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<title>hidezoのブログ</title>
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<description>個人的な読後の感想を勝手気ままに書いてます。</description>
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<title>破門</title>
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<![CDATA[ 第１５１回　直木賞作品。<br>映画製作に出資した金が、回り回ってヤクザ同士のシノギの話に発展して、男のメンツをかけた争いへと発展してしまう。<br><br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20141223/16/hidezo363672/01/b6/j/o0800111313167001142.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20141223/16/hidezo363672/01/b6/j/t02200306_0800111313167001142.jpg" alt=""></a><br><br>破門<br>黒川博行　著<br>角川書店<br><br>パラパラっと捲って、なんて会話の多い作品なんだ！<br>と思ったのだが、読んで納得。<br>大阪のヤクザとどーしょもない男の、<br>関西弁の軽妙なやりとりが世界観を作っているんだな。<br><br>リズムもいいし、ボケも思わず笑ってしまう。<br>でも、描かれている世界は、騙し騙されボコられ拉致られの<br>ダークな世界。<br>それを軽妙に読み易くしているのが、大阪弁なんだな、きっと。<br><br>これ、関西の人が読んだらもっと面白いんじゃいかな。<br>毛馬、大正橋、昭和町、とか土地名でイメージがつかないもんね、関東人には。<br><br>しかし、桑原というヤクザの潔さというか、なんというか、<br>嫌いじゃないなぁと思いながら読んでいた。<br>逆に、二宮、この話の主役。<br>この二宮は廻りにいたらいじめちゃいそうだなぁと思った。<br>でも、親父がヤクザで今の若頭などを面倒見ていただけあって、<br>堅気のくせに、腹座った動きをするから読んでいて気持ちよい。<br><br>とにもかくにも、映像にして欲しいなぁ、なんて思って読んでいたら、<br>正月にBSで映像になるらしい。<br>この作品は、確かに映像向きだ。<br>セリフばっかりだし（笑）<br>ん？　見れるのか、うちは？<br><br>でも、女子には分かるのかな。。。<br>男が少女マンガに入れないのと一緒な感覚なんでは。。。<br><br>
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<pubDate>Tue, 23 Dec 2014 16:10:04 +0900</pubDate>
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<title>紙の月</title>
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<![CDATA[ 欲望の突き進む先にあったのは、何だったんだろう。その果てには何かがあったのだろうか。<br><br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20141112/18/hidezo363672/71/a8/j/o0800108013127098248.jpg"><img border="0" alt="" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20141112/18/hidezo363672/71/a8/j/t02200297_0800108013127098248.jpg"></a><br><br>紙の月<br>角田光代 著<br>ハルキ文庫<br><br>主人公、梅沢梨花４１才。<br>２５才で結婚して専業主婦になったが、子どもに恵まれず、銀行にパートで働き出す。<br>真面目で、きっとキレイな梨花は、成績も優秀で、パートから契約社員にと。<br><br>真面目であることが、この悲劇を生んだように思う。<br>こうでなければならない。　と思いこむ真っ直ぐさ。<br>その真っ直ぐさで梨花は、疾走する。<br><br>大学生の光太との出会いが、<br>平凡だった、何か物足りない生活を一変させた。