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<title>SAKIのカウンセリングブログ</title>
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<description>NYの大学・大学院で犯罪心理学を学び、今はカウンセラーインターンとして薬物・アルコール中毒患者を相手に臨床研修中です。毎日、数々の問題をもった患者さんを相手に私が感じたことや発見したことを紹介していきたいと思います。</description>
<language>ja</language>
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<title>境界性人格障害と躁鬱病</title>
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<![CDATA[ Borderline Personality Disorder-BPD-(境界性人格障害）とは、簡単に説明すると、感情や自己のイメージが不安定で、人間関係を上手く持てない障害をいいます。”危険な情事”という映画の、Glenn Closeが演じた浮気相手の役がこれに当てはまるようで、心理学のテキストにもそういう説明の書いてあるものがかなりありました。<br><br>”人格障害”という言葉が示す通り、この、XX Personality Disorderと付くものは、その障害が人格そのものと言えるほど、広範囲に渡って態度等に現れます。そして、その中でもBPDは一番程度がひどく、一般的に治りにくいと言われています。<br><br>男性教授のひとりが興味深い話をしてくれました。彼が昔あるクラスで、授業を終えたとたん、ものすごい剣幕で女生徒のひとりが近づいてきました。いきなり、”何でずっと授業中私の顔ばっかりみてんのよ！あんた、どうせあたしとsexしたいと思っていやらしいこと考えてたんでしょ。いい加減にしてよ。でも、食事くらいだったら付き合ってあげてもいいけど。”と言ってきました。あまりのことに教授はびっくりして、”私は授業中はできるだけみんなの顔を覚えようと、ひとりひとり目を見ながら話す癖はあるけれど、特別君だけを見つめて話したということは全くないよ。ただ、もし僕の態度で何か不快な思いをさせることがあるのだったら、気をつけるつもりだ。僕は結婚生活も上手くいっているし、失礼かもしれないけれど、特に君が僕のタイプというわけでもない。”と、相手の表情をみながら、ゆっくりを説明しました。そのとたん、彼女は急に顔を真っ赤にさせると、”すみません。私、何か勘違いしていました。本当にごめんなさい。”と謝り、あまりの恥ずかしさからか、走って教室を出て行きました。これがBDPの典型のひとつだということです。<br><br>人格障害から精神障害に移るパターンというものもかなりあるそうです。BDPを持っている人は躁鬱病になりやすいと習いました。確かに、症状もすごく類似しています。<br><br>施設に来る患者さんの中に、かなりの割合で躁鬱病をもっていると診断された人がいます。私のいるところ、Detoxは、前にも少し説明した通り、いきなりアルコールやドラッグを断たれた人たちがリハビリに行くまでの、最初の１週間過ごすところなので、禁断症状に苦しんで暴れたりすることも少なくありません。始めは、その禁断症状やイライラが積もって、暴言を吐いたり、暴れたりするのかなと思っていました。確かにそういう人たちが多いとは思います。ただ、注意してみると、躁鬱病を持っている患者さんたちはちょっと不思議な行動を取ります。<br><br>例えば、いきなりオフィスに入って来て、”施設を出て、他のところへ移りたいから、ここへ電話をしろ！”とどなります。患者の希望をかなえようと、一生懸命カウンセラーが手配しようとしているのに、”あんたは、私がここの施設にいればいいと思っているから何もそうやってしないんだ！”といきなり責め始めるのです。そして、ほんの５分１０分したら、さっきまでの勢いはなくなって、”いろいろ助けてくれてありがとう”と、まるで何もなかったように普通に会話を始めるのです。きっとこれは授業で習った通りの、BPDの症状なのだろうと思いました。<br><br>人格障害には他にいくつか種類がありますが、調べてみると結構おもしろいかもしれません。周りの人たちの中で、”何かこの人はちょっと変わっている．．．”と思えるような人がいたら、その人はどれかの人格障害に当てはまるかもしれません。そうやってみてみると、少しその人に対するイライラもなくなるかもしれません。<br><br>
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<link>https://ameblo.jp/disorders/entry-10066724431.html</link>
