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<title>ﾏｽｹﾃｨｱ創作～うっかり先生への捧げ物～</title>
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<description>マスケティアのトレウ゛ィル先生SSです。ご都合設定ですが…甘いホッとする展開目指してます！</description>
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<title>暁空に誓う</title>
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<![CDATA[ 3月。<br>別れの季節…。<br><br>慌ただしい時は着々と流れて、ダルタニアンは銃士隊隊長就任が決まり、アトスから膨大な量の事務引継ぎを受けた。<br><br>本来なら、疲れて深い眠りについているだろう明け方。<br>しかしここ数日でその責務の重大さを改めて思い知ったダルタニアンは、一人、ベッドの上にうずくまっていた。<br><br><br>『私…ほんとに隊長任務なんて務まるのかな。引き受けちゃって良かったのかな。』<br><br><br>女の私でいいのか。<br>毎日の巡回に耐える体力と実力が真にあるか。<br><br><br>『それに…』<br><br>あのひととの、二人の時間が減ってしまう……。<br><br>ぎゅ、と毛布を抱きしめて、ダルタニアンは目を閉じ、昨夜を思い出した。<br><br>☆☆☆☆☆☆☆<br>トレウ゛ィルの自室。<br><br>『引継ぎは上手くいっているかい、ダルタニアン？』<br><br>いつものようにダルタニアンにはミルクティー、自分にはワインを用意しながらトレウ゛ィルは微笑んだ。<br><br>『はい…』<br>あぁ、今日もトレウ゛ィル先生は優しく私を気遣かってくれてる。<br>でももう、こんな時間はなかなか過ごせなくなるのかも……<br><br>トレウ゛ィルの問いに返事はしたものの、ダルタニアンはぼんやりとミルクティーを見つめていた。<br><br>そんなダルタニアンを見て、トレウ゛ィルは肩を竦めながら盛大なため息をひとつ落とす。<br>『…ダルタニアン。もしかしてまた、悪い方に考えてるんじゃないだろうね？』<br><br>『悪いほう、ですか？』<br><br>『そう。例えば…』<br>トレウ゛ィルは優雅な足どりでソファーに近づくと、ダルタニアンの隣にフワリと座り…<br>ダルタニアンを胸の中に抱き寄せ、耳元に唇を寄せる。<br>『…こんな時間が減ってしまう、とか。』<br><br>『／／／／！！！』<br><br>やっぱり先生には敵わない。<br>就任決定から悶々とした思いを抱えていることを、最初から見抜かれてたんだ。<br>真っ赤な頬で、しかしすぐに不安げに俯いたダルタニアンに、トレウ゛ィルは穏やかな声で語りかける。<br><br>『…ダルタニアン、君は自分を信じられない？私を信じられない？』<br>ふるふると頭を振るダルタニアンを優しく眺めつつ、トレウ゛ィルは続ける。<br><br><br>『だよね。…自分が自分を信頼しなくてどうするの？君は隊長の職を全うできるだけの能力はある。大丈夫だよ。なのにそれを恋の犠牲にするのはもったいないだろう？<br>私はね、二人の絆は逢う時間とは関係ないと思っているよ。』<br><br>それに。<br><br>『私はこれからも、君を恋人として独占するつもりだよ。いろんな経験をして、どんどん豊かな女性になっていく、そんな君を待つのも悪くないね』<br><br>目が合うと同時に妖艶に笑ったトレウ゛ィルは、そのまま深く深くダルタニアンに口づけた。<br>『…んっ…！』<br>ダルタニアンの腰から背中に、ぞくりと甘い快感が駆け上がった。<br><br><br>☆☆☆☆☆☆☆<br>朝っぱらから何を思い出しているんだ私ったら。<br><br>昨夜は先生の言葉にすっかり安心して納得したはずなのに、一人になるとまた堂々巡りしてしまう。<br><br>自分を信じて。<br><br>トレウ゛ィル先生を信じて。<br><br>できる？私。<br><br>徐々に昇ってくる朝日を、ダルタニアンはキッと見据える。<br><br>…よし、やろう！<br>きっと大丈夫。<br><br>以前は一人で、運命に流されまいと、負けないと突っ走ってきたけど。<br><br>今はトレウ゛ィル先生がいる。<br>共に成長する仲間がいる。<br>だから、大丈夫。<br>これからの未来は、この朝日みたいに明るいだろう。<br>ダルタニアンは大きく窓を開けて深呼吸し、真新しい銃士隊長の制服に腕を通した。<br>希望の春は、もうみんなの掌に--------<br><br><br>終<br><br>★★★★★★<br>ご無沙汰してました。<br>卒業シーズン、なんとか間に合って良かったですf^_^;<br>春からはダルタニアンも隊長！<br>このお話でひとまず区切りをつけますが、またネタがあったまれば第二シーズンとしてアップしていきたいとも思ってます。<br>ここまで読んで頂いて、本当にありがとうございました！<br>
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<pubDate>Fri, 16 Mar 2012 22:20:05 +0900</pubDate>
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<title>瞳を閉じて</title>
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<![CDATA[ はい、今さらなタイトルですが…タイトル通り平井堅さんのあの曲です。<br>この曲にはセカチューのイメージしかない！助けてください！！、って方はスルーお願いします。<br>さらに、今回はコンスタンスがお相手です。<br>ダルタニアンとの話以外は嫌だ、という方もスルーお願いします。<br><br>時間軸としては、まだ復讐計画中＆カステルモール殺害前です。<br><br>☆☆☆☆☆☆☆☆<br>『週末、ライブに来ないか？』<br><br>受話器越しにトレヴィルがそう誘われたのは先週のこと。<br>なんでも週末に、歌手をしているこの友人がライブをするらしい。<br><br>元来人当たりの良いトレヴィルは快諾し、久しぶりに会う友人の顔を思い浮かべる。<br><br>彼の歌声はいつも、復讐への情念で荒んだトレヴィルの心を、ひととき癒してくれた。<br>長身からののびやかな歌声は温もりと優しさに溢れ、じんわりと聴衆を包み込む。一言ひとこと丁寧に発音される言の葉たちは、軽々とトレヴィルの心の壁をすり抜けて届くほど真っすぐで。<br><br><br>しかしステージから降りて酒を酌み交わせば意外にも毒舌で、頭の回転が早いことを伺わせるテンポの良い会話で楽しませてくれる。<br>単に真面目なだけではないその肩の力の抜け具合に、トレヴィルはいつも助けられていた気がする。<br><br>そしてある時、トレヴィルは彼に、昔のことだが、と前置きして語ったのだ。<br><br>『私には、好きな女性がいてね。想いが受け入れられなくても、彼女が幸せなら私も幸せだ、と、そういう恋だったんだ。』<br><br>しかし、彼女は亡くなったのだ、と。<br><br>黙ってそれを聞いていた友人は一瞬目を見開き、そしてトレヴィルの気持ちを抱きしめるようにポツリと一言、そうか、と呟いたのだった。<br><br>あれから数年。<br>そうたびたび会う訳ではなかったが、お互い時間が合えばフラリと酒を酌み交わした。<br>しかし彼は無理にはあの話について聞き出さなかったし、トレヴィルももう、触れなかった。<br>あの時あの話をしたのは、今から思うと少々気持ちが弱っていたからなのかもしれない。<br><br><br>☆☆☆☆☆☆☆<br>ライブ当日。中心街の、コロッセウムを模した会場。<br>まだ春先なので陽が落ちると同時に一気に気温が下がる。<br>それを予測して黒いダウンコートに身を包んだトレヴィルは、一階フロア・センターの招待席にいた。