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<title>稲嶺 雷華の物置き</title>
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<description>いうなればライブラリ。今までに創作製作したものを適当に不定期に落とします。</description>
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<title>文芸な表紙</title>
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<![CDATA[ これだけ時間が経ったら大丈夫だろう。。。と言う事で。文芸部杏　２０１２年一月号の表紙であります。<a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20130303/23/inmyshade/5e/2b/j/o0700100012442974260.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20130303/23/inmyshade/5e/2b/j/t02200314_0700100012442974260.jpg" alt="$稲嶺 雷華のブログ" border="0"></a><br>
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<pubDate>Sun, 03 Mar 2013 23:40:48 +0900</pubDate>
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<title>借り物</title>
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<![CDATA[ ベタベタなラブソングを君に向かって唄う下手くそな僕を君は笑ってくれた。だから少し期待してしまった僕がバカでした。どうしたんだろう。一目惚れ片想い無様です馬鹿者でした。<br><br>人の言葉を借りるしか脳の無い人に興味ないの。<br><br><br><br>ふられ文句に返す言葉を思い付かない僕は、彼女のいう通りの人だったんだ
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<pubDate>Sat, 28 Apr 2012 23:43:40 +0900</pubDate>
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<title>首飾り</title>
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<![CDATA[ あなたに首飾りをあげる。真っ白で軽くて丈夫なの。自然の造形をいかしたきれいな首飾りよ。気に入ってくれると嬉しいな。揺らすときゃらきゃらと音がするでしょう。楽器にもなるわね。ならすたびに私が笑うわ。そのビーズとビーズの隙間から<br>片手でできるのそれくらいなら。でももうひとつあげるのは大変ね。だからなくさないでね。壊したら嫌よ。私を沢山込めたんだもの。<br><br>手紙と骨の首飾りを頂いてしまった。困ったなあ怖いなあ。棄ててしまおうかなあ
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<pubDate>Fri, 27 Apr 2012 23:19:58 +0900</pubDate>
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<title>一番愛せない私</title>
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<![CDATA[ 天と地の隅々にまで満ちる位の愛が欲しい<br>与えてくれなくてもいい<br>与えられるようになりたいだけ<br>愛と情熱と生命が同じ赤色ならば<br>血を流せば良いの？<br>そんなはずがないね<br>知ってる<br>ただそれはただの偽善でしかないのだと<br><br>だれの不幸も願わないこと<br>それが愛すると言うこと？<br>これは本当に難しいことだね<br>私は毎日私の不幸を願っているから<br><br><br><br><br>恋愛のきれいな文章は、大抵大量の廃棄物を伴って生産されるという持論