<pubDate>Sat, 19 Jan 2008 15:53:09 +0900</pubDate>
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<title>元患者さん</title>
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<![CDATA[ 仕事も終わって家に帰る途中のことでした。ちょっと派手な赤いスポーツカーがしつこくクラクションを鳴らし、私の近くをゆっくりと走行していました。NYなので、平気で知らない人が様々な目的で声を掛けてくることもありますし、仕事場の近所には知っている人はいないので、そのまま自分じゃないと思い無視しようとしました。そうすると後ろを歩いていたカップルから、”あなたの知ってる人じゃないの？”というので、やっと振り返って車の中をのぞいてみると、１週間程前まで施設にいた患者さんでした。<br><br>彼の担当はしていなかったのですが、あまりにもおもしろい人だったのでよく覚えていました。一度、女性患者同士の激しい喧嘩になったときに、カウンセラーの一人があわてて、”Call blue! Call blue!"と、建物内に響くように叫んだので、仕事をしていた私も現場に駆けつけた方がいいのか、そのままオフィスにいていいのかかなり迷いました。その迷っている時にたまたま別のインターンが患者のインタビューをしていて、その患者である彼が私のはっきりしない態度を笑って、それ以来、彼の中で私のあだ名が"call blue"になりました。<br><br>彼は典型的なずる賢いタイプの患者で、私がインターンであまりきついことを言わないことをいいことに、他のカウンセラーが席を外すと、するっとオフィスに入って来て勝手に私用で電話を使います。でも、彼の電話の相手が大抵、彼のまだ小さい子供であったりすることが多いので、そのへんは見逃すことにしていました。背も大きく、いろいろ悪いことをして来た彼でも、子供と話すときには、とても優しいお父さんになっていたのがとても印象的でした。<br><br>その彼は、私が働いていない週末に”卒業”していたらしく、今日は偶然忘れた荷物を取りに来たということでした。数日ぶりに見た彼は、少し痩せ、着ているものも仕事帰りなのかちゃんとした格好をしていたので、とてもあの施設で毎日大声で歌を歌っていた人とは思えませんでした。”見違えちゃったから、すぐにわからなくてごめんね。”と言うと、彼は誇らしそうに、”先週末に卒業したからね。いろいろお世話になったね。他のカウンセラーにもよろしく。”と何とも言えない笑顔で言いました。私も”Good luck!”と返し、お互い握手を交わして別れました。<br><br>いつも、他のカウンセラーが、元患者からお礼の連絡があったりすると、本当に普段見られないような嬉しそうな表情をするので、そういうものなのかなぁと思っていました。でも、自分がこういう立場になってやっとわかるような気がします。スーパーバイザーはよく、”患者がお礼を言ったとしても、気分はいいかもしれないが、それは私たちの力ではなく、彼らが彼ら自身で立ち直ったんだ。と同時に、彼らが立ち直らなかった時も、それは私たちのせいではないのだから、落ち込む必要もない。”としつこく繰り返しますが、でも、今日だけは、ちょっといい気分でいたいと思います。
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<link>https://ameblo.jp/disorders/entry-10065912756.html</link>
<pubDate>Tue, 15 Jan 2008 11:12:25 +0900</pubDate>
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<title>OCD</title>
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<![CDATA[ Antisocial personality disorder（反社会的人格障害）の次に、私が個人的に興味を持っている障害は、通称OCD（Obsessive-Compulsive Disorder）とこちらでは呼ばれているものです。日本では強迫性障害と言われているようです。Obsessionとは、無意識だったり自分では抑制がきかない思考やイメージが頭から離れないことを言い、例としては、細菌などに自分が汚染されることを極端に恐れることがあげられます。Compulsionとは、ritual behavior（儀式的な行為）ー繰り返し行われる行為（ガスを止めたかとか鍵をかけたかなどを不必要に何度も確認したり、手をしつこく繰り返し洗ったりすること）をさし、その行為はどうやっても止める事はできません。