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<title>書いてみたいお年頃</title>
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<description>小説を書いてみたいと憧れる大学生の日記</description>
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<title>岐路</title>
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<![CDATA[ 「ティラノサウルスだー！」<br>男の子達の歓声が昼下がりの電車の中に響いた。がたんごとんと揺れる静かな車内にその声が響き渡る。<br>「かっこいい！」「僕もこのかばんほしい！」<br>僕のキャリーケースの上に置いてあるトートバッグに興味津々のようだ。<br>「恐竜が好きなの？」<br>そんな質問を子供達にぶつけて話に花を咲かせるのも面倒で、僕は黙って電車に揺られていた。<br>男の子達はトートバッグの話をしだしたかと思いきや、関心は窓の向こうに移ったみたいで外を見つめて黒目がちな目をぱちくりさせている。<br>その子達のお母さんと目が合って軽く会釈された。お母さん達にとっても僕はとても興味をひいただろう。なぜならこんな大荷物で電車に乗ってる客なんて僕くらいだからだ。<br><br>ひとつ、またひとつと駅を通り過ぎ、いつのまにか子供達もお母さん達もいなくなっていた。僕が行く駅はとても遠い。一番早くつく急行電車でもたっぷり時間がかかる。なのに僕は各駅停車の一番遅い電車に乗って、ただずっと外を眺めて座っている。<br><br>ふと、手紙を読み直そうと思った。これは中学生の時、当時の彼女から貰った手紙だ。まだ携帯もそんなに普及してなくて、僕らは古風なやりとりをして幼いながら満足していた。<br><br>「いつか結婚しようね」とか、「いつまでも一緒にいよう」とか、守られることのなかった約束が滲んだインクで書かれていた。僕はその滲んだ字を指先でなぞりながら、疲れてもいないのにふぅっと息をはいて手紙をしまった。<br><br>窓の外を見ると、だいぶ日が落ちはじめていた。うろこ雲だかいわし雲だかが空にうっすらと広がって夕焼けにかぶさっている。<br>僕は昔使っていた携帯をまさぐった。<br><br>電源を入れると時代遅れの画素数の時代遅れの壁紙がぼわっと映った。特に何がみたかったわけでもなく、写真のフォルダをいじっていると、過去の画像が<br>光っては消える。思い出のひとつを反芻しては、また次の思い出に浸り、「次へ」のボタンを押し込んで行く。<br><br>外は既に寒空に似合う深い黒色の空だった。黒とところどころの白い光。<br>電車は相変わらずがたんごとんと同じリズムで線路を鳴らしている。一体僕はどこの駅へ向かっているのか、分からなくなる。それ程目的地は遠くて、その度に新しい携帯を開いて時刻表をチェックする。どこでいつ電車を待って、どこでいつ電車を乗り換えるのか、詳しく説明してくれるその手順に沿って僕は電車を乗り換える予定だ。<br><br>なんで新幹線に乗ったり飛行機に乗ったりしなかったんだろう、と思うこともある。でも、そんなことを考えても仕方ないよな、とも思う。電車に乗ろうと思った時に来た電車がこの電車だったんだから仕方がない。<br><br>子供連れの男がそそくさと電車に乗り込んで来た。その男は僕に軽く目配せをして、僕の目の前に座った。他の席もたくさん空いているのに。男の子はまだ遊びたい盛りの年頃で、手には折り紙の紙飛行機を持っていた。きれいに折られた紙飛行機は、いつでも飛ばしてくれよ、と言わんばかりの綺麗な形をしていた。<br>「その飛行機、僕にくれない？」なんて言えるはずもなくて、僕はそれをぼぉっと眺めて、時々男の子に笑顔を見せたりしていた。<br><br>少し、眠っていた。気付くと男の姿は消えて、男の子が僕の目の前で僕と同じポーズで眠っていた。安心しきったその表情は、世界中の誰が見ても笑顔になるだろう。幸せに満ちたその表情は、僕の心も幸せにした。肝心の飛行機は、彼の手の中でぐしゃぐしゃに握りしめられている。大事そうに持っていたのに、いつのまにか握ってしまったんだろう。僕は少し残念な気持ちになってもう一眠りすることにした。<br><br>電車はまだ目的地にはつきそうもない。しかも、目的地さえも変わるかもしれない。大きな荷物が不必要な時はそれを捨てる事になるかもしれない。それもいいかな、とも思う。重い荷物を持ったまま、目的地も定まらないまま、旅をするのが良いことなのか、僕には分からない。ただひとつ言えるのは、もう外も暗いんだから一眠りしたって誰も怒らないってことだ。男の子もうんうんとうなずいたように見えた。ま、それもいいんじゃない。電車がゆるやかなカーブにさしかかり、線路のリズムが変わった。進路方向には大きな街のネオンが見える。<br><br><br><br><br><br><br>iPhoneからの投稿
