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<title>えりつぃんのブログ</title>
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<description>思いつきで書いてます</description>
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<title>天空に☆きらり 第２話</title>
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<![CDATA[ <div>　警察の人から事情聴取を受けたりして、きらりが学校に着いた時には、もう2時間目が終ってた。</div><div>　教室に入ると、クラスメートが一斉に駆け寄ってきた。一足先に学校に行ったレイラから、事故の話を「だいたい」聞いていたらしい。</div><div>「車に轢かれたんだって？」</div><div>「ビルの上まで飛ばされて、骨折したって聞いたけど。」</div><div>などというのは、まだましな方で、</div><div>「トラックに当てられて、誘拐されて行方不明じゃなかったの？」</div><div>という話にまでなっていたのにはまいった。</div><div>「見ての通り、ピンピンしてるよ！」</div><div>と皆んなに一生懸命説明し、結局きらりは頑丈な身体を持っているということに話が落ち着いたところに、3時間目の英語の先生が教室に入ってきて、やっとざわつきが収まったのだ。</div><div><br></div><div>　それにしても、ときらりは考えていた。</div><div>　あれは夢だったのだろうか。でも、確かにトラックが目の前にいた。ひょっとして、トラックが避けてくれたのかもしれない。きっとそうだと自分を納得させる。</div><div>　でも、信号機の上にいたのはなぜなのかがわからない。あんな高い所に飛び上がれるはずがない。</div><div>　考えても、考えてもわからなかった。</div><div><br></div><div>「あっ、そうだ。」</div><div>　ふと思い出して、ポケットに手を入れてみた。</div><div>　……君を守ってくれるはすじゃ。</div><div>　そう言いながら渡された髪留めのリングは、間違いなくポケットに入ってた。</div><div>　少なくとも、おじいさんと話したのは夢じゃない、ときらりは思う。</div><div>　そのリングは、10センチぐらいの輪っかになった金属のようだった。</div><div>「どうやってこんなので髪を留めるのよ。髪から抜けちゃうじゃん。」</div><div>と独り言をつぶやく。もはや授業など上の空だ。</div><div>　だが、「守ってくれる」とおじいさんは確かに言った。</div><div>　……持ってろってこと？どうやって髪を留めるの？</div><div>　考えながら、とりあえず今着けている髪ゴムを外さずに、束ねた後ろ髪をリングに通してみた。その瞬間、髪を後ろに軽く引っ張られるような感覚があった。</div><div>　後ろの席の沙羅が髪を引っ張ったのかと思い、後ろを振り向いた。だが、沙羅はノートを取るのに一生懸命に鉛筆を走らせていた。</div><div>「何？」</div><div>　きらりが振り向いたことに気がつき、声をほとんど出さないように、沙羅が聞く。</div><div>「何でもない。」</div><div>　きらりも、声に出さないように口パクで応えて前を向いた。</div><div>　そういえば、リングが落ちる気配がないことに気がついた。頭の後ろにあるから見えないけど、触った感覚として、明らかにリングが小さくなって、絞るようにしっかりと髪を留めているようだった。</div><div>　試しに右手でリングの縁を持ち、後ろに引っ張ってみると、スッとリングは外れる。</div><div>「なんで？」</div><div>　今まで、確かにしっかりと留まっていたはずだった。</div><div>　もう一度リングに髪を通してみる。また、髪を束ねる時に感じる、キュッと後ろに吊るような感覚と共に、またリングがしっかりと髪を留めるのだ。</div><div>「ふふっ、良いもの貰っちゃった。」</div><div>　なんだか楽しくなり、ひとりでほくそ笑むきらりであった。</div><div>　それが、心を持たない者との戦いの始まりを告げるものであることも忘れていたのだ。</div><div><br></div><div>　レイラは漢字で「礼楽」と書く。礼儀正しく、楽しい人生をと名付けられたらしい。</div><div>　きらりとレイラは幼稚園の頃からずっと一緒だった。中学3年になって、初めて別のクラスになったが、2人の絆はそれくらいでは揺るがないときらりは思う。</div><div>「朝は、ほんっとにびっくりしたんだからね。」</div><div>　訴えるようにレイラが言う。</div><div>「うん。心配かけてごめんね。」</div><div>　学校の帰り道、いつもように2人で歩きながら、きらりが謝る。</div><div>「でも、どうやって信号機に上ったの？私、よくわからなかったの。」</div><div>とレイラに聞かれたが、そこだけは自分でもよくわからなかった。</div><div>　もう秋になって、部活が終わるころには街は薄暗くなっていた。</div><div>　今日は早く帰って来なさいと言われてはいたが、レイラとのお喋りは誕生日より大事なことなのだ。</div><div>　さんざん喋って日が落ちるころになり、</div><div>「じゃあね。」</div><div>と、朝、事故に巻き込まれそうになった交差点で、どちらからともなくそう言って、レイラとは別れた。</div><div>「さあ、急いで帰らなきゃ。」</div><div>そう言って、急ぎ足になる。</div><div>　9月生まれのきらりの誕生日には、果物がいっぱい出てくるのだ。もちろんケーキはついてくる。急ぎ足にもなろうというものだ。</div><div><br></div><div>　街灯が灯り出した。大通りはいいが、裏通りに入ると、途端に少し暗くなる。</div><div>「明るいうちに帰って来なさい。」</div><div>　パパとママからはよく言われるけど、レイラとのお喋りタイムを省くなんてできないのだ。</div><div>　だが、秋から冬にかけて、家までのこの仄暗い道が、少し怖く感じることもある。</div><div>　だんだんと足を早め、もう少しで家に着くというその時、頭の後ろ、耳のすぐ近くで、「キン」と金属を弾くような音がして、氷のような冷気が、背中を伝ったような気がした。</div><div>　</div><div>……誰かいる。</div><div><br></div><div>　きらりは「人の気配」というものを生まれて初めて感じた。</div><div>　どこにいるのかはわからないが、間違いなく誰かが近くにいる。しかも自分を見ている。</div><div>　……どこ？</div><div>　振り向くのは怖かった。そこに誰か立っていたらと考えるだけで、ぞっとする。</div><div>　「ヒュン」という何かを振り回すような音がした瞬間、きらりの身体が反応した。</div><div>　朝のトラックを避けたときと同じように、きらりはスッと高く跳び上がったのだ。</div><div>　跳び上がった足下を、何かが通り過ぎたのがわかった。</div><div>　きらりはそのまま近くの塀の上に立っていた。</div><div>「誰⁈」</div><div>　きらりが叫んだその視線の先に、長い棒のようなものを持った男がいる。</div><div>「死ねっ！」</div><div>　塀の上に立つきらりの足元をめがけて、男がもう一度棒のようなものを振り回してくる。</div><div>　きらりは、今度は自分の意思でその場所から跳び上がり、右足で男の頭で軽くステップを踏むように蹴って、そのまま道路を挟んだ反対側の塀の上に降り立った。</div><div>　……身体が軽い！</div><div>　自分でも驚いていた。地面に落ちる気がしない。どこまででも跳ねていけそうな気がしていた。</div><div>　きらりが軽く蹴っただけだったが、襲ってきた男は地面に倒れ込んで頭を押さえている。</div><div>「あなたは誰？なんで私を襲うの？」</div><div>　男は返事をせず、顔だけ上げてきらりを睨みつけた。</div><div>　男と目が合ったとき、きらりはゾクッと悪寒が走った。</div><div>　男の瞳が細い三日月の形にに光っていたのだ。まるで猫のような目。</div><div>……人間じゃない⁈</div><div>　男は飛び起きざま、棒をきらりに向かって突き刺してくる。</div><div>　よく見ると、長い剣のようだ。</div><div>　だが、今のきらりには、男の動きは手に取るようにわかった。</div><div>　きらりは再び塀の上からジャンプした。</div><div>　理屈じゃない。まるで重力などないように、羽根のように自分の身体が軽いのがわかる。</div><div>　そしてきらりは、秋の大きな満月を背に、なんと男が突き出してきた剣の切っ先の上に片足で降り立ったのだ。