多くの有名な映画にもこのOCDをもった人物が描かれていますが、その中のひとつで、ニコラス・ケイジ主演の”Matchstick Men”でこれらの行為が描かれているのが印象的だったので、興味のある方はご覧になってください。個人的にこの映画は好きです。<br><br>ただ、私も含めて多くの人が、電車やバスのつり革や手すりをちょっと汚いなと思ったり（見た目は何もないとしても）、本や雑誌を買う時に同じものが２冊以上ある時には、誰もまだ手を触れていないだろうと思われる後ろや下の方から取り出す事があると思います。アメリカではこういう時ふざけて、”私、ちょっとOCDがあるから”なんて言いますが、これは本当のOCDではないとされています。その分け方はとてもシンプルです。自分でこういった行為を嫌だとか治したいと思っている（ego-dystonic)か、そうでないか（ego-syntonic）というだけです。ちなみに、ego-syntonicでOCDほどまでではなくても、軽く似たような症状がある場合には、OCPD(Obsessive Compulsive Personality Disorder)と呼ばれます。部屋を異常にきれいに掃除・整理整頓することが好きな人がこれに当てはまると思われます。<br><br>少し余談なのですが、このdystonic－syntonicルールによって、同性愛というものが精神障害とされないとなっています。<br><br>前置きがかなり長くなりましたが、まだOCDを持つ患者さんには会った事がありませんが、私のスーパーバイザーが、ちょっと変わったタイプのOCD患者さんを持った事があったそうです。<br><br>トムは小さい頃から不思議なファンタシーを持っていました。それは、母親の前で自殺をするというものです。その考えに押しつぶされそうになるたびに、母親は何としてでも止めてきたのですが、ある日、トムが拳銃を持ち出し自分のこめかみに銃口を向けました。もうすっかり疲れきった母親は、とうとう”撃ちなさい”と言い、止めなかったのです。彼はそのままこめかみを真っすぐ撃ったつもりだったのですが、方向が反れ、前頭葉の方を打ち抜きました。幸い命を落とすことはなく、病院で回復したときにトムは、自分の異様なファンタシーもなくなっていることに気づきました。スーパーバイザーが言うには、OCDを抱える人たちには共通で前頭葉やその他の部分に異常が見られるそうで、実際この障害を治す時にはその部分を切り取ることもあるということでした。つまり彼は、とてもラッキーなことに、自分で自分を治療したことになります。<br><br>後に、彼はこの経験を生かして、心理学者になったということです。
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<link>https://ameblo.jp/disorders/entry-10065162985.html</link>
<pubDate>Fri, 11 Jan 2008 13:10:41 +0900</pubDate>
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<title>Transgender</title>
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<![CDATA[ スティーブのインタビューをするように言われた時の、周り人たちの表情には少し違和感を覚えました。笑っているような、何か私に言いたくてしょうがないような。彼のチャート（ファイル）を見ると、そこには女性のようにお化粧をして髪をきれいに束ねた人物の写真が載っていました。そして、性別には、トランスジェンダーというところにチェックがついていました。アメリカ、それもNYのような大都市では、トランスジェンダーの人たちに対してもう少し寛容な見方をするものだと思っていたのですが、まだまだ訓練を受けたカウンセラーでさえ偏見を持っている人がいるという事実に少し嫌悪感をおぼえました。<br><br>結局、時間の都合により、彼のインタビューは私がすることはできなかったのですが、たまたま他のカウンセラーが対応しているときに居合わせることができました。<br><br>彼はお化粧はしてないものの、ブロンドに染めた長い髪をきれいにまとめ、質問にはとても協力的に答えていました。性的虐待を受けたことがあるかと聞かれたときに、彼は素直にあると答えました。それはスティーブが子供の頃に起こったらしいのですが、それに対して彼は自分がいけなかったというのです。というのも、彼は自分が、”gay”であるため、男性の目を引いてしまったからだといい、全ての責任は自分だと言い切って、最後には、性的虐待と言ってしまっていいのかどうなのか．．．とまで考え始めたのです。<br><br>女児に対する性的虐待は、リサーチの対象として多くの学者等が書いていますが、男児に対してのものとなると極端に少なくなります。それは、男女の本来の違いということに大きく関係するようです。