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<link>https://ameblo.jp/hikkmo/entry-10663917365.html</link>
<pubDate>Fri, 01 Oct 2010 04:19:49 +0900</pubDate>
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<title>circle</title>
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<![CDATA[ 僕は年老いてしまった。筋肉は落ち、肉はたるみ、足はコンパスの様に細い。こんな体になったのは年月がそうさせたんだ。でも僕は、体が醜くなるのと引き換えにして、年相応の心の強さは身につけた。どんなにひどいこと(たとえば、親しい人の死や、上司からの厳しいプレッシャー、そして恋愛。)があっても、そう簡単にはへこたれなくなった。へこたれなくなったのは、自分にとっては喜ばしいことなんだ。辛いことがあって、うじうじ芋虫みたいに丸まって四六時中悩む、ということはしなくなった。<br>   非生産的なことはしたくないという合理的な行動を、僕は好きだったから自分もそうなりたいと常々思っていたんだよ。若い時には無理でも、年を重ねていけばできることは増えていく。非生産的だと思った行動が実は、生産的だったんだね。芋虫が蝶々に昇華するみたいに。<br><br><br>   君は年老いてしまった。昔はけっこう筋肉があったのに、それもだいぶ少なくなった。テニスをしたり、バレーボールをしたり運動していたその体も、足もコンパスの様に細くなってしまった。実を言うと俺も同じ様なものなんだけれど。<br>   君は自分の弱さを口にしていた。その弱さに立ちはだかる壁を一つずつ壊して、君は何かを手に入れたんだろうか。とても楽しいこと(たとえば、レジャーや、旅行、そして恋愛。)があったら、昔とは違った様に楽しむようになったはずだ。感情を吐露するだけじゃなく、受け入れることって難しいよな。辛いことがあって、ムダに酒をあおって、二日酔いの毎日、なんてことはしないほうが幾分マシだよ。壁を打ち破って君が手に入れたものを俺は知りたいが、知りたいと騒ぎ立てたりはしない。友達ってそういうもんだろう、とか言わせないでくれよ。<br><br><br>   あなたは年老いてしまった。引き締まった体は昔の面影が少し残るくらい。でも足は本当に細くなった。まるでコンパスみたい。私は太りやすくなったというのに。あなたは私に感情をあらわにすることはほとんどなかった。そして一度怒ると手がつけられなかった。手をつけようともしなかったのだけど。とても幼く見えたから。とてもうれしいこと(たとえば、お祝い事や、プレゼント、そして恋愛？)がある時、今ならあなたはどんな顔で笑うのかしら。感情を受け入れるだけでなく、吐露することも大事なのよ。つらいことがあって、独り言をつぶやく時、意外と多くの人が聞いてるもの。<br>   これ以上年を重ねると、出来ないことも増えていくわ。だからって若作りしろってことじゃないわよ？芋虫だって一生懸命、蝶々になろうとしてるってこと。<br><br><br>みんな老いていく。<br>平等に、ゆるやかに。<br>ひとりひとりから延びる手が、<br>繋ぎあって半径を増やす。<br>届く範囲が広くなって、<br>新しい世界が飛び込んでくる。<br>たとえ足がコンパスでも<br>届く範囲は、同心円状に。<br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/hikkmo/entry-10659698270.html</link>
<pubDate>Sun, 26 Sep 2010 17:02:37 +0900</pubDate>
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<title>たばこ、陸上競技、チャンス</title>
