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<title>御堂筋てくてく日記</title>
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<description>会社帰りにいつも淀屋橋から難波まで歩いてます。銀行員時代にこの「御堂筋てくてく日記」の名前でブログを書いてたので、また復活させてみました。</description>
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<title>魚の死んだような目</title>
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<![CDATA[ <div>その22 魚の死んだような目</div><div><br></div><div>世の中には本当に目つきの悪い人がいるもんだと思った。</div><div><br></div><div>なんと表現したら良いのかわからないが、魚の死んだような目をしているのだ。黒目に輝きがなく、ドンヨリと曇った「悪」が染み付いて離れないような目だった。</div><div><br></div><div>この日新病院建設のための土地売買取引で某病院の理事長室に来ていた。病院の離れのようなところにある、殺風景な部屋だった。</div><div><br></div><div>開口一番、「お前が銀行か？」としゃがれ声で聞くので、「いえ、鈴木と言います。」と答えたら、その魚の死んだような目がゴロッと動いた。気持ち悪い…。</div><div><br></div><div>「お前が勝手に土地を減らしたんやな！」といきなり大声になる。こういう連中の常套手段なので、怯まない。</div><div><br></div><div>「勝手にとは何ですか？人聞きの悪い。私どもの所有資産をどうしようがこっちの勝手でしょう！」と彼より少し大きめの声で答えた。</div><div><br></div><div>前回の話の続きなのだが、隣地との通路が狭いので、この魚の死んだ目のオヤジに売る前に通路分を売っておいたのが、気に入らないらしい。</div><div><br></div><div>魚の死んだ目のようなオヤジは、実は某病院の理事長である。この時知ったのだが、病院の理事長は医者でなくても出来るのらしい。この理事長はもちろん医者でない。まあ、このたちの悪そうな理事長の下で働くお医者さんたちも可哀想な人たちだなと思った。</div><div><br></div><div>「じゃあ、売るのやめましょうか？ごちゃごちゃ言われるのが嫌いなので」と席を立とうとすると、仲介の業者が「まあまあ、鈴木さん…。」となだめる。しかしあまりに酷い感じなので振り切って帰ることにした。</div><div><br></div><div>そのとき、えらくこれまた目つきの悪い女が理事長室に入ってきた。理事長の娘である。</div><div><br></div><div>追いかけてきた仲介業者に席に戻されて、仕方なく取引を続行することにした。なんで、こんな親子に土地を売らなあかんねんと思いながら。</div><div><br></div><div>当然ながら娘も金しか考えてない。キラキラの装飾品をつけており、おそらく病院には不釣り合いである。</div><div><br></div><div>遅れて、売買する土地の隣地の文具屋のオヤジが入ってきた。</div><div><br></div><div>その途端に、理事長が</div><div>「おい、隣の文具屋いうのはお前か？」と喋り出す。</div><div><br></div><div>な、なんと、彼らは小学生のときの同級生だったらしい。某病院が隣の市なので気がつかなかったが、実は理事長の生まれが取引する土地のある町で、故郷に錦を飾りたかったようだ。それで、この土地に目をつけたらしい。</div><div><br></div><div>隣地との境界の権利関係がややこしかったので、隣地の文具屋を呼んだのだが、どこでどう縁があるのかはわからないものだ。</div><div><br></div><div>しかしながら、理事長の話は結局儲け話ばかりだった。うんざりだった。病院を経営しながら、結局、金しか興味がない感じだった。</div><div><br></div><div>病院経営の一番大事なことは患者さんに対するケアだと思う。そういう考えを持っていない理事長に土地を売り、金銭目当ての病院が出来るのは心苦しかった。なので、途中で、</div><div>「やはり、この話はなかったことに出来ませんか？」と言ったのだが、仲介業者にそれは出来ないと言われた。</div><div><br></div><div>僕の唯一の失敗案件だった。取引そのものは高い値段で売ったので成功だが、売った相手が失敗だった。あんな人間に…、と反省している。ヤクザよりもたちが悪い人だった。今もその病院は駅前の一等地に立っている。</div><div><br></div><div>事前に売る人のことを調査し、その人の顔をしっかり見て、何を大事にしてる人なのかをちゃんと面談してから取引をしなければと思った案件だった。</div><div><br></div><div>結局、どんな取引も人と人との関係だ。信頼できるかどうかは文書だけでなく、実際に会って話さなければわからない。ビジネスの基本はやっぱり信頼関係だなとつくづく、そう思うのだ。</div>
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<pubDate>Thu, 14 Aug 2014 11:13:07 +0900</pubDate>
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<title>戦前の不動産売買</title>
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<![CDATA[ <div>その21 戦前の不動産売買</div><div><br></div><div>とある支店の売却案件で隣の文具屋さんと境界確認をした。</div><div><br></div><div>境界は5メートルほどの通路で、たしかに真ん中に境界のような印があるのだが、そこをホントに境界にしてフェンスなどを立ててしまうと各々狭過ぎ（2.5mしかない）て、特に相手側はビルに車を横付けするようになっているため、車が転回出来ないほど狭い。</div><div><br></div><div>しかし、売買契約にはそれらしきことが書かれていない。</div><div><br></div><div>「どうみても共有を条件に境界としてるみたいですね。」と文具屋さんと話をした。</div><div><br></div><div>急いで、本社に帰り、過去の資料を倉庫から引っ張り出してきた。</div><div><br></div><div>銀行のすごいところは、資料を捨てずにとっているところ。なんと昭和7年の取引記録が出て来た。満州国建国の年である。</div><div><br></div><div>もちろん手書きというか、万年筆のようなもので丁寧に書かれていた。</div><div><br></div><div>そこには支店用地確保までの交渉の経緯が事細かく書かれており、日記小説のようになっていた。</div><div><br></div><div>「…、交渉相手の⚪︎⚪︎兵衛は、この村で知らない人がいない乱暴者で、取引交渉時にしばしば激昂することがあり手が付けられない。