しかし、アメリカではいくつかの研究において、男児を対象とした性的虐待は決して希有ではなく、広範囲にとても多くみられるとしています（興味のある方には、"Betrayed as Boys - Richard B. Gartner"という本をお勧めします。ちょっと読んでいて辛くなるかもしれませんが。）。<br><br>私が授業で性的虐待について習ったときに、典型的な犠牲者の反応のひとつとして、”自分に非があるからだ”と考える、ということがありました。スティーブもこの例にもれないのだと思うとなんだか悲しくなってきました。<br><br>トランスジェンダーとは、なかなかはっきりとした定義というもの自体は難しいようですが、大まかに、自分の持っている性的アイデンティティーと伝統的に受け入れられている肉体的な性的区別とが違っていることをさします。どうしても一般的社会が”norm"として受け入れているのは、肉体的な性というところが圧倒的で、トランスジェンダーの人たちが普通に生活していくことには困難が伴います。スティーブもそのストレスから麻薬へ走り、ニードルをシェアしたことによって、病気まで感染してしまいました。依存症の治療だけでも大変ですが、彼のようにまた別の大きな問題を抱えている人にとっては、これから先いろいろなサポートが必要となってくると思います。<br><br>
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<link>https://ameblo.jp/disorders/entry-10063488779.html</link>
<pubDate>Wed, 02 Jan 2008 13:50:33 +0900</pubDate>
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<title>アルコール依存症</title>
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<![CDATA[ 何かが起こるかもしれないという期待もあって、休んでもいいと言われながらクリスマスは仕事をしていました。ところが、スタッフも含めみんなゆったりとして、今のところ何もないままホリデー気分が続いています。<br><br>５０代後半、身だしなみのきちんとした男性が入ってきました。彼は二つの名前を使い分け、この施設ではジャックと呼ばれているということなので、ここでもジャックとします。<br><br>ジャックはアルコール依存症治療のため、この施設にやってきました。アルコール依存症は遺伝的原因も強く、統計によると特に父親ー息子というパターンが一番多くみられます。聞いてみると、ジャックの父親もその父親（ジャックのおじいさん）もそうだったようです。彼は、最初にアルコールを口にした時に何とも言えない幸福感を覚えたといいます。そして、一度口にすると、もう１杯で済ませるなんてことは不可能なくらい止まらないそうです。<br><br>アルコール依存症の人に多くみられるのですが、自分はお酒を人より多く飲むだけで、それ自体は大した問題ではないといいます。ジャックも、自分はドラッグもやらない、タバコだって吸わないから、他のクレイジーなドラッグ中毒者と一緒にしてほしくないと強く主張します。確かに、お酒とドラッグとでは、違法かそうではないかという明白な規制的な違いがあるため、お酒に対してゆるい見方をする傾向は一部の人の中にはあります。しかし、その甘さにはたくさんの危険が含まれています。<br><br>彼はおかしそうに、酔っぱらった次の日に、ホテルで見た事もない、彼の２倍以上ある大柄な女性と寝ていた話をしてくれました。ふたりは性交渉を持ったそうなのですが、彼は全く覚えていません。しかし、私が危険性を指摘すると、彼も真面目な顔をして、”今まで一度もプロテクションをして性交渉をしたことがないのに、エイズやその他の性病にかかったことがないということは奇跡だと思う”と言い、天を仰ぎました。<br><br>彼がこの施設に来た理由は、ホームレスで寝るところが必要だったからだそうです。NYの冬はとても寒く、外で寝ていたらそのまま凍死しかねません。そういうわけなので、特にアルコール依存を治そうなんて思っていないと私の前ではっきりと言い切りました。このままいられるだけ施設にいたら、後は、また外に出てすぐに飲み始めるそうです。ところが、ジャックの家族構成を聞いている時に、少し彼の態度が変わりました。彼には、４人くらい子供がいるらしいのです。くらいというのは、彼は全く子供に会った事がないからです。いつもお酒を飲んでは知らない人と性交渉を持ち、何人かの女性が妊娠し、彼が反対したにもかかわらず産んだらしい人もいるというのです。その話の時に、ジャックはちょっと寂しそうな顔をして、”僕自身を面倒みきれないのに、どうやって子供を世話できるんだよね”と沈んだトーンで言いました。