</div><div>　驚いた猫の目の男が、きらりを振り払おうとして剣を上に跳ね上げると、きらりはそのまま高く上に跳び上がった。</div><div>　その時だ。</div><div>　「キン」という金属音が響き、きらりの髪が燃え上がるように逆立ったかと思うと、髪を留めていたリングが眩しく光りながらその輪が大きくなり、光の輪がきらりを包み込んでゆく。</div><div>　そして、塀の上にスッと降り立った。</div><div>　そこには、今まで着ていたセーラー服のきらりとは違う、赤い髪のきらりが立っていた。</div><div>　……剣を取るのじゃ。</div><div>　どこからか声がした。あの老人の声だ。</div><div>　言われるまま腰に手を当てると、持ち手があり、引き抜いた。</div><div>　だが、その先には「剣」がついてないのだ。</div><div>　戸惑うきらり。</div><div>　……星の光を集めるのじゃ。差し出して星に願え。</div><div>　再び老人の声。</div><div>　わかんない！わかんないけど！</div><div>　どうしていいかわからないまま、剣の持ち手を空に向かって高く差し出して叫ぶ。</div><div>「星よ！」</div><div>　一瞬だが、空が暗くなり、夜空から光の筋がきらりが差し出した剣の持ち手に真っ直ぐに繋がる。</div><div>　驚いたことに、今まで持ち手しかなかったものが、眩しいほどの光の剣となったのだ。</div><div>　男がまた攻撃してきた。めちゃくちゃに剣を振り回してくる。</div><div>　きらりは、道路を挟んだ塀の上を交互に跳びながら、その攻撃を避ける。</div><div>　きらりは光の剣を持ちながら、反撃できずにいた。</div><div>　剣を振ると、相手を切ってしまうのが怖いのだ。</div><div>　……大丈夫。その剣は切れない。</div><div>　きらりの心を見透かしたように老人の声が言う。</div><div>　男が攻撃をやめない。</div><div>　切れないならいいや。そう開き直ったきらりが反撃する。</div><div>　光の剣で男をなぎ払う。</div><div>　光の剣は男の腹部に当たり、男が「グホッ」と声を上げた。</div><div>　ダメージは与えたみたいであるが、本当に切れてはいないようだ。</div><div>　……今じゃ。浄化するのじゃ。</div><div>　ジョーカ？老人の言う意味がすぐにはわからなかった。</div><div>　……天に向かって星の光に願え。</div><div>　きらりは言われたとおりに光の剣を空に差し出し願う。</div><div>「星の光よ！」</div><div>　……その場で振り切れ！浄化するのじゃ！</div><div>　男とは10mほどの距離がある。</div><div>「ジョーカ！」</div><div>　きらりは言われるまま、光の剣を振り下ろした。</div><div>　驚いたことに、光の剣はその光る刃だけが一段と眩しい光を放ちながら、男を包んだのだ。</div><div>　ほんの一瞬だが、辺りは昼間のように明るくなり、また暗くなった。</div><div>　しばらくして、男が上半身を起こした。そして、塀の上のきらりと目があった。。</div><div>　もう猫の目の男ではなかった。何が起こったのかわからないというように頭を振ると、のっそりと立ち上がり、服の汚れを叩くと、きらりが塀の上に立っているのを不思議そうに見ながら、立ち去って行く。</div><div>　……操られていたのじゃよ。奴らに。</div><div>　老人の声。</div><div>「心を持たない者に？」</div><div>　きらりが尋ねる。</div><div>　……そうじゃ。じゃから、光の剣で浄化した。操った者はまだ近くにいるはずじゃ。</div><div>　老人から言われて、きらりは辺りを見回す。</div><div>　すぐ近くにある家の屋根の上に人の影が立っているように見えたが、すぐに消え、もう二度と現れなかった。</div><div>　その怪しい人影が見えなくなると、また「キン」と金属音がしてきらりが光に包まれた。</div><div>　そして、学校帰りのセーラー服のきらりに戻り、リングは元の髪留めになった。</div><div><br></div><div>　……覚悟を決めるのじゃ、星を継ぐ者よ。この星を救えるのはお前たちだけじゃ。</div><div>「おじいさん。」</div><div>　きらりが呼びかけたが、それきり老人の返事はなかった。</div><div>　それが15歳の誕生日の夕方のことだった。</div>
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<link>https://ameblo.jp/eri-hiper/entry-12377118971.html</link>
<pubDate>Sat, 19 May 2018 14:02:18 +0900</pubDate>
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<title>おーい、お茶部4</title>
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<![CDATA[ <div>「先生、私あきらめました。」</div><div>突然、雅がポツリと切り出した。</div><div>理事会まで後2日となって、緑子が四苦八苦しながら作った茶道の手作りの教本を広げている最中のことだ。</div><div>「あきらめたって、どういうこと？」</div><div>唐突に言い出した雅に、緑子が聞く。</div><div>「だって先生、あと2日しかないのに、まだ何一つ私たちは知らないんですもの。」</div><div>うつむきながら、ボソボソと雅が続ける。隣で詩音がぽりぽりとお菓子を食べてる。</div><div>「私、北条先輩から引き継いだ時、私でもできることがあるんじゃないかって、そう思ったんです。」</div><div>「うん、それは聞いたよ。だからこうやって先生はお茶のたてかたを調べてきたの。」</div><div>2人の会話を聞きながら、詩音がペットボトルのお茶を一口。</div><div>雅が続ける。</div><div>「でも、いくらなんでも、お茶ってそんな簡単なものじゃないですよね。理事会でお茶を出せって言われなきゃ、時間をかけて、なんとかなるのかも知れないけど、自慢じゃないですけど私、そんなに器用じゃないし・・。それに。」</div><div>詩音のお菓子を食べる手が止まる。</div><div>「それに？何？」</div><div>言い淀んだ雅に緑子が聞く。</div><div>「昨日だって先生、部活に来てくんなかったし。」</div><div>そう言われて、緑子は慌てた。</div><div>「ごめん。昨日は歓迎会があるって知らなくって。夕方、急に言われて、でも私の歓迎会だから出ないわけにいかなくて。だから、どうしても来れなかったの。」</div><div>言い訳がましいな。緑子自身でもそう思いながら、そう言わざるを得ない自分に胸が痛んだ。</div><div>「いいよ、先生。先生だって本気じゃないんでしょ？だって、茶道部がなくなったからって、新任の先生には関係ないし。」</div><div>ずっと顔を上げないまま、雅が続ける。</div><div>「それにさ、先生だって名前がお茶みたいだってだけで茶道部を土曜日まで受け持っただけで、茶道のことを知っているわけじゃないんでしょ？」</div><div>「名前がお茶みたいって・・。そりゃあ、うん、そうかも知れないけどね。でもね、でも私なりにとりあえずなんとかはしたいなあと。」</div><div>しどろもどろになりながら言う緑子。</div><div>隣の詩音がコクコクと頷きながら、またお茶を流し込む。</div><div>「この学園の理事長は、茶道部の初代部長ですよね、先生。」</div><div>「うん、そうみたいだね。」</div><div>「だから先生、私たちが今さら練習したって、日頃やってないことぐらい、経験者なんだもん。バレバレですよね？」</div><div>それは緑子もわかっていた。それでも、僅かでも茶道部存続ができないか、そう思っていた。</div><div>でも、肝心の生徒たちがやる気を失いかけている。</div><div>・・どうしたらいいの。</div><div>・・きっと私のせいだ。</div><div>バリバリバリ！</div><div>詩音の食べるお煎餅の割れる音が、効果音のように緑子に降りかかった。</div><div>「みんな並んで。部活やめて帰ろ。」</div><div>緑子が返答に詰まっていると、雅が他の4人を促して、緑子の前に座る。</div><div>「じゃあ、礼。」</div><div>「ありがとうございました。」</div><div>雅の号令で、皆が礼をする。</div><div>5人が揃って頭を下げるので、緑子も同じように姿勢を正して礼をした。</div><div>「じゃあ解散します。いいですか。」</div><div>雅が緑子に声をかけた。</div><div>だが、何か様子がおかしい。緑子が頭を上げないのだ。正座をして礼をしたまま固まっている。</div><div>「先生？」</div><div>雅がもう一度声をかける。