新・天才神谷君の下り坂人生~TenKami-Story~ https://ameblo.jp/delfinium/ 自称天才の神谷君が、悩みながら暮らした日々をつづっています。(主に恋愛について主観的に語ります。)サイトリニューアル中です♪ ja-jp <第320話> 第7章 大学院受験編Ⅰ ~新しいエピローグ(5)~ https://ameblo.jp/delfinium/entry-10616918765.html 「うーす。」「おいす。」講義を終えて学食へやってきた僕は、いつもの席へと向かった。そこにはサークルの同期や後輩たちが何人か先に来ていて、めいめいに食事をしていた。「今年こそはって思ってたんだけどなぁ。。」と、隣でへこんでいるのは同期の橋本だ。彼は、一年の冬のテストで英語の単位を落とし、この前の二年の終わりに受けた追試でもさらに落としてしまったという悲劇に見舞われていた(勉強不足だな(ぇ「まじで勘弁してほしい。。卒業までにとれるんかなぁ、俺(涙」橋本はどうにもうさんくさい眼鏡をかけたおぼっちゃんタ 2010-08-11T23:04:49+09:00 <第319話> 第7章 大学院受験編Ⅰ ~新しいエピローグ(4)~ https://ameblo.jp/delfinium/entry-10615921861.html 「どういうことです??」僕は、櫻井の話が飲み込めなかった。「いや、実は・・・。」櫻井によれば、奥野はこれまで外泊といった類のことはしていなかったらしい。というのも、奥野の母親が体調がよくなくて、それを奥野はいつも心配していたらしい。心配性というか、神経質というか。いつも気遣ってくれる息子が、無断でいなくなるなんてこれまでなかったから、彼の両親はひどく心配しているのだという。「大学生なんだから、彼女もいれば、遊び友建ちもいるでしょう。だから、もう少し待つようにとご両親にはお伝えしてるんですがね・・ 2010-08-10T22:52:53+09:00 <第318話> 第7章 大学院受験編Ⅰ ~新しいエピローグ(3)~ https://ameblo.jp/delfinium/entry-10612463559.html 「新宿南署・・・?刑事さん・・・ですか?」あまりに唐突な訪問に、僕は動揺を隠せなかった。警察が僕に何の用だろうか。身に覚えがあるはずもないが、警察の人と会話をするというだけで身構えてしまう。僕は、相手の顔を見据えたまま固まった。「えぇ、三日前のことで、少しお話を伺えますか?」返す名刺を持たない僕は、もらった名刺を所在なげに両の手で持ちながら、記憶を呼び起こしていた。三日前といえば・・・。僕は、大学で知り合った友人と、新宿界隈で食事をしていた。・・・。この人、新宿南署って言ったっけ・・?「かまいま 2010-08-08T22:37:11+09:00 <第317話> 第7章 大学院受験編Ⅰ ~新しいエピローグ(2)~ https://ameblo.jp/delfinium/entry-10612457679.html まだ春の陽気が訪れたばかりの頃。僕は、大学の中庭のベンチに腰掛けていた。スプリングコートのポケットから文庫本を取り出し、ぼんやりと本を読んで過ごしていた。サークルの練習には顔を出さなくなったものの、友人たちとは今でもつきあいはある。何かあれば飯も食うし、バイトも続けている。だが、単調な生活が続いていく中で、あれほど欲していた「力」を手にすることをあきらめていた僕は、勉強することをやめていた。気力もなく、怠惰な生活を続ける僕を、誰が責められるというのか。そんな自虐的な気持ちを抱きながら、日々を過ご 2010-08-07T22:31:46+09:00 <第316話> 第7章 大学院受験編Ⅰ ~新しいエピローグ(1)~ https://ameblo.jp/delfinium/entry-10607454702.html 東京の街は夜眠ることがない。そんなことをよく聞いた。田舎にいた頃は、東京はあこがれる街でもあり、怖い街でもあった。だが、僕が住むことになった街は、夜にはしっかりと眠る。空気はよどんでいるが、人の気配をあまり感じないという点においては、あまり僕の田舎と変わらない。そんなことを考える僕は、マンションの屋上にいる。磯崎にさよならを告げた僕は、実家に立ち寄ることもなく、東京へと戻った。僕の住むマンションは、屋上に立ち入り禁止の張り紙がしてある。