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<title>航海日誌＠大航海時代Online</title>
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<description>大航海Onlineでの出来事を、日記風に妄想を加えつつ書いてます。</description>
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<title>１８話　みかんぬの家５</title>
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<![CDATA[ <p>みかんぬとこみかんは再び農園へ向かいみかん農園での仕事をこなす。</p><p>こみかんはまだ小さくて体力がないので、早めに家へ戻して昼寝させた。</p><p>段々と空の色が青から薄紫へ。</p><p>太陽が自分の存在を強く示しながら山の向こうへ消えて行った。</p><br><p>そろそろ家に戻ろうとした頃、みかんぬは遠くからガラガラと荷車の音に気付いて側へ走っていく。</p><p>「おかえりお父さん、お母さん」</p><p>「ただいま～。今日はよく売れたわよ～。」</p><p>朝方にはみかんが山積みにされていたが、今はからっぽになって荷車の音も軽くなっている。</p><p>両親が額に汗をたらしながら息を合わせて荷車をひいている姿を見ると、みかんぬは申し訳ない気持ちになり、後ろから荷車を押した。</p><br><p>みかんぬはふと過去のことを思い出した。</p><p>荷車を手で引かずとも馬に引かせた方が早いし楽なのでは、と両親に言った事がある。</p><p>馬は車輪に当たる石など気にしないから、それでは荷台が大きく揺れてしまいみかんが傷ついてしまう。</p><p>おいしいみかんを食べてもらうためには大変でも手で荷車を引くのだと両親は答えた。</p><p>その答えにみかんぬは両親のみかんへの愛情とこだわりを垣間見ると同時に、尊敬の念を抱いた。</p><br><p>３人が家に着くと、家の中から泣き声が聞こえた。</p><p>こみかんが大きな声でわんわん泣いている。</p><p>「あらあら、こみかんったらどうしたのかねぇ。</p><p>一人で寂しかったのかしら。</p><p>みかんぬ、ちょっと見てきてちょうだい」</p><p>泣くこみかんをなだめるのは一苦労なのでえぇと言いかけたが、母親が忙しそうに食事の支度を始めていたので従った。</p><br><p>「こみかん、どうしたのよ～？」</p><p>こみかんの部屋に行くと、部屋は真っ暗だった。</p><p>起き掛けなのか、ベッドの上で体を起こした状態で泣いていた。</p><p>みかんぬは真っ暗な部屋で一人泣いているのこみかんがとてもかわいそうに見えて、ただひたすら泣くこみかんを抱き上げた。</p><p>こみかんはぎゅうっとみかんぬにしがみつき、泣き止もうともせず顔をみかんぬに押し付ける。</p><p>みかんぬはさすがに耳元で泣かれるとうるさいと思いつつ、こみかんの小さな背中をさすったりぽんぽん叩きながら部屋をうろうろ歩く。</p><p>「なんか怖い夢でもみたの？」</p><p>「ほらほら、もう大丈夫だから泣くのおしまいにしよ。ね？」</p><p>みかんぬが何を聞こうとこみかんは答える様子がなかった。</p><p>段々腕が疲れてきたので、こみかんを抱きながらベッドに腰掛けた。</p><p>しばらくの間こみかんはしゃくっていたが、少しずつ落ち着いてきたようだ。</p><br><p>「みかんぬ、こみかん、ごはんできたよ～」</p><p>「はーい、今行くー」</p><p>こみかんがみかんぬから離れようとしないので、抱いたままキッチンへ向かう。</p><p>「なんだいこみかんってば。</p><p>それなんかの動物ごっこかい？」</p><p>母親が笑いながらこみかんを見た。</p><p>「なんだかよくわからないのよ。</p><p>どうしたのって聞いても何にも答えてくれないし。」</p><p>こみかんを何とか引き剥がしてテーブルにつかせ、今日１日を神様に感謝して食事が始まる。</p><p>「それで、こみかんはいったいなんで泣いてたの？」</p><p>母親がこみかんに尋ねるとこみかんは家族の顔をじっと見回して小さくつぶやいた。</p><p>「みんなどっかいっちゃったんだもん・・・」</p><p>「そりゃあみんな仕事があるからね、お家にいられないのよ。</p><p>こみかんはもうお姉さんなんだからガマンしなさい。」</p><p>「みんなもうかえってこないっていってた。」</p><p>「誰が言ってたの？」</p><p>「かんたおにいちゃん」</p><p>「キャベツ畑んとこの子？」</p><p>「うん」</p><p>「まったく・・・タチの悪いいたずらするねぇ。</p><p>こみかん、そんなの嘘だよ。</p><p>ほら、ちゃあんとみんないるだろう？</p><p>今度会ったら懲らしめてやらなきゃねぇ。」</p><p>母親が呆れた顔でキャベツ畑の方向を見る。</p><p>「おかあさん、こみかん夢を見ていたんだと思うわ。</p><p>カン太がここに来るわけないもん。」</p><p>「なんでわかるんだい？」</p><p>「今日カン太とちょっとケンカしちゃって。」</p><p>本当はケンカではなく一方的に八つ当たりしただけなのだが。</p><p>両親にはそれを言えなかった。</p><p>母親は目を丸くしてみかんぬを見つめた。</p><p>父親も視線だけみかんぬの方を見た。</p><p>「へぇ、あんたがケンカねぇ。</p><p>めずらしいこともあるもんだね。</p><p>何があったのさ？」</p><p>「うんと・・・いつものマズ～い味見をやらされて、あんまりにもマズいからハッキリ言ってやったの。