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<pubDate>Fri, 27 Apr 2012 23:12:38 +0900</pubDate>
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<title>青空色</title>
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<![CDATA[ 傘をさすと楽器みたいだと木を蹴りつけていたのに<br>何もなくても叫んで走ってあんなに楽しかったのに<br>気がついたときにはもうあたし難しい顔でナイフを握って<br>手の甲に赤い線をひいては笑顔で泣いていた<br><br>赤い実弾けた辺りから、何かどこか自分はおかしい気がした<br>信じてた神様を裏切った自分の本能に戸惑って<br>朝になれば すべて忘れ 無垢に戻れやしないか<br><br>ぴかぴかの青色に飛び込んで一瞬で消えてしまえば良いのに<br>爛れて溶けて消えるくらいもう痛みすらなくて叫ぶこともできず<br>今日の朝御飯を思い出した頃にはあたしの痕跡はない<br>ほら青空色のおしまいに、世界を道連れにしよう<br><br>一緒に死んでくれる人が欲しかったそれだけ。今はいらない<br>キスを一つだけ欲しかった。けどもういらない。必要ない<br>ノートに書いた文字も絵も焼いて、忘れ去ろうとしたけど<br>あたしの頭と心がいつまでも覚えているんだ<br><br>普通ってなんだろうって。簡単容易いわかりやすい<br>どうしたらそうなれるの？わからない。難しい<br>あきらめて。やめにしよう。 眠れないなら眠れば良い<br><br><br>きっと僕には生きにくい世界だったの。逃げ出してしまおう忘れるために<br><br>ぴかぴかの青色に飛び込んで一瞬で消えてしまえば良いんだ<br>爛れて溶けて消えるくらいもう痛みすらなくて叫ぶこともできず<br>今日の朝御飯を思い出した頃にはあたしの痕跡はない<br>ほら青空色のおしまいに、世界を道連れにしよう<br><br><br><br><br><br><br>楽曲が先か歌詞が先か。あるいはコード進行が大切か？<br>次回授業までにはせめてコードだけでも固めてみたい。あの授業に置いて、歌詞に価値はないんだ。
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<pubDate>Tue, 17 Apr 2012 01:03:25 +0900</pubDate>
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<title>三題話　地雷映画変化球</title>
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<![CDATA[ 地雷　映画　変化球<br><br>　はじけ飛ぶ世界。抉れた大地。気が付けば僕は目の前で甲高い悲鳴を上げ吹き飛ばされる少女を見つめながら、荒野に立っていた。<br>　黄土色の土とぬるりと飛沫いた赤い血が鉄の臭いを強烈に、カゲロウのゆらぐ大気に撒き散らす。そのほとりには小さな青いブーゲンビリアの花咲く木。<br>　しかし僕とその光景の間には不明瞭に一枚の膜が貼られているものだから、こんな描写をしていられるくらいに僕には余裕があった。それはまるで現実のように僕の知覚に訴えかけるけれど、決して現実じゃないと心のどこかで僕は知っていた。それには明確な理由がある。僕には直前の記憶があったから。<br>　教室の真ん中あたりの席で授業を受けていたという、至ってまともな記憶が。<br>　地に伏した子どもが、声もあげず、動きもせず、ただその身体から赤い血をどくどくと垂れ流している光景は、リアルに過ぎるけれど、きっとそのうち僕の意識は引き戻される。だからこれはただの、日常を揺るがそうとする変化球。収まる先はキャッチャーのミットの中つまり、ただの代り映えの無い日常。どんな代わり玉だって<br>　ここから一歩も動かなければそれで。<br>　あたりに人の姿は無い。と、次の瞬間歓声と、銃声と、それから飛行機のプロペラの音があたりに満ちて、そのうるささに僕は目を細めた。