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<title>雨夜幻影</title>
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<description>サメヨゲンエイ</description>
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<title>白紙</title>
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<![CDATA[ <p>巫幽目線</p><p>あれから数日、もう何も聞け出せやしないと私も呆れ彼が居ても気にせず互いに無視をした<br>だが雨が降った次の日の朝、彼の姿はなかった<br>&nbsp; 次の雨夜もまた居ない・・・<br>ふと私は夜に傘を片手に出かけた<br>前に彼女が居た場所へ<br>ぽつぽつと雨音が傘に響くばかり、数時間待とうが彼女は姿を現さない<br>眠気に限界だ、もうこの事はなかったことにしよう、彼女の事はもう諦めた<br>&nbsp; 特に何もないいつもの生活へと戻った<br>外はすっかり寒く雪は積もり葉は霜を付け真冬へと向かっていた<br>新たに雪かきの仕事が入るから冬は面倒なものだ<br>かといってやらないわけにはいかない<br>いつ客がくるかもわからないしね<br>それに面倒くさくても綺麗な方がすっきりする<br>彼女みたいに汚れた身でいたくない、と心の隅では言った<br>冷えた体も雪かきをすれば自然血温まってくる<br>ある程度片付けば神社へ戻ってお茶にした<br>&nbsp; 変わらない日々、余りにも変化がないと暇だ<br>することといえば神社へ参拝しに来た人に耳を傾ければ箒を動かすだけだ<br>殆どの参拝客は"神隠しがなくなりますように"だとか"消えた娘が帰ってきますように"というものばかりだ<br>彼女のせいで多くの人が迷惑し、悲しんでいる<br>彼女にそれを理解して欲しい<br>今直ぐにあんな生活をやめて欲しい<br>じゃないと、人は悲しむだけだし彼女の心が晴れないまま<br>・・・いいえ、もう彼女の事を考えるのはやめよう<br>気にしたって仕方がない、彼女が変わる気にならなければ変わらないのだから<br>いつの間にか止まっていた手に気付き再び動かし始めた<br>「すみません、また相談に来て・・・」<br>ふと我に帰り声のする方へ振り返れば未界の姿があった<br>それも本を大事そうに抱えて<br>どうしたのと聞くと未界は<br>「この本、ずっと昔からあるけれど・・・中身を見たことがないの。見ようと思っても怖くて見れなくて・・・でもこの本に大切なことが書いてるかもしれない」<br>と弱々しく呟き、本をこちらへ差し出した<br>「開けてみてもいい？」<br>「ええ、いいですよ」<br>と優しく応えた<br>本の最初の1ページ、白紙<br>ページを一枚めくり、2、3ページも白紙<br>適当にめくりどのページを見ても全て真っ白だった<br>「・・・読めないわ、何も書いていない」<br>私は未界にこの本を返した<br>「そうですか・・・」<br>と残念そうに言って、礼をして立ち去った</p>
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<pubDate>Wed, 22 Mar 2017 00:24:54 +0900</pubDate>
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<title>謎が増えるだけ</title>
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<![CDATA[ <p>巫幽目線</p><p>&nbsp;</p><p>私はさらに彼の事を知りたくなった</p><p>始めは彼の存在なんて知りたくなかったしあのまま忘れ去ってしまいたいぐらいだったが、私自ら彼の謎を広げてしまった</p><p>未界との関係性</p><p>彼から見える世界</p><p>彼の目的</p><p>そして母を殺した理由</p><p>その他にも考えれば考えるほど謎は広まる</p><p>どこに住んでいるのかすらわからない</p><p>しかし何を聞こうとしても彼は怒って否定する</p><p>ただ彼の謎を予想するだけだった</p><p>未界を殺さなかったぐらいだし、相当未界の事を大切に思っているのだろう</p><p>そうすれば未界も彼の事は好きなはず、自分を守ってくれるにだから</p><p>未界に直接聞くのが手っ取り早いかもしれない</p><p>昼食を片付け、身だしなみを整えて神社を出た</p><p>縁側ではまだ彼が寒そうに体を丸めて眠っていた</p><p>折角あげた襟巻きも雨に濡れ、泥だらけになり、破れ始め、木の枝が引っかかっていた</p><p>一体どういう扱いをすればこんな短時間でそこまで汚せるのか</p><p>彼に呆れ、馬鹿みたいだと静かに笑った</p><p>赤かった葉も散り果て始め、水面に紅葉が浮かんでいた</p><p>神社も積もるほどではないが雪が降る</p><p>そろそろ冬だ</p><p>簡単な服装しかしていないから少し寒いが、謎をとくのが先だ</p><p>里の少し外れた所にあるこの島では珍しい西洋風の家の扉を叩いた</p><p>「はい・・・？」</p><p>数秒すれば未界が顔を出した</p><p>「ごめんなさいね、急に来ちゃって。どうしても聞きたいことがあってね」</p><p>未界は素直に応じてくれた</p><p>開いた扉から覗き見える机の上には昼食らしき茶とパンケーキが置いたままだった</p><p>「この前の神隠し、視線を感じるって言っていたけどその主がわかったの。だけど何も話してくれなくて・・・。だから集めただけの情報で未界に何か気にかかる事はないかって思って」</p><p>未界はじっと私の目を見て頷いた</p><p>「貴方の知り合いで仁喰衣って人いるかしら？」