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<title>chuang206のブログ</title>
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<title>新建 文本文档_121</title>
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<![CDATA[ い郡长趣蛑盲俊￥饯欷贤瑫rに今まで感じてこなかった兄の苦労と無念さを知る機会でもあった。この日を境に兄からの連絡はぱたりと止まった。市井（しせい）の噂では実験体として知床（しれとこ）の地下に囚われているという声もある。それについては、正直、翔子は米粒ほどの希望も持ってはいない。兄は死んだと確信していた。証拠は無い。しかし妹の祥子は感じていた。兄は国に殺されたのだと。軍部だけではなく、日本の政（まつりごと）すべてに係わる人間によって葬られたのだと。彼女自身、東京ではテレビ局に勤め、様々な人間に出会い、社会の仕組みや組織、政治、権力の表と裏側を見てきた。そこには題目だけのきれいごとの合い間に醜く、愚かな人間の性（さが）が見え隠れしていた。その点では国民の誰もが加害者であり、また被害<a href="http://www.cvxzsaou.com/">ナイキ</a><br><a href="http://www.cvxzsaou.com/adidasアディダス-ig4-14.html/">ナイキ acg シューズ</a><br><a href="http://www.cvxzsaou.com/その他-ig4-13.html/">ナイキ air</a><br>者である。今更自分だけが国に兄を奪われた不幸な妹ぶるつもりなどない。ただ、人の世の不条理を承知したうえでも、現場にいて兄を見殺しにした人間に対しての憎悪は拭い去れなかった。実験地区NO.６６６にいて、未だに生存しているのは４名だけである。この４人は許せない。そのひとりが沖田春香だった。直接手を下していないにしても、翔子が沖田を仇と信じる理由がこれである。<br>　発足当時の独立組織「マシガニオ」に翔子を招いたのは沖田春香の父である沖田勝郎（おきた　かつろう）である。国防軍の英雄として、兄が尊敬していた数少ない軍人にひとりで、実験時の兄の直属の上司でもあった。ゾンビの影に恐れながら東京の安全地帯と呼ばれる場所を点々
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<link>https://ameblo.jp/chuang206/entry-11693913357.html</link>
<pubDate>Fri, 15 Nov 2013 12:51:56 +0900</pubDate>
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<title>N5747Z-23</title>
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<![CDATA[ 少女と死体と雪<br><br>　一つの大きな建築物があった。三階建ての大型ホームセンターの店舗で、日本中の何処ででも見られるような何の変哲も無い店だ。<br><br>　だが、その看板は風雨で汚れて錆び付き、店舗の周囲を囲むフェンスにはベニヤ板やトタンなどが何重にも貼られている。<br><br>　駐車場の車は一部に寄せられ、殆どがガソリンを抜かれているが、何台かの軽トラックだけが出入り口と<a href="http://www.uicpmodic.com/">omega アンティーク</a><br><a href="http://www.uicpmodic.com/プロフェッショナル-glrswp-13.html/">omega スピードマスター</a><br><a href="http://www.uicpmodic.com/プラネットオーシャン-glrswp-12.html/">omega 時計</a><br>思しき周辺に待期させられている。それらは店が希望者に貸し出す商品運搬用の軽トラックであり、車体側面に店の名前がプリントされていた。<br><br>　日常的な建物がバリケードで囲われている様は非常に奇妙で、見ていると得も言えぬ違和感と乖離性を感じさせる。周囲に広がる枯れた稲穂の残る田圃がその異様さを引き立たせていた。<br><br>　周囲を急造のバリケードで固めた異形の砦で炎が囂々と燃えさかっている。駐車場の真ん中で、何かに燃え移ることの無いよう周囲から孤立した場所で何かが燃えていた。<br><br>　炎の勢いは凄まじく、ここでアルミホイルに包んだ芋でも放り込めば良い塩梅に焼けるだろう。これが焚き火で、焼かれている物が落葉や芋ならば何とも和む光景なのだが。<br><br>　しかし、賑やかに囲まれる焚き火と異なり、この炎の隣には一人の女しか居なかった。また、どれだけ火勢が強かろうと誰も芋など決して投げ込みはしないだろう。<br><br>　燃えているのは積み上げられた人の亡骸なのだから。<br><br>　キャンプで使われる燃焼剤を滴る程にかけられた死体は、当初その燃焼剤の水気で中々燃えなかったが、一部が燃え始めると爆発的な速度で勢いを増した。定期的に薪代わりの廃材が投入されており、数時間もすれば後には骨にへばり付くように残る焦げ付いた肉だけが残ることだろう。<br><br>　「はぁ～……あったかい……」<br><br>　かつて人間だった物が焼かれている地獄のような火の隣に屈み込んでいた女が、正気を疑わせるような感想を零した。常人であるならば、死体が焼かれている炎で暖を取るといった狂気じみた発想は決してしないだろう。<br><br>　まるで神の不存在を試すかのような行動を取っている女は、年の頃に似合わぬ容姿をしながらもあどけなさを残した少女だった。<br><br>　大型犬を連想させる豊かにうねる金糸の長髪、一八〇ｃｍを越えながら細さを感じさせない立派な長躯。上半身を覆うフライトジャケットの胸部は溢れる反発に押し上げられている。<br><br>　何が楽しいのか分からないが、常に愉快そうな笑みに歪められる顔は炎の明かりに照らされて蠱惑的に色めいている。光の加減なのだろうが、その揺らめきの怪しさは見る物に彼女が慮外の生物であるかのように錯覚させた。<br><br>　「お前なぁ、よりによって人を焼いてる炎で暖取るなよ」<br><br>　少女は振り返ることなく、背後から足音も立てずに接近してきた相手の存在を判別する。むしろ、驚く素振りも無かったので声をかけられる前から存在に気付いていたのだろう。<br><br>　「そういうおやっさんこそ煙草咥えてんじゃん」<br><br>　彼女の隣に立った壮年の男は僅かに屈んで火から突きだしている廃材を掴み、それに灯った火を使って咥えた煙草に火を付けた。二等品の安っぽい煙草に火が移り、煙が立ち上る。<br><br>　「俺は良いんだよ、片付けに参加したんだ。火の切れ端くらい貰う権利はあるだろうよ」<br><br>　先端が赤熱し、炎の球が出来るとおやっさんと呼ばれた壮年の男性は廃材を再び炎の中に投じた。燃されていた廃材や、焼けて細くなった腕が崩れて小さな音を立てる。<br><br>　「それ言うなら私だって片付け参加したよ。でもさ、自分が吸う物の付け火が人間由来って何か嫌じゃない？」<br><br>　「それで暖を取ってる奴が何を言う」<br><br>　別に私は口にしてるわけじゃないからね、と少女は笑い、男は憮然とし胸に煙草のパッケージをねじ込んだ。<br><br>　「どのみち、人間が燃えて滲んだ成分が空気に漏れ出てるんだ、大して変わらん」<br><br>　周囲には腐肉が焼ける臭いが充満し、軽く舌先を擽らせれば顔に油が付着するのが分かる。全て燃された死体から滲み出た成分が大気中に飛散した物だ。結局、近くに居れば何一つ変わらない。<br><br>　彼等の前で焼かれている死体達は今となっては見る影も無いが、ほんの数日前までは腐汁を滴らせ、腐敗した臓物を引き摺りながらホームセンターを取り囲んでいた死に損ないの死体達であった。<br><br>　何処か愉快そうな音を爆ぜさせながら燃える彼等の頭部は例外なく破壊されており、例え燃やさなくても二度と動き出す事は無かったであろう。にも関わらず、態々燃料の一部まで使って死体が燃やされているのは感染症を防ぐ為だ。動いている間は仕方が無いが、動かなくなったのであれば用心の為に燃やしておいた方が良い。念に念を入れてくたびれ儲けに終わる方が、手遅れの病が蔓延するよりもずっとマシである。<br><br>　先程までは大勢の人間がビニール手袋をし、口をバンダナやタオルで覆いながら死体を運んでいた。ここを囲んでいた無数の死体だ、その数は積み上げて小山が出来上がったことから百体は下るまい。<br><br>　これもまだ一部で、多くが外に積まれている。なにせ量が量なので、全て燃やすと火が比喩ではなく火柱となり、乾ききった枯れ稲に燃え移る可能性がある。そうなっては目も当てられない。台風並みの大雨でも降らない限り、ここら一体は焼け野原になるだろう。<br><br>　慎重を期して小分けにして燃やしているので、燃やし尽くすには膨大な時間が必要になる。一日か、二日か、それともそれ以上か。<br><br>　うんざりするような作業で腰を痛めたのか、おやっさんは数度腰を捻った後で立ったまま前屈したり腰を反らせたりを繰り返す。もう三〇も越えているだろうに体は随分と韌であった。<br><br>　「しかしまぁ、直近の脅威が無くなったのは良いけど、逆に物騒になったねぇ」<br><br>　「お前が余計な物見つけたからな」<br><br>　少女は口を歪めて笑い、荷造り紐で作った急造のスリングにて吊られるＭＰ５Ａ５を背中から引っ張り出した。軽く婉曲したマガジンを有するそれは、警察の特殊部隊などで使われる短機関銃である。<br><br>　数日前の大雨の日、決死隊としてバリケードの外に出て物資を探し始めた彼女は偶然田圃に突っ込んで擱座していた警察の車両を発見する。何か役立つ物は無いかと漁ったそこには、何の因果か無数の銃器が搭載されていた。<br><br>　恐らく、死体が群れとなって動き出す事態に対応する為、何処からか運んでいた物だろう。しかし、その物資を積んだ運転手が何らかの原因で死体となって車はコントロールを喪失。そのまま田圃に突っ込んで今まで放置されていた訳だ。<br><br>　手近に放置されているパトカーなどは既に漁っていたが、田圃はホームセンターからかなり離れている上、建物に遮られてホームセンターから存在を確認することが出来なかったのだ。<br><br>　こんな事ならば、もっと状況が切羽詰まる前に見つかれば良かったのだが。しかし、そう願ったとしても事実は変わらない。<br><br>　緊迫し、暴発しかけた構成員が大勢居るコミュニティに無数の銃器が運び込まれたという事実は。<br><br>　何が理由かは分からないが、あのトラックにはＭＰ５だけで三〇挺以上。拳銃にしても９ｍｍを装填出来るＨ＆ＫＵＳＰが殆ど同数積まれていた。そして、これらの銃に使われる９ｍｍ口径の弾丸は数えきるのが馬鹿らしい程箱詰めにされている。<br><br>　数える程であるが、豊和工業製のＭ１５００ボルトアクションライフルもある。まるで特殊強襲部隊の装備見本市だ。<br><br>　何らかの悪意が働いているのではないかと錯覚させられる示し合わせだった。小口径で取り回しが良く、持ち歩きが簡単。そして比較的素人でも撃ちやすい大量の銃器。<br><br>　暴発しかけの、何時争いに発展するか分かった物では無いコミュニティにあってはならないものだ。<br><br>　今までコミュニティ内の平和は武装した自警団が守っていたが、この自警団は自衛隊員で戦闘の覚えがあるおやっさんと数人の自衛官を軸に維持されていた。彼等が安全の為に戦う気概のある男達を少し鍛え、内部での不和や侵入しようと押し寄せる死体共を撃退し続けていた。<br><br>　彼等は平和を維持する為に戦い、そしてコミュニティの中で暴力や悪事が蔓延しないようある程度の締め付けを以て風紀を正していたが、概ねの住民はこれに不満を抱いていなかった。<br><br>　外には自分達を貪ろうとする死体共が闊歩しており、彼等はそれから自分を守ってくれている。感謝こそすれ、態々暴発する理由がなかったのだ。<br><br>　しかし、締め付けられる側の人間に、当然の如くこれをよく思わない面々もいた。若く、血気に盛る青少年達だ。昼間に学校をサボったりする素行の宜しくない者達がそれなりにいたのだが、彼等はコミュニティの中で独自の集団とも言え、他の若者を自分達の所に集め、団体で行動することが多かった。<br><br>　最初は彼等も大人しくしていたのだが、その内不満が出てくる。大人しくしていろ、外に意味も無く出るな、不安かもしれないが必要も無いのに武器を携行するな。大人達は彼等をとことん押さえつけた。<br><br>　無論、それは単なる理不尽ではなく、コミュニティの内部で彼等に怯える女子供が出ないよう気を遣った措置だ。理に適っており、別段問題はない。<br><br>　当人達がどう感じるか以外には。<br><br>　度重なる注意は、若い彼等の反骨心を刺激してしまったのである。<br><br>　不満は募るし、武器は自警団員以外の携帯は非常時以外認めない。銃器は厳しく管理され、自分達には触れる事さえ赦されない。警備上全く不自然なことではないのだが、彼等にはそれが気にくわなくて仕方が無かったのだろう。<br><br>　最早外の世界では法がまかり通っているとは思いがたい。だったら、好き勝手やってもいいじゃないか、と素行の宜しくない者達が考えても不思議ではない。むしろ、順当な結果とも言えた。<br><br>　最初の内は言葉で自警団員に抗議したりもしたが、大人達は決してそれを受け入れなかった。一つ無法からの要求を認めたら、なし崩し的に二つ、三つと繋がりかねないからだ。<br><br>　とはいえ、無下にはね除けたり、無視を決め込んだわけでは断じてない。しっかりと、おやっさんを初めとする自警団の人間が、筋道立てて理由を挙げながら説明をした。