<br>　見上げると少女の血の色のように染まった空を、羽蟻の群れが飛ぶように戦闘機が蠢いて横切った。<br>　降り注ぐ爆弾が僕のすぐ近くで弾け、爆風が僕を吹き飛ばせずに口惜しそうに大量の土ぼこりを巻き上げた。<br>　少女はもういない。<br>　ブーゲンビリアの花も無い。<br>　その代わりに沢山の、ただ沢山の死体があたり一面を埋め尽くして、見渡す限りの突き立てられた銃剣を墓標にして死んでいた。<br>　空の色は雨が降り出してもう真っ黒だ。<br>　やがて銃剣を絡め取るように、地から伸びた草の芽が天を目指し、小さなコロニーはやがてつながって地面を隠した。成長して、鉄と火薬と血のにおいのする大気を、水と緑のにおいに変え、足の裏に熱い大地はひんやりと露に濡れた草の葉の感触を僕に伝えた。雨が徐々に弱くなっても、植物は成長の速度を緩めることはなく、むしろさらに調子を上げた。<br>　芽吹き、伸び上がり、そこにツタが這い、僕の膝を、腰を超えて頭上に伸び、ちらちらと揺れながら空を隠した。<br>　日差しが遮られてからも、まだ新しく植物は伸びあがり、枝のようだった木は太さを増し、低木が茂った。<br>　それはずいぶんと長い時間だったと思うけど。でも僕は知っている。この幸せに見える光景は続かない。<br>　ほら、段々と近づいてくる飛行機が、オレンジ色の雨を降らせた。木が生気を失い、枯れた葉がガサガサと舞う、みしりと折れて倒れる。飛び立った鳥と虫の群が力なく遠くへ行くことも無く地に落ちる。一本残ったブーゲンビリアの花を、どこからともなく駆け寄ってきた少女が一輪摘んだ。そしていかにも大事そうに胸に抱えて走りだそうとした瞬間、また地面が轟音とともにはじけ飛んだ。瞬間の少女の何か、困ったような、泣きそうな、どうしようもない表情が絶叫に崩壊して、手足が宙に舞い血が飛沫く。<br><br>　きゅるるるるる<br><br>　耳障りなまるでテープを巻き戻すような音に、あまりに耳障りな音に僕は耳を思わずふさいだ。一つ瞬きすると、そこはただの教室で、あちらこちらから女子生徒の泣き声が飛ぶ。<br>　ただの道徳の授業だ。この高校の一部の教室に設置されたホログラムの投影設備で映された映像だ。<br>　自然によって長い時間をかけてつくられたものが、人間によっていとも簡単に、一瞬にして壊されてしまうという現実を教えるための授業。<br>　何の意味があるんだろう。なんで泣いているんだろう。ただの映画なのに。<br><br>　教師が前で感情的になって何かを言っているけれど、別に何も感じることはない。それは現実にある話で、またただの映像だ。少し珍しい手段で僕らに提示されてはいるけれど、同じような意味の文章を今までに何度も読まされてきたじゃないか。なんで文章ではすぐに忘れるのに、映像はこんなにも泣くほどに感情を揺らすのだろうか。どうせ収まる先は同じ。キャッチャーのミットだ。僕とかかわらない別の国の違う時代の話。<br><br>　早めに終わった授業の残滓の残る教室を、僕は早々に後にした。帰りにコンビニに寄ろう、今日は新刊の発売日だ。<br><br><br><br><br><br><br>未消化で調子が悪いです。描写の練習をしたと思えばそれでいい気がします。てか、これ僕の最低ラインレベルの作品だと僕は思う。これ以上下手には書きたくない。
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<link>https://ameblo.jp/inmyshade/entry-11225249471.html</link>
<pubDate>Tue, 17 Apr 2012 00:34:42 +0900</pubDate>
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<title>檻</title>
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<![CDATA[ ゆらりゆらぐ夜の中に一つだけ火の粉が舞った<br>ちろりなめる指の先を焦がして痛みになった<br>君が僕を捕らえ離さないだから空は狭いままで<br>僕はきみからまだ逃げ出せないでいるの<br><br>僕の名前は君がどこかに捨てた<br><br><br>明日天気になあれ 蹴りあげた靴の行方は知れず<br>明日がいつくるのかすら僕はまだわからないんだ<br><br>くるり回る運命がいつまでも同じルートをたどる<br>君はもうどこかにいったきり僕を見捨てたのに<br>めぐる物語の次のページのめくりかたをだれか教えて<br><br><br><br>作曲法の授業で何を作ろうか思案中。僕が作るなら歌だろうと、どんな歌なら作れるのか考えてた。結論方向性がうろうろしてわからんち。<br>取りあえずきくおさんは奇才だ。
