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<title>じぇっとエッセイ</title>
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<description>￢（゜～゜）Γ</description>
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<title>終わらない初詣３</title>
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<![CDATA[ 年が明けて一週間が経ち、ブッキングも平常に戻った。<br>しかし、イワムラ君は帰ってこない。<br>「ギター１本あれば何とでもなるし、なんとかする。」ってのが当時からの俺の持論で、多少の不安はあったにせよ毎週金曜日の夜はそのまま弾き語りを続けた。<br>一ヶ月が経ち、二月になった。普通、二月ってのはどこの飲食店も暇になるのだが、なぜか俺の歌う日の客入りは増えていった。<br>目の前に客がいれば歌うのが俺の仕事だ。けっこう必死になって歌った。全く聴いてくれない人もいれば、涙を流しながら聴いてくれる人もいる。<br><br>酔っ払って絡んでくる人もいれば、一生懸命チップをくれようとする人もいる。チップは店のオーナーが「あげちゃダメ、癖になるから！」とか言って断ってたが・・・<br><br>親戚の伯父さんがくれる小遣いじゃ有るまいし！<br><br><br><br>¬（゜～゜）Γ<br><br><br>そんなこんなでそろそろ春になろうかというある金曜日の夜、一回目のステージが終わり、少し休憩。二回目のステージの時間が来たので歌っていると「毎度～っ。」と、ギターケースをぶら下げたイワムラ君が顔を見せた。<br><br>「長い初詣やな、しかし！」とステージ上からマイクで突っ込む。<br>「毎度～っ。」ニヤニヤしながらケースからギターを出し、アンプに繋ぐイワムラ君。<br><br>何事もなかったように俺の隣でギターを弾いている。<br><br>釈然としないものはあったが、やはり相棒が帰ってきたのが嬉しく、「師匠、なんか嬉しそう！」などと客席にいる女の子たちにからかわれたりしながら歌う。<br><br>翌週から客が減っていった。<br><br>自分に仲間がいるという意識がどこからか“甘え”を呼んだのである。わざわざ金を払って“甘えさせる”のはキャバクラの客くらいなもんである。<br><br>ベースとドラムを入れてバンドでやってみたりもしたが、あまりうまくいかずベースの奴が抜けた（モッズになるとか言ってベスパを買ってたな）のをきっかけにバンドは解散。<br><br>そして誰もいなくなった。
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<pubDate>Thu, 08 Nov 2007 13:20:31 +0900</pubDate>
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<title>終わらない初詣２</title>
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<![CDATA[ とりあえず店に戻る。「きゃーーっ、師匠！」とほかの曜日に出てるユニットを観に来た女の子たちに捉まったりしながら（当時なぜか俺は年下の子たちに師匠と呼ばれていた。たぶん俺が偉そうだったからだと思う。）ウイスキーを飲んで騒ぐ。近隣の店のオーナーがうるさいと怒鳴り込んで来たりしていたがお構いなし。オカマチックなオーナーは多少青ざめたりしていたが長時間のイベントということで客もじっとしてはいない。再入場可ってのもあって入れ替わり立ち替わり騒ぎまくる。気付くと年が明けていた。<br><br>「ちょっと生田神社に初詣に行ってくるわ。」ジントニックをしこたま飲んでご機嫌なイワムラ君が言う。「ええけど次の次が俺らの出番やからそれまでに帰ってきてな！」<br>イワムラ君は付き合い始めたばかりの彼女と初詣に行ってしまった。<br>「師匠ーーーっ！遊びに行こーーうっ！」「うりゃうりゃーーっ」「エッチーッ！」どさくさにまぎれて女の子たちの胸を鷲掴みにしたりしつつ（無敵モード）ぞろぞろと俺も散歩に出かけた。<br>大晦日は電車も終夜運行していて三ノ宮の駅裏にも人波が絶えない。顔見知りのストリートミュージシャン（すんごく下手）をからかったりして遊んでいるとチャキチャキと金属を擦るような音が聞こえてきた。<br><br>「おいコラ、ワレ、いちびっとったらあかんど！」<br><br>頭の悪そうな兄ちゃんが俺にバタフライナイフを突きつけてきていたのだった。<br><br>¬（゜～゜）Γ？？？<br><br>じ「いちびってるのはあなたの方ではないですか？」<br>兄「なんやとコラ、イテまうぞ！」<br>じ「いいけど、あんまり痛くしないでくださいね（はぁと）。」<br>兄「ええ加減にしとけよ！」<br><br>兄ちゃんはそう吐き捨てて逃げるように去っていった。後ろを振り返ると俺の知り合い（ケンカ強い）が拳を固めて立っていた。<br><br>¬（Ｔ～Ｔ）Γ助かった<br><br><br>そうこうしている内に出番が近づいてきたので再び店に戻る。<br><br>あと２、３０分もすれば俺の出番だ。<br><br>¬（゜～゜）Γあれ？イワムラ君は？？？<br><br><br>イワムラ君が見当たらない。それどころかセッションを頼んだメンバーが誰一人としてその場にいなかった。さらに悪いことにバンドでやるつもりだった俺はギターを持ってきていなかった。これじゃ弾き語りもできない。<br>参った。客席にはありえないくらい人が溢れている（100人くらいいた）。いままで観に来てくれていたお客さんが初詣がてら一度にみんな来てくれていたのだ。人が多すぎて入れない人までいる。参った。