<br><br>インタビューの最初の方は明るい笑顔で、とても強気に自分は飲む事を止めないと言っていましたが、最後にはぼつりと”止める事は簡単ではないけれど、止めるためには、まず仕事を見つけて自分自身を他の事にも集中させないとだめだから、そういうところから少しずつ始めて行きたい。僕ももう６０だしね。”と言いました。<br><br>率直に言うと、彼の治る見込み（prognosis)はとても低いです。飲み始めた年齢（彼の場合は１２才）と現在の年齢を考えると、もうアルコールと共に長い間生きてきているので、それが生活のパターンになっていると考えられるからです。motivationは治療する上で大切な要素の一つですが、ジャックにはそれがありません。悲しいことですが、スーパーバイザーに、全ての依存症患者を治すことはできないという現実も知る事が大切だと言われたことを思い出します。
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<link>https://ameblo.jp/disorders/entry-10063061436.html</link>
<pubDate>Mon, 31 Dec 2007 04:47:21 +0900</pubDate>
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<title>自分が見えない</title>
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<![CDATA[ ピアーズは、見た目は多少怖いものの、インタビューも協力的で、時にはジョークも交えながら答えてくれました。彼は、３０代前半の男性で、特に気になるような履歴もありません。<br><br>しばらくして、彼が別のカウンセラーのところへ次のリハビリの件で相談に訪れました。大抵の患者は、どこのリハビリのプログラムが楽でいいとか、場所が便利だとか、結構情報を持っているので、具体的にどこへ行きたいとはっきり言ってくる事が多くあります。ところが、私たちの施設から他の施設へ患者を送るときには、それなりの条件もありますし、また条件をクリアしたからといっても受け入れ場所が定員一杯で無理ということも少なくありません。ピアーズの行きたいリハビリ施設もまた定員に達しており、カウンセラーがそこは無理だと伝えた時から、彼はイライラした態度を見せ始めました。<br><br>何度もカウンセラーが無理だから他の方法を考えようと言っているのに、ピアーズはききません。カウンセラーが彼をなだめようとして、いろいろ話をしているうちに、たまたま彼の家族の話になりました。彼には離婚した奥さんがいるのですが（インタビューの時にはただ独身とだけしか言っていませんでした）、どうやらその奥さんに暴力を振るったため、刑務所へ入り、子供の親権も失ったそうです。たったここまで聞き出す間に、カウンセラーはピアーズに何度も、”おまえの知った事じゃない”と威嚇されていました。<br><br>刑務所に入っていたという事実も私には隠していたので、私も少しカチンときました。しかし、それ以上に呆れ返ったのは、彼があまりにも自分自身が見えていないということでした。家庭内暴力→子供の親権喪失→刑務所という経過をたどったことを、彼はとても言いにくそうで、バレてしまった後はもう言い訳に走り始めました。”僕は、子供には一度も暴力を振るったことはないし、妻だって向こうが先にしかけてきたんだ。僕は、本当にいい父親だし、いい人間なんだ。”と一生懸命周りにいるカウンセラー達に説得しているのです。ところが、家庭内暴力にしては長く刑務所にいた彼に、カウンセラーが何気なく、”あなた刑務所で何かしたの？”と言うと、”ただ、人を殺しただけだよ。でも相手だって刑務所に来るくらいだから悪い人間だし、たまたま喧嘩になって殴ったら、向こうが起き上がらなくなったんだ。結局彼はそのまま死んじゃっただけで、僕は何も悪いことをしていない！”と言い張るのです。<br><br>家庭内暴力を起こしても、自分の責任ではない。人殺しをしても、相手が勝手に死んだだけ。そういえば、彼にインタビューした時に、どうして前に施設に来てクリーンになったのに、また薬に手を出したのかと聞いたら、”だって、周りの友人が使ってて勧められたし、その時は仕事もなくてイライラしてたから．．．”と言っていたのを覚えています。結局、悪い結果に結びついたことは、みんな他人のせいなのです。施設の精神科医が、どうしてまた薬やアルコールに戻ったのか聞いたときに、患者が、”全ては自分がいけない”という人は、望みがあるけれど、そうではない人はまず無理だと言っていました。まず自分自身を見つめ直し、人を責める事をやめることから始まるのだと思います。そして、それは薬物・アルコール中毒者に限らず、私も含め一般の中毒者でない人にも共通することだと痛感しました。<br><br>
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<link>https://ameblo.jp/disorders/entry-10061511004.html</link>
