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<title>寺田のブログ</title>
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<title>「姫と囲い」第3話</title>
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<![CDATA[ 勝負は、あっけなくついてしまった。<br>東海道は峠とは違い、人も多い。<br>いくら速度の出せる馬に乗っていようと、<br>すり抜け本気組の武士達の俊敏な動きには、<br>全くといって良いほど歯が立たなかったのじゃ。<br><br>「や〜い！！ブサイク！淫乱！あばずれ〜！」<br>武士達は勝ち誇った様子で姫を罵倒して去っていった。<br>「…どうしてじゃ…コスプレして大黒に来るのがそんなにいけない事なのかの…」<br>泣いている姫を気遣って、<br>集落の者ではない囲いたちまでもが、<br>姫を家まで送っていこうとした。<br><br>そのときじゃった。<br>集落の男である六郎が言った。<br>「その必要は無い、あまり大勢で送り届けても<br>泣いている姫に恥をかかせてしまう<br>ここはワシが静かに送り届けようぞ」<br>同じ集落の男たちも、彼の言葉に納得し、<br>後から集落へ戻ると言って二人を見送ったのじゃった。<br><br>六郎は悪知恵が働く男じゃった。<br>純粋な童貞ばかりの囲いたちを騙して見事、<br>姫と二人きりになるチャンスを得たのじゃ。<br>「(姫がメンタル的にボロボロの今なら、姫とワンチャンも容易じゃろうて…)」<br>ワンチャンとは、ワンチャンスセックスの事じゃ。<br><br>姫と二人、馬で集落へと向かう間、<br>六郎は優しい言葉で姫を慰め続けた。<br>その優しい言葉に姫は、<br>このまま六郎の優しさに溺れたいと、<br>一瞬そう思ったのじゃった。<br><br>「なぁ六郎や…今晩は、一緒に眠ってくれんかの…？<br>あの意地悪な武士達が夢に出てきそうで<br>おっかないんじゃ…」<br>集落で馬から降りた途端、姫は六郎の肩を抱き、<br>呟いたのじゃった。<br><br>六郎は内心、踊り狂いたい気分であった。<br>「(うへへへ…これで姫もワシのものじゃ…)」<br>その晩、二人は後から戻ってきた集落の男たちに気付かれぬよう、<br>静かに愛しあったのじゃった。<br>しかし、六郎の外見は、<br>姫の好みとは程遠かったのじゃ。
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<link>https://ameblo.jp/himetokakoi/entry-12361408726.html</link>
<pubDate>Mon, 19 Mar 2018 02:37:20 +0900</pubDate>
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<title>補足「すり抜けの歴史」</title>
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<![CDATA[ 江戸時代といえば思い出すのは、<br>そう、“すり抜けの歴史”。<br><br>すり抜け…現代社会においてはバイクのライダーや走り屋、もしくは通勤ラッシュの駅構内等で行われる、車もしくは人の間ギリギリを通り抜ける行為である。<br>その歴史は、江戸時代中期にまで遡る━━━━━。<br><br>江戸時代、旧甲州街道において武士達が町人達で賑わう街道を如何に速く通り抜けるかという遊びが流行した。<br>町人たちに迷惑をかけずに、かつ、出来るだけギリギリを通り抜けることが粋とされた。<br>ルールとして、全力では走らない、体当たり等は禁止、すり抜けに興じる他の武士の進路を塞ぐ行為等は禁止されてはいなかった事が、当時の文献に記されている。<br>すり抜けを当時は“摺り抜け”と表記していたようであるが、これは武士達の摺り足が由来となっているものと思われる。<br>この遊びは、やがて全国へと広がりを見せ、峠区間では馬に乗ってすり抜けを行う者も現れたと言われている。<br>文献によれば、武士達はすり抜けをする際に周囲へ注意を促す為か「也(や)、也、也」という声を発しながら通り抜けていたようである。<br>しかし、すり抜けの流行が広まるにつれ、問題も頻発していた。<br>町人との衝突事故、建物等への接触事故、水路への転落事故等、次第に事故の件数が増えていき、峠区間では馬のアンダーステアによる林への転落事故や、茶屋に衝突する事故が多発したようである。<br>そしてついに死亡事故が発生したのである。<br>安永5年、武蔵国府八幡宮付近の街道にて、三人の武士達がすり抜けに興じていた。<br>長屋から出てきた女性と、米俵が重ねて積まれていた荷車との間を通り抜ける際、三人目の武士の小袖が米俵を荷車に固定していた縄に引っかかってしまうが、武士はそれに気付かずそのまま通り過ぎ、縄が解けてしまった。