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<title>恵比寿物語</title>
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<description>徒然日記と妄想駄文などを少々。</description>
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<title>井伏鱒二と町田康</title>
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<![CDATA[ 　井伏鱒二の寒山拾得が面白かった。各地を転々としながら自分の書いた絵を売っている男がいるんだけれど、彼の絵は旅先で泊った宿の掛け軸の模写で、模写しては次の旅先で売り、その旅先でも絵を模写してまた次の旅先で売るということを繰り返している。つまり、小手先で絵を描くという技術はあるけれど、自らの発想はない。そんな男とその男を訪ねた友人が、床の間に飾ってあった寒山拾得の絵を模写する。絵描きはやはりうまい。友人は掛け軸の寸法がうまくとれず、余白が出来てしまい、そこに何となく船かなんかをかいてごまかす。<br>　と、なんだかいい加減な二人なんだけど、酒を飲んだときに、二人で描いた寒山拾得の真似をする。<br><br>　ちなみに寒山拾得というのは寒山と拾得という二人の僧の名前で、乞食同然の格好をしながら奇声を発したり歌をうたったりしていたといわれている。そのおかしなエピソードのおかげか、絵の題材として好まれていたようなのだけれど、それがまぁニッタリと笑っているのだ。<br><br>　そこでインチキ絵描きとその友人は「げらげらげら　こうだ」「いや　こうだ　げらげらげらげら」とやり合う。酔っ払いのやりそうなこと。でも、確実に真剣にやっている。阿呆なことを真剣にやっている。その滑稽さがたまらなく面白く読めた。<br><br>　で、しばらくこのお話が頭に残っていて、ある日ふと自分の本棚をあさって久々に町田康のくっすん大黒を読んだら、笑いの表現で「げらげらげら」というのが出てきた。あれ？と思って読み進める。そうして読み終わって、あぁ、くっすん大黒って寒山拾得をモチーフにしてるのねと気づいた。そういえば　くっすんだいこく　かんざんじっとく　なんか響きも似てるしね。<br><br>　かといってじゃぁまるぱくりかといえばまったくそうじゃないし、くっすん大黒もそれはそれでとても面白い。それどころか、自分の解釈と時代感でここまで持っていくのはさすがだなぁと思う。そして、私はこの種の笑いがたまらなく好きらしい。<br><br>　こういう発見も本を読む楽しみ。明日もジャンルを選ばずに何かを読もう。<br><br>
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<pubDate>Mon, 02 Jul 2012 19:18:17 +0900</pubDate>
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<title>梅雨空の鳥</title>
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<![CDATA[ <p>オフィス内は禁煙なので</p><p>煙草とライターと携帯灰皿を持って</p><p>非常用の外階段に向かう</p><p>重い扉に小さなつっかえをして外に出ると</p><p>夕方らしく学生たちの帰宅姿が4階分下に見える</p><br><p>ちゃっちゃとどこからか鳥の鳴く声がする</p><p>どこだろうと見回したけれどどこにもその姿が見えない</p><br><p>ふわふわと煙をくゆらせながら</p><p>その見えない鳥の姿を想像する</p><p>煙草の箱ぐらいの大きさで</p><p>ラピスラズリみたいな深い青い色で</p><p>尾の先は赤松のような茶色</p><p>嘴は黄色がいい</p><br><p>と良く見ると</p><p>向かいのオフィスでタンクトップ姿の小太りのおっさんが</p><p>ゴムと鉄で出来た椅子のようなものを回している</p><br><p>ちゃっちゃっちゃ</p><br><p>回る度に音がする</p><br><p>まだ二、三口吸えるはずの煙草をもみ消して</p><p>非常から日常の世界へ戻る</p><br><p>あのおっさんは今</p><p>窓から飛び出して鳥になったのかもしれない</p>
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<pubDate>Fri, 01 Jul 2011 16:26:17 +0900</pubDate>
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<title>スイーツ番長の本が上梓！</title>