<pubDate>Sat, 22 Dec 2007 12:43:01 +0900</pubDate>
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<title>クリスマス</title>
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<![CDATA[ クリスマスが近づいてきました。本来なら、楽しく盛り上がる時期ですが、私の働いている施設では、患者がピリピリしているのがよくわかります。<br><br>どうしてもクリスマス前は、街中もデコレーションされていますし、テレビやラジオを付けてもクリスマスソングを聞かない事はありません。ここの施設もいろいろな飾りが付けられています。ただ、家族や友人のいる人にとっては楽しみな日であっても、そうでない人にとってはこれ以上の苦痛はない日でもあるのです。クリスマスは自殺率が一番高いというのも納得できます。<br><br>今日の午後、２人の女性が争う声が聞こえてきました。中には、ソーシャルスキルのあまりない患者もいるので、思い通りにいかなかったときにすぐに怒鳴ったり、叫んだりすることがあるので、いつものことと思いしばらく無視していました。ところが、その怒鳴り声がだんだんと激しくなり、しまいには殴り合いの喧嘩に発展してしまいました。あわてて、近くにいたカウンセラー達が駆けつけると、ふたりはまずいと思ったのかすぐに離れました。理由をきくと、午後にひとりひとりに渡されるポテトチップスのことをめぐって大げんかになったそうです。どうやら最後に残ったひとつを取り合ったようでした。本当に中身は５歳児のようで呆れ返りますが、肉体的には大人なので手がつけられません。<br><br>仲間のインターンが、”これはきっとクリスマスを楽しく過ごせない人たちのイライラが爆発した結果だと思うけど、どう思う？”と聞いてきました。確かに、それはある意味あたっていると思いました。というのも、別の日に、ある男性患者がカウンセリングオフィスへ入って来たときのことを思い出したからです。<br><br>カウンセラーのひとりは、４人の子持ちでたくさんも孫もいるおばあちゃんなので、クリスマスが来るのを指折り数えて待っています。彼女は、朝来るとまずラジオを付けて、帰る直前までクリスマスソングを聞いています。そこへその男性患者が入って来たのですが、ラジオから流れてくる曲を聞いたとたん、”クリスマスなんて大嫌いだ。消してくれ。”と、普段は割と温厚な人なのですが、急に表情を堅くして怒り始めたのです。それでも彼の表情に気づかないおばあちゃんカウンセラーは、”だって、クリスマスは楽しいじゃない。心がうきうきするわ。”なんてのんきに答え、そのままにしていました。次の日、彼は耐えられないと言って、施設を出て行ってしまいました。<br><br>少しやり過ぎ感のある、クリスマス商戦シーズン中は、不幸な環境にいる人たちに同情せざるを得ません。明日は、施設でクリスマスパーティを開くそうですが、何事もないことを祈っています。
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<link>https://ameblo.jp/disorders/entry-10061337317.html</link>
<pubDate>Fri, 21 Dec 2007 12:55:16 +0900</pubDate>
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<title>精神分裂病</title>
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<![CDATA[ Schizophrenia（統合失調症, 精神分裂病）とアルコール・薬物中毒との組み合わせはよくみられるパターンです。<br><br>Schizophreniaにはふたつの主な症状、positive symptoms（幻覚、幻聴、妄想）とnegative symptoms（表情がない、スピーチに問題がある、喜びを感じない等）、に分けられます。想像しやすいとは思うのですが、例えば聞こえないはずの声が聞こえる（ps）ととても不快で、それから逃れるためにアルコールやドラッグにはしることが多かったり、または、何に対しても刺激を感じなくなる（ns）と、刺激を求めるために手を出すことが多いのだそうです。<br><br>ジョナサンもそのパターンで、無表情のまま、"I hear voices..."と私に訴えてきました。彼は、その声が嫌でドラッグを始めたそうです。私はそれを聞いた時点でできるだけ早く精神科医に連れていかないと行けないので、彼のインタビューは簡単に済ませ、すぐに別の部署へ送りました。