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<title>F235K</title>
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<description>今はもう離れたけど、故郷に住んでいたその時の中学校の頃のこと、今はもう旅立ってしまった人のことの思い出を中心に書いています。</description>
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<title>グラタンパンと宮崎美子とピカピカの君</title>
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<![CDATA[ <p></p><div>　僕は車を運転する時、特定のミュージシャンは別にして、だいたい70〜80年代くらいの、自分が思春期の頃の音楽を流して聴いている。<br></div><br>　話は変わるが、中学生の時、同じクラスにバスケットボール部に所属しているＩ君というクラスメイトがいた。<br>　彼は体が大きく、運動神経も良く、不良生徒たちとも仲良くできるが、ちゃんとまじめにもできる男子で、言わば、クラスの顔的存在だった。<br>　性格も明るくて人柄もいいため、クラスの誰からも慕われていた。<br>　中一の時、４時間目が終わり、弁当の時間になる少しの時間、彼から<br>「グラタンパン買いに行こう」<br>　と言われて、一緒に学校を出て、パン屋さんに行ったことがある。<br>　そこは僕の知らない所で、近いのかと思ったら意外に距離があり、僕はお金を持ってなかったので、半分くらい食べさせてもらったのか、それともただ行くのに付き合っただけだったか、よく憶えていない。<br>　ただ、グラタンパンという食べ物を初めて見た（食べたのも？）。<br>　知らない場所を開拓するのはワクワクするし、とても楽しい時間だった。<br>　学校から無断で外に出ることはルール違反と知っていたが、近そうだし、退屈だったし、まあいいか、と思ったが、帰ってきたら担任も他のクラスメイトも、もう弁当を食べていて、僕らが教室に入ると、何だか一瞬、空気がシラーッとなったような気がした。<br>　黙って、カバンから弁当を取って、食べようとしたら、担任から呼ばれて<br>　「お前らどこ行ってたんだ？」<br>　と叱られた、<br>　ちょっと外に出かけただけでうるせえな、と思い、それが面倒臭くてもうそれ以降はしなかったが（もう一回くらいしたかな？）、まあ、今考えると僕らが悪い。<br>　しかし、あれから僕は、グラタンパンのファンになった。<br>　また彼は、アイドルに詳しく、売れる前の堀ちえみに目をつけていた。<br>「ちえみちゃんが可愛い」<br>　などと話しているので、誰のことかと思っていたら、堀ちえみが売れて、テレビに出始めたので、<br>「あ〜、この子のこと言ってたのか〜」<br>　と思った。<br>　ただ、彼が「可愛い、可愛い」と力説していたので、僕の中で見る前の堀ちえみに対するハードルが上がってしまって、もちろん可愛いと思ったが、グラタンパンほどは好きになれなかったし、僕には憧れの君の方が何倍も可愛かったので、別に興味を持つことはなかった。<br>　彼とは小学校が違っていて、初めて会ったのは中一だったが、当時、木陰で女性が服を脱ぐと、下が水着で、それを新発売カメラで誰かが盗み撮りしている、というテレビのCMが人気を博していた。<br>　今だとYouTuberに見つかって、私人逮捕の対象にされそうなCMだが、その女優がそれまで見たことのない女優で、それは誰かとずいぶん話題になった。<br>　その女優は、当時まだタレントでもない女子大生の宮崎美子で、ずいぶん人気になって、僕も興味をもった。<br>　彼もそうだったようで、その頃、恐らく道でたまたま会ったのだと思うが、そのCMの写真？カード？を持っていて、「今、買ってきたんだ」と言って、僕に見せてくれた。<br>　宮崎美子が笑って写っている、CM通りの写真で、なんとなくそれを持っている彼に対して「大人だなあ」と思った記憶がある。<br>　その帰り道「家どこ？」と聞かれて、二人で家の方角に向かったのだが、その頃、僕は家とか家族がちょっと辛くなっていた頃で、何を考えたか、彼に「ここだよ」と言って、近所の家を自分の家と嘘をついて教えてしまった。<br>　彼はすごく良い人だったし、これから仲良くしたいなあと思っていたのに、自分がなぜそんな嘘をついたのか、いまだによくわからない。<br>　Ｉ君にはずっと申し訳なく思っている。<br>　いつか謝って本当のことを言いたいと思っていたが、付き合いがそれ以上深くならず、その機会を逸してしまった。<br>　先日、車の中でいつものように70〜80年代の音楽を聴いていたら、あのCMの歌が流れてきた。<br>「今の君はピカピカに光って…」<br>　Ｉ君の大きな体と豪快な笑顔が頭に浮かんで、ドライブがちょっと楽しくなった。<br>　自然と僕はその歌を聴きながら、君をイメージしていた。<br>　あの頃の宮崎美子も可愛いかったけど、やっぱり君の方がもっともっと素敵だ。<br>　あの頃ももちろん君はピカピカに光っていたし、亡くなってずいぶん経った今だって、僕の心の中でピカピカに光っている。<br>　僕の中では何も変わらない。<br>　ずっとずっと、呆れ返るほど素敵なのだ。<br>　なんだか急にグラタンパンが食べたくなってきた。<br><p>　今日は帰り際にパン屋さんに寄って、グラタンパンを買って帰ろう。</p><p><br></p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20231224/20/ccd758506/17/ca/j/o0933093315381015814.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20231224/20/ccd758506/17/ca/j/o0933093315381015814.jpg" border="0" width="400" height="400" alt=""></a><br></p><br>　<br><p></p>
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<pubDate>Sun, 24 Dec 2023 20:40:47 +0900</pubDate>
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<title>運動会とフライングと流星のような君</title>