<br>光太が金持ちの旦那を持っている女性だと思っている節があれば、<br>その通りに梨花は振る舞う。<br>光太が望みそうな物を先読みして想像して、光太に買い与えて行く。<br><br>そうやって、勤めていた銀行で、数年の間に一億円の横領をしてしまう。<br>どんな罪もそうであるように、<br>最初は、軽い気持ちで顧客のお金を借りたのだった。<br>そして、それはエスカレートしていくことになる。ご多分に漏れず。<br><br>その行為は光太のため。<br>いや、果たしてそうだったのか、と思ってしまう。<br>きっと、梨花自身のためだったような気がする。<br>自分の居場所を確実なものにするために、虚構で現実を作ろうとする。<br><br>横領している顧客たちに対して、梨花には罪の意識は無い。<br>なぜなら、そのお金はいつか返せばいいと思っているから。<br>また、返せるとも思っているから。<br>これはきっと人間関係も同じなんだな、と読みながら思ったりした。<br>いつか説明すれば良いや、と思っているうちに、<br>周囲がすーっと引いてしまい、気付けばひとりぼっちだった。<br>というようなことが、時々ある。<br>これと同じだなと思った。<br>それって、感情の横領なんだな、きっと。<br>善意や誠意に対して、とても個人的かつ閉鎖的な都合で踏みにじる。<br>でも、仕方ないじゃん。とか思っちゃったりしてね。<br>たとえば、その前にイヤな事言ったじゃん、言おうと思ったんだけどタイミング逸しちゃって、云々。。。<br>難しいなぁ。<br>その話をいつ、誰から、どう聞いたか、前後関係はどうだったかで、<br>つまりボタンの掛け違いですべてが狂ってくるからなぁ。<br>まぁ、こういう時はごめんちゃいと、素直に謝るしかない。<br>でも、一億の金はごめんちゃいでは済まないよなぁ。<br><br>結局、この物語は、お金の話だ。<br>お金が恋愛を象り、人生の行く先を決めたのだ。<br>あるひとつの事柄に捕われた時に、<br>盲目的な愛情をもって人生のすべてを賭けてしまった梨花。<br><br>並んで歩きながら、彼女は昼の仕出し弁当についてずっと話し続ける。値段について、揚げ物の多い中身について、弁当を作ってこようかどうしようか迷っていることについて。相づちを打ちながら、しかし梨花は何も聞いていなかった。光太。光太。心のなかでずっと呼び続けていた。光太。もう大丈夫。私たちはまだ一緒にいられる。光太。光太。はやくあなたに会いたい。<br><br>夫、顧客、仕事関係と、すべてを騙して得たお金。<br>そこにある現実は仕出し弁当のようなものだったのだろう。<br>さして興味のあるものではない。<br>興味のあるのは、光太との時間。<br><br>話の中心はあくまでも梨花であるが、<br>それとは別に、梨花の高校の同級生たちの今も描かれて行くのだが、<br>ここもやはりお金が人生に深く絡んでいる。<br>浪費癖、節約への執着など。<br>これもまた、さもありなん。<br><br>
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<pubDate>Wed, 12 Nov 2014 18:24:37 +0900</pubDate>
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<title>緑の毒</title>
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<![CDATA[ 一見満ち足りているようにしか見えない人生の裏側に潜む嫉妬が、人生をいたずらに狂わせて行く。<br><br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20141105/14/hidezo363672/63/bd/j/o0800106713120052191.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20141105/14/hidezo363672/63/bd/j/t02200293_0800106713120052191.jpg" alt=""></a><br><br>緑の毒<br>桐野夏生 著<br>角川文庫<br><br>傍から見た人の幸せなんて分からないもんだ、と、思わず唸る。<br><br>この主人公、川辺。<br>周到に下調べをして、一人暮らしの女の人を狙ってレイプを繰り返している。<br>最悪の男だ。<br><br>しかし、どんな生活をしているのかと言えば、<br>開業医でお金には困らず、美しく優秀な嫁をもらい、ブランド服や宝石、車に囲まれた生活。<br>夕餉にはワインを空けて知的な会話なんかしながら優雅に過ごす。<br>な～んてな感じの生活。<br><br>一方、勤務医で、美しさと実力を兼ね備えた嫁・カオルは、<br>救急医の玉木と不倫に落ちている。