<br>そして荷車に積まれていた5個の米俵が崩れて落下した際、近くにいた子供に直撃。<br>子供は即死してしまった。<br>死亡した子供は、その地域の庄屋の一人息子であり、激怒した庄屋の主人は事故の件を幕府に報告。<br>同じ頃に峠区間でも飛脚が馬に撥ねられる死亡事故が発生し、事態を重く見た幕府は、摺り抜け禁止令を発布した。<br>しかしすり抜けの流行は収まる気配を見せず、町人達は特にすり抜けが多い場所に縄を張り、平賀源内も特定の速度を超えて武士が通過した際に地面に設置された縄を自動で巻き上げるという、現代におけるオービスに似た役割の装置を開発する等の対策を講ずるも、武士達は他の区間ですり抜けを行うようになり、結局はイタチごっことなってしまう。<br>すり抜けを行う者と、それを取り締まる者との攻防は、この頃がルーツだと言われている。<br>尚、すり抜けは当初昼の時間帯におこなわれていたようであるが、摺り抜け禁止令が発布されて以降は夜間の遅い時間に行われるようになった。<br>現代において走り屋たちのすり抜け行為が夜に行われる場合が多いのも、一説によればこれが発祥ではないかと言われている。<br>最終的に幕府は、すり抜けを行った武士達には切腹を命ずるようになり、江戸時代におけるすり抜け行為のブームは急速に収束していくのである。<br><br>時代は流れ、明治時代へと移行する。<br>明治時代では、すり抜け行為が行われたという文献は確認されていないが、馬車の車輪を滑らせるという遊びが流行。<br>これが現代におけるドリフト走行の発祥である。<br>広い道路の曲がり角等に進入する際、鞭を叩き馬を加速させ、途中で一気に手綱を引き荷重が前方に集中した所で再び鞭を叩く事によって立ち上がる、という方法がとられていたようだ。<br>しかしこれもやはり事故が頻発するようになり、ある時ドリフトをした馬車が巻き上げた砂利が付近を歩いていた女性の顔に直撃、女性の顔には傷が残ってしまう。<br>その女性は名家の一人娘であり、激怒した女性の父親は事故の件を治安警察に報告。<br>事態を重く見た治安警察は、やはりその行為を禁止した。<br><br>さらに時代は流れ、高度経済成長期。<br>モータリゼーションの発展により、裕福な家庭の若者たちの間において、自動車を利用したすり抜け行為やドリフト行為が行われるようになる。<br>裕福な家庭の若者たちは勉学にも長けていた為か、江戸時代の文献等によってすり抜け行為の存在を知ったという説がある。
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<link>https://ameblo.jp/himetokakoi/entry-12361407952.html</link>
<pubDate>Mon, 19 Mar 2018 02:30:08 +0900</pubDate>
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<title>「姫と囲い」第2話</title>
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<![CDATA[ そうして姫は、<br>ついにコスプレをして大黒へやって来た。<br>集落の男たちは、<br>もはやふんぞり返り過ぎて後ろに一回転。<br>以前に大黒で姫と知り合った者達も加わり、<br>まるで姫の周りに男の囲いが出来ているかのようであった。<br>そして誰かがこう言った。<br>「姫と囲いじゃの」<br>皆が姫のコスプレ姿に酔いしれていたのじゃった。<br><br>されど、ここは大黒じゃ。<br>秋葉原ではない。<br>当然そこに集まる者達の中には、<br>そのような絵の女の文化が気にくわない者も、<br>沢山おった。<br><br>「ようよう、騒がしいのぉ！何の騒ぎじゃ」<br>たいそう洒落た羽織と袴に身を包んだ男たちが現れた。<br>彼らは武士。<br>すり抜けに興じる本気組の者達であった。<br>彼らは硬派に最速の座を狙い、<br>敵を求めて大黒へ集まっていたのじゃった。<br><br>「ほぉ〜、随分と派手な格好の女じゃの〜<br>あれか、コスプレっちゅうやつかい」<br>見下すかのような言い方で、<br>武士は姫と囲いたちを眺めながら言った。<br>「たいしてベッピンでもないのに…めでてぇもんじゃのぉ！<br>おぬしのような女、遊廓におっても抱かんわ」<br>「なッ…なんじゃとォ！！もういっぺん言うてみィ！！」<br>集落の男の一人が思わず怒鳴り散らした。<br>「なんべんも言わすなや！ブサイクな女連れて調子づいて騒ぐなと言うとるんじゃい」<br>武士の言葉に姫は泣いておった。<br><br>囲いたちにとって姫は唯一の女。<br>そんな彼らにとって、<br>姫は大層可愛らしい女に見えておったが、<br>女慣れしたリア充の武士たちからすれば、<br>地味な顔に厚化粧をした田舎女にしか見えないのじゃった。<br><br>「はははっ！悔しかろう！このオタクどもが！<br>ここは大黒、本来すり抜けに興じる者達が集う場所じゃい！男なら、すり抜けで勝負ぞ！<br>拙者が負けたら切腹でも何でもしてやろう」<br>武士の言葉に囲いたちは、<br>「望むところじゃ！馬ですり抜けをしとるワシらが徒歩ですり抜けをしとるおぬしらに負けるはずがない」<br>と啖呵を切った。<br><br>こうして囲いと武士達は、<br>東海道ですり抜け勝負をする事となったのじゃ。<br>しかし、囲いの男たちは皆スペック厨。<br>相手は本気組の武士達とはいえ所詮は徒歩。<br>負けるはずが無いと高を括っていたのじゃった。
