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<title>Blue blood</title>
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<description>小説。</description>
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<title>孤独の唄</title>
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<![CDATA[ <br> 「もういいや、殺せよ」<br> 僕なんて愛されない<br> 知ってます<br> 悲しいけど、どうってことない<br> たまに寂しくなるだけです<br><br> 愛されたいけど、愛されない<br> 君は僕なんて見てないから<br> 死にたいです<br> でも自分で死ぬのも怖いから<br> 「殺してください」<br> <br> 今日は良い一日でした<br> 君のことを除いては<br> 今日は悲しい一日でした<br> 君はまた僕のことを忘れてる<br> <br> 僕の幸せ全部あげます<br> だから僕を殺してください<br> どうせ君は僕なんて<br> 見てないのでしょ、知ってます<br> 知ってます、知ってます<br><br> 愛してください、愛されたい<br> 僕の幸せは君と死ぬこと<br> 心中しましょう<br> でも、やっぱり死ぬのは怖いので<br> 「愛してください」<br><br> 今日は良い一日でした<br> 君とお話できたので<br> 今日は悲しい一日でした<br> だけど君はそっけないの<br> 今日は良い一日でした<br> 君が僕に笑ってくれた<br> 今日は良い一日でした<br> 君と一緒にいれたから<br> ずっと悲しい人生でした<br> 愛した人には嫌われる<br> ずっと悲しい人生でした<br> 誰も僕を愛してくれない<br><br> これからも悲しい人生でしょう<br> 君が愛してくらたらいいのに<br><br> 眠りにつきます、<br> 明日が怖い<br> このままずっと目覚めたくない<br>
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<pubDate>Sat, 03 Aug 2013 23:49:15 +0900</pubDate>
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<title>桜、病的につき</title>
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<![CDATA[ 黒真珠の瞳光らせて<br>桜並木に佇む君よ<br>赤い唇歪ませて<br>「花一匁。売られたハル」<br>黒いドレスは厳粛に<br>絹の素肌をひた隠し<br>赤いルージュは淫乱に<br>清楚な君の醜い仮面よ<br><br>さよなら君よ少女の頃に<br>桜並木でさようなら<br>さよなら君よ淡い色<br>現(うつつ)に紛れて消えて行け<br><br>桃色の花枚散らせ<br>死にゆく少女の君よ<br>細い首をゆがませて<br>「夢の世界であいませう」<br>黒い不安はゆっくりと<br>君の心蝕んで<br>赤い熱情じんじんと<br>君の心の赤き焔よ<br><br>さよなら君よ君の心よ<br>桜並木でさようなら<br>さよなら君よ生きてた君よ<br>首を吊ってさようなら<br><br>桜の根本に君の涙よ<br>桜の根本に君の血よ<br>追われ追いかけ恋心<br>売れよ買えよ弄べ<br>葉桜見る頃この世には<br>病的少女の皆さんよ<br>さよなら皆さんお元気で<br><br>桜並木で逢いませう<br>桜並木に逢いませう<br>
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<pubDate>Tue, 09 Jul 2013 21:48:51 +0900</pubDate>
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<title>KILL</title>