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<![CDATA[ <dl><dt>年末も押し迫った寒空の下、番長とともに関東全域スイーツ求めて右往左往。<p>昨年、虫歯糖尿貧血上等で取材した血と汗と涙の結晶がついに形になりました。</p></dt><dt><br></dt><dt></dt><dt><a href="http://click.affiliate.ameba.jp/affiliate.do?affiliateId=13927637" alt0="BlogAffiliate" target="_blank" rel="nofollow">スイーツ番長の至高の10大スイーツ/スイーツ番長<br><img border="0" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fecx.images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F512zXPWpFEL._SL160_.jpg"></a></dt><dd style="MARGIN: 0px">￥1,365</dd><dd style="MARGIN: 0px">Amazon.co.jp</dd></dl><p>有難いことに巻末に名前まで載せていただき</p><p>関係者の皆様に感謝感激でございます。</p><br><p>先日別の取材でGODIVAのバレンタインコレクションに行ってきましたが</p><p>この本に携わらせていただいていたお陰で</p><p>文章をまとめやすかったです。</p><br><p>コクやキレ、風味や口どけ、スイーツにはスイーツなりの表現方法があって</p><p>それを頭にいれるのに、最初は苦労しましたね。</p><br><br><p>スポンジケーキの喉ごし</p><br><br><p>なんて聞いた時には</p><p>スポンジなんて、喉でコモッコモいうから紅茶とかで流すもんだろ</p><br><p>と思っていましたが、実際本当に美味しいケーキを食べると</p><p>喉ごしがいいんですよねぇ。</p><br><p>喉ごしとはビールの賛辞、甘いもんにゃ使わんよ</p><p>なんていう固定概念が覆り、またひとつ経験を積み、</p><p>大人の階段を上りました。</p><br><p>おとなっていうか、もはやババアの階段の域にはいってきましたけどね。</p><br><br><p>とりあえず書店に並んでいる事に対する純粋な嬉しさを抱えつつ、</p><p>今日はジビエ祭り。</p><br><p>たっぷりの肉を喉ごしのいいビールで流し込んできます。</p><br><br><br>
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<pubDate>Thu, 10 Feb 2011 17:11:49 +0900</pubDate>
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<title>うずくまる</title>
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<![CDATA[ <p>彼女がうちの店に面接に来た日、</p><p>彼女は入口で段差でおもいっきりこけて</p><p>しばらくの間うずくまっていた。</p><br><p>足をひょこひょこさせながら店にはいってきた彼女に</p><p>僕は奥の空いている席で話をきいた。</p><br><p>面接としてはありきたりな質問をいくつかしただけだったが、</p><p>はきはきとした受け答えと、なにより笑顔が良かった。</p><p>あんな笑顔を向けられたら、</p><p>クレームをつけに来た客も　思わず許してしまうような、</p><p>野に咲く小さな花が、ぽんと開くような</p><p>そんな笑顔だった。</p><br><p>そんなに広さのあるカフェではないけれど、</p><p>彼女はちょこちょこと良く動いた。</p><p>店の中に迷い込んできた小さな蝶が舞うように、</p><p>各テーブルを拭いたり、注文を聞いたりした。</p><p>その愛らしさのおかげだろうか、最近ではこんな店には来ないような</p><p>老夫婦なども来店するようになった。</p><br><p>1か月ほどたっただろうか、彼女がまた派手にこけた。</p><p>あの面接の日から</p><p>彼女のひょこひょこ歩きは続いていて、</p><p>そろそろ治る頃だというのにまたこけた。</p><br><p>そうしてうずくまる。</p><p>お地蔵さんのように固く、丸く、ピクリともしない数十秒。</p><p>そして何事もなかったかのようにまたたちあがって</p><p>笑顔ですみませんとあやまった。</p><br><br><p>あぁ　そういうことだったのか。</p><br><br><p>なんで僕は、気付いてあげられなかったんだろう。</p><p>そんなことをしなくてもよかったのに。</p><br><p>ちょっといい？　と彼女を店の奥に呼ぶ。</p><p>ひょこひょこしながらやってきた彼女は開口一番</p><p>「さっきこけちゃってすみませんでした。」</p><p>と早口で言った。</p><p>むりやりにつくった笑顔には、</p><p>不安の色がにじみ出ていた。</p><br><p>僕は一呼吸置いて　</p><p>「じつはね、僕の妹がちょっとした障害をかかえていてね</p><p>でも一生懸命に頑張っている姿を見ると</p><p>本当に自分も頑張らなきゃいけないと思うんだよね。」</p><p>と言った。</p><br><p>彼女は膝が崩れるように、</p><p>そしてまたうずくまった。</p><br><p>今度僕の妹にあってくれないかな、</p><p>きっと勇気がわくと思うんだ。</p><br><p>そういって彼女の肩に手を置く。</p><p>うずくまって小さくなった彼女は</p><p>小さく揺れている。</p><br><br>