<br><br>　しかし、その説明でも気が収まらないのか、彼等は増える死体に対処しきれなくなった自警団員が死体の処理をしないのを良い事に一般のコミュニティ参加者を煽り始める。<br><br>　理由は単純であり、大人達には理解し難い事だ。単に、気に入らないから。若人の暴走は大抵の理由がそれに尽きる。どれだけ説明されようと、世の中には理解できない者も少なからず存在するものだ。<br><br>　誰も彼等の相手なんぞしていなかったが、立て籠もりが長期に渡った場合、もしかすれば、という懸念も一般の参加者は抱いていた。<br><br>　そこに、大量の銃器だ。<br><br>　今は全て元々武器庫にしていた倉庫に纏めてあるのだが、最近意味も無く近くを彷徨く奴が増えた。なので、前の見張りは銃器を携行した三人に増やしている。<br><br>　鍵を管理している自警団の本部である警備員室も、常に最低で四人が短機関銃を持って詰めている。一重に若者達が暴発して暴れ出さないようにするための予防策だ。<br><br>　何故彼等がそこまで反発するのかは分からない。大人に反発したい気持ちよりも、重視すべき現実があろうだろうと大人は考える。<br><br>　だが、若者の中には嘗められたり自由に出来ないくらいなら全部ぶちこわした方が良いと考える者とて存在するのである。彼等は怏々にして倫理的な考え方ができないか、敢えて放棄しているのではないかと思わされた。<br><br>　とはいえ、彼等もコミュニティを滅ぼして全員が死ぬのを見たい訳では無い。そうならば、夜中にこっそり抜け出してニッパーなりを使ってバリケードを固定している針金やロープを切れば良いのだ。そうすれば、夜中の内に無数の死体が雪崩れ込み、誰も逃げ出す事も出来ず死体の仲間入りを果たすであろう。<br><br>　若者達が望むのは、そんな残酷で救いの無い死ではない。今まで社会がしてきたように、彼等を放任し、自由にさせ、そして少人数を支配したいだけなのだ。<br><br>　学校や家庭という小さな社会にさえ適応しなかった彼等は我慢するという事を知らない。予期せぬ事態で閉じ込められ、抑圧され、そして自由を剥奪される。それが我慢ならない。図式は極めて単純だった。<br><br>　要するに、我が侭な餓鬼なのだ。<br><br>　そんな危機感の足りない考えも、このホームセンターが比較的安全だから出来ているのだろう。死体に囲まれていようとも、バリケードが壊れて死体が山と入り込み数十人規模で人が死ぬと言った惨劇が起こった事は未だなく、プロの教練を受けた大人達は、ある程度簡単そうに死体を処理していく。<br><br>　その安全さが危機感を隠した。あの程度ならば自分でもできるのではなかろうか、そう考えてしまったのだ。<br><br>　環境が悪かったとは言わない。単純で、幼く、そして我慢出来なかった彼等が悪いのだ。今では小さな子供ですら我慢を覚えているというのに。<br><br>　できる事なら、片っ端から殺した方が安全なんだろうなぁ、などと脳内で考えつつ、少女は笑顔を歪ませて軽くセレクターを弄る。これをフルオートに設定し、軽く掃射するだけで彼奴等は呆気なく全滅するだろう。ともすれば死体を相手取る事より簡単だ。<br><br>　しかし、それは楽だろうが絶対にやれない。思考を放棄して単純に邪魔者が居なくなったという結果を求めれば、行動の短絡さに比例した大きさの不利益が帰ってくることになる。<br><br>　他のコミュニティ参加者は考えるだろう。自警団にとって邪魔になった若者達は武器が手に入った途端、いとも簡単に殺された。そうなると、もしも自分達が彼等にとって邪魔、ないしは負担になった時、同じように切り捨てられるのでは……と。<br><br>　勿論何も言わないで始末はしない。コミュニティの不和を煽り、このままでは危険で、幾度も説得しても聞かず、武器を奪おうと企てていたからだと説明する筈だ。<br><br>　だが、それを聞いて一時的に納得はしても、不利益を産むからとして若者を切り捨てたという事実は消えない。コミュニティ参加者は、その姿勢に完全に納得はするまい。考えてみれば、何時か自分達が不利益を産むようになったら殺されると考えられるのだから。<br><br>　その疑念と怯えは若者達が煽った以上に大きな不和をコミュニティにもたらし、何れ溝が出来る。こんな小さなコミュニティだ、例え小さかろうと、団結を断つ不和は致命傷だ。団結してこれたからこそ何とか保ってきたのであって、それが無くなれば彼等は砂糖細工よりも脆く崩れ去る。<br><br>　生かして置いても面倒で、殺して置いても面倒くさい。全く以て始末に負えない。この考えは、おやっさんにも少女にも共通の事であろう。特に、少女の場合は一入だ。何せ、武器の携行を特別に許可され個室まで与えられている事から彼等から絡まれる事が多く、いい加減疎ましく感じていたのだ。<br><br>　いい加減Ｍ４のストックで顎でもかち割ってやろうかと思う程だが、絡む所までは行っても実力行使まではしてこないのだ。<br><br>　やって来れば良いのに、と少し口を尖らせる少女であったが、誰が好き好んでカービンを背中に担ぎ拳銃まで持っている一八〇ｃｍもあろう大女に襲いかかろうものか。例え容姿が良かろうが、武器云々以前に体のスペックで圧倒され撃退されるのが目に見えている。<br><br>　負けると分かっている相手に向かっていく馬鹿は居ない。余程突き抜けた馬鹿か、負けるのが好きという変人でもない限り普通の事だ。<br><br>　むしろ、何をどうすれば一〇〇ｍ離れた死体の頭をぶち抜き、蹴りで骨を砕く女を力尽くで押し倒そうと考えられるのか。この少女はどうにも自分に関して考えが甘いところがあるようだ。<br><br>　「お前、さっきから表情がころころ変わってるが、何かよからぬ事でも考えてるのか？」<br><br>　火にあたって笑っているかと思えば若者の事を考えて笑顔を歪ませたり、いつもより外連味の濃い笑みに変わったかと思うと今度は口を尖らせる。笑顔のままに百面相を続けるという実に器用な所行だが、端から見れば気味が悪い。<br><br>　「良からぬ事って何さ、ぷりちーなお顔を見て失礼だねおやっさん」<br><br>　「ぷりちーてお前……」<br><br>　呆れながらも深くは突っ込まない。この常に笑顔を貼り付けた女の言葉に真意など何処にも滲んでいないのだから。相手をするだけ無駄というものだ。<br><br>　本意は笑顔の奥に隠し、本物は何一つとして見て取れない。この女は今まで本音など誰にも話さず生きていたのだろう。完璧に作られていながら、本来の意味での喜びなぞ一片も含まれていない笑み、それは正しく女が世から自らを隔絶させている証左に他ならぬ。<br><br>　一体何をそこまで必死で隠しているのやら。彼は肺腑から溜息と共に取り込んだ紫煙を吐き出し、無意味な思考を打ち切った。<br><br>　殆ど根元まで吸われ、高熱になった火玉が煙りの味を辛くする煙草を猛火へと放り込む。全く偶然ながら、煙草が炎に消えると同時に焼かれる死体の何処かが限界に達したのか、自らの重みに耐えかねて崩れた。<br><br>　灰になった肉が崩れる音、骨と骨がぶつかる音、炎が弾ける小さな音。それらが混ざり合って空虚に反響する。積み上げられた死体は殆どが炭になりつつあった。人間の体は水気に溢れているので燃えにくいが、それでも燃料をかけて根気よく焼いてやれば何時か燃え尽きる。火葬場ほど綺麗に骨だけにはならないが、腐汁と血液さえ失せればそれで十分だ。<br><br>　「そろそろ死体追加するか」<br><br>　少女が隣で小さく抗議の声を上げているが、おやっさんは無視して短距離用のトランシーバーを取り上げた。自衛隊で使っている物ではなく、ここの警備員が携行していた、警備室に繋がる短距離用のトランシーバーだ。<br><br>　一旦燃え始めると炎は中々消えないが、新しく火を熾すのは大変なのだ。なので、火勢が強い内に死体を燃料と共に放り込み、火勢の減衰を抑える。何度も火を熾し直したり、燃料を使うのは非効率だし体力の浪費だ。手間は可能な限り省いた方が良い。<br><br>　「おら、何時までも休んでるな。燃やさないといけない死体は幾らでもあるんだ」<br><br>　「あーあ、やだなぁ……足とか掴んだら引っこ抜けたりして汚いんだもん」<br><br>　愚痴る少女を無視し、おやっさんはゴム手袋に手を突っ込む。意図していない程の小さな傷口からでも血が入り込むと危険なので、できる限り死体に触れる可能性は消しておくに越した事はない。<br><br>　ゴム手袋が破れていないことを確かめてから半目で死体の山を睨め付ける。数は一〇〇か二〇〇か、少なくとも数える事すら簡単ではない量が残っている。<br><br>　「腰、いわさないといいんだけどな……」<br><br>　そろそろ壮年から中年と形容するのが相応しい年齢に達しかかっている彼は、心底うんざりしたように呟いた…………。<br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br>　粘質な水が立てる音。それは死体から滴る腐り果てた血液や、液化した肉が骨から剥離して滑り落ちる音であった。<br><br>　「こいつらってさ、動いてる間は筋肉とかもしっかりしてるっぽいのに、何で壊れたら途端に腐敗が加速すんだろね」<br><br>　「知らん、口よか手ぇ動かせ」<br><br>　大判のバンダナで口を隠した少女が死体の足を掴みながら、対面で似たような格好をしている美形の青年に問いかけるも、返ってきたのは素っ気ない言葉だった。<br><br>　理由は諸説あるが、エコーと呼ばれる青年は少女が足首を掴んでいる死体の腕をゴム手袋に覆われた手で掴んだ。腐った肉の不愉快な柔らかさは、薄いゴムの層一枚では殺しきれない。<br><br>　それなり以上に整った容貌は不快さに歪められており、死体から漂う悪臭に耐えかねるかのように眉根に皺が寄っている。<br><br>　今掴んでいる死体は体に纏っているのが腐汁で汚れきっていたり、所々が食い千切られていて判別し辛いがスーツなので、恐らくは男だろう。既に顔面は男女の違いすら分からないほど腐れ爛れているので、最早判断するには服装を頼るしかないのだ。<br><br>　「三つ数えたら持ち上げるぞ、合わせろよ」<br><br>　三つって、三を言った後なのか丁度なのかはっきりしてよと言う少女を無視し、エコーはカウントすると死体を持ち上げた……。<br><br>　が、持ち上がったのは彼の腕と、千切れた方から先の腕だけであった。取り残された死体が地面にぶつかって生理的嫌悪を誘う水気のある音を立てた。<br><br>　「あっちゃー……やっぱ駄目だね。遅すぎたんだ、腐ってやがる」<br><br>　何の捻りも無い冗談を言いながら肩をすくめる少女の両手には引っこ抜けた太股から先の両足が握られていた。腐った血液と腐汁を滴らせる足を持ちながら、彼女が何ら感慨を抱いていない様子であることがエコーの背筋を怖気で擽る。<br><br>　「しかし、これは酷い。またスコップ持ってこないと」<br><br>　少女が両手から足を投げ出した先には、四肢をもがれ、腹から真っ二つになって臓液や臓物、腐った赤黒い血を一面にブチ撒けた死体が転がっていた。二人で持ち上げた衝撃で、弱っていた関節部と腹が千切れたのだ。<br><br>　死体は活動している最中は歩行を可能とする程度に関節や筋はしっかりしているのに、中枢を破壊されて活動が止まると、まるで今やっと死んだ事を思いだしたかのように腐敗しはじめる。<br><br>　誰かが戦闘の最中に打撃を掠めてさせ、腐った皮膚をはぎ取ってしまった事があるのだが、その下にはそれなりに整った筋肉の層があったと言う。つまり、アレは動くのに最低限必要な物だけは腐らせていないのだろう。<br><br>　一体何が原因で死体が動いているのかは未だに不明だが、良く出来ている。全く以て迷惑でしかないのだが、構造だけ見れば死体は良く出来た兵器と言えよう。何せ、これが沸いただけで国家が少なからず潰えたようなのだから。<br><br>　とはいえ、これが人間が軍事目的で作ったのだとは俄に信じがたいが。それに、もしも軍事目的で作ったとしても、現実ではそう簡単に漏洩なんぞしないだろうに。<br><br>　エコーがそんな事を考えていると、血で滑って気味の悪い輝きを放っている猫車を少女が押してきた。その中には柄の長いスコップが二本乗せられている。<br><br>　「さー、やろーか」<br><br>　「気ぃ滅入るわ、クソが……」<br><br>　二人でスコップを担ぎ、地面に広がった臓物を掬い取って機械的に猫車へと放り込んでいく。その度に嫌な音が響き、吐き気を催す臭いが広がる。<br><br>　最早、液状化しつつある腐乱死体が千切れて散らばった場合、片付けるにはこうするしか無いのだ。後は適当に水で流すか、雨が降るのを気長に待つしかない。幸いにも現在はこの間の大雨で雨水が大量に蓄えられているので、漂う悪臭に悩まされる事は無さそうだ。<br><br>　死体の片付けをやっている時に、このような問題がしばしば起こるようになってしまった。腐敗した死体が、持ち上げられた時に壊れる事が多いのだ。<br><br>　嵐の時に銃器が大量に発見され、少女達は帰還の為に無数の弾丸を用いて死体を蹴散らし、比較的安全に急造の橋を用いて帰還に成功した。<br><br>　その後で嵐が落ち着いてから弾を使って死体を掃討し、何人かに分かれてトラックの中身を全て持ち帰ったのだが、死体の多くを壊したのは外征に出かけた日であり、片付けるまでに間が空いてしまっているのだ。<br><br>　故に活動を停止した死体の腐敗が進行し、持ち上げる事すら出来ない状態の物が多い。普通に持ち上げられる死体は、もう数える程も無いだろう。<br><br>　「もうさぁ、最初っからスコップで少しずつ突っ込めば良いんじゃない？」<br><br>　少女が黒く変色した消化器系を掬い上げながらぼやく。確かに合理的な考えではあるのだろうが、普通の人間には抵抗が大きいであろう。<br><br>　現に、片付けの為に出て来た自警団員の殆どは一度持ち上げて、出来るだけ綺麗な形で運ぼうと努力している。流石に、人であった物を必要以上に壊す事に忌避感を禁じ得ないようだ。<br><br>　動きながら此方を喰らおうとするのならば、その排除には何ら抵抗はない。しかし、これはもう単なる死体なのだ。