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<title>【HYBRID企画】</title>
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<description>月の第一金曜日に漫画を更新します母親を失った事を代償に異能の力を得てしまった学生たち…。彼らが集う学園には、とある風変わりなクラスがあった。能力の使えない落ちこぼれ組…。そんなクラスに入学してきた静音凛はそこで3人の先輩たちと出会う――。</description>
<language>ja</language>
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<title>11月byものくろ</title>
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<![CDATA[ <p><b><span style="font-size: 18px;">幕間　救われない<ruby>彷徨者<rt>わたしたち</rt></ruby>へ…</span></b></p><p><br><br></p><p><span style="font-size: 16px;">　1　邂逅<br><br></span></p><span style="font-size: 16px;"><p></p><p></p><p>　目を開ければ、そこは一面が白で塗りたくられたかのような大部屋だった。正面には大型の機械が周辺機器と束になったコードで繋げられており、壁掛けのモニターに映し出された無数の数字は、一瞬毎にぐるぐると変動しているが、数秒ほど経つとその画面にERRORの文字を叩き出す。<br><br></p><p>　静音凛は、ガラス越しの隣部屋を傍目で見やると、白衣を着た担当医に声を掛けた。<br><br></p><p>「結果はどうですか？」<br><br></p><p>「……すみません、変化無しです」<br><br></p><p>「……そうですか」<br><br></p><p>　男の言葉に小さく了承の意を示すと、頭に取り付けていたヘッドギアを外す。身体中に貼り付けてあった電極を一つ一つ丁寧に剥がしていくと、近くの台の上に乗せて、そのまま測定室を後にした。<br><br></p><p>　能力測定ーーとは、能力者を集めて作られた混合型人間特別支援高等学校ならではの特殊な身体検査のことだ。<br>　測定は全学年の生徒が春休みの期間内に行うもので、その方法は至って単純である。作務衣のような病院衣を着て機械の前に立ち、身体をスキャンするというやり方は何かとレントゲン撮影に似ているようにも感じる。<br>　仕組みに関しては、身体の中に流れている能力の源を測定するので、実際に能力を使う必要は無く、ただ立っていれば自動で能力値を解析するようになっているらしい。何やら身体から得られる波長から減法を重ねていくことによって能力値を割り出しているのだとか聞いたことはあるが、実際にはもっと複雑な工程を経ているのであろう。<br><br></p><p>　ーーだが、その測定では、凛の能力値を解析するには至らなかった。<br><br></p><p>　通算二十三度。<br><br></p><p>　凛が初めて能力を測定した時、計測器は無慈悲にもシステムエラーを吐き出した。最初は機械の故障だろうと思われたが、その見解は二度、三度と繰り返されるエラーで塗り替えられた。四度目の測定で、実際に機械を故障させるにまで至った。<br><br></p><p>　それから何度も特例で検査を受けているのだが、結果が出ることは無く、こうして今でも季節外れの測定が続いている。<br><br></p><p>　溢れ出る憂鬱さに凛はため息をつくと、別室で病衣からいつもの制服に着替えて病院のロビーへと向かう。<br>　陽光の明るいロビーでは、一人の青年が眼鏡をずらし、曲がった姿勢のまま睡魔に沈んでいた。爆発した茶髪によだれを垂らしたその姿からは学校の担任教師などという単語は永遠に想像できないだろう。凛は呆れ顔でその堕落した教師を眺めると、容赦無くその頭をグーで殴る。<br><br></p><p>「痛ぁああ！！　何するのさ！？」<br><br></p><p>「あぁ、すみません。……なんだか幸せそうだったので」<br><br></p><p>「え、えぇ……。凛くんは幸せな人を殴る趣味でもあるのかい……？」<br><br></p><p>「失礼な……。先生以外の常識人にはそんなことしませんよ」<br><br></p><p>「さりげなく僕をディスるの止めてもらえないかな！？」<br><br></p><p>　頭にたんこぶを作った眼鏡の教師は着ているヨレヨレの白衣を軽く払うと、少しだけ真面目な表情で凛に問いかける。<br><br></p><p>「それで、……結果は？」<br><br></p><p>　凛は小さくかぶりを振った。<br><br></p><p>「……そうかい。まぁ、そう簡単に結果が出るとも思って無かったけどね」<br><br></p><p>　そこで白衣の教師はふと真剣な表情を作る。<br><br></p><p>「ところで、今日はこれで帰るのかい？」<br><br></p><p>「……？　ええ、外に空を待たせてるので」<br><br></p><p>　今日の検査には妹の空を連れてきている。どうしても行きたいという本人たっての希望だったので一緒の車で来たのだが、病院側の都合により今は外の玄関口の脇に待たせてある。<br><br></p><p>「そっか。……せっかくだし、これで昼ごはんでも食べていきなよ。帰り道にあるファミレスとかオススメだよ」<br><br></p><p>　ひらりと渡されたのは一万円札。というか一緒に帰るのではないのか。それを抜きにしても二人分の昼食代にしては些か多すぎるだろう。などと考えたところで、担任が表情をふにゃりと崩してサムズアップ。<br><br></p><p>「それじゃあ凛くん！　初デート頑張ってね！！」<br><br></p><p>「余計なお世話だよこの駄教師！！」<br><br></p><p>　余計な気の利かせ方だと思った。同時になんだか渡された額について考えるのも馬鹿らしくなってしまったので、そのまま一万円札は手元の財布につっこんで病院を後にする。後ろでは「後で感想も教えてね〜、期待してるよ〜！」などとのたまう阿呆が居たが、勤めて無視しようと心に決めた。<br><br></p><p>　ーーだからこそ。<br><br></p><p>「ふふっ……、ここまでお膳立てもしてあげたんだ。これからの君の行動に期待してるよーー静音凛くん」<br><br></p><p>　その呟きが、凛に届くことは無かった。<br><br><br><br></p><p>◇◆◇◆<br><br><br></p><p><br>　軒並みに立ち並ぶ高層ビル群は、この国の文明の象徴である。特に都心周辺の時代を越えたかのような様変わりは、凛の古い記憶を一面に塗り替えていく。<br><br></p><p>「景色、随分変わったな……」<br><br></p><p>　あの頃からずっと大きくなってきた実感があるのに、変わらない自身の小ささを感じさせる街並みに凛の心は激しく揺れた。<br><br></p><p>「えぇ……？　そうかなぁ……。大袈裟だね、お兄ちゃんは」<br><br></p><p>「大袈裟って……。ま、まぁ、学園の外に出ることなんて滅多にないんだから、ちょっとはびっくりしたけどさ」<br><br></p><p>　普段から学園の外に出ることを許されていない凛には、久しぶりの外出に心踊るものがある。こうして敷地の外を、それも空と一緒に歩けるのは一体何年ぶりなのだろうか。そのことを思うと胸が張り裂けそうになる。あの時、幼いながらも耐え忍ぶことを選択した自分はきっと、この日を待ち望んでいたのだろうと、心の底からそう思う。<br><br></p><p><br>　ーーだからこそ。こうしてまた手に入れることの出来た幸せを、静音凛は守り抜かなければならない。<br><br>　凛にできることはたかが知れている。だから自分にできることはたった一つ。この現状を維持すること。悪夢を繰り返さないために空一人の幸せを全力で支えるだけ。<br><br></p><p>　それで幸せにできるのなら。それはーー<br><br></p><p><br>「……お兄ちゃん、変なこと考えてるでしょ？」<br><br></p><p>「……へ？」<br><br></p><p>「もう！　すっごく寂しい顔してるから隠しても無駄だよ。お兄ちゃんの責任は私の責任でもあるんだから、……だからもっと自分に優しくしてあげて」<br><br></p><p>「……あ、あぁ。……気遣わせて悪いな」<br><br></p><p>「分かればよろしい」<br><br></p><p>　幸せにすると誓った側から、その相手に慰められるとはどういうことか。恥ずかしさでもはや心が瀕死である。<br>　よほど微妙な表情をしていたのだろうか凛の顔を見た空は怪訝な表情で「お兄ちゃん？」と呼びかけてくるのだが、追い討ちにしかなっていないので凛の表情は変わらない。むしろ居た堪れなさが加速していく。<br><br></p><p>「あのね、お兄ちゃん。お兄ちゃんがどれだけ自分のことが嫌いになっても、私は絶対にお兄ちゃんのことを嫌いになんかならないから。……だからね、元気出して？」<br><br></p><p>　凛の百面相をどう取ったのか空は手を取って困ったような顔を向ける。こちらの恥ずかしさもあるが、これ以上空に気を遣わせるのも悪いので、気持ちを切り替えて笑顔を作る。<br><br></p><p>「ああ、ありがとうな、空。元気出たよ」<br><br></p><p>「……そっか、良かった」<br><br></p><p>　握られた手はもうしばらく繋いだままでいようと思った。<br><br><br></p><p><br>◇◆◇◆</p><p><br><br>　せっかくの外出なので楽しまなきゃ損だよ！　