</div><div>「それでいいの？」</div><div>突然、下を向いたその姿勢のまま緑子が小さく声を出した。</div><div>「本当にそれでいいの？」</div><div>今度はもっとはっきりと言う。</div><div>「だって。だって仕方ないじゃないですか。何もできないんだもん。」</div><div>と、雅が言い終わらないうちに、</div><div>「私は嫌だ。絶対に嫌。このまま何もしないで終わりたくない！」</div><div>横に首を振りながら絞り出すように緑子が言う。</div><div>「先生。」</div><div>「私は。」</div><div>と言いながらも、緑子はまだ顔を上げずに続ける。</div><div>「私は、今のあなたたちと同じ中3のときに、部活の指導をしていただいた先生に一生懸命に何かに打ち込む楽しさを教えてもらった。誰かにそれを伝えたかった。」</div><div>緑子がひと息置いて続ける。</div><div>「だから私も部活の顧問になりたかった。だから教師を目指した。やっとなれたの。簡単に手放したくない！」</div><div>ポトっとひと粒、畳に水滴が落ちた。緑子は泣いていた。</div><div>「じゃあ、どうしたらいいの、先生。」</div><div>雅が言う。</div><div>「わからない。わからないけど。でも、もう1日だけ先生に時間をちょうだい。明日まで諦めるのを待って。」</div><div>顔を上げた緑子のその真剣な表情。涙の跡。</div><div>ーああ、北条先輩のあの時の顔だ。</div><div>雅は部長の引き継ぎに来た時の、北条華をふと思い出した。</div><div>そうか。やっぱりあの時の北条先輩も、なんとか茶道部が続いて欲しかったんだ。きっと。</div><div>「わかりました。もう一度だけ先生を待ってみます。」</div><div>緑子の表情に打たれて、雅は緑子を信じてみることにしたのだ。</div><div>「ありがとう。」</div><div>そう言いながら、緑子はまだ先の見えない暗闇の中で、グルグルと頭を巡らせていた。何もまだ考えつかないでいたのだ。</div>
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<link>https://ameblo.jp/eri-hiper/entry-12374988441.html</link>
<pubDate>Thu, 10 May 2018 21:51:14 +0900</pubDate>
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<title>おーい、お茶部！3</title>
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<![CDATA[ <span style="-webkit-text-size-adjust: auto; background-color: rgba(255, 255, 255, 0);">職員室に帰った緑子は、新任の教師の研修の傍ら、これまでの理事会の記録を調べ、その時に行われるお茶会のことも調べた。&nbsp;<br>そして帰りに図書室で、茶道に関する本でも借りて、茶道の基礎だけでもなんとかならないか、調べるつもりだった。&nbsp;<br>緑子としては、これからも茶道部が続けていけるよう、理事会までにせめて茶道の形だけでも整えて、生徒たちが一生懸命に頑張る姿でも見せられれば、大人たちも考えを改めてもらえるのではないかと軽く考えたのだ。&nbsp;<br>そんな風に仕事を終えて家に帰ると、田舎から小包の不在通知が入っていた。とりあえず再配達を頼んで、借りてきた茶道の本を広げた。&nbsp;<br><br>もちろんわかってはいたのだ。&nbsp;<br>茶道には流派があり、それぞれにたくさんの作法がある。だから一朝一夕に身につくものでもないことも十分わかってはいた。&nbsp;<br>それでも、形だけでもなんとかならないかと緑子は思ったのだ。&nbsp;<br>あの部室で何をしていいのかわからずにいた5人の生徒に、次の入り口に立たせてあげたくなったのだ。&nbsp;<br>でも、本やネットを探せば探すほど、どこを入り口にしていいのかさえもわからなくなった。作法や所作がありすぎて、しかも、それを本の文字だけで理解するのはかなり無理がある。明日からのたった3日でどれほどのことができるのかわからないまま、それでも自分なりに形を作ることを一生懸命に考えた。&nbsp;<br>そうよ。できなくてもいいのよ。頑張ってることが伝わればなんとかなるのよ。いざとなれば、その場で理事長に指導をお願いしてもいいんじゃない？&nbsp;<br>そんなことを思いながら、緑子は時間の経つのも忘れて自分が考えたことを、ノートにまとめた。&nbsp;<br>再配達を頼んだ田舎からの荷物が届いたが荷も解かず、夜中まで茶道の勉強続けたのだ。&nbsp;<br>明日、あの子たちに自分が教えるのだと強く思いながら。&nbsp;<br><br>翌日は朝から研修漬けで、昨日の復習をする時間もなかなか取れなかったが、少しの時間を見つけて本を読んだ。&nbsp;<br>「茶園先生、休憩中なのに頑張りますねえ。」&nbsp;<br>緑子の指導係である学年主任の戸田が声をかけてきた。&nbsp;<br>「はい。なぜか茶道部の臨時顧問になってしまって。」&nbsp;<br>ほとほと困ってるのだという顔をしてみせながら軽く微笑んで答える。&nbsp;<br>「ああ、茶道部ね。教頭先生の話では、なんか部活の形も取れてないので、いっそ潰してもいいんじゃないかということでしたがね。」&nbsp;<br>・・やっぱりそうなんだ。&nbsp;<br>昨日緑子が思った通りだったが、そこは顔に出さないようにした。&nbsp;<br>「はい。でも校長先生や理事長に恥をかかすのもあれですし、挨拶ぐらいはちゃんとできるようにはしとこうかなっと思っちゃって。」&nbsp;<br>「土曜日までに身につけられるのは、それくらいでしょうな。まあ、茶道部の最後の花道に、礼の仕方ぐらいは身につけさせてください。」&nbsp;<br>戸田は、イヒヒと卑屈に笑う。&nbsp;<br>この時から緑子の心の中で、戸田は「ヒヒジジイ」と名付けられた。&nbsp;<br>そして、緑子は「このヒヒジジイっ」と心の中で叫び、それでも、そうですねと軽い相槌をうちながら、&nbsp;<br>「わかりました。今日の部活で徹底的にしごいておきます。」&nbsp;<br>と話を合わせた。&nbsp;<br>すると戸田が言う。&nbsp;<br>「あれっ？言ってませんでしたか。今日の夕方は茶園先生の歓迎会も兼ねた職員会の会合です。場所と時間は職員室の掲示板に貼ってあると思います。先生方が出られないので今日の部活は中止となっとります。罷業後は居酒屋「会議室」へ集合をお願いしますわ。イヒヒ。」&nbsp;<br>早く言ってよ！このヒヒジジイ！&nbsp;<br>緑子の心の声は、もちろん戸田には届くわけもなく、左の頬を冷や汗が一筋伝って落ちた。&nbsp;<br>「どうしよう。絶対間に合わないじゃん。」&nbsp;<br>戸田が立ち去った後に、思わず口に出した。緑子の計画は全て狂ったのだ。&nbsp;<br><br>授業が終わると、茶道部の5人は部室で緑子を待っていた。もちろん、顧問が知らないのだから、この子たちも今日の部活が中止となっていることなど知らないのだ。&nbsp;<br>「緑子先生、どうするつもりなんだろ。」&nbsp;<br>「調べてくるって言ってたから、今日の部活で教えてくれるんじゃないかなあ。」&nbsp;<br>「ちょっと部活らしくなるよね。」&nbsp;<br>今日は心なしか話が弾んでいる。&nbsp;<br>雅は思う。確かにおしゃべりは楽しい。でも、ただダラダラとお茶を飲んで過ごす毎日が変わることを、自分だけでなく、みんなも少しは期待してるみたいだった。&nbsp;<br>特に雅は、北条先輩の「気持ち」を引き継いでからのこの１ヶ月間、なんとかしたい気持ちはあっても、実際どうしていいのかわからない自分に情けなく思っていた。&nbsp;<br>だから、顧問がきたことが正直うれしかった。調べてくると言ってくれた緑子を、ちょっと頼もしく思った。&nbsp;<br>目標もなく過ごした2年までとは違う1年に、違う自分に変われるのではないかという期待が膨らんでいた。&nbsp;<br><br>バタバタと足音がして、部室に緑子が飛び込んできた。&nbsp;<br>「ごめん、連絡が遅くなって。今日は部活中止なの。」&nbsp;<br>大きく息をしながら、開口一番、緑子が言う。&nbsp;<br>「でも先生、土曜日の準備とかは。」&nbsp;<br>雅が言う。&nbsp;<br>「ホントごめん。時間がないの。明日話す。」&nbsp;<br>そう言って、また緑子は飛び出して行った。&nbsp;<br><br>なんだ。先生はやっぱり先生なんだ。&nbsp;<br>雅は湧き上がった感情が、すっと冷めていく、そんな気がした。&nbsp;</span>
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<link>https://ameblo.jp/eri-hiper/entry-12320393369.html</link>