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<![CDATA[ <p></p><div><br></div>　僕が今まで勤めてきた中学校の体育祭は、応援合戦やレクリエーション的クラス対抗種目などがあり、みんなで楽しむ要素が強いが、僕が中学生の時の体育祭は、ちゃんとタイムを計る陸上競技会的な要素が強いものだった。<br>　だから足の速い者はやり甲斐があるのだろうが、僕のような運動神経の鈍いミソッカスは、お茶を濁す程度に徒競走くらい出て、あとは時間つぶしにおしゃべりや、前に座ってる奴の頭に小石をぶつけたりして、いたずらすることにエネルギーを注ぐ、といった感じだった。<br>　<br>　一年生の時に「ただ走るより面白そう」と思い、立候補して障害物競走に出たが、ハードルのほとんどに引っかかって転倒しまくり、最下位かブービーくらいでゴールしたら、得点が低かったせいか、担任の先生から、生ゴミに塗れて死んでいるネズミを見るような目で睨まれた。<br>　あれほど人から「忌々しい」とか「虫酸が走る」といった視線で見られたのは生まれてこのかた初めてだったので、ひどくびっくりした。<br>　二年生の時、三年生女子のリレーを見ていたら、憧れの君とその親友たちが、僕らの前を走り抜けようとした部活動の先輩の女子に<br>　「〇〇せんぱーい！」と応援の声を上げたその刹那、僕の横にいた卓球部のN君が間髪入れず<br>　「✖️んじまえ！」と怒鳴ったので大爆笑した。<br>　今なら問題になるかもしれないが、当時は言われた方もそんなに気にもしてないだろうから、いい時代…というか、まあのんびりしていたのだろう。<br>　三年生の時の徒競走では、最後の体育祭だから君にいいところを見せたいと思い、ピストルが鳴る直前に飛び出し、フライングを繰り返した。<br>　ピストルを撃つ役の教師に「ふざけるな！次やったら失格にするぞ！この野郎！」と悪鬼のような顔で恫喝され、仕方なくピストルの音と同時にスタートして、ビリから2番目でゴールした。<br>　そんな情けない僕に比べて、君は毎年、クラス対抗リレーのメンバーに選ばれ、グラウンドを我が物顔で疾走していた。<br>　白い肌を赤く染め、流星の如きのスピードで、他のクラスのランナーを追い抜きながら、「友情の証」とばかりに仲間にバトンを渡していた。<br>　そして仲間の走る姿を心配そうに見守る表情や、仲間と結果を喜び合う向日葵のような明るい笑顔に、僕はすっかり魅了されていた。<br>　滴る汗を太陽に乱反射させ、眩しいほどにキラキラと輝く君は、生きているとはこういうことだと世界中に主張しているかのようだった。<br>　そんな美しい君に、神が嫉妬したのか、短距離走を駆け抜けるかのごとく、早すぎる人生のゴールテープを切らされた君が不憫でならない。<br>　流星の如く走っていた君は、流星の如く僕らの前から姿を消してしまった。<br>　悲しくてしかたない。<br>　<br>　僕のただダラダラと歩いているような人生の長距離障害物競走も、もう恐らく2／3は過ぎたと思う。<br>　僕は君のように美しくもなければ輝いてもいないが、もう少し顔を上げて、僕なりのスピードで、ラストランを全うしたい。<br><p>　君がどこかで応援してくれ、ゴールテープを切る時に、君がそこで待っててくれたら、とても嬉しいと思う。</p><p><br></p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20231217/20/ccd758506/0d/37/j/o1024102415378206223.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20231217/20/ccd758506/0d/37/j/o1024102415378206223.jpg" border="0" width="400" height="400" alt=""></a><br></p><br><p></p>
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<pubDate>Sun, 17 Dec 2023 20:46:22 +0900</pubDate>
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<title>電車と知り合いの女の子と君に似た女の子</title>
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<![CDATA[ <p></p><div>　高校一年の冬だったろうか。<br></div><p>「あの子、入院してるらしいよ」</p><p>　中学の時の友だちの家にたまたま遊びに行ったその帰り際、君が入院してると聞いた。</p><p>　「たまたまケガとか、すぐ治るような病気で入院しただけさ」</p><p>　って思っていた。</p><p>　だってあんなに元気だった君が重い病気を患っているなんて信じられるわけがなく、君と重病なんて鳥が地を這い、亀が空を飛んでいるような、あり得ないような出来事だった。</p><p>　僕の知っている君は、それこそ鳥のように自由で、素敵な笑顔でいつもキラキラと輝いていたのだから。</p><p>　そうしたらある日の学校の帰り、電車の中で君らしい人を見た。</p><p>　僕の左横、数m離れたところに立っている女の子がよく似てる。</p><p>　ちょい混みだったから近くに行って確認はできなかったけど、見れば見るほどに似ていた。</p><br>「ほら、退院してるじゃない🎵」<br>　やっぱり大したことなかったんだ！良かった！…って思った。<br>　だけど見ているうちに自信がなくなってきた。<br>　あれ？君じゃないかも…。<br>　その女の子は僕の知っている君とはどこか違った。<br>　あんなにおしゃれで女の子らしさに気を使っていた君なのに…あれ？…なんか…どこか…違うぞ。<br>　なんとも言えない違和感を持った。<br>　時間は平日の夕方で、先程君が通っているはずの学校の生徒たちが制服でいるところを見たのに、その女の子が制服を着ておらず、私服でいるところにも疑問を感じた。<br>　別人か…、と考えたりしたその時、<br>「久しぶり。元気？」<br>　と、突然声をかけられた。<br>「えっ?」<br>　僕のすぐ目の前の席に座っている、別の女の子が、こっちを見て笑ってる。<br>　最初は気づかなかったが、その女の子は中学の時の塾にいた隣町の女の子だった。<br>　塾にいた頃よりずいぶんおしゃれに気を使い、女の子らしくなっている。<br>　着ているどこぞの女子高の制服も可愛らしい。<br>　元気？学校どこ行ったんだっけ？最近どう？…<br>　互いに質問し合い、話が盛り上がってしまった。<br>　それなりに楽しかったが、それでもやっぱり僕はあの君似の女の子のことが気になっていた。<br>　話しながらも横目でチラチラと見て、やっぱり違うよなあ…なんて確認していた。<br>　駅に着いて<br>「じゃあね」<br>　と、前に座っていた塾の女の子に別れを告げ電車を降りようとすると、一つ向こうのドアから君似の女の子も降りようとしていた。