</p><p>「知らない・・・」</p><p>未界は小さく首を横に振った</p><p>「そう・・・」</p><p>未界も知らないのは想定外だった</p><p>もしかすれば仁喰衣という名前は嘘の名前？</p><p>益々謎は広まってしまった</p><p>「ありがとうね、忙しい中急に来ちゃって」</p><p>「いえいえ」</p><p>と未界は笑顔で言った</p><p>その後、神社へ戻り眠った仁喰衣を観察していた</p><p>服にも、物入れの袋は見当たらなかった</p><p>財布も小銭も何も持っていないようだ</p><p>持ち物も何かのヒントになるかもしれない</p><p>何か持っていないかと全身を触って確かめるが何もない上彼も目覚めそうにない</p><p>かなり深い眠りのようだ</p><p>彼の服の左内に袋があった</p><p>そこに手を突っ込んで漁るが何一つ入っていない</p><p>何も情報は得れなかった</p><p>彼は人間としても妖怪としてもおかしな生活を送っているようだ</p><p>彼から見る世界は私とは全然違う物だろう</p><p>何故か溜息が出た</p><p>寒いし部屋に入って温まろう</p><p>仁喰衣は温まらなくていいのかしら？</p><p>翌朝、少しでも聞き出そうと早めに起きて神も整えないまま縁側へ向かった</p><p>彼はあれからポーズを変えていないが、彼の鋭い目付きはギロリとこちらを見つめていた</p><p>「また何か用か？」</p><p>低く少し掠れた声が小さく聞こえた</p><p>「貴方、一体未界の何なの？未界にも聞いたけど貴方の事全く知らないって言ってたし・・・」</p><p>「聞いたって・・・まさか私の事を話したんじゃないだろうな？」</p><p>「話したらまずかったかしら？」</p><p>彼は前のように少し怒り気味だった</p><p>「何故態々情報を漏らすんだ？見つかれば私は生きられないんだぞ！？」</p><p>むくりと起き上がって言った</p><p>彼は自分の全てをこの世の全てに隠し通して生きていくつもりだったのかしら？</p><p>だけど全部隠して生きるなんて出来ない、彼には寂しいという感情がないのかしら</p><p>「それに知らなかったって・・・そんな筈はない！生まれた時からずっと一緒に居たんだ！未界は私の・・・」</p><p>彼は急に怒鳴ったかと思うと一気に冷めたように話をやめてしまった</p><p>もう少しで聞き出せたのに・・・</p><p>それにずっと居たって・・・彼は未界の守護神のようなものだったのかしら？</p><p>「何黙ってるんだ・・・あっち行け！！」</p><p>また追い払われた</p><p>彼は本当に自分の全てを隠し通す気らしい・・・</p>
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<link>https://ameblo.jp/ennrakuakane/entry-12225538118.html</link>
<pubDate>Sun, 04 Dec 2016 12:59:32 +0900</pubDate>
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<title>罪の罰</title>
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<![CDATA[ <p>巫哀目線</p><p>&nbsp;</p><p>島の創造神が力を失ってからは守護神である私しかもう島は支えられなかった</p><p>島は鬼ノ大蛇に支配される一方</p><p>異国から一つの民族がこの神凪島に住み着き、端に村を建てた</p><p>島はさらに賑やかになり、みんな幸福だ</p><p>しかしそんな幸福を奪うのが鬼ノ大蛇</p><p>異国の奴が気に入らず、村人を狂わせ大混乱を起こし、遂には彼らが築き上げた村を切り落とした</p><p>私は守護神</p><p>守るのが役割だが鬼ノ大蛇には激怒した</p><p>島の、皆の為にも鬼ノ大蛇を封印しようと試みた</p><p>死を覚悟して</p><p>私が死ねば島はもう救いがない</p><p>しかし賭けてみる</p><p>神社の霊玉を持ち出し、妖力を全て霊玉に籠めて、鬼ノ大蛇に向けた</p><p>何とか封印できた</p><p>島は歓声が響き渡った</p><p>しかしどうするか</p><p>封印はできたものの死滅したわけではない</p><p>封印が解ける可能性だってある</p><p>海の底へ捨てるわけにはいかない</p><p>私は来る日も悩み続けた</p><p>里の調子を見るために人里へ降りた</p><p>修復中の建物も多い</p><p>駅の方が騒がしい</p><p>人が集っている</p><p>近くの駄菓子屋に聞くと</p><p>「なんか人が倒れてるらしいんですよ、意識もないって」</p><p>人集りの中心へ行き、倒れていた少女の様子を伺った</p><p>瀕死状態だ</p><p>里人に色々と情報を聞いたが何も得られない</p><p>一先ず少女を引き取り、手当てをして寝かせた</p><p>今の子供のこともあってこれ以上育てるのは無理がある</p><p>閃いた</p><p>彼女には気の毒だが彼女に鬼ノ大蛇の魂を宿らせ、共に殺す</p><p>そうすれば鬼ノ大蛇は死滅する</p><p>しかし少女を・・・</p><p>彼女の目が覚めた</p><p>彼女に問いた</p><p>まだ生きたいかと</p><p>彼女は頷くだけだった</p><p>そして少女に鬼ノ大蛇の魂を宿らせた</p><p>少女は日に日に回復した</p><p>そして子供達と同じように育てた</p><p>殺すなんてしなくとも愛を知れば鬼ノ大蛇の暴走は止むのでは？