<pubDate>Tue, 17 Oct 2017 18:33:55 +0900</pubDate>
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<title>アナザースカイ  第1話</title>
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<![CDATA[ <span style="-webkit-text-size-adjust: auto; background-color: rgba(255, 255, 255, 0);">日中もまだ肌寒い3月の終わり、塩野琴美はヒッチハイクの旅に出た。&nbsp;<br>特に目的地はなかったが、北へ向かうと慣れない寒さで心まで凍りそうな気がして、とりあえず南へ向かうことにし、出発したのが2日前のことだ。&nbsp;<br>近距離をいくつか乗り継いで静岡まで来たところで、次に同乗させてくれる車に出会うことができず、どんよりと曇り始めた空に少々焦り始め、笑顔が固まってくる。&nbsp;<br><br>手にはスケッチブック。できるだけ太い大きな文字で「南へ！」と書いて、オーバーオールのジーンズにスタジャンを着て頭を団子に結んだ琴美は、スケッチブックができるだけ目立つように左手で掲げて、右手を大きく振り続ける。&nbsp;<br>やばそうな車にはもちろん手など振らないが、今日ぐらい止まってもらえないと、もうどんな車でも止まってほしいと思ってしまう。&nbsp;<br><br>今もまた、少しスピードを緩めた車がいて、ちょっと期待したが、そのまま通り過ぎてしまって、思わず22歳の乙女には少々似合わない大声で叫んでしまった。&nbsp;<br>「気を持たせんなー！ばーか！」&nbsp;<br>通り過ぎていった車をしばらく睨みつけ、諦めて、また愛想笑いをするために、車が向かってくる方角へ振り向いた。&nbsp;<br>すると、20mほど先に、いつの間にか琴美と同じようにスケッチブックを持ち、右手を振っている女がいる。&nbsp;<br>「ちょ、ちょっとあんた！何やってんの！」&nbsp;<br>何時間もこうやってここで頑張ってる琴美のすぐ前でヒッチハイクなど、ふざけるにもほどがある。&nbsp;<br>だが、人生とは往々にして皮肉なものだ。&nbsp;<br>怒りが込み上げて、抗議するために女の方へ琴美が足を踏み出したそのとき、あろうことか、一台のトラックが女の前で止まってしまったのだ。&nbsp;<br>琴美は唖然として立ち止まってしまった。&nbsp;<br>私のこの何時間は・・。&nbsp;<br>抗議をする気力もなくした琴美であった。&nbsp;<br><br>すると、止まったトラックの運転手と話していた女は、琴美の方を見ながら手招きをしてきた。&nbsp;<br>どこから見ても、知らない女だ。しかもよく見るとかなり若い。高校生ぐらいか？&nbsp;<br>呼ばれる筋合いもない。&nbsp;<br>誰か周りに知り合いでもいるのか。&nbsp;<br>思わずキョロキョロと周りを見てみるが、誰もいない。&nbsp;<br>「ほらあ、早く。」&nbsp;<br>明らかに私を呼んでいるんだ。&nbsp;<br>わけがわからない琴美だが、とりあえず近づいてみた。&nbsp;<br>「おじさんが乗せてくれるって。早く乗ってください。」&nbsp;<br>女は、琴美に話しかける。すると、&nbsp;<br>「誰がおじさんだ。お兄さんと言え。」&nbsp;<br>トラックの運転席の「おじさん」が叫んだのだった。&nbsp;<br><br>「あんたが止めた車でしょ？さっさと行けばいいじゃん。」&nbsp;<br>機嫌が悪いのもあって、琴美は女、いや、娘につれなく言う。&nbsp;<br>「だって、もしかして野獣かも知れない人の車に、女の子を1人で乗せるんですか？いいんですか、それ。大人として！」&nbsp;<br>意味がわからないことを娘は言う。&nbsp;<br>「はあ？あんた、それをわかっててヒッチハイクしてんでしょ。」&nbsp;<br>「だって、だって。お願いします。」&nbsp;<br>すると車の中から再び声がする。&nbsp;<br>「なんだお前ら。連れじゃねーの？」&nbsp;<br>「野獣」が聞いてくる。&nbsp;<br>「それに、親切心出して止まったら、野獣とはずいぶんじゃねーか。」&nbsp;<br>「あっ、ごめんなさい！違うんです。誤解です。」&nbsp;<br>娘はすごく慌てた様子で、「野獣」に頭を下げている。&nbsp;<br>・・変な子。案外悪い奴じゃないのかな。&nbsp;<br><br>「で、乗るのか乗らないのか？乗らないのならもう行くぞ。」&nbsp;<br>運転手に促され、娘はもう一度不安げな顔で琴美を見つめる。&nbsp;<br>いかにも仕方なく、という顔をしてみせながら、&nbsp;<br>「わかったわよ。乗ってやるよ。」&nbsp;<br>と琴美が言うと、ぱあっと娘の顔が明るくなる。そして運転席の顔を見て、「2人お願いします！」と元気よく応えた。&nbsp;<br><br>ところでよく見ると、娘の足下には大きな荷物が2個もある。おまけに大きなリュックも背負っていて、とてもヒッチハイクをしている旅行者には見えない。&nbsp;<br>それに、彼女の着てる服。&nbsp;<br>いわゆる、ゴスロリ風の膨らんだ袖と、フリフリの広がったスカート。&nbsp;<br>ありえない、ありえない。&nbsp;<br>「あんたさ、その格好でどこまで行く気？」&nbsp;<br>琴美は思わず笑ってしまう。&nbsp;<br>「まあ、いいや。一緒に行ってあげるから、とりあえず先に乗って。」&nbsp;<br>琴美から促されて、荷物を上げようとするが、大型トラックの座席は結構高いのだ。&nbsp;<br>「ほれ。貸せ。」&nbsp;<br>運転席から「野獣」が移動してきて、上から荷物を引き上げ、後ろに放り投げ、今度は娘の腕を取り乗せてあげた。&nbsp;<br>「お兄さん、優しいじゃん。」&nbsp;<br>琴美が言うと、彼がニヤリと笑い、&nbsp;<br>「トラックドライバーは紳士なんだよ。」&nbsp;<br>と、少しカッコつけて言うのであった。&nbsp;<br>そして、娘をうまく避けながら、琴美の伸ばした右手もつかんで引っ張り上げ、3人掛けの座席に並んで座った。すると、&nbsp;<br>「わあ！すごい眺め！」&nbsp;<br>娘が突然大きな声を出した。&nbsp;<br>「トラック乗るの、初めてか？」&nbsp;<br>と運転席のお兄さん。&nbsp;<br>「小さなのには乗ったけど、こんな大っきなのは初めて。すごい遠くまで見える！」&nbsp;<br>娘は本当に感動しているらしい。&nbsp;<br>「そうだろう。こんな風景を見たら、トラックドライバーはやめられんね。小さい車には乗りたくないもんなあ。」&nbsp;<br>得意げに言っている。&nbsp;<br>「それはいいけどさ、あんたのスカート広がり過ぎよ。邪魔！なんとかなんないの。」&nbsp;<br>琴美が苦情を言うが、&nbsp;<br>「可愛いでしょ？」&nbsp;<br>と娘は全く気にしないのだ。&nbsp;<br>「だいたい、ゴスロリなんてヒッチハイクするカッコじゃないでしょ。」&nbsp;<br>「女子のたしなみです。でも、お姉さんの年なら、こんな服痛いですけどねえ。」&nbsp;<br>琴美の愚痴もどこ吹く風。終始マイペースの娘なのだ。&nbsp;<br>やれやれ、先が思いやられると思う琴美であった。</span>
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<link>https://ameblo.jp/eri-hiper/entry-12319740714.html</link>
<pubDate>Sun, 15 Oct 2017 15:16:30 +0900</pubDate>
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<title>おーい、お茶部！第2話</title>