<br>「同じ駅で降りるのか…やっぱり彼女かな…」<br>　その女の子が出ようとした扉は、僕の前にある扉よりも改札に繋がる階段に近かった。<br>　電車を降りると、その女の子と僕の間にはそれなりの距離と人々の塊があった。<br>　距離を縮めようとしたが、意外に人が多く、なかなか近づけなかった。<br>　人々の間をすり抜けて、その女の子の真後ろに追いついたところは、ちょうど改札だった。<br>「ひょっとして…」<br>　と思った瞬間、その女の子は改札を抜けて突然、ダッシュで走り去って行ってしまった。<br>　僕はその姿をただ茫然と見送ることしか出来なかった。<br>「人違いだろ…」<br>　と思うようにしたが、その女の子が消えて行った夜の駅前の商店街の灯りが、いつもより暗く淋しく感じ、なんだか僕だけ線を引かれた外側に取り残されたような気持ちになった。<br>　そしてほどなくして君の訃報を聞いた。<br>　後に君の病気について調べたら、その電車の中で出会った君似の女の子に、僕が持った違和感の謎が少し解けた。<br>　もちろんその女の子が僕の好きだった君なのかどうかわからないけど、いずれにしても本当につらいことだったと思う。<br>　僕が少しでも、君を救ってあげることはできなかったろうか。<br>　あの時、あの女の子が君だとして、声をかけていたならば、何かが変らなかったろうか。<br>　例えば僕を憎んで、そのエネルギーで君の病状が好転するならば、僕はそれで良いのだ。<br>　今だってさして変わりはしないけど、あの頃の僕は自分のことしか考えず、逃げてばかりの弱虫だった。<br>　声をかけるなんて大した勇気じゃないのに、あの頃はそんなことで胸が張り裂けそうだった。<br>　結局、あの女の子が君なら、生きている君を見た最後になってしまった。<br>　僕はそれから数年して家を出て、今では全く違う地域に住み、駅も改築され当時とは改札の位置も変わったが、ふるさとの駅に降り立つ度、あの日の淋しさ、虚しさが今も雨雲のように心を包みこみ、その風景を暗くさせる。<br><p>　走って街中に消えて行った君似の女の子は今も消えたままで、どこに向かって追いかけたらいいのか、探したらいいのか、全くわからない。</p><p><br></p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20231212/05/ccd758506/45/b5/j/o1024069215375938513.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20231212/05/ccd758506/45/b5/j/o1024069215375938513.jpg" border="0" width="400" height="270" alt=""></a><br></p><br><p></p>
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<pubDate>Tue, 12 Dec 2023 05:52:58 +0900</pubDate>
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<title>卒業文集と冬の光と君</title>
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<![CDATA[ <p></p><div><br></div>　中三の冬、もう卒業を意識し始めた頃、帰りの会で担任の先生がいきなりこんな言葉を僕らに投げかけた。<br>「卒業文集委員って決まっていたっけ？」<br>　その瞬間、男子のほとんどが僕の名前を叫んだ。<br>　きっと誰かが面白がって言ったのだろうが、全員がそれに乗っかった。<br>　僕は当然<br>「ええーーーっ！？そんなの決まってねえよー！」<br>　と叫んだ。<br>　しかし驚くべきことに担任は、僕の顔をチラと一瞥しただけで<br>「じゃああいつでいいや」<br>　と簡単に言い放った。<br>　僕は再び<br>「えええーーーっ！？」<br>　と叫んだ。<br>「イエーーィ！！」<br>　みんなの歓声がクラスにこだました。<br>　そんなことを任されたら放課後も残らなくちゃいけないだろうし、作業もそれなりにあるだろうし、面倒なことこの上ない。<br>　僕は絶望的な気持ちになった。<br>　そしてそれは次に起こるであろう事態を予測したことも含めてだった。<br>　次に担任は<br>「じゃあ女子は誰だっけ？」<br>　とみんなに投げかけた。<br>　やっぱりそう来た。<br>　するとやはり男子の大半が反射的に<br>「○○！○○！」<br>　と、君の名を叫んだ。<br>　あちゃー。<br>　僕が君のことを好きだと知っているから、みんな面白がって言っているのだ。<br>　君はとても素敵な女の子で、僕が君のことを好きなばかりに、もう一年くらいこんなふうになっている。<br>　特に今日のこれはいつもより厳しい。<br>　僕は君に申し訳なくて、いたたまれなかった。<br>　『うわ〜、最悪だ…これでは完全に嫌われてしまう…』<br>　僕は思わず下を向いて頭を抱えた。<br>　教室に、男子による君の名前の『〇〇』コールが響く。<br>　流石に僕の時とは違い、担任はちょっと躊躇ってから君の方を向いて<br>「○○、いいのか？」<br>　と聞いた。<br>　すると君は、周囲が醸し出す猛烈な圧を感じながらも、担任の方をまっすぐ見て、<br>「はい…わかりました。いいです。」<br>　と答えた。<br>「おおーーーっ！」<br>　男子からさらに大きな喚声が上がった。<br>「！？」<br>　君が返事をした瞬間、僕は思わず顔を上げて君を見た。<br>　その時、男子の興奮は頂点に達していたが、君の凛とした姿勢が、燃え盛る花火に水をかけたが如く、程なくそれを静かに消した。<br>　その後、皆の注意は明日の予定などを黒板に書き出した担任の方へ向いたが、僕だけは君の表情を見つめていた。<br>　君は皆と同じように黒板を見ていた。<br>　僕の頭の中のミキサーが驚愕と喜びをぐるぐると掻き回し、脳内を相当混乱させていたが、僕は吸い込まれるように、ずっと君を見ていた。<br>　とても綺麗な横顔だった。<br>　窓から差し込む冬の光が、雪のように白い君の肌に反射し、美しさを際立たせていた。<br>　君はいつもより心もち頬を赤らめているような気がした。<br>　君にとってもそれなりに勇気のいる返答だったのかも知れない。<br>　なんで君が受けてくれたのかはわからないが、君が「いいです」と言ってくれた時、僕は本当に嬉しかった。<br>　廊下から入り込む隙間風に冷やされた体と心が、一気に温まった気がした。<br>　今でも感謝の気持ちでいっぱいだ。<br>　あんなに嬉しいことはそうはなかった。<br>　僕の永久保存版の思い出だ。