</p><p>そしたらケンカになっちゃった。」</p><p>カン太にごめんと思いながら嘘を両親に言う。</p><p>「あぁ、あの子自分とこのキャベツで何か作って売るのが夢らしいねぇ。</p><p>頑張ってるのはすごいけど、まずいんじゃね。</p><p>実験台の身としてはたまらないわねぇ。</p><p>けどまぁあの子は偉いよ。</p><p>自分のやりたい事にむかって一生懸命できるってのは中々すごいことだよ。」</p><p>「うん・・・そうだね。</p><p>明日カン太のとこに行って謝ってくる。」</p><p>父親は視線を元に戻し、黙々と食事を続ける。</p><p>母親はみかんぬとこみかんを交互に見つめ、納得したような表情を浮かべてスープを口に運んだ。</p><p>「こみかん、みんないなくなんないから安心しな。</p><p>みんなずーっと一緒だよ。」</p><p>母親の力強い笑顔にこみかんは安心したのか、ほっとしたような表情を浮かべて食事を始めた。</p><p>「うん！こみかんおとうさんとおかあさんとおねえちゃんとずっといっしょにいる！」</p><p>「ところで、みかんぬ」</p><p>普段から口数の少ない父親がみかんぬに話しかけた。</p><p>「ん？」</p><p>「おまえは、何かやりたい事とか夢みたいなものはないのか？」</p><p>みかんぬはその言葉に少しドキっとするが、それを表情に出さないよう取り繕う。</p><p>「うーん、やりたいことねぇ。</p><p>私は今がとても楽しいから、これからもずっとこのままがいいなっていうのが夢かな。」</p><p>「そうか。」</p><p>「うん」</p>
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<link>https://ameblo.jp/boukenmikan/entry-10009645897.html</link>
<pubDate>Thu, 02 Mar 2006 12:09:57 +0900</pubDate>
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<title>１７話　みかんぬの家４</title>
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<![CDATA[ <p>家族全員が朝食後すぐに家を飛び出したので、その後片付けをしながらみかんぬはため息をつく。</p><p>洗い物をする手が冷たい。</p><p>こみかんはすぐ横のテーブルで、歌のような、鼻歌のようなものを歌いながらながら絵を描いている。</p><p>みかんぬは後悔の念にかられた。</p><p>本当はカン太の事をそんなに怒っていた訳ではない。</p><p>あんな事を言えばカン太が傷つくのもわかっていたし、言うつもりもなかった。<br></p><p>みかんぬはカン太のキラキラとアムステルダムの方向を見つめる表情にどうしようもない苛立ちを感じた。</p><p>理由はわかっている。</p><p>いつも失敗しているけれど、いじけることも諦めることもなく挑戦し続けているカン太。</p><p>夢を持っている人にしかない未来を見据える目。</p><p>目標を持ち、それに向かって迷うことなく進んでいくカン太。</p><p>カン太は自分が持てないものを持っていて、それが羨ましいから。</p><br><p>だって私は、みかん農園の娘だもの。</p><p>この先ずっと、ここでみかんを作るのが私の務めだから。</p><p>私はそれが嫌いじゃないし、みんなのためになるんだもの。</p><br><p>みかんぬは片付けが終わると農作業のための服から普段着へ着替えようと自分の部屋に戻る。</p><p>部屋に入るとベッドの脇に置いてある一冊の本が目に付く。</p><p>その本をのぞけば、生活に必要なものしかみかんぬの部屋には置いていない。</p><p>みかんぬはしばらくの間本をじっと見つめ、今日はもう本を読みたくないと思い枕の下に隠した。</p><br><p>「おねえちゃん、こみかんえをかいたよ！」</p><p>こみかんがノックもせずに勢いよくドアを開けて、とたとたと走ってくる。</p><p>「こみかん、人のお部屋に入る時はノックしなさいって言ったでしょ」</p><p>「これがこみかんでね、これがおねえちゃんでね、これがおかあさんでね、これがおとうさん！」</p><p>みかんぬの注意など全く耳に入っていないようで、こみかんは嬉しそうに絵の説明を始める。</p><p>背の高さでしか区別のつかない４人の絵は、みかん農園に立っていた。</p><p>こみかんと思われる人物の足元にはなぜかオムレツのようなものが沢山並んでいる。</p><p>みんなにこにこ笑って、手の所にみかんがある。</p><p>「こみかんは絵が上手だね・・」</p><p>こみかんの無邪気な絵を見ていると、目にじわっと涙が浮かんでくる。</p><p>この絵は、こみかんにとっての幸せそのものなんだろう。</p><p>見ている者に暖かい気持ちを与える絵だ。</p><p>こみかんはみかんぬに絵を誉められて、にこにこと嬉しそうにほっぺたを赤らめる。</p><p>「こみかんはしょうらいえかきになるの。</p><p>こみかんとおねえちゃんとおかあさんとおとうさんとみかんをいっぱいかくんだよ！</p><p>あとおむれつもかく！」</p><p>「この絵、ほんとうに上手だね・・・こみかんはきっといい絵描きさんになるよ」</p><p>みかんぬはこみかんの頭をくしゃくしゃと撫でた。</p>
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<link>https://ameblo.jp/boukenmikan/entry-10009298428.html</link>