<br>時間が経つにつれてしっとりとした空気が降りてくるが、反対に客席は華やかなざわめきに溢れ、期待に満ちた顔が並ぶ。<br><br>なぁケン、とトレヴィルは心の中で、幕の向こうに待機しているであろう友人に語りかける。<br><br>あれはね、昔の話なんかじゃない。<br>300年経った今も、まるで昨日恋に落ちたような気持ちで彼女を愛してるんだ…。<br><br>そっと目を閉じると、聖母マリアのようなコンスタンスの笑顔が浮かぶ。ざわめきを増していく大衆の中、トレヴィルがフッと口角を上げたその時、幕が開いた。<br><br>☆☆☆☆☆☆☆<br>相変わらずの、伸びのある温かい歌声。<br>クセもなく、音楽を教えるトレヴィルも素直にその音に身を任せた。<br>アップテンポの曲が数曲続いた後。<br>最後の一音の残響がすっかり消えてから、彼は言った。<br><br>『…みんな座って。…次の曲は、僕の大切な友人の話を元に作ったものです。』<br>そして流れ始めたピアノ。<br>♪<br>朝目覚めるたびに<br>君の抜け殻が横にいる。<br>温もりを感じた いつもの背中が冷たい。<br>♪<br><br>なんだこの歌は。<br>聴衆がうっとりと耳を傾ける中、トレヴィルの背中にじっとりと冷や汗が流れる。<br>なぜだか知らないが、本能が「この先は危険」と知らせる。<br><br>♪<br>あの日見せた泣き顔<br>涙照らす夕陽 肩の温もり<br>消し去ろうと願うたびに<br>心が 体が 君を覚えている<br>your love forever<br>瞳を閉じて君を描くよ<br>それだけでいい<br>たとえ季節が僕の心を置き去りにしても<br>♪<br><br>…嗚呼！もうそれ以上は止めてくれ！！<br>あまりに直接的な言葉に圧され、トレヴィルの奥底に閉じ込めていた感情が次々と溢れ出る。<br>トレヴィルは縷々と流れ出る己の涙を、もはや止めることができなくなっていた。<br><br>♪<br>いつかは君のこと 何も感じなくなるのかな<br>今の痛み抱いて 眠る方がまだいいかな………<br>♪<br><br><br>----コンスタンス！<br>お願いだ一人にしないで。<br>天使のような君の笑顔を知ってしまったんだ。聖母のような君の声を覚えてしまったんだ。<br>もう、それなしには生きられない。<br>だからお願いだ、一人に、しないで…！！！-----<br><br>ありありとフラッシュバックするリアルな感情に、トレヴィルはギュッと目を閉じる。<br>嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ！<br>300年かけてようやく、あの忌まわしい感情を封印したのに。<br>君の名を呼び続け、叫び、いっそ喉から心臓を吐き出せたらどんなに楽か。<br>そう願う程のあの慟哭を…一体何度繰り返したことか！！<br><br>悲しみ疲れて、やっとの思いで胸の奥底に閉じ込めた想い。<br>復讐に溺れて目を背けていた想い。<br><br>向き合う気力が持てないままの、あの、想い……<br><br><br>♪<br>I wish forever<br>瞳を閉じて 君を描くよ<br>それしかできない<br>たとえ世界が 僕を残して 過ぎ去ろうとしても<br>♪<br><br>温かな声音に乗った残酷な言葉たち…なんと素直すぎる言葉たちよ…<br><br>溢れ出る涙を拭こうともせず、トレヴィルはただただ沸き上がる感情の波に身を委ねた-----。<br><br>☆☆☆☆☆☆<br>『あれは反則だよ全く…』<br>ライブ終了後、楽屋でトレヴィルは少し高めのワインを手渡しながら、友人に毒づいた。<br><br>友人はただニッと笑って<br>『まあそう言うなって。いいデトックスになっただろ？』<br>冗談ぽくそう言ってから、少し真剣な目になる。<br><br>『悲しむべき時はな、とことん悲しみと向き合うべきなんだ。どん底までいくべきなんだ。たとえそれがどんなに辛くても。そうしないと…』<br><br>ちゃんと向き合ってもらえなかった悲しみの感情は、必ず、マイナスエネルギーになるんだ。<br><br>大まじめな顔でそう言った友人は、一体どこまで自分のしようとしていることを知っているのか----<br><br>思わずトレヴィルがそう身構えた瞬間、<br><br>『ま、いいネタ貰えて助かったよ、ありがとな』<br>友人は、しれっと言い放つ。<br>『…お前なぁ。人のことネタにするのはやめてくれよ』<br>彼の気持ちを察し、トレヴィルも冗談で返した。<br><br>そう。<br>確かに今は、心の奥底でくすぶっていた感情は、わずかではあるが落ち着いている。<br>復讐の手を緩めることはできないが、しかし。<br><br>今夜は恨みつらみや復讐計画ではなく、素直な気持ちを彼女に伝えよう。<br><br>君がいなくて寂しい。<br>そして。<br><br>愛している、と。<br><br><br>終<br><br>☆☆☆☆☆☆☆<br>あけましておめでとうございます。<br>いきなり暗い上に、相手ダルタニアンじゃないし。<br>しかも勝手にケンさん出演…すみません、久々にこの曲をラジオで聴いて、浮かんでしまいました。<br><br>忙しい生活の中、なかなか自分の感情にさえ向き合う時間が取れない方も多いと思います。<br>気付かないふりをしてやり過ごしても、必ず心は悲鳴を上げます。<br>たまにはこのトレヴィルのようなデトックスも、良いのではないでしょうか。<br>
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<pubDate>Sat, 07 Jan 2012 00:04:19 +0900</pubDate>
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<title>春はあけぼの…？(完全ギャグ)</title>
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<![CDATA[ 早春の、少し霞みかかった湿り気のある空気の中。<br><br>トレヴィルは一人、グリモーの森を抜ける道をランニングしていた。<br>毎日なんとなく日課にしているランニングだが、今日はコースを変えてみたい気分になり、新緑にはまだ早い山道をテンポ良く走る。<br>早朝の新鮮な空気を思い切り身体に取り込むと、眠っていた細胞がひとつひとつクリアに目覚めた気になり、今日これからの段取りや、とりとめのない思考がスルスルと脳内を駆け巡る。<br>一人きり、限りなく自由なこの時間が、トレヴィルは好きだった。<br><br><br>『ハッ…ハッ…！』<br>そろそろウォーミングアップも終わり、本格的にペースアップしようか、と足を早めた時。<br><br>ザッ…！<br><br>トレヴィルの右肩すれすれに、追い抜きをかけた人物が約一名。<br><br>『ロシュフォール…』<br>なびく銀髪の背中を目の前に、トレヴィルはにわかに渋面になる。<br>せっかくの一人の時間を台なしにされた気がした。それに。<br><br>『…邪魔だ。』<br>今まさにペースアップしようとした所なので、微妙にロシュフォールのペースが遅い気がする。<br><br>無言で追い抜く。<br><br>すると数分もしないうちに、ロシュフォールがまた抜き返してきた。<br><br>☆☆☆☆☆☆☆<br>30分後。<br><br>すでに島内を一周し、とうに"軽いランニング"の粋を超えたデッドヒートを繰り広げてきた二人は、もう全身汗だくであった。<br><br>本来ならとっくに切り上げている時間。早朝のモヤもすっかり引いて、生徒たちも並木道を登校し始める。<br><br>----あぁ、だめだこんな気分では。<br><br>胸クソ悪い気分を払拭するため、今度こそ一人でもうちょっとだけ走ろうとしたトレヴィルは、しかし、横に並ぶ男が職員寮への脇道に入らなかったことに目を剥いた。<br><br>『…おいロシュ！あんた一体何の嫌がらせだ！』<br><br>するとロシュフォールはトレヴィルに輪をかけて苦々しい顔で怒鳴り返してきた。<br>『貴様こそ！