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<![CDATA[ <p>　ほどよい空気。これならいける。一気にスピードを上げて、一番前へ。僕の前を走る人は誰もいない。風が前へ前へと運んでいってくれる。足がとても軽い。観衆の声は聞こえない。いつの間にか最後のカーブにさしかかった。あっという間のレース。ゴールテープを切る瞬間、僕は懐かしい匂いを感じた。</p><br><p>「明日はとうとう、全国大会だね」</p><p>僕が短距離用のスパイクを磨いてホテルに帰る準備をしていると、部室の前でマネージャーに話しかけられた。</p><p>「そーだね」</p><p>「足の調子はどう？」</p><p>「悪くない。ちょっと練習を張り切りすぎて筋肉痛になってるけどね」</p><p>僕は乾いた笑いをもらした。彼女は</p><p>「明日、頑張ってね」</p><p>といって仲間のもとへ向かっていった。</p><br><p>　僕は心底心配だった。明日のレースについて。僕の高校では全国まで行けたのは自分しかいない。期待を一心に集めているのは、他でもない自分が一番感じていた。何がなんでも優勝しなければ。自己ベストは上位に入っているのは分かっている。だが、その期待だとかプレッシャーといったものとは別に心配なことがあった。</p><br><p>観衆、たくさんの応援、チームメイトのまなざし。僕はその状況が苦手なのだ。苦手と言っても、ピーマンが苦手だとか、人前でスピーチするのが苦手だとか、なんとかできるレベルのものではない。足が思い通りに動かなくなってタイムが２、３秒は変わってしまう。短距離では致命的だ。今までは、小さい競技会場や、応援を自重してもらったりして対処できていたが、明日は違う。</p><br><p>全国大会。インターハイ。全国でいちばん足の速い選手を決める大会。その重圧に僕は耐えられるのだろうか。きっと無理だという気持ちを今までかき消してきたけど、日に日に大きくなっている。今にも心が折れそうだ。心の中のかすかな希望が今にも消えそうなのは自分でもわかった。何とかしなければと思えば思うほど、心の中は暗くなった。おぼつかない足取りで、僕は泊まり込んでいるホテルに帰ることにした。</p><br><p>　ホテルに着いて夕食を食べ、激励され、シャワーを浴びて、ベッドに入った。ホテルに着いてからみんなの声援を浴びて余計に緊張してしまった。何を食べたのかも思い出せない。頭の中には明日のレースのことしかなかった。疲れた。もう何も考えたくない。レースに集中するんだ。そう言い聞かせているうちにいつの間にか眠ってしまった。</p><br><p>　くるくるまわる小学生を僕は見ていた。鉄棒で逆上がりをしている。とても得意げにくるくる回り続けている。そう、これは僕だ。夢で昔の自分を見ている。走るのが苦手で、鉄棒は得意だった。よくおじいちゃんに見てもらっていたっけ。</p><p>そのおじいちゃんがいなくなってから、僕は走ることを得意にしようと頑張り始めたのだ。おじいちゃんは昔短距離の選手だった。走るのが苦手な僕にコツを教えようとしてくれたのに、ぐずる僕は得意な鉄棒しかしなかった。おじいちゃんのたばこの匂いを今でも思い出せる。鉄棒を回るように走りたい。僕は夢の中で鉄棒を回り続けていた。</p><br><br><br><br><p>　朝早く目が覚めた。時間を持てあましていたので母からもらったお守りを見ようと鞄を漁った。この鞄は昔から使っている。思い出もたくさんある。この鞄をもって全国に行くのは夢だった。それが今日、現実になる。いてもたってもいられなくなってジョギングに出かけた。</p><br><p>きれいな青い空だった。絶好の大会日和。ホテルの周りをぐるっと回ろうと思った。いくぶん乾いた風と太陽の日差しが心地よかった。朝早いのでまだ気温もそんなに上がっていない。程よく汗をかいてきたところで切り上げて部屋に戻ろうとした。喉が渇いた。帰り道に自販機があったのを思い出して、立ち寄ることにした。自販機でスポーツ飲料を買って一息ついて、ふと自販機を見るとたばこも売っていた。最近は年齢の認証がないと買えないはずなのに、この自販機にはなかった。</p><br><p>ふと、たばこを買ってみたくなった。</p><br><p>吸ったこともないし、吸ってみたいとも思ったことは一度もなかったけれど、買いたい衝動が抑えきれなかった。</p><p>セブンスター。おじいちゃんの吸っていたたばこだ。自販機から取り出すときに見られてないか心配になりながらも、どきどきしながら封をあけた。懐かしい匂い。　たばこをぎゅっと握りしめた。</p><br><p>　ホテルの自分の部屋に戻ってまたたばこを取り出した。鼻に当ててみる。葉っぱの匂いがした。