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<![CDATA[ <br>口からこぼれた「死にたい」は<br>酸素と毒素が化合して<br>怪物になって私を襲う<br>夜な夜な私を夜な夜な私を<br>殺せよ殺せよ<br>首をしめてよ<br>殺せよ殺せよ<br>ナイフを刺せよ<br>最近思うの「殺したい」<br>夢のなかであなたを殺す<br>夜な夜なあなたを<br>夜な夜なあなたを<br>殺せよ殺せよ<br>あなたを殺せよ<br>殺せよ殺せよ無理心中<br>夜な夜なささやく「死にたいの」<br>夜な夜な願うの<br>「死にたいの」<br>眠りにつこうよ永眠よ<br>Please Kill me…<br>私を殺して<br>殺せよ殺せよ<br>首をしめてよ<br>殺せよ殺せよ<br>ナイフを刺せよ<br>殺せよ殺せよ<br>あなたを殺せよ<br>殺せよ殺せよ<br>無理心中<br>Kill me…Kill you…
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<link>https://ameblo.jp/barak666/entry-11569591001.html</link>
<pubDate>Tue, 09 Jul 2013 21:47:12 +0900</pubDate>
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<title>死なない私</title>
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<![CDATA[ <p><br>あるところに、私がいました。<br><br>目の前で母と弟が死んだ。<br>居眠り運転していた車が、私達の歩いていた歩道に突っ込んできた。<br>少し前を、手を繋いで歩いていたはずの二人の姿が突然かききえた。<br>車があって、すごい音がした。<br>私はよく理解できなかった。<br>車は、その勢いのまま塀に激突し、運転手は頭を強打して死んだ。<br>母と弟は、塀の車に挟まれてぐちゃっとしてた。よくは見れなかった。駆けつけた見知らぬ女の人が私の目を塞いだからだ。女の人は半泣きで誰かの名前を呼び、<br>「救急車！早く電話して！」<br>救急車なんか今更呼んでも遅い。もう手遅れだ。死んでいる。<br>妙に冴えた頭で私は思った。<br>しばらくすると救急車のサイレンの音が聞こえてきた。すごくうるさかった。<br>その後はよくわからない。<br>気付いたらお葬式だった。<br>隣で父が泣いていた。<br>訪れた知人達は、私を見て口を揃えて言った。<br>「まだ小さいのに、可哀想に」<br>「目の前でなんてねえ。つらかったね」<br>皆泣いていた。泣きながら私を抱き締めた人もいた。<br>私は泣かなかった。<br>皆はショックすぎて涙も出ないのだろうと勝手に解釈していた。可哀想にと。<br>お葬式もお通夜も終わって家はやっま落ち着いた。<br>父は悲しんでいたが、私には元気に振る舞った。<br>葬式の二日後に母方の祖母が来た。葬式にも来ていたが、一度帰ってまた来たのだ。<br>母が死んだから、家事に困っていた父は大変喜んだ。父方の祖父母はすてに亡くなっている。<br>祖母は不思議な人だった。いつもにこにこしていて、たまに薄気味悪い笑みも浮かべた。それに気づいているのは私だけだった。<br>祖母の手伝いをしながら二週間ほど私は学校を休んだ。父が勝手に決めたことだ。私の心労を気にしてのことだったから、私はなにも言わなかった。<br>祖母が来てから一週間たったころだ。父が突然いなくなった。<br>父も死んだのだろうか。はたしてそうだった。<br>父は足場の悪い川辺の道で足を引っ掛けて転がり落ちたのだ。頭を打って父は死んだ。<br>私はまた葬式に出るのが嫌だったけど、父がいなくなった事に対してはなんの感慨もなかった。<br>二回目の葬式が終わって、祖母と暮らすことになった。<br>祖母は相変わらずにこにこしていた。<br>「霧子や霧子」<br>ある日、滅多に話さない祖母が、料理の途中で話しかけてきた。<br>「なあに、ばあちゃん」<br>祖母はにこにことした表情に少しあの薄気味悪い笑みを滲ませながら野菜を切っている。<br>「死ぬのは怖いかい」<br>祖母は笑みを消さないで、不謹慎な言葉を吐く。<br>「なんでそんなこと訊くの？」<br>「霧子や、お前さん毎日泣いてるじゃあないかい」<br>私は祖母と同じ部屋で寝ている。<br>祖母は気付いてないと思っていた。<br>「皆が死んじゃったのが悲しいからよ」<br>「違うね、そんな泣き方じゃなかった」<br>「死ぬのは怖いわ。