…」と、なんだか面白いことが書いてある。</div><div><br></div><div>気の良さそうな文具店のご主人のおじいさんが、その乱暴者の○○兵衛である。</div><div><br></div><div>「…全く法外な値段を吹っかけるので、困っている。顔も見るからに悪人顏で、我々では手に負えないので、本部から人の手配を願いたい次第である…。」</div><div><br></div><div>と。まあ、こういう感じの文章が20枚くらい便箋のようなものに綴られている。今で言う営業日報のようなものだと思うが、個人的感想が書いてあり、ビジネスライクでないところが面白い。</div><div><br></div><div>資料を更に探すと、戦後、昭和28年ごろの資料に隣地の通路を共有することが書いている資料が見つかった。</div><div><br></div><div>やはり、密約のようになっており、売買契約書上には書かれておらず別契約の覚書のような形でそこに挟まれていた。どうも、時代は乱暴者の息子の代（文房具屋のお父さん）になっているようだが、またまたおじいさんが便箋の日報に登場している。</div><div><br></div><div>「交渉中にもやくざ者の（戦後はヤクザという言葉になっている）○○兵衛（おじいさんのこと）が、またもや現れて、怒鳴り散らし、交渉がもつれる。何かと金銭を取ろうとするが、隣地通路の共有をどうするかの話をしているだけである…。」</div><div><br></div><div>あはは、なんやこれ？という感じで、営業日報が面白い。昔はのんびりというか、一つの案件に随分と時間をかけていたのだなぁというのがわかる。</div><div><br></div><div>この日報を文具屋のご主人に見せたかったが、まあ、過去のことを言っても仕方ないので、共有を示す資料が見つかったことのみを伝えることにした。</div><div><br></div><div>最終的には、こちらのビルは取り壊すので、文具屋さん側の車が転回出来るように1メートル幅×10m分の10平米だけを売却し、新しい境界にフェンスを立てることにして、境界確認を終えた。</div><div><br></div><div>それにしても昔の銀行は人が沢山いてのんびりとしてたんだなというのが古い資料を読んでいるとわかる。</div><div><br></div><div>土地の交渉には必ず2人以上で行っており、感想文みたいな日報が延々と書かれているのだ。（一日日報に費やしている感じである。）</div><div><br></div><div>古き良き時代と言ってしまえばそれまでだが、無駄なことをやりながらも集団で進んでいくのがイイなと思った。そこには個人評価などなく、会社一丸となって問題に対処していくカンパニー（Company:仲間）本来の感じがする。</div><div><br></div><div>現場で対処不能であれば、本部の人間と一緒に解決する。集団の力を使うということ。</div><div><br></div><div>あと、一見無駄に見えるが、感想を含めて仕事の一部始終を紙に書き留めておくことも大事だなと思った。50年以上経った今でも事実関係が一目でわかるからだ。</div><div><br></div><div>今はITがあって一見便利に見えるかもしれないが、失ってしまったものが多い。検索しても見つからないかもしれないし、第一、手書きの味が全くなくなってしまう。</div><div><br></div><div>やはり文書は手書き文字が良い。</div><div><br></div><div>当時の日報を読んでると、現場で汗をかきながら、奮闘している姿が、文字の行間から読み取れるからである。</div><div><br></div>
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<pubDate>Tue, 12 Aug 2014 08:53:52 +0900</pubDate>
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<title>カラオケ屋の駐車場</title>
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<![CDATA[ <div>その20 カラオケ屋の駐車場</div><div><br></div><div>不動産担当ということで、土地取引以外に、駐車場の契約更新なども担当していた。</div><div><br></div><div>億単位の話もやりながら、千円単位の仕事もしていた。今日はそんな小さなお話。</div><div><br></div><div>大阪南部のとある支店が閉鎖され、店舗売却したあとのATMの行き先がなく、近隣のカラオケBOXの駐車場の中に店舗外ATMを設置させてもらう契約を行っていた。</div><div><br></div><div>その際、カラオケBOXに付随する8台分の駐車場全部を銀行負担にして、毎月使用料を払っていた。</div><div><br></div><div>しかしながらカラオケBOX全部の駐車場代をATMしか置いてない銀行が全部払うのはどうもおかしいので、契約更改を機に半分くらいにしてもらいに交渉しに行った。</div><div><br></div><div>「すいません、⚪︎⚪︎銀行の鈴木です。駐車場の賃料の契約更新の件で来たのですが…。」</div><div>「なんや！銀行か！」いきなりの剣幕である。</div><div>「はい、駐車場の契約についてなんですが…」</div><div>「あれは、自動更新や！ 毎度毎度なんやかやとうるさいな、帰ってくれ。」なんという口の聞き方だろう。その後も取りつく島がない。</div><div><br></div><div>腹が立ったので、</div><div>「あんた、誰です？ ⚪︎⚪︎興産の社長さんにお会いしに来たのですが…。」</div><div>「社長は旦那や。私は旦那の代理や。もうわかったやろ。そろそろ帰ってくれ。」</div><div>「はい、わかりました。帰ります。その代わり一切の契約を白紙にするとご主人にお伝えください。あなたの対応が無茶苦茶だからです。イイですね。」と突き放した。</div><div><br></div><div>途端に</div><div>「何もそこまで言うことはないんやないの。ゴメンやで」と低姿勢に変わったが、こちらは怒りが収まらない。</div><div><br></div><div>そもそも店舗外ATMで、かつ、周りにスーパーやコンビニなどがあり、駐車場など必要ないのだ。</div><div><br></div><div>「いえ、あなたの対応に腹が立ちました。もう一切の駐車場契約を解約します」と、宣言して、それでもなんか言ってたが、完全に無視して、銀行に戻った。</div><div><br></div><div>戻ると「あんたとこの銀行員が失礼な対応をした。」とクレームがかかってきていて、大騒ぎになっていた。とんだ言いがかりである。</div><div><br></div><div>上司の次長は「鈴木君、また喧嘩したの？」とおどおどと聞いてくるが、</div><div>「はい、毅然対応してきました」と答えた。</div><div><br></div><div>そもそもカラオケ屋の駐車場代などこちらがなんで全部払う必要があるのかという気持ちだったので、どうでもイイと開き直っていた。