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<title>tomoのブログ</title>
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<title>　２</title>
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<![CDATA[ <p>　花筏というのだそうだ。</p><p>　桜並木の横を小川が流れている。舞い落ちた桜の花びらが川面を覆っている。いくつかの塊が筏のように流れていく。それを花筏というらしい、桜色がゆっくりと流れていく。どこへ流れていくのだろうか。毎日のようにこの道を歩いていても、始まりも終わりも知らない。きっとどこかへ流れていく。ただ、考えたことはなかった。</p><p>　彼女のいない風景が目に映る。ただそれだけのこと、時計の針をたった一年戻すだけで、そこにはまだ彼女はいない。その時間に戻るだけ。理由をつけて、心を納得させようとしている自分に気づく。</p><p>　ゆっくりと目を閉じて、ゆっくりと目を開く。</p><p>　魔法はもう解けたのだろうか。呪文はもう聞こえない。耳をふさぐのは風の音。桜の花びらは思い出を乗せ静かに流れていく。</p><p>　観月は下を向いて、彼女の足跡を探した。何もない。何も見えない。</p><p>　柔らかな甘い香り。桜の匂いだろうか。彼女の好きな香水の香りのような。多分、ただの思い過ごし。</p><p>　さらりとした風が彼女の香りを攫っていってしまう。</p><p>　ああ、まだ彼女を愛している。</p><p>　もうよそう。この場所にいるだけで、心が壊れてしまう。</p><p>　観月は桜並木に背を向けて、ようやく歩き始めた。</p><br><p>　雪が降っていた。</p><p>　昨日までの暖かさで、桜の蕾も膨らみ始めてきた矢先のことだった。</p><p>　三月も半ばを過ぎて春らしい装いが町に溢れていた。薄いコートの襟をかきあわせて駆けていく女性がいる。</p><p>　観月はオープンカフェのテーブルについて、熱いコーヒーを両手で覆っていた。</p><p>　彼のほかには誰もいない。</p><p>　震える指をカップに押し付けて、コーヒーの温度を確かめていた。</p><p>　粉雪が舞う。</p><p>　吐く息が白い。</p><p>「これじゃ、桜も咲けなくなっちゃうよね」</p><p>　後ろから柔らかな声が降りかかる。</p><p>　振り向くと、寒そうに肩をすぼめた紗耶が立っていた。</p><p>「観月くん、震えてるよ」</p><p>　観月の視線をかわして、紗耶はテーブルを回る。</p><p>　鼻腔をくすぐる甘い香りを追うように振り返ると、珍しいジーンズ姿の紗耶がそこにいた。</p><br><p>　</p>
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<pubDate>Tue, 09 Oct 2012 23:42:48 +0900</pubDate>
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<title>はじまり</title>
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<![CDATA[ <p><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20121008/00/hello-tomo-hello/1c/bb/j/o0800060012225839118.jpg"></a><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20121008/00/hello-tomo-hello/ba/d9/j/o0800106712225855826.jpg"><img border="0" alt="tomoのブログ" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20121008/00/hello-tomo-hello/ba/d9/j/t02200293_0800106712225855826.jpg" width="168" height="213"></a><br><br>　　　<font size="4">桜</font></p><p><font size="1">　<br></font>　　　　　　１</p><p><br>　桜の舞い散る中を彼女は颯爽と歩いていた。</p><p>　淡いピンクのワンピースが風景に溶けて、絵画の中に消えていくようだった。</p><p>　砂利を踏む足音はもう聞こえない。</p><p>　仄かな春の香りがあたりに満ちている。</p><p>　木漏れ日がきらきらと眩しかった。</p><p>　そよ風が吹く。</p><p>　柔らかな風はふわふわとして、ひび割れた心にも心地よかった。</p><p>　少しずつ霞んでいく後姿を、観月はじっと見惚れていた。</p><p>　立ち尽くす背中を押す風は優しい。優しすぎて、動くこともできなかった。</p><p>　追いかけることもできたはずだ。しかし、彼女の背中がそれを拒んでいるような気がした。</p><p>　彼女は見かけよりも強い。もっと弱い女性だと思っていた。少なくとも観月はそう接してきた。それが原因だったのかもしれない。</p><p>　彼女は一度も振り返ろうとはしなかった。</p><p>　もう、声は届かない。</p><p>　道は大きく右に曲がり、もうすぐ彼女の姿は見えなくなる。</p><p>　張り出した桜の枝が彼女の顔を隠す。あんな風に、時間が経てば彼女の顔も霞んで忘れてしまうのだろうか。</p><p>　一歩足を踏み出せば、きっと走りだしていける。揺れる心が締め付けられるようで、胸が痛い。半歩でもいい。それでも、足は動かない。彼女の姿が見えなくなるまで、そこを動くことはできなかった。</p><p>　もう二度と会えない。逢うことはないだろう。多分、それでいいような気がする。今までにもそんな別れはいくつもある。「またね」と言ってすれ違ったまま、遠ざかってしまった出会いもある。</p><p>　心を針でつついたら、きっと乾いた思い出が溢れてくるに違いない。</p><br><p>　花筏というのだそうだ。</p><p>　桜並木の横を小川が流れている。舞い落ちた桜の花びらが川面を覆っている。いくつかの塊が筏のように流れていく。それを花筏というらしい。桜色がゆっくりと流れていく。どこへ流れていくのだろうか。毎日のようにこの道を歩いていても、始まりも終わりも知らない。きっとどこかへ流れていく。ただ、考えたことはなかった。</p>
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<link>https://ameblo.jp/hello-tomo-hello/entry-11374049798.html</link>
<pubDate>Mon, 08 Oct 2012 00:06:02 +0900</pubDate>
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