<br><br>参ったが参るわけにもいかず、その場に居合わせたバンドの人たちにセッションしてくれるようにお願いする。ろくに打ち合わせもできないままいざ本番。<br><br>ハーモニカを吹きつつ力任せに歌う。俺の曲（ってかネタ）のコード進行はこれ以上ないほど単純なので打ち合わせなしでも何とかなってしまった。何とかなってしまったどころか腰を振って踊りだす子がいたり、ほとんどの人が大きな声で一緒に歌ってくれたりして本格的に盛り上がった。<br><br>よかった。こんなの生まれて初めてだ。<br><br>セッションしてくれたバンドの人にお礼を言う。<br><br>ギター兼ボーカルの人が話しをしようというので外に出た。<br><br>「自分、なんで○○○○出すかなぁ？」その人が俺に言う。<br>俺は酔っ払うと脱ぐ癖があった。その人はさらに続けた。<br>「いいもん持ってんだからちゃんとやりなよ！」<br><br>ありがたい話だ。しかし俺は他人に褒められた経験がほとんどなく、なんだかとても照れ臭かったのでいい加減に笑うのが精一杯だった。<br>これからはちゃんとしよう。口には出せなかったがそう思った。<br>「とりあえず戻りましょう。」その人と店に戻りまたウイスキーを飲む。<br><br><br>飲んでるうちに朝になりイベントは終わってしまったがイワムラ君が戻ってくることはなかった。
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<link>https://ameblo.jp/handsomejet/entry-10054331817.html</link>
<pubDate>Wed, 07 Nov 2007 09:04:39 +0900</pubDate>
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<title>終わらない初詣</title>
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<![CDATA[ 路上で歌うのをやめた俺は件のバーで歌うのを毎週金曜日に変えてもらった（こう書くとバイトのシフトみたいだな）。<br>ファンクラブを作ってあげるといってくれた人が毎回何人かお客さんを連れてきてくれとても助かった。どうも昔っから人にライブに来てって言うのが恥ずかしいというか苦手なのだ。<br>例によってイワムラ君に適当なギターを弾いてもらい、俺は俺でもっと適当なギターを弾きながら歌う。思い出すのも恥ずかしいほど酷い演奏だったはずだが、こっちもお客もかなり酔っていたため上手いとか下手とかはどうでもよかったんじゃないかという気もする。所謂「酔っ払った勢い」ってやつである。<br><br>ギャラが安く、常に暇な俺はなんだかんだで重宝された。その店は土日になるとバンドを入れるのだがたまにレパートリーが少なくてワンマンができないバンドの対バンが見つからないときなどに助っ人として呼ばれたりした。あるときどこかの大学の軽音楽部のバンドと対バンさせられたことがあった。<br>アマチュアのバンドのライブの客は一般的にそのバンドの知り合いばかりってことが多い。その軽音楽部のバンドのときも客席を見ると大学生ばかりだった。<br>とりあえず俺が先に歌って客を温めろってことだったが、目の前にいるのは“知らない人の知り合いの集団”である。普通に歌っても見向きもしてくれない。<br><br>どうしたらいい？相手は学生ばかりだ。俺は少し考えた。そして<br><br><br>「どうもこんばんは！これといった芸もないので、一気いかせていただきます！」とウイスキーの一気飲みをすることにした。<br>ロックグラスになみなみと注がれたワイルドターキーをあおると客席から拍手と歓声が沸き起こった。<br><br><br>よっしゃ、これでこっちのもんや!いちど掴んでしまえば大丈夫。歌も聴いてくれる。小ネタも受ける。対バンの人も喜んでくれた。さらに酒が進む。気がつくとなぜか対バンの打ち上げに参加していて目が覚めるとボーカルの女の子の部屋だった。<br>「やっちゃいましたか、俺？」<br>「しっかり二回(笑。」<br><br>たぶんなにもしてないが記憶がない。<br><br>アルコールってのは恐ろしい。<br><br>ジーパンのポケットの中には打ち上げに来てたなかでいちばんかわいい女の子の電話番号が書かれた割り箸の袋が入っていた（かわいい子のことはしっかり覚えてたりする）。<br><br><br>別の日曜日、電話で呼び出されて違うバンドの対バン（俺はひとりだが）をやることになった。客席はいっぱいなのにどうも様子がおかしい。そのバンドは客席を埋めるためにタダでチケットをばら撒いたのだった（どっかのプロレス団体みたいだ）。実際タダでも聴きたくないようなつまらない演奏。まったく盛り上がらない。今回俺の出番はそのバンドのあとだった。アコギの弾き語りってだけで拒絶反応をおこす人もいれば知り合いの演奏が終われば他のは聴かずに帰ってしまう人もいる。客席はスカスカになってしまった。<br>こういうときはきっちり歌うに限る。アルコールを少し控えなるべく丁寧に歌う。<br><br>一曲歌い終えると後ろのほうの席にいた女の子たちが最前列まで移動してきた。そのうち二人はかなりかわいい。俄然やる気になる。かわいい子に見られてると思うと男ってのはがんばってしまうものなのである。<br><br><br>何曲か歌って出番が終わった。最前列に座ってた女の子たちが話しかけてくる。<br>「すごくよかったです。泣きそうになっちゃいました。」<br>「そりゃどうも。」<br><br>“泣く”までには至らなかったようである。<br><br>「なんか封筒にチケットを入れて無理やり送りつけられてイヤイヤ来たんですけど、よかったです。」<br>かわいい子は何を言ってもかわいい。<br>とりあえずかわいい子２人の電話番号を教えてもらったりしながらその夜は気分よく帰ることができた。<br>次の日２人に電話をかけてデートに誘ってみたもののやんわり拒否されたがその子たちとはなぜかしばらく手紙や電話のやり取りなどをした。