</div><div><br></div><div>しばらくすると、そこの社長から平謝りで電話がかかってきた。</div><div>「家内が失礼な対応をして申し訳ありませんでした。なんとか契約継続でお願いします」という内容だった。社長はどうやらマトモらしい。</div><div><br></div><div>その電話がこちらに回ってきたので、「ダメですね。もう、あんな対応では話になりません。ATMも撤去します。」と冷静に答えた。少しエスカレートし過ぎてしまったが、言ってしまったものは仕方ない。</div><div><br></div><div>向こうで次長がオロオロしている。</div><div><br></div><div>「話すことはこちらからは何もありません。全部解約です。失礼します。」と言って、思いっきり受話器を叩きつけた。</div><div><br></div><div>次長は硬直して蒼くなっている。</div><div><br></div><div>「次長、あそこのATM撤去しますのでイイですよね。」</div><div>「鈴木君、それはまずいよ～。ATM設置を条件に店舗を廃止したのだから、先方にすぐに謝りの電話を入れなさい。」</div><div><br></div><div>「いやですよ。なんで、あんな人たちに謝らなきゃならないんですか？なんなら次長がお電話してください。</div><div>あんな対応はありません。そこまで銀行が卑屈にならなくてもイイです。僕が別の場所を探してきます。」と、立ち上がって、もう一度現場に戻ろうとしたところ、先ほどの社長からまた電話があった。</div><div><br></div><div>電話に出ると「本当にすみません。交渉しに来られたんですよね。条件をおっしゃってください」とのことである。</div><div><br></div><div>そこで、8台分全部を銀行負担はおかしいので、4台分にして欲しい旨を伝えた。「半分はちょっと…」と口を濁したので、「では、現在の1台分1万5千円から近隣相場の1万円にしてくれれば8台でもイイです。」と答えたところ、それで合意となった。</div><div><br></div><div>結局、賃料は3分の2になった。振り返ると次長が驚いてこちらを見ていた。</div><div><br></div><div>この話は極端な話だが、契約更改があるたびに駐車場代や駐輪場代を次々と近隣相場まで引き下げることに成功した。</div><div><br></div><div>がしかし、今になって思うことは、当時はそれで銀行のためになると思ってやっていたのだが、日本全体を考えると、そうやって大企業が経費削減ばかりをしたことが、結局日本全体のデフレを促進したのかもと大いに反省している。その頃は口を開けばコストカットばかりであった。セミナーに行ってもいかにコストカットするかばかりだった。</div><div><br></div><div>昭和のころは、少々の無駄をしてでも、中小企業の経営のために利益の出ている会社は仕事を回したりしていた。そうやって日本の経済が回っていたのかもしれない。右も左もコストカットばかりで、余裕がなくなった頃からこの国も住みにくくなってきたのかもしれない。</div><div><br></div><div>今日の話は相手の態度も良くないが、日本の会社はもともとは取引会社間に持ちつ持たれつの関係があった。商店街であればよそに安いところがあっても自分たちの中で融通しあっていた。</div><div><br></div><div>そういう昭和的というか、日本らしい共同体経営を、またもう一度見直すべき時に来てるのではないかと、この話を書きながらふとそう思ったのであります。</div><div><br></div><div>（その20 おしまい）</div><div><br></div>
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<link>https://ameblo.jp/easy-workstyle/entry-11905043213.html</link>
<pubDate>Tue, 05 Aug 2014 07:20:28 +0900</pubDate>
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<title>ホテル再建計画</title>
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<![CDATA[ <div>その19 「ホテル再建計画」</div><div><br></div><div>大阪の繁華街にある某ホテルは、大赤字が続いていた。ビジネスホテルのようでありながら、過去の企業向け宴会獲得での成功体験が抜け切れず、宴会場が無駄に広い中途半端なシティホテルとして存続していた。</div><div><br></div><div>そのホテルの1階に銀行の支店が入居していたのだが、合併に伴い閉鎖することになった。大赤字のホテルである。そこに収益源の銀行が閉鎖することでますます窮地に陥るのは目に見えていた。</div><div><br></div><div>銀行とこのホテルとの間に交わされていた賃貸契約は変わっていて7年間もの長期契約になっており、1年前に契約更新したばかりである。あと6年2ヶ月契約が残った状態での解約である。違約金は100%賃貸料全額支払いということになっており、月700万円の家賃だったので、5億2千万円もの金額を一括支払いすることになる。</div><div><br></div><div>ホテルにとって一見大儲けに見えるが、利益が出れば今度は税金を払わねばならない。そのキャッシュがない。決算がおかしくて、実質赤字なのに取り繕っていた。</div><div><br></div><div>まあ、こんなホテルなので、銀行としてはこれ以上このホテルに関与したくなく、貸している融資金5億円をこの違約金支払いで今回相殺しようとしていた。</div><div><br></div><div>その交渉になぜか僕が行くことになった。確かに賃貸契約は総務担当やけどね…。</div><div><br></div><div>出てきたのは、全く話にならない二代目社長と、金庫番の経理役員である。社長は細面で色白のちょっとアホそうな感じである。繁華街では、もてそうでもあるが、余りにも線が細い。一方の経理役員はかなりのやり手番頭という感じである。粉飾はこいつが総指揮でやってきたのだろう。</div><div><br></div><div>「よろしくお願いします。」という社長にむかって、</div><div>「融資金はこの違約金で全額返済してもらいますのでイイですね。」と強く念を押すと、オドオドとしながら経理役員の顔を見る。</div><div>「アホか、お前が社長やろ。いちいち他人の顔色見るな！」と大声で言うと、ポロポロと涙を流し出す。</div><div><br></div><div>あー、またこれや…。男が泣くなよ。と思ったが、経理役員には一定の効果はあったようだ。</div><div><br></div><div>他にも借りまくっているので、違約金が支払われたと同時に引き出しを行われないようにしなければならない。特にこの経理役員には気をつけなければ、5億円が振り込まれたと同時に高飛びするかもしれない。</div><div><br></div><div>それを牽制するため、強く出るために僕が選ばれたのかもしれない。</div><div><br></div><div>「では、振込先口座の通帳を預かりますので、持ってきてください。」とお願いした。