<br>この玉木、服や食べ物に無頓着で旦那とは正反対。<br>細かいことにケチをつけて、自分好みの女に変えようとする川辺と、<br>ありのままをありがとう、と受け入れてくれる玉木。<br>くどいようだが、金も時間も川辺の方が持っている。<br>でも、カオルは玉木に魅力を感じて止まない。<br>中二病的な発言をすると、愛も心も金では買えないんだな、きっと。<br><br>さて、物語はレイプにあった被害者たちが、<br>ネットを通じて犯人を追いつめようとする様と、<br>その同時軸で生活をしている川辺の身辺という綾で描かれている。<br><br>年をとっても若作りのブランドで身を固めたり、<br>年代物のジーンズやスニーカーを収集したりと、<br>偏狭な収集癖なんてものは、<br>なんかやっぱり問題を抱えているんだろうかね。<br>歪んでるように思うなぁ、やっぱり。<br><br>川辺は服やアクセサリー、<br>いわゆるお洒落に関して異常に執着を持っている。<br>それはおそらく、嫁に対してもそうだったんだろうなぁ。<br>持ち物。<br>その嫁の浮気を知って、その嫉妬の気持ちの中で増幅していく気持ち。<br>それはグレーでどんよりとした質量を持った感情なんだろうと思う。<br>その気持ちを、見ず知らずの女性をレイプすることで発散していく。<br>その歪んだ感情の波の中で、川辺は自分の心を見失い、<br>やがて他人を思いやるという心も失っていく。<br><br>しかし、被害にあった女性たちが、最後に．．．<br><br>これ以上は書かずにおかないとネタバレか。<br><br>
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<pubDate>Wed, 05 Nov 2014 14:25:37 +0900</pubDate>
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<title>ジェントルマン</title>
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<![CDATA[ 　ピカレスク小説。天性の美しさと聡明さを兼ね備えた主人公、漱太郎。その漱太郎に見せられていく夢生の愛の物語。<br><br><br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20141004/01/hidezo363672/e2/e2/j/o0800109113086735431.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20141004/01/hidezo363672/e2/e2/j/t02200300_0800109113086735431.jpg" alt=""></a><br><br>ジェントルマン<br>山田詠美 著<br>講談社文庫<br><br>久しぶりに山田詠美作品を読んだ。<br>文章の美しさは相変わらずで、読んでいて気持ちの良いこと良いこと。<br><br>ただ、中身はすごいなぁ。<br>悪漢小説？　なんて言葉で良いのかなぁ、ピカレスク。<br><br>主人公の夢生ことユメは、ゲイだ。<br>男が好き。<br><br>そして、高校の同級生だった、漱太郎を愛していた。<br>愛していた？　う～ん、そんな表現で良かったのかな。<br><br>とにかく、漱太郎という男は、文武両道、見た目も美しく、誰にも優しく、ケチのつけようの無い男。<br>でも、それは表面的なもので、中身はものすごいエゴイスト。<br>優しい雰囲気で、周囲を寄せ付けて、これって獲物に目をつけたら、とことんエゴイズムを発揮する。<br><br>ジェントルマンのタイトルの文字に、斜めにラインが入っているんだけど、<br>これ、よく考えられたデザインだと思った。<br><br>詠美さんの作品を読むと、いつも最後にタイトルの深さに感嘆してしまうのだけど、<br>今回もまさにそうだった。<br>ジェントルマンの概念がおかしくなってくる。<br><br>登場人物に、ユメをずっと支える女友だちが出てくる。<br>その圭子の切なさも、深い。<br><br>人を好きになるって、やっぱり理屈じゃないんだなぁ。<br><br>切ない感情を、ずっと抱えたまま愛する人を見守る気持ち。<br>それは、愛だな、と思う。<br>切ない感情を、わざと植え付けて、それを手玉にとって遊ぶ気持ち。<br>それは、罪だな、と思う。<br>でも、その手玉に取られていることに心が掴まれるだとしたら、<br>それも、アリなのかな、とも思う。<br><br>とにかく、<br>男でも女でもなく、ゲイを中心に据えたこの作品って、<br>ずるいんだなぁ（笑）<br><br><br>