そりゃ誰でも<br>」<br>「お前さんの怖がり方は尋常じゃなかったよ」<br>「そんなことないよ」<br>祖母は野菜を切り終えて、肉に手をつける。<br>私は隣で味噌汁をかき混ぜる。<br>「霧子や霧子」<br>また祖母は私に語りかける。<br>「なあに、ばあちゃん」<br>少し鬱陶しかったけど、私は答えた。<br>「お前さんの願いを叶えてやろうか？」<br>祖母の笑みは完全に薄気味悪いあれになっていた。 <br>私は、味噌汁を混ぜる手を止めて、思わず祖母を見た。<br>祖母はあの笑みを深くする。<br>「死にたくないのだろう？」<br>そこからは、やっぱり覚えていない。<br><br>気付いたら祖母はいなかった。<br>そもそも祖母などいたろうか？<br>私は次の日から学校に通った。<br>学校では色んな子に同情された。私はよくわからなかった。皆は私のなにを憐れんでいるのか。<br>わからぬままに日々は過ぎる。<br>あれからどれほど過ぎたろうか。<br>もう年を数えるのも飽きてしまった。<br>色々な事があった。<br>彼氏が死んで、友が死んだ。<br>私の回りの人間は皆死んだ。<br>五度自殺を試み、三度事故にあい、三度刺されて二度撃たれた。<br>一度だって死ななかった。<br>五度の自殺で腕を失い、事故で両足を失い、刺されてうたれて胴も消えた。<br>つまり、今の私は首から上のみだ。<br>皆は私を化け物という。そうかもしれない。<br>首の私はある日女の子に拾われた。<br>切り離された人体に惹かれたらしい。<br>女の子は毎日私に話しかけた。<br>女の子の部屋には解体された人形だらけで不気味だった。<br>特に、隣に並べられた人形の首はおの祖母のような笑みを浮かべていた。<br>私はいつまで生きるのだろうか。<br>ここにも長くはいられないだろう。<br>だって私の回りの人間は皆死ぬのだから。<br>「行ってくるね、霧子さん」<br>女の子は制服で部屋から出ていった。学校だろう。<br>窓の外に、怪しい男が見えた。<br><!-- google_ad_section_end(name=s1) --></p><br><p>　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊</p><p>　使い回しです、見たことある方も多いかも</p>
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<link>https://ameblo.jp/barak666/entry-11532894035.html</link>
<pubDate>Sat, 18 May 2013 15:39:35 +0900</pubDate>
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<title>命</title>
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<![CDATA[ <br>例えば、風呂場に虫がいたとする。<br>蚊ほどの小さな虫なら、放置できるが、ゲジゲジやゴキブリはそうもいかない。そういう場合、殺してしまう他ない。<br>例えば、食事をするとする。野菜や白米だけでは物足りない。肉や魚をどうしても食べたくなる。だから僕達は魚や他の動物の肉を食べる。もちろん、殺して、だ。<br>例えば、道を歩いているとする。下ばかり向いている人間など少ないだろう。そんなことをしていたら、他人にぶつかるし、歩きにくい。ほとんどの場合あまり下などみない。蟻や虫がしても、気付かない。<br>君達は今まで殺してきた命を覚えているだろうか。<br>僕の記憶の中の一番古い記憶は、青虫を殺したことだ。友人達と、面白半分で靴で踏んだり、枝で刺したりしてぐちょぐちょにしたのを覚えている。今思えばとてもグロテスク。その後、友人達とともに幼稚園のめぐみ先生に叱られた。若い女の先生だった気がする。めぐみ先生は、ぐちょぐちょの青虫を、なんと素手で拾って土へ埋めて、僕達に言った。<br>「この青虫さんは、蝶々になれたのよ」<br>友人達は先生に叱られてしょぼんとしていたが、先生の言っていることは理解できていない様子だった。<br>だが、僕にはなんとなくわかった。先生は、僕達に最大の罰を言葉で与えたのだ。僕達は、その青虫の可能性を潰したことを、一生背負わなければならないのだ。