死体とは手厚く、そして丁重に扱われるべき物であり、断じてスコップでぶつ切りにして猫車にブチ込む物では無いのだ。<br><br>　彼等は一部の事は割り切っていても、まだ完全に全てを受け入れた訳ではないのだ。死体の扱いが、その最たる物の一つである。<br><br>　「別にさ、纏めて燃やすんだから、それまでの扱いとかどうでもいいじゃん。結果は変わらないんだし」<br><br>　スコップを適当に扱い、今度は落下の拍子に転がった首を掬い上げて叩き込む。少女としては、その考えは理解しづらいのだろう。後で燃やすのだから、集める過程で少々手荒に扱った所で為すことは変わらない。<br><br>　「スコップでバラにして運ぶってのもぞっとする光景やろ……。正気を試されそう」<br><br>　今し方ばらけた死体の全てを猫車に詰め込んでから、エコーが袖で額の汗を拭いつつ呟いた。それを聞き、少女が笑みを零しながら腹を抱える。実際に大声は上げて居ないものの、爆笑しているという表現だろう。<br><br>　「あはは、エコー面白い。この状況で正気とか、新鮮なお刺身よりも見つけ難い物だと思うよ。今じゃ何処でもとっくにソールドアウトでしょーに」<br><br>　「やかましゃ。俺は少なくとも人間で居たいんだよ」<br><br>　お前と違ってな、という本音は寸での所で飲み込んだ。別に口にしても少女は笑うだけだろうが、あっさり肯定でもされた日には、押さえ込んでいたおぞましさがあふれ出て嘔吐しかねない。<br><br>　エコーはもう、暴力も死体も怖くなかったが、少女だけは未だに慣れず怖かった。この女の底に澱のように溜まっている物が何なのか、一年近く共に居ても分からないのだ。<br><br>　それはきっと、何処よりも汚い川の底に堆積したヘドロよりも黒く、深く積もった物なのだろう。ただの人間であるのなら、手を触れない方が良い物なのだ。<br><br>　気が狂った相手の事など、まともな人間には理解し得ない。正気と理性で理解出来ないからこその狂人なのだ。<br><br>　もし出来るとしたら、それは既にまともな人間ではなく、同じく正気を失った狂人だ。<br><br>　そうなるくらいなら、死体として蘇らないように屋上から飛んだ方がマシだとエコーは思っている。理性によって立っている生き物として、その骨子を失う事ほど畏れる物は他に無い。<br><br>　じっと己を見ている彼に、どうかしたの？　と笑顔で問いかける少女に、何でもないと首を振ってエコーは答える。所詮、言葉を以てして理解出来る相手ではない。<br><br>　なら、そんな無駄な事をする意味はないのだ。理解なんてしなくていい。極論、自分に害を及ぼさないならばそれで結構。狂気を笑顔の下に隠し続ける限りは好きにすれば良いさ。<br><br>　エコーは逃避だな、と心の端で軽い嫌悪感を自己に抱きながらスコップを猫車に産まれた臓物の海に突き込み、取っ手を掴んで持ち上げる。人間一人分以上の臓物を掻き込んだ猫車は思ったよりも重く、腕に響いた。とはいえ、これが命の重さ等ではないのだろうが。<br><br>　滴る血と臓液で車輪に気味の悪い音を立てさせながら、燃えさかる焚き火の下へと運ぶ。人間を燃料に燃える、嫌な臭いを立てる忌まわしき炎の元へ。<br><br>　腐った肉が燃える臭いというのは実に気分が悪い。今はもう鼻が順応して麻痺しているが、最初に火を付けた時は剰りの臭いに気分が悪くなり朝食を戻してしまった。<br><br>　心を蝕むような悪臭に、誰も彼もが体を折って臓腑まで吐き出す様に反吐を吐いていたのを覚えている。こればっかりは何度嗅いでも鼻が馬鹿になるまで慣れる事はなさそうだ。<br><br>　この悪臭の中、平然と立っていられたのはおやっさんと少女の二人だけだ。おやっさんが言うには、自衛隊で狩り出された災害救助の現場で死体の臭いは嗅ぎ慣れているらしいが、少女が耐えられているのは狂人だからだろうか。<br><br>　単に腐った肉、駄目になった豚肉や牛肉を燃やしているのならば、ここまでの嫌悪感は感じなかった筈だ。不快である事には変わりないだろうが、幾分かはマシだったろう。<br><br>　だが、これが腐り果てた同族が燃える臭いだと思うと、途端にこの世から漂う物では無いと思える程の悪臭に感じられる。<br><br>　それを、うっかり三角コーナーに生ゴミ残したまま旅行に出かけた夏休みのある日よりは臭くないと宣う、あの少女は感性までも狂人のそれなのだろう。<br><br>　再び猫車の中身をスコップで掬い、火の中に投げ込んでいく。燃やさないと危険なのは分かるが、憂鬱な作業だ。これを後どれほど繰り返せば死体は無くなるのだろうか。<br><br>　……いや、きっと無くなることなど無いのだろう。今は日本中が死体だらけなのだ、億単位の死体など、日本中の火葬場をフル稼働させても早々処理しきれまい。<br><br>　「この世はでっかいゴミ捨て場って感じだなぁ……」<br><br>　「私達も死体も生ゴミみたいなもんだし、どっちかっていうと三角コーナーの方がしっくりくるかな」<br><br>　皮肉をたっぷり籠もらせた感想に、それよりも更に拗くれた感想が帰ってくる。そして、それを否定出来ず、むしろ少し上手いとさえ思える環境が憎らしく、エコーはスコップを振るう速度を少しだけ上げた。<br><br>　八つ当たりでも良い、少しでも作業速度を上げ、この地獄から抜け出す為に。精神衛生の為、少しでも早く死体で作られた焚き火から離れたかった。<br><br>　腐った大地を蠢く蛆虫、何となく、少女の言う皮肉が的を射ているように感じられる。少なくとも自分達はまともな生産活動を行えない、そうなると、生きている価値はあるのだろうか。<br><br>　無いと断じる者は居ないだろうが、エコーには自信を持って言い切る事などできなかった。<br><br>　地球という一つの生命を内包した環境という名の生き物は、人間なんぞさして気にしていないだろう。それこそ、我々が掌の上に繁茂させている日和見菌を意識せず、毛穴に住むダニを認識しないように。<br><br>　今のこれも全て無意味で、惑星単位や地球単位で考えれば塵芥ほどの価値も無いのだろうか。エコーはふと、天を見やって考えた。<br><br>　不機嫌な冬空が鈍色の空を広げている。まるで、汚水を一面にぶちまけたかのような景気の悪い空色だ。<br><br>　不意に冷たさを頬に感じた。冬の寒さとは異なる冷たさ。何だろうと目を凝らすと、小さな白い物が空を舞っていた。<br><br>　「おお、雪だ」<br><br>　少女がスコップの中身を火に投じながら、楽しそうに呟いた。彼の口からも、雪か、と言葉が小さく漏れる。<br><br>　「積もるかな？」<br><br>　笑顔で問う少女に、エコーは分からないと素直に答えた。何せ大阪は殆ど雪が降らない地方だ。彼の記憶では、積雪なぞ物心つくかつかないかの時分に一度しかなかった。<br><br>　淡い牡丹雪が少しずつ勢いを増してゆく。空から舞い降りるそれは、汚れてしまった世界を何とか拭おうとする布巾のようだ。<br><br>　「積もったら面白いなぁ。死体が凍ったら運びやすくなるよ」<br><br>　「アホ、凍ったら凍ったで持ち上げたら折れるぞ、多分」<br><br>　凍った肉というのは硬いが、脆い。持ち上げたら、細い場所が負荷に耐えきれず枯れ枝のように折れる事も考えられる。何より、雪で地面が濡れて火が消えかねない。そうなるともっと面倒だ。<br><br>　「おい、おやっさん呼んでこい。最悪ガソリンかけて火勢強めるぞ」<br><br>　「うぃうぃ、風情を感じる暇もありゃしない」<br><br>　猫車を傾け、適当に中身を焚き火の中へと放り込む。血液と蔵液が炙られて蒸発し、非常に不愉快な臭いが新たに立ち上った。しかし、それも直に順応して感じなくなるだろう。<br><br>　少女は血濡れのスコップを乱雑に猫車へ放りだし、別の場所で死体を運んでいるであろうおやっさんの所へと向かっていった。金属同士がぶつかり合う大きな音が響くも、最早誰も気にはしない。<br><br>　ほんの数日前までは、死体を興奮させ、寄せ集めてしまうからと大きな音は厳禁だった。だが、今となっては外での作業でも大人数で、しかも煙草を燻らせながらや雑談をしながら行えている。<br><br>　悪い事ばかりでは無いのだが……不安であった。何だか良くない事が起こるのではないだろうか。エコーは手袋を脱ぎ、ぼんやりと考えつつ自らと同じ名前を持つ煙草を咥える。<br><br>　ライターで火を灯し、その勢いを増し続けた雪を眺め、不安を紛らわせるように煙を吐き出した。<br><br>　煙は僅かに空へとたなびき、風に掠われて消えた…………。<br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br>　「うへぇ、服に臭いが染みこんでる……」<br><br>　少女は散々な散らかり方をしている自室にて、珍しく心の底から不愉快そうに顔を顰めていた。<br><br>　自分が着ている厚手のフライトジャケットの袖、丁度曲げた肘の辺りに鼻を埋めて臭いを嗅いでみると、据えたような腐臭とアンモニアの臭いがした。当然だろう、何時間も腐乱死体を燃やしている近くで作業し、あまつさえその火で暖を取ったのだから。<br><br>　その臭いを多分に含んだ煙にじっくりと燻されれば、臭いの一つや二つ染みこもうと言う物である。<br><br>　その上、全身余さずぐっしょりと濡れていた。降りしきる雪の中で数時間作業していたのだ、溶け出した雪で濡れるのは避けられない。最早芯まで臭いが染みついており、選択しても臭いは落ちないだろう。<br><br>　剰りにも酷い臭いだ、もうこれは着られない。棄てる他無かろう。確かに気に入っていたが、無理に着続けて不興を買う程の物でもない。諦めが肝要だ。<br><br>　少女はぼやきながら服を脱ぎ捨てる。ズボンも下着も何もかも、臭いが染みついていて駄目だろう。むしろ、臭いは体にも染みついている。溶け出した雪で体温も落ちているし、後で体を拭わなくては。<br><br>　雪は、あれから止むことはなく、むしろ勢いを増して降り続けている。ぼた雪が溶ける端から積もっていったので、遠からず一面は雪化粧に覆われるだろう。<br><br>　火は維持するコストと新しく熾すコストを見比べて、結局放棄された。今頃は雪を被って消えているはずだ。しかし、雪の中に交代で薪を放り込み続けるだけの人員を配置するのは現実的では無いし、燃料ももったい無いので諦めざるを得なかった。<br><br>　一応、既に燃やし始めていた分は殆ど燃やしきったのだが、代償として少女を初めとする自警団員は腐臭を体中に染みこませた挙げ句、体温で溶けた雪で全身ずぶ濡れになっている。体調管理の為に何らかの手を打つ必要がありそうだ。<br><br>　本来ならば温かい湯を溜めた浴槽に浸かるのが一番なのだが、残念ながらバスタブはあっても全員が入れるだけの湯を沸かす余裕はない。銭湯ではあるまいし、大人数が代わる代わる入ったら湯は直ぐに汚くなって、むしろ衛生的に宜しくない。<br><br>　出来る事は着替えるか、少し特別な配給を待つしかない。<br><br>　このコミュニティ内における身体的清潔の維持方法は三つ。一つは、週に一回のシャワーを待つ。これはレジャーで使われる野外用簡易シャワーを使って、屋上にて数分だけシャワーを浴びるのだ。丁寧に体を洗う事は出来ないが、爽快感は一入だろう。雨が降らなかったりすると二週間に一回になったりもするが、これが楽しみで生きているという人も居る。日本人は風呂好きだ、せめてもの慰めにと心の支えにする者も多い。<br><br>　湯は温かいので、これが一番なのだろうが、実はシャワーの配給は昨日だった。計算では、次のシャワーは来週なのだ。<br><br>　もう一つは湯を含ませたタオルで体を拭うこと。これが殆どの体を綺麗に保つ方法だ。配給される水をあんまり飲まないようにすれば、毎日出来なくも無い。体を不潔にすることで起こる感染症を防ぐ為、三日に一回は体を清める事を推奨されているので、殆どの人間が行っている。<br><br>　そして最後は、特配のシャワー。これは死体とのインファイトで汚れたり、死体清掃の作業を行った者に対する報償であると同時に、死体になるリスクを下げる為の措置だ。あれだけの作業だったので、恐らく今日は特配のシャワーがあるだろう。<br><br>　普段は屋上でやっているが、雨が降っている時は仕方なしに下がコンクリートなので手入れが楽な倉庫でやったりすることもある。今日は、恐らく倉庫でのシャワーになるだろう。<br><br>　直に誰かが呼びに来るはずだ。簡易シャワーを動かすのも電気を使うし、水では風邪を惹くので湯を作る必要もあるから燃料コストは下げなければならない。殆ど流れ作業になる。<br><br>　少女のように髪が長いと清潔さを保つのが難しいので、シャワーは何よりも有り難い。早くお呼びが来ないかなとワクワクしつつ臭う服を一つに纏めておく。これは後でビニール袋に突っ込んで焼却物行きだ。<br><br>　少女は普段下着をあまり身につけない。ショーツは流石に履くのだが、ブラは面倒くさがってあまり付けないのだ。フライトジャケットを着れば目立たないからと無精して、直接シャツを身につけている。故に、一糸まとわぬ姿になるのは実に早い。<br><br>　均整の取れた体のバランス。腰は体の高い位置にあり、そこから伸びる足はカモシカの如くしなやかで引き締まっている。腕も長くて薄く筋肉のラインが確認でき、しっかりと鍛えられている。一部の贅肉も無い見事な体であった。<br><br>　腹もだらしなく揺るむ事無く、浅く、それでも見て取れる程度に割れている。背筋のラインも完璧で、腹筋と背筋のバランスも整っている。<br><br>　胸も、その大きさに反してしっかりと支えも無しに聳えている。豊かな胸を支えきれる程に強靱な筋と、大胸筋のお陰であろう。普通ならば胸の揺れで筋が伸びきりそうな物だが、それは成長期から適度に行われた運動による筋肉の発達で抑えられている。今後、無理をしない限り理想的なハリを持つ女性のシンボルは醜く歪む事はないだろう。<br><br>　一八〇ｃｍ近い理想的な長身に、適度な筋肉を装甲したその身は誰もが憧れる一つの完成系だ。無駄な筋肉は動きを鈍くするが、この自然な付き方ならば動作を阻害することはあり得ない。<br><br>　異性ならば見惚れ、同性ならば憧れると同時に嫉妬する体。