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<link>https://ameblo.jp/inmyshade/entry-11223406285.html</link>
<pubDate>Sun, 15 Apr 2012 00:57:00 +0900</pubDate>
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<title>恋なうの描写</title>
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<![CDATA[ 「ごめんね。でもみーやんを恋愛対象とは見れないんだ」<br><br>　時折引っ張り出して、交際を断られたメールを読み返すあたり、私はマゾなのだろうか？いや、そんなはずはない。友人内ではドＳで通っているもの。<br>　ただ、単に先輩にふられたということを確認して、おさまらない恋心を抑え込むために。<br><br>　授業に行くと、まずあいさんがどこに座っているかを確認する。大抵彼女は一番後ろの一番端の席を確保して、授業の笑いどころで微かに笑ったような笑わないような。本当に楽しくないことは、笑わないのだ。先輩はいつも少し外側から授業を構成する教師と生徒を見ている。そんな気がする。<br>　ふられたからと言って、別に嫌われたわけじゃない。今までと同じ友達としていたいと優しい先輩は言ってくれたから、その言葉に甘えて、今までとあまり変わらない接し方を心がけているつもりだけれど、実のところ少し雑になっていやしないかと最近思う。感情が薄れたのでなく、感情の赴くままに行動してたらきっと、本当に嫌われてしまうから。<br><br>「みーやん？」<br>「なん？　あ、ごめん」<br>　ぼうっと考え事をしていたら、グループワークになっていたことに気が付かなかった。<br>「もう。何考えてたの」<br>隣に座った学科の友人が笑いながら突いてくるものだから、別にと答えて話を流す。彼女は私が恋をしていることを知らないし、知る必要もない。そんな仲じゃないもの。<br>「で、えっとなにをしろって？　」<br>「ここ。感想を共有するんだってさ」<br>「ありがと。ちょい待ってね」<br>　視界の端にちらりとあいさんを写して、教科書に視線を移す。さらりと斜めに読んで活動に移る。待ってくれている友人とやらは、全く恋心やその周辺に気が付いていないらしい。助かるね。<br><br>　しかしそれにしても、接点の作りにくい相手だ。被る授業は週に二つ。学年は違うしサークルも違う。むしろあいさんはバイトに忙しく、私は彼女のバイトが無い日に全てサークル活動が入っている。二人とも共通することと言えば、一人でいることを好むあたり？　少なくとも好きな席が最後列というだけで、隣に座ることが少なくなかっただけ。ただ微かな問題としては、彼女は扉から一番離れた所に座り、私は黒板の右側の端を狙う。教室によって隣になったりならなかったり。癖は抜けないもので、彼女の隣に座ろうと教室の左後ろに座ってみたけれどあまりに落ちつかなくて、居心地が悪かった。隣に好きな人が座った時の自分の精神のおかしな反応を一度でも恋したことがある人は知っていると思う。<br>　ただでさえ苦手なコミュニケーションを、意識して取らないことには遠巻きに見ていることしかできない。接点が少ないということは、自力で接点を作らなければならないのだ。どれだけ無理だと心の中で連呼しようと、相手が近づいてきてくれるわけがない。互いにコミュニケーションが苦手などうし、相手が話しかけてこなければ、避けられてると認識しかねない。<br><br>『恋人の立ち位置はあきらめた筈なのに』<br><br>　好きなものは好きなのだ。性別それ以前の問題として、恋してしまったのだ。愛したくなってしまったのだ。<br>　ただの友達だと思って一緒に居られたら、きっとこんなには辛くない。わかっているんだけどな。<br>　<br><br><br><br><br>　てか、この状態で設定すると、起承転結が作れない。事件が起きないもので。<br>　さて、こいつにどんな事件を起こせば話が動くかなあ。<br>