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<pubDate>Sat, 04 Oct 2014 01:08:52 +0900</pubDate>
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<title>晴天の迷いクジラ</title>
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<![CDATA[ 　生きるって大変！　でも、だから「生」って素晴らしいのかも。って思わせてくれる作品。<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20141002/14/hidezo363672/40/95/j/o0800106713085112387.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20141002/14/hidezo363672/40/95/j/t02200293_0800106713085112387.jpg" alt=""></a><br><br>晴天の迷いクジラ<br>窪　水澄 著<br>新潮文庫<br>　<br>　デザイン会社の社長、４８才の野乃花、デザイナーの由人２４才、そして１６才女子高生の正子。<br>　この三人を軸に物語は展開していく。<br>　<br>　由人のエピソードから物語は始まるのだが、いるいるこういったデザイナー男子、と妙に納得してしまうリアリティには笑ってしまった。そして、付合っている積極的で肉食系の女子も想像に難くない言動をする。感受性が豊か過ぎて社会とうまくマッチできない感じも。そして、由人はこの子にフラレてしまうのだが、その原因も振られ方も若さ故の残酷さを秘めていて、こういう失恋を通して人は強くなっていくのだ、と思うのだが、やはり本人にしてみれば深刻な問題なんだろうなぁ。<br>　加えて、激務も含めて由人は心療内科のドアをノックすることになる。<br><br>　そのデザイン会社の社長が、野乃花だ。<br>　野乃花の１８才のエピソードが描かれるのだが、この１年と少しかな、の時期が野乃花の人生のターニングポイントになる。<br>　漁村に生まれ、潮と魚の匂いの中で育った野乃花には、絵の才能があった。<br>　その才能が、出会いを作り、野乃花を違った人生へといざなっていくのだが、マイノリティであるがゆえの社会に対する不感症という処し方をしてしまい、大人たちに翻弄されてしまう。<br>　マイノリティがメジャーの中に入った時の疎外感。よく分かるなぁ。<br>　ただ、野乃花はあまりにも若かったんだな。<br>　逃げることで新しい自分の人生を歩き始める。<br>　それから３０年。<br>　まったく違う自分の生き方を東京で探し、違う自分を作ってデザイン会社を起こすのだ。<br><br>　そして、正子。母親にすべてを監視され、誰とも接触することも許されず育てられる。<br>　ある日、父親が何気なく言った言葉が、幼い正子の頭にインプットされる。<br>　「よくお母さんの言う事を聞いて、お母さんを大事にしような」<br>　この言葉が、正子の１６年の人生をぐるぐる巻きに縛り付けて行く。<br>　高校生にもなって門限が５時。<br>　それでもお母さんの悲しい顔が見たくないと思い、学校の近くの駄菓子屋にも寄らず、親しい友だちも作らずに真っ直ぐ帰宅する日々を送っていた。<br>　ある日、正子に声を掛けてきた男子。その子がくれた水色のソーダのアイス（どう考えてもガリガリ君だね）。母親に体に悪いから、と食べる事を禁じられていた市販のアイス。<br>　このアイスがきっかけで、正子のぐるぐる巻きにされていた人生に、小さなほころびが生まれる。<br>　良いほころびだと、思う。<br>　少しずつ、正子に笑顔が生まれていく。笑うってこういうことだったんだ、と気付くことすら嬉しい発見なのだと。<br>　しかしまぁ、やっぱりここでも母親は出てくるんだな。仕方ないけど。。。<br><br>　やがて、野乃花の会社は倒産に向かってヒマまっしぐら。由人は彼女に振られてやけっぱち。正子は大事なものの存在に気付いて、自分に目覚めるのだが、母親との狭間で悩み、やり場のない思いで潰されて行く。<br><br>　そんな３人が、やがてクジラが迷いこんだという半島で出会う。<br>　<br>　それぞれの胸に、生きることへの諦めや生きるための目的や、大切な人との想いがある。<br>　クジラと、その湾で生きるひとたちとの何気ない日常の中で、３人は改めて自分と、そして、いまなぜか一緒にいることになったふたりのことを想う。<br><br>　生きる中でぶつかった絶望ってどれくらい息苦しいんだろう。<br><br>　絶望の果てに見える希望ってどんな景色なんだろう。<br>　<br>　そんな空気観や景色を見せてくれる作品ではなかろうか。<br>