<br>　あの頃は、お日様が君の生を祝福するかのように、いつも君を照らしていた。<br>　それから2年もしないうちに、雪がせせらぎに変わるが如く君はいなくなってしまった。<br>　雪の結晶のように美しく、君の思いとは別に、短い君の人生だったけど、僕の心の中で君はずっと生きている。<br>　<br><p>　僕は君が大好きだったんだ。</p><p><br></p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20231203/21/ccd758506/b7/ee/j/o1024069615372524226.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20231203/21/ccd758506/b7/ee/j/o1024069615372524226.jpg" border="0" width="400" height="271" alt=""></a><br></p><br><p></p>
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<pubDate>Sun, 03 Dec 2023 21:10:57 +0900</pubDate>
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<title>シン・仮面ライダーと生徒会長と一番強いのは君</title>
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<![CDATA[ <p>　映画「シン・仮面ライダー」の冒頭シーンで、仮面ライダーがパンチ、キックでショッカー戦闘員を血だるまにしていた。<br>「ああ、俺は子供の頃からこれがしたかったんだ、こんなふうになりたかったんだ」<br>　と改めて思った。<br>　僕は体が大きくないし、運動も得意でなかったから、学生時代、スクールカーストでいえば、下から数えた方が早い方だった。<br>　不良に脅されたこともあるし、圧力を感じて理不尽な思いもしたし、それで諦めたこともたくさんあった。　<br>　だから強くなりたかった。<br>　強くなって、自分の気持ちを曲げない人になりたかった。<br>　<br>　中学校三年生の頃、球技大会の時だったか、他のクラスの生徒たちとサッカーをしていたら、長ランを着て、ボンタンを穿いた不良たちが無理矢理乱入して来た。<br>　僕を含めて大半の生徒が、彼らを恐れてプレーを止めたが、違うクラスの一人の真面目でスポーツの得意な生徒が、ボールを蹴ろうとする彼らの前に立ちはだかり、彼らが入ることを認めた上で、ちゃんとサッカーをしようとした。<br>　初めはそれを面白がった不良たちだったが、元々技術も体力もないので、その生徒を突破できないことに苛立ち、いきなり履いていた先の尖ったエナメル靴で彼の腹部を蹴り、倒れる彼に罵声を浴びせて立ち去って行った。<br>　彼はお腹を抑えてしばらくうずくまっていた。<br>　<br>　やはり中三のある日、生徒総会で、生徒たちのおしゃべりが止まらず、雰囲気がめちゃくちゃ浮ついたものになった時があった。<br>　僕は係の関係で壇上に座っていたが、僕も生徒総会について意欲などなかったので、自分の仕事が終わった後は、隣の者とおしゃべりをしていた。<br>　登壇者の話など誰も聞かず、体育館は生徒の私語で、大騒ぎになった。<br>　すると、僕と同じように壇上に座っていた生徒会長が、すっくと立ち上がり、マイクの前で話している者を一旦制して、自分がマイクの前に立ち、おもむろに一言叫んだ。<br>「うるせえええーーーーーっ！！」<br>　あまりの迫力に体育館は一瞬で静かになり、その後は正常に生徒総会が進んだ。<br>　<br>　先の話も後の話も、どちらも先生がいないはずはないのだが、大人は何もしなかった。<br>　特に球技大会のことは完全な暴力なのに、少なくともその場で不良に何のお咎めもなかった。<br>　先生たちは、僕みたいな体が小さくて弱い者ばかりを殴っていた。<br>　中学生くらいの男の子は、腕力の強さが一つの判断基準であり、ある種の序列に繋がっていたことは、決して間違いではないと思う。<br>　もし僕がケンカが強かったら、不良もやたら絡んでこないし、先生も無闇に僕を殴ったりはしなかっただろう。<br>　僕は子供の頃は仮面ライダーに憧れ、その後、プロレスラー、ボクサー、格闘家など強い者に憧れ、自分でもずっと格闘技をしていた。<br>　しかし格闘技をしてみるとわかるのだが、弱い、強いなんて比較の問題だし、余程の者でなければ、その時その時に真摯に練習している奴が結局、一番強い。<br>　不良だから強いなんてことはないし、自分以外に強い奴はいっぱいいるし、それこそケガや病気になれば、強い奴もその時は弱いのだから、強さなんて言うのは非常に刹那的なものだ。<br>　腕力の強さなんていうのは大して価値のあることではなく、本当に強い奴というのは、優しさと正義感、そして勇気という、心の強さを持った奴をいうのだと思う。<br>　心の強さがない奴は所詮、腕力を持ったところで人から信頼されないし、大切な人は守れない。<br>　それ故、僕は、初めに書いたあの頃の二人を、同級生ながら尊敬してしまう。<br>　彼らは中学生ながらにして、心の強さを持っていた。<br>　僕は弱くて自分勝手で、勇気もなかったから、彼らのような行動はとてもできなかった。<br>　目の前のことから逃げて、ヘラヘラとその場をやり過ごしていただけだ。<br>　大好きな君に、自分の気持ちを打ち明けることもできなかった。<br>　そんな僕が、後に過酷な運命に翻弄される君を守れるわけもない。<br>　君は自分に全く非などないのに、病魔に襲われても、勇気を持ってそれに立ち向かって行った。<br>　怖くて、痛くて、寂しくて、つらい戦いだったろうに。<br>　君は亡くなってしまったが、優しく美しい君の笑顔は、ずっと僕の心に残っている。<br>　僕は格闘技の世界で有名な人や、チャンピオンにも会ったことがあるが、君の方がずっと強いと思う。<br>　仮面ライダーよりカッコいい。<br>　そんな君の面影を追いながら、少しでも君に近づきたくて、今日もサンドバッグを叩く。<br>　もし、いつかまた会えたら、今度は君を守れるような人間になっていたい。<br>　</p><p><br></p><p></p><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20231126/21/ccd758506/7e/a4/j/o1080150815369581557.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20231126/21/ccd758506/7e/a4/j/o1080150815369581557.jpg" border="0" width="400" height="558" alt=""></a></div><p><br></p><p><br></p>