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<pubDate>Fri, 03 Sep 2010 15:26:27 +0900</pubDate>
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<title>指輪</title>
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<![CDATA[ <p>鈍器で殴られたような痛みで</p><p>うううとうずくまる。</p><p>殴られたのではなくて</p><p>自分でぶつけたのだけれど。</p><br><p>押し入れの中身を全部出して</p><p>中を掃除しようともぐりこんだところ</p><p>あの指輪を発見したのだ。</p><br><p>あまりの衝撃に中腰にしていた体を勢いよく持ち上げたら</p><p>後頭部を低い天井にぶつけてしまった。</p><br><p>うわぁ、ここにあったんだ。</p><p>ジンジンする頭をさすりながら、</p><p>あれから２年かぁと思いだす。</p><br><p>その日はなぜかイライラしていた。</p><p>髪の毛を短く切り過ぎた。</p><p>ヒールでこけて足を捻った。</p><p>録画ができていなかった。</p><br><p>どれも決定的ではないけれど、</p><p>とにかくイライラしていた。</p><br><p>その晩のことだ。</p><p>彼と二人で夕御飯を済ませたあと</p><p>ふと彼の手元を見ると、</p><p>おそろいでつけているはずの</p><p>指輪をしていない。</p><br><p>どうしたの？と聞くと</p><p>いや、実はなくしたみたいなんだ。</p><p>とさらっと言った。</p><br><p>とつぜん糸が切れた。</p><p>私はそこから</p><p>なんで？いつから？　どこで？</p><p>と詰め寄り、だいたいあなたはいつもそうじゃない</p><p>なんでそんなに平気なの？</p><p>と土石流のように攻め立てた。</p><br><p>いつもおとなしいはずの私が</p><p>ここまで言うのは始めての事だ。</p><p>しかし彼は何処か遠くを見るような目のまま</p><p>何も言い返さない。</p><br><p>私は　彼の心が少しずつ私から離れていっていたのを</p><p>気付いていた。</p><p>時間にルーズになり、</p><p>約束も破るようになり、</p><p>連絡が付かない日が度々あった。</p><br><p>でも、その理由を聞くことができなかった。</p><p>ただ、受け入れるだけだった。</p><p>私は彼と揉めるいう事が、一切できなかった。</p><br><p>指輪をなくしたとサラリと言われた瞬間</p><p>私は彼をあきらめた。</p><p>あきらめた途端、今まで抑えていた感情が</p><p>溢れだした。</p><br><p>別れましょうと言ったのは私だ。</p><p>彼から別れを告げられるくらいなら</p><p>私から、と思った。</p><br><br><p>なんでその指輪がここにあるのだろうか。</p><p>彼はこの押し入れを開けるはずがないのに。</p><br><p>彼は私と別れたかったのだろうか？</p><p>私と別れたいと思って指輪を放った先が</p><p>私の押し入れだとしたら</p><p>彼は迷っていたのだろうか。</p><p>それとも・・・。</p><br><p>「おーい　入るよー。」</p><p>と言う声とともに、玄関の開く音がした。</p><p>私は指輪を急いでポケットにしまい、</p><p>押し入れから這い出した。</p><br><p>「なにやってんの？」</p><p>「押し入れの掃除。」</p><p>「引っ越しはさ来週だよ。」</p><p>「うーん、でもまぁ準備ぐらいしておこうかなと思って。」</p><br><p>相変わらずだねとあの人が笑いながら言う。</p><p>そうしてその笑顔は満面に広がった。</p><p>「そう言えば、さっき店から電話があって、</p><p>結婚指輪出来上がったって、取りに行こうよ。」</p><br><p>私はそうねと答えながら、ポケットのなかに再び手を入れる。</p><p>そうして、所在投げにいる指輪をどうしたものやらともてあそんでいる。</p>
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<link>https://ameblo.jp/fubutterfly/entry-10620180166.html</link>
<pubDate>Sun, 15 Aug 2010 12:46:52 +0900</pubDate>
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<title>オレンジとバラ</title>