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<pubDate>Thu, 02 Oct 2014 14:31:51 +0900</pubDate>
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<title>漂砂のうたう</title>
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<![CDATA[ 忘備録第２弾です。<br>もともとは、作者の方が仲間内の先輩の大学同期の方ということでオススメ頂いた本です。<br><br><br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20140921/01/hidezo363672/24/88/j/o0800106713073104010.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20140921/01/hidezo363672/24/88/j/t02200293_0800106713073104010.jpg" alt=""></a><br><br>漂砂のうたう<br>木内 昇 著<br>集英社文庫<br>第１４４回直木賞受賞作品<br><br>根津遊郭が話の舞台である。<br><br>主人公たちはご一新という、武士にとってみたらとんでもない一大事のおかげで、<br>武士でいられなくなり、まさに漂砂のごとく社会を流れ流れて生きている。<br>主人公の定九郎もまた、武士の身分を失い、<br>根津遊郭で客引きをしている。<br><br>小学校の時に習った、士農工商の社会的序列。<br>この一番上に位置していた武士階級が、<br>刀も取りあげられたあげく、食い扶持のために客引きをするなんてのは、<br>なんとも悲しい出来事。<br>同じ男として、同情してしまう。<br><br>さて、この物語のホントの主人公なのでは、と思ってしまうのが、<br>小野菊という花魁だ。<br>この花魁がなんとも粋な事。<br>また、それを表す文章もこれまた粋なんだな。<br><br>ちょっと長くなるが抜粋。<br><br>まがきの襖が音もなく開いたのは、その時だった。<br>薄暗かった張見世が急に明るくなる。月を一つ、格子の中に落としたような、煌々として澄んだ光が満ちた。現れた小野菊に、群がった客も、またやくざ者も、気を呑まれて言葉を仕舞う。いつもは跡尻近くに座る小野菊だが、布かれた緋毛氈の上を格子の側まで進んで、悠然と腰を下ろした。朱羅宇の長煙管に火を入れて一服してから、やくざ者に向かってふわっと笑んだ。<br>「お兄さん、困るじゃないか。そんなに大きな声を出して。みなさん、ゆっくり敵娼をお選びんとこ、ご迷惑ですよ」<br><br>小野菊の風貌や物腰が見事に出ている文章だと思うのです。<br>こういう文章、大好物です。<br><br>漂砂のごとく、時代の流れに身を任せるしかない男たちと、<br>事情があって遊郭から逃れようの無い女たちの人間模様。<br>変わりゆく時代に求めたのは、自由だったのかなぁ。<br>それはいつの世も変わらないだな、きっと。<br><br>まぁ、とにかく粋な文章を楽しませてもらいました。<br>この文章に慣れることができるかが、この本を楽しむためのポイントかな。<br><br>
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<pubDate>Sun, 21 Sep 2014 01:30:02 +0900</pubDate>
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<title>虚ろな十字架</title>
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<![CDATA[ しばらく描いていなかった時期の気になった本を、忘備録的ではあるが、少し書いてみようと思う。<br>その第一弾。<br><br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20140921/00/hidezo363672/ff/e5/j/o0800106713073035153.jpg"><img border="0" alt="" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20140921/00/hidezo363672/ff/e5/j/t02200293_0800106713073035153.jpg"></a><br><br>虚ろな十字架<br>東野圭吾　著<br>光文社<br><br>１１年前、８歳の娘を強盗に殺された男がいた。