</p><p>そんな甘くはないか・・・</p><p>脳内では殺すかの選択肢があったが共に生きるうちに殺せなくなった</p><p>本当は彼女なんてただの生贄に過ぎないのに・・・</p><p>ふと目覚めた</p><p>いつの間にか私は墜ちていた</p><p>命を殺そうとしていた</p><p>殺すことを考えていた</p><p>私は邪道神になってしまうのか</p><p>それだけは恐れた</p><p>邪道神になれば島を守るものが居なくなる</p><p>島はまた私という存在によって縛られてしまう</p><p>しかしもう感情の変化は変わらない</p><p>彼女をニジを愛出るべきか・・・殺すべきか</p><p>我が娘と同じ存在を裏切って殺してしまうか・・・</p><p>裏庭で空でも見て気分を晴らそうとするが悩んだ</p><p>けどもうこんな感情を持ってしまった</p><p>やはり鬼ノ大蛇は許せない存在、殺してしまおう</p><p>ニジは未だ寝ているだろう</p><p>妖術で身を操り、此処へ呼んだ</p><p>子供達には知られるわけにはいかないから</p><p>せめて楽に死なせてやろう</p><p>この札を張って仕舞えば魂は抜ける</p><p>しかしニジは私の首に触れた</p><p>いや、押し倒して首を閉めた</p><p>妖術で操っているから妖力もない彼女は抵抗はできないはず</p><p>目に狂気を感じた</p><p>鬼ノ大蛇はまだ完全に封印できていないのか？</p><p>またいずれ暴れ出すのだろうか・・・</p><p>痛みなど感じずただ申し訳ないという感情だけだった</p><p>私は貴方を裏切った、殺されてもおかしくはない</p>
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<link>https://ameblo.jp/ennrakuakane/entry-12225537532.html</link>
<pubDate>Sun, 04 Dec 2016 12:56:57 +0900</pubDate>
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<title>何も出来なかった</title>
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<![CDATA[ <p>巫幽目線</p><p>&nbsp;</p><p>私は神の子</p><p>島を守護する一つの神から生まれた</p><p>私の神社は巫女は居ない</p><p>今の神である母ちゃんが巫女として自分を祀っている</p><p>母ちゃんも私も妹も皆神であった</p><p>しかし、家族で一人だけ違うのが居た</p><p>仁喰衣という奴だ</p><p>私たちとは一切血の繋がりもなくただ一緒に居るだけだった</p><p>だが彼女は同じ家族のようだった</p><p>楽しく話してくれた</p><p>いつもは母ちゃんと一緒に話しているのだが、私達はその間に入っている</p><p>彼女がいつ頃からいるのかは知らない</p><p>しかし母ちゃんの話では私が生まれて間もない頃に来たそうだ</p><p>今日も一緒に話して遊んだ</p><p>家でかくれんぼをしたが直ぐに見つけてしまう</p><p>家に隠れる場所がないのと、相手が大きいというのもあるだろうけど</p><p>母ちゃんの家事の手伝いをしたり、私が妹と喧嘩をすれば間に入って喧嘩を止めてくれた事も多かった</p><p>本当に心優しい人だった</p><p>家族の様に、ずっと、一緒に仲良く暮らしてきた</p><p>だが、その幸せは一変した</p><p>私と妹が室内で鬼ごっこをしていた時だった</p><p>母ちゃんは「仁喰衣さんと大事なお話があるから」と言って別のところへ行っていた</p><p>神社の裏で揉め事の様な怒り声に妹が気づき立ち止まった</p><p>暫くすると声は止み、無音が続いた</p><p>妹が「心配、行ってみよ」と私に声をかけて裏の出口に向かった</p><p>妹は随分と気にしているのか私を置いてでも先ヶと進む</p><p>妹が戸から裏庭を覗き込んでいた</p><p>声をかけても妹は返事すらせず、固まっていた</p><p>「見てたんだから私にも教えてよ」と妹を無理やり押して裏庭を見ようとした</p><p>しかし見えたのは寝そべるっている母ちゃんとその腹を何度も爪で刺し抉る仁喰衣の姿だった</p><p>彼女の手はぴたっと止まり、暫く己の手と母ちゃんを見つめていた</p><p>妹が固まっていたのも理由が分かった</p><p>そして私も凍り付いたかのように止まって息を殺した</p><p>「・・・母ちゃん？」</p><p>妹が呟いた</p><p>その声の仕業で気付かれたか、仁喰衣は血塗れの顔でこちらを振り返った</p><p>激しく睨まれ、彼奴がこっちに来る</p><p>私も同じ目に会いたくない、と妹の手を引き必死で逃げた</p><p>山の階段を降り、一番近い明かりのついた家へ駆け込んだ</p><p>家の人は事情を聞くと私達を中へ入れてくれた</p><p>「怖かっただろう、暫く此処へ隠れんさい」と寝床を用意してくれ、私達の面倒を見てくれた</p><p>安全とは言え、恐怖は消えなかった</p><p>一週間もした</p><p>これだけすればもう彼奴も居ない筈・・・</p><p>妹を後ろに、恐る恐る神社へ近づいた</p><p>中はとても静かだ</p><p>事があった裏庭は、無様な姿の母の死体だけが残され、彼奴はもう消えていた</p><p>今の神である母が居なくなった</p><p>まだ安心はできなかった</p><p>だが住む場所は此処だ</p><p>恐怖と傷はなかなか癒えないだろう</p><p>この事を忘れ、いつも通りにしたい</p><p>だから私は母の後を受け継いでこの神社へ止まった</p>
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<pubDate>Sun, 04 Dec 2016 12:55:56 +0900</pubDate>
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<title>化物となり</title>
