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<title>マグノリアのブログ</title>
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<title>春と小説。８</title>
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<![CDATA[ 春と出会った時のことを思い返しては、 <br>淡い初恋に似た気持ちになった。 <br>春との思い出は形には残ってなどいない。写真も一枚もない。 <br><br>わたしたちは出会うべくして出会ったのか、 <br>それともただの偶然にも似た気まぐれだったのかは分からない。 <br><br>けれどいつまでも幻想的で刹那に過ぎた日々の <br>ほんの小さな輝きが いつまでも胸の奥深くでわたしに語りかけるのだった。 <br><br><br>
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<pubDate>Mon, 07 May 2012 21:45:09 +0900</pubDate>
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<title>春と小説。７</title>
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<![CDATA[ 折りたたまれたワインレッドのケータイを開くと <br><br>一通のメールがきていた。 <br><br><br>『今から会わない?』<br><br><br>そう一言だけ書かれていた。 <br>一瞬心臓が跳ね上がった気がした。 <br>送り主の彼とは二週間前にコミュニティーサイトで出会ったばかりだったから… <br><br>『どうして?』<br>とだけ送ってみた。 音楽がすき、という 繋がりで知り合っただけだったから、<br>そこからいきなり飛躍しすぎなメールの内容に戸惑っていた。 <br><br>少ししてから返信がきた。 <br><br>『ちょうど今近くにきているんだ。こういうキッカケでも一度会ってみたいと思ったんだ』<br><br><br><br>行き交う人たちの傘から落ちる雫を眺めながら、改札の前で待っていると <br><br>電車から降りて改札口に向かう人たちの群れのなかに、<br>グリーンとネイビーのバイカラーのウィンドブレイカーを着た青年が目に止まった。 <br><br><br>キノコカットと呼ばれる栗色のマッシュヘアーのその青年は、改札を出てあたりを見渡した後に、<br>なぜかわたしを一目見るとこちらに向かって歩いてきた。 <br><br><br>どきどき…心臓の音を表現するにはありきたりすぎるけど、この時確かにどきどき高鳴っていた。 <br><br><br><br>『こんにちは』<br><br>低すぎもなく高すぎでもなく、けれど優しい声。 <br>少し細い目だけれど、きゅっと整った鼻筋。<br>痩せ型だけど、細身の体と髪型がとても似合っていた。<br>どこか…アンニュイな雰囲気がした。<br><br><br><br>『晴…だよね?』 <br><br><br>名前を呼ばれてようやく我に返った。<br>柄にもなく見とれてしまってたのかな? <br><br><br>『はい…初めてまして。春ｸﾝ…だよね?』<br>そう言って数秒見つめあったあと、お互いなぜか恥ずかしくなってくすくす笑い合った。 <br><br><br>春はわたしより２歳年下のデザイン関係の大学に通う三年生。 <br>音楽が大好きでバンドもしている。<br>知り合ったキッカケも、わたしがバンドに興味があったから。 <br><br>『名前を聞いて驚いたけど、同じ『ハル』なんだね。なかなか周りに同じ名前のひとがいなかったから、これも何かの偶然かな。』 <br><br>春は嬉しそうに微笑んで、目が三日月みたいになった。  <br><br>わたしたちはドラマチックな出会いではなかったかもしれないけれど、 <br>特別な糸を感じていた。 <br><br>
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<pubDate>Thu, 03 May 2012 11:52:28 +0900</pubDate>
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<title>春と小説。６</title>
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<![CDATA[ 湿った空気を吸い込んで目を閉じた。<br><br>過ぎ去った日々を思い出してみる。 <br><br><br>キミと出会った日も確かこんな風に雨に打たれた日だったー…<br><br>ー――――――<br>ー――――<br><br><br><br>うねる髪の毛先を指でとかしながらホームで電車を待っていた。<br>『せっかくアイロンかけてもこの雨じゃ意味ないよね。』<br><br> <br>春先は雨が多い。 <br><br>青地に大振りの花柄ロングスカートが、生ぬるい風でヒラヒラ揺れていた。 <br><br>まもなく電車が到着するとアナウンスが流れた時、 <br>ケータイが震えて点滅していた。 <br><br><br>
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<pubDate>Thu, 03 May 2012 11:15:57 +0900</pubDate>
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<title>春と小説。５</title>