<pubDate>Mon, 20 Feb 2006 20:38:08 +0900</pubDate>
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<title>１６話　みかんぬの家３</title>
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<![CDATA[ <p>「また小魚アーモンドかよ」</p><p>二人がおやつを食べていると、みかんの木の後ろ側から声がした。</p><p>声のした方向へ頭を向けると、みかんぬの幼馴染が立っている。</p><br><p>「カン太」</p><p>「毎日毎日よく飽きねーよなお前ら。</p><p>新しいものへのチャレンジ精神ってものが欠けてるぜ」</p><p>カン太は二人の前に立ち、小ばかにするように両手を軽くあげる。</p><p>「うるさいな～。おいしいんだよこれ。」</p><p>「おいしいんだよ！」</p><p>みかんぬがむっとして言い返すとこみかんも3倍くらい大きな声で言い返した。</p><br><p>「まぁうまいのはわかるんだけどよ。</p><p>いつまでもそればっかりじゃ～ダメってことさ。</p><p>今日はお前らに俺様の素晴らしい開発商品を見せてやろうというわけだ。」</p><p>「うわ・・また商品開発したの？」</p><p>みかんぬが苦虫を噛みつぶしたような顔でカン太が手に持っているバスケットを見る。</p><p>カン太が得意げに手に持ってきたバスケットから何かを取り出す。</p><br><p>それは瓶に入った飲み物のようだ。</p><p>少し緑がかっていて、白く濁っている。</p><p>何か黒いものが点々と見えるのは種だろうか。</p><p>「えーと・・ジュース？」</p><p>「じゅーすー？」</p><p>「まぁ飲んでみ？果汁たっぷりだぜ」</p><p>牛乳が入っていたコップに注ぐと液体は余計白く濁った。</p><p>「こみかんものむ！」</p><p>こみかんは自分のコップに注いでもらうと、嬉しそうにコップの中を見つめた。</p><br><p>みかんぬは思い切ってごくんと飲み込んでみる。</p><p>とたんに胃の奥からこみ上げてくる不快感で戻しそうになる。</p><p>「んんん・・・なにこれ・・・」</p><p>「オレんちで採れたキャベツのジュースだぜ。</p><p>はちみつと小魚も入ってて体にいいんだ。</p><p>飲みやすいようにおまえんとこで取ったみかんも少し入ってる。</p><p>オレはこのジュースを街で売って儲けるんだ！」</p><p>カン太がキラキラとした表情でアムステルダムの街の方角を見つめる。</p><p>カン太の夢はあの街にたくさん詰まっているのだろうか。</p><br><p>「うえぇぇぇぇええぇぇおぐぢがぎぼぢわるい～～～～」</p><p>こみかんが泣きながら口からどばーっとジュースをこぼしていた。</p><p>あまりのまずさにショックを受けたようだ。</p><br><p>「はは、こみかんにはまだちょっと早い味だったかな。」</p><p>カン太はこみかんの反応を気にしていないようだった。</p><p>「ちょっとこんなものにひとんちのみかんを勝手に使わないでよ・・」</p><p>みかんぬはこみかんの口の周りや洋服をぬぐい、ほらもう大丈夫だからと言いながらこみかんを抱き上げた。</p><br><p>「おっと、心配しなくていいぜ。</p><p>おまえんちのみかんもこのジュースで使ってるって宣伝してやるからよ。</p><p>これでおまえんちのみかんも評判が上がってもっと売れるようになるわけだ。</p><p>ちゃんとその辺は考えてるから大丈夫だ！」</p><br><p>「違うわよばか！</p><p>そんなクソまずいジュースにうちのみかんが使われてるなんて知られたら、この先うちのみかんは一つも売れなくなっちゃうでしょ！！</p><p>あんたはいつも『キャベツキャンディー』だの『キャベツのキャベツ包み』だのロクでもないものを作るけど、味見するほうの身にもなってほしいわ！」</p><p>みかんぬはこみかんを抱きかかえたまま家の中に走って行った。</p><p>カン太はぽかーんとしてみかんぬを見ていた。</p><p>みかんぬは言い過ぎたと思い家の中からそっと外を見てみるが、すでにカン太はいなかった。</p>
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<link>https://ameblo.jp/boukenmikan/entry-10009276809.html</link>
<pubDate>Mon, 20 Feb 2006 08:29:24 +0900</pubDate>
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<title>１５話　みかんぬの家２</title>
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<![CDATA[ <p>こみかんの頬がこれ以上ない位ふくれている。</p><p>テーブルについたこみかんが絶望的な表情を浮かべ、恨みがましい顔をみかんぬに向けたのはつい先程のこと。</p><p>「あぁ～！こみかんのおむれつがない！」</p><p>小さい体からよくそんな大きな声がでるもんだと感心する。</p><br><p>今朝の朝食はパンと牛乳と、こみかんの嫌いなゆでたまご。</p><p>こみかんの大好きなプレーンオムレツはどこにもない。</p><p>知らん振りして朝食をもくもくと食べていると、こみかんがあたりをキョロキョロと見回して自分のオムレツがないかどうか見ている。</p><p>「こみかん、早くごはん食べなさい」</p><p>母親がこみかんをしかると、こみかんは相変わらず頬をふくらませたままみかんぬを指差して叫んだ。