と、ご機嫌の空と街の至る所を周りながら、適当に昼食をとれる場所の目星を付けていく。完全に観光気分である。<br>　今まで外に出ることすら制限されていた凛にとっては新鮮な気分であると同時に、いきなりここまで自由にうろついて良いのだろうかという若干の遠慮もあったのだが、空の笑顔を見ていたら、そんなのは些細なことのように思えてきた。<br><br></p><p>「空、そろそろお昼にしよう。さっき良さそうな場所を見つけておいたから、ここで食べてから帰ろう」<br><br></p><p>「えっ、お兄ちゃんお金持ってきてるの？」<br>　<br>「さっき担任から踏んだくってきた」<br><br></p><p>　ニヤリと黒い笑みを浮かべながら万札の入った財布を指差す。なんだかいいように弄ばされているようで癪だが、もうここまできたらとことん使ってやろうと思う。<br>　空が微妙な顔をして首を傾げているのはきっと担任の懐事情を心配しての事だろうが、何故だろうか罪悪感が欠片も浮かんで来ないのである。人としてそれはどうなのかと自問するが、結局答えは出なかった。<br><br></p><p>　仕方なく行き詰まった思考を停止させて、現実に戻ってくる。<br>　そのまま、とりあえずは担任一押しの店とやらを拝みに行こうと空と一緒に踵を返した瞬間。<br><br><br></p><p><br>　ーー声が聞こえた。<br><br><br></p><p><br>「ーーーーーーな」<br><br></p><p>　それは、救いを請う声だった。<br><br>　身を切るような痛々しい声。血の滲むまで声を枯らした魂の叫び。<br>　凛は慌てて周囲を見渡すが、道を行き交う人々は誰一人としてその声に気付かない。ともすれば聞こえたのはおそらく自分だけ。<br><br></p><p>　ならば、これはきっと。<br><br></p><p>「お兄ちゃん……？」<br><br></p><p>　凛の異変に気付いたのか、空が不安げに言葉を漏らす。繋いだ手の震えからは不安と心配が感じ取れた。数秒の逡巡を経て、空を待たせる旨を伝えようとしたがーー<br><br></p><p>「私……嫌だよ」<br><br></p><p>「ーーえ？」<br><br></p><p>「……お兄ちゃんは、また私を置いて遠くに行っちゃうの？」<br><br></p><p>　刹那の沈黙。<br><br>　<br>　十年前を想起する。あの時、目を離したから失敗した。一人で突っ走ったから周りが見えなかった。そうして消えない過ちを犯してしまったのではないのか。<br><br></p><p>　凛は空を守りたい。幸せにしたい。その思いは本当だ。だからこそ、自分が介入することに空を巻き込みたくない。<br>　なのに、その想いは空の願いと相入れなかった。<br><br></p><p>　凛には空の願いを断れない。だから。<br><br></p><p>「……わかった、一緒に行こう。ごめんな空、多分巻き込むことになる」<br><br></p><p>「ううん、大丈夫。お兄ちゃんさえ側にいてくれたら、私はそれで充分だから」<br><br></p><p>「…………ありがとう、空」<br><br></p><p>　凛と空は繋いだ手を固く握り締めて、声の聞こえた方向へと足を向ける。頭に響いた声は漠然とした感情の叫びだったが、なすべきことは弁えていた。凛は入り組んだ裏路地を正確な足取りで進んでいく。<br><br></p><p>　ーー凛には時折、他者の感情が声となって聞こえることがある。<br><br></p><p>　それが能力のせいなのかそうでないのか、はっきりとしたことは判らない。ともすれば全て自分で生み出したまやかしなのかもしれない。<br></p><p>　けれど、この幻想は凛を縛り付ける。<br><br></p><p><br>　ーー分かっている。</p><p><br><br>　本気で空の幸せを願うのなら、この行動は凛にとって必要のないことなのだと。<br>　今自分がしているのは、空のためでもなんでもない、ただの安っぽい自己満足のために過ぎないのだと。空を幸せにすると誓いながら、人間らしさを捨てなかったせいで空を危険に晒してしまう。だとしたら、これほど滑稽なことは無い。<br><br>　なぜこうなったのかは、簡単だ。<br><br></p><p>　凛には勇気も、強さも無かった。<br><br></p><p>　誰かの助けを求める声を切り捨てられる勇気もなければ、切り捨てたまま生きていける心の強さもない。<br><br></p><p>　空の幸せを願っていながら、別の誰かを救い上げるという矛盾が、遠からず己の破滅を導くと解っている。<br>　切り捨てる強さを求め、けれども見捨てられない弱さに囚われ続けて、その果てに凛はかけがえのないものを失うだろう。<br><br></p><p>　失うことは必然。<br><br></p><p>　必ず、破滅が待っているのならーー<br><br></p><p>　ーーそれなら、俺が道を代わってやろう。<br><br></p><p><br>　ーーその時こそ、この命を使い尽くそう。<br><br></p><p><br>　</p><p>　路地裏の奥。凛と空が入ってきた表の通りから物置と化した小道を数度曲がった先の行き止まりに、彼女らはいた。<br><br></p><p>　片方は黒髪。腰まで伸ばした髪と同じく漆黒をたたえた黒曜の瞳は、吸い込まれるような闇を内包していた。<br><br>　もう片方は白髪。透き通るような肌に浮かぶのは鮮紅の瞳で、髪の色とは対照的な黒のワンピースを着て暗闇に溶けている。<br><br></p><p>　まるで鏡写しのように瓜二つで正反対な少女二人は、壁に寄りかかるようにして座って、固く手を繋いでいた。<br><br></p><p>　よく見れば二人とも全身埃塗れで、靴すらも履いておらず、肩口には対称の位置でボロボロの包帯が巻かれている。傷だらけなのは一目瞭然だが、彼女らは特に気にした様子もなく、じっと凛を見つめていた。<br><br></p><p>　凛と空。二人の少女の目線が無言で交錯する。そうして彼女らは口を開きーー<br><br></p><p><br>「ーーーーあなたは、だぁれ？」</p><p><br><br><br></p><p><br></p><p><a data-cke-saved-href="http://stat.ameba.jp/user_images/20161105/00/hybrid0898/da/fb/j/o2893409213790121619.jpg" href="http://stat.ameba.jp/user_images/20161105/00/hybrid0898/da/fb/j/o2893409213790121619.jpg"><img data-cke-saved-src="http://stat.ameba.jp/user_images/20161105/00/hybrid0898/da/fb/j/o2893409213790121619.jpg" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20161105/00/hybrid0898/da/fb/j/o2893409213790121619.jpg" width="2893" height="4092" alt="" ratio="0.706989247311828" id="1478275625258"></a><br>　<br><br><br></p><p><br>　</p><p>　ーー物語の歯車が、動き出す。</p><p></p><p></p></span><p></p>
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<pubDate>Sat, 05 Nov 2016 00:56:17 +0900</pubDate>
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<title>7月byものくろ</title>
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<![CDATA[ <font size="4"><strong>幕間　救われない<ruby>彷徨者<rp>(</rp><rt>わたしたち</rt><rp>)</rp></ruby>へ…</strong></font><br><br><font size="4">　0　プロローグ</font><br><br><br><font size="3">夜半。<br>　闇に飲まれた路地裏で、一人の男の叫喚が響いた。<br><br>「あ、あぁ…《首切り魔女》……ッ！？」<br>　<br>　右手の手首から先を莫くした男は、眼前に佇む二人の少女を見て戦慄した。<br><br>　《首切り魔女》。最近巷で有名な殺し屋の通り名だ。ここらを取り仕切る裏の人間で、<ruby>彼女<rp>(</rp><rt>・・</rt><rp>)</rp></ruby>を知らない人間はまず居ないだろう。<br><br>　彼女の事について知っている事は二つ。<br><br>　「女性であること」と「彼女に殺された人間には、首から上が無いこと」だ。<br>　特に後者を知っていたが故に、女性の中でも特に力の強い人物だろうと、男はそう思っていた。少なくとも、小さな子供などは、そのような噂とは微塵の関係も無いだろうとタカをくくっていた。<br><br>　ーーそれが失敗だったのだ。<br><br><br><br>　男は快楽に飢えていた。<br>　絶え間無い使い走りに辟易していたのかもしれない。裏社会の仕事には人道的な雇用形態などなく、もうこんな仕事はウンザリだと、そう投げやりになって、彼は薬に酔った。<br>　後のことなど考えていない。失敗がどうのだとか、報復がどうのだとか、そんなことはどうでも良かった。ただ、今はこの万能感に酔っていたいと、そう蕩ける頭でぼんやりと想起しながら、男は、とある女性を視界の端に捉えた。<br><br>　女は幼い二人組だった。双子だろうか、瓜二つの顔を並べて街行く人々を虚ろな目で眺めていた。