この時、”声”が何と言ってくるのか聞いておけば良かったとちょっと後悔しました。<br><br>夕方になって、そろそろ帰ろうとしていた時でした。何人かの患者達があわてて部屋から飛び出して来て、廊下で何やら騒いでいました。話を聞くと、どうやら新しく入って来た、パティという女性が、ずっと暗い部屋の中で、体を前後に揺すりながら（body rocking）何かをブツブツつぶやいているとのことでした。よく聞いてみると、”神が、私に自殺しろと言っている”と繰り返し言っているのです。それで、周りにいた患者は怖くなって、みんな部屋を出たということでした。<br><br>彼女は幻聴を止めるための薬がきれたため、また症状が出てきたそうです。同じインターンの子が、”あなた心理学やってるんだから、ちょっと話してきなさいよ。おもしろいかもよ。”なんて冗談半分で言ってきたのですが、ためらっているうちに、彼女は別のところへ連れていかれてしまいました。Schizophreniaは授業でも一番といっていいほど力を入れて習ったところなので、今度チャンスがあればまたいろいろ質問してみたいと思います。
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<link>https://ameblo.jp/disorders/entry-10061167320.html</link>
<pubDate>Thu, 20 Dec 2007 11:51:11 +0900</pubDate>
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<title>rapport</title>
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<![CDATA[ 朝から一人の患者さんに苦労させられました。<br><br>ジョンは４０代のホームレスで、アルコール依存症でこの施設に来ました。昨日到着したばかりで、今朝は疲れているのか、ずっと寝てばかりいます。先輩カウンセラーから、ここの施設に来たら、患者はintake（最初に行うインタビュー）を受ける義務があるから、叩き起こしてでもオフィスへ連れて来いと言われ、午前中に２、３回彼の部屋を訪れては、ベッドに横になったままの彼に後でと追いかえされます。<br><br>やっと午後になって、彼もさすがにベッドにばかり横になっていられなかったのか、やっと部屋から出てきました。すかさず飛んで行って、質問させて欲しいというと意外と素直にオフィスについてきました。最初に簡単な家族構成などを聞くのですが、もうその時点で明らかに嫌そうな表情をし始めました。返事はほとんど、首を縦か横に振るだけ。それでも構わず、とりあえず早く情報をもらって終わらせてしまえばこっちのものだと思い、気づかないフリをして続けました。<br><br>今までの職歴を訪ねた時に、彼の態度は一変しました。いきなり、”こんな質問が本当に必要なのか！”と前のめりになって怒鳴り始めたのです。こういう言い方をされるのは、割と慣れているのですが、それでもほとんど患者さんは、”これはルーティーンの質問で、あなたをよく知らないカウンセラー、ナース、医者がこの質問表を見て、あなたが大体どういう人物で、どういう経歴をたどってきたのかわかるし、もう一度同じ事を尋ねなくてもいいように書類を作っているだけだ。”と説明すれば、大抵は納得してくれます。ところが、ジョンはその説明もさせないまま、席を立ちました。それに気づいた他のカウンセラーが、彼をつかまえ激しくやりとりを始めました。彼女は、”これはとても大事な質問で、患者は答える義務がある。これに納得しないのなら、もうあなたがどうなっても私たちは知らない。”と言い切りました。これに対してますますジョンの態度は頑なになり、部屋に引きかえしていきました。<br><br>別の男性カウンセラーがこのやり取りに気づき、自分がジョンに説明に行くと言い、ジョンの部屋でしばらく何かを話している様子でした。この男性カウンセラーは、ソーシャルワーカーのような資格を持っているわけではないのですが、大きな体のわりにとても患者に対するケアがきめ細かくて、周りからお兄さんのように慕われています。男性カウンセラーが帰ってくると、ジョンがなぜ拒否したかを彼には説明したそうです。まず、昨日到着したばかりで、あまり気分が良くない（detoxに来る患者は、いきなりアルコールや薬物を断たれるのでこういうパターンが珍しくありません）。そこへきて、急に会った事もない人物にパーソナルなことを聞かれる（彼らは話しにくい問題を抱えている事が多いので）。これらの問題がとても彼を居心地悪くさせたらしいのです。<br><br>そういえば、サイコセラピーのクラスを取ったときに、患者との人間関係（rapport）を築くことから始まると習ったのを覚えています。心理学を習ったことがある人は（あるいは、習った事がなくても）、アルコール・薬物依存の後ろには、何かしら心理的な問題が潜んでいることが多く、生い立ちや経歴等はとても重要な情報を含んでいることは当たり前のことだと分かるはずです。ところが、きっとジョンにはそういう、私たちが当たり前だと思っていたことは、当たり前ではなかったのだと思います。たとえそれを知っていたとしても、ただでさえ答えにくいプライベートな質問には誰でも躊躇すると思います。そこで、次にはrapportというのが重要になってくるのだと思いました。患者をただの質問するだけの対象として（思っていたとは思いたくないですが）扱っていたかのような態度が、ジョンを怒らせたのだと気づきました。明日からは、少しずつ挨拶を交わすなどして、彼から私に心を開いてくれるようになるまで辛抱強く待ちたいと思います。