</p><p>「おかあさん、おねえちゃんがこみかんのおむれつたべちゃったよ！」</p><p>「何言ってんだいこの子は。</p><p>まだ寝ぼけてるのかねぇ」</p><p>母親はこみかんのコップに牛乳を注ぎ、さっさと飲みなさいと促す。</p><p>父親は今日の市のことが気になって、周りのやりとりが目に入ってないようだった。</p><br><p>あぁ、この子は純粋なのかバカなのか・・・。</p><p>嘘をつかれたとは思わず、食べられたと思うらしい。</p><p>みかんぬはちょっとかわいそうな事をしたと思い、しょんぼりとするこみかんの頭を撫でた。</p><p>「こみかん、ごめんね。</p><p>お姉ちゃんゆでたまごとオムレツ間違えちゃった。</p><p>オムレツは明日お姉ちゃんが作ってあげるね」</p><p>「おねえちゃん、ほんと！？」</p><p>「うん」</p><p>こみかんの表情がぱっと明るくなりにこにこしながらパンをかじる。</p><p>みかんぬは、こみかんの笑顔は小さい花が咲いたようでとてもかわいいと思った。</p><p>「でもこみかん、おかあさんのおむれつがいい」</p><p>みかんぬはこみかんをかわいいと思ったことを訂正した。</p><br><p>朝食が終わるとすぐに食器を片し、農園に出る準備をする。</p><p>こみかんは嫌いなゆでたまごの黄身を残し、白身だけ食べるなと母親にしかられている。</p><p>黄身のパサパサした食感が苦手らしい。</p><p>黄身を食べたら明日オムレツを作ってあげると言われて、もごもごするのを我慢して食べていた。</p><p>あんな簡単に食べ物で釣られて、あの子は大丈夫なんだろうか・・。</p><br><p>御機嫌のこみかんの手を引いてみかん畑に着くと、早速みかんをもぎはじめる。</p><p>両親の手つきはさすがで、とてもすばやくみかんをかごに入れていく。</p><p>みかんぬも頑張らねばと気合いを入れてもいでいく。</p><p>こみかんは背が低いしまだ幼いので、地面に落ちてしまったみかんを集める係り。</p><p>まだ使えそうなものはジュースやジャムに加工して売る。</p><p>こみかんも立派に家計の助けになっている。</p><br><p>日が大分のぼり、そろそろ市場へみかんを持っていく事になった。</p><p>山と積まれたみかんの香りがさわやかで、心地良い空気を胸いっぱいに吸い込む。</p><p>市はアムステルダムの広場で行うらしいが、みかんぬはまだ行ったことがない。</p><p>どんな場所なのだろうかと興味はあるけれど、都会を恐れる気持ちもある。</p><p>両親が荷車を押してアムステルダムへ行き、みかんぬとこみかんは農園に残された。</p><br><p>「こみかん、休憩しようか」</p><p>「うん！！」</p><p>かごに入れてもってきた牛乳と小魚アーモンド。</p><p>みかん畑の端においてあるベンチに腰をかけ、二人でぽりぽりおやつを食べる。</p><p>みかんぬはこの時間がとても好きだ。</p><p>こみかんが小魚を口に運ぶ姿は、リスが木の実を食べているようでとても愛らしい。</p><p>他所の人から二人はそっくりだと言われるが、こみかんほど意地汚くないとみかんぬは思った。</p>
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<pubDate>Thu, 09 Feb 2006 09:21:13 +0900</pubDate>
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<title>１４話　みかんぬの家１</title>
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<![CDATA[ <p>もう寝なくては。</p><br><p>みかんぬは窓辺の質素なカーテンをそっと開けて外の様子を見た。</p><p>広大なみかん農園は月の光を受けて、わずかに木々の輪郭をみかんぬに伝える。</p><br><p>日の出と共にみかんをもぐ。</p><p>朝の早いうちにもいだみかんはその日の内に街へと運ばれて、生活の資金へとなっていく。</p><p>それは明日も明後日も、この先ずっと変わらない事。</p><p>私の世界は、このみかん農園にあるのだ。</p><br><p>みかんぬはベッドに潜り込んでため息をついた。</p><p>目を閉じると家族の顔や知り合いの顔が浮かぶ。</p><p>明日もこの人達に会って、他愛ない話をして笑うのだ。</p><br><p>日々の生活は決して嫌いなことではない。</p><p>平和そのものの毎日は、確実に幸せな日々をくれる。</p><p>食べ物に欠くこともなければ、こうしてあたたかく眠ることもできる。</p><p>これ以上の事を望むなんてことは許されない。</p><p>今日1日の幸せを神様に感謝し、みかんぬは意識を閉ざしていく。</p><p>枕元には、ヨーロッパ諸国の旅が記された冒険記が一冊。</p><p><br></p><br><p>「お母さんおはよう」</p><p>「おはよう、こみかん起こしてきてくれる？」</p><p>食堂では母親がせっせと朝食の準備をしている。</p><p>準備を手伝いつつこみかんの部屋に行くと、小さい毛布の塊はくーくーと音を立ててまるまっている。</p><p>毛布をはがすと小さな塊が余計小さくなり、中から小動物のようにまるまった子供が一人。</p><p>こみかんは小さく口を開けて、枕に涎の跡をつけながら眠っている。</p><p>ぷっくりとした白い頬がとても愛らしく、丸みのある手が毛布を健気に握っている。</p><p>まだ5歳だというのにこんな早朝から起こすのはかわいそうだが、仕方ない。</p><p>まだ柔らかい短めの髪をくしゃっと撫でてこみかんを起こす。