黒髪の娘が白いワンピースを、白髪の娘が黒いワンピースを対照に着ている様子は、まるで少女が鏡写しになったかのような錯覚をもたらす。双子の姉妹は男に気付くと、不安げに首を傾げた。<br><br>　ーー不運にも、男は彼女らの怯えの表情に欲情していたのだ。<br><br>　思考がぐちゃぐちゃに潰れたまま、男は少女に近寄る。そこからの会話はよく覚えていない。口から溢れる言葉、それに準じたあの手この手を使って、どうにか路地裏まで誘いこむことに成功した。二人抱き合って震える少女は、男の欲望を際限なく溢れさせる。はやる気持ちに歯止めが効かなくなり、ついぞ少女の柔肌に触れようとした瞬間だった。<br><br>　男の右手が飛んだのだ。<br><br>　彼の目に映ったものは漆黒の刃。実体の無いソレは不定形で、闇が漏れ出ているかのような黒い霞を湛えてこちらを睥睨する。深い闇のせいか、全体像が見えない。が、二枚刃になっているところを見ると、おそらく鋏でも模しているのだろう。少女を包み込むようにして佇む影は、見かけに過たず死神のソレである。<br><br>　もはや数秒前までの震える少女は、影も形も無かった。<br><br>　それから数瞬遅れて痛みが襲ってくる。溢れ出る紅を必死で抑えながら蹲っている男が彼女らの正体を理解したのはその時だ。<br><br>「あ、ああ……」<br><br>　この情けない声は自分のものなのか。だとすればなんという皮肉であろうか。そんな少女の声を聴きたくてこんな路地裏に連れ込んだのだというのに。<br><br>　ふと。視界が一回転した。首のあたりに凄まじい熱を感じて、男はくぐもった声をあげる。<br><br>　暗転する意識のなか、最後に彼が聴いたのは幻聴か、いやーー。<br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20160704/08/hybrid0898/0e/62/j/o0800113213688831744.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20160704/08/hybrid0898/0e/62/j/o0800113213688831744.jpg" alt="１" border="0"></a><br><br><br><br><br><br>「「ーーばいばい、素敵なお兄さん」」</font><br>
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<pubDate>Mon, 04 Jul 2016 07:43:54 +0900</pubDate>
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<title>▼５月by雫</title>
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<![CDATA[ <p><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20160626/11/hybrid0898/47/6d/p/o0800074213682230523.png"><img border="0" alt="" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20160626/11/hybrid0898/47/6d/p/t02200204_0800074213682230523.png"></a> <br><font color="#9370db">はいどん！</font></p><p><font color="#9370db">夏服の水瀬薫ちゃんでした</font></p><p><font color="#9370db"><br></font></p><p><font color="#9370db">おはようございます、雫です</font></p><p><font color="#9370db"><br></font> </p><p><font color="#9370db">誠に遅れました申し訳ございません。</font></p><p><font color="#9370db">漫画は長編になったので急遽延期ですorz</font></p><p><font color="#9370db"><br></font> </p><p><font color="#9370db">次回の担当はmono黒さんです！</font></p><p><font color="#9370db"><br></font> </p><p><font color="#9370db" size="5">新入生、出るよ！！！</font></p>
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<link>https://ameblo.jp/hybrid0898/entry-12174500790.html</link>
<pubDate>Sun, 26 Jun 2016 11:00:37 +0900</pubDate>
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<title>5月by雫</title>
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<![CDATA[ お詫び<br><br>すみません大変遅れました雫海月です。<br><br>謝らなければならないことがありまして。<br><br>私が担当する5月の話は<br>本来なら月初めの第一土曜日更新なのですが遅れてしまい<br><br>５月中に...は仕上げます<br><br>という形で...よろしくお願いします、<br>ごめんなさい<br><br>今後も閲覧よろしくお願いします！<br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/hybrid0898/entry-12160354590.html</link>
<pubDate>Sat, 14 May 2016 21:22:56 +0900</pubDate>
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<title>1周年記念 ver.ものくろ</title>
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<![CDATA[ <font size="3">去年の4月3日に梅子さんが漫画の本編を投稿してからきっちり1年の月日が流れました！！<br><br>まああの、何が言いたいかというとあれです。<br><br><br><font size="4"><font color="#FF0000">1周年記念だね</font></font>ってことです！<br><br><br>今までみんなでわいわいやってたこの企画も遂に1歳だと思うと胸がいっぱいになります、ええ。(真顔)←<br><br>去年は梅子さんや雫さんが受験とかやばいよ…やばいよ…って呟いていたと思いますが今年は僕ともち君が受験なんです。((ｵﾉﾚ･･･ｵﾉﾚ･･･<br><br>といった風に忙しさ全開の1年になると思いますが、元気(？)に更新していけたらな～。と思っています(<br><br>といった感じで…雑ではありますが、今後ともHYBRID企画の方をよろしくお願いします！<br><br>by mono黒<br><br>IF(笑顔の特クラメンバー)</font><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20160403/18/hybrid0898/72/db/j/o0800064113610322000.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20160403/18/hybrid0898/72/db/j/o0800064113610322000.jpg" alt="１周年" border="0"></a>
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<link>https://ameblo.jp/hybrid0898/entry-12146328375.html</link>
<pubDate>Sun, 03 Apr 2016 19:08:12 +0900</pubDate>
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<title>4月！by梅子</title>