部屋を見渡すと、床にマッチが落ちていた。マッチを拾い、鞄に忍ばせて試合会場に向かう。</p><br><p>会場に着いて、みんなは僕が緊張しているのを見てひとりになれるように察してくれた。もうすぐ一次予選が始まる。会場の雰囲気は熱気に満ちている。声援が遠くから聞こえる。誰かが誰かを応援している。まだ少しだけ時間はある。会場の外に出て、たばこに火をつけてみた。煙が喉に入っていく。不思議とむせなかった。一息だけ吸って、吸い殻入れに放り投げた。</p><br><p>　がむしゃらに走れるような気がした。緊張はしているけれど、今までとは違う。理由のない自信があった。昨日考えていたことは頭にない。名前の呼び出しがあった。もうすぐレースが始まる。きっと実力の全てを出し切るのは難しいだろう。</p><p>全てのレースが終わったときに僕が何を感じるのかは、今はまだ分からない。</p>
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<link>https://ameblo.jp/hikkmo/entry-10584125985.html</link>
<pubDate>Wed, 07 Jul 2010 17:44:22 +0900</pubDate>
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<title>長編小説について</title>
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<![CDATA[ <p>時間の制約や、物語の構成など、自分にはまだまだ荷が重すぎるので、</p><br><p>長編の執筆をブログ上で一時凍結することにしました。</p><br><p>一度全てを書き上げてから、ブログに掲載したいと考えています。</p><br><p>読んでくださった方には申し訳ないですが、記事も削除しようと思います。</p><br><p>完成した暁には必ず載せようと思っているので</p><br><p>これからも長い目でお願いします。</p><br><p>これからは短めのものを載せていきたいと思います。</p><br><p>暇つぶしに読んでもらえたら幸いです。</p><br>
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<link>https://ameblo.jp/hikkmo/entry-10584018132.html</link>
<pubDate>Wed, 07 Jul 2010 15:09:41 +0900</pubDate>
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<title>ヨーロッパ、土、匂い</title>
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<![CDATA[ <p>　ぎゅっと踏みしめて僕は記念すべき一歩を踏みしめた。ここは日本ではない。外国だ。ヨーロッパ。フランス。海外に一人で来るというのは初めての経験だった。自分は何もフランスのことは知らないのに、とうとうこんなところまできてしまった。つくづく自分の行動には驚かされる。呆れたものだ。</p><br><p>　なにもフランスのことは知らなくても、ここには有名なエッフェル塔があって、クロワッサンがおいしくて、買い物できるところがたくさんあるということだけは知っている。すべて彼女が教えてくれたのだ。彼女はここでワインを買い付けたり製造法を学びに来ている。そんな彼女はせっかく会いにはるばる日本から来た僕を迎える気はないらしい。ロビーにもエントランスにもおらず、手紙に書いてあるホテルまでただ一人いかなければならないようだ。</p><br><p>　あるときは手紙で、あるときは国際電話で、彼女は僕にいろいろなフランスのことを教えてくれた。フランスのパンはおいしい、ほんとにフランス人はきれい、でも無愛想で日本人だからって馬鹿にしてくる、などなどたくさん。日本にいたときにつけていた香水も、フランスで気に入ったものに変えてしまったらしい。僕はそれがどんな匂いかも分からないので想像するよりほかになかった。</p><br><p>　僕はホテルへと向かうことにした。タクシーを停めてホテルの住所を運転手に教える。僕は英語が堪能ではないけれどなんとか伝えることができた。フランス人の中年のおっさんは嫌みったらしく、ほんとに金はあるのか？みたいなことを英語で聞き取りにくく言ってきた。</p><p>彼女の言ってたことは確かなようだ。