</p><p>「朝だよ。起きな」</p><p>「んん～～～」</p><p>閉じた目をさらに強く閉じ、きゅっと丸まって眠さと戦うこみかん。</p><p>はがした毛布をひっぱって再び体をくるみ起きる気配がない。</p><p>そんな様子を見るのも楽しいが、あまりもたもたしている時間はない。</p><p>みかんを街へ持っていく時間が減れば、それだけ収入が減ってしまう。</p><p>特に今日は大きな市のある日。</p><p>この日を逃してはいけない。</p><p>「こみかんぐずぐずしないで。</p><p>今日はちゃんと起きるってお約束でしょう」</p><p>「まだねむいぃ」</p><p>いつまでもぐずるこみかんに多少の苛立ちを覚えてしまう。</p><p>「今日の朝ごはんはこみかんのだ～い好きなプレーンオムレツだったんだけどなぁ～。</p><p>こみかん寝てるならお姉ちゃんこみかんの分もたべちゃお～っと。」</p><p>みかんぬがそう言った途端こみかんはがばっと起き出し、必死で着替え出す。</p><p>こみかんは食べ物に弱い。</p><p>今起きたと思えないほどこみかんの表情はキラキラしていた。</p>
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<pubDate>Wed, 08 Feb 2006 21:20:39 +0900</pubDate>
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<title>１３話　たびはじゅんちょー</title>
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<![CDATA[ <p>有田みかんぬです。</p><br><p>楽しい航海の日々は続き、交易もとってもと～～～～っても楽しく行う中、また少し洋服をグレードアップしました。</p><p><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/37/9a/10004535312.jpg" target="_blank"><img height="374" src="https://stat.ameba.jp/user_images/37/9a/10004535312_s.jpg" width="189" border="0"></a> </p><p>王子様いえいっ。</p><br><p><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/73/cb/10004535329.jpg" target="_blank"><img height="157" src="https://stat.ameba.jp/user_images/73/cb/10004535329_s.jpg" width="156" border="0"></a> </p><p>すっごい満足そうでしょ。</p><br><p><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/94/bb/10004535354.jpg" target="_blank"><img height="150" src="https://stat.ameba.jp/user_images/94/bb/10004535354_s.jpg" width="200" border="0"></a> </p><p>で、エメラルドグリーンが美しいさわやかなアフリカの海へ飛び出しました。</p><br><p><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/e3/54/10004535384.jpg" target="_blank"><img height="101" src="https://stat.ameba.jp/user_images/e3/54/10004535384_s.jpg" width="200" border="0"></a> </p><p>PKされました。</p><p>このまま3年くらい旅できそうです。</p><br><p><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/48/46/10004535415.jpg" target="_blank"><img height="150" src="https://stat.ameba.jp/user_images/48/46/10004535415_s.jpg" width="200" border="0"></a> </p><p>おどろおどろしいアフリカの海</p><br><p><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/e7/9a/10004535446.jpg" target="_blank"><img height="374" src="https://stat.ameba.jp/user_images/e7/9a/10004535446_s.jpg" width="141" border="0"></a> </p><p>ぼくのそうびよ　さらば</p><br><p><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/aa/24/10004535466.jpg" target="_blank"><img height="374" src="https://stat.ameba.jp/user_images/aa/24/10004535466_s.jpg" width="169" border="0"></a> </p><p>いえいいえいっ</p>