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<![CDATA[ <p>仁喰衣目線</p><p>&nbsp;</p><p>何事もなくただ眠ってしまった</p><p>女は何をしたかったというのだろうか</p><p>体が少し重たい気がした</p><p>開いた戸からはあの女が赤子を抱えて出てきた</p><p>「体はどう？少しは楽になった？」</p><p>「楽というか・・・少し重い気がする」</p><p>「そうね・・・まぁ慣れるわよ、大丈夫」</p><p>と肩を叩いた</p><p>「紹介が遅れたわね、私は巫哀。ここの巫女をやっているわ」</p><p>返事も浮かばずただ見つめていた</p><p>すると赤子が泣き出し、巫哀はあやしながら何処かへ行った</p><p>そのまま数日が経った</p><p>いつになれば帰れるのだろうか</p><p>もう私はここで一生を遂げるのだろうか</p><p>やがて時は数年に渡り、赤子も大きく話せるようにもなった</p><p>巫哀に良く似た黒の髪の子供が「だれー？」と私に指差した</p><p>巫哀は「家族よ」とだけ言って私に話しかけた</p><p>「貴方千野守村の人よね？」</p><p>私は頷いた</p><p>「ずっと隠してて信じられないだろうけど、貴方の村は崩壊したわ」</p><p>「・・・知ってる」</p><p>「その原因は鬼ノ大蛇っていう化物の仕業なの。その化物のせいで貴方の村は切り離されたわ。その化物はもう封印したけど・・・」</p><p>巫哀は少し不安げな顔で続けた</p><p>「その魂を貴方の身体に宿らせたの。だから貴方はもう既に人間ではないの」</p><p>「・・・？」</p><p>上手く把握はできない</p><p>言うと私はもう人間を辞めたという事か？</p><p>「だから人間だった頃の貴方とは別、だから新しい名前を考えたわ。」</p><p>悪い夢だろうか・・・</p><p>私は変化が嫌いだ、これならまだあの頃の方がマシだ。</p><p>それからは私はどうやら仁喰衣という新しい名前、新しい人生として生きるらしい</p><p>生前の記憶が残ったまま生まれ変わったような感じか</p><p>飯も巫哀、そして子供の巫幽、彌來と一緒だった</p><p>腹の違う家族・・・か</p><p>でも前の暮らしより需実していた気がする</p><p>巫哀は子供も当然だが私を可愛がってくれたから</p><p>私には特に苦しいこともなかったが身体は少しずつ異常な変化をし始めた</p><p>眼は以前とは逆の紅へ、歯は乳歯が抜けたと思ったら人とは違う尖った歯が生えた</p><p>まぁ不快はない、少しの変化でも巫哀の明るくなんでも報告した</p><p>巫哀は笑っていた</p><p>幸せな時間を過ごし、また数年が経った</p><p>今日はやたらと眠たい</p><p>ぼーっとすることが多い</p><p>何故だろうか、疲れたのか？</p><p>疲れるような事は何もしていないはずだが・・・</p><p>まぁいい、眠ろう</p><p>体調が悪くなって病気でも起こしたらまた世話を焼いてしまう</p><p>私は布団の中で眠った</p><p>その筈だった</p><p>朦朧としていた意識も覚め、視界がはっきりしてきた</p><p>何故か私の手は真紅の鉤爪と手があった</p><p>爪先は自分へ向けていた</p><p>口元を触れて確かめると、痛みと無いはずの切れ目があった</p><p>離した手には血が滴っていた</p><p>何があったのか、何をしていたかは覚えていない</p><p>ただ、今ある現状は</p><p>口が耳の手前まで裂けたように切れている、巫哀の死体がある</p><p>巫哀の死体がある・・・？</p><p>味覚も戻って、よく口の中を舐めると鉄・・・いや、血の味がした</p><p>口の傷口からの血だろうか</p><p>けど何故自分の口なんか裂いたのだろうか</p><p>巫哀の身体を見ると刺し傷、噛み跡が多数あった</p><p>一部は肉が裂け、骨まで少し削られるほどに荒らされていた</p><p>今の現状からして私が殺したとしか思えない</p><p>私が巫哀を殺して口を裂いてまでして喰おうとした・・・？</p><p>いや、やっぱりわからない</p><p>私が寝惚けてこんな事する筈がない</p><p>ましてや、自分を助けてくれた、愛してくれた恩人を殺す筈がない</p><p>暫く下を向いて考えた</p><p>だが何一つ理解などできなかった</p><p>殺した、ただそれだけ</p><p>小さな物音が聞こえ、振り返れば巫幽と彌來が蒼ざめた顔でこちらを見ていた</p><p>何か知っているかもしれない</p><p>とりあえず事情を話そう</p><p>そう近づいただけで子供らは目に涙を浮かべて叫んで走り去った</p><p>私はどうしようもなかった</p><p>どうすればいいのかわからなかった</p><p>ここに私は居てはいけないんだ</p><p>そう思い込み傘だけを持って冷たい雨夜に、里を出た</p><p>林を進んで村の方へ向かった</p><p>しかし巫哀の言った通りそこは海岸になっていた</p><p>でも、村が見える</p><p>私はその村を目掛けて足を進めた</p>
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<pubDate>Sun, 04 Dec 2016 12:45:18 +0900</pubDate>
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<title>姉は不老となり妹は・・・</title>