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<![CDATA[ <p>窓枠に小人が腰かけている。</p><p>「僕のおとうさんはバラの棘が刺さって死んだんだ。」</p><p>足をぶらぶらしながら小人は言う。</p><p>私は食器を洗いながら話半分で聞いている。</p><br><p>「バラの棘のせいで敗血症になったんだ。」</p><p>その言葉に、私は振り返る。</p><p>敗血症とは随分リアルな病名だ。</p><p>小人は振り返った私を見ると、ぱぁっと顔が明るくなった。</p><br><p>またいつもの嘘か、と私は洗いものに戻る。</p><br><p>最後の皿を洗い終えて、きゅっと蛇口を占め、</p><p>腰に巻いていたエプロンで手をふいた後</p><p>「どうして今日もうちにきたの？」</p><p>と小人に聞いてみる。</p><br><p>「別にどこでもよかったんだけどね。たまたまドアが開いていたから。」</p><p>「あら、可愛くない答えね。」</p><p>そう言って小人のおでこを小突いた。</p><br><p>小人は小突かれた頭をかきながら</p><p>最近僕の方には遊びに来てくれないねと言った。</p><br><p>「私あなたのところに遊びに行った事なんてあったっけ。」</p><p>「あったよ。だから僕だってここに来れたんじゃないか。」</p><br><p>冷蔵庫からジュースを取り出して、グラスに注ぐ。</p><p>鮮やかなオレンジ色がグラスを満たしていく。</p><br><p>あ、オレンジ。</p><p>記憶が突風のように頭に滑り込んでくる。</p><p>そうだ、オレンジだったんだ。</p><br><br><p>あれはアメリカに留学していた時のことだ。</p><br><p>坂の上からコロコロとオレンジが一つ転がり落ちてきた。</p><p>転がり落ちてきた方向を見上げると、　</p><p>一つ、またひとつと新しいオレンジが落ちてくる。</p><p>そうしてその先に、必死に敗れた紙袋の底を抑える</p><p>若いコックの姿があった。</p><br><p>まるで漫画みたいだなぁ。</p><p>私はその緩やかな坂をのぼりながら、</p><p>転がり落ちるオレンジを一つ一つ拾っていった。</p><br><p>そうしてそのコックのところまでたどり着くと、</p><p>「あなたのお店まで一緒に行きましょう。」</p><p>と私は言った。</p><p>コックの手元には、オレンジが3つしか残っていなかった。</p><br><p>まだ英語が上手ではなかった私に</p><p>彼はゆっくりと丁寧にお礼を言った。</p><br><p>夏の日差しの下を二人で歩いた。</p><p>彼は背が高く、なかなかの美男子だった。</p><p>だれかこの場面を写真でとってくれないかな、と思った。</p><br><p>彼は店の前まで来ると、自分が立派なコックになったら</p><p>必ず日本に行って、お店を開いてみせる、</p><p>そうして私をそのレストランに招待すると言った。</p><br><p>オレンジもまともに買えない彼がそこまで成長するには</p><p>何年かかるかしら。　と思いながら</p><p>まってるわ。と私は答えた。</p><br><br><p>あぁ、そういうことね、と小人に声をかける。</p><p>そういうことさ、と小人は答えた。</p><br><p>たまに来ないと、忘れちゃうよ。</p><p>そう小人が言ったかと思うと、小人は無数の小さい光に包まれて</p><p>光が消えるとともに姿も消えてしまった。</p><br><p>オレンジと薔薇を買いに、久々に家から出てみよう。</p><p>今日はあの日のように空が青い。</p>
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<pubDate>Mon, 02 Aug 2010 17:40:27 +0900</pubDate>
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<title>だまされる女</title>
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<![CDATA[ <p>泣いた女が　バカなのか<br>だました男が　悪いのか</p><br><p>どうせ私を　だますなら<br>死ぬまでだまして　欲しかった</p><br><p>と、これは昭和に流行った</p><p>西田佐知子の東京ブルースという歌。</p><br><p>時代は変われど男と女</p><p>そんなに事情は変わっていないかもしれない。</p><br><p>先日の玉置浩二と青田典子の結婚</p><p>怒りに燃える石原真理。</p><p>他人事だと懲りない奴らと笑えるけれど、</p><p>自分はそんな風にならない、絶対に大丈夫って言える？</p><br><br><p><strong>男の未来は７分後　女の未来は７年後</strong></p><br><p>そんなに好きではなかったけれど、</p><p>「一生君を大事にする。」</p><p>彼のその言葉を信じて、付き合い始めることにした。