違約金振込当日は振り込む直前まで口座取引停止しておき、停止解除と同時に違約金を振りみ、それと同時に、5億円の融資返済処理を一気に行う予定である。</div><div><br></div><div>瞬間に引き出しされないように念のため通帳をこちらに握っておくということだ。この口座にはキャッシュカードも作られていたが、もちろん使えないようにしておいた。</div><div><br></div><div>実はもっと複雑な仕組みでこの会社の税金免除などのスキームを適用したのだが、詳しく書き出すと小説が一本書けそうなので割愛する。</div><div><br></div><div>とにかく、振込当日は僕はこのホテルに行き、社長と経理役員とその手下の経理課長達を応接室に待機させたまま、携帯電話で振込実行の連絡をすることになっていた。二人を動けないようにするためだ。</div><div><br></div><div>準備OKで一気に振込と融資返済をするのだ。せっかく5億2千万円が振り込まれるのに、瞬時に融資金5億円となんやかんやで全額なくなるので、可哀想だが、仕方ない。</div><div><br></div><div>まあ、無事、融資返済が完了してそのホテルはあるスキームで存続することになったのだが、終わった後、社長から、</div><div>「鈴木さんのおかげです。」と感謝された。</div><div><br></div><div>何のおかげかよくわからないが、この社長に繁華街ならではの顧客確保方法を指南しておいたし、実は（アイデアは僕ではないけど）銀行撤退のあとのスペースにパチンコ屋を入れる手はずを整えておいたのだ。</div><div><br></div><div>かなり高めの賃貸料を払える店は他になく、銀行ではご法度なのだが、パチンコ屋を入れることでこのホテルを再生させることにしたのだ。（これ、書いても良かったのかな…。）</div><div><br></div><div>あれから12年。実際に確認しに行ったところまだパチンコ屋が入ってました。ホテルも立派に再生していました。</div><div><br></div><div>考えてみれば、僕っていつも結構イイ仕事するよなぁ、と思った。（自画自賛）</div><div><br></div><div>ま、誰も言ってくれないけど…。</div>
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<link>https://ameblo.jp/easy-workstyle/entry-11904536604.html</link>
<pubDate>Mon, 04 Aug 2014 07:23:34 +0900</pubDate>
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<title>土地があればそれでええのん？</title>
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<![CDATA[ <div>その18 土地があればそれでええのん？</div><div><br></div><div>　京都の１００坪の土地を売却する話で登場したのは、京都北部の都市にある某ファミリーレストランに土地・建物を貸している地主だった。</div><div><br></div><div>　京都市の北側、北大路駅から西に１０分ほどの住宅地であるが、ここはバブル崩壊後１０年以上経っているのにまだ、坪１１０万円で取引されていた。なので、１００坪で１億１千万円。土地だけの価格である。</div><div><br></div><div>　で、その地主から連絡があり、売買契約をしたいということで、仮契約の打ち合わせを銀行の応接でやることになったのだが、やってきたのは地主とその息子だった。で、売買契約の買主は実はその息子の方だった。２８歳だが、お父さんの会社の手伝いをしているだけのボンボン。お父さんの会社と言っても不動産管理会社で特に仕事はないはずである。そのボンボンが結婚をするから新居を購入するとのことだ。一目見て結婚なんかして大丈夫かいなと心配になった。</div><div><br></div><div>　「それで、結局はお父さんがお金を出すんかいな…。」と、なんだか話を聞いてるうちにだんだん腹が立ってくる。なんも仕事もしてないのが１億１千万の土地に４千万の積水ハウスである。あわせて１億５千万円ではないか！！　もう働くのがアホらしくなってくる…。</div><div><br></div><div>　で、こちらが一生懸命説明しているのに、そのボンボンは全く理解しようとしていない。</div><div>「ちょっと、あんたが買うんやで、しっかり聞いとかんとわからんようになるで。」</div><div>とやや大声でいうと、なんと大の大人が半泣きになる…。</div><div>「鈴木さん、まあまあ、おさえてください。」と仲介業者のオヤジになだめられる。</div><div>けったくそ悪い話である。</div><div><br></div><div>「で、このお金はどうやって払うんですか？」と聞くと、</div><div>その地主は、ファミレスの土地を担保に自分のメインバンクの地銀から融資を組んで払うと言うではないか。</div><div>「えー？上物を建てるのに、担保に入ってる土地なんじゃないんですか？融資なんか組めますか？」と聞くと</div><div>「大丈夫」と答える。しかし、こちらで既に調査済である。根抵当権が入っていて、１億５千万も残りはなさそうな土地なのである。何の名目で借りるのか知らないが、息子の自宅購入資金を会社名義で普通は貸さないだろうとも思っていた。そもそも京都の購入する土地を担保にすればいいのだが、息子名義の土地だと、息子が返済しなければいけないから、という理由で自分で出そうという大甘のオヤジである。家は苦労して自分で手に入れるものなのに。</div><div><br></div><div>「本当に大丈夫なんですね。録音しときますよ。」とまたやや大声で言うと、</div><div>「メインバンクに確かめた。大丈夫」とその地主は答える。</div><div>「まあ、いいですわ。では、一週間後、正式な売買契約になりますので、よろしくお願いします。」と言って、事前打ち合わせは完了した。</div><div><br></div><div>で、一週間後、現れたのは頼りない息子だけだった。オヤジはトンズラである。</div><div>結局、地銀から融資を断られたようである。</div><div>「なので、すみませんが、この話はなかったことに…」とその頼りない息子は信じられないことを平気で言い出すのだ。</div><div>「あかん！」と大声で答え、</div><div>「こっちは測量やら、不動産鑑定やらで、ものすごい金使ってんねん。今更、話がなかったことにはでけへんねん。ここの仮契約書に書いてあるやろ。違約金払うことになってるのや。どっちみち金は払うてもらうで。ま、今更全くなかったことにはでけへんねん。そもそも「大丈夫」やて、お父さんが一週間前に言うとったやんけ。こら。」とまたヤクザ口調になってヒートアップするので、またまた仲介業者になだめられた。</div><div><br></div><div>「おい、こら、オヤジに今すぐ電話せえ。」と携帯電話を出して渡した。もう完全にミナミの帝王みたいになってきた。この前までイジメられて他の部署をクビになった人とは僕自身も思えないくらい、その頃には不動産担当が板についてきた。</div><div><br></div><div>で、半泣きで、ぐちゃぐちゃ何かをオヤジに言ってる息子の携帯を奪って、</div><div>「こら、この前、融資は大丈夫言うたやないか。