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<![CDATA[ <p>棺目線</p><p>&nbsp;</p><p>私はとある普通の一家に生まれた</p><p>皆普通で何も特別なことなんてない</p><p>しかし私だけは皆をは違う</p><p>髪が、色が</p><p>皆少し揺れた綺麗な赤色の髪が普通だ</p><p>私だけがこの村でまっすぐに伸びて薄汚い色の髪を持つ</p><p>家族もまともに相手さえしなかった</p><p>父と母には「お前なんて見たくない」と言われ別室へ閉じ込められた</p><p>長女は家族の手伝いと学校へ行くのが習慣</p><p>妹の未界だけだった</p><p>私の事を良く見てくれたのは</p><p>学校であったことを父や母より私に先に詳しく沢山話してくれた</p><p>私は外が怖くて部屋から出る事さえ嫌だった</p><p>何を言われるか何をされるのか怖くてたまらなかったから</p><p>学校も行けない、字も読めない</p><p>少しでも字を覚えようと本を広げては未界に教えてもらった</p><p>私を好いてくれたのは未界だけだった</p><p>ある日村の歓迎会が開かれた</p><p>未界は当然、家族皆が出かけた</p><p>部屋は蝋燭の灯りも物音も消え無の世界だった</p><p>無の世界にいる間が長く感じた</p><p>ぼーっと色々思いつめた</p><p>父や母、皆が私を嫌うのに何故未界だけは私を好くのだろうか</p><p>本当は忙しい両親から「遊びたいなら彼奴と遊んで来い」と言われ無理やり私の相手をしているだけなのだろうか</p><p>未界は学校にも行っている、友達や仲間は多いはず</p><p>私なんかほんの知人に過ぎないのだろう・・・</p><p>思い詰める度にここにいるのが嫌になった</p><p>「家出してやろうか」と企み始めた頃、戸が開く音がした</p><p>バタバタと走る音が近づいて何も変化のなかった私の部屋の戸が開いた</p><p>入ってきたやたら未界は楽しそうだな</p><p>それは当たり前、未界は私なんかが居なくともずっと笑って居られるから</p><p>未界が飛び跳ねながら歓迎会の出来事を話した</p><p>ふん・・・また色んな子と知り合ったんだな</p><p>私にとっていい話ではなかった</p><p>無視をするのも失礼だから「そう・・・」とだけ答えた</p><p>未界は気まずそうに「髪が違おうが、どれだけ姿が違おうが必ず私達は姉妹だよ」と約束事を言った</p><p>未界は絶対に約束を破らない</p><p>だから信じてやった</p><p>何もない日々</p><p>私の思考は暗くなる一方だった</p><p>寝付けない</p><p>夕暮れだ、そろそろ未界が帰ってくるだろう</p><p>ほら、帰った</p><p>大体時間は何もなくともわかってる</p><p>しかし急に聞こえた音は木が折れるような音だった</p><p>また近所の餓鬼が暴れて小枝の束でも折ったのだろう</p><p>だが部屋からは悲鳴と「逃げて」という言葉</p><p>部屋の戸が開いた</p><p>見覚えもない赤の他人</p><p>それも大きな男で手には竹槍</p><p>男は竹槍を私に向けて突いた</p><p>私は手元にあった花瓶で男の頭を殴った</p><p>花瓶は割れ、破片が散った</p><p>男が怯んでいる間に逃げるか</p><p>しかしまた襲ってくるだろう</p><p>その時の私は狂っていた</p><p>男が手にしている竹槍を奪い、男の目が覚めないうちに男の心臓を何回も刺して殺した</p><p>私は竹槍を手にしたまま外へ出た</p><p>初めての外</p><p>村中は大混乱だ</p><p>私を見かけた人は私を指差して</p><p>「他の所の奴が血の付いた竹槍を持っている、殺すか逃げるかしろ！」</p><p>と叫んだ</p><p>私は竹槍を握りしめ襲ってきた数割の人間を刺した</p><p>村人は皆死ぬか逃げるかして村はもう全滅しただろう</p><p>私は家に忍び込み残った食料で生きていたがこれ以上居ても意味はない</p><p>村の外へ出よう</p><p>しかし私は村の事を知らないし村の地図も何も持っていない</p><p>辿り着いた駅からずっと線路を辿った</p><p>それは冷たい雨が身に溶ける雨夜だった</p><p>林が見える線路沿いをずっとひたすら歩いた</p><p>列車が通って惹かれそうな時もあった</p><p>食べ物は旅人などに強請った</p><p>しかし栄養不足が続く</p><p>足は次第に重くなり、息も切れた</p><p>だがやっと、人がいそうな里へ付いた</p><p>しかし私の身はもう保たなかった</p><p>駅の床に足を踏み外してそのまま意識を失った</p><p>&nbsp;</p><p>目がさめると木造の見慣れぬ景色があった</p><p>建物の中か？</p><p>体を起こすと床などが見える</p><p>布団の上だ</p><p>誰かが私を運んだのだろうか</p><p>壁を見つめていると急に声がした</p><p>「目が覚めたかしら？」</p><p>振り返れば烏の濡れ羽色をした髪の女性が居た</p><p>「かなり衰弱して、これ以上保たない、いつ死ぬかは解らない」</p><p>女は急に私が死ぬような話をした</p><p>決して信じなかった</p><p>「まだ、生きたいですか？」</p><p>急に問われた</p><p>人に質問されることなどなかったものだからただ頷くだけだった</p><p>「わかった」と一言だけ言い残して何もせず私を置いて女は部屋を出た</p>
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<link>https://ameblo.jp/ennrakuakane/entry-12225534551.html</link>
<pubDate>Sun, 04 Dec 2016 12:43:44 +0900</pubDate>
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<title>姉は化物となり妹は・・・</title>
