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<title>elinitstab1978のブログ</title>
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<title>布石は敷き終わった――『魔弾の王と戦姫 10』</title>
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<![CDATA[ 今回取り上げるライトノベルはこちら。アニメも放送中の『魔弾の王と戦姫』新巻です（アニメ放送中に合わせて新巻を出すのは商業的にはセオリーです。たまにそういうことに合わせる気のない作者もいますが……）。魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉10 (MF文庫J)(2014/10/23)川口 士商品詳細を見る　（前巻の記事）ゲーマーズ購入特典は特製ブックカバー＋α（＋αについては後述）。ただ、絵はカラー口絵の流用ですが……装着してみました↓内容ですが、最初に行っておくと、今回で第2部完となります。6巻から第2部なので、1部5巻ずつとなり数字の上でキリはいいですね。話を振り返ると、第1部で祖国ブリューヌの内乱を終結させ、英雄となったティグルですが、法的には隣国ジスタートの戦姫であるエレンの捕虜のままです。協定の結果、ティグルはライトメリッツ（ジスタート国内にある、エレンの治める公国）に客将として滞在することになっていました。しかし、ジスタート国王の依頼でアスヴァールへの密使として旅立つことになったところから第2部は始まります。その旅でティグルは行方不明になっていたジスタートの戦姫オルガと出会い、アスヴァールの内戦に関わり、海に落ちた挙げ句に記憶喪失で戦姫エリザヴェータに拾われることになります。前巻はそうして「ウルス」としてエリザヴェータに仕えることになったティグルがその人柄と才覚でみるみる取り立てられていく立身出世もののストーリーになっており、エリザヴェータと城下町をお忍びでデートなど、1巻とエレンとの関係を思い出させる場面もあって楽しいものでした（どちらがお忍びに誘い出したかは逆、という対照も含んでいますが）。今巻でようやく記憶を取り戻し「ティグル」として復活するのですが、7巻で海に落ちて行方不明のまま終了、8巻で記憶を失って再登場したのですから、丸3巻近く記憶喪失のまま過ごしたことになります（8巻はむしろ、ティグル不在のままの戦姫たちの戦いがメインでしたが）。ただこれも、エリザヴェータを救済するために必要だったのでしょう。彼女にはエレンとの因縁、左右の瞳の色が違う「異彩虹瞳」によって振り回された半生など色々なことがありましたが、何よりも力を欲してバーバ=ヤガーという魔物（魔女）と契約してしまったという事情がありました。元々戦姫を選出する武器「竜具（ヴィラルト）」と魔物の間には神話的因縁があり、戦姫が魔物と契約するのは本来タブーらしいのですが、前巻で相手が魔物とは知らず神殿で祈ったら力を押し付けられただけと判明、ひとまず悲劇的な末路は避けられることが見えた感じでした。とは言え、事情がどうあれ魔性の物との契約が安くつくはずもなく、事態を理解したエリザヴェータは今回、一人バーバ=ヤガーとの決着をつけに向かいます。他方で、バーバ=ヤガーに連れ去られかけてエリザヴェータとはぐれたウルス（ティグル）は、何と南方の国ムオジネル（モデルはペルシア）の密偵ダーマードと出会って同行することになります。相変わらずの人たらしぶりで、美少女たちを落とすハーレムぶりもさることながら、男も相当数落としています。ムオジネルはかつて戦った相手ですが、いずれふたたびムオジネルとの戦争になった時、このダーマードとの縁がどう効いてくることか……というわけで色々ありましたが、やはり今巻の話の軸であり見せ場となるのはバーバ=ヤガーとの戦いです。人間の軍隊同士の合戦は最後に来るという、今までからすると変則構成でしたが、すでにいささか消化試合の感があり、相手の将が憐れでした。――とは言え、第1部はそもそもの敵であったテナルディエ公爵を倒し、ブリューヌの内乱を終結させてティグルの立場を確保するという明確なゴールを達成しての一区切りでしたが、それに比べると今度の第2部は何を達成し、ストーリーにいかなる区切りがついたのか、それほど明瞭でない面はあります。密使として旅立ったティグルがエレンのもとに戻ってきて一段落、とは言えますし、ティグルが旅に出て行く先々で事件に関わる巻き込まれ型主人公になっているのが第2部の特徴でしから、第1部ほどの達成目標がないのは仕方ないとも言えるでしょう。あとがきによると第2部は第1部で出番のなかった戦姫たちにスポットを当てる話だったという旨なので、それはある程度まで達成したとも言えます（スポットを当てる＝主人公と絡む、ではありませんが）。が、もう少し他に注目しておくべきことがあります。まず第2部では、ティグルは元々単身旅立ったので、行く先での戦争に助っ人的に参加することはあっても、自分の兵を率いて戦っていません。他方で、第1部で主人公たちが魔物と相見えて戦ったのは4巻だけ、しかもこれはストーリー上はかなり付け足しのような位置付けでした。対して第2部では、2体の魔物が巻をまたいで戦う強敵として立ち塞がり、しかも敵の将軍の正体が魔物だったりという形でそれがストーリーに深く食い込んでいます。結果、人間の軍隊同士の合戦に対する魔物との戦いのウェイトが大きくなっています。まだ魔物の正体や竜具との関係については不明ですが、少なくともこうした展開により戦姫たちは魔物の存在を知り、それについて調べねばならないのを感じています。魔物と竜具、ティグルの黒弓、それに「魔弾の王」といった神話的存在の謎に切り込むためのお膳立ては揃ってきました。