</p><br><p>　車から外を眺めていると、公園が見えた。絵の中にあるような鮮やかな緑色の木々に囲まれるようにして、太い木が公園の真ん中にどかんと立っている。ふと彼女のワインの話を思い出した。国際電話で長い時間は話せないのに、ワインについて小一時間話していたのを覚えている。</p><br><p>「ワインがうまくできる条件ってなにかわかる？」</p><p>「え？わからないなぁ」</p><p>「土が大事なのよ。ぶどうの品種が大事なのは当然としても、植える場所が大事なの。何も考えずにそこらに植えたら何も考えてないワインしかできないの。」</p><p>「何も考えてないワイン？」</p><p>「せっかくの実がぼろぼろになった、駄目になったぶどうからつくられた腐ったような匂いのワインよ。」</p><br><p>何も考えてないワイン。それは僕のことを言っていたのだろうか、と今になって考えた。僕らの関係はワインに例えるならどんな匂いなのだろう。専門家の彼女に聞いてみたいと思った。植えた場所はどんなところなんですか？と。</p><p>いろいろなことを聞いてみたくて、僕はこうしてやってきたのだ。はるばるフランスに。何も決意がないならこんなところには来やしない。</p><br><p>　年季の入ったホテルの前でタクシーは止まった。多めにお金を渡したら、これはチップ込みだろとでも言わんばかりにふんだくって逃げるようにして走り去っていった。それでもいいか、と僕は思った。細かく言えばそれどころではなかった。足の裏の感触を確かめる。思ったより緊張している。緊張は、外国に来たからではなくて、それとはまた別のものだ。このホテルにいると思うと否応なしに緊張してしまう。</p><br><p>　僕が何をしに行くのか、分かっているのは僕だけだ。彼女はこのことは知らない。ただ旅行しに来たと思っているのだろう。僕はホテルのエントランスに歩き始める。入り口の脇の生け垣にはぶどうが茂っていた。つくりもののような葉っぱとぶどうの実がつやつやと垂れている。ぼろぼろになりそうなぶどうの実はどこにもない。僕は入り口のドアを開ける。</p><br><p>　そこには彼女が立っていた。久しぶりに見た笑顔。うれしさが僕の顔からこぼれているのが自分でもわかる。ロビーには焼きたてのデニッシュの匂いとうっすらと彼女の香水の匂いがする。</p><p>ぼくらが植えた土は間違っていない。そう思えた。</p>
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<pubDate>Thu, 24 Jun 2010 03:58:31 +0900</pubDate>
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<title>書いた小説を見て</title>
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<![CDATA[ <p>なんだかほんと、暗すぎる</p><br><p>と、思わざるを得ませんｗ</p><br><p>小説ってそのときの心に貯まったものがでてくるもの。</p><br><p>でも、書いたときのことを思い返してみてもそんなに不幸だったとは思えないのですけど…。。</p><br><p>これからは楽しい小説をかきたいなぁ。</p><br><p>練習あるのみ。ですかね。</p>
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<link>https://ameblo.jp/hikkmo/entry-10571738373.html</link>
<pubDate>Thu, 24 Jun 2010 03:53:10 +0900</pubDate>
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<title>あのとき交わした言葉</title>