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<![CDATA[ <span style="-webkit-text-size-adjust: auto; background-color: rgba(255, 255, 255, 0);">「じゃあ、部活始めましょうか。」&nbsp;<br>やっと怒りも収めた緑子先生が、にっこりと微笑んだ。&nbsp;<br>「はいっ！」&nbsp;<br>5人揃った元気な返事が返ってくる。&nbsp;<br>ーこれよ。これが部活よ。&nbsp;<br>緑子も心の中で満足していた。&nbsp;<br><br>だが。&nbsp;<br><br>元気な返事はよかったのだが、その後誰も動こうとしない。&nbsp;<br>「どうしたの？準備しないの？」&nbsp;<br>できるだけ穏やかに緑子が促してみると、&nbsp;<br>「何をすればいいんですか？」&nbsp;<br>と雅が聞いてきたのだ。&nbsp;<br>「何って、部活でしょ？ほら、いつものようにやってみせて。」&nbsp;<br>「いつものように、ですか？いいんですか？」&nbsp;<br>「もちろんよ。」&nbsp;<br>すると、2人の会話を黙って聞いていた優奈がすっと立ち上がり、部室備え付けの冷蔵庫から、お茶のペットボトルを取り出した。優奈という子は、大人しく無口だが、こういうところに気が利いている。&nbsp;<br>その後、食いしん坊の詩音が棚からポテチとマカロンを取り出し、幸は茶器を持ってきて、優奈からペットボトルを受け取った春香が茶器にお茶を注ぎ、雅が全員にお茶を配るという、完璧なフォーメーションを新任の先生に披露した。しかも、お茶はちゃんと6人分用意されていたのだ。&nbsp;<br>「どうぞ。」&nbsp;<br>「あ、ありがと。」&nbsp;<br>雅に勧められて、緑子はつい、皆と一緒にぐいっとお茶を飲んで、はたと気がついた。&nbsp;<br>違う、違う。そうじゃない！&nbsp;<br>「私は部活と言ったはずですが。」&nbsp;<br>と、とりあえず口に出してみる。&nbsp;<br>「はい。いつもの部活中です。」&nbsp;<br>雅が何も問題ないと言うふうに、さらっと答える。&nbsp;<br>「お茶はどうしたの？」&nbsp;<br>「このお茶はお嫌いでしたか。すみません、今日はこれしかありませんので。」&nbsp;<br>「いや、そうじゃなくて。」&nbsp;<br>「先生がいつものようにとおっしゃるから。」&nbsp;<br>「つまり、これがあなたたちの、いつものようだと。」&nbsp;<br>「はい。」&nbsp;<br>「茶道部というのは、通常抹茶を点てるものだと思っていましたが。」&nbsp;<br>「あら、先生。抹茶なんて、できるわけないじゃないですか。」&nbsp;<br>雅は、さも当たり前のように、けろっとして答える。&nbsp;<br>「あのさ、もう一度だけ聞くけど、ここは茶道部でしょ？」&nbsp;<br>緑子は念を押した。&nbsp;<br>「はい。何度もそう言ったと思います。」&nbsp;<br>すると雅は答える。&nbsp;<br>どうも話が噛み合ってない。&nbsp;<br>「茶道をするのが茶道部なんでしょ？」&nbsp;<br>また緑子が同じことを聞く。すると雅が驚くことを言い出した。&nbsp;<br>「でも私たち、お茶なんか習ったことないんだもん。」&nbsp;<br>ここにきて、緑子は話が噛み合わない原因が初めてわかったのだ。&nbsp;<br>茶道部の部員たちが、茶道を習ったことがない。どういうことなのか、頭がこんがらがる。&nbsp;<br>「茶道部にいるあなたたちが、なぜ茶道を習ったことがないの？ちゃんと説明して。」&nbsp;<br>緑子に促されて、ここで初めて雅は、なぜ今、自分たちが茶道部にいるのか、これまでのことを話した。&nbsp;<br><br>外は春の嵐だろうか。風が窓を強く揺らす。&nbsp;<br>緑子の胸もざわついている。&nbsp;<br>「つまり。」&nbsp;<br>言いかけて、もう一度緑子は頭の整理をした。&nbsp;<br>「つまり、この中に茶道を知ってる人は、誰もいないってこと、か。」&nbsp;<br>あらためて確認するように全員の顔を見る。&nbsp;<br>「私は、先生が教えてくれるのかなって思ったんですけど。」&nbsp;<br>と雅が言う。&nbsp;<br>「私は茶道はやったことないよ。」&nbsp;<br>緑子が答える。&nbsp;<br>「変なの。じゃあ、なぜ茶道部の顧問が先生なんですか。」&nbsp;<br>雅から言われなくても、自分でもおかしいと思う。&nbsp;<br>「教頭先生から、土曜日の理事会でこのまま茶道部を続けてよいか、理事長にテストをしてもらうから、それまで土曜日までだけど、顧問としてあなたたちに付き添うようにって。来週からは必要ないからって。」&nbsp;<br>「テスト、ですか？私たち、そんなこと言われてないです。」&nbsp;<br>おそらくそうなのだろう。みんな本気で驚いた様子だ。&nbsp;<br>「確かにおかしいよね。テストなら、土曜日までの顧問って限定する必要はないわよね。合格したら、そのまま続くわけだし。」&nbsp;<br>緑子はじっと考えてみる。&nbsp;<br>「それに、テストするって言ったって、何も知らないんだから、合格だってありえない。」&nbsp;<br>独り言のように緑子が呟く。&nbsp;<br>「先生、それって・・。」&nbsp;<br>思わず口にした雅と緑子の目が合う。&nbsp;<br>「うん。最初から潰す気満々ってとこね。」&nbsp;<br>緑子はみんなの顔を見ながら続ける。&nbsp;<br>「つまり、本当は最初から潰したかったけど、いきなりそんなことしたら、たぶんPTAとかから何か言われる可能性もある。だから、初代茶道部長の理事長のいる場所で、今の部員がまったく茶道部の形にもなっていないとこを見せたら、やむなく同意してもらえるだろうと。」&nbsp;<br>みんな黙っている。&nbsp;<br>「つまりさ、初めから潰す気だから、私みたいな新任の教師をとりあえず顧問に置いておけばいいだろうってとこね。」&nbsp;<br>緑子が力なく笑う。&nbsp;<br>しばらくして、緑子が雅に、&nbsp;<br>「理事会の時間とか、いつお茶を出すのか、詳しいことを聞いてる？」&nbsp;<br>と聞く。&nbsp;<br>「いいえ、全然。」&nbsp;<br>と雅が答えると、&nbsp;<br>「わかった。とりあえず当日何をすればいいかだけでも知っておかなきゃね。それは先生が調べるから、今日は解散しなさい。」&nbsp;<br>緑子先生はそれだけ言い残して、部室から出て行った。</span>
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<link>https://ameblo.jp/eri-hiper/entry-12319728801.html</link>
<pubDate>Sun, 15 Oct 2017 14:22:52 +0900</pubDate>
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<title>おーい、お茶部</title>
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<![CDATA[ <span style="-webkit-text-size-adjust: auto; background-color: rgba(255, 255, 255, 0);">鈴音（すずのね）学園中等部の茶道部は長い伝統があるが、近頃の生徒はなかなか茶道に興味を示してくれないため、今年の部員は3年の北条華1人だけとなってしまっていた。&nbsp;<br>普通、部活動を継続するには最低5人程度の部員が必要である。にも関わらず茶道部が継続されたのは、私学である鈴音学園に多大なる寄付をしてくれている北条家のひとり娘、生徒会長も務めた北条華が在籍していることと、1番古い教員で茶道部顧問の湯谷女史の力によるものだろう。ただし、茶道部がこんなにも部員が増えなかったのは、この湯谷女史の厳しい指導方針によるとの、もっぱらの噂だ。&nbsp;<br>しかし、今年はついにこの学園に、その長年の力関係に転機が訪れようとしていた。&nbsp;<br>まず、湯谷女史がこの3月で定年のため退職することになっており、茶道の指導ができる教師がいなくなる。併せて、3年で部長の北条華が高等部に進学する予定となっており、部員がついにいなくなってしまう。&nbsp;<br>つまり、学園で1番長い伝統のある茶道部が、存続する理由も、存続できる条件もなくなるのだ。いわゆる「存続の危機」というやつだ。&nbsp;<br><br>卒業式を明日に控え、茶道部部長の北条華は、おおいに迷っていた。&nbsp;<br>先ほどから歴代受け継がれてきた、鈴音学園中等部茶道部員名簿を穴のあくほど読み込んでいた華は、意を決したように立ち上がった。その手には、名簿と部室の鍵をしっかりと握られている。&nbsp;<br>やがて、華は2年桜組の教室入口の前に立ち、大きく息を吸うと、勢いよく扉を開けた。&nbsp;<br>室内の生徒が一斉に振り向いた。&nbsp;<br>「九谷雅さんはどこ？」&nbsp;<br>華が声を出すと、今度は皆が一斉に教室の後ろに視線を向けた。&nbsp;<br>華は、皆の視線の先を認めると、ツカツカと教室の奥へ歩を進める。&nbsp;<br>「茶道部の北条先輩・・」「生徒会長の・・」&nbsp;<br>後輩たちのヒソヒソ声がする。&nbsp;<br>華は、机に伏せて寝ている生徒の前に着く。&nbsp;<br>隣の席の女子に、&nbsp;<br>「みやび、みやび！」&nbsp;<br>と肩を揺すられて、「ふあっ？」っと寝ぼけた声を出しながら、その生徒が顔を上げた。&nbsp;<br>目の前に立つ華と目が合う。さすがに元生徒会長の顔は知っていて、その生徒、九谷雅はピッと背筋を伸ばした。&nbsp;<br><br>「く・た・に・み・や・び、さんでよかったよね？」&nbsp;<br>華に尋ねられて、&nbsp;<br>「はい。」&nbsp;<br>と雅が応えると、華は手に持っていた部員名簿と茶道部の札が付いた部室の鍵を、雅の机の上にトンと置いた。&nbsp;<br>「じゃあ、後はよろしくね。」&nbsp;<br>「ちょっ、えっ！？よろしくって、どういうことですか？」&nbsp;<br>すでに立ち去ろうとしていた華が振り向く。&nbsp;<br>「あなたは、鈴音中等部唯一の茶道部員です。