<br>この事件で、夫婦は犯人を死刑にするべく、戦った。<br>私は当たり前のことだと思う。<br>愛する者が殺されたとすれば、<br>出来る事ならこの手で殺したいと思うはずだ。<br>司法に代行して晴らしてもらいたいと願うのは、当たり前のことだと思うからだ。<br><br>しかし、日本の法ではそうそう死刑の判決はでない。<br>長山基準と呼ばれる、幾つかの条件があり、それを越えない事件は死刑にはならない。<br>もっとも、最近ではそういった杓子定規的な裁判にも変化がみられているようではある。<br><br>この夫婦もまた、<br>長山基準と戦った。<br><br>愛する娘を殺した犯人に、情状酌量の余地などどこにあるのだろうか？<br><br>結局、この夫婦は離婚することになる。<br><br>そして、今度は元嫁が刺殺される事件が起きる。<br>そこから物語は動き出す。<br><br>また別の軸で他の家族が登場する。<br>エリート医師の家族だ。<br>一見幸せそうな家族にもまた、他人には分からぬ事情が存在していた。<br><br>それに、万引き依存症の女。<br>なぜ、この女が依存症になったのか。<br>それを考えた時、<br>生きるとは、選択の連続である。と、改めて思ってしまう。<br>選択した内容で人生は進むべく方向へと進む。<br>そしてそれは、選んだ時点で抗うことの出来ない流れになる。<br>個人の人生の流れは、横を流れる流れと影響しあい、<br>蛇行して、太くなったり細くなったする。<br>そして、じょじょにその人となりを示すような<br>風貌、評判、生活になっていくのだ。<br><br>虚ろな十字架、というタイトルに込められているメッセージは、<br>決して軽いものではない。<br>登場人物たちが人生の流れの中で、選択したひとつひとつは間違っているとは思えない。<br>それぞれの信念のもとに動いたまでの結果だろう。<br>ただ、他の人の流れに巻き込まれ、蛇行した際に決壊したりして、<br>いつしか十字架を背負ってしまったのだろう。<br><br>死刑制度、死生観、愛、、、<br>重たいテーマの本であった。<br>
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<pubDate>Sat, 20 Sep 2014 23:54:23 +0900</pubDate>
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<title>蜩の記</title>
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<![CDATA[ 男として、武士としてどう生きるか。正しき道とは何か。信念と何か。震えるほどの生き姿がここにはあった。<br><br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20140920/00/hidezo363672/ca/92/j/o0800108613072018473.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20140920/00/hidezo363672/ca/92/j/t02200299_0800108613072018473.jpg" alt=""></a><br><br>蜩の記<br>葉室　鱗　著<br>祥伝社<br><br>豊後羽根藩（架空の土地名）の檀野庄三郎は、<br>不始末での切腹を逃れる変わりに、<br>城下町からは離れた農村に幽閉中の、戸田秋谷の見張り役として送られることになる。<br>今で言う所の完全なる左遷人事である。<br><br>秋谷の罪状は側室との密通。<br>しかも、その密通に気付いた小性を殺害したことにあった。<br>そのような罪人の監視役を庄三郎は命じられる。<br>秋谷は、罪を犯した年から10年後の切腹が決まっている身であった。<br>その10年は、藩の歴史を記す＜三浦家譜＞を書き上げる事を仕事とし、幽閉されていたのだ。<br><br>しかし、庄三郎が秋谷の家に着くと、<br>果たしてこのお方がそのような罪を犯すような人であるか、<br>またその家族の在り方、立ち居振る舞いのすべてに<br>そのような罪を犯す人となりが見えてはこなかった。<br><br>疑念の中に訪れた秋谷の家ではあったがやがて、<br>秋谷の生き様に触れ、感服をし、<br>庄三郎の人生に影響を与えて行く。<br><br>秋谷は曲がったことは絶対にしない。<br>絵に描いたような真っ直ぐで凛と潔い考え方、生き方をする。<br>正しく生きたいと思っている人は、<br>秋谷に接するたびに襟を正し、背も正す人生を送って行けるのではないか。<br>ただし、どうしても正しい道を歩けない人間もいる。