つ途中なのに </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">僕はねだる君のためにナイフで茎を切る </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">ひまわりの茎からは澄明な液体がこぼれ </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">君は僕のナイフを手にとって </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">一輪の花飾りへひまわりを切って香り立つ黒髪に挿す </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">　 </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">空を見あげるひまわり畑 </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">君はひまわりの碧い葉を折って行く道のこし示したが </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">僕は見失った君のあとGPSを使って追う </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">僕の全身からは汗がとめどもなく流れて </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">一輪の花飾り畑に探し僕はひまわり畑をさまよう </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">まだたくさんの話しをしたかった途中なのに </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">　 </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">空を見あげるひまわり畑 </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">さよならと折って道ばたに置かれたひまわり </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">君は緑の迷路に隠れて一枚の紙だけを葉に結んだ </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">さっきまで君が飾っていた花飾り </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">まだいろいろな思い出つくってゆくはずだったのに </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">　 </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">僕はその髪飾りを静かに拾い上げて </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">胸に抱きしめる </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">君が少女のようにはしゃいでひまわり畑に飛び込んでいって </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">君がひまわり畑に消えてしまうなんて思いもしなくて </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">空を見あげるひまわり畑 </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">太陽は少し傾いて畑に消える君は輪郭を </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">太陽を鮮美に背にして輝きに溶け込ませていた </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">　 </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">草原の車に置いた </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">君が残していった携帯電話からは </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">武満の着メロがずっと響いていた </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">来年の夏は来るかな </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">それが最後の君と交した言葉だった </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">君は少女のようにはしゃいでひまわり畑に飛び込んでいった </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">さよならと折って道ばたに置かれたひまわり </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">僕は手に持って君の香がするのを </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">切なく想い助手席へ置いてみる </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">ううん　来年の夏はこないから </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">さよならと折って助手席に置かれたひまわり </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">せめて愛していたと言わせて欲しい </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">せめて穎悟であれと祈り献げる </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">　 </font></div><div style="TEXT-INDENT: 8.59em"><font size="2">振り返るひまわり畑には黄色の花びらが風に揺れていた </font></div><div>　 </div><div>　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（初出　2010年8月8日）</div>
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<link>https://ameblo.jp/banbootree/entry-10677097108.html</link>
<pubDate>Thu, 14 Oct 2010 23:20:43 +0900</pubDate>
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<title>武満徹　80歳バースデー・コンサート</title>
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<![CDATA[ <br><div style="margin:0em 0.00em 0em 1.52em;text-indent:1.01em"><font face="メイリオ">　いやぁ、一時体温が三十七度台に落ちたので、仕事を在宅でこなし、観賞も問題なしと東京オペラシティへ現代音楽のコンサートを観て参りました。連れ合いの沙希がチケット入手をがんばったおかげで、前列から数列目のど真ん中。最高の席でした。（オケ全体の動きを観る人は、このコンサートホールでは舞台横の二階席の方がいいです）</font><br></div><br><div style="margin:0em 0.00em 0em 1.52em;text-indent:1.01em"><font face="メイリオ">　武満ファンにはたまらない内容でした。特にピーター・ゼルキン（献呈）にされた「リヴァラン」が本人のピアノで聞くことができたのには大感激。ペダルワークの妙味も靴紐の揺れとともに、なるほどと、感心していました。</font><br></div><br><div style="margin:0em 0.00em 0em 1.52em;text-indent:1.01em"><font face="メイリオ">　いつもなら、コンサート中の休憩では、ワインかビールでも飲むのですが、今日はお水だけ。ロビーで武満氏と縁の深い大江健三郎氏のお姿も拝見いたしました。</font><br></div><br><div style="margin:0em 0.00em 0em 1.52em;text-indent:1.01em"><font face="メイリオ">　後半の武満氏特有の爆音（フォルテシモなんてもんじゃないですよ。ロックコンサート並み）を楽しんで、最後はドビッシーの「聖セバスチャンの殉教－交響的断章」で、その宗教的メッセージに感動しました。毎度ながら東フィルはすごいや。（古典はあまり聞かないのでわからないのですが）</font><br></div><br><div style="margin:0em 0.00em 0em 1.52em;text-indent:1.01em"><font face="メイリオ">　コンサートが終わると、いつもは食事を楽しみながらアルコールを楽しむのですが、菌への免疫がつくのに支障を来す、アルコールは御法度で、口が開かないので、結局、ざる蕎麦を食べて帰って来ました。天ぷらは妻がお店に頼んで小さく切ってもらって、まるで、歯の生えない離乳中の乳児のようです。</font><br></div><br><div style="margin:0em 0.00em 0em 1.52em;text-indent:1.01em"><font face="メイリオ">　帰って熱を測ったら三十九度に再び上がっていて、明日、文芸仲間の香奈と行くオペラは、上演三時間以上もあり。</font><br></div><br><div style="margin:0em 0.00em 0em 1.52em;text-indent:1.01em"><font face="メイリオ">　禁じ手の複合抗生剤投薬に誘惑を覚えます。</font><br></div><br><div style="margin:0em 0.00em 0em 1.52em;text-indent:1.01em"><font face="メイリオ">　火曜日から、全くお酒を飲んでいませんから、肝機能は随分と改善してきているでしょう。</font><br></div><br>
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<link>https://ameblo.jp/banbootree/entry-10671329617.html</link>
<pubDate>Fri, 08 Oct 2010 23:57:12 +0900</pubDate>
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