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<pubDate>Sun, 26 Nov 2023 20:10:02 +0900</pubDate>
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<title>進路面談とガロと君</title>
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<![CDATA[ <p>　中学三年生の二学期の終わり、進路に関する三者面談があった。<br>　普段仕事で家を何ヶ月も空ける父親がたまたまいて、母親と一緒に面談に来たものだから四者面談になった。<br>　その頃、僕はいわゆる受験勉強など全くする気にならず、成績はガタ落ちしていた。<br>　親に言われてそれまでずいぶん勉強したんだから、もういいだろうという気持ちだった。<br>　成績の急降下についても自分としてはやっていないし、やる気もないんだからそれも当然と、さして気にもしていなかった。<br>　その頃の僕は、そういうことがどうでもよくなっていた。<br>　しかしそれは担任教師や両親にとっては大事だったらしく、面談の雰囲気はずいぶん重く、その後、家に帰ると両親から<br>「お前なぞ、俺たちの子ではない」<br>　と言われた。<br>　血縁が、とか言うドラマのような話ではなく、この親不孝者めが！という意味なのだろうが、<br>　『成績が下がる＝自分たちの子ではない』ということなら、両親にとって僕の存在価値は成績だけなのかと思った。<br>　元々『そうなんじゃないか？』と疑念はあったが、いつもは殴る父親が殴らないので、かえって納得した。<br>　そんなのはクソ喰らえと思ったが、まだ子どもだから腹も立つし、悲しくなるし、ショックで絶望感もあったのだろう。<br>　当てつけで死んでやろうと思った。<br>　塾に行くと、僕の様子が余程おかしかったのか、普段はそれこそ成績の話しかしない塾の講師たちが<br>　「どうした？なんかあったのか？」<br>　などとやたら心配して聞いてきた。<br>　こいつらも煽るだけ煽っといて今更何言ってんだと思って、余計に腹が立ってきた。<br>　塾の帰り、電車に飛び込んでやろうと思って、駅のホーム白線の外側ギリギリに立っていた。<br>　電車がホームに入ってきた。<br>　だんだん近づいてくる。<br>　運転士が僕に気づき、危ないと感じたのか、プアーン、プアーンとかなり大きな音をたて、警笛を鳴らしまくり、僕を威嚇した。<br>　度胸も根性もない僕は、その音とあまりの剣幕にびっくりして、引き戻されるように後退りをした。<br>　とりあえず未遂に終わって、そのまま家に帰ったが、両親から再び蔑むような言葉や冷たい視線を浴びせられ、逃げるように自室にこもり、眠れない夜を過ごした。<br>　<br>　翌日、学校に行った。<br>　君がいた。<br>　いつものように仲間に囲まれ、ニコニコ笑っていた。<br>　笑顔がとても眩しかった。<br>　窓から入る太陽の光を全て反射させているように輝いていた。<br>　本当に可愛くて素敵だった。<br>　君を見て、死ぬのなんてやめた。<br>　大人たちの勝手な都合や思い込みで、死のうなんて思ったことがバカバカしくなった。<br>　この世には君がいる。<br>　だからこの世は光に満ち満ちている。<br>　君の笑顔が見られるならば、もっと生きていたいと思った。<br>　君をさらに、それまで以上に大好きになった。<br>　君は僕の夢であり、希望だった。<br>　<br>　その後、学期の終わりに配られた通信簿の担任所見欄には、成績が落ちたことに対してだろう<br>　「思い知ったか」<br>　と、一言だけ書かれていて、あとは何もなかった。<br>　担任の先生は、よほど僕のことが嫌いだったのだろう。<br>　やっぱり大人は何もわかってねえな、と思った。<br>　僕はたかが成績のことなんかで、何一つ思い知ってなどいない。<br>　やりたくないことはやりたくない、やりたいことを優先したいと思っただけで、何のダメージもない。<br>　その頃は「ガロ」の世界に没頭し「ガロ」のような漫画を描きたいと思っていたのだ。<br>　改めて思い知ったことがあるとすれば、それは君の美しさであり、君が生きていることの素晴らしさだった。<br>　君は光り輝いていた。<br>　本当に僕には眩しかった。<br>　君がいなければ僕はもう一度同じことを、今度は気合いを入れて再挑戦していたかもしれない。<br>　なんの皮肉か、僕を救ってくれた君が先に逝ってしまった。<br>　君に何もしてあげられなかったことが本当に悔しく、悲しかった。<br>　後に、お墓参りに行って気がついたのだが、君の戒名に「光」という字が入っていた。<br>　お坊さん、よくわかってんじゃん…と思った。<br></p><p><br></p><p><br></p><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20231120/21/ccd758506/4b/dd/j/o0918131815366966127.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20231120/21/ccd758506/4b/dd/j/o0918131815366966127.jpg" border="0" width="400" height="574" alt=""></a></div><p><br></p>
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<pubDate>Sun, 19 Nov 2023 20:13:15 +0900</pubDate>
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<title>西武球場と思い出と君に逢いたい</title>