少女は環境が悪くなろうとも、トレーニングによって体型を維持し続けてきた。体は資本であるというが、今の世では同量の金塊にも勝る宝なのだ。<br><br>　「んー……腹筋、ちょっと緩んだかな？　かといってあんまりやり過ぎても不格好だしなぁ。別にボディービルやってるわけでも無いし」<br><br>　しかし、少女は自分の体を見下ろして、そんな批評を零す。人が羨む体であっても、まだ少女の理想型には遠い。<br><br>　望むのは、どれだけ闘っても疲労せず、長時間ポテンシャルを維持し続け、ベストな動きを保てる理想的な肉体。一人でも闘い続けられ、生きていけるようなボディが欲しかった。<br><br>　幸いにも時間は持てあますほど有るので体を鍛える暇は幾らでも捻出できるのだが、やはりバランスを考えるのが大変だ。<br><br>　筋肉を付けすぎれば動きが硬くなるし、スタミナも落ちる。かといって落とせば膂力が弱まり、力の持久力に乏しくなる。<br><br>　鍛えすぎてもいけないし、手を抜きすぎるのも良くない。丁度良いバランスというのが中々分からず、その機微が曲者だ。本職の指導者が居ればもっと効率が良いのだろうが……。<br><br>　本屋に置いてある教本だけじゃ限界があるなと考えていると、扉が数回ノックされる。<br><br>　はて、誰だろう、そういえば鍵閉めたっけ等と思う間も無く、扉が開かれた。<br><br>　「よう、ちょっと警備室まで……」<br><br>　何の為のノックなのか分からないノックをして、許可も得ずに入室してきたのはエコーだ。据えたような腐臭の代わりに濃い香水の匂いが漂っているのは、シャワーまでの間に合わせなのだろう。<br><br>　彼は最後まで言葉を言うことはできなかった。少女の全裸を直視し、脳が情報を処理仕切れずフリーズしてしまったから。<br><br>　本来、女性であるのならばあられもない姿を見られた時には然るべき行動を取るべきなのだが、少女は特に恥じらう事もせず、うんざりしたように告げる。<br><br>　「ほらー、だから扉は返事待ってから開けろって言ってるじゃんかー。何の為のノックなのさ」<br><br>　別に裸を見られたからと言って何かが減る訳でもない。態々大声上げて追い出す程自分は乙女でもなんでもないので、ただ窘めるに留める。これが漫画か何かであったら、盛大に物をぶつけるか、発砲でもしているのだろうか。<br><br>　言われてから漸く思考が復帰したのか、エコーはスマンと一つ謝罪を残して扉を閉めた。金属製の分厚い扉が鈍い音を立てて少女の姿を外界から隔絶させるが、音が大きかったのは思いの外驚いていたからだろうか。<br><br>　「随分とプレイボーイぽいのになぁ」<br><br>　呟きながら、手早く代わりの服を着込んだ。棄てた服と似たような格好で、ジャケットが化学繊維の安物になっただけだ。本当は体を洗った後に着替えた方が良いのだろうが、流石に全裸でシャワーまでは行けない。少々臭いが移るのには目を瞑るとしよう。<br><br>　いや、エコーは今、警備室と言わなかっただろうか。てっきりシャワーだと呼びに来たと思ったのだけれども。少女は不思議に思いながらも居住まいを整え、扉を開けた。<br><br>　そこには普段通りのエコーが立っていた。別に少女としてはからかっても良いが、先ほど聞こえた警備室という単語の方に興味があったし、エコーとしては狂人だと断じている相手の裸を見たとて欲情はしない、というよりもできない。面食らったりはしたが、それは飽くまで驚いただけに過ぎないのである。<br><br>　故に、二人の間で先ほどの事は即座に無かった事にされた。話題に上るとすれば、後々の馬鹿話の合間に思い出されるだけであろう。<br><br>　「どしたのエコー、シャワーじゃなくて警備室なんて」<br><br>　問いかけながら部屋から出て、扉に鍵をかける。一応私物もあるし、通信機のように勝手に弄られては困る物もある。出かける用事がありそうなら、しっかり施錠しなければならない。<br><br>　「おやっさんからの呼び出しだ、シャワーは後回し」<br><br>　簡潔に答え、エコーは廊下を奥を親指で指し示した。正確に言えば、指の向こう、フロアを隔てた場所にある警備室を。<br><br>　少女は頷き、エコーが先導して歩き出す。その半歩後ろに彼女は黙って続いた。問いを続けないのは、態々呼び出したと言う事は大勢に聞かれたくないからだろう。<br><br>　ならば、今ここで質問しても答えは返ってこない。それなら態々意味のない質問をする意味が何処にあろうか。<br><br>　警備室には直ぐ到着した。いくつもの監視カメラに繋がっているモニターが壁に並んでいる部屋だが、今はもう何も映っていない。電力が供給されなくなって久しいので当然だろう。<br><br>　大きな店舗の警備を司る部屋だ。広さはそれなりで、机を壁際に寄せている今では軽く二〇人位が立ったまま談笑できそうな程の面積があった。<br><br>　電気が通っていないので、締め切られて大きな窓も無い部屋は非常に薄暗かった。明かりは、天井からフックで吊されたキャンプ用のランタンや、暖房器具として動いているハロゲンヒーターから漏れる明かりくらいだ。<br><br>　全員シャワーがまだなので、態々室内に置いてある小型発電機を動かして付けているのだろう。近くは既に占拠されていたが、室温は廊下よりも暖かいので有り難かった。<br><br>　警備室には二人が入った時には、自警団員は全員集まっていた。中央には野戦服姿のおやっさんや、おやっさんと一緒に避難してきた部下の自衛隊員達が立っている。<br><br>　おやっさんは二人が入室し、扉を閉めて鍵も掛けた事を見届けると、静かに口を開いた。<br><br>　「よし、全員揃ったな。シャワーを先延ばしにしてすまない、この後でゆっくり浴びてくれ」<br><br>　シャワーを後回しにする程の重要な案件があるのだろうか。少女は訝しげにおやっさんを見たが、その面持ちは外征の話が出た時よりもずっと険しい物であった。<br><br>　「重大な問題が発生した。可能な限り素早く解決しなければならない問題である」<br><br>　態々重大な、と形容する程の問題。それこそ、水の節約の為にシャワーをもっと手早く済ませろ等というつまらない事ではなかろう。その場の全員が身を強ばらせた。<br><br>　「……実は先ほど、管理している銃の数と、帳簿の数値が合わない事が判明した」<br><br>　重々しく吐き出された言葉は、滲むような淡い明かりが照らし出す警備室に、静かに染み入る。誰もが一瞬、理解できないという顔をした。<br><br>　いや、理解できないというより、認め難い事なので、理解したくなかったとする方がより正確だろう。<br><br>　何せ、自分達のコミュニティの内部に、自分達の管理をすり抜けて危険な武器が流れてしまった、という想定しうる限り最悪の報告なのだから。<br><br>　武器は、ギリギリのバランスで維持されているコミュニティを容易く崩壊に導くだけの力がある。それも、持ち出されたのは現状で最も強力な武器なのだ。<br><br>　嫌な予感に、誰ともなく背筋を振るわせ、唾を飲み込む。俄に悪い報せが飛び込んだ警備室を、唾液を嚥下する喉の律動すら大きく響くような静寂が支配した…………。　<br>************************************************<br>　二週間くらいなので、前回よりはお待たせせず更新する事ができました。遅筆で申し訳ありません。そして、例によって展開が遅いですね。とはいえ、そろそろ色々と動くんですが……。<br><br>　一人だけで書いているのと、見直しが甘い所がどうしても出てくるので設定や作内での矛盾がある可能性があるので、気付いたらお教えください。<br><br>　感想返しを中々できなくて申し訳無いです。ですが、感想は大変励みになっています。これからもどうか拙作にお付き合い下さい。
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<pubDate>Tue, 12 Nov 2013 12:52:00 +0900</pubDate>
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<title>N4527BC-73</title>
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<![CDATA[ Sense73<br><br>　今更ながら黒い子狐を命名することで俺とパートナー関係になったザクロ。<br>　別に変化と言える変化はない。特性が黒い炎に関わると思うのだが、不明。そういえば、クロードのクツシタやリーリーのネシアスなんかも、全く特性が分からない。まあ、二匹とも外見的に見れば、前に出て戦うような体してないし……でも幼獣だから今後の成長で変わるかもしれない。<br>　そんな予想を立て、検証などしてみたいのだが、時間は有限。<br>　夜の宴会――夕飯の時間なのに、いつの間にかどんちゃん騒ぎになっているために便宜上そう呼ぶ――の前には、色々と食事の用意をしないといけない。別に昨日と同じメニューでも良いと思うよ。でもさ、材料と道具があるんだから創作意欲が湧くよな。<br><br>　ということで俺の担当した料理は、カレー風マカロニグラタン。マカロニは、パスタ製造機で作りました。いや、生地を投入して必要な形を設定するとその形に押し出してくれる。見た目は普通の生地を伸ばして裁断する機械なのに、ぽろぽろとマカロニが押し出されるのだ、シュールの一言に尽きる。流石ゲームは物理法則を無視してファンタジーの一言で片づける。<br>　そうしてできたマカロニの上に小さくした鶏肉や野菜を乗せて、ホワイトソースを掛ける。そのままチーズを乗せても良いのだけれど。<br><a href="http://www.qdhs-cn.com/">ティンバーランド アウトレット</a><br><a href="http://www.qdhs-cn.com/レディースシューズ-2fh1xr-2.html/">ティンバー スニーカー</a><br><a href="http://www.qdhs-cn.com/timberlandティンバーランド-2fh1xr-1.html/">レディース ティンバーランド</a><br><br>「キャンプと言えばカレーだろ！　カレーを所望する」<br><br>　とか無茶言われるし、いや無理だろ。市販レベルのルーとか作れないから。だから妥協点として、カレー粉を振りかけてチーズで蓋をする。後はオーブン任せ。せめて要望のカレー味にする。全く、我儘な奴らだ。<br>　そしてもう一品は、楽だ。誰かが取ってきた魚を捌き、小麦粉を塗し、溶けたバターの広がるフライパンの上で火を通せば、完成。魚のムニエル。副采に野菜やキノコのバターソテーでも添えておけば、見栄えはばっちりだ。<br>　後は、パンも大皿に盛り付けてテーブルの上に乗せておけばいい。<br>　他の調理班のメンバーも好きな食材を使って創意工夫を見せている。<br>　ソース焼きそばのような縮れ細めんは用意できないために、うどんを代用。ソースの香ばしい香りが食欲をそそる。<br>　ミンチ肉を団子状にして、ハンバーグやパンに挟んでハンバーガーなど手軽に食べられるオーソドックスな料理を作ったり。<br>　基本のレシピを忠実に再現するよりもアレンジに傾倒しすぎて、謎物体が出来上がっていた。っておい！　誰が作ったこのピンク色の鍋！？<br><br>「ユンちゃん、デザートは無いの？」<br>「フルーツがあるだろ、セイ姉ぇ。全く、よく連日連夜これだけ騒げるよな」<br>「もう、ユンちゃんは冷めてるな。都会の喧騒を忘れて、思いっきり大自然の前で自然体になろうよ」<br>「はいはい」<br><br>　俺は、夕飯の席。少し離れた席で静かに食事を取っている。<br>　食事の時は、静かに料理に舌鼓を打ちたい物だ。おっ、他人の作った料理がおいしい。どれも、料理の粗さを隠すために濃口な気もするが、こんなサバイバル状態でも、十分に美味しい。<br>　自分の料理は、並べる端から持っていかれるので、俺自身は味見していないが、隣のセイ姉ぇやミュウの様子を見るとどうやら味には問題ないようだ。<br><br>「ユンちゃんは、今日は何をしたの？」<br>「うーん、朝のパンを焼き、昼の弁当作りの励み、自分の昼飯を軽く済ませ、ちょっと休憩して、夕飯作りして、今に至る」<br><br>　ほんと、料理しかしてない。弓のレベル上げしたい。むしろメインウェポンが包丁？　と言われるほどに料理センスのレベルが上がる。<br><br>「そっか。今日私たちは、キャンピング・ゴブリンの討伐だったね。残り日数が少ないから強いモンスターと積極的に戦わないとレベル上がらないし、でもあれは強かった」<br>「どんな感じ？」<br><br>　うーん、と小さな唸り声と共に、顎に指を当てて、可愛らしく首を傾げてぽつぽつと語ってくれるセイ姉ぇ。全く、こういう仕草が女性らしいと言うことなんだな、と僅かに離れた場所で蒸し鶏を勇ましく食べる妹と比べて思う。<br><br>「二メートル近いゴブリンが小さいゴブリン引き連れて歩いているから、取り巻きを相手してから本命に攻撃しないといけないし、体格差と武器が長物だったから懐に潜り込むのが難しいかな？　あっ、でも二匹目は、盾とロングソードだから囲んで倒したよ」<br><br>　話の内容からどうやらキャンピング・ゴブリンは、個体ごとに武器が違うのか。配下の雑魚も連れているし、ソロ狩りは多分無理だな。と、言うより、二メートル超えってゴブリンと言うよりオーガと言われた方が正しいのでは？　まあ、その辺は言及せずに、気になるのはそのリターンだ。<br><br>「ドロップアイテムは？」<br>「何と！？　移動に使えて、中で寝泊まり可能！　収納もインベントリで楽々片づけ！　その名も【寝台馬車】。何とお値段未知数！」<br>「なぜ、通販番組風に言う？」<br>「まあまあ、気にしない」<br><br>　ふぅ、セイ姉ぇは、たまによくわからない冗談を言うが、タクやミュウ程に激しくないので軽くスルーする。ふと、場の雰囲気に合わせた軽い空気が、セイ姉ぇと俺の間で僅かに変わる。<br><br>「どう？　【OSO】で殆ど会ってなかったけど、楽しい？」