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<link>https://ameblo.jp/himetokakoi/entry-12361407852.html</link>
<pubDate>Mon, 19 Mar 2018 02:19:59 +0900</pubDate>
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<title>「姫と囲い」第1話</title>
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<![CDATA[ むかしむかし、あるところに、<br>たいそう女にモテない男たちの集落が<br>あったそうな。<br>男たちは皆、とても仲が良く、<br>互いに自分の馬を自慢し合ったり、<br>理想の女の絵を描き、見せ合ったりして、<br>幸せに暮らしておった。<br><br>そんなときじゃった。<br>集落に、迷い人がやってきた。<br>「しばしの間ここへ住ませてくれんかの」<br>迷い人の高い声に男たちは、<br>「なんじゃ、おぬし童子か」と言った。<br>しかし頭に被った菅笠を取った迷い人は、<br>たいそう可愛らしい女であった。<br>迷い人の女は、<br>集落の男たちから姫と呼ばれ、<br>たちまち可愛がられるようになった。<br>姫は男たちの趣味にも興味を示し、<br>やがて中古の馬を買ってきたのじゃった。<br><br>「わらわもこの馬を改造したいのじゃ」<br>と言う姫の言葉に、<br>集落の男たちは狂喜乱舞し、<br>こぞってパーツの交換や整備を手伝った。<br>男たちが馬で峠へ、<br>すり抜けを楽しみに行くと言えば、<br>姫も必ずついてきた。<br>男たちは、<br>これまで体験したことのない、<br>幸せに酔いしれていたのじゃった。<br><br>すっかり姫も集落に馴染んできた頃、<br>男たちの中には、<br>姫に対して恋心を抱く者も出てきた。<br>想いを伝えられるたびに姫は、<br>なんともいえない返事をし、<br>気がつけば集落の男たち全員が、<br>自分は姫と脈アリなんだと、<br>錯覚するようになっておった。<br><br>ある金曜日の晩、<br>男たちと姫は、大黒を訪れた。<br>ここは週末の晩になると、<br>沢山の馬好きたちが、<br>様々な改造を施した自慢の馬に乗って現れ、<br>集いを開催するのであった。<br>この集いにも、女は少なく、<br>やはりここでも、<br>姫はたちまち皆から可愛がられた。<br><br>土曜日の晩は秋葉原へ。<br>ここでは、<br>可愛い女の絵を愛する者たちが集い、<br>プロの絵師が描いた絵の女について、<br>皆が熱く語り合っておった。<br>集落の男たちは自慢げだった。<br>何故なら彼らは姫を連れている。<br>集まっていた者たちも、<br>姫をたちまち可愛がりだしたのじゃった。<br><br>姫は大層気分が良かった。<br>「(わらわのような少々ブサイクな女でも、モテない男たちの輪の中に入ればモテモテじゃ…チョロいもんじゃの…)」<br>男のひとりが言った。<br>「そうじゃ姫や、この絵の女のコスプレをしてみては如何かの？きっと似合おうぞ」<br>集まっていた者達全員が賛同した。<br>姫は来週、<br>その絵の女のコスプレをして秋葉原へ来ると、<br>皆に約束をしたのじゃった。<br><br>次の週末<br>約束通り姫は、絵の女のコスプレをして、<br>秋葉原へ現れた。<br>集落の男たちは自慢げな気持ちが高まって、<br>後ろに倒れそうな程ふんぞり返り、<br>ドヤ顔をしておった。<br>集まった者達の何人かは、<br>コスプレした姫を絵に描き、<br>瓦版に投稿したのじゃった。<br><br>瓦版に投稿されたことによって、<br>多くの者が姫の存在を知ることとなった。<br>姫のもとには遠い国より文が届くようになり、<br>姫は益々調子に乗っておった。<br>次の週末、<br>なんと姫はコスプレをして大黒へ行くと言い出したのじゃった。<br>集落の男たちは、誰も異を唱えなかったが、<br>これが後に大きな間違いとなるのじゃった。
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<pubDate>Mon, 19 Mar 2018 02:04:44 +0900</pubDate>
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