<br><br>歌ったり酔っ払ったりそんなことをくりかえしているうちに少しずつお客さんが増えていった（日によっては３人なんてこともあったが…）。<br>ある金曜日、イワムラ君とのコンビで歌って酔っ払って帰ろうとしたら店の出口で女の子が待っていた。<br><br>（これが“出待ち”ってやつですか！）なんて思いながら通り過ぎようとすると・・・<br><br><br>「あのー、・・・。」（きたきた）<br>「なに？」わざとぶっきらぼうに答えてみる（アーティスト気取り）。<br>「あのー、えっとー、・・・・・・・。ギター下手ですね！」<br><br><br><br><br><br><br><br><br>¬（゜～゜）Γなんじゃそりゃ<br><br><br><br>「いつもおんなじところで弾き間違ってますよ。ところで○○さん（店のバイトの男前）って何時までですか？」<br>イワムラ君は肩を震わせて笑いを堪えている。<br>帰ってからしばらくブルーだった。<br><br>こんなときはかわいい女の子としゃべるに限る！時間は遅かったがこないだもらった箸袋に書かれた番号に電話してみた（※当時は携帯電話なんて普及してなくて女の子の電話番号は貴重だったのですよ）。<br>「もしもし。」<br>「どうしたの？こんな時間に。」彼女は一人暮らしだった。<br>「じつは今日あーでこーで・・」さっきの出来事を話す。<br>「ぎゃはははははは」<br>「ってなわけでデートしてくれ。」<br>「断る（笑。そのうちライブ見に行くわ。」<br>ありがたいやら寂しいやら。<br><br><br>次の日、何食わぬ顔でミコとデートした。大阪のミコの実家を訪ね（ケーキ持参）、珍しいことに彼女の母親にも気に入られ、ミコの妹（中３）の作る手料理などごちそうになる。昨日まで他の女の子を口説いたりしたことを後悔した。<br><br>¬（゜～゜）Γしかし反省はしていない<br><br>そして冬が来た。<br>コバヤシさんのブルースバンドでハーモニカを吹くために練習スタジオに入る。<br>ボーカルのアオキ君が新しくやることになった曲（古いシカゴブルース）の歌詞が書かれたノートを見ていた。<br>輸入盤のレコード（CDも）には歌詞カードの付いていないものも多いのでいざその曲をコピーしようと思えば自分の耳で聞き取って書き留める必要があるのだ。<br>「この曲ってどんな歌詞なん？」音源ももらわずに適当にハーモニカを吹くだけの俺はアオキ君に訊いた。ノートを隠すアオキ君。<br><br>？？<br><br><br>隠されたら見たくなるのが心理である。<br><br>「ちょっと見せてーや！」と無理やりノートを奪うとそこにはアルファベットではなく意味の分からないカタカナの文字が並んでいた。<br><br>「なあこの、“ピテトゥルアメフレヤー”って何？」 <br><br><br>「レコード聞いたそのまま書いとんねん。英語分からんし。」<br><br>しかしそのノートに書かれた歌詞（？）を見ながら歌うアオキ君の歌は誰が聞いても（アメリカ人を含む）英語に聞こえるのだ。<br>いまだに不思議である。<br>ピテトゥルアメフレヤーなんて英語はどこにもないんだから。<br><br><br>やがて練習が終わりバンドのメンバー全員でロイホへ。<br>新しく入ったベースの子（しょうもない大学のブルース研究会の部員）がバンドの音についてやたら熱く語る。<br>「もっとシカゴにこだわりを！」<br><br>ウザっ！<br><br><br>「真っ黄っ黄ぃの顔さらして何がシカゴじゃボケ！」<br>その場でバンドをやめた。<br><br>年の瀬が押し迫ってきた。バンドはやめたがイワムラ君とのユニットはそのまま続けることにした。ある日のこと、「大晦日にオールナイトでイベントをやるから出てね（はぁと）。」とオカマチックなオーナーが言うので普段とは何か違うことをやろうといろいろ考えた。<br>考えてはみたものの、相変わらず俺にはこれといった芸も無く困り果ててしまった。<br><br><br>他力本願<br><br><br>困ったときは誰かに頼もう。俺は毎日店に行っては酒を飲んでゴキゲンになってる他の曜日の出演者にセッションしてくれるよう持ち掛けた。<br><br>「いいよ。」と、けっこう簡単にメンバーが集まり、当時の俺としては強力なバンドが出来上がった。しかし時は12月、俺以外はみんな忙しく練習スタジオに入ることも儘ならない。結局ぶっつけ本番で大晦日を迎えることになった。<br><br>そして大晦日、夜７時からイベントが始まった。<br>トップバッターのユニットの演奏を聴きながらバーボンをあおり、イワムラ君と軽く今夜の打ち合わせをする。<br>思い出したように「年越しそばを食べに行こう。」とイワムラ君が言い出したので近所のそば屋に行くことにした。<br><br>大晦日だけあって客でごった返すそば屋に入る。<br>「ご注文は？」と聞かれたので「ビール。」と答える。イワムラ君もそば屋の店員も？？？みたいな顔をしていたが他には何も頼まなかった。そこの蕎麦は殺人的にマズいことを俺は知っていた。<br><br><br>蕎麦を啜るイワムラ君を見て（マズそう）とか思いながらビールを飲み干し、そば屋を後にする。<br>あと何時間かで今年も終わりだ。
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<pubDate>Mon, 05 Nov 2007 20:11:45 +0900</pubDate>
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<title>焼き肉ストリート３</title>