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<pubDate>Wed, 08 Feb 2006 10:02:32 +0900</pubDate>
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<title>１２話　新たな出会い</title>
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<![CDATA[ <p>有田みかんぬです。</p><br><p>それはポルトガルの冒険者ギルドの前で起こりました。</p><p><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/3a/2e/10004534958.jpg" target="_blank"><img height="180" src="https://stat.ameba.jp/user_images/3a/2e/10004534958_s.jpg" width="220" border="0"></a> </p><p>いつものようにギルド前の掲示板を見ている人たち。</p><p>しかし今日は白くおおきな頭が目に飛び込みます。</p><br><p><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/33/da/10004535042.jpg" target="_blank"><img height="176" src="https://stat.ameba.jp/user_images/33/da/10004535042_s.jpg" width="220" border="0"></a> </p><p>まわりに溶け込んでいるようでいて全く溶け込んでいません。</p><p>あわわ・・・なんだあの人。</p><br><p><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/59/2c/10004535007.jpg" target="_blank"><img height="185" src="https://stat.ameba.jp/user_images/59/2c/10004535007_s.jpg" width="220" border="0"></a> </p><p>さらに近づいてみるとその様子は歴然。</p><p>明らかにおかしいです。</p><br><p>そんな出会いを経て</p><br><p><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/0f/c1/10004535109.jpg" target="_blank"><img height="361" src="https://stat.ameba.jp/user_images/0f/c1/10004535109_s.jpg" width="133" border="0"></a> </p><p>今ではすっかり仲良しです。</p><br><p>そんな彼の名前はそりまち。</p><p>愛船は「そるてぃー・まなぶ号」です。</p><br>
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<pubDate>Wed, 08 Feb 2006 09:37:56 +0900</pubDate>
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<title>１１話　ぷ～るぽあん</title>
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<![CDATA[ <p>有田みかんぬです。</p><p>航海も少しだけ慣れてきました。</p><p>嬉しいことに、ようやくあの忌々しい服から着替えることができました。</p><p>なんと、当初目標だったプールポワンも手に入りました。</p><p>こうもあっさり手に入っちゃうなんて、交易ぐへへです。</p><br><p>その後ネーデルランドに戻ったら偶然ぷぇーに会えました。</p><p>どうやらぷぇーもプールポワンを手に入れたみたいですね。</p><p>並んでみると、顔立ちがそっくりで不思議です。</p><p><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/2b/40/10004534546.jpg" target="_blank"><img height="356" src="https://stat.ameba.jp/user_images/2b/40/10004534546_s.jpg" width="214" border="0"></a> </p><p>発見！ぷぇーの履いているファーブーツがとってもかわいいです！</p><p>ピロシからぷぇーがファッションリーダーだっていう噂を聞いたことがあるんですが、さすがです。</p><p>ノルウェー方面の町に売っているそうなので、今度行った時に買おうと思います。</p><br><p>・・・なんだかぷぇーの方が顔が小さくみえるのは気のせいでしょうか。</p><p>気のせいであってほしいんですが。</p><p>きっと気のせいです。</p><p>気のせい・・・</p><p>うん・・・</p><br><p>**　おまけ　**</p><p><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/11/d1/10004534712.jpg" target="_blank"><img height="186" src="https://stat.ameba.jp/user_images/11/d1/10004534712_s.jpg" width="171" border="0"></a> </p><p>ダブリンの町で出会ったぶんた。</p><p>ぶんたも一緒に旅をすることになりました。</p><p>きっと語尾は「○○だワン！」</p>