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<![CDATA[ <p>　今は遠いけど、実家にいた頃は近かったので、昔から西武球場によく野球を観に行った。<br>　西武ライオンズは敵だけど、西武球場が一番好きだ。<br>　狭山丘陵の緑と南海ホークスのチームカラーの緑が、青空によく映えて、とても綺麗だった。<br>　そこでの思い出もたくさんある。<br>　<br>　割と最近の思い出だが、プロボクサーをしている元教え子から、野球観戦中に電話が来た。<br>　ちょうど応援してるホークスのチャンスだったけど、慌てて席を離れて、球場の隅に走った。<br>　電話の向こうで、彼がこう言った。<br>「先生、俺、引退するよ」<br>　予感はあった。<br>　彼は中学校を卒業後、すぐ海外に渡りボクサー修行を始め、一時は日本チャンピオン、世界２位まで駆け上がったが、最近は敗戦が続いていた。<br>　傍目にも、体にダメージが溜まっていることが感じられた。<br>　僕は彼をずっと応援をしていて、国内はもちろん、海外にまで応援に出かけたこともあった。<br>　ジムで一緒に練習もしたし、後楽園ホールで戦ったこともある。<br>　彼が異国で深い孤独の中、一人星を眺め、身を削りながら戦っていることもよく知っていた。<br>「先生、俺、〇〇中学校で本当に良かった。俺、〇〇中じゃなかったら悪くなってた。今まで本当にありがとう」<br>　そのどこか晴れやかな声がかえって、10年以上に渡って己の全てをかけて戦っていたプロボクサー生活にピリオドを打つことを受け入れた、淋しさと決意を感じさせた。<br>　僕も彼に夢を見ていた。<br>「こちらこそ、ありがとう」<br>　そう伝えて電話を切ったが、一緒に追いかけていた夢の終焉にあふれる涙を止めることができず、僕はドーム内の盛り上がりを遠雷の如く感じながら、一人、スタジアムの隅で泣いた。<br>　<br>　南海ホークスが身売りされたショックで、その後20年間、僕は野球を見ることがなかった。<br>　しかし、幼い息子が野球に興味を持ち、<br>「父ちゃん、球場に連れてってくれ」<br>　と言うので、それこそ20年ぶりに西武球場に行った。<br>　昔と違って屋根があったが、久しぶりに帰って来た感じがあって、気分が高揚した。<br>　試合中、とても盛り上がった時にトイレに行きたくなり、観たいだろうと思って息子をスタンドに座らせたままトイレに行った。<br>　息子は、知らない誰かに唆されても動くような子ではなかったが、すぐ済ませてスタンドに帰って来たら、息子が野球を見ずに、淋しげな表情で僕を探していた。<br>　やっぱり初めて来たところで、不安だったんだなあと思い、ごめんごめんと言いながら、ぎゅっと抱きしめた。<br>　最愛の息子とスタジアムに来れた喜びをかみしめ、この子を幸せにするために、石に齧り付いてでも生きていこうと思った。<br>　<br>　西武球場の行き帰りはいずれも、車かバイクで多摩川に沿って走るが、特に帰りは真っ暗で、遅い時間を走ることが多い。<br>　何となく生まれ育った故郷の匂いもするし、僕は星を見ながら16歳で亡くなった君を思い出す。<br>　暗い空に君の笑顔を描き、風の音を君の声に変える。<br>「君に会いたいなあ」<br>　口から勝手に言葉が漏れる頃、どうしたら会えるんだろう？と考えてしまう。<br>　10代や20代半ばくらいまでの頃は真っ暗な夜道を走ると、君に会うため、このまま対抗車線に飛び出てみようかとか、横の壁にハンドル切って激突してみようか、などとバカなことを考えることもあった。<br>　今はそんなことは全く考えない。<br>　僕は10代の頃は君から、20代半ば以降は生徒や自分の子どもたちから、生きることの素晴らしさ、美しさを教えてもらった。<br>　そして君から教えてもらった生命の大切さを、生徒や子どもたちに伝えている。<br>　彼らの笑顔や彼らと過ごす楽しい日々が、僕に元気や勇気を与えてくれる。<br>　いつか君に会えることがあったら、彼らの素晴らしさや彼らとの思い出を、いっぱい君に話したい。<br>　きっと君は時にはお腹を抱えて笑い、時には涙を浮かべて聴いてくれるだろう。<br>　まだまだそんな日を迎えるわけにはいかないけれど、これからも子どもたちといっぱい関わり、君に会える時までにたくさんのエピソードを仕入れ、また君の素敵な笑顔を見たいと思う。<br>　そして、いつかまた生まれ変わって、どこかで出会うことがあったら…<br>　一緒に野球を観に行こうよ。<br></p><p><br></p><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20231119/10/ccd758506/0d/f1/j/o1080081015366243239.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20231119/10/ccd758506/0d/f1/j/o1080081015366243239.jpg" border="0" width="400" height="300" alt=""></a></div><p><br></p><p><br></p><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20231119/10/ccd758506/c1/54/j/o1080143915366243244.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20231119/10/ccd758506/c1/54/j/o1080143915366243244.jpg" border="0" width="400" height="532" alt=""></a></div><p><br></p>
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<pubDate>Sun, 19 Nov 2023 10:19:16 +0900</pubDate>
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<title>ソフィー・マルソーと君とハート型レコード</title>
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<![CDATA[ <p>　僕らが中一の頃、「ラ・ブーム」というフランスの映画が上映された。<br>　ソフィー・マルソーという、僕らとほぼ同世代の女優が主演のラブストーリーだった。<br>　ちょうど誰もが恋に恋する頃、君も友だちと連れ立って観に行ったと、楽しそうに学校で話していた。<br>　僕は「きっと可愛い女の子とイケてる男の子がいろいろありながらも恋愛を実らせる話なのだろう」と、イケてない自分には「縁遠い話」だと思っていた。<br>　それでもしばらくして「ラ・ブーム」について君と話すことがあって、僕が「あの主題歌はいいよね」みたいなことを言ったら、君が「じゃあ２枚レコード持ってるから、１枚あげるよ」と翌日、学校に持ってきてくれた。<br>　それはジャケットにハートが大きく描かれ、また驚くことに、レコード自体も円ではなく、ハート型で作られていた。<br>　プレーヤーで再生できるのかな？と思ってかけてみたら、ギリ回転し、なんとか音が聴けた。<br>「愛のファンタジー」なんていう甘い題名の曲で、レコードもハート型という、なんとも男子が持っているのは気恥ずかしい気もしたが、君からのプレゼントなので、今でも大切に持っている。<br>　話はちょっと変わるが、あの頃、学校の比較的近くに、果物の名前がついたレコード屋さんが開店した。