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<![CDATA[ 路上で歌い始めて３ヶ月ほど経ったある日、暇つぶしに元町の楽器屋に立ち寄った。壁一面にバンドのメンバー募集の貼り紙。その中の一枚が目に留まった。<br>【全パート募集  ボーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボード、ハーモニカ、ホーンetc.】<br>何じゃこりゃ？“全パート募集または加入希望”ってのはよく友達がいないボーカリストが貼り付けてるけどボーカルも募集してるし…。なんか気になったので電話をかけてみた。<br>じ「あのー、貼り紙を見てお電話させていただいているのですが…」<br><br>マクドナルドで待ち合わせてその人に会った。ラスタカラーのTシャツを着た怪しい中年の男の人だった。コバヤシと名乗るその人が俺に楽器は何が出来る？と訊くのでアコギとハーモニカと答えたらハーモニカを持って練習スタジオに来いという。よく分からんがとりあえずスタジオに行ってみることにした。つまらんかったら帰ったったらええし。<br><br>春日野道にある練習スタジオ（いまはもうない）に入るとすでに何人かが練習していた。コバヤシさんはギタリストでかなり上手い。全員が集まったところで紹介された。ドラム、ベース、ピアノ、ギター×２、テナーサックス、ボーカル。俺が入ると８人編成のバンドだ（多いよ）。とりあえずという感じでセッションする。スリーコードのブルースばかり。全部同じに聞こえたが違う曲だそうだ。わからないまま適当にハープを吹くと「ええ感じやん、ものっそブルージーやん！」と若いギターの人に言われ困惑した。<br><br><br>２時間くらいグダグダと音を出してその日は終わった。全員でロイホ（！？）に移動してグダグダと話をする。何人かがブルースについて熱く語ったりするのだが俺はあまり聞いてなかった。つまんねーなあ帰っちゃおっかなあとか思いながらタバコを吸ってるとライブの日取りが決まっていた（早いよ）。<br>ロイホを出ると若い方のギタリストが話しかけてきた。<br>ギ「普段どんなん聴くん？」<br>じ「んー。トム・ウェイツとかライ・クーダーとか…。ブルースやったらロバジョンとかサン・ハウスとかチャーリー・パットンとか。」<br>ギ「渋っ。」<br>じ「…。」<br><br>会話はそれほど弾まない。<br><br>何度か練習スタジオで音を出すうちにライブの日が近づいてきた。例によってロイホで２、３時間だべる。音楽の話が嫌いな俺には苦痛だったがメンバーの半分が下戸だったので仕方ないといえばそうだった。<br>ふとコバヤシさんが「自分、道ばたで歌っとうんやろ？今度のライブで前座やるか？」と言ってきた。「やります。」と俺は答えた。若い方のギタリストに「横でギター弾いてぇや。」と頼む。そこで即席のユニットが誕生したのだった。<br><br>ライブは日曜日の昼間だった。コバヤシさんとボーカルのアオキ君がたくさんお客を呼んでいたので店の中は人で溢れていた。<br>お客は「キャーッ、久しぶりぃ」だの「うおー、どないしとったん？」だの言って騒いでいる。全然知らない学校の同窓会に紛れ込んでしまったような気分のまま前座の出番を迎えた。<br>客電が落ちる。ざわついたままの客席。俺はチューニングをしながら「キーはＢ♭。適当に弾いてくれ。」とものすごくいい加減なことをギターのイワムラ君に向かって言った。精一杯デカい声で歌ったが客席は静かにならない。俺の隣ではイワムラ君が見事に“適当な”ギターを弾いてくれていた。歌い終わると思い出したように客席からパラパラと拍手が起こったが義理以外の何物でもない。<br><br>かなり悔しい思いをしながらギターをケースにしまい込むとほどなくバンドの演奏が始まった。さっきまでとは打って変わって盛り上がる客席。「くだらねー、ケッ！」などと思いながら（負け惜しみ）ハーモニカを吹く。悔しいので割り振りを無視して吹きまくる。…がまったく誰もこっちを見ていない。<br><br><br>チキショー、目立ちたいぜ…<br><br>そこでひらめいた！<br><br><br>※ここでいう「割り振り」とはそれぞれが担当するソロパート及びその直前のバッキングパートを指し、それ以外は余計なことをしないのが基本（古いけどディープパープルの演奏なんかを聴いてみるとよくわかると思います）。<br><br>ギリシャの古い諺に「目立ちたいなら尻を出せ」というのがある（ねーよ）。とにかく目立ちたかった俺はとりあえずGパンを下ろしてケツを出した。「ギャー」なかなかのリアクション。座ってる女の子の膝の上に座った。「ギャーギャー」泣き叫ぶ女の子。<br><br>勝った！<br><br><br>（いま考えるとわけわからんな、俺…。いや、いまもたいして変わらんか…。）<br><br>気が済んだ俺はGパンを上げてハーモニカを吹く。ふとメンバーを見るとみんな自分の演奏に夢中で俺のことなんて気にもしていない。唯一コバヤシさんだけがギターのソロを弾きながら俺の方を見てニヤニヤ笑っていた。なんじゃその余裕。キャリアを積んだミュージシャンてすごいなと妙なところで感心してしまった。（実はコバヤシさんはもともとプロのミュージシャンでNHK教育テレビの音楽をつけるような仕事をしていたらしい）<br><br>ライブが終わってとりあえずビールを飲む。俺のハーモニカを気に入ってくれた人が何人か声をかけてきてくれた。<br>「自分めっちゃブルージーやなあ！」<br>意味がよく分からなかったがとりあえずお礼を言う。30歳くらいの女の人が「めっちゃおもろいやん自分！ファンクラブ作ったげるわ！」と言うので冗談だとは思ったがこちらにもお礼を言う。若い女の子達は俺を避けるのだがそれはそれ。気に入ってくれる人が少しでもいたらやっぱり嬉しいものなのだ。<br>何杯かビールを飲んだところで近づいてくる人がいる。<br><br>「んまぁああ！素晴らしいぃっ！」小太りの中年の男の人だった。握手を求めて手を差し伸べられたのだがその人があまりにオカマチック（死語）で気持ち悪かったので俺は思わず手を引っ込めてしまった。<br>「もう、なんで手ぇ引っ込めるのよぅ（笑）」ちょっと怖くなった。いよいよオカマチックだ。