あの会話はホンマに録音してるんや。なんで出てこんのや。今すぐ出てこい。」と命令して、息子をそのまま応接室に待機させた。</div><div><br></div><div>２時間後、オヤジがノソノソと現れた。うなだれてるが、そんなことは知らない。</div><div>「メインバンクに確かめた。大丈夫」という一週間前の録音をもう一度聞かせたら、また更にうなだれる。</div><div>「オヤジさん、こっちは調べてるねん。オタクの自宅の土地と別に貸してる土地に抵当権ついてないのあるやろ。それも担保に入れて借り入れしてくれるか。今すぐ銀行に電話してくれますか。聞いといたるから」</div><div>「いや、申し訳ありません。」と謝る。</div><div>「謝ってもあかんねん。電話してくれる？」と今度は少しやさしく言って、携帯を手渡す。</div><div>「ほら、はよ電話せんかい。電話番号言うたらかけたるで。」とまた声を上げる。</div><div>「すみません。別途、違う銀行からの融資をとりつけています…。すみませんでした。購入します。」とのことであった。「早よ言え、それを」</div><div>その間、出来の悪いボンボンは震えながら泣いてるだけである。どうしようもない親子である。</div><div><br></div><div>　結局、売買は成立したのだが、１億５千万円もの借金をどうやって返すのだろうか。まあ、なんだかよくわからないが、豪邸に住んでいても、ちゃんと仕事ができなきゃ仕方ないなと今でもつくづく思うのであります。</div><div><br></div><div>（　注）言葉遣いは、脚色しています。現実にはもう少し穏やかに言ってます。）</div><div><br></div><div><br></div>
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<pubDate>Sun, 03 Aug 2014 19:56:33 +0900</pubDate>
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<title>逃げる次長</title>
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<![CDATA[ <div>その17 逃げる次長</div><div><br></div><div>僕が銀行時代の唯一の暗黒時代、⚪︎⚪︎企画部というとこに半年間いたときに、担当次長からイジメにあっていた。</div><div><br></div><div>今で言うパワハラである。</div><div><br></div><div>たとえば、聞いたことのない話を「鈴木さんはそんなことも出来ないのですか？」と部署全員にCCを入れてメールでけなしたり、</div><div><br></div><div>「部下の⚪︎⚪︎さんは、率先して対応しているのに、なぜ担当調査役なのに出来ないのですか？」</div><div><br></div><div>などなど、毎日のように非難メールを僕を宛先に、他の人をCCで入れるのだ。僕だけならまだしも、他の人にも言うことないやん…という感じである。ただ、当時、僕以外にも、もう一人ターゲットになってる人がいた。可哀想に会社を休みがちだった。</div><div><br></div><div>あとの人は、触らぬ神に祟りなしなのか、何も言わずである。むしろその次長のご機嫌取りばかりしていた。ご苦労なことである。</div><div><br></div><div>残念なことにこの次長の上の副部長も次長の言うことを信じており、僕の立場は全くなかったので、早く別のところに移りたかった。</div><div><br></div><div>教えてもらってないことは出来るはずないのだ。なのに出来ない奴という烙印を押す。典型的なパワハラである。</div><div><br></div><div>ましかしやってることが、あまりにくだらないことばかりなので、それはこうすべきですとソリューションを提供したが、過去のやり方に拘っていたようだ。それで、無視してると執拗にメールを送ってくるのだ。</div><div><br></div><div>まあ、そんなこんなで、居場所がなかった時代でその後、総務部不動産担当に左遷させられたときは本当に嬉しかった。</div><div><br></div><div>左遷と言っても給料が月5万円減るだけで、同じ調査役のまま、好きな不動産の仕事ができるので大満足だった。（5万円も下げたら違法だと思うんだけど…。）</div><div><br></div><div>相手は不動産など僕に出来ないと思ってたので、人事とグル（副部長が元人事だった）でトドメを刺したと思ってただろうが、ところがどっこい以前からやっていたITよりもある意味向いてたのだ。毎日楽しかった。</div><div><br></div><div>で、あれから12年経ち、</div><div><br></div><div>ひょんなことに、この次長に先日、心斎橋にあるATMコーナーでばったり出会った。</div><div><br></div><div>というか、御堂筋を僕がウォーキングで南下していると、その次長がATMコーナーから出て来たのだ。以前よりは髪がボサボサで風貌が冴えなかったが、本人に間違いない。</div><div><br></div><div>なんだか久しぶりなので、</div><div>「あー、次長お元気ですか？」と声をかけた瞬間、僕に軽くぶつかり、北の方向に猛ダッシュで逃げていったのだ。</div><div><br></div><div>礼儀も何もあったものではない。挨拶してる人に挨拶もなく逃げるとは…。さぞかし後ろめたいことでもあったのだろう…。</div><div><br></div><div>それにしても、もう還暦を過ぎてると思うが、情けない人生を送っているなぁと思った。</div><div><br></div><div>まあ、こんなこともあったので、いまの僕は、なるべく会う人には優しく接していきたいなと日々思っている次第であります。</div>
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<pubDate>Sun, 03 Aug 2014 10:46:44 +0900</pubDate>
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<title>書道用品店のオバちゃん</title>