何故わざわざ私のコースに入り込むんだ！』<br><br>は？<br>私のコース？？<br><br>と、トレヴィルが速度を落とした隙を見逃さず、ロシュフォールは一気に前に出る。<br><br>…イラッ。<br>『何が"私のコース"だ！知るかそんな事！』<br><br>眼前になびく銀髪を追い抜くべく、トレヴィルはまた速度を上げた。<br><br><br>25分後。<br>若干タイムの上がった二人は、しかし見事に始業時間に遅刻し、揃ってリシュリューにコッテリ絞られた。<br>☆☆☆☆☆☆☆<br>そして。<br>トレヴィル不在をカバーすべく、ロシナンテが朝のＨＲを取り仕切ったのだが。<br>その大袈裟な説明のせいで噂には盛大に尾ヒレがつき…<br><br>女子１『ねぇ知ってる？ロシュフォール先生とトレヴィル先生が無断で決闘したらしいわよ！』<br>女子２『うん聞いたよ！放課後、その罰が下される、とか？』<br><br><br>『…。』<br>『ダ、ダルタニアン…。』<br>どうなってるの？とプランシェが聞いてきたがこっちが知りたい。<br>決闘だなんてそんな事、トレヴィル先生は昨夜も全く言わなかった。<br><br>朝からダルタニアンはアトスやアラミス達に事情を聴きに行ったが、<br>『放っておけ』<br>『まぁ、心配ないんじゃないのかな。ふふ。』<br>としか言ってくれなかった。<br><br>ようやく放課後になり、罰が執行されるという噂の、正面エントランスホールへ走る。<br>私闘は罪。その罰、って何？<br>まさか学園追放？<br>そんなのダメ………！！！<br><br>野次馬はエントランスの外側に集まっていて。<br><br>バサバサバサバサッ！！！<br>その中心に、上から大量の藁が降ってきた。<br><br>『ゲホッ！…ロシュてめぇ…絶対絶対わざとだろう！…ぺっ、ぺっ、口に羽が…』<br><br>砂埃の舞う中、脚立の下に藁と羽毛まみれのトレヴィル先生を発見し。<br>脚立の遥か上、２階付近には、すらりと長い脚を架けて雨どいに手を伸ばすロシュフォール先生がいた。<br><br>『っ！…トレヴィル！しっかり支えてろ！揺らすな！！』<br>彼の右手にはピヨピヨと黄色い口を開けたスズメのヒナ達。<br>左手には雨どいに詰まった大量の藁…元スズメの巣が掴まれていた。<br>そして自身も羽毛と藁だらけになりながら、バッサバッサと嫌がるトレヴィルに向かって藁を落とし続けている。<br><br>『これは一体…』<br>唖然として呟くダルタニアンの隣に、優雅な足取りでリシュリューがやって来た。<br><br>『ふむ。ずっと気になっておったのだ、この雨どいのスズメの巣は。雨のたびに詰まる上、最近ヒナまで生まれ…ここにいてもヒナ達のためには良くないと思っていたのだ。』<br>森の然るべき巣に移って貰おう…幸い、あの二人は森には詳しいようだしな。はっはっは！<br><br>そう理事長は笑ったが、最後の方はその目は全く笑っていなかった。<br><br>やんややんやと囃し立てる野次馬に取り囲まれながら藁と羽毛に格闘する二人。<br>それを眺めつつ、ダルタニアンはそっと涙を拭うのだった-----<br><br>終。<br><br>★★★★★★<br>わぁーー。<br>すみませんすみません！<br>聖なるクリスマスに、全く関係ない超駄文を生み落としてしまいました。<br><br>島を30分で一周できるのか、とか西洋建築に雨どいがあるのか、とかいうのはガン無視！<br>単に二人が無駄な意地張ってる姿が書きたかっただけです。<br>キャラ崩壊、平にご容赦を！！
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<pubDate>Sat, 24 Dec 2011 23:03:24 +0900</pubDate>
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<title>それぞれのキズナ</title>
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<![CDATA[ ３月にしてはうららかな日差しの午後。<br><br>ポルトスは鼻歌まじりに銃士隊の執務室へと歩いていた。<br>今朝の授業のフットサルは最高だった。ポルトスのチームがロシュフォール率いるチームに勝ったのだ。<br>『あの時のロシュフォール先生の顔、よかったよなぁ～♪』<br>くふふ、と思い出し笑いをしつつ歩いていると。<br><br><br>『よろしいですわねっ！先生からもよーく言ってくださいましねッ！！』<br><br>一人のマダムが、ポルトス達の教室からキンキン叫びながら出てきた。<br>そしてそのすぐ後ろから、担任のトレウ゛ィル先生が姿を現し、<br>『ご心配をおかけして申し訳ありません。』<br>そう言って丁寧な仕草で頭を下げている。<br><br>マダムはそれを満足げに鼻を鳴らしながら見下ろし、まさに猪突猛進、といった風にズンズン廊下を歩いてポルトスの真横を突き抜けて行った。<br>きつい香水の香りが鼻腔の奥まで入り込む。<br>『うぉ…なんだアレ、誰かの母ちゃんか？』<br>唖然としつつ見送り、ポルトスが教室へ入ると…<br><br>先生は机に突っ伏していた。<br><br>以前は絶対に隙など見せなかったし、最近だっていつも嫌味なほど優雅に背筋を伸ばして、行動の全てに余裕のあるトレウ゛ィル先生だが…今は両腕と頭を机の上にだらりと乗せたまま、動きが止まっている。<br><br>『お…おい先生、生きてるか…？』<br><br>ちょっと不安になって頭をつついてみると、明るい栗色の髪が『う…』と呻いた。<br>とりあえず生きてはいるようだ。<br><br>『今の、うちのクラスの生徒の親か？すっげえ迫力だったけど』<br>ポルトスが廊下を振り返りつつ、目ぇギラギラしてたしな、と感想を語ると、トレウ゛ィルは突っ伏したまま『ああ…』とだけ答えた。<br>どうやら相当しつこくクレームをつけられたらしい。<br>『先生、ってのも大変だな…何て言われたんだ？』<br>と同情半分、興味半分で聞くと、トレウ゛ィルは両腕に顔を埋めたまま『…ロシナンテが…』と言いかけ、口をつぐむ。そして<br>『いや、いい。生徒に愚痴る訳にはいかないからね…』とゆらりと身を起こし、受け止めた敵意を出し切るかのように、長く長く息を吐いた。<br>いつもは女子達がキャアキャア言っている美しい紅玉の瞳にも、今は生気はない。<br><br>『なんだよ、俺は銃士隊だぞ。言えよ。』<br><br>ポルトスが食い下がると、トレウ゛ィルは虚ろな目をして『そうだな…。ポルトスは銃士隊だったね、忘れてたよ…』とぼんやり呟いた。<br><br>やばい。かなり重症だ。<br>普段一般の生徒達に対する紳士的な態度とは余りにも違う担任を前に、根が親切なポルトスは腹を括って話を聞くことにした。<br><br>☆☆☆☆☆☆☆<br>『…要するにロシナンテが特定の生徒だけを贔屓する、と勘違いしたんだな。』<br>その"特定の生徒"は明らかに自分だな、と、ポルトスは日頃からロシナンテをいいように使っている自分と、何だかんだと付き合ってくれるお人よしの副担任の顔を思い浮かべた。<br><br>『ロシナンテは、そんな器用なやつじゃない、って』<br>こぶしを握り締め真剣に訴えるポルトスに、トレウ゛ィルは苦笑を浮かべ、分かってるよ、と安心させるように言う。<br>さきほどまで見せていた疲労感は、もうほとんど教師の顔の下にしまい込んでいる。<br>『ポルトスの言う通り、彼は生徒をあれこれ贔屓できるほど器用じゃない。教師でありながら、こんなに生徒に溶け込めるのは彼にしかできない芸当だしね。』<br>どこか羨みを込めたトレウ゛ィルの言葉に、ポルトスも深く頷く。<br>そうだロシナンテは悪くない。勝手にドラ息子の言い分を信じて押しかけるマダムの方こそ、モンスターペアレントもいいところだ。<br><br>『でも』<br><br>勢いづくポルトスを押し止めるように冷静な声で、トレウ゛ィルは続ける。<br>『無邪気に生徒に溶け込みすぎて、教師としての分別を忘れる瞬間があるのかもしれない。マダムの息子は、それを敏感に感じたんだろうね。』