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<![CDATA[ <p>未界目線</p><p>&nbsp;</p><p>私は千野守村のごく平凡な家庭に生まれた</p><p>父と母はとても優しかったが、何故か姉らにはやたら厳しい</p><p>特に次女の棺姉には</p><p>棺姉は家を出ることはなかった</p><p>その理由は生まれつきの障害で髪が変だった</p><p>それだけで一家の恥だと外に知らされることは許されなかった</p><p>一番上の鈴姉も同じ髪の障害でおまけに目も色が可笑しかった</p><p>しかしとても頭がいいせいで両親も受け入れた</p><p>棺姉は学校にも行けなかったから毎日寺子屋の授業が終わると棺姉の部屋へ行って勉強を教えていた</p><p>棺姉はずっと真剣に話を聞いてくれた</p><p>ある日私は村の歓迎会へ招待された</p><p>両親と鈴姉と一緒に家を出た</p><p>歓迎会には沢山の人が集まり、友達も多く来ていた</p><p>そこでさらに私は友達を増やしたが一番気になったのは明樹君だった</p><p>単に男の子だからってだけかもしれないが</p><p>歓迎会を終え、家に帰れば直ぐ様棺姉の部屋へ向かい、歓迎会の出来事を話した</p><p>棺姉は「そう・・・」とだけ言った</p><p>これからも棺姉に沢山の事を教えてあげたい</p><p>何故髪が違うだけで自由が許されないのか</p><p>私は棺姉と約束をした</p><p>「髪が違おうが、どれだけ姿が違おうが必ず私達は姉妹」だと</p><p>そう呑気なことをしていたある日</p><p>村である奇妙な噂が出回った</p><p>「夜中に竹槍を持った男がやってきて人々を殺す」</p><p>というものだ</p><p>まさか・・・ね</p><p>こんな平和な村にそんな物騒なことあるわけ無い</p><p>少し不安ながらも苦笑いであくまで噂だと言い聞かせた</p><p>その日の夕暮れ、突然外から叫び声が聞こえたかと思えば男が突っ込んできた</p><p>手には竹槍、噂は本当だった</p><p>それを目の前にした私は足が竦んで動けなかった</p><p>父に抱き上げられ、窓から脱出し、村を抜けた</p><p>その時は命さえ助かればと必死だったが森の奥へ逃げて落ち着いた頃に棺姉のことを思い出した</p><p>今ここにいるのは両親と鈴姉だけ</p><p>棺姉は・・・置いてけ堀だ</p><p>きっともう今頃は助かっていない</p><p>ずっと林の中で食べ物を強請ったり木の実を取って食べたりなどで生き延びていた</p><p>両親に「村へ帰りたい」と願っても否定された</p><p>数日程強請ると「もう、一回だけだぞ」と仕方なさそうに了承してくれた</p><p>そして、道へ戻り村方面に進んだ</p><p>だがそこに村など無かった</p><p>村があった筈の場所は絶壁の崖となり、下では波が強く打っていた</p><p>鈴姉が崖を覗き込んでいた</p><p>「危ないよ」と私が注意するも「大丈夫」と返した</p><p>しかし最悪な事態が起きた</p><p>鈴姉が崖から落ちた</p><p>下は海、尖った岩肌に叩きつけられ死体も残らないであろう</p><p>でも鈴姉は落ちたんじゃ無い</p><p>母に突き落とされたのだった</p><p>母は狂っていた</p><p>「村なんて初めから無い、棺なんて子は初めから無い」</p><p>と喚き始めた</p><p>そして母も鈴姉が落ちた崖へ飛び込み自ら命を絶った</p><p>急に知人が、家族が目の前で死んでいった</p><p>私は男がきた時よりも恐怖を覚えた</p><p>今直ぐにでも無かったことにしたい</p><p>私も崖へ飛び降りようか・・・</p><p>だが涙を流した父が強く私の腕を握った</p><p>「お前もあんな苦しい目にあって死んではいかん」</p><p>死ねず、絶望の静かな夜を迎えた</p><p>父は林から太く長い蔦を持ってきた</p><p>「縄があると、もしもの時に助かるよ」</p><p>と言いつつ蔦を括っていた</p><p>そして近くの木に吊るし、首を掛けてピクリとも動かなくなった</p><p>目の前で信じられないほどあっさり死んでしまった</p><p>命とは、とても簡単なことで失えるのだ</p><p>私はついに一人になった</p><p>目的もなく、今ある現実から逃げるために、ずっと林を歩いた</p><p>数日も何も口にせず、彷徨った</p><p>ついに力つき地面へ横になった</p><p>やっと、私もみんなの元へ行ける</p><p>そう、目を閉じた</p><p>&nbsp;</p><p>目覚めると私は布団の上にいた</p><p>近くにいた女の人が「起きましたよ！」と大声で人を呼んだ</p><p>人が集まり私を囲って目を濡らしていた</p><p>「漁師さんが貴方を見つけて運んできてくれたのよ、助かって本当に良かった」</p><p>女の人が言った</p><p>漁師さんに見つけられた</p><p>ということは私は気絶していたのだろう</p><p>しかし何故、そんな所で気絶なんてしたんだろう</p><p>きっかけを思い出そうにも思い出せない</p><p>「貴方、名前は？」</p><p>「未界です。上の名前は・・・」</p><p>名前は普通に分かる</p><p>しかし苗字は分からない</p><p>そもそも私は何処で誰から生まれたのだろう</p><p>思い出せない</p><p>「・・・何も思い出せない」</p><p>今の現状を伝えた</p><p>「そう・・・」</p><p>みんなは一斉に話を始めた</p><p>「帰る場所がないんなら、ここで済めばいいさ。空き家があるよ」</p><p>そうある男の人が私を案内してくれた</p><p>そして、私はここで暮らすことになった</p>
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<link>https://ameblo.jp/ennrakuakane/entry-12225533703.html</link>
<pubDate>Sun, 04 Dec 2016 12:40:10 +0900</pubDate>
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<title>逃げる事しか出来なかった</title>
