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<title>心の中の看護師さんと病室の面影</title>
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<description>切ない気持ちに押し出されるように、生まれた小さな短文です。</description>
<language>ja</language>
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<title>エピソードB</title>
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<![CDATA[ <p><font size="3">　そう言えばあの頃にも、同じようにひぐらしが鳴いていたような気がする、と男は心で呟く。<br>「…………」<br>　さほど特記するほどでもない容姿の、平凡な男だと自分でも思う。<br>　それでも、彼女は自分を覚えていてくれた。<br>　そんな小さなことが、男には何よりも嬉しかった。<br>　――だが。<br>　男の目の端に掠めたモノが、綺麗な過去を一瞬のうちに塗りつぶす。<br>　彼女の左手薬指。そこに輝く銀色の光。<br>　男がどれだけ欲しても、決して彼女は手に入らないのだと決定づける現実がそこにあった。<br>　いつの間にか手繰り寄せていた上掛けに、大きな皺が生まれる。<br>「……少し、眠ります」<br>「そうね。ごめんなさい長居しちゃって。一時間後には夕食だから、たくさん食べて早く元気になってね」<br>「はい、ありがとうございます」<br>　そう言い残して、彼女は病室から出て行った。<br>　ここには、『仕事』として居るだけなのだ、当然のことである。<br>　ただ、懐かしさに足を止めて、声をかけてくれただけ。それだけの話。<br>　男の思い出は、ひたすらに淡く遠く。<br>　胸が締め付けられるほどの想いが、喉から溢れてこぼれ落ちそうになる。<br>　それをなんとか飲み込んで、男はきつく瞳を閉じた。</font></p><p><font size="3">　窓の外では、沈みゆく日を惜しむかのようなひぐらしの声が、ただただ響いていた。</font></p>
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<link>https://ameblo.jp/hetakcw8/entry-11613603971.html</link>
<pubDate>Sat, 28 Sep 2013 18:20:50 +0900</pubDate>
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<title>エピソードA</title>
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<![CDATA[ <font size="3">　幼い頃に見た記憶。湧き上がる郷愁と変わらぬ光景。<br>　あれからもう、何年過ぎたのか。<br>　それでも彼女は、変わらずその病院に勤務していた。<br>　綺麗な女性（ひと）だと、ひと目で思った。<br>「――あら、君。懐かしいわね、私がわかるかしら」<br>　彼女はその男を目に留めるなり、優しく言葉を投げかけてきた。<br>　変わらない声音。<br>　幼いながらもこの声に、心を震わせた時期があった。<br>　母のような、姉のような。<br>「憶えてないわよねぇ、こんなオバサン」<br>「いえ、憶えてます。変わってません、なんにも」<br>　少し小首をかしげて笑うその姿も、右手を頬に充てる癖も。<br>　何もかも。<br>　まるで、彼女の周りだけ時が止まっているかのような感じがした。<br>　ただ一つ、変化を挙げるとすれば、彼女が小さく見えるというだけ。<br>　あの頃は彼女を見上げるだけだった。<br>　今はベッドの中なので男は彼女を見上げてはいるが、それでも記憶の中の目線とは違う。<br>　それだけ自分が成長して、ゆうに彼女の身長を超えているということだ。<br>「あんなに小さかったのにね」<br>「あれから運動を始めたので、バカみたいに身長が伸びました」<br>　ふふ、と優しい笑い声と共に広げられる会話の向こうの、脳裏にちらつく過去の記憶。<br>　それらを混在してるところで、カナカナカナ……と、窓の外からひぐらしの声が聞こえた。</font>
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<link>https://ameblo.jp/hetakcw8/entry-11613602884.html</link>
<pubDate>Sun, 22 Sep 2013 11:18:55 +0900</pubDate>
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<title>人生の交差点で</title>
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<![CDATA[ <p><font size="3">入院生活は一種の遮断された環境です。</font></p><p><font size="3">普段なら、知り合いにならないような人と共同の部屋になって</font></p><p><font size="3">友情が生まれたり、ケンカしたり。</font></p><p><font size="3">ヤクザから、学者、学生、隠居さんなど本当に色々な人と</font></p><p><font size="3">一緒に生活することになります。</font></p><p><font size="3">そこへまた、多くの家族やお見舞いの客が来るので</font></p><p><font size="3">まさしく人生の交差点ですね。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">看護師さん達はそこへ彩りを加えてくれます。</font></p><p><font size="3">頻発するもめ事を鎮め、</font></p><p><font size="3">わらいを起こし、</font></p><p><font size="3">笑顔で楽しい気持ちにしてくれる大事な存在です。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">多くの患者が心を奪われるのも当然かも知れないと思います。</font></p><p><font size="3">そんな一人が私でした。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">そんな看護師さんですが、やっぱり人間ですから、よりよい職場への希望も強く、転職も多いそうです。こちらでは、そのへんの事情が垣間見れましたね。<br><a href="http://kango-labo.com/sougouhospital/sougouhospitalkyuryou.html" target="_blank">総合病院での給料と給料アップの秘訣</a></font></p>