だから、今日から九谷さん、あなたが茶道部の部長になりました。私はちゃんと引き継ぎました。茶道部が潰れたら、それはあなたの責任です。いいですね？では。」&nbsp;<br>早口でまくしたてるように言い残して、また華が行こうとするので、&nbsp;<br>「先輩！北条先輩！なんで私が茶道部って・・。」&nbsp;<br>と、雅があわてて引き止める。&nbsp;<br>華がもう一度振り向いた時、華の目にはいっぱい涙が溜まっていた。&nbsp;<br>「私だってこんな風に引き継ぎたくなかった。私の代で茶道部を終わらせようかとも思ったのよ。」&nbsp;<br>華が続ける。&nbsp;<br>「でも。」&nbsp;<br>華は、気持ちを落ち着かせるように、ひとつ深く息をする。&nbsp;<br>「でも、ずっと続いてきた名門茶道部の最後の部長なんて、やっぱり嫌。先輩たちに私が茶道部を潰したなんて、ずっと言われ続けたくないの。」&nbsp;<br>泣きながら華が訴える。&nbsp;<br>「だからって、なんで私なんですか？」&nbsp;<br>雅が聞くと、呆れた顔で華は雅を見つめる。&nbsp;<br>「九谷さん、本当に覚えてないの？」&nbsp;<br>「はいっ？」&nbsp;<br>「あなた、入学した時に、茶道部の入部届けを書いたのを忘れたの？」&nbsp;<br>「私が、ですか？」&nbsp;<br>キョトンとする雅。&nbsp;<br>「そう、書いたの。私が書かせたの。入学者名簿の名前を見て、あなたは茶道部に入るべき名前だって、雅な九谷焼きさんだって。だから私が勧誘に行ったの。」&nbsp;<br>「あっ。」&nbsp;<br>華に言われて、雅はやっと思い出した。&nbsp;<br>「思い出した？だから、次の部長に引き継ぎに来ました。」&nbsp;<br>「でも、私、退部しました。だから、茶道部員じゃ・・」&nbsp;<br>「あなたのはっ！」&nbsp;<br>雅が言いかけるのを遮るように、華がたたみかける。&nbsp;<br>「あなたのは、辞めたとは言いません。ばっくれた、と言うんです。1日だけ部活に出て、足がしびれて、それが嫌で逃げたのよねえ？」&nbsp;<br>「ま、まあ。」&nbsp;<br>「だから、それから1度も部活に来てないだけで、退部届は提出されてません。あなたはまだ、茶道部員です。」&nbsp;<br>「は、はい。ごめんなさい。」&nbsp;<br>雅は、何も言えなくなる。&nbsp;<br>華が続ける。&nbsp;<br>「さっきも言ったけど、今日からあなたが茶道部の部長です。ただし、今のところ、部員はあなただけですが。それに、顧問の湯谷先生もお辞めになります。この後どうするかは、あなた次第です。できれば続いて欲しいけど、学園が続けさせてくれるかどうかは、わかりません。」&nbsp;<br>そこまで言うと、華はそっと目を伏せた。&nbsp;<br>「明日、私は卒業式です。私にしてあげられることは、部室を引き渡す以外もうありません。健闘を、祈ります。」&nbsp;<br>「祈ります。」に随分と力を込め、華は去って行く。&nbsp;<br>そして雅は、途方に暮れて、部室の鍵を握りしめていた。&nbsp;<br><br>次の日は卒業式だった。&nbsp;<br>昨日、雅の前で泣いていた北条華は、卒業生代表として答辞を読み、大きな花束を下級生に貰って、綺麗に背筋を伸ばし、涙を見せずに中等部を去って行った。&nbsp;<br><br>「今年度も無事に始まりましたねえ。」&nbsp;<br>葉桜となりつつある桜を眺めながら、教頭が校長に話しかけた。&nbsp;<br>鈴音学園中等部も始業式が無事に終わり、部活動がスタートを始めている。明日からは新入生の勧誘も始まり、学園もますます賑やかになることだろう。&nbsp;<br>校長と教頭は、満足そうに部活動の様子を順番に見て回っているところであった。&nbsp;<br>運動部の様子を見た後、校舎内の文化部の活動もひとつずつ丁寧に見るのが、校長の毎年の恒例となっているのだ。今年は教頭も一緒に回っている。&nbsp;<br>「トラブルもなくて。これもひとえに、教頭先生の御指導の元、各先生方のひとかたならぬご尽力のおかげと感謝していますよ。」&nbsp;<br>校長に言われ、満足そうに教頭が微笑んだ。&nbsp;<br><br>鈴音学園は、大学、高等部、中等部がある。元々は鈴音女学園という女子高校が開校されている。リンという涼やかな鈴の音から、高校は「りんじょ」と呼ばれていたが、その後、併設して大学、そして中学ができた。すべて女子だけの学校であるが、高校が「りんじょ」と呼ばれて地域に定着していたため、大学は「りんだい」、中学は「りんちゅう」が呼び名となっている。&nbsp;<br><br>校長が廊下の一室の前で、急に足を止めた。腰巾着のようにすぐ後ろを歩いていた教頭がぶつかりそうになったが、かろうじて避けた。&nbsp;<br>「教頭先生、この部室は茶道部でしたが、顧問の湯谷先生が定年でお辞めになられてから、どうなりました？確か生徒も北条華さんが卒業されましたよね。」&nbsp;<br>「さすが校長先生、よくご存知で。部員も北条様のお嬢さんがおひとりでしたので、彼女が卒業したら存続できないと聞いておりましたが。」&nbsp;<br>「ああ、それならこの部室は空き部屋ということですか。」&nbsp;<br>「そうなると思います。」&nbsp;<br>「毎年の理事会で、茶道部の子にお茶を立ててもらっていたんですが、今年はなしとなりますねえ。初代茶道部長であられる理事長も楽しみにされていたので、それは残念ですね。」&nbsp;<br>「時の流れ、でしょうか。」&nbsp;<br>校長と教頭がそう話しているとき、誰もいないはずの部室の中から話し声が漏れてきて、ふたりはいぶかしげに顔を見合わせた後、教頭が部室の扉に手をかけ、引き戸をガラリと開けた。&nbsp;<br>目に飛び込んできたのは、数人の女生徒。&nbsp;<br>車座になってペットボトルのお茶を飲みながら袋物のお菓子を食べている者。&nbsp;<br>仰向けになり、漫画を読んでいる者。&nbsp;<br>突然入ってきた校長先生と教頭先生に驚いて、慌てて正座し直したが、しっかり見られた後であった。&nbsp;<br><br>話は卒業式まで遡る。&nbsp;<br>北条先輩の卒業を見送った雅は、茶道部の部室の前に立った。&nbsp;<br>鍵を開け部室に入ると、新しい畳の匂いがした。&nbsp;<br>廃部となるはずの部屋に、真新しい畳が敷いてあった。&nbsp;<br>長年顧問を務めた湯谷先生が、部の存続を願い、残り少ない希望を込めて、畳を入れ替えてから退職したらしい。&nbsp;<br>雅はその新しい畳に、ごろりと横になってみる。&nbsp;<br>天井まで綺麗に掃除してあるのがわかる。&nbsp;<br><br>「私、ここで何をすればいいんだろ。」&nbsp;<br>独り言以外に何もすることがない。やっぱり潰れるしかないのかな。&nbsp;<br>雅が1人でボーッとしていると、ガラッと扉を開ける音がした。&nbsp;<br>「みーやびっ。」&nbsp;<br>静寂を破り、親友の詩音たちがドヤドヤと賑やかに入ってきた。&nbsp;<br>「詩音、どうしたの。」&nbsp;<br>「どうしたって、ほら。雅が潰れかけた茶道部のぶちょーになったわけだから、親友としては心配なわけじゃん。」&nbsp;<br>「そうそう、部員が不足してるんでしょ。」と言うのは、「幸」と書いてみゆき。&nbsp;<br>「だから、私たちが茶道部に入ってあげようかと。ねえ、優奈もそうでしょ？」と春香に言われて優奈が頷く。&nbsp;<br>「つまり、私たちが茶道部に入部すれば、5人だから続けられるんでしょ？」&nbsp;<br>詩音が言う。&nbsp;<br>「そうなんだけど、なんで急に？なんか怪しいんですけど。」&nbsp;<br>雅には、この子らが茶道に興味がないことなど、お見通しなのだ。&nbsp;<br>「まあ、もう湯谷先生はいないしい。部室は使い放題だしさ。」&nbsp;<br>「保健室よりパラダイスを見捨てるわけにはねえ。」&nbsp;<br>詩音たちがへへっと笑う。&nbsp;<br>「部費でさ、お茶とかお菓子、買えたりして。」&nbsp;<br>「ったく。そんなことだと思った。」&nbsp;<br>雅はあきれ顔。&nbsp;<br>「でもね、部費は顧問の先生が持ってるから、使えないらしいよ。湯谷先生が学校に預けてるはずだし。」&nbsp;<br>「あら、残念。じゃあ、新しい顧問の先生が来ないとダメじゃん。」&nbsp;<br>食いしん坊の詩音は、心底がっかりした様子だった。&nbsp;<br><br>実は雅は、昨日鍵を受け取ってから、雅なりにプレッシャーを感じていた。&nbsp;<br>「潰れたらあなたの責任」という言葉がのしかかる。&nbsp;<br>元々は割と能天気な性格の雅だが、でも、昨日の北条先輩の涙が忘れられないのだ。&nbsp;<br>先輩は、この茶道部を大事にしてきたのだ、という思い。&nbsp;<br>本当に潰していいのかという思い。&nbsp;<br>歴代の名簿や部の会則、これまでの長年の活動記録を読み込むうちに、言葉にできないものが雅の胸に込み上げてきたのだ。&nbsp;<br>だから、正直なところ、詩音たちが来てくれたのはとても嬉しかった。&nbsp;<br>「みんなさあ、受験生になるときに部活に入るなんて、ばっかじゃないの？