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<![CDATA[ <p>夜行目線</p><p>&nbsp;</p><p>私は千野守村のある妖怪の一家に生まれた</p><p>他に比べ大きな家に住んでいた家族だ</p><p>私は毎日父に妖術の練習がてら火起こしをしていた</p><p>5歳程になると木でこすらなくとも小さな火の粉だけなら放てるような妖術を身につけた</p><p>父は褒めてくれた</p><p>父はさらに私に武術をも教えようとし、家を出ることは少なく毎日武術と妖術の練習ばかりだった</p><p>決して苦ではない</p><p>その度に父が褒めてくれるから</p><p>ついには私の為にお金を出して妖馬まで買い取った</p><p>その頃はまだ私も小さかったが大きい馬に必死によじ登っていた</p><p>毎日馬を洗いとても大切にした</p><p>ある日父が大掃除をしていると襖の奥から長い木箱を見つけたようだ</p><p>中身は古いがあまり使われていない弓だ</p><p>父の話だとこれは亡くなった祖母が使用していたという</p><p>「よかったらお前もやってみるか？」と弓術を教えてくれた</p><p>父は槍術が得意で弓術などは一切知識はないが書物で勉強し、私に教えてくれた</p><p>矢はなくなれば買ってきてくれた</p><p>馬で素早く移動し、弓で相手を射り、妖術の炎で焼き尽くす</p><p>接近戦となれば武術を使う</p><p>戦闘に関しては優れた能力を身につけたが平和すぎる島だ、争いなど滅多にない</p><p>けど「もしもの時、自分の命、仲間の命を救う為だ」と父は熱心だった</p><p>本当に私の為になんでもしてくれる優しい父親だった</p><p>しかしある日、雨が降る夜目覚めると何処にも父の姿はなかった</p><p>忙しいから夜も働いてるんだと思いまた眠った</p><p>そんな事が数日も続いた</p><p>それと共に村では奇妙な噂が立った</p><p>「夜中に竹槍を持った男がやってきて人々を殺す」</p><p>という噂だった</p><p>噂だと信じなかったが本当に夜中に妻が殺されたなどの情報があった</p><p>もしかしてと思い不安になり、傘を持って雨夜を飛び出した</p><p>噂が強くて別の所へ引っ越した人も多くしーんとしていた</p><p>しかし急に悲鳴が聞こえた</p><p>急いで声がした方へ走ると足のない女性がいた</p><p>そして、血に染まった竹槍を持った父の姿もあった</p><p>「え・・・」</p><p>信じられない光景に言葉は出なかった</p><p>優しい父が急に人を殺すなんてあり得ない、それも大人数</p><p>きっと、きっと何かあったに違いない</p><p>しかしこっちへ気付き襲いかかってくる父には何もできず、ただ逃げたきりだった</p><p>何とも戦えなかった、まだ弱かったんだ</p><p>この事が怖くて怖くて、少しでも安心させようとあの頃の思い出の品、弓と馬を連れて村中をただ歩き回るだけだった</p><p>数日後のある日かなり人が減ってとても静かな日だった</p><p>隠れ場を探そうとある家に忍び込んだ</p><p>もう誰もいないようだ</p><p>部屋を探索していると布団だけがある一室に父が横たわって死んでいた</p><p>血は頭からだと思う</p><p>更にこの場所が怖くなった</p><p>目を強く閉じ、馬に飛び乗って村から走り去った</p><p>林の道を抜けた先に、また違う里があった</p><p>私は逃げてきたことを里人に話し、ここに住む事が決まった</p><p>仕事を見つけ、今は充実している</p><p>しかし、あの村には決して二度と戻りたくはなかった</p><p>それと、この里は神隠しが起きる</p><p>私はこの力で、どうか神隠しを無くして平和な里へしようと誓った</p><p>二度とあのような悲劇が起こらない為にも</p>
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<link>https://ameblo.jp/ennrakuakane/entry-12225533420.html</link>
<pubDate>Sun, 04 Dec 2016 12:38:56 +0900</pubDate>
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<title>また今度</title>
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<![CDATA[ <p>明樹目線</p><p>&nbsp;</p><p>僕は自然豊かな島の端にある千野守村で生まれた</p><p>母は優しく、父は働き者で毎日みんなで支えあっていた</p><p>僕はまだ子供で力は無いが父の畑の作物の収穫など手伝いをしていた</p><p>母は料理、洗濯などの家事を熟す</p><p>いつものように畑で手伝いをしていると鋤に服を引っ掛けて破れてしまった</p><p>母が「服が破けちゃったわね、ここを治す布を買いに里まで行かないと」</p><p>そう、この村には仕立屋や布を売っている場所は無い</p><p>離れた人里まで買いに行かなくてはならない</p><p>僕はまだこの村を出たことは無いが、外の世界には興味があった</p><p>他の家でも布がなかなか手に入らなくて困っているだろう</p><p>僕がこの村で布を売ろう、そう決めていた</p><p>ある日、村で歓迎会が開かれ、僕等の家族が呼ばれた</p><p>しかし父と母は忙しく、「貴方だけで行ってきなさい」と言われた</p><p>近所の友達を誘い、歓迎会へ出た</p><p>そこでは他の友達やまだ知らない子、大人が沢山いた</p><p>その中にいる、村で人気者の未界に声をかけた</p><p>未界は初対面の僕にも優しく笑顔で接してくれた</p><p>歓迎会が長引いたせいか外は夜、雨も降っていた</p><p>ここはよく夜になれば雨が降る、だから作物もよく取れるのだ</p><p>歓迎会も終え、未界に別れを告げて家へと急いで帰った</p><p>家族に、今日の歓迎会の事を話した</p><p>そうすると「将来お前の嫁さんは未界だな」と軽く揶揄われて笑い合った</p><p>僕も成長し、大人になった時だった</p><p>僕は昔からの夢を叶えるために村を出て人里で仕立屋としての勉強