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<![CDATA[ <p><font color="#000000" size="5">「あの担任だけは！！って話」</font></p><p><font size="5"><br></font></p><p><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20160402/23/hybrid0898/d7/14/j/o0290080013609600715.jpg"><img border="0" alt="" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20160402/23/hybrid0898/d7/14/j/o0290080013609600715.jpg"></a> <br></p><br><p><font color="#ee82ee">はいどうもこんにちは！<font color="#ff1493">梅子</font>です！</font></p><p><font color="#ee82ee">短いですね。ごめんさない。</font></p><p><font color="#ee82ee">でもまだ新入生いないのにちんたらやるのもどーだろう...と悩んでいるうちに今日なってしまいました。</font></p><p><font color="#ee82ee">さて、新入生はくるのか！！！！？？？？</font></p><p><font color="#ee82ee"><br></font></p><p><font color="#ee82ee">あまりに少なすぎたので5分でおまけ描いてきました。</font></p><font color="#ee82ee"><br></font><p><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20160402/23/hybrid0898/f1/be/j/o0600180013609600716.jpg"><img border="0" alt="" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20160402/23/hybrid0898/f1/be/j/o0600180013609600716.jpg"></a> <br><font color="#ee82ee">以上！暇でしょうがないいろはちゃんでした！</font></p><p><font color="#ee82ee">ちなみに私は忙しくてしょうがないです。いろはちゃんうらやましいぜ。</font></p><p><font color="#ee82ee"><br></font></p><p><font color="#ee82ee">ええと、早いことで、HYBRID企画が始まってから1年の月日がながれました。</font></p><p><font color="#ee82ee">え？終わったんじゃなかったの？？って感じですよね。</font></p><p><font color="#ee82ee">ハイ。実はそのへん曖昧です。</font></p><p><font color="#ee82ee">続けたいね～～～～みたいな会話で終わっているのが現状です。</font></p><p><font color="#ee82ee">去年は毎晩毎晩Skypeをねだる程には超暇だった私なのですが、今年はその逆。</font></p><p><font color="#ee82ee">Skypeする暇あるなら寝かせてくれ～～～～～～睡眠睡眠睡眠～～～～～！！！</font></p><p><font color="#ee82ee">といった具合です。睡眠時間。</font></p><p><font color="#ee82ee"><br></font></p><p><font color="#ee82ee">中学校を卒業し、しばらくをグアムですごし、</font></p><p><font color="#ee82ee">新入生点呼だの、いつめんの集まりだの元部活のメンツで遠足だの、入学の準備したりだの、舌ピ開けようとしてしこたま親に怒られて口きいてもらえないこととか、ミストブリーチで脱色した髪が痛み過ぎの茶髪過ぎで、多分入学したら生活指導かな...ゲンナリ。</font></p><p><font color="#ee82ee">まあ、おとなしくしろ！！ってことですね。おとなしくします。</font></p><p><font color="#ee82ee">そして何より、4冊も配られた課題が1冊も終わってない！！！！！やばい！！！！！</font></p><p><font color="#ee82ee">という。</font></p><p><font color="#ee82ee">皆さまはいかがお過ごしでしたか？ニッコリ</font></p><p><font color="#ee82ee"><br></font></p><p><font color="#ee82ee">それと、だいぶ今更になってしまったのですが、投稿を金曜でなく土曜日にしては？という意見があったので</font><font color="#ee82ee">今回投稿を土曜日にさせていただきました。</font></p><p><font color="#ee82ee">じょうずに説明できないんですけど、金曜日だと学校もあっていそがしいけど土曜日だと朝から作業できてぎりぎり締切に間に合うんじゃ？</font></p><p><font color="#ee82ee">みたいな感じだったと思います。</font></p><p><font color="#ee82ee"><br></font></p><p><font color="#ee82ee">今年は本当に全くといっていいほど話し合いができておらず新入生のこともそうなのですがほんっとうに曖昧になっています。mono黒さんとだいふくもちさんが受験生ということもあり、去年のように勢いに任せて決めていくのでなく、なるべく二人に負担がかからないように決めていきたいと思うので、</font></p><p><font color="#ee82ee">これから変更事項などなどがめちゃくちゃ出てくる可能性もあります。ごめんなさい。</font></p><p><font color="#ee82ee"><br></font></p><p><font color="#ee82ee">それではこの辺で。</font></p><p><font color="#ee82ee">昨年通りならば来月は<font color="#9370db">雫海月</font>さんです！</font></p><p><font color="#ee82ee"><br></font></p><p><font color="#ee82ee">閲覧ありがとうございました！</font></p><p><font color="#ee82ee"><br></font></p><p><font color="#ff1493">梅子</font></p><p><font color="#ee82ee"><br></font></p><p><font color="#ee82ee"><br></font></p>
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<link>https://ameblo.jp/hybrid0898/entry-12146062768.html</link>
<pubDate>Sat, 02 Apr 2016 22:53:22 +0900</pubDate>
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<title>▼3月 byものくろ</title>
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<![CDATA[ 　<strike>今回の話は勝手な設定と微妙なシリアスとあからさまなコメディ成分を含んでおりますので皆さんお気をつけて！！！！</strike><br><br><br><font size="4&quot;&quot;"><font color="#FF0000">三月って卒業の時期だよねって話！</font></font><br><br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20160304/21/hybrid0898/d5/d5/j/o0800113213583895398.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20160304/21/hybrid0898/d5/d5/j/o0800113213583895398.jpg" alt="＃１" border="0"></a><br><br><br><br><font size="3">　俺がこの学園に入学して一年が経った。<br><br>　このクラスに入って、いろは先輩や薫先輩、文先輩に出会って、これ以上無いくらい楽しい学園生活を送らせて貰った。<br>　妹の空とも病室の外で再開することが出来たし、先輩達に空を紹介することも出来た。<br><br>　きっと先輩達は気付いていないのだろうけど、<br><br>　それでも俺はーー。<br><br><br><br><br>　◇◆◇◆<br><br><br><br><br>　二ヶ月前、久しぶりの外出で撮った小さめの写真(のようなシール)を見ながら、静音凛は小さく笑みをこぼした。<br>　木製の壁に同じく木製の床、窓に面した学習机の上は綺麗に整頓されていて、カーテンの隙間から差し込む朝日は少しだけ眩しく、朝の訪れを教えてくれる。<br><br>　ここは混合型人間特別支援学園旧校舎の二階、学生寮である。と言っても、ここに住んでいるのは能力になんらかの異常があり、通常のカリキュラムを受けさせてもらえない学生だけなのだが。<br><br>　能力というのは、生まれつきその身に宿った異能力のことだ。ここに通っている学生は皆、それぞれに能力を持っている。<br>　更にやっかいなのは、その大体は致死性の高い能力だということだ。発火能力や発電能力だったりと、その大半は危ない奴らである。<br>　能力者の生まれる科学的なメカニズムはまだあまり解明されていないらしい。が、幾つか解明された点もある。<br><br>　曰く、妊娠した母親がなんらかの理由で死亡したが、何故か子供だけが産まれてくる。<br><br>　曰く、産まれてきた子供は身体のどこかに消えない痣がある。<br><br>　曰く、その子供には、母親が死亡した際の原因に関連した能力が付加される。<br><br>　嫌な話である。<ruby>能力者<rp>(</rp><rt>おれたち</rt><rp>)</rp></ruby>は、母親を奪われた被害者でありながら、母親を殺した加害者なのだ。<br>　その特殊な出生から、能力者は絶対数が少ない。それならば一箇所に集めて国が管理すればいい、と作られたのが、この学園である。