</p><p>それから３カ月後、彼の浮気が発覚し、事もあろうに別れを切り出された。</p><p>一生大事にするって言ったのに、彼は大うそつきだったわ！</p><p>私彼に騙されたのよ！</p><br><p>そういう話をたまに聞くのだが、私はいつもこう答える。</p><br><p>彼はその時は嘘をついていない、騙してなんていないのよ、と。</p><br><p>男のいう一生というのは、一生をかけても良いぐらい</p><p>の「今」なのである。　そうして今手に入れられたら、</p><p>そのままの気持ちが持続するのはせいぜい７分と思った方がいい。</p><br><p>ところが女のいう一生というのは、そのまま一生であって</p><p>そのくせリスクや損得を考えて、まぁ７年ぐらいは愛されると高をくくる。</p><br><p>そうして彼から別れを切り出されたときに、</p><p>愛されている自分の立場が上だと思っていた</p><p>プライドを傷つけられた、まさに飼い犬に手を噛まれたということで怒りが倍増、</p><p>騙されたということになるのである。</p><br><p><strong>女の嘘は愛嬌になる</strong></p><br><p>合コン終了後、自分の男友達とメールアドレスを交換した女がいる。</p><p>それを見てあなたは男友達に苦言を呈す。</p><br><p>あの子、男の前だと全然態度ちがうのよ。</p><p>普段は部屋も言葉づかいも汚いのに、</p><p>私きちょうめんなんですぅなんていって</p><p>気をつけた方がいいわよ。</p><br><p>さて、その話を聞いた男はどう思うか。</p><p>人の悪口を陰で言う女はいやだなであって、</p><p>態度が違う女は別にいいんじゃない？と思う。</p><br><p>女はコミュニティで生きてる。</p><p>なので、嘘をついてでも自分だけが得をしたいという</p><p>行動に対して怒りを覚える。</p><p>しかし男は一人で生きていかなければいけない。</p><p>時に孤独で不安になる。</p><p>だから、どんな嘘であれ自分に好かれるために向けられているものであれば</p><p>可愛いと思うのである。</p><br><br><p><strong>嘘の距離感の違いを理解する</strong></p><p><strong><br></strong></p><p>男の前で態度を変える女は、</p><p>遠い未来の約束も出来ないのに　</p><p>一生大切にすると言ってしまうのと同じである。</p><p>半分本気、半分嘘なのである。</p><p>だから男は自分も許してほしいという無意識もふくめて</p><p>そういう女を可愛いという。</p><br><p>嘘と騙すとは似ているようで違う。</p><p>嘘は瞬間に起こることで、騙すのは未来を含む。</p><br><p>男の嘘は女の言う騙すに値するほど深いものではない。</p><p>その違いを心に刻んでおかなければならない。</p><br><p>だまされるかどうか、それは最終的にあなたが何を望むかで変わってくる。</p><p>本気で一生彼と一緒にいたいと思ったら、</p><p>彼の言葉だけにあぐらをかくのではなく、</p><p>自分で先回りをして行動していかなければならない。</p><p>７分を７年に変えるのは女の腕次第なのである。</p><br><p>あなたを愛しています。</p><p>そう彼が言った瞬間は、決して嘘ではないのだから。</p><br>
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<pubDate>Tue, 27 Jul 2010 16:59:54 +0900</pubDate>
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<title>夜の自転車</title>
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<![CDATA[ <p>今日は飲みすぎてしまった。</p><br><p>お会計はいくらだったのか、そもそもちゃんとお金は払ったのか</p><p>あれ、どうやって店をでたんだっけ</p><p>そう思いながら自転車を漕いでいる。</p><br><p>蛇行しながらよろよろと坂を上りきると、</p><p>目が乾くほどのスピードで坂を下る。</p><p>何かのCMソングが頭の中を何度も流れる。</p><br><p>坂を下りきって右に曲がる。</p><p>すると急にペダルが重くなった。</p><p>誰かが後ろに乗ったらしい。</p><br><p>「私もうどこにも行かないよ。</p><p>真っすぐ家に帰るだけだから。」</p><br><p>「嘘よ</p><p>これから　行くところあるんでしょ。」</p><br><p>「まっすぐ帰るってば。」</p><br><p>「嘘よ</p><p>本当は行きたいんでしょ。」</p><br><p>行きたいところなんてない。まっすぐ帰りたい。</p><br><p>「あなたはどこに連れて行ってもらいたいの。」</p><br><p>「私はあなただから、あなたの行きたいところよ。」</p><br><p>私は知らない。私が何処へ行きたいかなんて。</p><p>家に帰って寝たい、それだけなのに。