そのオカマチックなＭさん（神戸で音楽やってる人の間では有名な人だし、オカマチックって書いちゃったのでここはイニシャルで…ってか知ってる人間にとってはオカマチックってのが最大のヒントになってしまって意味ないよなあｗ）は店のオーナーだった。<br><br>「いま平日ウチで歌ってくれるアコースティック系の子を探してるんだけどよかったらやらない？」なんでも店の防音がちゃんとしてないので平日はほかのテナントから苦情が来るのでバンドは入れられないらしい。毎週毎週路上で歌っていてまさか屋根のあるところで歌えるとは思ってもみなかったし、少しだけどギャラも出る、何よりギャラが安い代わりに酒を原価の半額で飲ませてくれるというので喜んで引き受けた。<br>翌週から毎週木曜日にその店で歌うことになった。初ライブの日、ファンクラブを作ってやると言ってくれた女の人がたくさん知り合いを呼んでくれたので客席は８割がた埋まっていた。冗談だとばかり思ってたのに本当に応援してくれるらしくちょっと面食らってしまったがやはりそこは嬉しくなり俺はワイルド・ターキー（12年のほう。おいしい。）、イワムラ君はジンをがぶがぶ飲みながらゴキゲンで初ライブ。<br>「キーはＡ。適当に頼む。」例によってイワムラ君に適当なギターを弾いてもらいつつその場で適当に歌詞を考えながら歌う。俺もイワムラ君もかなり酔っ払っていていま思えばお客に対して失礼なレベルの演奏だったがなぜか妙に盛り上がる。俺はやたら調子に乗り30分のステージを三度こなすのだが３ステージ目の終了までにワイルド・ターキーのボトルは空になっていた。<br><br>ベロベロになりながら少ないギャラを受け取りギターケースをぶら下げて最終に乗り家に帰る。屋根のあるところで歌えたこととある程度笑いも取れたことでその日はとても満足していた。<br><br>そして翌日はミナミの路上で歌う。マスコミは連日バブルの崩壊を伝え、なんとなくミナミの空気も澱んで感じた。その頃から一晩歌って稼げる額が少しずつ減っていった。<br><br>秋になる頃には一晩歌っても７千円ほどしか稼げなくなった。ミナミまでの交通費が往復２千円、弦代が３千円、ウイスキーが３千円。合わせて最低８千円以上稼がないと赤字になる。それで俺は路上で歌うのをやめることにした。初めてミナミで歌ったときにギターを貸してくれた奴に「お前は金のために歌うのか？」と訊かれたが「そうだ。」と答えられるほど自分の歌に自信があったわけでもなくましてや「好きで歌ってる。」なんて言い切れるほどバカでもなかった。歌うのが好きなだけなら誰かに聴いてもらおうなんてせず自分の部屋で歌えばいいのだ。<br><br><br><br>あ。いまの俺はそうかも…。歌う引きこもり。<br><br>お母さん、生まれてすみません。<br><br>¬（゜～゜）Γ死のう
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<pubDate>Sun, 04 Nov 2007 11:22:39 +0900</pubDate>
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<title>焼き肉ストリ−ト２</title>
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<![CDATA[ 「名前なんていうの？」<br>俺は彼女の名前も聞いてなかった。<br>「わたしはミコ。あなたは？」「いや、別に名乗るほどの者でも…。」「つまんないよ？」「そうですか…。（そういう割には笑ってるじゃん）」いろんな話をした。<br><br><br>朝になった。缶ビールを飲みながらテレビをつける。隣ではミコが寝息を立てていた。（ミッキー・スピレーン風場面展開）<br><br>次の週からも戎橋に歌いにいった。その頃の俺は路上で歌うコツのようなものを掴みコンスタントに４、５万は稼げるようになっていた（いまやってみろっていわれても多分無理）。<br>ミコとはしょっちゅう会うようになっていた。ある土曜日ミコが言った。「わたし今日誕生日なの。」「年に何度も誕生日のある女を知ってるぜ。」「ほら、ホンマに！」彼女は真面目な顔で免許証を出した。それには笑ってしまった。「そっか。昨日歌って稼いだ金が５万いくらある。なんか買ってやるよ。予算は４万！」少しはデート代を残しておかないといけない。<br><br>「じゃあ、指輪！」ミコは嬉しそうに三宮の小さなアクセサリー屋に俺を連れていった。「うーん。ペリドットってかわいいのがないね。」ミコは口を尖らせた。「８月生まれだからってペリドットにこだわらなくても獅子座の守護石はルビーだったりするぜ？」「なんでそんなこと知ってんの？」「言いたくない。」「あらそー。すいませんこれくださーい。」<br>37500円のルビーの指輪を買った。買い物前の予想より少なくなった釣りを受け取りながらちゃっかりしてやがるなどといろいろセコいことも考えたがやたら喜んでいるミコを見てるとどうでもよくなった。<br><br>「何か食べにいこう。」ミコを連れて俺の地元まで電車に乗った。行きつけの喫茶店の斜め向かいにその焼き肉屋はあった。俺の家は家族で外食する習慣もなく（貧乏だってのもある）、焼き肉など食べにいったこともなかったが店の前を通る度にとてもいいにおいがしたので一度行ってみたかったのだ。路上でとはいえ歌って稼いだ金もある。しかし足りないと恥ずかしいので銀行でいくらかおろしていった。少し緊張しながらのれんをくぐる。<br><br>中途半端な時間だったので店には俺達のほかには客がいなかった。おかげで「あそこの人と同じ物を作戦」が遂行できずメニューを見てもなにがなんだかよく分からなかったがとりあえず生ビール（俺）と烏龍茶（ミコ）とタン塩から頼んだ。タン塩はアイドル時代の浅香唯が好物に挙げていて印象に残っていた。（余談だがそれ以前のアイドルの好物はフルーツだのケーキだのばかりだったのだが浅香唯が流れを変えた。アイドルが所謂アイドルではなくなった瞬間であった。）<br>世の中にはこんなにおいしい食べ物があるのか！感動しながらほかにもメニューの中から聞いたことのあるもの（骨付きカルビとか上ミノとか）を選び注文した。