<br><br>「さてとーー」<br><br>　そろそろ準備をして教室に行かなければ。制服に着替えて鞄の中身を漁っていると、トントンッ。と扉がノックされる。何となく嫌な予感がしたが、開けない訳にもいかないので、扉の鍵を開ける。<br><br>「どうぞー、って薫先輩。どうかしたんですか？」<br><br>　扉の向こうにいたのは、<ruby>同じクラスの二年生<rp>(</rp><rt>・・・・・・・・・</rt><rp>)</rp></ruby>の水瀬薫先輩だった。紫がかった白髪が特徴で、静かなイメージだと思っていた。入学当初は。<br><br>「おはよう、凛くん。実はちょっと頼みたい事があるのだけれど……。」<br><br>　不吉な予感がする。薫先輩が一人で俺を呼びに来たのはきっとそういう事だ。<br><br>「いろはを起こすのを手伝って貰えないかしら？」<br><br>「またですか……」<br><br><br><br><br>　この学園の旧校舎はかなり広い。だけどそれは俺たちのクラスの人数にしてはというだけで、学園の本校舎に比べればやや見劣りする。けれどこの広さのお陰で俺たちはそこそこ自由な生活を送れていた。<br>　俺と薫先輩が向かっているのは旧校舎の三階、女子部屋である。<br>　一応男子と女子で区別はしてあるので俺の部屋は一階の食堂の脇にある。因みに教室は中間の二階である。<br><br>　そうして薫先輩に先導されながら俺はいろは先輩の部屋に到着した。<br>　俺の借りている部屋より少し大きめの間取りに学習机が並んで二つ、脇には薄いピンク色の毛布が掛かっている二段ベッドがあった。<br><br>　その一段目でぐーすか寝ているのは……間違いない、彩染いろは先輩だ。<br><br>「えっと、これは……??」<br><br>「揺すっても叩いてもキスしても起きないの……どうにかして起こせない??」<br><br>「キッ……!!?キス……って、えぇ……??」<br><br>「ふふっ、冗談よ」<br><br>　冗談に聞こえないんですけど。<br>　何はともあれこの先輩、大抵は早起きで綺麗に目覚めてくれるのだが、起きないときはとことん起きない。どうにかする必要があるだろう。<br>　周りにあるものを見渡す。目覚まし時計があるが多分効かなかったのだろう。どんな寝方をしたらそんなにぐっすり眠れるのか次の折に是非ご教授願いたい。<br>　仕方ないのでいつもの方法で起こすことにした。<br><br>「……おりゃ……！！」<br><br>　筋力に物を言わせていろは先輩の毛布を剥ぎ取る。が、いろは先輩が寝ながらも毛布を手放さないので上手く剥ぎ取ることが出来ない。まさかこいつ狸寝入りしてるんじゃないのか。<br><br>「くそっ……！！　寝てるくせに無駄にいじらしい……！！」<br><br>　そうして十数秒の格闘の末、ようやく俺は毛布を剥ぎ取ることに成功した。そのまま毛布もろとも床に倒れこむ。<br><br>「薫先輩……、後は頼みます……」<br><br>「ええ、ありがとう凛くん」<br><br>　俺と入れ替わりで薫先輩がいろはのベッドに近づく。布団の上でうずくまって必死に温もりを逃すまいと震えているいろは先輩に、薫先輩は容赦無く手刀を叩き込んだ。<br><br>「痛ったぁ！！！」<br><br>　飛び跳ねるいろは先輩。さながら小動物である。<br><br>「おはよう、いろは。今度からはちゃんと起きてね」<br><br>「むぅ……はぁい、かをちゃん」<br><br>　頭を押さえながら涙目になるいろは先輩。だが一件落着と思ったのも束の間である。この後いろは先輩に回し蹴りを喰らって部屋から叩き出された話は情けないので黙っておく。<br><br><br><br><br>「まったく！　乙女の寝顔を除くなんて最低だよ、凛くん！！」<br><br>「何やっても起きなかったいろは先輩が悪いんじゃないんですか……」<br><br>　ぶっちゃけると俺が行かなくても薫先輩なら起こせたのでは？と一抹の不安がよぎるが気にしたら負けな気がするので深くは考えないようにした。<br><br>「うるさいよ！　シスコンで変態でヘタレの凛くんのくせに！！」<br><br>「え、えぇ……??」<br><br>　シスコンについては墓穴を掘ってしまいそうな気がするので否定はしないが、後の二つは身に覚えがない。完璧な冤罪だ。<br><br>「シスコンで変態でヘタレ……ふふっ、合ってるわね」<br><br>　おい。<br><br>「誤解ですって、シスコンについては否定しませんけど……」<br><br>　まったくこの先輩は。でも悔しいかな、否定できない所が俺の妹への思い。っていうかそもそも兄っていうのは妹が好きなもんじゃないのか？だったら世の中の兄は全員シスコンじゃないか。なんだ、悔しがる必要は無い。胸を張って堂々と言えば良かったのだ。<br><br>「「えぇ……??」」<br><br>　先輩たちとの距離が数歩分空いた。<br><br><br><br><br>　そんなこんなで二階の教室に到着した。俺たちは本校舎のカリキュラムを受けることが出来ないので、この旧校舎の教室で一年生から三年生まで同じ授業を受けることになっている。この特別クラスは一年生の俺、二年生のいろは先輩に薫先輩、そして三年生の文先輩の四人が所属している。<br>　確認したところ時計は8時過ぎ、丁度ホームルームが始まる時間帯なのだが……。<br><br>「あれ？　文先輩が来てませんね」<br><br>　いつもなら俺たちより早く教室で日向ぼっこしている文先輩が見当たらない。<br><br>「寝坊でもしたのかな？　かをちゃんは何か聞いてない??」<br><br>「え？　特に何も聞いてないけれど……」<br><br>「部屋に行って呼んで来ましょうか？」<br><br>　他ならぬ<ruby>上定文先輩<rp>(</rp><rt>じゆうじん</rt><rp>)</rp></ruby>のことである。寝坊したと言われても余り驚かない。もっとも、文先輩は面倒くさがりつつも教室にはちゃんと来る人なので、少しだけ心配ではあるが。<br><br>「うん、お願い凛くん！　あっ、でも勝手に入ったらまたカッター飛んでくるから気をつけてね！」<br><br>「えぇ！？　そんな物騒な……」<br><br>　能力の無駄遣いの一例である。前に一度、大量のカッターを虚空から連射されて壁に縫い付けられた事がある。もう二度と逆鱗に触れるまいと固く誓ったのはそれほど昔でもない。<br>　とは言いつつもこのまま放置するのもダメな気がするので部屋に向かう事にする。せめて連絡の一つでも欲しい所だ。<br>　などと考えながら教室から出ようとスライド式のドアに手を伸ばした瞬間、俺が開けるよりも早くドアが開いた。<br><br>「うぉ！？」<br><br>　ドアの先にいたのは長身の優男だった。茶色の癖っ毛が寝癖で更に酷い様相になっているが、当の本人はそんな事気にしちゃいない。むしろ気付いているかも怪しいレベルだ。<br>　そんな抜けてる男が持っているのは出席簿。つまりこのクラスの担任教師である。<br><br>「わぁ、凛くんおはよう。どうしたんだい？」<br><br>　間の抜けた声を垂れ流しながら、名前はゆったりとした足取りで教卓へと赴く。<br><br>「他のみんなも揃ってるみたいだし、ホームルーム始めるよ～」<br><br>　え？　揃ってる？　何をアホな。<br><br>「先生、文先輩がまだ来てないんですけど……」<br><br>　まさかついに記憶までボケたのか！？　などと真剣に考えていると、思わぬ返答が返ってきた。<br><br>「あぁ、文ちゃんなら卒業式の予行練習で駆り出されてるから今日はお休みだよ～」<br><br>「えっ……卒業って、本当ですか？」<br><br>「あれっ？　もしかして文ちゃんから聞いてない？」<br><br>「そんなの聞いてないよ！　文先輩、卒業しちゃうの……？」<br><br>　先生の話にいろは先輩が食ってかかる。怒ってるのか悲しんでるのか、それともその両方か、いろは先輩は今にも泣きそうだ。項垂れるいろは先輩を薫先輩がそっと受け止める。<br>　でも不可解なのは事実だ。このクラスは通常のカリキュラムを受けられないから、卒業するには条件が要ると聞いていたが……。<br><br>「文先輩って、っていうか俺たちって卒業に条件が要りませんでしたっけ？そんな簡単に卒業できるんですか？」<br><br>「凛くんの言う通りだわ。私達はまだ何の説明も受けてないの、いきなり卒業って言われても困るわ」<br><br>　薫先輩が同調する。言われてみれば俺たちはまだ何の説明も受けていない。理事会の決定で条件が必須という説明は受けたのだが、肝心の内容についてははぐらかされている。<br>　この担任が面倒くさがっているだけかもしれないが。<br><br>「うーんとね……、このクラスの卒業条件っていうのがね、まだちょっと曖昧なんだ。個人によって条件が違うからね」<br><br>「個人で条件が違う？　どういう事ですか？」<br><br>　そういえば、俺も理事長に幾つか制限を課せられている。これは俺だけに適用される条件なのだが、そんなところだろうか。<br><br>「そうだね……、例えば文ちゃんの卒業条件なんだけど、これがまたそこまで難題じゃない。彼女は能力の汎用性も高いし、力も安定してる。そんな彼女に課せられた条件は、授業を受けることなんだ」<br><br>「えっ……、授業を受ける。だけ、ですか？」<br><br>　余りにも簡単な条件だ。というかそんな条件の為にこのクラスに来たのか……??<br><br>「そっ、言い換えれば協調性を養うってところかな？　今でこそいろはちゃん達と仲が良いけど、いろはちゃん達が入学するまで荒れてたんだよ～」<br><br>「そう、だったんですか……」<br><br>　今のいろは先輩と薫先輩、文先輩の間にはきっと俺が知らない繋がりがある。薫先輩だって表情にこそ出さないが、きっと寂しいのだろう。一年しか過ごせなかった俺ですら寂しいのだ、それ以上の時を過ごした先輩達の辛さは計り知れない。<br><br>「うぇえん……、文先輩……！」