<br><br>　それは率直な疑問だろう。初日以降は殆ど音信不通で、ミュウのと間接的な近状報告を受けるだけ。そんなセイ姉ぇからの言葉に俺は――<br><br>「ああ、楽しいよ。最初は、不遇センス取ってどうなるかと思ったけど、知り合いとか増えたし、楽しんでいるよ」<br>「良かった。ちょっと巧くんに無理言った感じで誘わせたから負い目を感じてたんだよね。それでいて放置だし」<br>「俺もそんなに子供じゃないよ」<br><br>　俺は、一人でも平気だし、肌にあわなければ止めればよかった。まぁ、出会った人たちが良い人過ぎて、友達に会いに行く感覚でのログインもある。<br><br>「でも、もうすぐ夏休みも終わりで時間が長く取れないだろうな」<br>「そうだね。私も大学の講義が始まるし……ごめんね。今年の夏は帰れなくて、冬には一度家に帰ってくるから」<br>「気にしなくて良いって。会うだけならこの世界でも出来るし、ただ店には顔出してくれよ」<br>「分かった。でも、ユンちゃんがお店を持っているのか～。どんな感じなんだろ？」<br>「過度な期待はやめてくれよ。少ない金で建てた店で今後は、増築と改築を繰り返す予定なんだから」<br>「ふふふっ、ユンちゃんと共に成長するお店か。面白そう」<br><br>　全く、優しそうなタレ目でそう頬笑みながら呟くから男どもを魅了するのだ。ほら、周囲で惚れているだろう男がちらほら、おい、こっち見るな。<br>　俺の睨みを受けて、何人かが視線を逸らすが、それでもまだ気がつかない奴や逆に俺にもその視線を送ってくる奴がいる。<br><br>「はぁ～。なんか微妙に寒気が……」<br>「お姉ちゃんたち！　そんな端っこで辛気臭い顔してないでこっち来てよ！」<br><br>　ミュウが手をぶんぶん振って、こちらを呼ぶ。俺は、この視線から逃れたいために、セイ姉ぇを連れて、即席ステージの前まで移動する。手が空いた人が、ステージで芸を披露したりするが、今は、マギさんとクロードのようだ。<br><br>「ほらほら、お姉ちゃんたち。始まるよ！」<br>「はいはい。今行くよ」<br><br>　おっとりした感じでミュウの確保した場所に腰を下ろす。<br>　姉妹二人に挟まれる形で見上げるステージでは、まず、クロードが杖を首の後ろに通している。<br><br>「何やっているんだ？　あいつ？」<br>「さぁ？　始まったばかりだし……」<br><br>　興味津津といった表情でそれをじっと見ているミュウとセイ姉ぇと共に見上げる。<br><br>　クロードの芸は、言っちゃえば即興劇だった。<br>　手元の道具で即興で表現していたのだ。とは言っても一人でせいぜい二役。マントを付けたり、取り外したりでキャラクターを切り替えを行い、無音の中、足運びと地面の踏みならし、そして独特な言い回しだけで臨場感を与えるために、皆を魅了する。<br>　最初に自分の杖をあのように持ってたのは、旅人という役を演じる上での動作で、肩にかけた杖は、振って剣、突いて槍、地面に打ち付けて錫杖とこちらの想像力を利用した。<br>　また、マントをすっぽり被れば、旅人。端を掴んで口元を隠してしゃべれば、女性。とキャラクターの動作に特徴を持たせた演技は中々楽しめた。<br>　時間にして十分弱の短い劇ではあるが、場は十分盛り上がるのだった。<br><br>「……凄いね」<br>「そうだな。なんでこんな事が出来るのか分からないけどな」<br><br>　ミュウの呟きに俺はそう返すだけだった。壇上に立っていたクロードは、自分の披露を終え、こちらに向かって下りてくる。<br><br>「どうだった？　俺の寸劇は。楽しめたか？」<br>「ああ、良かったぞ。それにしてもクロードに意外な特技があるとはな」<br>「ええ、素敵でした」<br>「凄かった！　また機会があればみたいね。お姉ちゃん」<br><br>　俺たちの称賛にクロードは、ふっと小さな笑みを浮かべる。<br><br>「どうだ？　マギの後にでもやってみたらどうだ？　自分の特技を披露して場を盛り上げてみないか？」<br><br>　クロードからの予想外な提案に俺は、表情を硬くする。そもそも人前で何か披露できるほどのネタは無い。<br><br>「面白そう！ねぇ、セイお姉ちゃんも出よう！」<br>「良いわね。三人で出ましょう？」<br>「お、おい！　俺は良いから！　と言うより、ネタが無い！」<br><br>　手を振って拒否するが、二人にその手を取られて、無理やり立たされ、壇上脇に引っ張られていく。<br>　マギさんの披露しているネタは、投擲術の披露だった。<br>　離れた位置の的に得物を次々に投げていくのだが、皆命中ではなく別の物に感嘆の声を上げていく。<br><br>　投げられる武器は――ナイフ、ダガー、小太刀、ショートソード、ロングソード、戦斧、ショートランス、長槍、短槍と多数の斬る、突くという用途の多彩な武器が飛び交う。刺さった先は、武器の博物館の如く、武器の形状を皆が興味津津と言った様子で眺めている。<br><br>「これがラストの目玉武器――ツイストダガー！」<br><br>　そう言って、腰に力を溜めて、投げられるダガーは、螺旋の回転を伴って、的に吸い込まれる。だが、的に当たったダガーは、的を抉り、丸い穴を空けて、背後の樹に深々と刺さることで停止した。その樹に刺さるダガーは、三枚の刃を持ち、先端の一点に向かって捻じれている。そんな見たこともない異形な武器だ。<br><br>「……なんだ。あの武器」<br><br>　驚愕と呆れの籠った呟きに背後のクロードは、淡々と説明をしてくれる。<br><br>「ツイストダガー。普通のダガーは、切る、刺すと言った行動に適しているのに対して、ツイストダガーは、刺突のみを特化させたダガーだ。螺旋状の刃は、相手の肉に容易に入り込み、また組織をズタズタに引き裂くことから殺傷能力の非常に……」<br>「そんな怖い説明聞きたくないわ！」<br><br>　俺の怒鳴りにクロードは、むぅっと押し黙るが、左右の姉妹はふむふむ、とかなるほどー。とか言って説明に感心していた。女の子なんだから、そんなバイオレンスな説明に感心しないでくれよ！<br><br>「で、お前らは何を披露するんだ？」<br>「だから俺は……」<br><br>　芸なんてない、と口にしようとしたが、ここは既に壇上の端。ここに居ると言うことは次は、自分たちだという事を言外に言っているのだ。<br>　その自分たちに期待の視線が集まる。<br>　白銀色の装備に身を固め、その元気の良さは周囲に力を分け与える妹のミュウは、その実、前衛としての有能さとプレイヤースキルの高さは周囲から一目置かれるプレイヤーであり。<br>　物静かなおっとり系の姉のセイ姉ぇは、ギルドのサブマスターであり、機動砲台の如く下級の魔法を連射が出来るセンスの構成の持ち主。魔法職の一つの完成系を体現したプレイヤーであり。<br>　そんな二人に挟まれる俺は、自ずと注目や期待もされるのだ。<br><br>「じゃあ、まずは私から行くね！」<br>「おい、待て！」<br><br>　制止の声も届かず、ミュウは、壇上の中央に立ち、自身の片手剣を引き抜き、大仰に構える。どこかの漫画で見たことあるようなそんな構えのまま数秒停止し、皆の注目を一身に浴びる。<br>　その中で、不意に、剣先が揺れ、残像を残して剣が振られていた。一呼吸置き、斬撃。一呼吸置き、また斬撃。その呼吸の感覚がだんだんと短くなり、また振われる剣とミュウ自身の動きが激しくなる。<br>　剣を振う度に、絹のように細い銀糸の髪が舞う。息を吐かせぬほどに引き込み、普段の明るさとは違い、凛とした美を剣を通してみることが出来た。<br>　最後には、何も無い空中へと一足跳びで跳び上がり、跳び上がった頂点から落下プロセスの間に、四つの残像を残して、落ちる。<br><br>　そんな剣舞に批判などあろうはずもなく、拍手喝采。どこからか口笛まで吹いてくる。壇上の脇から見ていた俺だが素直に、勝てないな。と思ってしまう。あんな凄い後にやる芸など、本来以上に霞んで見えてしまう。<br><br>「やっぱり、俺。無理……」<br>「大丈夫、ユンちゃんは出来るよ。そのために私が最後に回ってフォローするんだから」<br>「でも……」<br><br>　いつも以上に弱気になってしまう。やっぱり誰だって惨めになりたくない。ここで引いても誰も攻めないだろう。<br><br>「ユンちゃんなら出来る。ユンちゃんにしか出来ない事があるはずだよ」<br>「……セイ姉ぇ」<br><br>　そう言われて考える。俺の出来る事。そうだ、俺には色々あるじゃないか、弓然り、ポーション作り然り、アクセサリー作り然り、料理然り……って。<br><br>「……勝てる気しない」<br>「良いからやってみれば良いよ！」<br><br>　そう言って背中を押される。壇上に上に立ってしまえば、数十人という人間の視線に晒され、足が竦みそうになる。<br>　相手も、緊張した様子でこちらを見ていたために、過度な期待をされているように感じる。<br>　そんな中、俺が選んだ芸の道具をインベントリから取り出す。<br>　それは――包丁とリンゴ。<br>
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<link>https://ameblo.jp/chuang206/entry-11664468651.html</link>
<pubDate>Sat, 02 Nov 2013 15:17:50 +0900</pubDate>
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<title>N0771E-53</title>
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<![CDATA[ 第二部　１．出口のない森－５<br><br>　急激な方向転換についてこられなかったのか、後ろに迫ってくるはずの蹄の音が聞こえない。<br>　だが、マリーは後ろを振り返りはしなかった。その時間すら惜しみ、ただひたすら、霧の奥へと彼女の馬を走らせ続ける。<br>　速く――もっと遠くへ！<br>　木々はマリーの横を走り抜け、水滴をたわわに含んだ枝から大粒の滴がしたたり落ちる。小雨か霧かわからない濡れた空気で、マリーの髪はびしょ濡れになった。体全体が森の空気と同じくらいに冷えている。指先が硬くなりつつある。髪は冷たく、顔も冷えて強張ってきた。　<br>　マリーは白い霧のはれる場所を目で探しながら、額から流れる水滴を急いで拭った。周囲の景色に大きな変化はない。濡れた手で手綱を握り直そうとすると、曲げようとした指が心細く震えた。必死に意識をそらし続けている、恐怖のせいだ。その恐怖に加え、焦る気持ちが先走って、手綱がうまく握れない。<br>（いつになったらこの森を抜けられる……？）<br>　思い通りに動かない自分の指にも苛立ち、マリーは手綱を握る手にぎゅっと力を込めた。彼女をあざ笑うかのように、手の下で手綱が滑る。<br>「どこに……どこに行けばいいの……！」<br>　そのとき、どこからともなく、マリーの親指の付け根に大きな水滴が落ちてきた。不意に、マリーは体に鈍い衝撃を受け、胸の中央にぽっかりと大きな穴があいたような気になった。<br>（……なんだろう、この感覚）<br>　馬の茶色のたてがみをふと見やると、なぜか急にお腹が重くなり、その違和感で、マリーは思わずお腹に手を添えた。お腹が手の下で熱を持ち始め、その温かさがじんわりと広がっていく。不思議な安心感に包まれているのに、鼻の奥がつんとし、泣き出したくなる。<a href="http://www.hytczb.com/">ニューバランス 998</a><br><a href="http://www.hytczb.com/スニーカー-55kg9-2.html/">スニーカー ニューバランス</a><br><a href="http://www.hytczb.com/メンズシューズ-55kg9-1.html/">ニューバランス 修理</a><br><br>　自分の気持ちに戸惑いながらも、マリーはやっと後ろを振り返った。視界はふさがっているが、やはり、追っ手の気配は感じられない。<br>　マリーは顔を素早く拭い、目の上に垂れてくる水滴を指で払った。霧はあいかわらず、途切れてはくれない。本当なら上に見えるはずの空も、霧の彼方に埋もれている。いつまでも、マリーは自分が森の中をあてもなくさまよっているように感じた。<br>　せめて、太陽だけでも上空から照らしてくれれば、向かう方角がわかるのに。<br>（でも、私を追うなんてなぜ……？）<br>　同じ疑問がまた、ついて出た。<br>　モーリスの農園でつましく暮らしてきた彼女が、誰かの恨みを買ったことがあっただろうか？<br>　すぐには思いつかない。彼女は農園の外にはほとんど出ず、知り合いもいない。<br>　それまで感じたことのない孤独感に襲われ、マリーの胸が切なさにしぼんだ。農園の人々はとてもよくしてくれるけれども、彼女の家族ではない。カミーユを除けば、マリーは家族も親戚もいない、天涯孤独の身だ。<br>　マリーは正面を向き、白い霧に見え隠れする景色に目を凝らす。<br>（でも、もしかしたら――）<br>　急に思いついた考えに、マリーは混乱した。<br>　――もしかしたら、消えた過去に遡れば、追われる訳が見つかるのだろうか？<br><br>　恐怖はほとんど失われていた。<br>　マリーは、馬の速度を少しだけ落とした。背後から追いかけてくる音はなく、左右からも何も聞こえてこない。追っ手の男たちを振り切れた、とみなしていいのだろうか。<br>（なぜ私はまた追われてるんだろう？）<br>　低くなる鼓動を気にかけながら、自分の内なる声に、マリーははっとした。<br>（“また”？　また、ってどういうこと？）<br>　戸惑いに、胸がつまる。<br><br>　マリーはまた、馬の歩みを遅くした。白い霧に、半分または一部、その姿を隠す木々が両側を流れていく。天に昇るように伸びていく真っ直ぐな幹。何かが、無遠慮に心に押し寄せてくる。不安定な闇に押され、息が詰まる。<br>（まただ。何だろう、この感覚？）<br>　既視感？　<br>　でも、この森に来たのは、マリーは今日が初めてだ。<br>　前方の木々が途絶え、雲のような霧が薄まって明るくなっている地点が見えてきた。