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<pubDate>Fri, 13 Apr 2012 22:33:00 +0900</pubDate>
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<title>お絵描き＠授業中</title>
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<![CDATA[ <a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20120411/23/inmyshade/57/c5/j/o0460058511910904101.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20120411/23/inmyshade/57/c5/j/t02200280_0460058511910904101.jpg" alt="稲嶺 雷華のブログ-イーブイ" border="0"></a><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20120411/23/inmyshade/29/ae/j/o0467052611910904100.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20120411/23/inmyshade/29/ae/j/t02200248_0467052611910904100.jpg" alt="稲嶺 雷華のブログ-ピジョット" border="0"></a><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20120411/23/inmyshade/85/57/j/o0477047811910904099.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20120411/23/inmyshade/85/57/j/t02200220_0477047811910904099.jpg" alt="稲嶺 雷華のブログ-エーフィ" border="0"></a><br><br><br>つまるところ、今週の授業中にこそこそ描いてたもの。まだまだ描く予定はある。むしろリクエスト募集。ちなみに次は、コラッタをカッコ良く書けと友人の御所望である
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<link>https://ameblo.jp/inmyshade/entry-11220650962.html</link>
<pubDate>Wed, 11 Apr 2012 23:19:38 +0900</pubDate>
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<title>回転木馬婦人</title>
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<![CDATA[ 　　<br><br><br><br>ようこそ。愉快な国へ<br>　大きくふわりと膨らむスカートを押さえつけて遠くを見ようと伸びあがる。こんな真夜中、私の国に入って来たのは誰かしら？<br>　園の中に大きく身体を伸ばした親子が、蛇のようにうねる身体をさも嬉しそうに震わせた。<br>　いいえ、まだ駄目よ静かにしていなさい。恐がらせたらいけないわ。<br>彼女はくるくると回って他にも親子のように浮足立つ住人がいないかを見る。居ないわけがない。久しぶりの『オキャクサマ』だもの。<br><br>　閉園の鐘は既に鳴った。太陽が昇るまでは、私たちの時間。王様はジェットコースターではない。飾り物のメリーゴーランドがこの国のあるじ。<br><br>　さあ、パレードに出なさい。オキャクサマをお迎えするのよ。<br>彼女がそう一言掛けるだけで中身の無い着ぐるみが動き出し、誰もスイッチを入れなくとも電飾がともる。<br>　出入り口をくぐった少年は、何も知らないままに歩き出した。<br>　<br><br><br><br><br><br><br><br>「意外と簡単に入れるもんだな。閉園後の遊園地なんて」<br>　さびれた遊園地。突然にともった電飾はきっと赤外線か何かで動き出す構造なのだろう。