<br><br>「いろは、仕方ないのよ、全部あの教師のせいだから」<br><br>「えぇ……!?　僕のせいなのかい……!?」<br><br>　他に誰のせいだと思ってるんだよ。<br>　だが先生だって飄々としているがその裏には思いやりがある……と思いたい。確かに連絡を忘れたのは先生のミスだが、時の流れは変えられない。別れの時は必ず来るのだ。<br><br>「それで、卒業式はいつあるんですか？」<br><br>　予行練習ということはもう最後の調整だ。きっと別れまでの時間はそう長くはない。<br><br>「明日の午前中だね、君達は入れないけど本校舎向かいの大講堂であるんだ。土曜日だから授業は無いし、午後からは時間が取れるんじゃないかな？」<br><br>　ーー結局その日の授業はあまり集中することができずに終礼を迎えた。<br><br><br><br><br>　放課後、夕日が沈みかけた夕焼けの時間帯にひょっこり文先輩は帰ってきた。<br>　慣れない学校行事に駆り出されて不機嫌そうにしていたが(というか普通、学校行事というのは生徒が全員参加するものなのだが)、帰るや否や猛ダッシュで抱きついてきたいろは先輩を見た途端に文先輩の表情が緩んでギスギスした雰囲気もどこかへいってしまった。<br><br>「文先輩……卒業しちゃ嫌だよ……、まだ一緒に居たいよ……」<br><br>「いろは……。悪かったって……勝手に居なくなったりして、だから泣くなよ……」<br><br>　いろは先輩から大粒の涙が溢れる。けれどそれは落ちる前に丸い結晶になってしまった。<br><br>「いろは、笑ってくれ。その……なんだ、いろはには笑顔が似合うんだ。」<br><br>　いろは先輩はビー玉の能力を持っている。感情が昂ぶった際の涙が結晶になるそうだが、理事会から使えない能力だと言われてこのクラスに来たらしい。<br>　確かに難しい能力だとは思うが、いろは先輩の作るビー玉はとても綺麗だ。その中にはいろは先輩の感情が詰まっている。だから哀しくて泣くよりも嬉しい時の涙の方がより温かな結晶になる。<br><br>「文先輩……えへへ……」<br><br>　いろは先輩が文先輩に甘える。文先輩は恥ずかしいことが嫌いなくせに意外とこういうやり取りは平気らしい。台詞も随分と男前である。そんなギャップが文先輩の可愛さなのだ。これがいろは先輩と文先輩のやり取りで無かったら、薫先輩と一緒にダイナマイト及び危険物もろもろを投げ付けていたところである。このリア充め。<br><br><br><br><br>　先輩達との一連のやり取りも終わって今日は解散になった。文先輩以外のみんなでこっそり話し合った結果、明日の午後、文先輩の卒業が終わった後に一階の食堂で卒業祝いとしてパーティーをすることに。もちろん、立案者はいろは先輩である。<br>　そのまま自室に戻って一息ついたが、俺の頭の中は未だに整理不能だった。<br><br>「卒業……か」<br><br>　ベッドに横になってはいるものの、一向に寝付くことが出来ない。文先輩の卒業がそんなにショックだったのか、昔の自分と重ねて考える。<br>　そういえば、空と離れ離れになった時もこんな風にーー。<br><br>「…………」<br><br>　なんとなく、文先輩ともう一度話したいと思った。ちゃんと話し合わずに別れるのは、とても辛いと、空に教えてもらったから。<br><br>　幸い、部屋を訪ねずとも文先輩は食堂の椅子に座っていた。何時もと違わず、うまい棒を口にくわえながら。<br><br>「ん、どうしたんだ、凛」<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20160304/21/hybrid0898/28/09/j/o0800120813583895397.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20160304/21/hybrid0898/28/09/j/o0800120813583895397.jpg" alt="＃２" border="0"></a><br><br>　こちらに気付いて向き直る。が、うまい棒を食べる手は止まらない。<br><br>「ちょっと文先輩と話したいかなって……、隣、良いですか？」<br><br>　返事は返って来なかったが、代わりにうまい棒を一つ渡された。明太子味だ。訳すると「まぁ座れよ、これ食いながら話そうや」と言いたいのかもしれない。いや、想像だが。<br><br>「それで、どうしたんだ？」<br><br>　隣に座ると同時に、急に核心を突く文先輩。ゆっくりと話したかったのでやや逃げ腰の一手を打つ。<br><br>「卒業のこと、もしかしてワザと黙ってました？」<br><br>　文先輩は動じない。<br><br>「……別に、あいつらを驚かしたかっただけだよ」<br><br>　言わないが、いろは先輩に無駄な心配をかけたくなかったのだろう。もっとも、そのせいで今日あらぬ心配をしたのだが。<br><br>「いろは先輩は強いですよ。薫先輩だって付いてますし、多分、卒業のこともちゃんと整理をつけられます」<br><br>「そうか……」<br><br>　文先輩が新しいうまい棒に手を伸ばす。俺もさっき貰ったうまい棒を開封する。<br><br>「俺、文先輩に感謝してます。それこそ、言葉では言い切れないくらい」<br><br>　アドバイスを貰った。助けて貰った。そして何より俺に居場所をくれた。いろは先輩や薫先輩にも感謝している。けれど俺たちを守ってくれたのはきっと、文先輩だ。<br><br>「だから、何かお礼がしたいんです」<br><br>「…………そうか」<br><br>　急には何をすれば良いのか思い浮かばない。けれど文先輩の為に、文先輩の力になりたい。だからーー<br><br>「……だったら、それは貸しにしとく」<br><br>「え……？」<br><br>「凛が返したいと思ったら返してくれ。それまでは貸し借りの関係だ。卒業したからって忘れんなよ？」<br><br>「……はは、それは、卑怯ですよ」<br><br>　この貸しを返せば、俺たちの繋がりが消えることになる。深読みが過ぎただろうか。文先輩なりの考えがあるのかもしれない。<br><br>「それじゃ、食い終わったし私は寝るよ。凛も早く寝ろよ？」<br><br>　いつの間にかテーブルの上のうまい棒が全て空になっていた。そのまま文先輩は三階の自室に戻っていく。<br><br>「……って、結局俺が片付けるんですか」<br><br>　押し付けられたうまい棒の包みを一人で片付けながら、ゆっくりと夜は更けていった。<br><br><br><br><br>　翌日、文先輩が卒業式を行っている間、俺は薫先輩と買い出しに来ていた。<br>　卒業式があっている大講堂だが、俺たちは入ることが規制されているので、こうしてサプライズの準備をすることができる。いろは先輩は食堂の飾り付け要員だ。<br><br>「で、何を買いましょうか？」<br><br>「そうね……文先輩だし、うまい棒は必須よね。っていうかうまい棒だけで良いんじゃないかしら？」<br><br>「上定先輩ってそんなにうまい棒が好きなんですか？水瀬先輩」<br><br>　因みに妹の空も一緒だ。夏に顔合わせして以来、連絡を取り合っているので呼ぶことが出来た。いろは先輩と薫先輩の許可も取ってある。文先輩もきっと喜ぶだろう。<br>　無論、手は出させないが。<br><br>「えぇ……暇さえあれば……いえ、暇が無くてもうまい棒を食べてる人よ」<br><br>「は、はぁ……」<br><br>　言いながら巨大なうまい棒の袋を買い物カゴに詰め込む。その数四つ、超大量である。<br><br>　レジを出て両手にうまい棒を抱えながら歩く。残り二つは持てなかったので薫先輩と空に一つづつ持ってもらった。<br><br>「大量だね、お兄ちゃん！」<br><br>「あぁ、これをみんなで一つづつ渡すんだ」<br><br>　学校に戻って旧校舎に入ると、折り紙のレースやオブジェで飾り付けられた食堂があった。奥の廊下からいろは先輩が走ってくる。<br><br>「おかえり！　かをちゃん！　久しぶりだね、空ちゃん！」<br><br>「お久しぶりです、綾染先輩！」<br><br>「えっ、俺だけ数えられてない！？」<br><br>「いつになっても凛くんは不憫ね……」<br><br>　待遇の差にツッコミを入れながらも四人全員で準備を整えていく。後は文先輩が帰ってくるのを待つだけである。<br><br>「ねぇねぇ、良いこと思いついたんだけど……ごにょごにょごにょ」<br><br>「えぇ、それは俺の命が……」<br><br>「ナイスよいろは！　これならいろはと空ちゃんの可愛さで文先輩もイチコロね！」<br><br>「楽しそうなアイデアだね！　お兄ちゃんもやってみようよ！」<br><br>「え、えぇ……??」<br><br>　空まで乗り気である。夏休みの間に空と先輩達がよく遊んだとは聞いているが、ここまで仲良くなっていたとは予想外だ。こうも楽しそうだと少しだけ、というかかなり寂しい。そうして表情に出さずにいじけていると、<br><br>「大丈夫だよ、私の一番はお兄ちゃんだけだから」<br><br>　と囁かれたので俺は真っ白な灰になった。<br><br>「「変態シスコン」」<br><br>　先輩達が酷い目でこちらを見ていた。<br><br><br><br><br>　現在時刻は午後一時十分。照明を落とした食堂で俺たちは息を潜めて隠れていた。<br>　どれくらい時間が経っただろうか。旧校舎の玄関のドアが開く音がした。続いて「ただいま～」と緊張感のない声が響く。おそらく先生が文先輩を連れてこちらに戻って来たのだろう。<br>　ここまでは計画通りである。後は文先輩が廊下から食堂に入ってきた瞬間を見計らっていろは先輩の作戦を開始するのだが……、<br><br>　死にたくない……。<br><br>　俺は慎重なだけである。決してヘタレている訳ではない。いや本当に。<br>　などと思考がどつぼにはまっていく中、廊下から文先輩が姿を現す。タイミングを見計らって照明を点け、いろは先輩達がーー、<br><br>「「「文先輩っ！　