ちょっとした広場がありそうだ。<br>　それを目にすると、それまでの不安な気持ちが、とてつもない緊張感に成り代わった。それから、畏敬に近い温かな想いがマリーの全身にあふれ出してきた。なつかしくて、胸が膨らんで、心が騒ぎ出す。<br>　馬の揺れに体を合わせきれず、マリーの体がふわりと浮いた。<br>　急に不安定になった体を封じ込めようと、馬のたてがみにしがみついたマリーの顔に、大きな水滴がかかった。そのとき、それまで飛ぶように脇をすり抜けていただけの木々が、ゆっくりした動きをとって、マリーの目に飛び込んできた。どこかで、たしかに見た光景だ。木々が心に迫り、枝の先端についた、透き通った雨の滴がきらきらと光りながら、マリーの胸に降りかかってくる。<br>「あ……！」<br>　意識が朦朧とした。<br>　薄くなった霧の奥に、青い、真っ青な空が見えた気がした。<br>　<br>　斜面に幾重にも続く木立、崖の下を流れる濁流、一斉に弓を構えた青い制服姿の近衛兵たち。<br>　いつかどこかで目にした光景が順番に現れては失われ、そのたび、マリーの心臓は悲鳴を上げる。再び、マリーの鼻の頭に水滴がかかり、顔の前で細かな滴となって散らばった。前方を、抜けるような青空が占め、マリーはついに、実際に悲鳴をあげた。<br>（ああ、私は……！）<br>　なつかしく、狂おしい痛みでマリーの体が宙で縛りあげられた。手を伸ばした先で、正面にいた緑色の瞳の男が、突然、消えてなくなる。彼の面する恐怖は、彼女の恐怖だ。その次の瞬間、彼女は生ぬるい水の中にいた。<br>“ジェニー！”<br>　その男のあげた叫び声に、マリーの身が水中から一気に引き上げられる。<br>「ゴーティス王……！」<br>　彼の姿を胸に描いただけで、体のあちこちから涙が静かに流れ出す。<br>　空に、緑色の涙が舞った。<br>　マリーは無我夢中で両腕を空に高く伸ばした。涙は空中で浮き、揺れている。雫を透した光が、彼女に笑いかけている。彼女を待っているのだ。あとほんの少しだけ、ほんのちょっと手を伸ばせば、指の先に触れる。もう少しでつかめる。あの瞳をこの腕に抱きしめられれば、何もかもが、今このときから救われる。<br>　おぼろげな光が近づいてきた。霧の切れ間に揺れる光は、彼女に差し伸べられた彼の腕だ。それはいつでも、どんなときでも、彼女に温かい。<br>　会いたかった。<br>　ずっと会いたかった彼が、やって来る。<br>　目が涙でにじみ、マリーは光に手をせいいっぱい伸ばした。彼女の手が、指の先が、彼の温もりに届く。それは優しくて、とても温かい。<br>　触れただけで、マリーの胸の中で彼への愛しさが弾けた。<br><br>　はっとして飛び起きた彼女は、自分が、見知らぬ小さな部屋に寝かされていたのを知った。部屋に明かりは射さず、小さな窓からは濁った景色しかのぞけない。寝台から起き上がりざま、彼女は自分の全身が濡れていることに初めて気づいた。<br>「あの川に落ちて……！」<br>　だが、彼女はそれが間違いだとすぐに訂正した。霧のたちこめる森で、逃走の末に追っ手をまいた、かすかな記憶が残っている。<br>　男たちから逃れられたと知って、彼女は安堵し、ひそやかな息をつく。<br>　隣の部屋には誰かいるらしく、床の上を歩く靴音が聞こえてきた。食べ物のような、油の混じった匂いが扉越しにもれてくる。人の存在、誰かがいるという安心感。何者かが、彼女を助けてくれたらしい。<br>　彼女はあらためて安堵し、それとともにモーリスの館を思い出した。彼女に、温かい寝床と惜しみない愛情を与えてくれた家。自分とは違う名前で過ごした日々。記憶が入り混じることに少し戸惑いを覚えたが、試しに、彼女は自分の名前を呟いてみた。<br>「……ジェニー」<br>　その名は唇に馴染む。耳で聞いてみても、違和感は残らない。そのことに、彼女はもっと安心する。<br>（……ここはどこ？）<br>　冷えと疲労から来る眠気に耐えられず、彼女は再び温かい毛布の中へもぐりこんだ。目を閉じると、白い霧の中でさまよった時間が思い出される。<br>（ここはどこだろう？　私はなぜ追われたの？）<br>　森の中で、ゴーティス王の悲痛な叫びを聞いたことを思い出す。森を駆け抜けた記憶は曖昧なのに、それだけが鮮烈だ。耳には今でも彼の声が残っていて、胸に小さな棘がささっているように痛む。あれからどれだけの時間が流れたのか、はっきりとはわからない。でも、彼の手だと感じたのは、彼女を助け出してくれた別の誰かだったのだ。全ては、遠い昔に過ぎ去ったことなのだ。<br>　彼女はあきらめ、眠気に誘われるままに目を深く閉じる。<br>（カミーユは？　ケインは、生きているんだろうか……）<br>　扉の開く音が、ジェニーの頭の中に反響した。<br><br><br>　森番の寝室は居間の半分にも満たない大きさだった。小さな窓が右側に一つあるだけの、暗い部屋だ。左側の壁面には三段の棚が造り付けてあり、乱雑に小物が放り出されていた。寝床の隣にある小さな台には、水の入った容器と赤いショールが無造作にかけられている。部屋の大部分を占める寝床の真ん中には、女が毛布を被り、ゴーティスの方に背を向けて寝ていた。長い髪は茶色っぽく見え、毛布の上であちこちの方向に乱れ飛んでいる。あまりに静かで動かないので、まるで死人のようだ。<br>　女の間近に行くと、彼女の肩がわずかに上下しているのがわかった。長い髪が濡れ、ところどころで束になって固まっている。擦り切れた毛布の下からは女のうっすらと赤い唇がのぞき、ゴーティスは期待感で体を震わせた。<br>　少女のような――いや、若い娘だ。<br>　ゴーティスはほくそ笑み、彼女を覆う毛布に手を伸ばそうとした。が、髪で半分隠れた彼女の横顔をのぞき見ると、ゴーティスは伸ばしかけた手を不意に止めた。<br>　薄く小さな唇の形に見覚えがある。<br>　口から鼻につながる曲線を、ゴーティスはどこかで見た記憶があった。<br>（……誰だ？　一度ではない、何度となく――）<br>　心当たりに思いをめぐらせ、すぐにたどり着いた答えに、ゴーティスは到底納得できなかった。強烈な驚きで、口がしばらくきけなかった。<br>（だが――よもや――今さら――）<br>　頭に浮かぶのは否定ばかりだ。否定したがる一方で、呼吸が熱を帯び、ゴーティスを激しく急きたてる。<br>　ゴーティスは寝台横の床に膝を落とし、人差し指の腹を女の口元にかざした。女の息吹が、彼の震える指を温かく湿らせる。<br>　彼女は、生きている。<br>　ゴーティスは寝台に手をつき、崩れそうになる体をどうにか保った。<br>　彼女は生きている……！<br>　あの日以降、繰り返し見た夢の中で、ゴーティスは落ちていく女の手を何度も掴みそこねている。そのたびに後悔し、自分を責め、ケインを呪った。<br>　彼女が、今再び、ゴーティスの前にいる。<br>　一度彼女に触れたら、塵と化してしまうかもしれない。彼女が目を開けたら、このはかない夢も終わってしまうのかもしれない。<br>　彼女を二度までも失うのは怖かった。音をたてて張り裂ける胸の痛みを、二度も経験できるとは思えなかった。彼の本能は答えを確信しているのに、間違いと分かったときの落胆に怖気づいて、彼女の顔にかかる髪を払いのけられない。<br>　たった二年で、自分はこんなにも臆病だ。<br>　面前に横たわる彼女をじっくりと見て、ゴーティスは細いため息をもらす。<br>　彼女の細い肩が小さく上下に揺れていた。ゴーティスは自分の手のひらを見つめ、それを握り締めた。爪が手のひらにくいこみ、色が白く変わる。これは、夢ではない。<br>　手のひらに血が通っていくのを見ながら、ゴーティスは萎えた勇気を奮い起こした。そう、今度こそ、それが今目の前にあるのなら――今、彼女の手を掴むべきなのだ。<br>　意を決し、ゴーティスは女の濡れた髪を指で払った。青白い横顔がゴーティスの手の下から現れると、室内中の空気が、一度に、彼にわっと押し寄せてきた。<br>　誰が、彼女は死んだと言ったのか……！<br>　ほとばしる熱気に目がくらみ、組んだ両手の上で、ゴーティスは自分の感情に飛ばされないよう、必死に耐えた。<br>　質素な森小屋が後宮の一室に姿を変える。二年前の日々が彼の瞳に駆け上ってくる。毎日の務めが終わった深夜、寝台で健やかに眠る彼女を、ゴーティスは飽きることなく眺めていた。何もせず、ただ見つめているだけで、心は平安だった。伽の対象なだけではない女が存在することを、ゴーティスに気づかせた女だ。彼女のことを、片時も忘れたことはない。<br>　生きることに貪欲な彼女が、そうそう簡単に死ぬものか……！<br>　王ゴーティスにたてつく女が、そうもたやすく死ぬものか！<br>「ジェニー……！」<br>　外に飛び出していって、大声で宣言してまわりたいぐらいだ。ジェニーは死んでなどいない、と。<br>　ジェニーは以前より少し日に焼け、顔の肉が落ちていた。身に着ける服は質素なものだが、彼女に変わりはない。顔色は悪いが、ジェニーは生きている。ちゃんと生きているのだ。<br>　ゴーティスはジェニーの寝顔を見た。よく眠っている。以前と同じように、唇を少し開いて、静かに眠っている。ジェニーが、生きている。<br>（二年も俺を放置したこの女を、どうしてくれよう……！）<br>　その頬に触れようとゴーティスが手を伸ばすと、彼女の体が震えた。が、それは彼女が震えていたのでなく、ゴーティスが感極まって震えているだけだった。<br>　彼女との再会に感動し、ゴーティスの手足の端々までが痺れ、歓喜にむせび泣いていた。辛い現実に降伏し、彼女を一度はあきらめたことを、ゴーティスは、心の中で彼女に懺悔した。<br><br><br>　目の前に、白くぼんやりした物が見えた。白くて、華やかな何かだ。だが、至近距離にありすぎて、目の焦点に合わない。<br>　ジェニーが目を凝らして確認しようとすると、その白い物体がさっと取り払われ、代わりに、温かな柔らかい何かが口と顎を覆った。咄嗟のことで驚いたが、唇に押し付けられた感触から、ジェニーはそれが人間の手だと答えを出した。<br>　戸惑うジェニーの耳に、息に似た男の声が早口で囁く。「騒ぐな」<br>　そうは言われても、男の手で口を塞がれたと知って、ジェニーは一気に目が覚める。うす暗い室内に男の不鮮明な影が浮かびあがり、ジェニーは恐怖でひるんだ。男の手をつかみ、慌てて体を起こそうとする。<br>「騒ぐな」<br>　声が近づいて再び命令し、ジェニーの肩が押さえつけられた。ジェニーは焦り、必死でそれを取ろうともがいた。<br>「う……う……！」<br>「騒ぐでない！」<br>　男の息が顔にあたり、ジェニーは体を揺らして抵抗するのをやめた。男の独特な口調と懐かしい響きに、体の内側から純粋な驚きが生まれてくる。<br>（この声！　でも、まさか……？）<br>　まだ夢の途中かもしれない、とジェニーが混乱していると、小屋全体に響き渡るほどの怒鳴り声が彼女を現世へと呼び覚ました。<br>「森番！　森番、早く開けろ！　おまえが中にいるのはわかっておるぞ、さっさとここを開けろ！」<br>　追っ手だ！<br>　ジェニーは男への抵抗を再び試みようと体を起こそうとして、目の前の人物がくるりと頭を揺らす様にぶつかった。<br>（――これはまだ……夢の続き……？）<br>　ジェニーは絶句し、息をするのも忘れて、自分を振り返った男の光る瞳を見つめた。<br>　また会えるとは思わなかった。<br>　もう二度と、会うことはないと思っていた。<br>　ジェニーは、彼の手が自分の顔に触れているとあらためて知ると、その手にまた会えたことに感動して、胸がつまった。彼の瞳に自分が映っているのをみとめると、嘘のような再会が現実に今起きているのだと思い知らされて、泣きたくなった。約二年前、青空の下でジェニーが永遠に失ったと感じた、緑色に輝く瞳だ。ゴーティス王だ。その二つの瞳が今、ジェニーを真上から見返している。<br>「う……」<br>　ジェニーが呻くと、彼は、彼女の口を塞いでいた手をわずかに浮かせた。その手の温かさは、以前とまったく変わりない。<br>　肩まで届いていた彼の髪が、耳が見える短さとなっていた。直毛だとばかり思っていた髪が、ゆるやかにうねって顔の輪郭を覆っている。険しい形相はあいかわらずだが、以前よりずっと、精悍で男らしい印象だ。なつかしさと愛しさに、ジェニーの胸が甘く泣く。<br>　ジェニーが二年ぶりに再会した王を見つめ続けていると、彼が、やや怪訝そうに眉をひそめた。親愛を含んだ眼差しを期待していたわけではないが、彼の瞳には、ジェニーへの情も怒りもない。醒めた目だった。<br>　大声が再び乱暴に繰り返された。<br>「開けぬのなら、この扉を蹴破るぞ！　我らはラニス公の使者である！　ある女を捜しているのだ、匿うと承知せぬぞ！」<br>　ジェニーは凍りついた。<br>　やはり、追っ手だ。<br>　こんなところにまで追ってくるなんて！<br>　森を駆け抜けていたときの恐怖が戻ってきて、ジェニーは喉をつまらせる。<br>　ジェニーに再び振り返った王が、彼女をじろじろと見た。商品を値踏みするかのような、ぶしつけな見方だ。彼はまだ、言葉を発しようとしない。　<br>　<br>　ジェニーが身じろぎもせずにいると、戸口の向こう側から、くぐもった男の囁きが聞こえてきた。<br>「王。お聞きですか、王？　ラニス公の使者とのことですが、どうされます？　相手は近衛兵のようですが？」<br>　ジェニーの心拍数がいっそう上がる。王が扉の方に目をそらした。<br>　しんと静まりかえる室内で、王の手をつかむジェニーの手が勝手に小刻みに震え始めた。ジェニーはそれを止められない。彼の視線が、ちらりとそこに流れた。あいかわらずの冷たい目だ。<br>　彼の冷たい瞳を見ているうち、ジェニーは愕然とした。<br>（――まさか、ラニス公からの偽の使者は、王が放った刺客では……！）<br>　あらたな恐怖で、ジェニーは彼を直視できない。<br>（ああ、まだ、まだ死にたくない……！）<br>　ジェニーが王の手の中で苦痛の息をもらすと、肩から彼の手が離れ、扉の方に声が投げかけられた。<br>「戸を開けてやれ」<br>　引き渡される――。<br>　ジェニーは観念して目を閉じた。男たちが、乱暴に小屋に押し入り、床を踏み鳴らして歩く音がジェニーの耳にもはっきりと届いた。「声をたてるな」と王が耳元で囁いたような気がした。<br>