<br>そういった人間は、その反動でさらに悪しき道へと踏み出すことになるかもしれない。<br>良き人をさらに良き人に、悪しき人をさらに悪しき人にしていくのが、<br>どうやら秋谷という人のようだ。<br><br>話の中、秋谷の息子の郁太郎と、農家の倅の源吉の友情の話が出てくる。<br>源吉の強かさ、郁太郎の友を思う気持ちには涙が出た。<br>男子とはこうあるべきだ！　と叫びたくなった。<br><br>庄三郎はもちろん、<br>郁太郎や源吉を始めとする他の登場人物の生き方にも深く感銘をうけてしまう。<br>そして、自分の背を正す意味でも、<br>それぞれの生き様をしかと焼き付けようと思ったり。<br><br>誰の胸にも大切なものが埋まっている。<br>その大切なものを慈しむ方法も、またそれぞれ。<br>生きるとは、死に向かう行進であることは間違いない。<br>その行進の中、何を思い、何を成すのか。<br>深く考えさせられる作品だった。<br><br>とにもかくにも、あっぱれな終わり方である。<br>泣かせて頂きました。<br>
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<pubDate>Fri, 19 Sep 2014 23:59:43 +0900</pubDate>
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<title>トラッシュ</title>
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<![CDATA[ フィリピンのパタヤスダンプサイトを舞台に書かれた物語。絶望だけが横たわるゴミの山で拾った１つのカギが、少年たちを未来へと誘う。<br><br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20140916/00/hidezo363672/92/aa/j/o0800106913068076667.jpg"><img border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20140916/00/hidezo363672/92/aa/j/t02200294_0800106913068076667.jpg" alt="__.JPG"></a><br><br><br>トラッシュ<br>アンディ・ムリガン　著<br>高橋　結花　訳<br>メディアファクトリー（KADOKAWA）<br><br>ゴミを拾って生活をする少年ラファエル。<br>プラスティックや紙を拾ってはお金に換えて日銭で暮らしている。<br>でも日々見つかるものはというと、新聞紙にくるんだウンコが大半だ。<br>水道が整備されていない貧困街は、<br>排泄するものの処理に困って新聞紙にくるんでゴミとして捨てるからだ。<br>ラファエルは親友のガルドとともに、<br>ウンコが大半を占めるようなゴミの中に金目のものを探していた。<br>ある日、ラファエルは１つのカバンを見つける。<br>その中には、１１００ペソとカギ、少女の写真に手紙が入っていた。<br><br>その中身たちが、ラファエルとガルドの人生を大きく変えて行くことになる。<br><br>さっそく翌日には、警察がきて、<br>ゴミの街の住人に聞き取り調査が行なわれる。<br>この国の警察は腐敗しきっている。<br>子どもであろうと、女性であろうと、<br>金持ちでない人間は命の尊厳などはない。<br>用が済めば殺される。<br><br>ラファエルたちはその緊張の中、<br>バッグが握る謎を解く事にする。<br><br>ラットと呼ばれる少年の力も借り、<br>３人で警察を向こうに回しての謎解きを始める。<br><br>やがて、それは国の大物政治家の政治生命を、<br>さらには、この国の行方をも左右しかねない答えがあることを知る。<br>そして、そのきっかけを作った人物、つまり、カバンの持ち主は命を賭していた。<br>ラファエルたちは、その人物の心意気に感化され勇気をもらって立ち向かって行く。<br><br>さて、私自身はフィリピンを訪れた事はない。<br>ただ、ベトナムの地で、孤児や親に教育を放棄された子どもたちの施設を作るボランティアには<br>２度参加した経験がある。<br>一緒にマングローブの植林に行ったり、スイカ割をしたり。<br>男の子たちとはサッカーをしたり、女の子とは炊き出しをしたり。<br>そんなことをしながら、数日を一緒に過ごすのだ。<br>ラファエルの笑顔は大人たちを虜にするようだが、<br>実際に、ベトナムで虜になるような笑顔をする少年や少女に何人も出会ってきた。<br>じっと真っ直ぐにこちらをみて、はにかむように微笑むのだ。<br>何とかできることをしてあげなくては、と改めて思わされる笑顔だった。