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<link>https://ameblo.jp/disorders/entry-10061000446.html</link>
<pubDate>Wed, 19 Dec 2007 12:23:57 +0900</pubDate>
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<title>性的虐待</title>
<description>
<![CDATA[ 週に一度、supervisionといって、精神科医を中心としてカウンセラー・ソーシャルワーカーが集まりミーティングを開きます。Dr.がそこである女性患者について話をしてくれました。<br><br>その患者がDr.のオフィスに初めてやってきました。彼女のスカートは下着が見えるか見えないかギリギリの短さで、上に着ていたシャツは胸の大きく開いた、ピタッと体の線が見えるタイトなものでした。彼女がイスに座って最初に言った言葉は、”私の格好をどう思う？”、でした。Dr.は彼女が挑発してこようとしているのがわかったので、”とても、刺激的な格好だと思うけど、君は僕にどう思って欲しいの？”と、あえて彼女が求めている意見を避けました。”ここに来るまでの間、多くの外で働いている肉体労働者の人から声を掛けられたし、電車の中でも男性がみんな私を見てたわ。彼らは私のことを好き（ここで彼女はloveという単語を使います）なんだわ。”と続けます。<br><br>Dr.はここで、”どうしてその男性達は君を好き（love）だと思うの？彼らとは会った事もないし、君の事も何も知らないでしょ？”と疑問を投げかけます。それでも彼女はひるまず、”だって、みんなきれいだって言ってくれるし、親切にしてくれるし、注目してくれるし．．．”と言い返すのですが、少しそこで自信がなくなってきたように見えました。<br><br>この女性患者は、子供の頃から、実の父親に性的虐待を受けてきました。父親は再婚したのですが、義理の母親は、この患者が父親に異様に可愛がられているのを嫉妬し、虐待の事実を知った後も助けようとしませんでした。実の母親からは愛情を受けられず、継母からは意地悪をされ、頼れるのはこの異常な愛情を示す父親しかいません。次第に、彼女にとって、父親から、”きれいだね”と言われながら触れられることが愛情なのだと勘違いするようになります。そして、愛情に飢えていた彼女は、性的に興味を持ってもらえることで安らぎを覚えるようになってしまいました。<br><br>タマネギを例に、Dr.はこの患者について解説をしました。外側は堅くて、中へいけばいくほど柔らかくなる。これは人間の心理と一緒なのだそうです。この患者も歪められた愛情表現によって刺激的な格好をするようになったのですが、なぜそういう格好をするのかというところを洞察させることによって、彼女に一番芯の部分を気づかせることが大事だと言います。Dr.はこの患者にひとつひとつ質問をして、いかに彼女の認識がズレているかということを分からせていきました。セッションが終わる頃になって、彼女が急に小さく丸まり、”私、すごくむき出しの状態だわ。ジャケットか何か体を少しでも隠せるものを貸してもらえますか？”と切り出したそうです。彼女は自分の芯を見い出したからです。次のカウンセリングの時には、この患者はパンツスーツのような格好で現れたということです。<br><br>最後にDr.は性的虐待を受けた女性には、しばしばこういうことが見られるので、これがケースになった場合、法廷で挑発的な格好をした原告に対して、周りは彼女の格好のせいだと決めつけることが多くとても残念なことだと付け加えました。
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<link>https://ameblo.jp/disorders/entry-10060673234.html</link>
<pubDate>Mon, 17 Dec 2007 11:49:51 +0900</pubDate>
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