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<pubDate>Fri, 01 Nov 2013 16:59:10 +0900</pubDate>
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<title>10.26_136</title>
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<![CDATA[ 春に話した。<br>「何か朝早く起きると」<br>「いいでしょ。早起きは」<br>「これまでは朝顔も時々しか見ていなかったけれど」<br>「今はなのね」<br>「毎朝見ているよ」<br>「朝顔ってね。見てくれる人に挨拶してくれるんだよ」<br>　千春はにこりと笑ってそのうえでこう希望に話した。<br>「おはようってね」<br>「朝早く起きて自分を見てくれた人に」<br>「うん、そうだよ」<br>　その通りだというのだ。<br>「それでその朝顔を毎朝なのね」<br>「見るんだね。これから」<br>「そうよね。朝顔に挨拶してもらって」<br>　そうしてだと。千春は希望に話していく。<br>「お友達と会うんだね」<br>「そうなってるね。それでね」<br>「それでよね」<br>「こうして千春<a href="http://www.llxrui.com/">ugg emu</a><br><a href="http://www.llxrui.com/パンプス-ミュール-7pwr1t-2.html/">ugg セール</a><br><a href="http://www.llxrui.com/レディースシューズ-7pwr1t-1.html/">ugg ショート</a><br>ちゃんと出会って」<br>「そうなってどう？」<br>「入院してる人との面会って長くはできないけれど」<br>　確かに毎日の様に真人と会っていた。だがそれでもだった。<br>「それでもね」<br>「退院してたら」<br>「長く会えるから。その分嬉しくなったよ」<br>「そうなの。その人とも一緒にいられて」<br>「一日が余計に充実してきたよ」<br>　そうなってきたというのだ。さらにだ。第八話　友情もその四<br><br>「その後は」<br>「ああ、あれね」<br>「そうです。ニ作目はそれで」<br>「ではそうしますか」<br>「はい、それを観ましょう」<br>　こう話してだ。そのうえでだった。<br>　彼等は酒に菓子の他にだ。ドラえもんの映画も観てだ。二人きりの時間を楽しんだのだった。<br>　真人は帰って来た。それによってだ。希望は彼と共にいる時間も増えた。それによってだ。<br>　彼は笑顔になって
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<pubDate>Sat, 26 Oct 2013 16:03:25 +0900</pubDate>
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<title>1017_622</title>
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<![CDATA[ 嗓项^を横に振る。<br>そう、一瞬、スパイ映画を思い出したからだった。<br><br>昭和４０年代と言えば、東西冷戦時代である。<br>そうした時代背景もあったのだろう、アメリカのテレビ映画に「スパイ大作戦」というのがあった。<br>もちろん、フィクションなのだが、アメリカでの人気を受け、日本でもテレビ番組として毎週放送され、かなりの高視聴率を取っていた。<br>そう、「おはようブリックス君」で始まるあのスパイ映画である。<br><br>その「スパイ大作戦」には、シナモン?カーターという元モデルの美人スパイが登場する。<br>唯一の女性メンバーなのだが、看護士の資格も持つなど頭が切れることから、サブリーダーの役割を果たすことが多かった。<br>そして、その美貌と話術で作戦相手の人物に取り入るなど、作戦を遂行する上でも重要な役割を果たしていた。<br><br>その美人スパイと美由紀を重ね合わせていたのだ。<br>頭が切れること、そして美人であること。それが理由だろう。<br><br>（そ、そんな訳ないよなぁ～???。）<br>源次郎は、<a href="http://www.lqqybz.com/">グッチ バッグ 激安</a><br><a href="http://www.lqqybz.com/レディース財布-fb0fa-2.html/">グッチ メンズ バッグ</a><br><a href="http://www.lqqybz.com/gucciグッチ-fb0fa-1.html/">グッチ バッグ レディース</a><br>そう自嘲する。<br>フィクションと現実が混在するはずはない。<br><br><br>「ああっ、そ、そうだ???。」<br>源次郎は、そう言うことで現実を取り戻す。<br><br>その美由紀が言っていた。<br>「代書屋って知ってるんでしょう？」とだ。<br>つまりは、そこを使えと言っているのだ。<br><br>「う、う～ん???。」<br>だが、源次郎は、その代書屋を知らない。使ったこともない。<br>ましてや、ここは小樽である。どこにその店があるのかも知らない。<br><br>源次郎は椅子から立ち上がる。そして、階段へと向かった。<br>階下へ降りるつもりだった。<br><br><br>「あ、はい、何か？」<br>源次郎が降りてきたのを見て、シェフが声を掛けてく
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<link>https://ameblo.jp/chuang206/entry-11651851709.html</link>
<pubDate>Fri, 25 Oct 2013 16:49:12 +0900</pubDate>
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<title>,新作 財布 2013,moncler モンクレール</title>
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<![CDATA[ 入場料は5ドルであり、この活動は、12歳未満の子供にはお勧めできません  同封のクワッドトレーラーATVの輸送のためのさまざまなオプションの1よりもはるかに大きいと高価です。 その後、再び、余分な保護と快適さが犠牲によく価値があります。 それらは、単に修理機器と一緒にいくつかの全地形車を含んでいます。 使用可能な密閉トレーラーが小さいトウのジョブの未婚の車軸トレーラーからほぼ40フィートに及ぶ。 彼らが乗るイン到着時に位置しているので、同封のトレーラーは、すべてのトランスポート上の要素からあなたの自動車への保護を提供します。<a href="http://ameblo.jp/chuang4" title="カジュアル 福袋">カジュアル 福袋</a> すべてはテキサス州対リビアのイベントに支配が優勢Suiteの後、2003年に形質転換したより強固なCRMEで織りhttp://ameblo.jp/chuang21ホワイト<a href="http://ameblo.jp/chuang59" title="ダウン ファッション">ダウン ファッション</a>より強く彼こそ提案は 彼らはtopest品質と最高の価格で圧倒的に若者の販売のための本格的なオンラインナイキshoxストアから最高の靴です<a href="http://ameblo.jp/chuang94" title="鞄 値段">鞄 値段</a>意図はアイデンティティを覚えやすいhttp://ameblo.jp/chuang33それが唯一のジョーダンブランドの一部であることがスの靴のアレンジを施したレ 彼らは、実行中に音を立てるために使用されるが、この問題があるためノイズの少ない、より効率的なコンプレッサーで解決されています今後数週間にわたって全体HOFをオンラインで掲示する。 （ITLが上記KICKS]タブの下にアーカイブすること。）楽しんだり アルマーニジーンズはいつもあなたが常にデザイナーの古典でチャートをトッピング同時にセクシー、しばらく積極的な楽しさを、感じ続けるために、新しい方法を考えていると1人気のデザイナーが言った そして、何、サッカー選手は常に、ナイキサッカーのクリートをローカットの靴を着用していると思います雑誌「小悪魔ageha」から同誌に移籍した早川沙世（28）はモデルとして活躍する傍ら、先月歌舞伎町にキャバ嬢向けのサロンをオープン。人気アイドルグループ?SDN48の3期生メンバーとしても注目を集めている移籍後初となる今回、早川沙世は華奢なアクセサリーを身に着けただけのセミヌード姿で登場。潤いのある素肌、引き締まった腰のくびれ、豊満なバストはまさに女性の鏡とも言える美しさだ多忙で睡眠時間はわずか2時間という彼女にとって、にんにく注射やプラセンタは必須。それに加え野菜中心の食事やお風呂でのストレッチなど、自宅でのボディケアも欠かさないという?「きっかけは逆ナン」竹下玲奈が年下夫とゴールインに至るまで すべての最後に、彼または彼女は、耐久性が良く、彼らは多大vrey根本的な可能性のあるトレーナーを、光栄に時間由緒復刻適切当分確認して言及しないようにプライバシーだ彼らがキャッチすることができる方法です。 低音は これは驚くべきことではない<br>
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<pubDate>Thu, 24 Oct 2013 15:03:51 +0900</pubDate>
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<title>N3967Q-3</title>
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<![CDATA[ 3.行動<br><br>　二日が経った。<br><br>　皇帝陛下はおろか宰相からも何の連絡も無い。<br><br>　次の日には大会議場であった事は城中に知れ渡っていたが、それでも何も言ってこないのは不可解だった。<br><br>　侍女達は物言いたげな瞳でこちらを見てくる。しかし決してその事には触れてこないのは、侍女長か侍従長によって何らかの指導が入っている為だろう。<br><br>　フェリシエは半月前から段階を踏んで公務を減らし、ついに昨日からは何の予定も無くなっていた。その為と、「出て行け」と言われた瞬間に出て行けるようにする為に、この二日間必要以上に部屋から出てはいなかった。<br><br>　だから会う人間は限られているし、その人達に城内の様子を聞くのも気の毒に思えて、皇妃になって以来初めて情報収集を止めていたのだ。<br><br>　居間のソファに腰を下ろして暇を持て余していたが、思案の末に紅茶の入ったカップを左手に持ったソーサーの上に置いた。<br><br>「そろそろ潮時ね……」<a href="http://www.autowealthmaker.org/">オメガ 価格</a><br><a href="http://www.autowealthmaker.org/レディース腕時計-a4dc-2.html/">オメガ シーマスター 種類</a><br><a href="http://www.autowealthmaker.org/omegaオメガ-a4dc-1.html/">腕時計 オメガ</a><br><br><br>　急ぎの案件だと言ったはずなのに。そう呟いて、フェリシエは席を立った。<br><br>　居間の扉を開ければ、控えの間がある。<br><br>　そこでお茶のお代わりを持ってきたルミアと鉢合わせた。<br><br>「皇妃様？　どうかなさいましたか？」<br><br>　ぱちぱちと瞬きをする大きな瞳は子リスのようだ。十六歳と言う年齢に相応しいあどけなさが見える。<br><br>　にっこりと微笑んだフェリシエは口を開く。<br><br>「お茶のお代わりかしら？無駄にしてしまって申し訳ないのだけれど、出掛けます」<br><br>　茶器の乗ったカートを押していたルミアの両手が大きく震える。<br><br>「お、お出掛けですかっ？　ど、どちらへ？　い、いえ、その、お部屋から出られるのですか？」<br><br>　驚きと焦りで、言動がまとまっていない。いつでも丁寧に（いっそトロいと言い換えてもいいくらいののんびり加減で）他者と接するルミアだが、この様子は明らかに異常だ。<br><br>　フェリシエは直ぐに理由に思い至った。<br><br>「侍女長か、宰相殿辺りからわたくしを部屋から出すなと言われているのでしょう？」<br><br>　苦笑しながら言えば、ルミアはあっという間に顔色を真っ青にした。<br><br>「大丈夫。その宰相殿のところに向かうのです。何も城外に出るわけでは無いわ」<br><br>　その一言に少女は涙を浮かべる程安堵した。<br><br><br><br><br>「宰相殿」<br><br>　忙しげに側近達に指示を出す宰相の背中に、フェリシエは声を掛けた。<br><br>　噂の皇妃の出現に宰相執務室の者達も動揺を隠せなかった。書類の山が一山崩れた事には流石にフェリシエも謝罪の視線を送らざるを得ない。<br><br>　振り向いた宰相もやはり目を剥いて驚きを示した。<br><br>「これは、皇妃様。どうなさいました」<br><br>　硬い声音に、フェリシエは微笑みを深め、室内の緊張感を和らげる事に努めた。<br><br>「忙しいところごめんなさい。少し時間を頂けないかしら？」<br><br>　フェリシエの微笑みに僅かに肩の力を抜いた宰相だったが、視線をさ迷わせる。<br><br>「いえ、その、案件が立て込んでおりまして……」<br><br>　仕事を理由にかわそうとする彼に、フェリシエは思案気に眉を顰めた。<br><br>「まあ。そんな所に来てしまって本当にごめんなさい。時間をとらせるのも申し訳ないから、ここでさっさと済ませてしまうわ」<br><br>　ぎょっとしたのは宰相だ。