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<link>https://ameblo.jp/hetakcw8/entry-11613598160.html</link>
<pubDate>Fri, 20 Sep 2013 16:02:30 +0900</pubDate>
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<title>エピソード３</title>
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<![CDATA[ <font size="3">「君の、その……」<br>「はい、なんですか？」<br>　小さな声で男が問えば、彼女は遅れを取らずに聞き返してくれる。優しい声音だ。<br>　その、優しい声に甘えて何度でも繰り返して問えば、彼女はやはり何度でも答えをくれるのだろう。<br>　たとえ同じ事だとしても。<br>「なんでも、聞いてください。私でよければ、いつでもお答えしますから」<br>「……ありがとう」<br>　君の名前、君の花の香り。<br>　男はそれを問いたくて、その先を言葉にすることができない。<br>　彼の想いの先の『彼女』は、あまりにも近くて、そしてあまりにも遠い位置にいる。<br>　どんなにもがいても、決してその距離は縮んではいかないのだろう。<br>「秋の、匂いがしますね」<br>「そうですね」<br>　彼女が控えめに、同じ言葉を繰り返した。<br>　男はそれに、ゆるやかに応える。<br>　遮光カーテンの向こう側、かすかに見える高い空を見上げつつ、瞳の端に映る彼女の姿を男は確かに見つめていた。<br>　一瞬だけでも、憶えていられるように。<br>　<br>　夏の終わり、秋の香りがする、とある朝。<br>　どこかの病院の一室で繰り返される、か細い記憶と小さな想いが交差する、物語。</font>
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<link>https://ameblo.jp/hetakcw8/entry-11613579608.html</link>
<pubDate>Mon, 16 Sep 2013 10:32:51 +0900</pubDate>
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<title>エピソード2</title>
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<![CDATA[ <font size="3">「今日の体調は、どうですか？」<br>「……はい、悪くはないです」<br>　体温計を手渡されながら、短い会話が交わされた。<br>　いつもの朝、いつもの行動。<br>　変化のない時間に飲み込まれていく、日常。積み重なって、塗りつぶされて、やがては忘れていく。<br>　そして男も、過去の時間を少しずつ忘れていく。<br>　ピピッ、と小さな電子音が左脇から聞こえた。体温を測り終えた音だ。<br>　それを目の前にいる彼女に手渡して、またボンヤリと視界を泳がせる。<br>　ただひたすらに、特に動くこともなく、このベッドの上で過ごす時間。あまりにも長くて退屈で、欠伸が出るほどだ。<br>「……さん、聞こえますか」<br>「ああ……はい」<br>　ひらり、と男の視界に何かが舞い込む。一瞬、蝶かと見まごうそれは、彼女の指先だった。<br>　その光景を、男は何度か目にしてきた気がする。その度に、心が締め付けられるような、そんな郷愁が訪れるが、数回の瞬きの後には音もなく消えてしまう。<br>　――記憶とともに。<br>　過ぎていく時間も、彼女の顔も、優しい声も。そして花の香りも。<br>　男は少しずつ、生きるたびに失っていく。</font>
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<link>https://ameblo.jp/hetakcw8/entry-11613578750.html</link>
<pubDate>Sat, 14 Sep 2013 15:31:39 +0900</pubDate>
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<title>エピソード１</title>
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<![CDATA[ <p><font size="3">「秋の匂いがしますね」<br>　彼女は肩ごしに振り返りながらそう言った。<br>　その向こうから差し込む日差しが眩しくて、男は思わずまぶたを伏せる。<br>「あら、ごめんなさい、眩しかったですね」<br>　自然と上がった右腕に気づいたのか、彼女は慌てて備え付けのカーテンを引く。<br>　清潔な白の医療服を身にまとうその彼女は、この病院に勤める看護師だった。<br>　じわりと染み込んだ消毒用のエタノールに混じり、微かに鼻腔をくすぐるエチケットのための花の香り。<br>　それが何の香りかは男にはわからなかったが、彼女の存在そのものを感じ取ることができて好ましく思っていた。</font></p>
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<link>https://ameblo.jp/hetakcw8/entry-11613577602.html</link>
<pubDate>Sat, 14 Sep 2013 15:29:06 +0900</pubDate>
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