でも、仕方ないから入部を認めるわ。部長権限でね。」&nbsp;<br>少し涙ぐみながら、雅が憎まれ口を言う。&nbsp;<br>よし、これで部員は5人揃った。雅は心の中で小さくガッツポーズをした。&nbsp;<br>「でも、部費が使えないから、当分お茶やお菓子は自腹で持ち込みだからね。」&nbsp;<br>部長として念を押すのも忘れない雅であった。&nbsp;<br><br>「それで、あなたたちは、ここで何をしてるんですか。」&nbsp;<br>しおらしく正座してならんだ5人を、教頭先生が睨んでいる。皆、黙ってしまっている。&nbsp;<br>「この部室の鍵を、どうやって手に入れたんですか。」&nbsp;<br>再び教頭先生。&nbsp;<br>おずおずと雅が手を挙げた。&nbsp;<br>「君は？」&nbsp;<br>「ほ、北条先輩から茶道部を引き継いだ、新部長の九谷雅です。」&nbsp;<br>「ほお。君が部長だと。で、他の4人は？」&nbsp;<br>「はい、茶道部員です。」&nbsp;<br>「確か、2月に北条さんに茶道部はどうなるのか聞いたとき、茶道部員はもういない、と聞きましたが。」&nbsp;<br>教頭は皮肉たっぷりに雅に言った。&nbsp;<br>「教頭先生、これを。」&nbsp;<br>雅はふと思い出し、北条先輩から引き継いだ、歴代の茶道部員名簿を差し出した。そこには確かに2年前に雅が入部したこと、今年の3月に九谷雅が部長に就任したことが達筆の書体で記されていた。北条華は最後の部長の仕事として、ここまで書いてくれていた。そして、それに続けて、雅の丸い文字で、この3月に4名の名前を書き入れたのだ。&nbsp;<br>さすがの教頭も、部員名簿は認めざるを得なかったのか、5人が茶道部員であることは、それ以上問題にできなかったようだ。&nbsp;<br>「うおっほん。」&nbsp;<br>教頭先生はひとつ咳払いをして話を変えた。&nbsp;<br>「で、部活動の時間に遊んでいたわけですね。」&nbsp;<br>返事ができない。&nbsp;<br>「このような状態では、活動停止を考えた方がよさそうですねえ。」&nbsp;<br>活動停止。廃部。そして北条先輩の涙。&nbsp;<br>色々なことが頭をよぎったそのとき、雅の中で何かが弾けた。&nbsp;<br>「いえ、遊んでいたわけではありません。」&nbsp;<br>雅が下を向いていた顔を上げた。&nbsp;<br>そして、さすがに言い訳にも無理があるのはわかっていたのか、少し顔を赤らめて、&nbsp;<br>「ぶ、部活動です。」&nbsp;<br>と言い放った。&nbsp;<br>「ブッ」&nbsp;<br>隣に座った詩音が雅の言葉に、吹き出しそうになるのを一生懸命堪えているが、頬のあたりがピクついているのは誰の目にも明らかだった。&nbsp;<br>さすがの教頭も、この開き直りとも取れる「部活動」発言には笑い出しそうになったが、そこはおくびにも出さなかった。&nbsp;<br>「つまり、ペットボトルのお茶を飲みながら、袋菓子を食べるのも茶道部の部活動だと。」&nbsp;<br>「はい。」&nbsp;<br>臆せずに雅が応える。&nbsp;<br>「お茶を使用した商品のモニ・・、あっ、モニタリングをしていました。」&nbsp;<br>「モニタリング？」&nbsp;<br>「はい。私たちは茶道部ですので、その茶道を支えているお茶という日本の伝統文化が、現代社会の商品にどれほど受け継がれているのかというモニタリングです。」&nbsp;<br>雅はあくまでも部活動を押し通す。&nbsp;<br>「それならば袋菓子は何かな？」&nbsp;<br>少々意地悪な質問を教頭はぶつけてみる。&nbsp;<br>「お菓子は茶道にとって重要なアイテムです。どのような現代のお菓子がお茶に合うのか探るのも茶道部の活動だと思います。」&nbsp;<br>雅もここまでくると、もう一歩も引かないと言わんばかりに視線を逸らさない。&nbsp;<br>あまりの強情さに、教頭も言葉を失う。&nbsp;<br><br>「まあまあ、教頭先生。茶道部が今後も活動を続けるなら、それもまた結構。」&nbsp;<br>「しかし校長先生・・。」&nbsp;<br>「いやいや、茶道部だとこの子らは言っているわけですから、少し見守りましょう。きっと美味しいお茶がまた飲めるでしょう。週末の理事会がまた楽しみです。」&nbsp;<br>校長が言わんとすることにピンとくる。&nbsp;<br>「ああ、なるほど、そうですね。初代茶道部長の理事長がいらっしゃるわけですから、みっともない点前の披露などはできませんね。日頃の練習の成果を存分に発揮してもらいましょうか。大丈夫ですよね、茶道部新部長。」&nbsp;<br>「もちろんです！」&nbsp;<br>売り言葉に買い言葉。まったく意味がわからなかったが、つい勢いで返事をしてしまった雅であった。&nbsp;<br><br>校長先生と教頭先生が立ち去ったあと、詩音が雅に、&nbsp;<br>「どしたの、いきなりスイッチ入っちゃって。」&nbsp;<br>詩音の知っている雅は、先生に反論する自我の強いタイプではなく、大勢の中に埋もれてるおとなしい女の子だった。&nbsp;<br>じっと考えている雅。&nbsp;<br>「なんか、なんかね、終わらせたらいけないかなあって。」&nbsp;<br>「終わらせたら？」&nbsp;<br>「うん。北条先輩は、こんなにあっさり茶道部をなくして欲しくなかったんじゃないかなあって。そう思った。」&nbsp;<br>雅の今までと違った一面をみた詩音。&nbsp;<br>「そっか。わかった。私も協力するよ。」&nbsp;<br>「ありがと。頼りにしてる。」&nbsp;<br>「ところでさ、校長先生の言った週末の理事会って何のこと？」&nbsp;<br>改めて詩音が聞く。&nbsp;<br>「お茶を出せばいいんじゃないの？」&nbsp;<br>といつものお気軽娘に戻って雅が言う。&nbsp;<br>「えっ？なんか違うっぽいんだけど。」&nbsp;<br>と、隣で聞いてた幸。&nbsp;<br>「とりあえず、4日後でしょ？準備とかいらないのかなあ。」&nbsp;<br>言われてみればそうかな、とみんなに不安がよぎる。&nbsp;<br>「ちょっと偵察に行ってくるわ。」&nbsp;<br>パタパタと春香が部室を飛び出して行った。&nbsp;<br><br>校長たちが校長室に入るのを見た春香は、外から回り込み、校長室の窓の下に身を潜めた。&nbsp;<br>部屋の中の会話が聞こえてくる。&nbsp;<br>「教頭先生、茶道部はとりあえず理事会まではあのままにしておきましょう。ただ、顧問がいないというのは問題でしょうから、理事会までの4日間は顧問を置かなければならないですね。」&nbsp;<br>「そうですね。まあ土曜日までの4日間の顧問ですから、とりあえず新任の先生でもよろしいでしょうか。」&nbsp;<br>「どうせなくなる部でしょうから、それでお願いします。確か、茶道部にぴったりのお名前の先生がいらっしゃいましたね。」&nbsp;<br>「わかりました。すぐに段取りします。」&nbsp;<br>教頭先生が部屋を出て行く気配に合わせて、春香は窓の下を離れ、みんなに話を伝えようとしたのだが、ついでに売店に寄ってお茶とお菓子を仕入れに道草を食い、だいぶ報告が遅くなってしまうのが春香の春香たる所以だろう。&nbsp;<br><br>「あのね、あと4日間だけ顧問の先生が来るらしいよ。」&nbsp;<br>偵察から帰った春香の報告は、校長たちの話をかなり端折って伝えられた。&nbsp;<br>「じゃあ、理事会が終わったら、別の顧問の先生に変わるってことかなあ。」&nbsp;<br>「時間ないから、とりあえずってこと？」&nbsp;<br>と、それぞれに好きなように解釈されたようだ。&nbsp;<br>「ただね。」&nbsp;<br>春香が思い出したように言う。&nbsp;<br>「校長先生が、どうせなくなる部だから、とかなんとか言ってた。」&nbsp;<br>「どういうこと？お茶を入れたら続けられるんじゃなかったっけ？」&nbsp;<br>雅が聞く。&nbsp;<br>「うーん、なんかわかんない。」&nbsp;<br>頼りない偵察である。&nbsp;<br><br>「それは廃部になるってことよ。」&nbsp;<br>急に部室の入口から声がして、みんなが驚いて振り返ると、見たことのない女の人がいる。背は高くない。雅たちとさほど年も違わない気もするが、私服を着ているので、生徒ではなさそうだった。&nbsp;<br>「だ、誰？」&nbsp;<br>と誰ともなしに聞く。&nbsp;<br>「誰って、始業式でちゃんと挨拶したでしょ。聞いてくれてないの？」&nbsp;<br>皆、ぽかーんとしている。どうやら5人にとって始業式なんて、先生方の挨拶より、久しぶりに会うクラスメイトとのおしゃべりの方で忙しかったのだ。&nbsp;<br>「そんなことだから、廃部になるかもって話もちゃんと聞いてないのよ。」&nbsp;<br>その女の人は深いため息をついた。そして、上がり込んで畳に座り、&nbsp;<br>「この茶道部の顧問になりました、チャエンです。よろしく。」&nbsp;<br>と挨拶しながら、5人をひと通り見回した。&nbsp;<br>「先生？マジ？」&nbsp;<br>どうみても高校生のような幼い顔をしていたので、にわかには信じられない様子である。