皇妃が自分を訪れた理由など明白だ。皇帝陛下との離縁の話に決まっている。なのに、彼女はこんな人の多いところでその話を済まそうと言うのだ。<br><br>　手元の書類にサインを書き込み、フェリシエに向き合った。<br><br>「今一段落つきました。こちらへどうぞ」<br><br>　そう言って、廊下の先にある休憩室へとフェリシエを促した。<br><br>　フェリシエは背後に従っていた近衛騎士に廊下で待つよう言いおいて、勧められた椅子に腰を落ち着かせる。<br><br>　直ぐに彼女は話を切り出した。<br><br>「単刀直入に聞きます。離縁の手続きの件はどうなりましたか？もう三日目が過ぎようとしています。特別な手続きは無いという事ですのに、何に手間取っておいででしょうか？」<br><br>　宰相としては、美しい笑顔にぶん殴られた心境だった。<br><br>　直接的にも過ぎる攻撃だ。<br><br>「そ、それはですな、その、へ……」<br><br>　うっかり口を滑らせそうになって、「ご、ごほん」と咳払いをして誤魔化した。<br><br>「まあ、皇帝陛下が私を部屋で大人しくさせろなどと仰ったのですか？ではその陛下はどちらに？」<br><br>　宰相執務室の奥にある皇帝執務室は、扉の前に衛兵が立ってはいたが、人の出入りも無く静まり返っていた。外出していることが伺えたのだ。<br><br>「ぐっ……。へ、陛下は視察の為、一昨日からジャシーファダ地方に出向いています」<br><br>　フェリシエの言葉が真実を突いていた為、宰相は妙な物を飲み込んだ時のように詰まってしまった。それでも長年の宮仕えで養った精神力で建て直し、フェリシエの質問に答えた。<br><br>　答えを貰ったフェリシエは、人差し指を唇に添えて、ジャシーファダ地方についての情報を思い起こす。<br><br>　黒い肌の民が多い南方の地域だ。城からは一日半がかりで行けたはずだ。<br><br>「では、早くともお戻りは明日ですね」<br><br>「そう、ですな。今回は時間を掛けずに戻られると仰られておりました」<br><br>　ならば、今日が良いタイミングではないか。<br><br>　フェリシエは手の平を合わせて、にっこりと微笑んだ。<br><br>　その笑顔に、宰相はあらぬものを感じて仰け反った。<br><br>「では、明日の朝、私は出て行きますね。必要な手続き等本来は無いのですから。これまでお世話になりました」<br><br>「なっ?!」<br><br>　皺だらけの宰相の顔が、驚愕に戦《おのの》いた。<br><br>　立ち上がり、席を後にするフェリシエの背中に宰相は問い掛けた。<br><br>「何故そのように急がれるのですかっ」<br><br>　扉の前で立ち止まり、フェリシエは振り返った。<br><br>「皇帝陛下の誕生祭は再来月でしょう？」<br><br>「は？」<br><br>　唐突に誕生祭の事を持ち出されて、宰相は首を捻った。<br><br>「あの、誕生祭が、何か？」<br><br>　聞き分けの悪い子どもに言い聞かせるように、フェリシエは一言一言丁寧に言った。<br><br>「誕生祭こそ、新しい皇妃様のお披露目に最も相応しいでしょう？これ以上時を掛ければ、準備が間に合わなくなってしまうわ。ね？」<br><br>　はっとしたように、宰相の顔に理知的な光が蘇った。長い間政略漬けだった頭が急に回転を早めた心地だ。<br>　<br>　確かに、皇妃との離縁という汚点を覆い隠し、更に皇室への民の関心を再び惹きつけるには新しい皇妃というのは格好の広告塔になるだろう。<br><br>「それに、貴方達、重臣一同には私を引き止める理由が無いわ。そして、本来ならば、皇帝陛下にも」<br><br>　宰相の顔が再び歪む。<br><br>　嫣然《えんぜん》とした微笑みを崩さずに、フェリシエは小さな会釈を持ってその場を後にした。<br><br><br><br><br><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/chuang206/entry-11648885270.html</link>
<pubDate>Wed, 23 Oct 2013 16:14:07 +0900</pubDate>
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<title>N1803G-335</title>
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<![CDATA[ 第十九話　人狼その五<br><br>「充分だ」<br>「ならいいわ。それにしてもよ」<br>　そしてそのうえでまた言うのだった。<br>「最近少しずつだけれど雰囲気も変わってきてるわね」<br>「雰囲気がか」<br>「ええ、変わってきてるわ」<br>　このことを彼に告げるのだった。<br>「何か余計に鋭くなって」<br><br><a href="http://www.78xpj.com/レディース財布-8bh500-2.html/">coach 財布</a><br><br><a href="http://www.78xpj.com/coachコーチ-8bh500-1.html/">coach 公式</a><br>「鋭くなってか」<br>「前を見ている？」<br>　まずはこう言った。<br>「いえ、むしろ」<br>「むしろ。何だ」<br>「本能から闘いを見ている感じかしら」<br>　今の牧村を見ながら考えつつ出した言葉だった。<br>「最近の牧村君ってね」<br>「本能か」<br>「私の気のせいかも知れないけれど」<br>　そしてこうも言うのだった。<br>「そんなふうになってきているわ」<br>「最近似たようなことを言われる」<br>　牧村は若奈の言葉を聞いてぽつりと言葉を出した。<br>「最近な」<br>「ふうん、他の人にも言われるのね」<br>「何故かな。どうしてかはわからないがな」<br>「自分が変わるのって自分自身じゃわからなかったりするのよ」<br>「自分ではか」<a href="http://www.78xpj.com/">coach 財布 メンズ</a><br>「こんな言葉言われたことがあるのよ」<br>　若奈は言葉を少し寄り道させてみせた。<br>「目は自分自身は見えないってね」<br>「そうだな。他人は見えるがな」<br>「それこそ鏡がないと見えないから」<br>　鏡というのだった。ここで。<br>「だからね。難しいのよね」<br>「そして自分で気付かなければどうしようもないな」<br>「そうなのよね。おまけにね」　<br>　若奈はまた難しい顔をして述べたのだった。<br>「何でもそうなのよね。まず自分で気付かないとね」<br>「それはフェシングやテニスだけではないしな」<br>「お料理もよ」<br>　若奈の本職である。彼女が家の喫茶店を継ぐことはもう決まっている。それは彼女が三人姉妹の長女であるからだ。そして彼女もそれを受け入れている。<br>「自分で気付かないと駄目なのよね」<br>「コーヒー一つ淹れるのもそうだな」<br>「コーヒー一つだって深いからね」　<br>　その深さをわからない彼女ではなかった。<br>「それこそ淹れ方一つで味もかなり変わるから」<br>「その通りだ。そしてそれを淹れることもな」<br>「自分で気付かないとね」<br>　やはりそれもだと話されるのだった。<br>「駄目なのよね。本当に厄介よね」<br>「そうだな。そしてできたらだ」<br>「全然違ってくるのよね」<br>「少しでも変われば全く違ったものになる」<br>　言いながら素振りを続ける。その間目の前の鏡から目を離さない。そこには顔中から汗を滴らせている自分自身がいた。そしてその自分自身をじっと見ていた。<br>「全くな」<br>「そうよね。牧村君フェシング全然違ってきてるわよ」<br>「最初と比べてだな」<br>「ええ。もう別人」<br>　こうまで言う若奈だった。<br>「剣捌きだけでなくフットワークや身体の動き全体がね」<br>「剣はただ剣を操るだけじゃない」<br>　それだけではない。これはフェシングだけではなかった。<br>「身体の動き全体が大事だからな」<br>「テニスの動きもちゃんと出てるわね」<br>　若奈はそれも見て言うのだった。<br>「今の素振りにも」<br>「お互いを影響させ合う」　<br>　牧村の言葉だ。
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<link>https://ameblo.jp/chuang206/entry-11642021315.html</link>
<pubDate>Fri, 18 Oct 2013 16:21:56 +0900</pubDate>
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<title>N1803G-151</title>
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<![CDATA[ 第十話　権天その一<br><br>　　　　　　　　　　　　　　　　髑髏天使　　第十話<br>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　権天<br>　マニトーとの闘いのことは次の日に博士に話をした。やはりあの研究室で妖怪達に囲まれながらこのことを己の席にいる博士に対して話すのであった。<br>　博士は彼のその話をじっと聞いていた。そして一通り聞き終えてから彼に対して言った。<br>「まさかもうなるとはのう」<br>「意外か」<br>「意外も何もこの前大天使になったばかりじゃったな」<br>「そうだな。まだ何週間も経ってはいない」<br>「それでじゃ。どうも調べていてわかったのじゃがな」<br>「天使の階級のことか」<br>「そうじゃ。普通大天使になるにも一年」　<br>　その翼ともう一本の剣を持つ天使の階級である。<br>「それもすぐでさらに上か」<br><a href="http://www.xpj53.com/レディース財布-ovc-2.html/">コーチ バッグ メンズ ショルダー</a><br><br><a href="http://www.xpj53.com/coachコーチ-ovc-1.html/">コーチ バッグ 激安</a><br>「確か権天使だったな」<br>　牧村はその階級を自分から言った。<br>「そうだったな」<br>「それじゃ。権天使じゃ」<br>　博士もまたその階級について述べた。<br>「九の階級のうちのな。三番目じゃな」<br>「炎の力を持っているのか」<br>「後付けになるがそれも今わかったことじゃ」<br>　博士はこうこ牧村に告げた。<br>「今のう」<br>「そうか。権天使は炎を司るか」<br>「どうも本来の天使の階級とは違う部分もあるようじゃ」<br>　博士が次に言及したのはこのことであった。<br>「実際の天使達とはな」<br>「聖書の天使はまた違うのか」<br>「一説には炎を使うのは主天使となっておる」<br>「第六の階級のだな」<br>「そうじゃ。しかしそれは違った」<br>　博士の目は探るような、深いものになってきていた。<br>「権天使が炎となっていた」<br>「そこに何かありそうなのだな」<br>「おそらくな。カバラがあるじゃろ」<br>「髑髏天使の謎が書かれているというあれだな」<br>「そもそもはユダヤ教の奥義なのじゃよ」<br>「それは前にも聞いたな」<br>　カバラについては博士だけでなく牧村も述べた。二人共それぞれ調べているのである。しかし牧村はそのことはまだ何もわかってはいないのだった。<br>「本来はそうだとな」<br>「どうやら髑髏天使の謎はユダヤのそれとはまた違うのかもな」<br>「そうかも知れないのか」<br>「髑髏天使はそもそも遥か古代よりその姿を<a href="http://www.xpj53.com/">コーチ バッグ レガシー</a>現わしていた」<br>　博士はあらためてこのことも述べた。<br>「今はな。そうしてじゃ」<br>「調べていくのか」<br>「まず炎じゃった」<br>　博士はまた炎に対して言及した。<br>「そして次じゃが」<br>「先にあるものも見るのか」<br>「うむ。他にも色々と調べるものはあるがな」<br>「魔神や魔物のこともだな」<br>「あのマニトーもじゃ」<br>　彼が先に闘ったそのマニトーである。<br>「とにかくあちこちから来ているからのう」<br>「そうだな」<br>「魔神は各地に封印されておる」<br>　博士はこのことも彼に話した。<br>「百目は日本で九尾の狐は中国」<br>「ああ」<br>「そしてウェンティゴはアメリカじゃ」<br>「まずはその三人だったな」<br>「あと九人もおるからのう。その連中のことも調べておく」<br>「魔物の神はその十二人だけなのか？」<br>　牧村は不意にそのことについて述べてきた。<br>「他にはいないのか？奴等だけなのか？」<br>「奴等だけとは？」<br>「ギリシア神話では主だった神の他にも多くの神がいるな」<br>「そうじゃ」<br>　当然博士もこのことを知っていた。ギリシア神話において神々はただオリンポスにいる十二人だけではないのだ。彼等はそれぞれ従神を持っておりまたオリンポスはあくまで天界を治めるゼウスの世界でしかない。他にはポセイドンの治める海界、ハーデスの治める冥界があるのだ。その二つの世界にもそれぞれ神々が存在している。ギリシア世界は三つの世界からなりそこにそれぞれの神々がいるのである。牧村はこのことを知っているからこそ今それを実際に博士に対して話に出したのである。
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<link>https://ameblo.jp/chuang206/entry-11640649516.html</link>
<pubDate>Thu, 17 Oct 2013 14:59:11 +0900</pubDate>
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