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<![CDATA[ <div>その16 書道用品店のオバちゃん</div><div><br></div><div>　大阪市内のターミナル駅近くの商店街の中にあった銀行支店を売却し、マンションを建てるということで、支店の取り壊し工事が続いていたのだが、毎日ものすごい騒音となっていた。</div><div><br></div><div>　隣の書道用品店のおばちゃんから今日も電話がかかってくる。</div><div>「なんとかならんの隣の工事。」</div><div>出た人が対応すればいいのにいつも僕に電話が回されてくる。前任者のときからもしょっちゅうクレームの電話があったらしい。</div><div><br></div><div>「いや、どうもすみません。今からお伺いします。」</div><div>「もう、ええわ、あんたじゃ、話にならんの。」</div><div>「いえいえ、そうおっしゃらずに、すぐにお伺いします。」と、僕。</div><div>もう４回目である。</div><div><br></div><div>　⚪︎⚪︎企画部でイジメられたあげくクビになり、総務部に異動して、はじめて担当した仕事が書道用品店のオバちゃんの相手である。異動後４日目の木曜日のことである。それでもイジメられるよりは、オバちゃんの相手の方が数段楽しかった。外に出れるし。</div><div><br></div><div>　（それはそうと、僕をイジメてた⚪︎⚪︎企画部の次長の名前を思い出そうとするのだが、全く思い出せない。仕事のできない人だったので全く記憶にない。総務部仲間では、その次長のことを捻り鉢巻をしたら似合うということで「魚屋」と呼んでたので、「魚屋」としか思い出せない。まあ、どうでもいいけど…。）</div><div><br></div><div>　話が飛んだが、電話を受けて、お詫び用の菓子折りを買い、地下鉄で１５分ほど揺られ、またその書道用品店に向かった。</div><div><br></div><div>　毎日謝りに行ってるので、結構おばちゃんとも仲良くなり、その日は、「騒音のお詫びに、マンションと接するところの壁を白く塗ったげる」という話をまとめた。これはマンション施工業者側の提案でそれをそのまま伝えただけなのに、いたく、そのオバちゃんに気に入られてしまった。</div><div><br></div><div>　で、隣接する壁を塗るためにいろいろ調査していたのだが、倉庫の雨樋がはずれているのを発見し、はしごに昇ってちょっと簡単に修理してあげた。これが更にそのオバちゃんのハートをつかんだのか、</div><div><br></div><div>「ちょっと、あんた、話があるねん。」</div><div>ということで、奥の応接みたいになったところまで案内されて、お茶までだされて、</div><div>「実はね、あんたに、うちの娘紹介したいねん。」</div><div>「はあ～？？」</div><div>「あたし、あんたのことが気に入ってしもて、どう、うちの娘なんやけど…」と、見合い写真のようなものを見せてくれる。ずいぶんきれいなお嬢さんである。</div><div>「すみません。私、結婚してて、もう子どもも二人いるんですが…。」</div><div>「え～～、あんた、全然そんな風に見えへんで。」と、いかにも僕が頼りないような風に見えるような言い方をするのだ。</div><div>「上の子はもう１０歳ですし…。」</div><div><br></div><div>　と、まあ、その話はすぐにタチ消えたのだが、写真に写った娘さんのえらく綺麗なこと。この人が将来オバちゃんの顔になるようには全く想像がつかなかったが、お父さん似なんだろうと一人納得したのでした。</div><div><br></div><div>　その後は、クレームの電話がピタリと収まり、マンション施工業者からも感謝の電話があった。</div><div><br></div><div>　クレーマーのお客さんでも連絡があれば毎日謝りに行き、ひたすら相手の言うことを聴きながら、折り合える提案をすればクレーマーが逆に優良顧客になるのではと、不動産担当になった最初の一週間で学んだのでした。</div>
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<link>https://ameblo.jp/easy-workstyle/entry-11904061927.html</link>
<pubDate>Sun, 03 Aug 2014 09:46:41 +0900</pubDate>
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<title>夏の草刈り</title>
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<![CDATA[ <div>その15 夏の草刈り<br></div><div><br></div><div>&nbsp;京阪沿線のとある街にバブル時代に銀行が購入した広大な土地があった。独身寮の建設用地として購入したものだ。1200坪もあるので、坪70万円としても、8億4千万円。結構な取引額だ。</div><div><br></div><div>&nbsp;その土地の隣人から草刈り依頼が入ってきた。その土地を売ろうと思ってたのでちょうど良く、物件確認を兼ねて現場調査に行くことになった。暑い夏の大阪のことである。</div><div><br></div><div>&nbsp;かなりの坂道を上がったところに物件があったが、進入路とおぼしきところががっちりとした柵で塞がれていて入れない。</div><div><br></div><div>「えー、どうやって入るんやろう？」</div><div>&nbsp;乗り越えようにも高さが3mほどある。ここを乗り越えてるとどう見ても不審者に見える。持ち主なのに…。</div><div>&nbsp;とはいえ、近所の人に「どうやって入るんですか？」と聞くわけにもいかず、とりあえず登ってみたが、すべって一番上まで手が届かない。網目の柵でなく、板状の柵である、勢いをつけて駆け上がるしかないのだが、忍者でないのでやっぱりできない。</div><div><br></div><div>&nbsp;仕方ないので敷地の反対側から入ることにした。地図で見ると広いのがわかるが、現地に行くと家が建て込んでいて、よく見えない。敷地に隣接して建っている瀟洒な一戸建てが並ぶ道を抜けて、かなりの坂を登りようやく物件の東側に来た。造成が中途半端に終わってる丘の上から見る物件の敷地は広大で、しかし確かに草茫々である。その物件の場所はそこから下が5メートルほどの崖になっており、降りれない。飛び降りたらちょっと怪我しそうである。というか骨折しそうである。</div><div><br></div><div>&nbsp;仕方ないので、さらに北側にまわって公園のようなところを降りて、ようやく敷地に隣接している駐車場に辿り着いた。</div><div><br></div><div>&nbsp;物件の周りを歩いて気がついたのだが、この物件の敷地は最初に辿り着いた板の柵がある部分しか道路に接していない。広大な土地なのに家や林や駐車場などに取り囲まれた漫画の吹き出しのような閉鎖的な土地なのである。</div><div><br></div><div>&nbsp;ようやくたどり着いた物件の場所はものすごい草が生えていた。セイタカアワダチソウのような背丈くらいの高い草が多く、全く視界が遮られる。それでも獣道みたいになっている部分があったので、ずんずん進んでみた。真夏の日差しはジリジリと身体を焦がし、一応銀行員なのでスーツを着てたのだが、上着は脱いでワイシャツになってた。そのワイシャツも汗でべっとりしている。</div><div>&nbsp;あかんことに草むらの中のススキの葉で右腕を切ってしまい、ピリピリする右腕に気を取られていたら犬の糞を踏んづけて転びそうになってしまった。暑い時になにやってることやら…。</div><div><br></div><div>&nbsp;これ以上、草むらを踏み分けて入っても意味もないので、諦めて元の駐車場に戻った。ふう～。まあ、とにかくすごい草なので、草を刈る業者にその場で電話をし、翌々日に敷地全体の草刈りをするように指示をした。</div><div><br></div><div>&nbsp;しかし、草刈り完了の翌日隣人からまたもや電話がかかってきた。