人がいないのに電源が入っても金がかかるだけだ。特にこんな町はずれの不気味な遊園地なんて。<br>　見渡す限り人影も無いし、肝試しに丁度いい。何か乗り物に乗ってケータイで写真でもとれば自慢の種になる。<br>　手始めに一番スリルの少ないであろうコーヒーカップに向かう。園の正門に一番近いアトラクションだ。柵はあいていたから勝手に入らせていただこう。青いカップに乗り込んで真ん中のハンドルを握った。ポケットから携帯を取り出そうとした時、　ゴゥンと足元から音がして突然コーヒーカップの動力が入った。<br>「っ！これまで自動かよ？」<br>　半ば不気味に思いながらも、しかし軽快な子供だましの軽い音楽にのって回りだしたアトラクションに不審な点は無い。<br>　まさか止まらなかったらどうしようか。動いてるアトラクションから飛び降りて、他のカップにぶつかって怪我でもしたら嫌だし。<br>　不安に思いながら、ぐるぐると不規則に回る世界を眺める。入って来たばかりの遊園地の門が見えたり、園の一番真ん中にある最大の売りであるメリーゴーランドが見えたり。周囲をぐるりと取り巻く大小二つのジェットコースターに奥の方にはバイキングもあるし、ビックリハウスだってある。良く考えてみるとこの園は田舎のさびれた遊園地にしては品ぞろえがいいのかもしれない。<br>　軽快だった音楽がいつの間にか少しずつゆっくりになってきた。回るカップもゆっくりと速度を落とし始める。<br>写真を撮るのを忘れていたことに気がついてあわてて携帯のインカメラを起動した。まだ動いている内にとあわてて写真をとる。<br>　ピロリン<br>　間の抜けた音。表示される静止画を確認もせず保存して形態をポケットに突っ込み、止まったコーヒーカップから降りた。ふわふわしてまっすぐに歩くのにいつもより少しだけ意識を必要とする。こんなに目が回るものだっただろうか？悪乗りしてハンドルを回したわけでもないのに？いやしかし、あまりに久しぶりにコーヒーカップに乗ったから、普段体験しない不規則な動きに身体が慣れていないだけだろう。それどころか遊園地に来るのだって数年ぶりだもの。<br>　こんなところに来る人なんて。<br>「リア充ちゅどーん！」<br>　特に意味も無く口に出してみる。遊園地は嫌いじゃないが、昼間にこんなところに来るのは親子連れかカップルだけだ。とくにパレードなんて始めたらもう俺のような一人身の肩身は狭いばかりだ。それに高校生にもなって一人で遊園地に居る所を誰か知り合いに見られでもしたら。<br>　身震いをして歩を進める。せっかくだから他も見て行こうとメインストリートを北上する。コーヒーカップだけじゃあんまりおもしろくないし、もっと他のアトラクションの写真も撮ろう。正面には遊園地の中心、メリーゴーランドが電飾の消えた姿でたたずんでいた。<br><br><br><br>『ねえねえ、おねえさま。あの男の子素敵よ！若いしそれに美味しいわ！』<br>　嬉しそうに身を震わせていうと、カップがかちゃかちゃと鳴った<br>『あら、もうつまみ食いしてしまったの？』<br>『だってあまりに良い香りだったのだもの。でもちゃんと残しておいたわよ？見たでしょう』<br>　スカートの下で興奮して暴れ出そうとする馬を宥めて彼女は指さされた方を見た。メインストリートをこちらに向かって歩いてくる少年の姿が見えた。若くて、元気で。見るからにエネルギーにあふれている。<br>『ええそうね。これだけ離れていてもかぐわしい香りが漂ってきそうな素敵なオキャクサマだわ』<br>『でしょう』<br>　少年が乗るまえには無かった模様が、青色のカップの表面に躍った。<br><br><br><br>　さすがに売店はシャッターが下りていた。当然のことだと納得しながらも少しだけ残念に思う。<br>　一歩ずつまえに進むごとに街頭がともっていく。まるでじぶんが左右の灯をともしているみたいで、歩きながら一つずつ指をさすと。踊るように街灯の灯が揺れた。<br>「どうしよっかな」<br>　とりわけ行きたい場所も無いし、のりたいものもない。道の横にあった擬人化された熊の彫像に寄りかかる。<br>『♪♪♪』<br>　賑やかなオーケストラがいきなり鳴りだして驚いて振り返ると、熊の笑顔と目が合った。<br>「なんだスピーカあるじゃん。びっくりさせるなよ」<br>　よしよしと熊の頭を撫でて、その足元に彫られた蔓草模様を指でなぞった。美術に詳しいわけではないが田舎の遊園地にしては嫌に手がこんだ装飾に見えた。<br>「子供だましの癖に金かかってんだな」<br>―いえいえ。