<br><br>「なんか嬉しそうね？」ミコが言った。「好きな女の子とおいしい物を食べるのが夢だったからね。」生ビール２杯で酔ったようだ。「ウイスキー飲みながらピーナッツかチョコレート食べてるイメージしかないよ？」「ぬぅ。そういえばまともな食事は何ヶ月振りだろう…。」実際、酒ばかり飲んでいたせいで食べ物をほとんど口にしなく（できなく）なっていた。しかし何故だかその日はやけに胃の調子が良く、結構な量の肉を平らげた。仕上げにビビンバまで食べて勘定を払う。<br><br>会計は“5900円”だった。ビールを２杯しか飲まなかったのも大きいが予想よりはるかに安かった（居酒屋で飲むより安いぐらいだ）ので10年以上経ったいまでも強烈に覚えている。今にして思えばその店は庶民的な値段でいい肉を出すとても良心的な店だった。このときの経験がいまの俺の焼き肉好きにつながっているわけである。<br>「おいしかったねー。」「おう！また食べよう。」ニンニクのにおいを撒き散らしながら手を繋いで歩いた。俺の住んでる街は何もない街だがまんざら捨てたもんでもない。「引っ越してこないか？」冗談めかしてミコに言ってみた。「うん？」チキショー、聞いてなかったな？<br><br><br>…っていうところでひと段落（書けない話が多すぎ）、やっと焼き肉屋に行けました。
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<pubDate>Sun, 04 Nov 2007 11:01:58 +0900</pubDate>
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<title>続き</title>
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<![CDATA[ 「おはよー。とりあえずやらせてくれ。」電話をかけた。<br>「おはよう。あはは。他の言葉は知らないの？」彼女が答えた。<br>「ニホンゴスコシダイジョブ。ヤラセテクレ。」<br>「わたし処女やよ？」<br>「この国の処女は10年前に絶滅したと新聞で読んだ。」<br>「じゃあ、世紀の発見やね？」<br>「俺は下ネタは嫌いだ。」<br>「あはは。あなたみたいな人好きよ。」<br><br>デートすることになった。<br><br>元町駅で彼女と落ち合った。飲みに行くには時間も早いのでメリケンパークを散歩した。ポニーテールを揺らしながら歩く彼女。やたらきれいな髪だなあ、などとボーっと後ろ姿に見とれたりしていた。「歩くの遅いね。そんな奴は置いてゆく！」ふざけ合いながら神戸の街を歩いた。<br>「ガス欠だ。」俺は彼女に向かって言った。「んー？クルマとちゃうよ？」おそらく近畿で五番目くらいに間抜けな声を彼女は出した。「とりあえず飲みに行こう。そしてやらせてくれ。」「わたしお酒飲めない。」「ところが俺は飲めるんだな、これが。」<br><br>限界だった。連続飲酒が祟り、その頃の俺はアルコールなしではまともに動くことさえままならなかった。ウイスキーが飲めればどこでもよかったが彼女の手前自分が知る範囲でいちばんまともな（俺にとってはつまらない）バーを選んだ。彼女にジンジャーエールを、自分にはジャック・ダニエルズをストレートで頼み指の震えを悟られないようにタバコに火を点ける。背中が冷たくなるほど冷や汗をかいていた。タバコを二口ほど吸ったところでやっとジャックに再会できた。「会いたかったぜ、ジャック！」ショットグラスに向かって呟く。そこで気付いた。<br><br><br>焼き肉ストリート２に続く
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<pubDate>Wed, 31 Oct 2007 23:35:50 +0900</pubDate>
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<title>焼肉ストリート</title>
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<![CDATA[ 徹夜で並んでチケットぴあでチケットを買った。彼女のぶんも一緒に。<br>コンサートの日、結局彼女は姿を見せなかった。<br>余ったチケットをダフ屋に売った。ダフ屋は「この人って有名なの？」と俺に訊いた。「どうなんでしょうね。」俺は答えた。<br>徹夜で並んで買った甲斐もあり前から４列目の席でコンサートを見た。となりには暗い感じの女の子がひとり。「そのチケット、俺がダフ屋に売ったんだ。このあと飲みにいかないか？」当たり前のように断られてコンサート会場を後にする。<br><br>心斎橋筋を南に下る。家に帰る気分じゃなかった。くたびれたカバンからオールド・グランダッドのボトルを取り出し口を付ける。胃袋に温かみを感じながらゆっくりゆっくり歩いた。ミナミの夜は神戸とは全く違う。日付が変わる頃だというのにものすごい人の数だ。この人の数だけいちいち生活があり、悲しみがあるのかと思うと多少気持ち悪くなったが考えるのをやめた。昨日別れ際に見た彼女の笑顔と決意のこもった声が俺の思考力を奪ってしまっていたのだ。<br><br>戎橋に着いた。橋の上でギターを弾いてる奴がいた。下手なブルースを歌っている。足を止める人もなく、そいつの周りはホストクラブの客引きがうろうろしているだけだった。<br>酔っていた。少し、いやかなり酔っていた。<br>「ギターを貸してくれないか？」<br>そいつはギターを貸してくれた。赤の他人にギターを貸すなんて自分の女を知らない男に抱かせるようなもんだろ？借りておいてなんか不機嫌になっている自分が面白かった。<br>決してコンディションがいいとは言えない古いギブソンのギターを弾いた。気がつくとデカい声で歌っていた。<br><br>Stand by me！<br><br>がなり立てていた。寂しくてたまらない。通りすがりの人がなぜか千円札を一枚くれた。<br>「やるやんけ！」