<br>確か、その頃僕は五歳だった。そして、僕はこの日に決心したのだ。出来るだけ命を奪わないと。僕は、ゴキブリを殺さないし、蚊は叩かない。肉や魚は食べても一日一食だけだ。僕は、あの日もうひとつのことを決めた。もしも、僕が9999の命を奪ってしまったら、10000番の命は僕の命にしようと。<br>あの日から、僕は殺した命の数を正確に覚えている。<br>一つ目は、青虫だった。<br>二つ目は、蟻だった。<br>三つ目は、鶏だった。<br>四つ目は、あじだった。<br>五つ目は、豚だった。<br>六つ目は、蝉だった。<br>七つ目は、鮭だった。<br>八つ目は、カエルだった。<br>九つ目は、牛だった。<br>こうして僕は毎日のように命を奪って生きてきた。食べるためだったり、うっかり踏んでしまったり。僕は全ての死を記憶している。そして全ての死骸を、虫のものや皮や肉の一部を庭に埋めている。<br>僕は、今大きな墓穴を掘っている。9999番目の愛しい命の墓穴を。僕もここに入るのだろう。<br>彼女は僕の恋人だった。彼女の命が、9999番目になったのは偶然などではなく、僕の仕組んだことだった。<br>彼女は隣の家の末娘で、僕より二つ下だ。少し男勝りだけど、ほんとは女の子らしい子だ。彼女は、僕が十四のときに隣に越してきた。僕は彼女を見た瞬間恋に落ちた。それと同時に閃いた。9999番目は彼女にしようと。<br>僕は今まで殺したきた9998の命と君のために命を落とそう。<br>君が肺の病気で、もう長く持たないと知ったのはつい一週間ほど前のことだ。彼女はベッドの隣に座り込んだ僕に抱きつき、泣きじゃくりながら何度も謝った。<br>僕は、この一週間で多くの命を奪った。君のために、君が死ぬ前に僕が君を殺すために。<br>それから三日たった頃、つまり四日前。お医者様の許可がでて、僕の家に泊まりに来ていた君は、夜中に僕が寝ている間に、布団を抜け出してなにかをしだした。僕は気づいていたよ、君ガロープを持ち込んでいたことを。君がなにかをしている物音に目覚めた僕をみて、君は自殺するのを諦めた。それで、また泣き出した。僕は君が意外と泣き虫なのを初めて知った。<br>理由をきいた僕に、君は泣きながら、よく聞き取れない声で言った。<br>「私は病のせいで病院で死にたくなかった」<br>「君のへやで君のそばで死にたかった」<br>泣いている君を、抱き締めながら僕は歓喜した。抱き締められている君は気付かなかっただろう。僕は笑ってた。<br>それから話は早かった。僕の心中しようという提案に君は喜んで同意した。<br>僕は、時間を合わせるために、この四日間で多くの命を奪った。<br>肉や魚を沢山食べた。虫をすすんで殺して、猫さえも殺した。全てこの庭に埋めてある。君と僕の下にも右にも左にも。彼等は僕達を取り囲み僕達を祝福している。<br>僕も今すぐ逝きます。<br>この命を今まで潰した全ての命へ。<br>この命を今まで食した全ての命へ。<br>この命を今まで殺した全ての命へ。<br>そして、なにより愛しい君へ。<br>僕は、罪を抱き締めて、被害者に囲まれて死ぬ。<br>この命を最後の被害者の僕へ。<br>
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<pubDate>Tue, 19 Mar 2013 17:38:16 +0900</pubDate>
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<title>美味しい美味しい焼きたてパイはいかが？</title>
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アメンバー限定公開記事です。
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<pubDate>Sun, 17 Mar 2013 22:47:12 +0900</pubDate>
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<title>雨</title>