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<![CDATA[ <p>　思い描いた未来とは違う結果となったとしても、私はあきらめない。彼女はそういって、目を閉じた。血管が透けて見えるような白い肌の中にひとかけらの意志を輝かせて。彼は彼女の隣でぎゅっと手を握って、一緒に目を閉じた。彼女の体温は徐々になくなっていった。彼は自分の手のあまりの暖かさに涙を流した。一筋のしずくは勢いを増し、氾濫し、洪水になった。今は泣く時じゃない。そう自分に言い聞かせても、彼は心を止めることができなかった。</p><br><p>　彼女は寝そべりながら病室の窓から外を眺めていた。早朝の朝日は病室の真っ白な壁やシーツ、机をまんべんなく薄水色に染め上げる。すずめのさえずりも、うるさい排気音も、まだ聞こえない。彼女は朝日が昇ろうとする一歩手前の時間が好きだった。世界がこの時間帯だけ、いっせいに止まる。そんな時間に起きて外を眺めているのは自分だけのような気がして、こんな自分でも生きている気がした。生きている実感は彼女にとってとても重要なものだった。なぜなら、死を間近なものとして考えているからだ。彼女は死ぬということを毎日考えていた。いつか死ぬ、そんな悠長なことはいってられない。考えるべき、乗り越えなければならない問題はもうすぐ死ぬという予感を完全に消すにはどうしたらよいか、だった。</p><br><p>　彼は寝そべりながら寝室の窓から外を眺めていた。「早朝の朝日は、完全な朝日よりも薄くて儚くて、そんな時間に起きているってなんだか特別じゃない。」と言っていた彼女の言葉を思い出した。うるさいバイクの音も、近所の幹線道路の騒音も、まだ聞こえない。この時間に起きているであろう彼女のことを思い出した。彼は彼女の支えになれるか不安だった。彼女はとても強くて、聡明で、それでいて美しい。もし世の中に、生きるべき人間と生きられない人間を振り分ける必要があるのなら、自分のちっぽけな存在とは比べものにならないくらい、彼女は生きるべき人間だと思った。そんな必要に迫られた世界で生きていたいとは思わないけれど、彼女のためになるのなら命を分けてもかまわない。彼は何もできない自分を無力だと感じて、切実にそう思った。</p><br><p>　薄水色の世界はやがて黄金色に輝いていく。そして一日が始まる。彼女は病院の中庭で絵を描いていた。中庭の風景画を描くのが彼女の日課だった。徐々に完成に近づき、あとは仕上げをする段階だった。きれいに彩られた絵を見て彼女は、一日の始まりは絵を描く工程と似ていると思った。始めに下書きをして、その上から色を乗せていく。白色のキャンバスに輪郭しか見えなかった対象がだんだんと形をもって、色をはっきりとさせていく。まるで朝日と同じだ。彼女の下書きはいつも薄水色の鉛筆だった。彼女は作業に戻り、色を付け足していく。そして輪郭をもった絵は、自分のいない場所を映し出していく。自分の存在しない世界を描いているような気持ちになってしまう。彼女は仕上げをまた今度にして、病室へと帰っていった。</p><br><p>　彼は連絡を聞いて、病院へと急いだ。愛用のクロスバイクは彼を乗せて風をきって走っていく。病院へと脇目もふらずに走って走って、彼がたどり着いたときには彼女はいつものように眠っていた。</p><p>透き通るような肌。何者も触れてはならないような、そんな神聖さを彼は感じた。彼は彼女に触れることはできなかった。自分には触れることさえ許されないとも思った。美しく眠る彼女を見て、彼はまた一筋の涙を流した。</p><br><p>　帰る途中に彼は中庭で一枚の絵を見つけた。見覚えのある絵だった。彼女は体調がまだ良かった頃、この絵を見せてくれた。いろいろな絵を中庭で描いたけれど、今回の絵は今まで以上に真剣に描きたいと彼女は言っていた。何か鬼気迫る雰囲気の彼女を見て、何も気の利いたことを言えなかったことを彼は覚えていた。だがその絵は、彼が見たものとは明らかに違っていた。彼はまた泣きたくなった。その捨てられている絵を大事に包んで持って帰った。</p><br><p>　キャンバスには青い日差しを放つ黒い月が描かれていた。太陽のように木々を照らす、真っ黒な月。なにものにも変えられない運命があるとすれば、それは絶望でしかないと彼は思った。だが、変えられる運命もあると彼は信じている。彼女のことを考えるたび、彼はそのキャンバスを見る。</p>
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<link>https://ameblo.jp/hikkmo/entry-10564452267.html</link>
<pubDate>Wed, 16 Jun 2010 03:46:01 +0900</pubDate>
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<title>長編</title>
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<![CDATA[ <p>　長編小説を書くコツってなんだろう。一度書こうと思ってプロットやら構成やらを考えていたけど、なかなかはかどらない。自分の身をひりだすようにして書いている気がする。正直、全然書けない。</p><p>こんなに大変な作業だったとは…</p><br><p>村上春樹も長編はかなり精神的にも体力的にも力を使う作業だと言っていたんで、小市民の自分には無理なのかなぁ。２～３年の作業が必要だと。</p><br><p>ともかく、とても長い目で見てもらえたら幸いです。</p>