だが、僕は迷うことなく、屋上への扉の鍵を開けた。眼下に広がる 2010-08-01T22:23:18+09:00 <第315話> 第6章 大学生編ⅩⅧ ~思い出と共に(13)~ https://ameblo.jp/delfinium/entry-10604630452.html あの日、僕は、待ち合わせ時間の1時間前に、高校時代を過ごした町へとやってきた。たくさんの思い出が詰まる町の駅に降り立ったとき、約1年半ぶりの訪問を歓迎されたかのように、空は青く、ぬけるように澄み渡っていた。まだ残暑の残るその季節、うだるような暑さを感じながらにもかかわらず、僕は、懐かしい思いを抱きながら、周囲を歩きまわった。買い食いをしたコンビニ、勉強の合間に訪れた総菜屋、そして、何度か訪れた小さな神社・・・。当時に思いを巡らせては、もう戻ってこない時間を改めて実感する。背中がじっとりとぬれてい 2010-07-29T21:51:50+09:00 <第315話> 第6章 大学生編ⅩⅧ ~思い出と共に(13)~ https://ameblo.jp/delfinium/entry-10603711940.html 合宿の日から、時間がすぎるのは長かった。バイトとサークルにあけくれ、勉強にはあまり手がつかなかった。正直、自分に法律は向いていないと、あきらめつつもあった。何をやっているのか、あの頃の夢を追う気持ちはどうしてしまったのか。自分の弱さに嫌気が指す。そして、あの日の電話以降、磯崎からは、結局、一度として電話がかかることはないまま、彼女が帰国する予定日を迎えた。帰国の日、僕は空港まで迎えには行かなかった。出国の日に、帰国の際には、観光もかねて、両親が迎えにくるのだと磯崎は言っていた。携帯電話は一時的に 2010-07-28T22:34:02+09:00 <第314話> 第6章 大学生編ⅩⅧ ~思い出と共に(12)~ https://ameblo.jp/delfinium/entry-10602719053.html 「もしもし??」「もしもし。」待っていた電話。「聞こえる~??りょうくん??」「聞こえてるよ。」磯崎の声が、流れてくる。「元気してた??」「うん。そっちは??」「超元気だよ!」それは、すごくすごく久しぶりに聞いたような気がする弾んだ声だった。「お誕生日おめでと!なんとか間に合ったかな??」覚えていてくれた。俺の誕生日のこと。それがうれしくて、本当にうれしくて、ぐっと胸にこみ上げてくるものがあった。「ありがとう。一足先に二十歳になっちまったよ。」「あはは。もう大人だねぇ♪」到着してから一度も連絡が 2010-07-27T21:33:24+09:00 <第313話> 第6章 大学生編ⅩⅧ ~思い出と共に(11)~ https://ameblo.jp/delfinium/entry-10601843090.html 宿の前で簡単に設置された会場で、皆が手に飲み物をもち、肝試し後のささやかな打ち上げが行われた。乾杯の後、わいわいと過ごし、誕生日を祝ってもらえた僕も気分はほくほくしていた。磯崎からの電話がなくたって、僕にはよき仲間たちがいる。そう思うと、なんだかすごく安心したのを覚えている。「びっくりしただろ?笑」隣にきた東が僕に声をかける。朝から微妙な空気が漂っていたため、仲直りをするきっかけを探していたのは事実だ。「あぁ、びっくりしたわ笑 ほんとさんきゅな。」妙なわだかまりが溶けていく。僕の心は現金なものだ 2010-07-26T22:17:34+09:00 <第312話> 第6章 大学生編ⅩⅧ ~思い出と共に(10)~ https://ameblo.jp/delfinium/entry-10600023835.html 「わっ!!」「きゃぁーーー!」肝試しのコースは宿を出てから、宿の周囲の山道を一周。距離はさほどではないが、照明が少なく、夜に歩けば15分以上はかかるものだ。その山道のあちらこちらから悲鳴が上がる。「わぁ♪ 始まったみたいだねぇ♪」水越はうれしそうにぴょんぴょんと跳ねている。メイクで顔を真っ白に染めた僕の隣で、水越は、白いお化けのキャラクターのきぐるみに身を包んでいる。背の低い水越のその姿は、お化けというより、どこかの遊園地にいそうな感じだw「すげぇ声だなw」僕らの待機場所は、ゴール近くにある川に 2010-07-25T22:45:13+09:00