をすることになった</p><p>村を出る列車を乗る時は家族や村の人たちが集まって手を振って迎えてくれた</p><p>大きな荷物を置いて休み、列車は出発する</p><p>島自体は小さいので海などの風景を見ているとあっという間に到着した</p><p>重い荷物を背負って列車を降りた</p><p>そこは僕が全く見たことの無い世界だった</p><p>店などの建物が集中していて、人も多かった</p><p>何より、その人々は僕らとは全く違う髪質をしていた</p><p>僕は修行を申し込んだ店に行き、勉強を続けた</p><p>数年して、勉強も終わり試験も受かった</p><p>早く村のみんなに布を売ってあげようと列車で再び村へ帰った</p><p>緊張と疲れで荷物も置かずにすぐに寝てしまった</p><p>急にドンという突き上げるような大きな音と謎の引力で目が覚めた</p><p>窓の外は真っ暗闇で何も見えない</p><p>様子がおかしいのは確か、乗客は誰もいない</p><p>「次は千野守村、千野守村です。お忘れ物の無い用ご注意ください」</p><p>静かな列車に響いた声</p><p>あまりにも不気味だった</p><p>謎の引力と共にゆっくり列車は動きを止め、千野守村の駅に到着した</p><p>降りると雨夜だった</p><p>僕が知っていた千野守村じゃなかった</p><p>駅から見える石段の隣では腐敗して黒ずんだ母の胸に白骨化した赤子が胸を咥えたままだった</p><p>家へと戻ると台所で骨がうつ伏せ担っている</p><p>その部分の床には血や肉の跡があった</p><p>まな板の上には包丁と腐って萎んだ人参、洗っていた皿がそのまま放置されていた</p><p>僕は信じられずただ涙を流すばかりだった</p><p>僕が居ない間に何があったんだ、幸せだった村はどこへ行ったんだ</p><p>僕には何一つ理解などできなかった</p><p>僕は雨音だけが響き渡る村で、一人仕立屋を開いた</p>
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<link>https://ameblo.jp/ennrakuakane/entry-12225532228.html</link>
<pubDate>Sun, 04 Dec 2016 12:33:39 +0900</pubDate>
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<title>隠し通されて</title>
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<![CDATA[ 巫幽目線<br><br>昨晩は嵐だった<br>一応夜だし雨は降っている、仁喰衣はこんな日もあの日の様に人里に来ているのだろうか<br>最近昼でも雨が降れば仁喰衣のことを思い出す時がある<br>思い詰めても意味はない、急いで寝間を出て、髪をといた<br>まさか、また入り口付近で寝てたりなんて・・・ないか<br>私は彼に依存してしまったのだろうか<br>特に気に入ったところや気になる点はない<br>彼の隠す謎を知りたいのだろうか？<br>入り口の引戸を開けると外はまだ早朝だった<br>そして、ぼーっと目を閉じかけている彼の姿があった<br>居座る彼の銅色の髪は朝日に照らされ赤く輝いていた<br>だが手や口元や胸などは紅く返り血が残ったままで生々しく不気味だった<br>「また居るの？ここが気に入ったのかしら」<br>眠たそうにゆっくりとこちらに振り向き<br>「別に、途中で雨が止んで帰れなくなっただけさ。いつもの場所よりここの方が寝心地もいいし人も少ない」<br>と小さく掠れた声で言った<br>「けどここは神社、貴方の隠れているところより人が来る可能性は高いはずよ」<br>「出て行けと？」<br>「居座ってもいいけど、もし見つかったら如何する積りなの？」<br>「さぁな、考えた事もない」<br>少し鼻で笑いながら彼は答えた<br>「ならもし、あの時の私の様に人を襲っている所を見られたら如何しているの？私でさえあの時の貴方を見つけられたんだから他にも気付いた人は居るでしょう？」<br>「一応居るな。まぁ当然逃がさないさ。見た者は必ず殺す。其奴の死体は持ち帰って壺に詰めて保存する」<br>「・・・自分が酷い事をしている自覚はないの？」<br>「在るさ、けど私がやっていることはお前らと同じ。私は悪くない。」<br>さっきの彼の言葉が少し意味深に思えた<br>"私は悪くない"<br>自分を守る様に自分自身に言い聞かせた言葉の様だった<br>「話が少し戻るけど、じゃあ何故あの時私を殺さなかったの？」<br>「・・・この腕見ても解らないのか？お前を殺そうとしても力では勝てないと知ってるからだ。」<br>彼の様子が段々退屈そうに見え、終には横になり、体を丸めた<br>暫く沈黙が続いた<br>「・・・前、未界が相談に来てね、」<br>退屈そうだった彼が急にこの話に反応したのか、私の会話を切る程だった<br>「未界・・・？」<br>未界に反応したのか<br>矢張り何かの関係がありそうだ<br>「前の神隠しで未界は雨夜の中一人で居たんだって、だけど彼女は殺されなかった。だけど視線を感じたって言ってた事を思い出したの。貴方関係があるんでしょう？未界と」<br>「・・・・。」<br>気まずそうに彼は下を向いて黙り込んだ<br>「・・・ねぇ？」<br>「五月蝿い！お前には関係ない！もうお前は十分私の事を知っただろう？」<br>そう怒鳴るとそれ以降私の話には耳を傾けずそのまま眠ってしまった
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<link>https://ameblo.jp/ennrakuakane/entry-12209005483.html</link>
<pubDate>Wed, 12 Oct 2016 18:33:27 +0900</pubDate>
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