ご卒業おめでとうございますっ！！」」」<br><br>「おわっ！？」<br><br>　猛ダッシュで文先輩に抱きついていった。言わずもがな薫先輩と空も一緒である。文先輩は驚きで倒れかかるが、後ろで待機していた先生が受け止めーーきれずに先生を巻き込みながら派手にぶっ倒れた。<br>　倒れた事が不満なのか、それとも俺が一緒に抱きつかなかった事が不満なのか、いろは先輩の叱咤が飛ぶ。<br><br>「凛くん！　何で来ないの！？」<br><br>「行けるわけ無いじゃないですか！？」<br><br>　文先輩に抱きつくなどというビジョンが浮かばない。距離を詰める前に確実に殺られる。<br><br>「先輩命令よ！　来なさい！」<br><br>「横暴だ！　断固抗議します！！！」<br><br>「来ないと後でいろはと私が尻を蹴り回すわよ！」<br><br>「くそっ！　暴力に屈しそう……！　後輩という立場が憎い……！！」<br><br>　こうなればもうやけくそだ。床でうねうねしてる塊(※文先輩とゆかいな仲間たち)に向かってダッシュする。頬を引き攣りながら、冷や汗全開で満面の笑みを作る。これで鏡を見たら俺は立ち直れる自信がない。ぶっちゃけると、おぞましい顔になっていると思う。でも走る足は止めない。ここで止まったら先輩達にダブルで尻を蹴り回されるのだ。男子としての尊厳を守るため、絶対にそれは避けたい。もはや尊厳なんて欠片も存在しないように思えるが。<br><br>「文先輩～～！！」<br><br>　必死に叫んで両手を広げる。抱きつく準備を終わらせ、さぁ抱きつこうという直前。俺の両脇を神速を以って何かが通過していった。ストンという音と共に背後の木壁にそれが突き刺さる。おそるおそる振り返ると、カッターの刃が木壁に深く抉り込まれていた。引き攣った笑みが限界を超えて尚も引き攣る。そんな俺に恐怖を孕んだ声が届いた。<br><br>「そっ、その顔で寄るな！！　刻むぞ！！」<br><br>　冷や汗が加速していく。文先輩の周りには「刻んだろか？」とでも言いたげなカッターの刃がこちらを向いて浮いている。やばい、目が<ruby>真剣<rp>(</rp><rt>マジ</rt><rp>)</rp></ruby>だ。これ以上一歩でも進んだなら俺はスプラッタにされる自信がある。割と本気で。<br>　そんな中で俺の方を振り返った空が、俺の表情を見て青ざめた。<br><br>「お兄ちゃん気持ち悪いよ……？」<br><br>　そんな拒絶の声と共に、俺の精神は粉々に砕け散った。<br><br><br><br><br>「何はともあれ、卒業おめでとうございます、文先輩」<br><br>　俺の精神が砕け散ってから三十分程が経ち、ようやく俺は欠片ほどの正気を取り戻した。<br>　さっきの騒動(主に俺のせいだが)は黒歴史として封印されることになるだろう。空曰く「般若と死神を足して二で割った顔だった」らしい。うまく思い出せないので再現は出来ないが、というか二度と思い出したくもない。<br><br>「あ、あぁ……。その、アレだ。もうあんな顔するなよ？　本気で気色悪いから」<br><br>　ぶるりと身を震わせる文先輩。軽くトラウマになりかけたらしい。<br><br>「……反省してます」<br><br>「凛くん変な顔だったよね～！」<br><br>「おぞましい限りだったわ……」<br><br>　おい。<br>　どこ吹く風の先輩達に反省の色はこれっぽっちもないらしい。非難がましく目線を向けると、明後日の方向へ綺麗に逸らされた。<br><br>「あっ、そういえば文先輩に卒業祝いのプレゼントがあるんですけど……」<br><br>　あからさまに話を逸らしつつ後ろからうまい棒の大袋を持ってくる。そしてみんなに一人づつ持たせると、みんなで順番に手渡していく。<br><br>「お、おぉお……！！！」<br><br>　文先輩の目が光る。四つ目のうまい棒を受け取ると膝をついて泣き始めた。ものっそい笑顔で。<br><br>「卒業って素晴らしい……！！」<br><br>「「「「いやいやいやいや」」」」<br><br>　文先輩以外の全員が真横に首を振った。ものっそい勢いで。でもまあ、文先輩も大袈裟に喜んでいるが、そこまで喜んで貰えるとサプライズの甲斐があるというものだ。正気に戻ったいろは先輩や薫先輩、空までもがほっこりした笑顔を浮かべる。<br><br>　そうしてパーティーは順調に進んだ。みんなの盛り上がりが最大になったところで、今度は薫先輩がデジタルカメラを三脚と一緒に持ってきた。<br><br>「みんなで写真を撮りましょう？」<br><br>「さんせーーーっ！！」<br><br>　瞬く間にいろは先輩が順応して文先輩とカメラの真正面に陣取る。そして先生が傍に寄ったので、俺は反対側に立つことにした。空は俺の前でいろは先輩と一緒にしゃがんでいる。あとは文先輩のもう片側に薫先輩が来ることになるのだろう。<br><br>「みんな笑ってー……！　よし、みんなあと十秒だから！」<br><br>　薫先輩がタイマーをセットして定位置に立つ。あとはタイミング良くみんなで笑顔を作るだけだ。<br>　これまでの一年を振り返ると自然と笑みが零れる。我ながらよく笑えたと感心したのだが……、<br><br>「ねぇみんな！　さっきの凛くんの顔を思い出して～！」<br><br>　ずっこけそうになった。<br><br>「ちょ！　なんでそうなるんですか！？」<br><br>「いいからいいから！」<br><br>「ふふ……、傑作だったわね！」<br><br>「笑わないで下さい！　もういっそ忘れてください！！」<br><br>「あぁ……、くくっ！　最低だったな」<br><br>「お兄ちゃん本当に酷かったよ？　ふふ……」<br><br>「もういっそ清々しいなアンタら！！！！」<br><br>　俺が叫ぶと同時に、カシャ、と機械的な音が響いた。時は無慈悲である。今、この瞬間は永遠に切り取られることになった。<br><br>「あ、あぁ……まじか…………」<br><br>　俺以外の全員がカメラに駆け寄る。いろは先輩が「よく撮れてるじゃん！」とはしゃいでいたが、これは少しばかり心に厳しい。主に俺の心に。<br><br>　ーーでもまあ、みんなが幸せに笑えているなら、それでいいんじゃないかと思う。<br><br>　なんだかんだで楽しい卒業祝いになった。<br><br>　だったら、これでいい。<br><br>　この思い出が、いつかまた、再会した折の話の種になるだろう。<br><br>　だからこれは、そんな日が来るまでの、<br><br><br>　ーーーちょっとしたお別れだ。</font><br><br><br><br>　<font color="#0000FF">－－あとがき－－<br><br><br><br>　はい、どうもこんばんはものくろですッ！！！！<br><br>　今回、何故か漫画ではありません。<strike>描くのがめんどくさかったとかそんなんじゃないんだからっ！！！</strike>((謎のツンデレ<br><br>　文ちゃん卒業ってマジかよ展開なんですけど、社長(梅子さん)と厳正な話し合いをした結果です。もちくんごめんよ！！！！！<br><br>　はい、まぁそんなこんなで書いてたこちらの文章と挿絵ですが、大切なものが抜けています！<br><br><br>　みんなの集合写真の挿絵ｯ！！！！！！！！！<br><br><br>　一番大切なものがまさかの描きおわってないという事態に返す言葉もございません。存分に罵ってください。<strike>ハアハア</strike><br><br>　とまあそろそろ本題に…。<br><br><br>　企画が始まって一年が経ちました。ええ、早いものです。この企画を立案してくださった梅子さんに誘われて、ほいほい付いていった僕ですが、後悔はしていません。めちゃめちゃ楽しかったです。そして一緒にこの企画を盛り上げてくださった雫さんにもちさん、みんなで制服がどうの校舎がどうのと話し合ったり、Twitterでわいわいしてたのも今や一年前です。<br>　まああの、つまり何が言いたいかというと一年間ありがとうございました！ということです。<br><br>　一年の締めがこんなんでいいのかって気はしますけど、あまり長文になると僕は文章力がないので言いたいことがまとまらないので仕方ないのです。<strike>もうすでに迷走してｒ</strike><br><br><br><br><br>　－－皆さん、本当にありがとうございました。<br><br><br>　そして最後に、この記事を見て下さった方々に、精一杯の感謝を。<br><br>　mono黒<br></font><br>
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<pubDate>Fri, 04 Mar 2016 22:41:38 +0900</pubDate>
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<title>2月 byだいふくもち</title>