<br>　果物の名前の店名が、それまで地元にあったレコード屋さんよりオシャレに感じ、早速出かけて何かしらのレコードを買ったのだが、店の主人と思しき40代くらいのおばさんと何気なく会話をしたら、ニカッと笑ったおばさんの歯が尋常じゃないくらい真っ黄色だったのでビックリした。<br>　しばらくして、その店が「ビデオのダビングサービス」を始めたものだから、友だちが大好きな映画のレンタルビデオを空のビデオテープにダビングするようお願いしたら、その映画ではなく、東京12チャンネルのアニメの再放送が録画されててガッカリしたという話を聞いて爆笑した。<br>　その店は君の家から比較的近いから、君もそこで買ったのだろうか。<br>　もうお店は営業していないのに何年か前までお店の看板はそのまま出ていたような気がするが、僕の記憶違いだろうか。<br>　ふるさとの街は変貌して、もはやそこに君もいない。<br>　<br>　先日、ソフィー・マルソーの最新の映画を観た。<br>　安楽死をテーマにした考えさせられるものだった。<br>　観終わって外に出ると、夏の天気らしく、にわか雨が降ってきたけどその後すぐに止んで、雲のすき間から晴れ間がのぞいた。<br>　まさか君も一緒に映画を観て、ストーリーに心を打たれ涙したけれど、その後、すぐにいつもの素敵な笑顔の君に戻った…というわけでもあるまいが、まあそんな天気だった。　<br>　ソフィー・マルソーは、とても素敵な大人の女性になっていた。<br>　銀幕の中のソフィー・マルソーに君の姿を重ねてみる。<br>　君も生きていれば、きっと素敵な大人の女性になっていただろうに。<br>　いや…あの頃から僕は君のことを、縦から見ても横から見ても、ソフィー・マルソーなんかの何十倍も何百倍も可愛いと思っていた。<br>　容姿も声も、君が纏う明るい雰囲気、いや例えば泣いていても、君の全てが僕は大好きだった。<br>　生きていればフランスの女優なんか裸足で逃げ出すほどの素敵な女性になっていただろうに。<br>　早すぎる旅立ちが残念でならない。<br>　<br>　写真を撮ろうと思って、久しぶりに例のハート型レコードを引っ張り出してみた。<br>　手に取って見ていると、君がそこにいるような気がして嬉しくなり思わず両手で抱えると、今度は悲しくなって涙がこぼれた。<br></p><p><br></p><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20231116/22/ccd758506/90/14/j/o1080112315365316855.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20231116/22/ccd758506/90/14/j/o1080112315365316855.jpg" border="0" width="400" height="415" alt=""></a></div><p><br></p><p>　<br></p>
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<pubDate>Thu, 16 Nov 2023 22:44:49 +0900</pubDate>
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<title>夏とひまわりと君</title>
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<![CDATA[ <p>　もう夏真っ盛りだ。<br>　運動が得意で、汗をかくことが好きな君の季節だ。<br>　君の誕生日も近い。<br>　<br>　ひまわりを見に行った。<br>　夏の花だ。<br>　青空の下に、たくさん咲いている。<br>　ひまわりに囲まれると、君が近くにいるように感じる。<br>　満開のひまわりを見ていると、一本一本にそれぞれ、在りし日の君の笑顔が浮かぶ。<br>　友だちとお話しする君…バスケットボールをする君…合唱曲を歌う君…ノートをとりながら先生の話に耳を傾ける君…グラウンドを駆ける君…お弁当を食べる君…僕に話しかけてくれる君…。<br>　野原が君の笑顔で溢れてるよ。<br>　どれも本当に可愛くて素敵な笑顔だ。<br>　ひまわりの森の中で、泣いてしまうよ。</p><p><br></p><p>もう夏真っ盛りだ。</p><p>　運動が得意で、汗をかくことが好きな君の季節だ。</p><p>　君の誕生日も近い。</p><p>　</p><p>　ひまわりを見に行った。</p><p>　夏の花だ。</p><p>　青空の下に、たくさん咲いている。</p><p>　ひまわりに囲まれると、君が近くにいるように感じる。</p><p>　満開のひまわりを見ていると、一本一本にそれぞれ、在りし日の君の笑顔が浮かぶ。</p><p>　友だちとお話しする君…バスケットボールをする君…合唱曲を歌う君…ノートをとりながら先生の話に耳を傾ける君…グラウンドを駆ける君…お弁当を食べる君…僕に話しかけてくれる君…。</p><p>　野原が君の笑顔で溢れてるよ。</p><p>　どれも本当に可愛くて素敵な笑顔だ。</p><p>　ひまわりの森の中で、泣いてしまうよ。</p><p>　</p><div><p><br></p><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20231114/06/ccd758506/6f/e3/j/o1080144015364184099.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20231114/06/ccd758506/6f/e3/j/o1080144015364184099.jpg" border="0" width="400" height="533" alt=""></a></div><p><br></p><p><br></p><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20231114/06/ccd758506/f0/ee/j/o1080081015364184101.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20231114/06/ccd758506/f0/ee/j/o1080081015364184101.jpg" border="0" width="400" height="300" alt=""></a></div><p><br></p></div><p>　<br></p>
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<pubDate>Tue, 14 Nov 2023 06:30:54 +0900</pubDate>