ギターを貸してくれたやつが笑った。歌を歌って金をもらえるなんて思ってもみなかったので少しびっくりした。オールド・グランダッドを回し飲みしていたら朝になった。開けっ放しのそいつのギターケースには10円玉が２枚入っていた。<br>次の日もその次の日もコンサートを見にいった。<br>３日公演だったのだ。最終日以外は空席が目立った。ダフ屋が「この人あんまり人気ないんやな。全然商売にならへん。ユーミンのほうに行っといたらよかった…。」と言っていた。知らんがな<br><br>彼女は心斎橋にある紳士服の店で働いていた。彼女についてはそれだけしか知らなかった。ほかに彼女について知っていたのは婚約してる男と結婚することにしたっていうことだけだった。<br>会いたい。彼女に会いたい。くたびれたカバンにワイルド・ターキーのボトルを入れ、楽器屋で買えるなかでいちばん安い弦を６セット用意して戎橋に向かった。ギターケースをぶら下げて。<br>金曜日の午後９時のミナミの街は人が溢れていた。この中にきっと彼女がいる。そう思って歌うことにした。戎橋の橋の上で。<br><br>サラリーマンってのは９時５時で働いている。だったら俺は９時５時で歌ってみよう。夜の９時から朝の５時まで歌うことにした。<br>知ってる歌はなんでも歌った。知らない歌も適当に歌った。歌うと小銭が開けっ放しのギターケースの中に投げ入れられる。中には札をくれる人もいた。汚い作業服姿のおじさんのリクエストに応えると二万円くれたときはびっくりした。<br>何十曲も歌い続けたおかげで背筋がパンパンになりながら朝になって金を数える。小銭だけで八千円くらい、札が四万円くらいあった。この調子なら週１で歌えばなんとかなる。しばらくこれでやっていこうと思った。そう、その瞬間は彼女に会いたいなんて気持ちはどこかにいっていた。<br>ギターケースを閉じて帰り支度を終えた。橋の反対側では先週ギターを貸してくれたやつがシンナーを吸ってご機嫌になっていた。そいつのギターケースにはその時も10円玉が２枚入っていた。<br><br>毎週金曜日の夜９時から朝の５時まで歌うことにした。雨の日は家にいようと思ったがなぜか金曜日には雨が降らない。結局毎週歌いにいった。<br>カウボーイブーツを履き、テンガロンハットをかぶり、ギターケースとバーボンのボトルをぶら下げて毎週毎週歌いにいった。<br>その日も声を枯らして歌っていた。俺の歌に合わせてどこからともなくハーモニカの音が聞こえてきた。音のする方向に目を向けるとギターケースをぶら下げた背の高い白人の男が近づいてきた。<br>「このあたりで歌っても構わないか？」少し訛りのある英語で訊いてきた。「構わないと思うよん。警察も何も言ってこないし。」もっと訛った英語で俺は答えた。彼はギターをぶら下げていろんな国を旅しているそうだ。しばらく話しこんだ。<br>「日本の路上で歌ってもちっとも金にならない。ガイジンっていうのが珍しいのかたくさん人は集まってくるが金をくれない。」と彼はこぼした。<br>アメリカのようにストリートミュージシャンがたくさんいる国では足を止めたらコインを投げ入れるのが礼儀とされているらしい。<br><br>そうかもしれない。実際に路上で歌ってみて何が大変かといえば道行く人の足を止めることなのだ。ひとりきりでアコースティックギター１本抱えてマイクもない場所でいくら声を張り上げても足を止める人は少ない。足を止めたということは歌を聴く意思表示をしたということで歌の対価としてコインを投げ入れるのが礼儀だというのはわかる気がする。<br>「とりあえずやってみるわ。」彼は俺から少し離れた場所で歌い始めた。<br>みるみる人だかりができたが結局金を払う人はほとんどいなかった。「別の場所を探すよ。頑張ってな。」と言い残して彼は去っていった。<br><br>だけど俺は路上で歌い道行く人から金をもらって口を糊していた。まずは足を止めることだ。カウボーイみたいな格好で人目を引き、それだけではインパクトに欠けるのでケツを丸出しにして走り回ったり、放送禁止用語を連発してみたり…。あるときテレビ局が取材に来て歌ってみろというので歌ってみた。放送を見たら（うれしがり）ピーピーピーピー、歌詞（なんてもんでもないが）を消されていた。<br>俺は路上に生き、そして死んでいく！なんかメジャーになれない負け惜しみみたいだけどその頃はそう思っていた。<br><br>そんなケツを丸出しにしながらギターを抱えて走り回っていたあるとき、ひとりの女の子が俺を見てケラケラ笑っていた。「何がおかしい？（っていうかおかしいやろ）」彼女に訊いてみた。「だって背の低い日本人のカウボーイがお尻丸出しで走り回っとったら笑てまうやんか。」彼女は唇をウニュウニュ（俗にいうアヒル口）させながらそう言った。（アカン、かわいい。めっちゃタイプや！）<br>「なんやと！そんなにおもろいか？おもろい思うんやったらやらせてくれ！」とりあえずギャラリーの笑いが欲しくて土下座した。<br><br>「実はわたしマフィアに狙われているの。危険な女やねんよ？」彼女が言った。<br>「無理に面白いこと言おうとせんでええよ。で、やらせてくれる？」彼女は答えるかわりに電話番号を書いた紙をくれた。<br><br>次の朝家に帰ってシャワーを浴びてから受話器を手に取る。
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<link>https://ameblo.jp/handsomejet/entry-10053419209.html</link>
<pubDate>Wed, 31 Oct 2007 23:33:02 +0900</pubDate>
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<title>毛虫</title>