あなた様がたのおかげですよ―<br>　なにか聞こえた気がして視線を熊に戻すと、なんだかさっきよりも唇の端を釣り上げて笑っているように見えた。<br><br>『女王様や、あの子は音楽に楽器が一つ増えたのに今気がついたかね？』<br>『気づいてないと思うわよ』<br>　歩み去る少年の後ろ姿を見送りながら熊が問うと、彼女は答えた。<br>『気づいてたら不審に思うでしょう？けれどもうこの子は私たちの国の虜になりかけてる。些細な変化に気がつくはずがないわ』<br>　彼女が笑うのに合わせて電飾がキャラキャラと揺れて鳴った。<br>『おや、メインストリートから曲がったみたいね。あの子はどちらに向かうかしらね？』<br>　目を離したすきに彼はもうどこかの角を曲がっていた。<br>『きっと親子の方ですわ』『方ですわ』『ですわ』『わ』<br>エコーのかかったように声をそろえて言うのは国を飾る花壇の住人達だ。<br>『あなたたちはいつだって皆でしゃべるのね。たまには一人づつ言ったらどうなの』<br>『私たちはみな同じ根を持っていますから。思考は共用していますから。私たちは皆で一人なのですから』『なのですから』『ですから』『ら』<br>　赤青黄白黒紫、色とりどりに咲いた花たちは国のあちらこちらから同時に声を上げる。おかげで見張りには困らない。口を開ければ姦しい娘たちだが。<br><br><br><br>　ジェットコースターの階段をふさぐ柵は、手で押したら簡単に開いた。鎖もかかっていない。<br>「これほんとは危ねーんじゃねーのか？子どもが迷い込んだりしたらさ」<br>　そういう自分が子どもに分類されるとは生憎考えていない。<br>　階段は途中で分岐する。右に向かえば大きなジェットコースター。左は小さいのだ。迷った末に左に向かった。小さい方ならあまり怖くも無いだろう。階層一つ分くらい登るとホームに出た。ジェットコースターの車両はいかにも自分を待っているかのようにホームに鎮座していた。煌々と灯る照明がそのボディにペイントされたアニメ塗りされた子供向けのキャラクターを際立たせている。<br>「乗り込んで……みるか」<br>　自分を鼓舞するように言って、恐る恐る車両に乗ってみた。自分で扉を閉めて、セーフティーバーは降ろさずにカメラを自分に向けてシャッターを切った。<br>「ようこそ。ユートピア、ラウンドフォーキッズへ。高速で園内を駆け抜けるスリルと快感をどうぞお楽しみください。目の前のハンドルをしっかり握って。大丈夫、絶対落ちませんから。さあ、夢の世界へレッツゴー」<br>　ただのアナウンスにしては生き生きしている。まるで子供がわくわくしながら話しかけてくるようだ。いや、まてよ。気がついてみたら、これは発車する時に流れるアナウンスではなかろうか。驚いて携帯をポケットに突っ込みながら立ち上がろうとしたが、それより早くに触れてもいないセーフティーバーが降りてきた。<br>「っ！？えっ。おい！ありかよ！」<br>　力ずくで逃れようとしたが、バーは上がらない。<br>　車両が音を立ててプラットフォームを出て、一番最初の一番高い山に登りはじめた。<br><br>ガタゴトガタゴトガタゴト<br><br>―若くて無謀で勇敢なこのお兄ちゃんのエネルギーをどうやって使おう、パパ？―<br>―お前の好きなようにしたらいい。そうだ。車両の絵をもっとかわいらしくたいって言っていただろう。―<br>―うん。そうする！じゃあたくさんもらわなくちゃ―<br><br>　車両が山を登るにつれてどんどんと消耗するような気がする。空気が薄くなったかのように息が荒くなる。あと三メートル。あと二メートル。目の前が暗くなる。遠のきかけた意識は、突然に身体を襲う浮遊感に引きずり戻された。<br>　ジェットコースターは嫌いじゃないが、なんだこの恐ろしさは。子供向けとは思えない圧力がカーブのたびに身体を襲う。<br>　悲鳴も出ないまま一周してプラットフォームに近づくが、止まる気配は無い。そう距離があるわけでもない小さなコースターだから、コースを二周するらしい。<br>　どんな仕組みか、少しも減速することなく大きな山を登り、ますます速度を増して落下するように下る。<br>　車両が止まった時にはもうすっかり疲れてしまって、バーが上がったことにも気が付かずしばらく目を閉じて気分が良くなるのを待つ。<br>　二度と乗るものか。そう思ってプラットフォームをでた。<br><br><br><br>『あの子きっと私のところには来ない気だ。これじゃあ私は彼からエネルギーをもらえない。