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<![CDATA[ <div id="{86C171F9-7C85-4F43-9910-F17A7794989B:01}" style="text-align:left"><div><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20160206/18/hybrid0898/5b/ae/j/o0480071013559965748.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20160206/18/hybrid0898/5b/ae/j/o0480071013559965748.jpg" border="0" width="400" height="591" alt="{86C171F9-7C85-4F43-9910-F17A7794989B:01}"></a></div></div><div id="{86C171F9-7C85-4F43-9910-F17A7794989B:01}" style="text-align:left">二月ですね。ほんと早い...時間が経つのが早すぎる...(´ω`)</div><div id="{86C171F9-7C85-4F43-9910-F17A7794989B:01}" style="text-align:left">という訳でバレンタインの時の理想の文ちゃんと現実の文ちゃんです。まああの照れながらチョコを渡す文ちゃんが見れることは今後無いでしょうな...</div><div id="{86C171F9-7C85-4F43-9910-F17A7794989B:01}" style="text-align:left"><br></div><div id="{86C171F9-7C85-4F43-9910-F17A7794989B:01}" style="text-align:left"><br></div><div id="{86C171F9-7C85-4F43-9910-F17A7794989B:01}" style="text-align:left"><br></div><div id="{86C171F9-7C85-4F43-9910-F17A7794989B:01}" style="text-align:left">そして相変わらず文章力が無いのでここら辺で...((</div><div id="{86C171F9-7C85-4F43-9910-F17A7794989B:01}" style="text-align:left">とりあえずみなさんインフルエンザとか風邪とかに気をつけて二月を過ごしましょう！(あとバレンタインは非リア充を殺すイベントだからみんな気をつけような！</div><div id="{86C171F9-7C85-4F43-9910-F17A7794989B:01}" style="text-align:left">閲覧ありがとうございました！</div>
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<pubDate>Sat, 06 Feb 2016 18:24:29 +0900</pubDate>
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<title>1月 by雫</title>
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<![CDATA[ HBメンバーで記念写真を撮りました。<br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20151231/22/hybrid0898/56/5a/j/o0800106613528009138.jpg"><img width="400" border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20151231/22/hybrid0898/56/5a/j/o0800106613528009138.jpg"></a><br><br>いろは「薫ちゃーん！笑って笑って！」<br>薫「こ、こうかしら...」<br>いろは「可愛いからいっか<br> &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp; &nbsp;あっ、撮影始まるよ！」<br>凛「うぇ!?カメラどこですk」<br>文「狭い...。」<br>いろは「凛くん！ピースピース！」ぐいっ<br>凛「えっ!? 」(ここか!?)ﾆｯ<br>薫「ふふ」<br>文「お？」<br>カシャ<br>いろは「凛くんw目線ちがwww」<br>文「いろはに見とれてるみたいだな...。」<br>凛「ち、違いますよ!!!?<br>ていうかさっきから食べカスが落ちてくるんですけど!?」<br>薫「隣からコンポタの香りがするわ...。」<br>いろは「薫ちゃんいつからそんな能力を...。」<br>薫「私じゃない！」<br>文「もすもす」<br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20151231/22/hybrid0898/a3/9f/j/o0800086913528009644.jpg"><img width="400" border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20151231/22/hybrid0898/a3/9f/j/o0800086913528009644.jpg"></a><br><br>漫画は今回作者の事情で描けなかったのですが...<br>申し訳程度に。ごめんなさい<br><br>2015年もあっという間ですね<br>早すぎて頭がついていけてないです<br><br>そういえば<br>HB企画が生まれたのもこのくらいの時期だったような。<br><br>梅子が企画を思い付いて<br>ものくんが協力してくれて<br>私を誘ってくれて<br>もちさんを誘ってくれて、<br>4人が集まったわけで。<br>4人で色んな話しをながら、<br>キャラクターを生み出していったんでしたね。<br><br>このブログのアイコンは<br>私がバレンタインの日に描いたものです<br>その時は勝手にアイコンにしましたが(おい<br>今でもそのままですね、w<br><br>懐かしいです。<br><br>今はそんなことができないくらい<br>忙しいですが、<br><br>また春になったら<br>企画を続けたいなぁと思っています。<br><br>そして最後に、<br><br>このブログを見てくださってる方、<br><br>一緒に企画をしてくれた<br>ものくん<br>もちさん、<br>そして主催の梅子に、<br><br>感謝の言葉を我が娘の薫ちゃんから。<br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20151231/22/hybrid0898/10/09/j/o0800106613528039125.jpg"><img width="400" border="0" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20151231/22/hybrid0898/10/09/j/o0800106613528039125.jpg"></a><br><br>一年間お付き合い<br><br>ありがとうございました！<br><br><br><br><br><br><br>よいお年を。
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<pubDate>Thu, 31 Dec 2015 22:18:37 +0900</pubDate>
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<title>▼１２月　by梅子</title>
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<![CDATA[ <p>超お久しぶりです。梅子です！！！</p><p>うわああああい３か月ぶりのパソコンだああああああああああああ</p><br><p><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20151204/23/hybrid0898/f8/60/p/o0307096813502658430.png"><img border="0" alt="" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20151204/23/hybrid0898/f8/60/p/t02200694_0307096813502658430.png"></a><br><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20151204/23/hybrid0898/4e/33/p/o0307096813502658429.png"><img border="0" alt="" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20151204/23/hybrid0898/4e/33/p/t02200694_0307096813502658429.png"></a><br></p><br><p>文字が見づらかったので、一枚目ものくろにしました！どういうわけか私の思っていたものくろとはかなりかけ離れているのですが、まあそんな些細なことはこの際気にしません。</p><p>そんなことよりやばいです。</p><p>ななななんと！！！！！！</p><p>４コマしかないいいいいいいい！！！！！</p><br><p>ごめんなさい🙇</p><br><p>いやいやいやいやだだだだだって私受験生だし！！！！時間ないし！！！！え？？二時間前まで何してたって？？？いやいやまさか！！ぼんファ観lessでぽｔｔｔ</p><br><p>今月これから先ちょこちょこでも頑張ります...いくつか線画で死亡したネタもあるんで、でき次第投稿していきたいと思います...</p><p>あああああって時間がすぎてるうううう</p><br><p>今月中に５コマ超えれるように頑張りマッスルハッスル</p><br><p>閲覧ありがとうございます</p><p>　</p><br><p>荒ぶる梅子のポーズ</p><br>
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<pubDate>Fri, 04 Dec 2015 23:48:44 +0900</pubDate>
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