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<![CDATA[ <br><br><br><br><br><br><br><br>毛虫<br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br>毛虫って<br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br>毛虫ってヒドい名前だね<br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br>￢（゜～゜）Γだって毛虫だよ？
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<link>https://ameblo.jp/handsomejet/entry-10052584924.html</link>
<pubDate>Fri, 26 Oct 2007 00:43:31 +0900</pubDate>
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<title>無精ひげ</title>
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<![CDATA[ 確か僕が幼稚園に入る前のこと、その日は日曜日だったと思う。<br>僕の父親はお世辞にも活動的とはいえず、かといってこれといった趣味もない人だったので休みの日はたいてい家でゴロゴロしていた。<br>母親が用事で出かけてる日にたまに父親がどこかに連れて行ってくれてもせいぜいバッティングセンターくらいなものであとはたいがい喫茶店か本屋。喫茶店では好きな飲み物を飲ませてくれたし本屋では好きな本を買ってくれたから僕は嬉しかったんだけど、いまにして思うとつまらない親父ではある。<br><br>僕の父親は世間一般でいう仕事人間てやつではあったが家ではとてもだらしなく、休みの日はひげも剃らない。母親がいくら文句を言っても全く聞く耳を持たず、居間で寝転んで新聞を読んでいた。<br><br>業を煮やした母親が語気を荒げる。<br><br>「もういい加減にしてちょうだい！休みの日やからって無精ひげ生やして！」<br><br>そばで様子を見ていた僕は気になって母親に訊いた。<br><br>「ぶしょうひげってなに？」<br><br>母親は少し落ち着きを取り戻して「ちゃんと剃ってないひげのことよ。」と教えてくれた。<br><br>「ふーん。ぶしょうひげかあ。」<br><br>僕は新しい言葉を覚えたのが嬉しくて繰り返した。<br><br>それから何日か経ったある日、僕は弟と母親と３人でお風呂に入っていた。弟はまだ小さくて自分で頭を洗ったりできなかったので母親がシャンプーするんだけど（とはいえ小学校低学年まで僕はシャンプーハットなしで頭を洗えなかった）その様子を僕は湯船に浸かりながら眺めていた。<br><br>頭を洗われながらビービー泣く弟をバカにしながらマブチモーターのついたウルトラマンの人形で遊んでいると見たことのある光景が目に飛び込んできた。<br><br>「あっ、ぶしょうひげ！」<br><br>僕は母親の脇の下を指差して叫んだ。<br><br><br><br>数秒後ボコボコにされた。<br><br><br><br>間違ったことは言ってないのに！<br><br>後日母親は井戸端会議で僕の「ぶしょうひげ発言」をネタに充分すぎるほどの笑いを取っていた。<br><br><br>ボコられ損である。<br><br>世の中ってのは理不尽なものだと悟ったのはこの時のことだ。
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<link>https://ameblo.jp/handsomejet/entry-10052338140.html</link>
<pubDate>Wed, 24 Oct 2007 10:01:05 +0900</pubDate>
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<title>高級外車</title>
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<![CDATA[ <br>高校生の頃学校をサボってよく行ってた喫茶店がある。コーヒー１杯で何時間粘っても平気な店（っていうかマスターが次から次へと面白いマンガやバイクの本を席まで持ってきてくれて、勘定をしようとすると「え？帰るの？」なんて言ってくれる）だったのでしょっちゅう通った。ごくたまに友部正人や加川良のような大御所のフォークシンガーが歌いに来たりしてとても好きな喫茶店だった。<br>その店に先日約５年ぶりにコーヒーを飲みにいった。マスターは白髪が増えていたが元気そうだった。<br>マ「お、ベスパに乗っとうんか。ワシも昔乗っとったんやけど何年か前に商店街で放火があったやろ？…燃やされてもた。」<br>じ「…うわぁ。」<br><br>マ「ベスパは新車で買うたんか。ほう、１年半で18000㎞か、よう走っとうな。もうワシはそんなに距離走れへんから新車はええねん。」<br>じ「けどマスターの単車BMWやないッスか。めっちゃ高いんちゃうんスか？」<br>マ「そう思うやろ？それがそうでもないんや。ビーエムとかドカを新車で買えるような連中は単車に乗っとう暇がないんや。よう働いとうからな（笑）。」<br>じ「なるほどぉ。」<br>マ「そやから探せばけっこう安く買えるんや。」<br><br><br><br>新車のドカは買えないが俺は暇で良かったと思った。リッチじゃなくてもやっぱりバイクに乗っていたいのだ。<br><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/handsomejet/entry-10048283137.html</link>
<pubDate>Sun, 23 Sep 2007 19:14:19 +0900</pubDate>
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