</p><br><p>と、突然ハンドルがぶれる。一瞬何かに乗り上げたらしい。</p><p>ハンドルがぐらぐらと揺れ、バランスを失う。</p><p>街の明かりが残像を残してぶれる。</p><p>転んじゃだめだ、転んじゃだめだ。</p><br><p>細かく蛇行を繰り替えして</p><p>なんとかバランスを取り戻した。</p><br><p>一旦自転車を停め、足をついて深呼吸をする。</p><br><p>あ、私行きたいところあった。</p><br><p>「1年前に行きたい。あの人がまだいた、あの世界に行きたい。」</p><br><p>「馬鹿ね、行けるわけないじゃないの。」</p><br><p>ふっと自転車が軽くなる。</p><p>頭にずっと流れていたのは</p><p>老夫婦が手をつなぎながら街をスキップしている</p><p>洗剤のCM曲だ。</p><br><p>振り返る。</p><p>私の自転車に荷台はなかった。</p><p>そうして、あの人って誰なのだろう。</p><br><br><p>今晩は雲がかかって月が見えない。</p>
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<pubDate>Fri, 16 Jul 2010 13:14:30 +0900</pubDate>
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<title>七夕の夢</title>
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<![CDATA[ <p>氷がたくさん入ったアイスティーをストローで回し、</p><p>全体がミルクティ色に変わったので、</p><p>私は昨日の話を始めた。</p><br><p>多摩川がほど近い街の、路地裏にある</p><p>小さな出版社との打ち合わせが</p><p>予定より随分早めに終わった。</p><p>今日は会社に戻らずにそのまま直帰できる。</p><p>せっかく時間が出来たので</p><p>買いものでもして帰ろうかなと思う。</p><br><p>あの角を右に曲がると、小さな郵便局があって</p><p>その先を斜めに入ると、駅までの近道だったはずだ。</p><p>そう思ってその小道に入ると、前に来た時と風景が違う気がする。</p><p>なにより、こんなところに美容室なんてなかったはずだ。</p><br><p>そういえばここ3カ月ぐらい髪の毛を切っていない。</p><p>伸び放題の髪を一つに結えているだけ。</p><p>時間もあるし、久々に髪の毛でも切っていくか。</p><p>そう思って、ツタの絡まった一軒家の扉を開けた。</p><p>入口のモロッコランプが、こころなしかゆったりと揺れた。</p><br><p>店内は、お香が炊かれているのだろうか</p><p>甘くスパイシーな香りで包まれていた。</p><p>根元から髪全体に、強いパーマのかかった</p><p>長い髪の女性がゆっくりと振り向いて</p><p>ようこそ、と微笑みながら言った。</p><p><br></p><p>その店は椅子が一脚しかなく、</p><p>椅子の前に置かれている鏡は異様に大きい。</p><p>そういえば、どうしてこの店が美容室だと解ったのだろう。</p><p>入口には美容院を示す物が何もなかったのに。</p><br><p>こちらへどうぞ、と女性はその一脚しかない椅子を指した。</p><p>誘われるままに椅子にすわると、</p><p>その目の前の大きな鏡に呑みこまれそうな気がする。</p><br><p>「外暑かったでしょう。よかったら冷たいお茶のみませんか？」</p><p>そういって女性は、</p><p>金色の美しい模様の入ったグラスを</p><p>鏡の前にある小さなテーブルに置いた。</p><br><p>それを手に取り、一口飲む。</p><p>アルコールが入っているのだろうか、</p><p>一瞬喉が熱くなったかと思うと</p><p>突然意識が朦朧としてきた。</p><p>そうして景色がぐにゃりとゆがみ、</p><p>遠くで　美味しいでしょうという声が聞こえた気がした。</p><p>その声はリフレインを繰り返して、消えていった。</p><p><br></p><p>気がつくと私は砂漠の真ん中で</p><p>金色に輝く蛇と対峙していた。</p><br><p>どうしたいの？</p><p>蛇は薄いグラスを弾いたような、澄んだ声で聞いてきた。</p><p>どうしたいの？</p><p>私はどうしたいのだろう。</p><p>何を迷っているのだろう。</p><p>何かが私の中で声を上げようとしている。</p><p>蛇はしゅるしゅると足元に近づき</p><p>そうして脚から腰を這い上がり</p><p>ついに耳元でまでやってくると</p><p>どうしたいの？</p><p>と囁いた。</p><br><p>私は目を閉じ、声を絞り出すように言った。</p><br><p><br><br></p><p>カットとカラーとパーマをお願いします・・・。</p><br><br><p>目をあけると私は</p><p>シャンプー台の席に寝そべり、</p><p>頭を洗われていた。</p><br><br><br><p>と、くりくりにパーマのかかった毛とつまんで、</p><p>伸ばしながら私が説明すると、</p><br><p>そんな事言わなくても大丈夫だよ、</p><p>可愛いって、失敗じゃないって。</p><br><p>友人が言った。</p>