&nbsp;<br>「チェンさん？中国からの留学生とか。」&nbsp;<br>「高等部の先輩かと思った。」&nbsp;<br>と5人は好き放題に言っている。&nbsp;<br>「あんたらねえ、顧問の教師が挨拶しているのに、何その態度。ちゃんと座りなさい！」&nbsp;<br>と「チェン」さんが怒り出すが、どうも迫力が足りないらしい。&nbsp;<br>「あっ、もしかして怒ってる？」&nbsp;<br>「チェンさん、日本語わかってるのかなあ。」&nbsp;<br>などとおしゃべりが止まらないのだ。&nbsp;<br>「座れって言ってるでしょ‼︎」&nbsp;<br>あまりにも止まらないおしゃべりに、怒りに肩を震わせる「チェン」さんに怒鳴られ、さすがにまずいと思ったのか、横に5人並んで座った。<br>「誰が留学生よ。顧問だと言ったでしょ。先生以外に顧問はいないでしょ。」&nbsp;<br>と先生はギロリと5人をにらむ。&nbsp;<br>「だって、チェンさんかと・・。」&nbsp;<br>と、再び幸が火をつけてしまった。&nbsp;<br>「あんた、どこに耳をつけてんのっ。チェンじゃないの、チャエン！お茶の園と書いて茶園！わかった⁈」&nbsp;<br>と怒りの収まらない先生などどこ吹く風、&nbsp;<br>「茶園！茶道部にぴったり！」&nbsp;<br>と詩音の再び空気を読めない発言に、先生も頭を抱えるしかなかったようだ。&nbsp;<br>「もういいよ。とにかく、この度この茶道部の顧問になりました、茶園緑子と言います。よろしく。」&nbsp;<br>気を取り直して先生が自己紹介をする。&nbsp;<br>「緑子！茶園緑子！名前までお茶なんですね。素敵。」&nbsp;<br>という夢見がちな詩音を無視して、緑子先生は、&nbsp;<br>「で、部長は誰？」&nbsp;<br>と聞いた。雅がおずおずと手を挙げる。&nbsp;<br>「名前は？」&nbsp;<br>「雅。九谷雅です。」&nbsp;<br>「じゃあ、九谷さん。とりあえず部活を始めます。礼の号令を掛けて。」&nbsp;<br>「私、みんなから雅って呼ばれてます。」&nbsp;<br>「うるさい。じゃあ雅、さっさと礼！」&nbsp;<br>と促され、雅の号令で緑子先生に礼を行なって、ようやく部活らしい時間が始まったのだ。&nbsp;</span><br 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<link>https://ameblo.jp/eri-hiper/entry-12312799334.html</link>
<pubDate>Thu, 21 Sep 2017 20:58:10 +0900</pubDate>
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<title>泣いちゃうよ</title>
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<![CDATA[ うれしい！<div>カープ勝ったあ！</div><div>広島は最高の夜がきました！</div>
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<link>https://ameblo.jp/eri-hiper/entry-12198729929.html</link>
<pubDate>Sat, 10 Sep 2016 22:13:02 +0900</pubDate>
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<title>海街ダイアリーの里</title>
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<![CDATA[ 鎌倉に行きました。<div>ずっと食べたかったシラス丼。</div><div>揚げと生と釜上げの三色丼。</div><div>美味しかったです！</div><div><div id="{26B6F4C2-2138-4E53-B59E-C948DA0F5248:01}" style="text-align:left"><div><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20151017/18/eri-hiper/af/20/j/o0480064013456933389.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20151017/18/eri-hiper/af/20/j/o0480064013456933389.jpg" border="0" width="400" height="533" alt="{26B6F4C2-2138-4E53-B59E-C948DA0F5248:01}"></a></div></div><br>そして、江ノ電極楽寺の駅に。</div><div><div id="{9C971649-F1D3-451C-8BE0-536C0E4D1B5B:01}" style="text-align:left"><div><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20151017/18/eri-hiper/dc/3a/j/o0480064013456933408.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20151017/18/eri-hiper/dc/3a/j/o0480064013456933408.jpg" border="0" width="400" height="533" alt="{9C971649-F1D3-451C-8BE0-536C0E4D1B5B:01}"></a></div></div><br>聖地です（＾∇＾）</div>
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<pubDate>Sat, 17 Oct 2015 17:59:47 +0900</pubDate>
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<title>最近好きな</title>
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<![CDATA[ <div id="{C2B530C7-7B5A-4EE7-8CA0-07857F692061:01}" style="text-align:left"><div><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20151001/23/eri-hiper/b1/78/j/o0480048013441600925.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20151001/23/eri-hiper/b1/78/j/o0480048013441600925.jpg" border="0" width="400" height="400" alt="{C2B530C7-7B5A-4EE7-8CA0-07857F692061:01}"></a></div></div><br>西炯子先生風に描きたいのにならない…
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<pubDate>Thu, 01 Oct 2015 23:51:26 +0900</pubDate>
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<title>描いてみました</title>
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<![CDATA[ <div id="{52A9CEE5-660B-48FE-8435-277A6A4890C9:01}" style="text-align:left"><div><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20151001/23/eri-hiper/79/7a/j/o0480048013441586279.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20151001/23/eri-hiper/79/7a/j/o0480048013441586279.jpg" border="0" width="400" height="400" alt="{52A9CEE5-660B-48FE-8435-277A6A4890C9:01}"></a></div></div><br>今、絵を描く練習中。難しいです(&gt;_&lt;)
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<pubDate>Thu, 01 Oct 2015 23:36:17 +0900</pubDate>
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