<br>そこだけロシナンテに注意するつもりだ、さらに言うとそれを見逃した自分にも責任はあるのだ、とトレウ゛ィルは言った。<br><br>『そんな…ロシナンテだってトレウ゛ィル先生だって全然悪くねーよ！そんなこと言ってたら、俺達と先生の間にどんどん壁ができちまうじゃねーか！』<br><br><br>孤島という学園の性質上、その人間関係は通常よりも密接だ。<br>特に教師は生徒の師であると同時に、親であり、先輩であり、兄弟でもある。<br>そんな環境だから、ロシナンテを慕うポルトス達の気持ちは、トレウ゛ィルにも理解できる。<br><br>『理解はできるんだけど、』<br>そこまで説明した上で、トレウ゛ィルは穏やかに<br>『でもねポルトス』<br>と言葉を重ねる。<br><br>『遠く離れた場所で見守るしかない親の気持ちも、同じくらい切実なものなんだよ。』<br><br>ハッとするポルトスの肩をポンポンと叩き、トレウ゛ィルは立ち上がる。<br><br>『さ、理事長への報告書を作成しないと。クレームをクレームのまま終わらせることはできないからね。…愚痴を聞いてくれてありがとうポルトス。』<br><br>すっかり思考を切り替え、素直に礼を言うトレウ゛ィルに、強張っていたポルトスの頬も自然と緩む。<br><br>『お…おぅ、相談にならいつだって乗ってやるぜ！何たって俺は銃士隊だからな！』<br>わざと強がった風にドンと胸を叩いてポルトスが宣言すると、トレウ゛ィルもおどけたように肩を竦めて両手を挙げて見せた。<br>『ははは、これじゃ立場が反対だな。…まったく、今日もまた残業だよ…こんな日はダルタニアンとゆっくり音楽でも聞きたいのに…』<br>二人並んで廊下を歩きながらぼやくトレウ゛ィルに、ポルトスもぼやく。<br>『ちぇ、惚気かよ。…しっかし、ロシナンテのやつどこ行ったのかな』<br><br>『あぁ…ロシナンテは来年度のクラス運営方針案をまだ出していないから、職員室にいるんじゃ…、』<br><br>そう言って何気なく中庭に目を遣った二人は、同時にフリーズした。<br><br>そこには一匹の野良猫。<br>そして。<br>『きゃあ、かわいい！』<br>『アハハ、ダルタニアンの膝が気に入ったんだね』<br>ポカポカの太陽の温もりに包まれた中庭で、ロシナンテとダルタニアンがベンチに並んで談笑している。<br>二人はダルタニアンの膝に丸まった猫を撫でながら、本当に幸せそうに笑い合っていて。<br><br><br>『……。』<br>ポルトスがそっと隣を伺うと、トレウ゛ィル先生は完全に表情を消していた。<br>肩筋からは赤く燃え上がった怒りのオーラがクッキリと立ち上るのが見える。<br><br>あ…悪魔復活！？<br><br>目を擦りつつも思わず防御体勢を取ったポルトスに、冷気とともに声がかかる。<br>『…ポルトス。』<br>『は…はいっ！！』<br><br>地獄の底から響くかのような声に、気をつけの姿勢で担任へと振り向くと。<br><br>『悪いがロシナンテを職員室に連れ来てくれるかな？…丁重にね…』<br><br>----引導は渡された。<br><br><br>数分後、職員室ではえぐえぐと泣きながら運営方針案を作るロシナンテと、仏頂面で報告書を作成するトレウ゛ィルの姿があった----。<br><br>終。<br>
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<pubDate>Sat, 17 Dec 2011 23:36:04 +0900</pubDate>
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<title>月明かりの夜に</title>
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<![CDATA[ 今夜も銃士隊の業務の引き継ぎで遅くなってしまった。<br>トレウ゛ィル先生は「あまり遅くなる時は無理して来なくてもいいよ」と言ってくれるけど、無理なんかしていない。私が、逢いたいの。逢って、抱きしめて貰って、お疲れ様、って言って欲しいの。<br>ダルタニアンは全速力で渡り廊下を駆け抜け、職員寮のトレウ゛ィルの部屋をノックした。<br><br>息を整えて待っても、返事がない。<br>『あれ？…トレウ゛ィル先生？』<br>いつもなら、すぐに笑顔で迎えてくれるのに。<br>不在なのかな、とも思ったが、念のためとドアに手をかけると。<br>カチャリ。<br><br>-----何の抵抗もなく開いた。<br>流れる音楽はバッハのゴールドベルク変奏曲。<br>そして明るい月光を浴びた窓の前には、机に向かって座るトレウ゛ィルの広い背中。<br>まだダルタニアンに気づいていないようで、何やら俯き加減にカチャカチャとやっている。<br>そこだけ別の世界になったような錯覚を覚えつつも、ダルタニアンは勇気を出して声をかけた。<br>『…トレウ゛ィル先生？』<br><br>『ダルタニアン？』<br>ハッとしたような顔で振り向いたトレウ゛ィルは、コンスタンティンのような眼鏡をかけていて…初めて見るその理知的な面差しに、ダルタニアンはパッと頬を染めた。<br><br>『…あ…ごめんなさい勝手に入ってしまって』<br>ドキマギしながら謝るダルタニアンに、<br>『いや、私の方こそごめん、全然気付かなかった』<br>トレウ゛ィルは眼鏡を外しながら柔和に笑う。<br><br>ふわり、と抱き寄せられながら優しいキスをもらい、ダルタニアンはようやく我に返った。<br><br>『先生、お邪魔じゃなかったですか？』<br>何か仕事の途中だったようだけれど、と机を見ると、何本かの透明なガラス瓶が見える。<br>『ああ…これね…』<br>おいで、とトレウ゛ィルはダルタニアンを机に座らせた。<br>『…ボトルシップ、ですか？』<br>しかし正確にはシップではない。目の前のそれの中には、よくある船の代わりに、真っ白のウサギが二羽、ダルタニアンを見上げて佇んでいた。<br>『とてもかわいいですけど…』<br><br>何故ウサギ？<br><br><br>ダルタニアンの無言の疑問を感じて、トレウ゛ィルは照れくさそうにポツポツと説明する。<br>『今年の三年生の卒業記念制作は、ボトルシップだったんだ。』<br>そこで、指導するトレウ゛ィルもいろいろとボトルシップについて勉強したらしい。<br>そして一つの疑問にぶつかったのだ、と彼は言う。<br><br>何故ビンの中身は船でなければならないのか。<br><br>ダルタニアンにしてみれば、そんな疑問を抱いたこと自体が可笑しくて笑いそうだったが、恋人があまりにも真剣に語るので黙って続きを聞く。<br><br>『で、まずはデッサンでいろいろ試したんだけど』<br>森を表現しようとしたが、横倒しのビンだと高さが足りなかったこと。<br>ならば、とビンを立てたままエッフェル塔を入れてみようとしたが、今度はビン底の広さが足らず断念したこと。<br>凱旋門、ライン川、ピラミッド等各種チャレンジしてみたものの、どれもしっくり来なかったこと等を、非常に残念そうに言う。<br>『やっぱりボトルシップの中身は船でないとだめなんだ。雄大で優雅な船。世界中どこへでも行ける夢とロマンを、小さなガラス瓶に詰める。それこそがボトルシップの醍醐味だ、とわかったんだけど。』<br>やはり少し反抗したくて、とりあえずウサギを入れてみた、と彼は真面目に言った。<br><br><br>『ぷっ…あ…あっははははは！！』<br>じっと奥歯を噛み締め笑いをこらえて聞いていたが、ついにダルタニアンの我慢の限界を振り切った。<br>何を真剣にやっているのかと思ったら！<br>ビンの半分ほどになってしまった超ミニのエッフェル塔を前にガッカリしているトレウ゛ィル先生を想像してみると、もう可笑しくて可笑しくてたまらない。<br><br>『…もういいよ。チマチマした作業も疲れたし。』<br>ひいひいとお腹を抱えて爆笑するダルタニアンを見て、トレウ゛ィルは完全に拗ねてしまった。<br>ソファに三角座りしたトレウ゛ィルを横目に、まだ込み上げる笑いをこらえつつ、ダルタニアンは先程までトレウ゛ィルがかけていた眼鏡…作業用ルーペをかけてウサギを眺める。