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<![CDATA[ 夜ご飯を食べていたら、水が地面を叩く音が聞こえて、雨が降っていることに気がついた。 <br><br>お気に入りの雑貨屋で購入したインド製のグリーンの花柄のカーテンの隙間から、雨が斜線のように強く降り注いでいた。 <br><br>いつの日だったかな…<br><br><br><br>『雨の日はすき。』<br><br><br><br><br>そう話していたキミの面影が突然ふと現れたー…<br><br><br>晴れの日よりも曇りの日よりも <br>雨の日がすきだったキミ。 <br><br><br>青空がすきなわたしには、当時キミの考えがよく分からなかったけど、 <br><br>今ならよく分かるよ。 <br><br><br>雨は再生の兆しなんだ。嫌なことも、自分のこころの中に渦巻くグレーな気持ちも <br>雨は優しく時には激しく降り注いで、 <br>ボクのこころをきれいさっぱり洗い流してくれる気がするんだ。 <br><br><br>ボクの疲れきったこころを、リセットするための儀式みたいなものかな。 <br><br><br>ひとつの音が重なって、またそこから生まれてくる音が <br>たまらなく心地よい気分になるんだ。 <br>だから雨の音を聞くとなぜか安心するー…… <br><br>ー―――――<br>ー―――<br><br><br><br><br>キミはそう言って、 わたしの隣に座った。<br>古ぼけたおさがりのアコースティックギターを <br>聴くもののこころに魔法をかけるように、そのしなやかな指先で優しく奏でるのだった。 <br>
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<pubDate>Thu, 03 May 2012 01:23:58 +0900</pubDate>
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<title>春と小説。4</title>
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<![CDATA[ 夜のスーパーは人もまばらで、お買い得品はことごとく無かった。 <br><br>それでも大好きなお寿司コーナーには、嬉しい半額シールが貼られたマグロの刺身が並んでいた。 <br><br>野菜ジュースと一緒に買い物袋を下げて歩くと、またいつもの黄色い石の角を左に曲がる。 <br>マンションに辿り着くまでの数秒のあいだ、気持ちがリセットされて肩の力が抜けてほっとする瞬間がある。 <br><br>『今日もお疲れ様。』そんな風にどこからともなく声がするのだ。不思議な空間が広がっていた。 <br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/flower0627/entry-11228425640.html</link>
<pubDate>Fri, 20 Apr 2012 20:04:52 +0900</pubDate>
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<title>春と小説。3</title>
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<![CDATA[ 今日は２０日という事で、１０時開店からとても忙しかった。 <br>この日はポイント１．５倍還元の日なのでお客様もいつもより多い。 <br><br>都内にある下町のドラッグストアの化粧品カウンターがわたしの仕事場。ようやく三年目になる美容部員の仕事。いつも通り発注をしていると<br><br>『すみません』<br><br>と３０代くらいの女性のお客様に声を掛けられた。 <br><br>『いらっしゃいませ、何かお探しでしょうか?』<br><br>笑顔でお客様のもとへ駆け寄る。 <br>話を聞くとどうやらここ最近目の下のくまが酷いらしくて、お薦めのコンシーラーはないかと探しているとの事だった。 <br> <br>『コンシーラーにも使う部分で種類がいくつかございまして、目元用のコンシーラーでしたら、筆タイプかチップタイプのこちらのコンシーラーがお薦めですよ』 <br><br>色々なメーカーの中からいくつかアイテムを選んでお客様にご紹介する。 <br><br>人と接する仕事はわたしに合っているみたいで、やりがいを感じていた。 <br><br>それこそお客様からのありがとうを聞けたら、疲れなんて吹き飛んでしまうくらいに。 <br><br><br>今日も定時まで働いて、鉛のようにズッシリ重くむくんだ足を電車内で軽くマッサージした。 <br><br>もうすぐ家に着く…そう思うと寝るまでの数時間をどう有意義に過ごそうかと考えるのがいつの間にか日課になっていた。 <br><br>スカイツリーを間近に見上げながら、とりあえず今日の晩御飯の買い物にスーパーに行くことにした。
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<link>https://ameblo.jp/flower0627/entry-11228396416.html</link>
<pubDate>Fri, 20 Apr 2012 19:30:11 +0900</pubDate>
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<title>春と小説。2</title>