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<title>体育館の水道と「あ、火事だ」と旧友再会</title>
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<![CDATA[ <p>　君と僕が通った中学校の何でもない一コマ。<br>　中３の時の僕たちの教室は一階の一番端っこ、体育館につながる鉄の扉の前にあった。<br>　体育の授業で体育館に行こうと、その扉を開けると、前の時間に体育をしてたと思われる他のクラスの連中が、水道で水を飲んでいた。<br>　するとそのうちの一人で、僕はあまり話したことはないが、学年の人気者が飲んでいた蛇口が突然外れてしまい、そこから水が勢いよく噴き出した。<br>　その蛇口を使っていた彼は慌てて、水が噴き出てくる穴を必死で抑えようとしたが、指の隙間から噴き出してくる水を抑えきれなかった。<br>　水は激しく噴き出し、いきなり彼の顔を襲った。<br>「ぶわっ！誰か…ぶわっ！頼む…ぶわっ！先生を…ぶわっ！呼んで来て…ぶわっ！くれ…ぶわー！」<br>　噴き出してくる水を抑えようとしながら彼は、大柄な体の頭から爪先まで全身に水を浴びながら、必死に叫んでいた。<br>「誰か！ぶわっ！頼む…ぶわっ！」<br>　誰も先生を呼びに行かず、大量の水を全身に浴びながら叫ぶ彼を見て、皆、爆笑していた。<br>　そのうち騒ぎを聞きつけて、また違うクラスの連中も集まってきた。<br>　やっぱり誰も先生を呼びになど行かず、その光景を見て大爆笑していた。<br>「おい！どうした！？」<br>　そこに、授業に来た体育の先生がようやくやって来て、なんとか水を止め、事態を収束させた。<br>　蛇口を外した彼は、南の島で突然のスコールを浴びたように、全身びしょ濡れだった。<br>　僕らはその姿を見て、さらに爆笑した。<br>　<br>　また、別の男子の話、中２の頃の教室。<br>　僕らの町では、午後0時になると消防署がサイレンを鳴らす。<br>　これはこの町に住む、僕らの常識だった。<br>　ある日の授業中、皆が黙って、静かにノートをとっていた時に、いつものように、普通に、当たり前に、午後0時のサイレンが鳴った。<br>　すると、クラスメイトの一人が<br>「あ、火事だ！」<br>　と言った。<br>　一瞬、間があって<br>「火事じゃねーよ！！！」<br>　クラスのみんなが彼に一斉にツッコんだ。<br>　そしてみんなで爆笑した。<br>　何年この町に住んでるんだ！？皆そう思ったことだろう。<br>　君も可愛い素敵な笑顔で笑っていた。<br>　また彼は、何か心の琴線に触れることがあると、それを<br>「するでえーーーっ！！（鋭い、の意、それの訛り）」<br>　という言葉で表現した。<br>　あの当時、その言葉が流行っていたかどうか、僕は彼からしか聞いたことがないのだが、昨今の若者が「エグい」や「ヤバい」という言葉を使うのと同様、彼は新しい語感で言葉を進化させていたのだと思う。<br>　また走る時に、両腕を伸ばして、軽く握った手首を返しながら<br>「ボーン、ボボーン！」<br>　と口でエンジン音を言いながら、バイク乗ってる風に走る姿も、今思えば、とても無邪気で可愛い。<br>　彼は体も大きく、剣道部の猛者として鳴らしているのだが、気持ちが本当に優しく、いつもニコニコしながら周囲を明るくしてくれた。<br>「気が優しくて、力持ち」を地で行く彼は、その頃の僕らの大切な仲間の一人だ。<br>　<br>　あの頃は、そんな風に、そこかしこにいつも笑顔があって、誰もがまだ見ぬ未来に希望を抱いて、今を楽しんでいた。<br>　その何でもない笑いが、これからもずっと場所を変えても一生続くと思っていた。<br>　あの時あの場所にいた者たちが、現在、どうなっているのか、地元を離れ、殆ど付き合いのない僕にはわからないが、誰もが楽しく幸せなことばかりではないだろう。<br>　生きることは楽しみより、悲しみばかりを数えて日々を過ごしていくことだと、大人になって気づいた。<br>　あの頃、クラスの真ん中で、夏の向日葵のように明るく笑い、誰よりも生を謳歌していた君が、誰よりも早く旅立ってしまった。<br>　君は僕らに「一瞬一瞬を懸命に生きていることの素晴らしさ」と「笑顔」がどれだけ人の心を温かくし、幸せをもたらすかを教えてくれた。<br>　君の旅立ちという深い悲しみの刃で、僕らは「命の大切さ」を痛みを伴って心に刻み込んだ。<br>　生前の君を思い出し、どんな困難が来ても笑顔を絶やさず、問題に立ち向かっていこうとしてるはずだ。<br>　きっと今も、君は僕らを応援してくれている。<br>　今日も自分の生き方を、青空のどこかにいる君に、問いかけてみる。<br>　虹の上から「もうすぐ雨は上がるよ」と君が微笑んでくれる。<br>　星に腰掛けた君が「こっちだよ」と袋小路の出口を照らしてくれる。<br>　君を思うだけで、僕の心の中には誰にも負けない自信と勇気がわいてくるんだ。<br>　<br>　<br>　<br>　先日、あの頃のクラスメイトと飲んだよ。<br>　君も知っている奴さ。<br>　小学校の時から付き合いのある奴で、昔からとても良い奴だ。<br>　二人で会うなんて、もう何十年ぶりだよ。<br>　とても楽しかった。<br>　僕も彼ももう、50を超える人生、やっぱりいろいろあったんだなあって思った。<br>「孤帆の遠影碧空に尽き　ただ見る長江の天際に流るるを」<br>　別れ際に李白の言葉が頭に浮かんだ。<br>　何人かの同級生のことが話題になって、話を聞くと、あの頃のみんな、一生懸命生きてるよ。<br>　みんな、とってもとっても良い奴らだったよね。<br>　僕もそうだけど、君もみんなのことが大好きだろう。<br>　みんなも君のことが大好きだったはずだ。<br>　空の上から、まだまだみんなのことを見守っててね。<br></p><p><br></p><p><br></p><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20231113/21/ccd758506/dd/45/j/o1080144015364078802.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20231113/21/ccd758506/dd/45/j/o1080144015364078802.jpg" border="0" width="400" height="533" alt=""></a></div><p><br></p>
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<pubDate>Mon, 13 Nov 2023 21:17:26 +0900</pubDate>
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