<br><br>小さいウサギが気持ち良さそうに寝そべり、その横で大きめのウサギが耳をピンと伸ばし、こちらを見つめてきている。<br>小さい手や細いヒゲ、耳の先の毛までも一本一本細かく再現されている。<br>そのフカフカの毛は自然な温かみを感じるし、見上げる二つのつぶらな瞳は、今にも何か話しかけてきそうだ。<br>ご丁寧に、彼らの足元には緑や黄色、オレンジなどに着色された砂により見事な草原も表現されていた。<br><br>日だまりと草いきれ、ウサギのフワフワの感触……<br>差し込む月光のせいもあり、ダルタニアンはフッと自分もビンの中に吸い込まれたような錯覚に陥る。<br><br>『…素敵…』<br><br>これほどまでに繊細で、慈愛に満ちた作品を作る人なのだ、このひとは。<br><br>安心して寝ているウサギを守るように立つ、このウサギの瞳には、若干の不安と戸惑いも感じられる。<br><br><br>先生はいつも大人で強くて優しくて。私はそれに甘えて守ってもらってばかりいるけれど。<br>本当は彼も弱気になったり傷ついたりもするだろう。このウサギのように。<br><br>そう思うとソファの彼がひどく愛しくなって。<br><br>『トレウ゛ィル。』<br>ダルタニアンは母親のような声で名を呼び、今日は彼女の方が『お疲れ様…』と囁き、トレウ゛ィルの首と背中に腕を回し、優しく優しく、さらさらと髪を撫でた。<br><br>トレウ゛ィルは幸せそうに目を閉じてダルタニアンに身を任せている。<br>なおも低く穏やかに流れる変奏曲を聴きながら、二人は日だまりの中で寄り添っているような温かい気持ちに満たされていた。<br><br><br>終<br>
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<pubDate>Mon, 12 Dec 2011 12:31:42 +0900</pubDate>
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<title>僕は、ここにいる。</title>
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<![CDATA[ ３月に入ったある日のランチタイム。<br>広い食堂には一気に生徒達が押し寄せ、わずか5分ほどで涼しかった空間に熱気が溢れかえった。<br>窓は白くくもり、賑やかな食事が次々と始まるのを、とても穏やかに眺める人影があった。<br><br>『…変わらないな、ここは』<br>彫りの深い端正な面立ちにダンディな笑みを浮かべた長身の男は、しかし、ひとつに括った銀髪を強く後ろから引かれて、ぐっ、と声を漏らしてのけ反った。<br>いぶし銀の渋さは台なしだ。<br><br>『入口で立ち止まられると邪魔なんだよ。さっさと歩いてくれないかカステルモール。』<br>長身の男…カステルモールは髪の結び目をなでなでしながら振り返る。<br>『トレウ゛ィルお前…人がせっかく感慨に浸ってるとこなのに…』<br>『はいはい。あ、ダルタニアン達はあそこだ。』<br>『…見つけるの早ぇなトレウ゛ィル…』<br>雑踏の中を嬉々とした足取りで娘の元へと急ぐトレウ゛ィルの背中を、カステルモールは半ば呆れながら追いかけた。<br><br><br>『それでさー…あれ、トレウ゛ィル先生』<br>プランシェの話を聞いていたダルタニアンとポルトス、ボナシューのいつもの面々は、横に立った担任に話を止めた。<br>パッと花が咲くように笑顔になるダルタニアンに、トレウ゛ィルも優しく微笑み返す。<br>『やあみんな。隣、相席いいかな？』<br>『おう、いいぜ。ん？こっちの人は…？』<br><br>☆☆☆☆☆☆☆<br>『彼はダルタニアンの父君のカステルモール先生だ。元々ここの教師だったんだが…来年度からまた戻って来られる。』<br>『カステルモールだ。今日からちょこちょこと引き継ぎに来ている。みんな、いつもダルタニアンが世話になっているね。』<br>トレウ゛ィルの説明とカステルモールの自己紹介を聞いたプランシェ達は、一様に驚きを隠せずにいた。<br>『もうっ、ダルタニアンてば、全然そんなこと教えてくれないんだもの！』<br>水くさいじゃないの、とプンプンしているプランシェだが、すでにカステルモールに興味津々といった瞳をしている。<br>"あの事件"を知っているポルトスは、トレウ゛ィルに憐れみの視線を向け…それに気づいたトレウ゛ィルは拗ねたような顔で、ほんの小さく肩をすくめて見せた。<br>『ねぇねぇカステルモール先生、ダルタニアンって小さい頃どんな子だったの？トレウ゛ィル先生とはいつから知り合い？年齢は？趣味は？好きな食べ物は？』<br>プランシェの矢継ぎ早の質問攻撃に多少困惑しながらも丁寧に応えるカステルモール。<br>和気あいあいとした空気の中、彼はふとボナシューという男子生徒が先程から一言も発さずいるのに気が付いた。<br>表情からは分からないがこれは…<br><br>とそこへ、トレウ゛ィルが何気なく『そうそうボナシュー』と話しかける。<br>『前に君が好きだって言ってた、ジャポンのお菓子…きのこの山だっけ。あれの塩キャラメル味が出てたよ。』<br>『えっ！ほんとですか！』<br>パンをちぎりながらもしっかりとボナシューに目を向けて話すトレウ゛ィルに、ボナシューの顔が一気に明るくなる。<br>『ああ。後で購買に行ってみるといい。』<br>『はい！』<br><br>『ねぇボナシュー、私もついて行っていい？』<br>塩キャラメル味、というのに興味を持ったダルタニアンは、いかにもワクワクした顔。その無邪気な表情に、ボナシューも素直な気持ちになる。<br>『もちろんいいよ。…しかしダルタニアン。君ってほんと恵まれてるよね。次期銃士隊候補だし先生達のお気に入りだし、その上お父様が先生だなんて。うらやましい限りだよ。』<br>先程までぐるぐると考えていた気持ちだが、いざこうして言葉にすると、不思議と妬ましい気持ちは消えていた。<br>『な～に言ってんのボナシュー。アンタもそうなるように努力あるのみよ！私だってアラミス様のお気に入りになれるために頑張ってんだからね！ああ…アラミス様～塩キャラメル味はお好きかしら…』<br>隣でまた妄想モードになったプランシェをみんなで笑いつつ、ボナシューは自分が随分前に言った些細な言葉をトレウ゛ィル先生が覚えていてくれたことに、予想以上の喜びを感じていた。<br><br>☆☆☆☆☆☆☆<br>『トレウ゛ィル、お前もちゃんと先生してるんだな』<br>食後、さっそく購買に走って行った4人を見送り、トレウ゛ィルとカステルモールはコーヒーを前に一息入れた。<br>トレウ゛ィルは片眉を上げ、何のことだか、という顔をする。<br>『とぼけるなよ。さっきのボナシュー、最初は明らかにダルタニアンに嫉妬してたもんな。お前があの子の話ちゃんと覚えてたから、あの子、安心したんだろう、素直にうらやましい、って言えてた。』<br><br>合格合格、とカステルモールはワシャワシャとトレウ゛ィルの頭を撫でる。<br>トレウ゛ィルはギョッとして慌てて立ち上がり、授業の準備があるからと逃げ出した。<br>その後ろ姿に少し照れがあるのをカステルモールは見逃さず、クスリと笑う。<br>そして<br>『自分のカップくらい片付けていけよ…』<br>そう愚痴りつつも、丁寧に二人分のカップを片付け始めた。<br><br>季節はもうすぐ春。<br>認め、認められ…<br>人はいつも人との中で、成長の葉を伸ばす-----。<br><br><br>終。<br>
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<pubDate>Thu, 08 Dec 2011 23:56:00 +0900</pubDate>
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<title>君に、愛のぬくもりを</title>