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<![CDATA[ 沢山の小説が並ぶ売り場で、わたしはどれが今一番自分にとってピンとくる小説か考えていた。 <br><br>恋愛ものがいいな…恋愛に疲れた自分がいたのに、求めるのは恋愛小説だった。<br><br>いくつか見ていると帯のついた本の文字に目がいった。 <br><br>その本は紺色にシルバーの星が散りばめられた表紙に、真夜中の恋人たちという言葉が印象的だった。 <br>最初の一頁の数行を読んで迷うことなくその本を持ってレジに向かった。 <br><br><br><br>活字に飢えていたのか、買って数分もしないうちに読み始め、寝る前には半分読み終えていた。 <br><br>正直なところ主人公の性格や生き様はわたしが好きなものじゃなかったけれど、物語のなかに時折心惹かれる文字がわたしの読む手を止めなかった。 <br><br>区切りのよいところでしおりを挟んで、わたしは本を閉じた。<br><br>それからゆっくりお風呂に入り、<br><br>静寂な部屋にペットの猫と一緒にベットに入りながら、自分のことを考えてみた。 <br><br>楽しいことが大好きで、みんなと騒ぐのが好き。<br>でもどこかいつも孤独と一緒だった。それは決して苦ではなくて <br>小さい頃からひとり遊びも好きだったし、大人になった今もある程度の場所へならひとりでも行けた。 自由に行動できて、気分に合わせて物事を判断できる。<br>束縛されないわたしだけの時間。<br>普段まわりに気を遣いすぎて疲れる性格だから、休日ひとりになれる時間がとても大切だった。 <br><br>好きな洋服を見つけてはついつい買ってしまう。買い物がストレス解消だった。<br><br>ひとりって楽でいいな…と思っていた。<br><br>それなのに心の奥底では満たされない感情が、誰かこんなわたしを見いだして救ってくれないかといつも囁いていた。 <br><br>別れた彼からのメールになんとなく無視できないでいるのも、寂しさを埋めたいという気持ちからなのかもしれない。 <br><br>わたしはずるい女だろう。でも孤独をどこまでも愛してしまったら、もう結婚なんて一生できない気がして、本当は誰かに愛されたいという気持ちがまだ残っている自分にほっとしていた。 <br><br>わたしは変わりたいのかもしれない。新しい何かを見つける時なのかもしれない。それが出来たなら、隣り合わせの孤独から抜け出せるようなそんな気がしていた。
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<link>https://ameblo.jp/flower0627/entry-11227889084.html</link>
<pubDate>Fri, 20 Apr 2012 01:53:14 +0900</pubDate>
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<title>春と小説。</title>
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<![CDATA[ 日が落ちるとまだ少し肌寒い４月。商店街を照らすオレンジ色のちょうちんが、ゆらゆらと夜風に揺れていた。 <br><br>小説を読みながら目印の黄色い石のある角を左に曲がると、細い道がまっすぐわたしの自宅マンションまで続いている。<br>家に着くまでの細い道は、<br>わたしを異世界にいざなうような不思議な感覚にさせる道だった。<br>特別変わった景色ではないのだけれど、密集した家の間はトンネルみたいに薄暗くて、<br>豆電球の光を頼りに白い花が咲いている花壇を通る。<br>静まり返った住宅にブーツの音だけがコツコツと響く。<br>それはなにかが起こりそうなカウントダウンの合図のようだったーー…。<br><br><br><br><br><br><br><br><br><br>久しぶりの休日、わたしはずっと行けずじまいだった歯医者に行き、その帰りに懐かしい場所へ行ってきた。 <br>ほんの半年前までその場所で働いていたのに、自動ドアをくぐるとそこは記憶の中の風景とはまるで別世界だった。 <br>均一に並べられている商品は、蛍光灯に反射して色鮮やかに見えて、 <br>どれもチカチカと目が眩しくなるくらいだった。 <br>ぐるっと売り場を見渡してみると、昔と今とでは雰囲気は変わっていたけれど、それでもどこか懐かしい感じがした。 <br><br>お店のみんなに挨拶しに行き、驚くひともいれば、顔色ひとつ変えないひともいて反応は様々だったけど、お店のみんなに会えて嬉しかった。興奮と喜びでいっぱいのままお店を後にして駅に向かった。 <br>まだ歯医者で治療した歯の消毒の味が残っていて口の中がほろ苦かった。 <br><br>乗り換えの駅で下車すると、気のむくままデパートに入った。雑貨屋を見てこのアイテムはどこに使おうかなんて妄想したりしていたらお腹がすいてきたので、お気に入りのベトナム料理屋に行った。 <br>そこで食べるフォーはどれもとても美味しかった。 牛肉とネギとパクチーの入ったフォーは新メニューらしかった。フォーには必ずベトナムのラー油を足して食べるのが好きだった。そこにさらにライムを絞ると酸っぱさと辛さが絶妙に合ってより一層旨みが引き出される。今日も満足な気持ちになった。 <br><br>お腹いっぱいになってフロアを歩いていると、ふと本屋が目に留まった。 <br>いつもは雑誌コーナーにしか立ち止まらないのだけれど、この時は無性に小説が読みたくなったのだ。<br>たくさんの若い女性 たちが雑誌コーナーで立ち読みしている横を通り過ぎて、真っ直ぐに小説のオススメコーナーへと足を運んだ。
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<link>https://ameblo.jp/flower0627/entry-11227603246.html</link>
<pubDate>Thu, 19 Apr 2012 20:14:55 +0900</pubDate>
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