どうやら隣人が草刈りを依頼していた土地はうちの土地ではなく、となりの駐車場の持ち主の土地だったようだ。</div><div>「えー？」と脱力した。ものすごい金額をかけて草刈りしたのに、違うところ刈ってたのね…。</div><div><br></div><div>&nbsp;ましかし、土地が綺麗に整備されたので、もう一度現地に確認しに行った。</div><div><br></div><div>&nbsp;この地域は第1種低層住居専用地域なので、マンションを建てるわけにも行かず、一戸建て販売業者に売るつもりだった。が、住宅地にするには導入路をはじめとして、かなりの面積の道路を整備せねばならず、業者の負担が大きくなかなか売却できない。</div><div><br></div><div>&nbsp;それでも、実際に草が刈られて広々とした土地の真ん中に立っていると、未来の街が想像出来てワクワクする。いい住宅地を作る業者と手を組みたいなぁ…と、夏の暑い昼下がりに妄想するのでした。僕って不動産が好きなのだよなって納得する瞬間。本当はIT担当なんだけど…。</div><div><br></div><div>&nbsp;しかし、かなりの不審者である。空き地の真ん中で、ニタニタしているのだから…。</div><div><br></div><div>&nbsp;結局、僕が退職するまでにこの土地は売却できなかった。8億円超の取引だったので是非やりたかったのだが、残念な土地だった。</div><div><br></div><div>…。</div><div><br></div><div>&nbsp;あれから12年。調べてみるといまだにあの土地は売れてないようだった。また、担当してみたいのだけどね。いい街が作れそうだ。</div><div><br></div><div>（その15 おしまい）</div>
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<link>https://ameblo.jp/easy-workstyle/entry-11903221675.html</link>
<pubDate>Fri, 01 Aug 2014 17:10:41 +0900</pubDate>
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<title>隣人の白いスーツ</title>
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<![CDATA[ <div>その14 隣人の白いスーツ</div><div><br></div><div>大阪南部のとある町の銀行の支店を売る準備として、その支店の敷地の隣人と境界確認を行うことになった。</div><div><br></div><div>隣人は西友である。が、西友は借りているだけで、そのビルや敷地は別の地元の会社のものであった。</div><div><br></div><div>大阪南部の河内地域は、「河内のオッさんの歌」とか「花の応援団」のイメージの強い地域で、泉州地域出身の僕でもやや怖く感じるところである。</div><div><br></div><div>不動産取引に登場してくるヤクザみたいな人たちには随分慣れたものの、その日も、極めて圧倒的に間違いないヤクザそのもの2名が現れた。</div><div><br></div><div>白のスーツに黒のシャツ、花柄の広めのネクタイに、お決まりの白のエナメルの靴という出で立ちの、どこからどう見てもヤクザそのものがその会社社長であった。柔らかそうな素材のスーツは気持ち良さそうだがダブダブである。単に土地の境界の溝の位置を確認するのに現れる姿ではない。</div><div><br></div><div>まあ、それでもその頃はそんな人たちにビビらなくなっていたので、</div><div>「こんにちは、今日はお世話になります」と言って高級菓子を差し出す。</div><div>「兄ちゃん、こんなもん持って来られても困るやんけ、持って帰ってくれるけ。銀行員はイヤミやのう。」とのこと。</div><div>「いえいえ、美味しいですよ、どうぞ会社の方とかでお召し上がり下さい。」とあくまで相手を立てて話をする。第一印象は良くなった。</div><div><br></div><div>今回の境界確認は元の測量図がデタラメで実際にはこちらの面積がかなり増え、相手の面積がかなり減る話なので、慎重にやらねばならない。</div><div><br></div><div>取引が戦前のもので、当時は田んぼの水を引いてる溝が境界になっていて、時代の変遷で溝の位置が変わったとしか思えない感じなのだ。</div><div><br></div><div>それでも現場は見ただけで、どこが境界かは明白である。溝が走ってるからだ。その溝のこっち側か、相手側かが分かれ目になる。30センチ幅の溝で結構大きいのであるが、こっち側にしても、全体の面積はこちらが増えるのである。</div><div><br></div><div>そのことは言わずに、</div><div>「杭は溝のこちら側に打ちますので、溝は全てそちら側になります。」と説明。いきなり相手の気分が良さそうである。</div><div>「それやったらそっちの損になるんちゃうか？大丈夫か？ワシ昔のことは知らんから真ん中でもええで」と聞かれたが、大丈夫である。こっちが増えるのだから。</div><div><br></div><div>「ええ。もう売却する予定ですので…それに溝の真ん中だと、次に売却するとき面倒になりますよ。」と言ってごまかす。</div><div><br></div><div>ヤクザは気分が良さそうである。</div><div>「兄ちゃん、ええ奴やな」といきなりええ奴に昇格した。</div><div><br></div><div>で、そのまま図面を見せてハンコを押してくれることになった。予想通りそのヤクザは自分の土地の面積がどれだけのなのかは詳しく理解してなかったのだ。良かった。</div><div><br></div><div>で、相手の気分の良くなってるところで、今回の訪問目的の2番目のATM設置のお願いを始めた。支店売却のため、かわりのATMを設置せねばならないからだ。</div><div><br></div><div>「で、すみません、西友の中にATMを設置したいのですが、店内を見せてもらえないですか？」</div><div>「あん、ええで、見に行こか？」</div><div>と、いい調子である。</div><div><br></div><div>で、西友の中を歩き回りデッドスペースになっているところを探したところ、階段の踊り場がかなりのスペースで空いている。広く何も使っていない。</div><div>「ココに2台設置させてもらえないですか？」と聞くと、</div><div>「あ、ええで、ここやったら」と二つ返事で了解を得た。</div><div>「西友には言わなくて良いんですか？」と聞くと</div><div>「大丈夫や、連絡しとく」とのことである。</div><div>「で、おいくらぐらいになりますか？」と聞くと、</div><div>「はぁ？何言うてんねん、こんなとこタダに決まってるやんけ」と豪快である。</div><div>「えー、タダですか？」</div><div>すごい契約である。電気代しか払わなくてイイというものである。</div><div>もう、大成功である。まあ、次長に報告しても特に喜ばんやろうけど…。</div><div>ヤクザみたいな人は外見で損してるが、懐に飛び込めば、義理人情の世界やなとホントにそう思う次第です。</div><div><br></div><div>あれから12年。サイトで調べたらこのATMコーナーまだありましたよ。そりゃ安いもんね賃貸料が…。</div><div><br></div><div>（その14 おしまい）</div>