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<![CDATA[ 研修(?)の合間の夕方。<br>トレウ゛ィルは久々に街に来たのだから、とダルタニアンへのお土産を探して、バレンタインで賑わう大通りを歩いていた。<br><br>行き交う恋人達を眺めながら、トレウ゛ィルは忙しく考える。<br>ダルタニアンは何が喜ぶだろう。<br>花束、指輪、バッグ…<br>いやいや。<br>もっとこう、さりげないものがいいんだけれど。<br><br>そうしてウキウキと歩いて何軒めかの店を出て、トレウ゛ィルはふと向かいの店のショウウィンドウに目を止めた。<br><br><br>「恋をしましょう！」<br><br><br>いかにも楽しげな字体でそう書かれたポップの周りには、紙でできた可愛らしい雪だるまカップル達がニコニコと笑っている。<br>張り巡らされた綿の雪までフワフワと踊り出しそうな、そんなディスプレイ。<br><br>トレウ゛ィルはふっと自虐の笑みをもらす。<br><br>そう。<br>あの台詞は本来こういう気持ちで言うものだ。<br>相手を極限まで陥れる為にこの台詞を使ったあの時、確かに全てが予定通りだった。<br>不幸、という言葉では収まらぬほどの絶望。<br>自分が味わった以上の苦しみを相手が…ダルタニアンが味わうことが、自分にとってこれ以上ない甘美な想像だった。<br><br>しかし。<br>眠る前に何度その甘美な想像を巡らしたとしても一向に胸は温かくならず、心の奥は芯から冷えた。<br><br><br>…ブルッ…<br><br>そこまで思い返して、トレウ゛ィルは小さく身震いする。<br><br>実に、愚かしい。<br>そして、惨めだ。<br>孤独に耐え切れず、ぶざまに足掻いてさらに孤独になって…<br><br>その孤独を、救ってくれたダルタニアン。<br>今の自分には、あの冷え切った無限の夜はもう来ない。<br><br>彼女こそ、天使だ。<br><br>トレウ゛ィルは雪だるまに向かってそっと囁いてみる。<br>「私と、恋をしよう。」<br><br>うん。<br>大丈夫。<br>今の自分に見えるのは、恥ずかしそうに微笑むダルタニアンの姿。<br>そしてそれを想像すればするほど、この胸は確実に温かくなる。<br><br>ほ…、と息をついて、トレウ゛ィルはまた華やかな街を歩き出した。<br><br>☆☆☆☆☆☆☆<br>『おかえりなさい、トレウ゛ィル先生』<br>『ただいま、ダルタニアン』<br>トレウ゛ィルはたまらずダルタニアンを抱き寄せた。<br>わずか一週間ぶりだというのに、もうどうしようもなくダルタニアンの匂いが恋しくなっていた。<br>たっぷりと時間をかけて髪を撫で、さらにその倍の時間をかけてキスの雨を降らす。<br>ようやく満足して離すと、ダルタニアンはすっかり顔を上気させ、うっとりとした瞳でトレウ゛ィルを見つめ、微笑んだ。<br><br>ああ、愛しい…<br>一週間で渇ききった心が、ぐんぐん潤いを取り戻すのを感じつつ、トレウ゛ィルはさっそく<br>『いい子で待ってたご褒美だよ』<br>と、お土産の箱を差し出した。<br><br>『わぁ、ありがとうございます！開けてみていいですか？』<br>『どうぞ』<br>さっきの色気はどこへやら、すっかり子供のようにはしゃぐダルタニアンに、トレウ゛ィルはさらに目を細める。<br><br>そして。<br>『…わぁ、かわいい…！』<br>出てきたのは、ピンクゴールドの細いネックレス。<br>ペンダントトップはない代わりに、滑らかなチェーンのひとつひとつが小さなハート型でできている。<br><br>『つけてあげるよ』<br>トレウ゛ィルはダルタニアンを鏡の前に立たせて背後に回り、首元の髪を少しよける。<br>『あ…』<br>ついでブラウスのボタンも鎖骨下まで外すと、ダルタニアンは小さく恥じらいの声を上げて身じろいだ。<br><br>そのピンクに染まった首筋に、トレウ゛ィルは細い指先でゆっくりとネックレスをかけた。<br>思ったとおり、すんなり肌に馴染む色味だ。<br>鏡の中のダルタニアンが、そっとネックレスに触れる。<br>『似合うよ、とても。』<br>『ありがとうございます…』<br>幸せそうな彼女の両肩を抱きながら、トレウ゛ィルも微笑んだ。<br><br>『学校じゃ、あまり目立つのはつけられないからね。そのうち、もっとちゃんとしたのを贈るよ。それまでは…』<br><br>そこで言葉を切って、トレウ゛ィルはダルタニアンの鎖骨の中心に強めのキスを落とす。<br>『んっ…、先生…』<br>ちょうどネックレスのペンダントトップのように、鮮やかな紅い宝石ができた。<br>『何度でも、この印を贈るよ。君が私の恋人だという証をね。…ダルタニアン、愛しているよ…』<br><br>孤独な夜はもう来ない。<br>そう、もう二度と…。<br><br>終。<br>★★★★★★<br>先生が見たのはBEAMSのウィンドウです。ホントに「恋をしましょう！」とあり、今朝駅ビルで見た瞬間、うぉ、と声を上げた私はすっかりトレウ゛ィルオタクです。<br><br>そして先生からのお土産が欲しい、という願望。<br>ご当地クッキーとかゆるキャラキーホルダーじゃないやつ。<br>ワインにしようかと思ったのですがダルタニアンは未成年ですしね。<br><br>結局、もはやお土産の域を越えてプレゼントになってしまいました。<br>孤島に住んでると、ちょっと本土に渡ろうもんなら、あれ買ってきてこれ買ってきて、と頼まれて大変だろうなぁ。
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<link>https://ameblo.jp/hoko822/entry-11095092547.html</link>
<pubDate>Thu, 01 Dec 2011 23:46:08 +0900</pubDate>
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<title>教師のお仕事。</title>
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<![CDATA[ 『どうしてこんな羽目に…』<br><br>2月半ばのある朝、トレウ゛ィルは本島へ向かう船上で、虚ろな目をして呟いた。<br>眼下にはシュワシュワと、白い水泡が出来ては消えてゆく。<br>『いっそ私も消えたい…』何度目になるのか分からないため息をついて再び呟くと。<br>『それは私の台詞だ。』<br>背後からひどく冷たい声がした。<br><br>トレウ゛ィルはそれを完全に無視して数日前のことを思い返していた。<br><br>☆☆☆☆☆☆<br>『ロシュフォール、トレウ゛ィル。今回呼び出したのはほかでもない、二人に頼みたいことがあるのだ。』<br>『リシュリュー様、何なりとお申しつけ下さい、私に。』<br>何故か少し済まなそうな顔のリシュリューに、ロシュフォールは姿勢を正して一歩前に歩み出る。<br>用件を聞く前から承諾の姿勢をとるロシュフォールを、トレウ゛ィルは醒めた目で見遣る。<br><br>『うむ。実はだな。…一週間ほど研修に行ってもらいたいのだ。二人で。』<br><br>『『え』』<br><br>いやです。<br><br>ハッキリと顔にそう書いた二人に苦笑しつつ、リシュリューは説明する。<br>『本島の指定された高校で実際に指導しながら、実技科目の指導方法について研究・報告をする、という研修だ。』<br>優秀な教師陣を誇る我が学園も、常に切磋琢磨は必要であろう？<br><br>リシュリューにそう言われれば、教師の二人に断る術はない。<br><br>かくして二人は船上の人となったのである。<br><br>☆☆☆☆☆☆☆<br>『…なに？！』<br>『これは…』<br>指定された担当高校に着き、二人は唖然とする。<br>そこは…女子校だった。<br>しかもかなり荒れた感じの。<br>疲れ切った雰囲気の担当者の説明によると、研修中に宿泊するホテルは二人同室だという。<br><br>『…ロシュフォール先生。』<br>暗く呼ばれて振り向くと、トレウ゛ィルが荷物を抱え席を立っている。<br>『すみませんが私は帰ります。失礼。』<br>『っ！貴様！待て！』<br>『いくら理事長命令でも』『逃げるのか。』<br><br>シ……ン。<br><br>数分後、二人は担当者と共に校内の視察に出ていた。<br><br>荒れているとは言え女子校なので全体的には小綺麗だ。