<br><br>話を戻そう。<br>ラファエルたちが求めていたのは、哲学的なものでもなければ、<br>精神的解放などというものでもない、物理的な脱出だ。<br>ウンコばかりのゴミの山の生活からの脱出だ。<br>そのために、少年たちは知恵を絞る。そして行動する。<br>大切なのは、扉をあけることだと気付かされる。<br>行動しなくては、何も変わらないのだ。と。<br><br>この物語は、リトルダンサーの監督、スティーブン・ダルドリーによって映画化されるらしい。<br>秋に、ブラジルで公開となっているが（舞台もブラジルの設定になっている）、<br>日本での公開はいつからなんだろうか。<br><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/hidezo363672/entry-11925527095.html</link>
<pubDate>Tue, 16 Sep 2014 00:31:28 +0900</pubDate>
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<title>最後の命</title>
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<![CDATA[ 人が内包する欲や惰性に、見事なまでに翻弄されていく主人公たち。<br>最後の命は誰のためにあろうとするのか。<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20140910/16/hidezo363672/1b/96/j/o0800112713062412555.jpg"><img border="0" alt="" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20140910/16/hidezo363672/1b/96/j/t02200310_0800112713062412555.jpg"></a><br><br>最後の命<br>中村文則　著<br>講談社文庫<br><br>意識の奥にある声に耳を傾ける。<br>自分の中にある意識の声は、記憶の中で生成されて、<br>経験の中で熟成されて、関係性の中で産声をあげる。<br><br>主人公は、<br>小学生の時に見た浮浪者たちの集団レイプ事件がきっかけとなったトラウマに翻弄されている。<br>見捨ててしまったことによって一つの命が捨てられた。<br>それが、自分のせいなのではないか、と。<br><br>過去に捕われるのは、主人公と同じ体験をした友人、冴木も同じだ。<br>冴木はまた違った角度でトラウマから逃れられない人生を歩んでいた。<br>主人公は結果に翻弄され、<br>冴木は行動に翻弄されていく。<br>そんなふたりが再会を果たす。<br>テーマはそこから始まる。<br><br>性欲と暴力。<br>正常と異常。<br>誰を想う。<br>何を想う。<br>何をする。<br>何を恐れる。<br>何を求める。<br>求めても良いのか。<br><br>体の内側と外側の間に、<br>ふとした空間があると私は思っている。<br>それは、感情が存在する空間。<br>内側と外側の関係がうまくいっていれば、体は機能してうまく動く。<br>しかし、どちらかが壊れると、<br>その間にある感情が、内か外か、<br>どちらかに向いて暴れたり、何もしなくなっていく。<br>じっとしていることができなく、テレビを点けては消してみたり、<br>包丁の刃先を自分の首元に向けてみたり、手首に傷を付けてみたり。<br>涙が止まらなかったり、誰かを求めたり。<br>人は、それぞれに様々な感情を持って生きている。<br>そしてコントロールできなくなることを自覚する主人公たちは、また傷ついていく。<br><br>「遠くから見れば」彼女が言った。「きっとわたし達は、何だか幸せに見えるよ」<br><br>それでいい、と私は想う。<br><br>さて、この小説を原作にして、<br>この冬映画化されるそうだ。<br><br>柳楽優弥くんが主演と聞いて、いいキャスティングだな、と思った。<br>ナイーブで尖ってて、危うい感じがうまく出るのではないかと。<br>あまり骨太に描かないで欲しいと思うが、さて。<br>映画も楽しみである。<br>
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<link>https://ameblo.jp/hidezo363672/entry-11922903841.html</link>
<pubDate>Wed, 10 Sep 2014 16:27:52 +0900</pubDate>
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