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<title>地獄で会いましょう</title>
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<description>ようこそ、私はタロットbar地獄のマダム、ヴェラよ。美味しいお酒を飲みながら、愛について、語りませんこと？</description>
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<title>第三夜「覚悟はおあり？」</title>
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<![CDATA[ <p>私の名前はヴェラ・ロサコフ。<br>東京のとある町の一角で、小さな小さなお店を営んでいるわ。<br><br>愛する黒猫ケルベロスと二人、<br>アントーニオと名乗るお客様をお迎えしました。</p><p>私のお店は、人の魂を揺さぶるお飲み物もお出しいたしますが、<br>本当にお客様が求めていらっしゃるのは、私のタロット。<br><br>豊饒なワインなんぞは、ただ、お喋りを導くためだけのもの。</p><p>&nbsp;</p><p>「マダム…僕は、愛する人との未来を貴女に訊ねたくて…。」</p><p>アントーニオが、一気にシャトーボーモンを飲み干して、<br>カウンターに両手を重ねて置き、私の目をまっすぐに見つめる。<br><br>「マダム、僕は、婚約者のいる女性を好きになってしまいました。<br>もうすぐ彼女は結婚式を迎えてしまうのですが、僕はどうしてもあきらめられない。」<br><br>本当にね、アントーニオのような出会い方をしてしまう事は<br>案外少なくないものよ。<br>私は、そんな出会いから始まった恋愛も否定しないわ。</p><p>ただ、その愛の行方が巻き起こす事柄を、引き受けることはできるかしら？<br>愛する人を貴女が手に入れることで、<br>愛する人を手放すことになった誰かの思いを傷つけてしまう事、<br>その人の悲しみや苦しみを受け取りながら、<br>それでも幸せになるという覚悟を抱けるかが、鍵なのよ。<br><br>「覚悟はおあり？」<br>私もまた、一呼吸を置いて、<br>黒猫タロットのデッキをクロスに広げるの。<br><br>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/bar-jigoku/entry-12561852513.html</link>
<pubDate>Tue, 24 Dec 2019 08:52:19 +0900</pubDate>
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<title>第二夜　「21世紀　東京のヴェラ・ロサコフ」</title>
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<![CDATA[ 私の名前はヴェラ・ロサコフ。<br><br><br>でも、生粋の日本人。<br>アガサ・クリスティの「名探偵ポワロ」がとっても好きで、<br>とりわけ、「ヘラクレスの冒険」がお気に入りなんです。<br><br>ヴェラは、独身主義者のポワロが<br>感嘆をこめて「あの人」と呼んだ天晴なヒロイン。<br>そう、もう一人のロンドンの名探偵<br>シャーロック・ホームズが認めた、アイリーン・アドラーのようなもの。<br><br>私は、悪くて純粋な女が好きです。<br>だから、ある時から、ヴェラって名乗るようになったの。<br><br><br>ヴェラのようになりたくって、<br>東京の、ある場所に「bar地獄」を開き、<br>黒猫のケルベロスと二人で、<br>特別なお客様だけ、お迎えしています。<br><br><br>最初は、ポワロファンだけをお迎えするつもりだったけど、<br>とある会員のお客様が言ったのです。<br>「ヴェラ、合言葉を言えば入れるようにしませんか？<br>　つまり、僕等が誰かに教えなくてはいけないけど、<br>　必ず身元の知れた仲間にしか、この店の話はしないから。<br>　貴女の、言葉のサーベルは、もっと広く振り回されるべきですよ。」<br><br><br>私は、少々口が悪いのかしら？<br>紳士なお客の皆様は、<br>上品に言いまわしてくださいますが、<br>まるで、日頃から、言葉で、切り刻んでいるみたいですね。<br><br><br>昨日は、まるで、ロンドンかパリを舞台にした<br>まさにポワロやヴェラがいた時代のように<br>あなたをお迎えいたしましたが、<br>私流の、おもてなしよ。<br><br>まさか、本当に<br>「ケルベロス」って、戸口で合言葉を言うなんて<br>思いもしなかったのでしょうね。<br><br><br>ご覧のとおり、<br>小さなお店なんですよ。<br><br><br>じゃ、一緒に飲みながら、お話しをしましょうか、<br>アントーニオさん。<br>ふふふ、いいのよ、あなたも、本当のお名前じゃなくて。<br>
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<link>https://ameblo.jp/bar-jigoku/entry-11913765025.html</link>
<pubDate>Fri, 22 Aug 2014 21:43:08 +0900</pubDate>
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<title>第一夜　「合言葉は、ケルベロス」</title>
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<![CDATA[ いらっしゃい、あなた。<br><br>この店をどうやって知ったの？<br><br>もしかして、ムッシュ・ポアロに聴いたのかしら？<br>いいえ、違うわね。<br>あの方の助手のヘイスティングスがお喋りしたのかしらね。<br><br><br>よく、うちの合言葉を知っていたこと。<br>ふふふ、あそこにいるのが、地獄の番人、ケルベロスよ。<br><br>いやだわ、頭はひとつよ、<br>炭のように真っ黒な猫ちゃんでしょ。<br>彼女がお気に召さないお客は、お断りなのよ。<br><br>まあ！<br>ケルベロスの好物をよくご存じね。<br>バタークッキーよ。<br><br>これでは、お手上げね。<br><br><br>それでは、<br>あの、とっておきのソファにお掛けなさいまし。<br>ワインがよろしいかしら？<br><br><br>それじゃあ、<br>ゆっくりと、お過ごしになってね。<br><br><br><br><br><br>★★★★★★★★★★★★★★★<br><br><br><br><br>何のお話をしましょうか？<br><br>え？気になる方のお話を聴いてほしいですって？<br>もちろん、かまいませんとも。<br>あなたのお名前は？<br><br>本当のお名前でなくってかまいませんのよ。<br><br>アントーニオ。<br>まあ、私も昔、同じ名前の殿方に心魅かれたことがございましたわ。<br><br><br>では、アントーニオ、<br>お話しを聴かせてくださいな。<br>
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<link>https://ameblo.jp/bar-jigoku/entry-11913309554.html</link>
<pubDate>Thu, 21 Aug 2014 23:07:51 +0900</pubDate>
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