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<![CDATA[ <br><br>僕の通う中学の通学路には、自殺や事故の多い踏切があった。<br>その現場は見たことはないが、僕もお供え物などをよく目にする。<br>お地蔵さまもたっているが、事故が減る見込みはない。<br>その踏切を忌み嫌い、遠回りな別の道から登下校する生徒も少なくはない。いや、むしろその踏切を通る生徒のほうが少ないだろう。<br>だが、僕はこの踏切が気に入っていた。何故なら、ここは母が死んだ場所だからだ。<br>母は、不倫していた。不倫とはいっても、もともと母はその不倫相手と付き合っていたのだ。母は旧家の出で、同じく旧家で医師の父のところに親に無理矢理嫁がされた。<br>一旦は別れたものの、僕を産んだ後にまたその相手と付き合い始めた。しかし、その相手は僕が二歳になるころに病死。母は後をおってこの踏切で自殺したのだ。<br>母の自殺は家に大きな被害をもたらした。僕はまだ物心つく前で、全て父からきいたことだから詳しいことはしらないが、かなりの借金を背負ったらしい。<br>それでも父は、実家と、母がたの実家に助けを借り、なんとか返済。<br>今は僕を私立の進学校に通わせるだけの財産を取り戻した。<br>母がどれだけ苦しみ死んだのかも、父がどれだけ苦悩したのかもしらないが、僕は母も父もべつに好きではなかった。<br>それでも、なぜかこの、「母が自殺した踏切」は僕に何かしらの執着心をもたらした。<br>梅雨も明け、本格的に暑くなってきたある日のことである。<br>僕は、踏切の中に誰かが立っているのを見つけた。<br>その彼女は、黒いロングの髪に、黒に赤いリボンのセーラー服。空は真っ青で、雲一つもないというのになぜかビニール傘をさしていた。<br>彼女は、踏切渡るでもなく、ただこちらを向いて立ち尽くしている。<br>踏切の真ん前まで来ると、思ったよりもこちらがわ、僕の方にいることがわかった。<br>気味が悪い子だとは思ったが、それより好奇心が勝った。<br>僕は彼女の前で立ち止まり、彼女に話しかけた。<br>「ねえ、君」<br>彼女はじっと僕の目を見つめた。<br>首を傾げると、サラサラの髪が傾げたほうへと落ちていく。<br>「なあに？」<br>思ったよりもハッキリとした通る声だった。<br>「君、こんな晴れてるのになぜ傘なんてさしてるの？」<br>「今日は雨が降るから」<br>「天気予報は晴れだった」<br>「けど降るの」<br>彼女はそう言って、くるっと傘を回す。<br>僕が次にかける言葉を探していると、カンカンカンカンという煩い音が響いた。<br>電車だ。<br>「君、出ないと危ないよ」<br>彼女は僕の言葉を聞かず、さっきより心なしか遠い所で立ち尽くしている。<br>「もう電車がくるよ！危ないよ！」 <br>焦って叫んでも、彼女は微笑むだけでなにもしない。<br>電車がゆるいカーブをまがり、音をたてながらやってくる。<br>周りに人はおらず、僕はどうすることもできなかった。<br>僕は、思わず目をぎゅっと瞑った。<br>ドン！<br>なんとも言えない音が響いた。<br>生暖かいものが顔にかかる。<br>きっと、彼女が轢かれてしまったのだ。<br>僕は、恐る恐る目を開いた。<br>すると、傘をさした彼女が、微笑んで佇んでいるではないか。<br>傘は血で赤く染まっていた。が、彼女は少しも汚れていない。<br>「ね。言ったでしょう？雨が降るって」<br><br>その後、轢かれたのは40代の無職の男だというかとがわかった。<br>血を浴びた僕は、病院へ連れていかれたが、異常もなくその日のうちに帰れた。<br>父は踏切のことに関してはなにも言わなかった。<br>僕も彼女のことは話さなかった。<br>はたして、彼女は何者だったのだろうか。<br>人間でない、少なくとも生きている生身の人間でないことは確かだろう。<br>踏切の亡霊か？はたまた悪魔か？<br>亡霊だとしたら目的は？彼らを自殺者を死に招いているのは彼女なのか？<br>事故の日は、彼女のことで夜も眠れなかった。ただ、なぜか恐怖はなく、むしろなにか惹かれるものがあった。<br>またいつか、彼女に会うことがある。そんか確信があった。<br><br>彼女と再び出会うのは思っていたよりも早かった。<br>それから二週間後の登校時だ。<br>僕はいつも、少し早めに登校するため人は少ない。<br>カンカンカンカン。踏切が降りる。<br>僕はぼーっと線路を見つめる。<br>電車が音をたてて通りすぎ、踏切が上がったとき。<br>目の前に彼女がいた。<br>「やあ」<br>僕は自然と微笑んだ。<br>彼女は今日も、ビニール傘をさしている。<br>「今日も、雨？」 <br>彼女はこくりと頷いた。<br>「いますぐ？」<br>次は首を横にふる。<br>どうやら、いますぐのことではないらしい。