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<link>https://ameblo.jp/hikkmo/entry-10563846116.html</link>
<pubDate>Tue, 15 Jun 2010 14:48:28 +0900</pubDate>
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<title>白い太陽</title>
<description>
<![CDATA[ <p>　真っ白なノートを開いて、私は何を書こうともせずに、そのノートを眺めていた。窓からそそぐ強い日差しが、ノートの白さをはっきりさせていた。もう太陽は春の頃のように優しくはない。夏の厳しい日差しは、じりじりと私とノートを焦がしている。何を書こうか。</p><br><p>　私はこの夏起こった出来事を書いていった。ひと夏の思い出。そう、彼との思い出。</p><br><p>　私は二つ下の彼と大学４年の時からつきあっていた。とても仲が良かった。少なくとも私はそう思っていた。バイト先で知り合った彼。普段はとても大人しいが、ケンカになると熱くなる彼。勉強を頑張ろうとして単位を落としかける彼。そんな彼のことが私は好きだった。</p><br><p>　そこでボールペンを置いた。集中して書いて、スラスラとペンは進んでいたのに、いつの間にか書くことが思いつかなくなってしまった。書くべき事がわからなかった。むしろ、なんで私はノートにこんなことを書いているの？</p><br><p>　昼下がりのグラウンドはじりじりと焦げている。私の一人暮らしの部屋は学校からすぐそばで、グラウンドが窓から見下ろせた。そこでは、汗を垂らしてテニスをする学生が見えた。</p><br><p>彼もテニスをしていたっけ。</p><p>でも、結局一緒にはしなかったな。</p><p>私はまたペンをとった。</p><br><p>　そして、何ヶ月かして、私は彼にふられた。彼は空気を読むのが得意だった。私たちのなかにある空気がよどみ始めたのを知ったのだろう。私には気づかなかったそのよどみを彼は嫌がった。そうして私たちは別れようという言葉もなしに別れ、だんだん疎遠になった。だんだん。疎遠に。</p><br><p>　この何行かを書くのにどれだけの時間を使ったのかを考えて、私は笑ってしまった。外を見ると日が暮れかけている。今にも壊れそうなこの言葉達をみていると、私は深呼吸をひとつした。</p><br><p>　グラウンドに面した道路では工事が行われている。彼とつきあっていたころ始まった工事は、ちょうど今日、終わりを迎える。きれいになった歩道と道路は新鮮さを十分にだして、通行人を迎えるだろう。新しく舗装された道を通って、私は明日も大学に向かう。</p>
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<link>https://ameblo.jp/hikkmo/entry-10563824491.html</link>
<pubDate>Tue, 15 Jun 2010 13:49:24 +0900</pubDate>
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<title>ひさしぶりに</title>
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<![CDATA[ <p>今日はまとまった時間がとれそうなので、ひさしぶりに更新しようとおもいます。</p><br><p>最近は大学院受験のため、小説がかけないのが最大の悩みです。書きたい。</p><br><p>こまぎれの時間をつないで書いた小説をアップしていこうと思います。</p><br><p>楽しんでもらえたら幸いです。</p><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/hikkmo/entry-10563806062.html</link>
<pubDate>Tue, 15 Jun 2010 13:40:38 +0900</pubDate>
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