どうしたらいい女王？』<br>　あわてた様子の親子に女王は笑った。<br>『そんなの簡単だわ。魔法をかければいいのよ。毎日でもここに来るように』<br>『おお、やってくれるのか』<br>『この少年、気に入ったわ。私の国の虜にしてあげる。明日も、明後日も、毎日毎週この国に来るといいわ！』<br><br>　にこりと笑い、腕を振り上げた。スカートの下で暴れる馬の集団が意思を持って一方向に走り始める。<br><br>『さあ、もっと走りなさい。もっと回りなさい！』<br>　言葉に追い立てられるように馬たちは並足から駆け足へ、一気にスピードを上げて狭い空間をぐるぐると回る。豪奢に飾り立てられた白いたてがみを振りたてる。メッキで輝く馬車ががちゃがちゃと跳ねまわる。痛いほどカラフルな電飾が眩しく点滅し、彼女の国を引きずりこんで世界が回りだした。花が歌い熊が踊る。住人達は歓喜の声をあげて彼らの女王様をたたえた。<br>　国の丁度真ん中から住人達の姿をくるりと見回した彼女は甲高い声をあげて狂喜的な笑顔で少年を指さした。<br>　少年の目が生気を失い、ふと笑う。<br>「うん。そうしよう」<br>　誰に向かって発したのか、さも楽しそうに足を動かして途中まで下っていた階段を逆に上り始める。<br>『おや、私のところにも来てくれるのか！』<br>　先ほどの小さなジェットコースターの三倍の長さの線路を持つ大きなジェットコースターのプラットフォームに上った少年に笑いかける。女王様の魔法が解けるまでうつろな瞳の少年はこの世界の虜。<br>『次は俺のところにも来てくれよ！』<br>　観覧車がゴンドラを揺らし、ビックリハウスが負けじと扉を大きく開いて音楽を鳴らした。<br>　パレードが走り出しメインストリートでは擬人化されたぬいぐるみが踊る。<br>　現実から隔離された夢の世界で、月が沈む。<br><br><br><br><br><br><br>空が白んできた。もう朝の５時になるだろうか。<br>『あらいやだ。スカートが乱れてしまっているわ。もう私たちを良く知った人が来るのに』<br>　いそいそとプリーツを撫でつけて整えた。馬たちの、興奮して跳ねまわったがためにずれてしまった、たてがみを飾る装飾品を正しく戻し七時にやってくる従業員を待たなければならない。彼らだってこの愉快な国の虜だから、きっと早めにやってきて彼女たちのエサになってくれるだろう。<br>　彼女の様子をみて他の住人たちもあわてて身だしなみを気にし始める。<br><br>　　魔法は解けた。<br><br>「あれ、もうこんな時間だ」<br>　プラットフォームに止まった観覧車の箱からでて、白みかけた空に気がついて携帯を開くともう朝の五時にもなる。一体何故こんなに夢中になってしまったのだろう。まるで魔法にかけられたかのようだ。なぜかこの一晩で乗り物を全て制覇するどころか、同じものに何度も乗ったりしてしまった。園の真ん中のメリーゴーランドなんか、通りかかるたびにのってしまうものだから、もう何度乗ったか覚えていない。<br>あまりにはしゃぎすぎたからだろうか、体中がけだるく重い。しかし急いで帰らなければ。両親とも起床はいつも六時半だから、それまでに窓から自分の部屋に入って、あたかも今しがた目覚めたかのように振る舞わなければ。もしもばれたら大目玉を食らう。<br>　慣れない徹夜のせいか軋む身体を引き摺って門に向かう。<br>「遊園地で一晩遊び倒したなんて、言っても誰も信じないだろうな」<br>　それならいっそ高校の友人たちには言わないでおこうかと思った。携帯で撮った写真も消してしまおう。こっそりまた真夜中に来ればいい。昼間の遊園地と違って夜はなんだか魔力がある。魅力がある。<br><br>　門を乗り越えて自転車に駆け寄る。鍵を刺して漕ぎながら飛び乗った。<br><br>　後ろ姿を見送って愉快な国の住人たちはにっこり笑い、そして昨日よりも一層輝く身体を昇る日の光に輝かせて大きく一礼をした。<br>―またのお越しをお待ちしております。オキャクサマ―<br><br><br><br>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　完<br>
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<pubDate>Wed, 11 Apr 2012 22:24:41 +0900</pubDate>
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