<br>「今日は、夕方」<br>ハッキリとしたうつくしい声だ。<br>彼女は、僕の目をじっと見つめてにやっと笑う。<br>「夕方よ。君の嫌いなあの子」<br>一瞬意味がわからなかった。<br>「嫌いなあの子？」<br>彼女は笑顔のままこくりと頷く。<br>嫌いなあの子。嫌いなあの子。<br>嗚呼、彼に違いない。<br>確かに、僕には嫌いな奴がいる。<br>早瀬勇人。<br>クラスメートで、僕を虐める嫌な奴だ。<br>早瀬が、死ぬ。なんだか実感が湧かないが、これは朗報だ。<br>「有り難う。傘を買っていくよ」<br>彼女はにっこりと笑った。<br><br>「なんで傘、もってんの？九条」<br>教室に入って早々、早瀬が言った。<br>「今日は雨なんだ」<br>「馬鹿じゃねえの？今日は晴天だよ。クズ！」<br>ケラケラと笑って、早瀬は僕を殴った。傘に躓いてずっこけると、さらに笑って腹を蹴る。顔を蹴る。踏んづける。罵声を浴びせて、見世物のように周りに人を集める。みんなして笑う。写真を撮ってる奴もいる。また蹴る。<br>もう日常だった。僕は元々痩身で背も低く、その上病弱。色が白くて、髪は染めたような栗色。<br>中学校という社会で、違うことは罪悪で、違う奴はクズで、弱い奴は踏みにじられる。<br>憎んだってどうしようもない。耐えるしかない。<br>それも、それも、今日までだ。<br>この一日は長かった。<br>体育があったし、昼休みには呼び出され、パシらされ、散々だった。<br>HRが終わると、僕はそそくさと帰る。いつものことだ。<br>でも、今日は少し違う。<br>僕、踏切で早瀬を待った。<br>二十分くらいしたころ、やっと早瀬が姿を現した。珍しく一人だ。<br>一人だが、ヘッドホンをして、ずっとケータイを弄っている。僕は早瀬の行動の一つ一つを観察する。<br>早瀬が踏切に入る。すぐにカンカンカンカン、と音がして踏切は下りる。ヘッドホンをしている彼は気づかない。僕は傘をさした。電車がカーブを曲がってくる。どれだけ大音量なのか、早瀬はいまだに気づかない。電車がくる。僕は傘を前に掲げる。早瀬はやっと電車に気付く。<br>でも、もう遅い。<br>爽快は音がして、傘が真っ赤に染まる。<br>血がしたたり、地面も濡らす。<br>ビニール傘の赤と赤の隙間から、微笑む彼女が見えた。<br><br>早瀬が死んでから三週間と二日たったころ、また彼女が現れた。<br>彼女は今日は傘を持ってはいるが、さしていない。<br>僕は彼女に語りかける。<br>「傘、ささないの？」<br>「今日は雨が降らないから」<br>彼女はなんだか、不機嫌そうに見えた。<br><br>それから一週間後、また彼女を見た。<br>やはり傘は、さしていない。<br>「今日、雨は？」<br>彼女は悲しそうに首をふる。<br>悲しそうに。<br><br>それから一ヶ月後、彼女はやはり傘をさしていない。<br>「ねえ、九条君」<br>彼女は僕の名を呼び止めた。<br>「なんでしってるの？」<br>「知ってるから」<br>「そう」<br>彼女は悲しそうに傘を弄ぶ。<br>「最近雨が降らないの」<br>「うん」<br>「雨、降らないとさみしいの」 <br>「うん」<br>彼女は傘を肩にのせる。<br>「雨、」 <br>悲しそうに空をあおぐ。<br>空は憎たらしいほど、青い。<br>「雨、僕が降らそうか？」<br>何気なく、言った。<br>「本当に？」<br>「うん」<br>カンカンカンカンカンカンカンカン<br>踏切が下りる。<br>彼女はビニール傘をさす、日の光がやけに眩しい。<br>彼女は僕に手を差し伸べる。<br>僕は、その手をしっかりと握り、踏切の中に入る。<br>ビニール傘の下に、僕は入る。<br>彼女をこんなに近くからみるのは初めてだ。<br>右目の下になきぼくろがある。下まつげが思ったよりも長い。<br>電車がくる。<br>ふんわりと、良い香りがする。彼女はかなり色が白い。<br>電車はもう目の前だ。<br>彼女の名札に目をやる。いつも名札なんてつけてたろうか。<br>「九条」<br>なんだ、僕と同じ名字だ。<br>電車が、くる。<br>
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<pubDate>Thu, 14 Mar 2013 01:38:11 +0900</pubDate>
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