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<link>https://ameblo.jp/boukenmikan/entry-10008865815.html</link>
<pubDate>Wed, 08 Feb 2006 08:21:58 +0900</pubDate>
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<title>１０話　ただいま！</title>
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<![CDATA[ <p>有田みかんぬです。</p><p>処女航海から半月後、ロンドンでのお仕事も無事に終えてアムステルダムに帰ってきました。</p><br><p>ロンドンは重厚な雰囲気のある町で、アムステルダムよりも人の動きがあるように感じました。</p><p>なんとあのシェイクスピアがロンドンにいると聞いたのでお家を訪ねてみると、お前と話す時間はないというような事を言われてしまいました。</p><p>人から聞くには、身なりの整った人には冒険で役立つことを教えてくれたりするらしいのです。</p><p>間違いなくこの服のせいでお話させてもらえませんでした。</p><p>この前よしおさんのお母さんが船に放り投げた風呂敷と柄が似ていてすごく恥ずかしかったです。</p><p>またこんどオシャレできるようになったら再び訪ねてみたいと思います。</p><br><p>アムステルダムのギルドマスターに報告したとき、よくやったと頭をくしゃっと撫でてくれました。</p><p>正直できるか心配されていたようです。</p><p>でも、報告は違う人にするのだそうです。</p><p>間違えちゃってちょっと恥ずかしいなと思いながら報告したら、お金を貰いました！</p><p>初めてのお給料、感激です。</p><br><p>この日は、夜が明けるまで酒場でお祝いをしました。</p><p>クリステルさんはお酒が大好きみたいで、ガバガバ飲んでいました。</p><p>よしおさんは酔っ払ったクリステルさんに首を絞められてヒィヒィ言ってました。</p><p>クリステルさんとよしおさんの上下関係はすっかり決まっているようです。</p><p>よしおさんは助けてと言っていましたが、面白いので助けませんでした。</p><p>最初の頃の優雅なよしおさんはどこへいったのでしょうか。。。</p><br><p>牛乳と小魚アーモンドも久し振りなので山盛り頼んで、名倉さんと食べました。</p><p>この時の名倉さんはとてもニコニコしていて、なんだか自分までニコニコしちゃいます。</p><br><p>次の日冒険者ギルドで偶然会ったぷぇーに、積荷の空いた分で品物を売り買いする「交易」というものをしたほうが収入が良くなるということと、「プールポワン」というかわいい服があるということを教えてもらいました。</p><p>ただそのプールポワンという服はナントという遥か東の町まで行かないと売っていないのと、とても高価なものだそうなのです。</p><br><p>次の目標はプールポワンを手に入れることです。</p><p>ぷぇーとお揃いで着ようねってお話をしました。</p><p>とっても楽しみです。</p>
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<link>https://ameblo.jp/boukenmikan/entry-10008654336.html</link>
<pubDate>Thu, 02 Feb 2006 14:31:27 +0900</pubDate>
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<title>９話　出航！</title>
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<![CDATA[ <p>有田みかんぬです。</p><p>わくわくしちゃって眠れません。</p><p>だって、ついに出航の日がやってきたのです。</p><p>みかん農園からこの街へ来たときの感動、初めて海を見た時の感動をさらに超える感動です。</p><p>冒険者としての最初のお仕事を、無事に果たせますように。</p><p>そしてさっさとこの変な服とサヨナラしてかわいい洋服に着替えたいです。</p><p>いい加減慣れてきたけれど、どうみても左右違うタイツはナシだと思います。</p><br><p>みんなが来る前にギルドへお仕事をもらいに行きました。</p><p>こんな朝早くからギルドは運営しているなんてすごいです。</p><p>ギルドマスターさんなんか明らかにとても眠そうで、白目になってます。</p><p>最初のお仕事は、ロンドンでステンドグラスについて調べてくるみたいです。</p><br><p>みんなぼちぼち集合して、そろそろ出航することになりました。</p><p>そういえばよしおさんとクリステルさんに船を見せるのは初めてかもしれません。</p><p>よしおさんは興味深そうにあちこちを見て回っていました。</p><br><p>冒険者ギルドで操帆についてなど最低限必要な事は教えてもらったのですが、せっかくベテランぽい人も船員さんになってくれたので経験者に聞きながら進んでいこうと思います。</p><br><p>出発の前に、みなさんにこれから宜しくお願いしますと頭を下げました。</p><p>そうしたらクリステルさんが、あんたがボスなんだから堂々としていればいいと言ってくれました。