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<title>柳緑花紅～やなぎはみどり、はなはくれない</title>
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<description>柳はただ緑で、花はただ紅い。散歩中に見えたものを、色を塗らずにそのまま手渡す随想です。</description>
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<title>手が止まった朝。維摩経。</title>
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 随想   手が止まった。　キーボードを打っていたはずだった。何の仕事をしていたかは覚えている。でも、ある瞬間、指が動かなくなった。止めたのではない。止まった。画面の文字がすこし遠くなって、部屋の空気だけがやけに近くなった。　数秒だったのか、もっと長かったのかわからない。最近は空気の循環も気にしていて、部屋の植物たちも元気に暮らしている。　何もしていないのに、息は自然と吸って吐き出している。自分で動かした覚えはない。止めようとしなくても止まらない。動かそうとしなくても動いている。吸うと吐くを分け
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<dc:date>2026-07-31T10:37:00+09:00</dc:date>
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<title>確かめられないまま、ここにある。</title>
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随想　　歩いていたら、信号が変わった。曇り空で、今にも降り出しそうな朝だった。風はなく、生ぬるい空気が街道沿いに溜まっている。中学生の自転車の群れが横を通り過ぎ、通勤ラッシュの車がさらにその横を抜けていく。背筋をまっすぐ伸ばして歩く人がいて、ああ美しいな、と思った。ぽつりと一滴、頬にあたった。でも、降り出さなかった。　信号が青に変わった。　でも、あの色は緑だった。　●　昔からずっと、あれは緑に見えている。誰に聞いても、たいていは「緑だよね」と言う。最近の信号はLEDに変わって、昔よりすこし青緑に
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<dc:date>2026-07-17T10:49:33+09:00</dc:date>
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