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<link>https://ameblo.jp/fubutterfly/entry-10583469497.html</link>
<pubDate>Tue, 06 Jul 2010 22:02:48 +0900</pubDate>
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<title>ワールドカップの日の夢</title>
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<![CDATA[ <p>巨大なタコのオブジェが中央に鎮座ましましている通称タコ公園は、<br>渋谷川という人工の川沿いにあって、<br>その川と公園が面している丁度真ん中あたりから川の反対岸に向けて<br>簡素なコンクリートの橋が渡してある。<br>川自体は壁面も川底も全てコンクリートでできているので<br>その川の橋としては違和感はないのだけれど、<br>「橋」という言葉が孕む風情というものは全くない。<br><br><br>川を渡った先はローソンとマンションの後ろ姿で、<br>その間を抜けると明治通りにぶつかるのだが<br>そのぶつかるほんの少し手前に、深い穴があいてある。<br>とはいえその穴にはいつも蓋がしてあるし、<br>穴の前には常に<br>「危険！」<br>と書かれた標識が置いてある。<br>そのはずなのに、なぜか昨日は蓋もなければ標識もなく、<br>その時私の意識がそぞろで<br>あっ！と思ったが時すでに遅く<br>穴にスポンと落っこちてしまった。<br><br><br>その穴はどうやら海と繋がっていたようで、<br>アジの群れを突っ切り、昆布の林を抜けていく。<br>今日の財布が小銭でいっぱいだったせいか<br>それが錘となって、どんどん深みへと落ちていく。<br><br><br>どれぐらい落ちたのだろうか、自分の足の底に何かがあたる感触があって<br>砂がゆっくりと舞い上がった。<br>どうやら深海の底にたどり着いたらしい。<br>クリスマスの電球を纏ったようにぴかぴかと光るクラゲや<br>カネゴンのように口がめいいっぱい裂けていて、目が中央に一つしかないアンコウ<br>背中にアゲハ蝶のような羽をつけた真っ赤なタツノオトシゴなど<br>見た事もない海洋生物が、目の前をゆらゆらと通り過ぎていく。<br><br><br>小さい頃、親に連れられて水族館に行った時に感じた<br>体から心だけが抜き取られていくような不思議な感覚で生き物たちを見ていると、<br>すこし先にプレハブの建物があるのを発見した。<br>月面を歩くように、ふわりふわりとジャンプしながら近づいてみると<br>その建物の入り口には電飾で囲まれた巨大な看板が掲げてあって<br>「海鮮居酒屋プレハブサブマリン」と書いてある。<br>私はカラカラとその店の扉を開け、中に入ってみた。<br><br>厚い木の板で出来たコの字形のカウンターのなかに<br>マグロやらタコやらイカやらがせわしなく作業をしている。<br>大きな寿司屋といったような造りだ。<br>お客さんが数人いるようだが、顔のあたりが滲んで良く見えない。<br><br>「へいらっしゃい！そちらの席にどうぞ！」<br>カウンターの中から声がして、アルバイトの伊勢海老が振りかえる。<br>私は伊勢海老に促されるままカウンター席の一つに通された。<br>椅子の足にはびっしりと貝が付着していている。<br><br>「何にいたしやしょう！」<br>大将であろうマグロが威勢よく声をかけてくる。<br>特に何が食べたいかが浮かばなかったので、<br>「えーっと・・今日のお勧めはなんですか？」<br>と聞いてみる。<br>「うちは何でも旨いよ！今日はまだ中トロがあるけどこれなんかいいよ！」<br>「じゃぁそれで。」<br>と私が言うと、マグロは大きめの出刃庖丁を持ち上げたかと思うと<br>おもむろに自分の中トロがある部分に差し込んだ。<br><br>カウンターの中を良く見てみると、6本足のタコや半身のアジなど　<br>みな一部が欠けている。<br>「はいおまち！」<br>という声で我に帰ると、目の前には艶々と光る新鮮な中トロの刺身が並べられていた。<br>私はそのうちの一切れにワサビをちょんとのせ、醤油をつけて口に入れてみた。<br>マグロの甘い油が口の中でふわっと溶ける。　それをワサビの辛味がきゅっとしめて<br>ゆっくりと胃袋を下っていく。<br>そういえばここのところずっと食欲がわかず、ほとんど何も食べていなかった。<br>胃袋にしみる。心にぽっと灯がともる。<br>もう一切れ、もう一切れ、部屋にろうそくが一つずつ灯っていくように<br>心の中の何かが晴れていく。<br>と、カウンターの奥の方から声が聞こえる。<br>さっきのタコだ。<br>「タコもうまいよ！どう？」<br>すると横にいた片耳の無いイカが<br>「イカだって負けちゃいないよ！」<br>と言う。<br>「じゃぁ　タコとイカをください。」