<br>しかし四方八方から、好奇の視線を感じるし、二人を値踏みする声も、わざとらしく聞こえてくる。<br>案内された音楽室はチープな流行曲が勝手に流されており、お菓子やジュースをお供に自主的に休講している方々のサロンになっていた。<br>体育館の剣はみな錆びサビで、防具はあるのかどうかも不明だという。<br><br>『あ…あのっ！正直申しましてお二人がウチで学ぶことはないと思います。どうぞこの一週間は休暇と思ってですね、』<br>二人の渋面を見て、担当者は疲れた風体にさらに恐怖と焦りを滲ませる。<br><br>たまり兼ねたロシュフォールが口を開きかけたその時。<br>『…貴方では話になりませんね。校長の所に案内して頂けますか。』<br>担当者に見切りをつけたトレウ゛ィルが、氷の視線を送る。<br>コイツのここまで冷ややかな声色は久々に聞いたな、と思いつつ、ロシュフォールも同意見だった。<br><br>しかし。<br>『あ…校長は私です…っ、すみませんっ…！』<br>疲れた男は痩せた身体を極限まで小さくして、必要以上に謝った。<br>その態度に二人のイライラはピークに達する。<br><br>『おい貴様、校長ならば何故そのように卑屈になる？全ての原因は、その諦めきった態度だ！教師を全員集めろ！その弛みきった精神、私が叩き直してやる！！』<br>長身のロシュフォールが校長の胸ぐらをつかみ怒鳴ると、校長は『はぃぃぃ！』と裏返った声を上げて走り去って行った。<br>わ、と成り行きを見ていた生徒達から、嘲笑が巻き起こる。<br><br>そこへ。<br><br>『あなたたちもですよ。』<br>有無を言わせない凛としたトレウ゛ィルの声が廊下に涼やかに響く。<br>気圧された生徒の一人からスッとタバコを取り上げ、真っすぐに目を見て低く<br>『…意味、分かるよね？』<br>と囁くと、視線を絡め取られた生徒は、真っ赤になってコクコクと頷いた。<br><br>☆☆☆☆☆☆<br>一週間後。<br>トレウ゛ィルとロシュフォールは再び船のデッキに立っていた。<br><br>女子校は見事に再生した。ロシュフォールはまず校内の備品や設備に対する予算措置を洗い直し、教師それぞれの指導計画を徹底的に指導した。<br>わずか一週間だが、彼らの表情には自信が見え始めてきた。<br><br>『やれやれ、やっと帰れる…まったく、理事長の策略にまんまとやられたよ…』伸びをしながら愚痴るトレウ゛ィルに、ロシュフォールはフッと小ばかにした笑みをもらした。<br><br>『貴様、意外と楽しんでいたんじゃないか？ホストまがいのことをして女子生徒達を懐柔してたしな。』<br>『それは心外ですね。私は長年の経験から最短かつ最善の方法を選んだまでです。』トレウ゛ィルは美しい指先で顔にかかる髪を払う。<br>『ハッ、白々しい。ダルタニアンが知ったら悲しむだろうな』<br>『な…！私は潔白ですよ。毎晩ちゃんとあなたの隣で寝てたじゃないですか！！』<br>ダルタニアンの名前を聞いた途端、敏腕ホスト教師から余裕の色が消える。<br>必死のトレウ゛ィルに、逆にロシュフォールがのけ反った。<br>『貴様！気色悪いこと言うな！私は貴様と添い寝した記憶はない！！』<br><br>ザッパァァアン…！<br>二人の背後に、ひときわ高い白波が上がる。<br><br>はぁぁ！？？<br>トレウ゛ィルはその端正な口元を盛大に歪めた。<br>『当たり前じゃないか！な、何考えてるんだロシュフォール！』<br>『貴様が紛らわしいこと言うからだ！<br>』<br>ぎゃあぎゃあとデッキで喚く二人を、出迎えに来たリシュリューとダルタニアンは微笑ましく眺めていた。<br><br><br>終。<br>
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<link>https://ameblo.jp/hoko822/entry-11093534603.html</link>
<pubDate>Wed, 30 Nov 2011 13:37:59 +0900</pubDate>
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<title>オトメの理想とオトナの現実</title>
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<![CDATA[ キィィン…！<br><br>冬の澄み切った空気を切り裂くように、シュバリエ学園のグラウンドには複数の剣の擦れ合う音が響く。<br><br>『右！右！…捌いて…左っ！』<br>カキィイン！！<br>『あっ』<br>一振りの剣が、弾かれて空に舞う。<br>『…そこまでだ。やめ！』<br>ロシュフォールはそれが地に落ちたのをを見計らって授業終了の合図を出した。<br>『はぁ～、ダルタニアン、アンタまた強くなったんじゃない？』<br>弾き落とされた剣を拾いながら、プランシェは友人を振り返る。<br><br>『あは。そうだといいな。』ダルタニアンは汗を拭きながら笑った。<br>その、どこかくすぐったいような笑顔に、<br>『ま、トレウ゛ィル先生に教えて貰ってるもんねー、ふ・た・りっ・き・りで！』<br>プランシェがイタズラっぽく吹っ掛けると、一瞬ダルタニアンの頬に朱がかかる。<br><br>お。これは…☆<br><br>プランシェが得意の『女子アンテナ』でダルタニアンの気持ちをキャッチしかけた時…。<br><br>『プランシェ。これを倉庫に片付けてこい。ダルタニアンは、着替えたら職員室へ来い。』<br>とてつもなく無粋なタイミングでロシュフォールからの指示が出た。<br>見ると防具がミッシリ詰まった箱がデン、と置かれていて、持たなくても重いと分かる。<br>『プランシェ、手伝うよ！』<br>『あたしも！』<br>あからさまにげんなりとしたプランシェに、二人の助っ人が名乗り出た。<br><br>☆☆☆☆☆☆☆<br>『あ～あ。もうちょっとでトレウ゛ィル先生とのこと聞ける流れだったのに！』重い箱を支えながらプランシェが悔しがると、箱の向こうから不思議そうな声が返ってくる。<br>『え～？なんでトレウ゛ィル先生なわけ～？そりゃあ剣の練習はしてもらってるみたいだけどさぁ。』<br>『あたしもダルタニアンは、アトス先輩かな、って思うんだけど。よく銃士隊の執務室で話してるし。』<br><br>のんきな友人達の声に、プランシェは『もう！みんな分かってないんだから！ダルタニアンはぜーったいトレウ゛ィル先生とラブラブよ！』と訴える。<br><br>が、気のいい友人達は笑うだけで取り合ってくれない。<br>『プランシェ、トレウ゛ィル先生はダルタニアンに限らずみんなに優しいじゃない。私もこの前風邪で早退した時、寮まで送ってもらったし～』<br>ちょっとドキドキしちゃった、と嬉しそうに語る友人を見て、プランシェはふと名案を思い付いた。<br><br>『そうだ！…ねぇ二人とも。この話、もっかいダルタニアンの前でしてみて？んでその流れで私がダルタニアンに、先生のことどう思ってるのか今度こそ聞いてみるから！』<br>年明けに海辺でダルタニアンに再会した時のトレウ゛ィル先生の視線。それにさっきのダルタニアンの態度。私はぜーったい見逃さないんだから！<br>キラキラした瞳で話すプランシェに、二人は苦笑しながらも同意した。<br><br>☆☆☆☆☆☆☆<br>放課後。<br>プランシェ達がチャンスを窺っていると、ダルタニアンがバタバタと教室に入ってきた。<br>『あ、ダルタニアン。ちょっといい？』<br>プランシェが声をかけるとダルタニアンは書類の束を教壇に置きつつ済まなそうに謝る。<br>どうやらまたロシュフォール先生からの用事らしい。<br>『ロシュフォール先生てば、ほんと人使い…っていうかダルタニアン使い？が荒いよね。トレウ゛ィル先生の優しさを分けてあげたいくらいだわ』<br>言いながらプランシェは友人二人に目配せする。<br>『そっ…そうだね！トレウ゛ィル先生ってほんと大人で優しいよね～。』<br>『そうそう、何でもできるし知ってるし。憧れるよね～』<br>二人の合いの手を受けて、プランシェはすかさず<br>『アンタもそう思うでしょ？』と吹っ掛けた。<br>すると…<br><br>『…え？