</p><p>他の人たちもうなずいたり笑顔だったり、暖かい応援を貰いました。</p><p>それで気持ちが高ぶってしまって、ちょっとだけ涙が出てきました。</p><p>これから始まる冒険は、こんな素敵な人たちに囲まれてつまらないものになるわけありません。</p><br><p>目的地はロンドン！みなさんよろしくお願いします！</p><p>涙を見られるのが恥ずかしいから頭を一度下げて、走って船室へ行きました。</p><br><p>船室の中で気持ちを落ち着かせていたら、突然甲板の方からひぃぃいという声が聞こえてきました。</p><p>何事かと思って甲板に飛び出してみると、よしおさんが碇をあげながら叫んでいました。</p><br><p>どうやらよしおさんはフナムシが嫌いなようで、碇を繋いでいる綱についていたフナムシが手に乗っかってしまい、フナムシだぁぁと言いながら手を振り回しています。</p><p>クリステルさんが海なんだからフナムシくらいいて当たり前だろう、情けないこと言ってないでさっさと碇をあげなと言ってよしおさんのおしりを蹴り上げていました。</p><p>しぶしぶ碇をあげるよしおさんは、ものすごくへっぴり腰になっていました。</p><br><p>名倉さんが綱を船のヘリを擦るように碇をあげるよしおさんを見て、テメェ船が傷むじゃねぇか、それでも船乗りかと言ってよしおさんの頭をはたいてました。</p><p>するとよしおさんが、僕は実際の船に乗るのは初めてなんだから仕方ないじゃないか！と言っていました。</p><p>クリステルさんがアンタ船のことはまかせてくれたまえとか言ってたじゃないさと言うと、よしおさんは知識はある！実際にやったことがないだけだ！と言いました。</p><p>よしおさんは知識だけでどうにかなると思っていたんでしょうか。</p><br><p>しょうがねぇな、俺がお前を鍛えてやる。まずはお前は床掃除からしな！</p><p>名倉さんが颯爽と碇をあげながら言いました。</p><p>何で僕が掃除なんか・・・クリステルさんはそうつぶやくよしおさんのおしりをもう一度蹴り上げて、文句言ってる暇があるならさっさとしな！と言いました。</p><br><p>海の人達は中々気性が荒いようです。</p><p>でも普通なら船を下りろと言うと思いますが、あえて基礎から教えてあげようとする名倉さんとクリステルさんを、厳しくても優しい人だなと思いました。</p><br><p>とにかくよしおさんに対してドキドキする気持ちが一瞬にしてなくなったのがわかりました。</p><p>やっぱりこれは恋じゃありません。</p><p>恋であるわけがありません。</p><p>まさかね。</p><br><p>それにしてもよしおさん、貴族の割には掃除の手つきがなかなかいいです。</p><p>掃除をするのは全く初めてではないのでしょうか。</p><br><p>よしお～！</p><p>そんなことを思っていると港からよしおさんを呼ぶ女性の声が聞こえました。</p><p>見てみると、中年の女性がふろしきを持って走ってきました。</p><br><p>母ちゃん！</p><p>よしおさんがそう呼ぶ女性は、どうみても貴族ではなく一般市民の服装でした。</p><p>女性がよしおさんを見つけると、風呂敷を船に放り投げました。</p><br><p>また父ちゃんの一張羅を勝手に持ち出して！</p><p>さっさと風呂敷の中の服に着替えてその服をかえしな！</p><br><p>よしおさんはお母さんの言葉を受けて、周りの人をきょろきょろ見て真っ赤になりながらいいじゃねぇかちょっとくらい！と言いました。</p><p>どうやらよしおさんが着ているちょっと品のいい服は、お父さんの物みたいです。</p><br><p>冗談じゃないよ、私と父ちゃんの思い出の服なんだよ！</p><p>船になんか乗ったら潮風で痛んじまうじゃないか、それくらいもわからないのかい！</p><br><p>よしおさんはしぶしぶ中の服に着替えて、元着ていた服をお母さんの方へ放り投げました。</p><p>よしおさんのお母さんは他のメンバーに向かって、どうしようもないバカ息子ですがどうぞ宜しくお願いしますと頭を下げて帰っていきました。</p><br><p>よしおさんのお母さんが投げた風呂敷の中には洋服の他に航海の安全を祈るお守りと、たくさんのおにぎりが入っていました。</p><p>今日はなんて日だ・・・とよしおさんはつぶやいていましたが、風呂敷の中を見るよしおさんの表情はとても嬉しそうでした。</p><br><p>ヨセフさんとすぐるさんが帆を勢いよく張ると船は少しずつ進み出し、陸が少しずつ遠くなっていきます。</p><p>とても小さい船なので、小規模の海賊にも狙われやすいらしいです。</p><p>ちょっぴり不安になりながらも名倉さんやクリステルさんがついているという心強さが、冒険への夢を後押ししてくれます。</p><br><p>どこまでも青い空と海を見つめながら、みんなでよしおさんのおかあさんが作ってくださったおにぎりを食べながら、ロンドンへ向かっていくのでした。</p><p>とてもおいしかったです。</p><br><p>ちなみによしおさんはカモメにおにぎりを取られていました。</p><p>よしおさんはカモメにむかって本気で怒っていました。</p><p>しょうがないので、よしおさんにおにぎりを半分あげました。</p>
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<link>https://ameblo.jp/boukenmikan/entry-10008650185.html</link>
<pubDate>Thu, 02 Feb 2006 11:50:43 +0900</pubDate>
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