<br>タコはまだ数があるから余裕だよというように、スパンと足を一つ切り落とし<br>薄造りにしてく。<br>イカは腰回りのスカートのような部分に包丁をいれて、<br>ぐるっと一周切り取ると、鮮やかに刺身にしていった。<br><br>薄緑色のガラスの皿の上に盛られた<br>タコの薄造りとイカ刺しが目の前に運ばれた。<br>タコの薄造りにポン酢をつけて口に入れる。<br>きっちょんきっちょんという歯ごたえとともに、うまみがしみだしてくる。<br>そのうまみをいつまでも味わいたいのに、気付くと喉の奥に吸い込まれてしまう。<br>ぱっと目を挙げてタコを見る。<br>したり顔をしたタコと目が合って慌てて視線を外して皿に戻す。<br>イカ刺しをつまむ。<br>箸で持ち上げると、イカ刺し越しに景色が見えるほど透き通っている。<br>生姜醤油をちょっとつけて食べてみる、きゅるんという歯ごたえ。</p><p>そうしてとびきり甘い。<br>もう一度タコの方を見てみる。</p><p>するとタコとイカはお互いを肘でつつき合いながら<br>こっちをみて笑っていた。<br>おもわず私も笑みがこぼれる。　彼らに向かって会釈をした。<br><br>「ナメロウなんてどうだい！」<br>とタコとイカの反対側にいたアジが声を上げた。<br>アジはすでに半身がなく、レントゲン写真みたいに骨が見える。<br>「じゃぁ　それもください。」<br>そう言うと、アジは残りの半身を包丁でこそぎ落し、<br>もはや頭と骨と尻尾だけになった姿で</p><p>その身と味噌とネギと生姜を混ぜてたたいた。<br>そうして出されたナメロウも、申し分なく美味しくて、たんっと舌が鳴った。<br>お礼を言おうと思いアジの方に目をやると、<br>アジはすでにふらふらと店の一番奥に向かって歩き始めていて、<br>私が声をかける間もなく、じゃぁ出汁になるわ、と言って<br>寸胴湯船に体を沈めてしまった。<br><br>私は急に悲しくなった。唯悲しくなった。<br><br>「あんただってそうだろ」<br>顔を上げるとマグロの大将が皿に乗せた葡萄を出した。<br>「これはなんですか？」<br>「これはね、スタインベックの怒りの葡萄だよ。」<br>スタインベック？怒り？何の事だろう。<br>私が何も答えられずにいると、マグロは言った。<br>「おねえちゃんだめだなぁ！スタインベックも知らないの。だめだよ、勉強しないと。<br>世の中はね、色んな事があるんだよ。そうやって色々知るとね、<br>俺らみたいに幸せにいられるっていうわけだ。」<br>と言って、笑顔でえらをひくひくさせた。<br><br>「まぁそりゃ冗談だ、これは深海の海葡萄だよ。これ食べたら、もうあんたは大丈夫だ。」<br>私は小さな粒々が連なった七色に輝く海葡萄を口に入れる。<br>噛むと粒が弾けていく。<br>すると　一センチ、2センチと体が浮きあがり、<br>そのうちふわふわと店内を回遊し始めた。<br>お風呂の栓を抜いた時のような<br>ゆっくりとした渦が起こる。<br>ウィーオールリーブインザ　プレハブサブマリン　プレハブサブマリン　プレハブサブマリン<br>ビートルズのイエローサブマリンの曲にのった替え歌が流れている。<br>それにのるように私の体も回遊する。<br>アルバイトの伊勢海老が入口の扉を開けた。<br>するとその方角へ私はゆっくりと流されて<br>そのまま促されるように店の外に出てしまった。<br>ぷちんぷちん。<br>胃袋の中でウミブドウが弾け続ける。<br>そのたびにどんどん上に上がっていく。<br>落ちてきたときに通った昆布の林が頭上に見える。<br>あぁ私は戻るんだと思った瞬間、<br>わーっという大きな歓声が聞えて振りかえった。<br>サッカーワールドカップの試合で日本がデンマークに勝利して、<br>決勝リーグに進出が決定した瞬間だった。<br><br>ローソンの正面の壁にかかったスクリーンの前に集まっていた<br>青い服を着た人たちが跳ねている。<br>その人たちが闇雲におめでとうおめでとうと言っている。<br>そうして私の姿に気がつくと、私にも笑顔でおめでとうございます！と言った。　<br>ありがとうございます、と私はといった。<br>エヴァンゲリオンの碇シンジか、と可笑しくなった。<br><br>街のあちこちから歓喜の声が聞こえる。<br>皆本当に嬉しそうな顔をしてる。<br>梅雨のド真ん中だというのに空は晴れ渡り、<br>しっとりとした空気の中にも早朝ならではの爽やさが溢れ、<br>チュンチュンと鳥たちがさえずっていた。<br>久々に本当に心地のよい朝だった。<br><br>私はしばらく空を見上げ続けていた。<br>そうして携帯を開き、メールを打とうと彼の名前を検索して<br>そのアドレスをしばらく見続けた後、<br>彼をアドレス帳から削除した。<br></p>
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<link>https://ameblo.jp/fubutterfly/entry-10573179292.html</link>
<pubDate>Fri, 25 Jun 2010 17:10:15 +0900</pubDate>
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