他方で、今のところ大きな戦争は起こっていないものの、ティグルがアスヴァールで出会い共に戦いもしたタラード、第1部で戦って以降まだ再戦はないもののその準備を進めているムオジネルの王弟「赤髭」クレイシュといった相手とも、いずれ戦うことになる布石は敷かれています。国と国とが正面から激突し大陸の政治情勢が動く時、それは王への道が開かれる時である可能性も高いでしょう。神話と戦記、両面での準備メインの第2部という感じだったので、第3部ではその成果が炸裂するのを見たいところです。そう言えば、「歴史小説の文法」で言い忘れていたことですが、本作は数量の表記に「三百アルシン（三百メートル）」といった書き方をよく用います。中世風世界観でメートル法もなかろうけれど、なるべく現代の読者が換算して読みやすいような架空の単位系を、ということなのでしょう。ただ、架空の単位がどれくらいなのかを読者に伝える方法は一つではありません。「手を広げたときの親指の先から中指の先までの長さ」といった具体的な説明をする手もありますし、いっそ作中世界の地図のように本文の外に説明を設けることもできます。「（○○メートル）」という表記は「作者が出てきて説明する」タイプのやり方で、やはり歴史小説的です。架空の世界を描いてはいても歴史小説的筆致を用いる、これもその世界があたかも実在するかのように描く一つの技法と言えるでしょう。　～～～今回はコミカライズの6巻とアンソロジーコミックも同時発売です。コミカライズ6巻は原作3巻終盤～4巻序盤に相当する内容。魔弾の王と戦姫 6 (MFコミックス フラッパーシリーズ)(2014/10/23)柳井 伸彦、川口 士 他商品詳細を見る　（前巻の記事）ゲーマーズ購入特典はこちらも特製ブックカバー。装着するとこっちの方がカバーらしい装丁になっていあすね。絵も描き下ろしですし。内容的には、いよいよブリューヌ最強の騎士ロランとの決着となります。その後、エレンが親友サーシャを助けるためジスタートに一時帰国し、その間にムオジネルから2万の軍がブリューヌに侵略してきます。わずか2千の兵を率い、10倍の敵軍に挑むティグル。今はまだ自領アルサスが侵略を受けたわけではないのですが、ブリューヌ国内では反逆者と見なされている身、自領の守りに徹しても援軍が期待できるかどうか分からない状況で、打って出ることを決断するのです。第1部の中ではこの話（原作4巻）のみ、ブリューヌの内乱とそこでのティグルの立場を巡る話からは少し外れているのですが、田舎の小さな自領のことしか知らず頭になかった主人公が王への道を歩む上で、自領以外の民をも守るべく戦うこのエピソードは大きな転機と言えます。登場人物は概ねイメージ通り。ロランは最後まで圧倒の迫力でした。サーシャ（上の特製ブックカバー表紙）、エリザヴェータ（ただ今巻でははっきり顔も見せませんが）、それに今巻最後で登場のレギンと登場。ただ、原作イラストのない男性キャラのデザインの方がいっそう楽しみという面もあります。その点ではムオジネル勢の名前ありキャラが登場するであろう次巻に期待ですが、今巻のポイントは顔見せだけながら魔物のヴォジャノーイ。　（川口士/柳井伸彦『魔弾の王と戦姫 6』、KADOKAWA、2014、p.98）影の演出はベタながら良いのではないかと。しかし余談ながら、勇士ロラン（ローラン）と副官オリヴィエ、そして奸臣ガヌロンという名前はいずれも中世叙事詩『ローランの歌』の登場人物なわけで、それを思うとロランのことは元ネタ通りではあるのですが……魔弾の王と戦姫 アンソロジー (MFコミックス フラッパーシリーズ)(2014/10/23)川口 士商品詳細を見るこちらのアンソロジーは様々な作家たちによるイラスト4枚、漫画12編、小説2編を収録。参加者はイラスト：椛島洋介、伊藤ハチ、プリンプリン、山田孝太郎漫画：吉元ますめ、由雅なおは、柳井伸彦、うがつまつき、るし、TOもえ、東條チカ、季野このき、森みさき、九郎、ぬるけん、栢山小説：細音啓、壱日千次という顔ぶれです（個人的には、馴染みのない作家が大部分だった分、少し楽しめる度合いが落ちたかも知れません）。漫画に関しては、世界観を無視した自由な遊び（巨大ロボットが登場したり学園物になったり）から、裏舞台として本編中に挿入しても違和感のないものまで、両方向のものが均等にバランス良く収録されているのではないでしょうか。若干、リムのクマ好きに関するネタが目立つでしょうか。コミカライズの作者である柳井伸彦氏は「魔弾の王と学園祭（スクールフェスティバル）」というティグルたちを現代の学園に放り込んだ話を書いていますが、実はこれ、原作者が「MF文庫110周年記念夏の学園祭メモリアルブック　MF文庫Ju!!」で書き下ろしたスピンオフ小説のコミカライズ。本編のコミカライズにおいても、漫画ではカットした原作の場面を単行本巻末のおまけに使用するなど、原作の再現に気を配るプロ意識に感心します。小説は細音啓氏が『ライタークロイス』、『千の魔剣と盾の乙女』など他の川口作品のネタを作中作として取り込んでいるのがいいサービスでした。イラストは、あるキャラの果たせなかった夢を描いた1枚が涙を誘います。　―――ちなみに、3冊のいずれもゲーマーズ購入特典として特製イラストカード↓が付きます（絵はいずれも原作のカラー口絵）。さらに原作10巻と漫画版6巻もしくはアンソロジーのセット購入特典としてさらに特製ブロマイドが付くのですが……やはり10巻の表紙でちょっと背景色が違うだけで、連動特典としては少し物足りない気がします。オタクと形而上学（旧：山中芸大日記）...
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<pubDate>Sat, 06 Jun 2015 14:37:42 +0900</pubDate>
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