そうかな？私は子供っぽいと思うけど。かなり自己中だし。』<br>ロシュフォール先生の方が大人じゃないかな～。<br><br>真顔でそう言い残し、ダルタニアンはロシュフォールの元へと走って行った。<br><br>『へ…？』<br>ポカンとする三人。<br>子供っぽい？<br>自己中？<br>…誰が…？<br><br>『え…と、プランシェ？』『ダルタニアンて、ロシュフォール先生のことが…？』<br>『そんなハズないわ！…でも今の言い方って』<br>およそ好きな人に対する物言いではない。<br><br>『絶対私のカンは当たるハズなのに…』<br>しゅんとするプランシェを二人は慌てて慰めた。<br><br>☆☆☆☆☆☆☆<br>その夜。<br>『どうしよ…』<br>帰宅してひと心地ついたダルタニアンは、夕方の会話を改めて思い出して焦っていた。<br>急いでいたので、つい本音でポロっと答えてしまったが、あれはかなり誤解を招く答えだったと反省する。<br>『子供みたいに純粋、って言いたかったんだけどな。かなり自由人だし。』<br>その真っすぐな愛情に、いつも私は翻弄されている…。<br>上辺だけの優しさではなく、心の底から自分を求めてくる切実な愛情。そこに教師としての立場や大人の余裕はない。<br>いつも紳士な彼のそんな姿は、ダルタニアンだけが知っていて。<br>一度その甘美な愛情に包まれることを覚えると、いつもいつもそれを求めてしまう。<br><br>思い浮かべると、いてもたってもいられなくなり、ダルタニアンは今夜も愛しい恋人の部屋をノックする。<br>プランシェの目論みは失敗したけれど。<br>その女子アンテナは正真正銘の本物だ、というのは本人の預かり知らぬところであった…<br><br><br>終<br><br>★★★★★★<br>前作の紳士先生に対して今回は子供先生です。<br>愛する人を失う恐怖を知っている先生は、身体は余裕があっても精神的には余裕はないんじゃないかな、と思います。ゲーム中の｢恋人ごっこ｣が、かなり自己中だよな、って思ったのもあるんですがf^_^;<br>私にはまだダルタニアンのような包容力はありません…
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<link>https://ameblo.jp/hoko822/entry-11091313815.html</link>
<pubDate>Sun, 27 Nov 2011 23:54:39 +0900</pubDate>
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<title>若きダルタニアンの悩み(Ｒ13)</title>
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<![CDATA[ いつもの放課後。<br>トレウ゛ィルはダルタニアンを夕食後の部屋でのデートに誘おうと、彼女を探して廊下を歩いていた。<br><br>しかし教室にも銃士隊の事務室にも見当たらなかったので、屋上に行ってみる。<br>すると…<br><br>『だからー、そーゆーことは俺に聞くなよ！俺だってそんなの信じられねぇし。』<br>『だって、こんな話、恥ずかしくてポルトス以外には聞けないよ…』<br><br>ぼそぼそと何やら真剣に話すポルトスとダルタニアンの声が聞こえる。<br>立ち聞きする気はなかったが、<br>『…ミレディあたりなら分かるかもな。』<br>『…私もそう思ったんだけど…無理矢理トレウ゛ィル先生に突撃しそうだし。』<br>自分の名前が出て来たので、トレウ゛ィルはつい立ち去る足を止めた。<br><br>『そうだな。…アラミスならどうだ？』<br>『違うレクチャーになりそう』<br>『…んな身も蓋も無い言い方…』<br><br>どうやら二人は行き詰まったらしい。<br>『もういいわ。ロシュフォール先生に聞いてみる。ありがとうポルトス』<br>『えっ？嘘だろおい、それだけはやめとけ…！』<br><br>こちらに二人が向かってきたので、トレウ゛ィルはスっと二人の前に歩み出た。<br>『…こんな寒空に、二人きりで何を揉めてるのかな？』<br>幾分声が低めのトレウ゛ィルに、二人は固まった。<br><br>『あっ…先生…』<br>真っ赤になってうろたえるダルタニアン。<br>その脇をコソコソとすり抜けようとする影を、さらに低い声で『ポルトス？』と捕まえる。<br>すがめられた深紅の目に射られたかわいそうな男子学生は、ひたすら慌ててブンブンと頭を振り、『お…俺は何もしてないぞ！ダルタニアン、あとは本人に聞け！』と叫び、走り去って行った。<br><br>『ダルタニアン』<br>無言で俯くダルタニアンの肩を抱いて囁く。<br>『とりあえず中に入ろうか。』<br>『はい…』<br>ダルタニアンは観念した様子でおとなしくついてきた。<br><br>☆☆☆☆☆☆☆<br>『で？…ポルトスと二人きりになってまで私に聞きたいことは何かな？』<br>トレウ゛ィルの部屋で、ダルタニアンはソファーの端に追い詰められていた。<br>『彼には言えて私には言えないこと、って何？』<br>わざと耳朶に触れるくらい唇を寄せて低く囁くと。<br>『…っ！』<br>ダルタニアンはギュッと目をつむり、身体を縮こませてしまった。<br>その反応で、トレウ゛ィルの予測は確信へと変わる。<br>『ダルタニアン、ちゃんと私の目を見なさい。』<br>叱るように言われ、恐る恐る見上げると、深紅の瞳が真っすぐダルタニアンを見つめてくる。<br>その燃えるような色に吸い込まれ、ダルタニアンは小さく白状した。<br>『…だって…先生、一度も触れてくれないから…』<br><br>直後、言った台詞に堪えられず、ダルタニアンはトレウ゛ィルの胸元に顔を埋めてしまった。<br><br>『ダルタニアン…』<br>実はトレウ゛ィルは気付いていた。夕食後の語らいの最後、おやすみのキスを離すと、ダルタニアンは一瞬だけ、ためらうような、物言いたげな顔になることを。<br>予測通りの言葉でも、トレウ゛ィルの鼓動は自然と早くなる。<br>『前にも言ったよね？…私だって男だと。』<br>腕の中のダルタニアンが、わずかに顔を上げる。<br>『…君を抱くのは簡単なんだよ…こんなふうに、ね』<br>『…え』<br>トレウ゛ィルは軽々とダルタニアンの身体を反転させ、ソファーに組み敷く。<br>『…あっ！』<br>そのまま細い手首を纏め上げ、白い首筋に噛み付いた。<br>『せんせ…っ』<br>涙目のダルタニアンに口づける…寸前でトレウ゛ィルは力を抜いて彼女を解放した。<br>『と、まぁ、これ以上は私も抑えが効かないからね。』<br>『…先生？』<br>『ダルタニアン、君はまだ、学生だからね。卒業までは君を待つつもりだよ。』<br>まだ熱に浮かさた表情のダルタニアンを抱き起こし、トレウ゛ィルは彼女の髪の乱れを直す。<br>『欲望のままに抱くのは簡単だけど…私は君をもっともっと大切にしたいからね。君が卒業して外の世界を知って、それでもなお私を愛してくれるなら、その時は遠慮なく君を頂くよ。』<br>覚悟しておくように。<br>魅惑的な笑みを口許に浮かべ、トレウ゛ィルはダルタニアンの手の甲に、恭しく口づける。<br>『先生…』<br>悪戯っぽい口調の中にもトレウ゛ィルの愛情が確かに伝わって、ダルタニアンはポロポロと涙をこぼした。<br>☆☆☆☆☆<br>『それにしても。』<br>いつものようにおやすみのキスをしてダルタニアンを見送ったトレウ゛ィルは、ワインを用意しながら一人ごちる。<br>『…ロシュフォールに聞かれずに済んで、本当に良かった…っ！』<br>明日ポルトスに会ったら、一応礼くらいは言っておこう。<br><br>意外に義理堅い芸術教師は、ワイングラスを傾けながらホッと胸を撫で下ろした。<br><br>終<br>
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<pubDate>Mon, 21 Nov 2011 01:14:46 +0900</pubDate>
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