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<link>https://ameblo.jp/easy-workstyle/entry-11902969056.html</link>
<pubDate>Thu, 31 Jul 2014 15:20:59 +0900</pubDate>
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<title>駐車場があらへん</title>
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<![CDATA[ <div>その13「駐車場があらへん」</div><div><br></div><div>某支店の駐車場は大谷さんという個人の地主さんの駐車場のうち8台分を月極で借りていて銀行専用駐車場としていた。</div><div><br></div><div>それが、「来月からタイムズにしたから」と急に銀行との契約打ち切りを申し出てきた。契約書に1ヶ月前の通知と書いてある。短すぎるわ、そもそも。</div><div><br></div><div>支店が大谷さんとケンカでもしたのか知らんが、一ヶ月で急に8台分の駐車場なんか見つかるわけがない。</div><div><br></div><div>なのに上司は「鈴木さんなら出来るでしょう。」と根拠のないことを言って、「借りて来い。」という。</div><div>「お前が行け。」と内心思ったが、彼に出来るわけないので行くことにした。</div><div><br></div><div>駐車場を見つける前に、まずは大谷さんに事情を聞くことにした。</div><div><br></div><div>アポをとって地主の大谷さんに聞きに行ったが、案の定、支店とトラブっていたようだった。聞く耳持たずという感じ。「あいつら、いっこもけえへんのや、もうおたくの銀行とは契約せえへんで。」と言われ、支店の悪口をさんざ聞かされた挙句、追い払われた。腹が立つのでその足で支店に向かった。</div><div><br></div><div>支店に向う途中にある駐車場では既にタイムズの工事が少し始まっていた。</div><div><br></div><div>担当営業の支店長代理に「どういうことやねん？」と文句を言いに行ったが、「いろいろあんねや。それより駐車場の契約は総務部の仕事やろ！」と言い出す始末。</div><div><br></div><div>「あんたね、支店の駐車場が全くなくなるんやで、お客さんにどう説明する気やねん。」使えないアホばかりである。</div><div><br></div><div>仕方がないので、近所の不動産屋に飛び込み営業をかけて、片っ端から聞いて回った。</div><div><br></div><div>「すみません、○○銀行のものですけど、駐車場でまとまって借りれるとこありませんか？」と聞いて回るのだが、どこに行っても「おー、銀行さんかいな、○○銀行の人で訪ねて来たん、あんたがはじめてやで。」とか、「6年ぶりやで。」ばかりである。「支店の連中は一体どこを回ってんねん」と思いながら次々と訪ねるのだが、結局空いてる駐車場はどこにもない。</div><div><br></div><div>やっと「あるで」というとこを見つけ安堵したが、よく聞くと「三台縦に入れるとこやったらあるで」との話で見に行ったが、これでは最初に入れたお客さんは出せないではないか…。（見なくてもわかるが…。）</div><div><br></div><div>結局一日中回ってどこもなかった。まあ、当たり前である。</div><div><br></div><div>仕方がないので大谷さんのとこにもう一度アタックしに行った。そうすると、「タイムズの人に話しといた。1時間券とか出せるみたいや、おたくが頑張ってるって不動産屋から連絡あったから、聞いてみたげたで。」</div><div>流石は地主である。不動産屋さんとのネットワークも強い。</div><div>「ありがとうございます。であれば、引き続きお願い出来ますか？」</div><div>「あー、ワシ知らんで。もう、あとはタイムズの人と交渉してな。これ、連絡先。」</div><div>と担当営業の連絡先を教えてくれた。やっぱり仕事は一生懸命やれば認めてくれるなぁと感じた。</div><div><br></div><div>満面の笑顔で会社に帰って、次長に報告に行ったらなんと寝てるではないか。あきれた…。人が1日歩き回ってたのに…。起こす気にもならないので、デスクに戻ってタイムズの担当者に連絡してみた。びっくりしたことに銀行と違って仕事の早いこと。早いこと。もう、準備が出来てるらしく、明日来るとのこと。すごい。</div><div><br></div><div>もっとすごいのが、現地の機械に貼る「○○銀行専用駐車場」のステッカーを翌日もう作って持って来たのだ。まだ若い20代の営業マンである。</div><div><br></div><div>「ちょっと、ロゴマニュアルとかデータとか渡してないのにどうやって作ったん？」</div><div>「ホームページからわかりますので…」とのこと。スゴイ。</div><div><br></div><div>が、色が少し違う。</div><div>「色がちょっと違うと思うで。ロゴの形もちょっと歪んでるよ」というと</div><div>「ホンマですか、パソコンから作ったはずなんやけど…」</div><div>「いや、ちゃうで」とマニュアルを渡した。</div><div><br></div><div>驚いたのはまた翌日作り直して持って来たことだ。いったいどこで作ってるんだろう？</div><div><br></div><div>ものすごく仕事が早い。こちらの仕事が楽しくなるくらい。</div><div>「じゃあ、明日現地に行きましょう。看板も作ったんで。」</div><div>「えー、無茶スゴイな」</div><div>とにかくめちゃくちゃ仕事が早い。</div><div>現地に行くとタイムズ駐車場と書かれた下に（○○銀行専用駐車場）と書いてある。機械に貼るステッカーだけでなく看板にもちゃんと銀行専用と書いてくれていた。</div><div>「大谷さんに入れといてと言われたので」とのこと。うん、かっこいい地主だ。うちの次長と大違い。</div><div><br></div><div>この営業マンの話はその後もいろいろあるのだが、やっぱり伸びてる会社はスゴイなとつくづく感じた。</div><div><br></div><div>帰って「頑張ってると仕事も面白くなるよなぁー」と同僚と話をしながら、窓際を見ると、次長が鼻くそをほじくっていた。</div><div><br></div><div>（その13 おしまい）</div><div><br></div>
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<link>https://ameblo.jp/easy-workstyle/entry-11901785032.html</link>
<pubDate>Tue, 29 Jul 2014 08:06:43 +0900</pubDate>
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