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<title>私はおもちゃ？！（先生と生徒の甘ーい小説）</title>
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<description>～あらすじ～泣き虫な高校二年生の里桜の悩みは、数学のドS教師　沢渡にいつもいじられること。ちょっとエッチで危険な沢渡先生にあるきっかけからおもちゃ宣言をされてしまう。困る里桜だったが、その日から里桜の気持ちが大きく動いて？！</description>
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<title>休止</title>
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<![CDATA[ <p>今まで読んでくれた方には大変申し訳ないと思いますがしばらくブログを休止したいと思います。</p><p>理由は自分の未熟さに腹がたったのです。</p><p>書きたいけど書けないスランプ状態にもなってしまい…。</p><p>休止、ということにしました。</p><p>休止というか放置、といった方が正しいかも。</p><br><p>書いてる小説はこのままで、また整理がついたら更新します。</p><p>それがいつなのかはまったく分からないけれど…でも次更新した際にまた今まで通り見てもらえたら嬉しいです。</p><p>ではまたお会いできたら…さようなら。</p>
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<pubDate>Fri, 12 Mar 2010 15:10:06 +0900</pubDate>
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<title>≪第十二話　数日後の変化≫</title>
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<![CDATA[ で、結局あれからなんの変化もないまま数日が経ってしまった。<br>季節も秋になり、紅葉が美しい。<br>あれからは朔くんのことばっかで、翔たちのこと放っておいてしまったという事実。<br>先生ともぎこちなくなったし、私ってだめだな、と思う。<br>そんな秋の日、ついにある変化が起きてしまうのだった……。<br><br>「やばーい、寝坊！！」<br><br>この日、私は寝坊した。<br>秋って過ごしやすくてつい寝てしまう。<br>走って走って学校に着いたころには門を閉められるぎりぎりだった。<br>なんとかついたことに安堵して歩いて教室まで行く。<br>その途中……。<br><br>「先生……と校長？」<br><br>階段の上の方から先生と校長が降りてくる。<br>二人とも難しい顔をしている。<br>何かあったのだろうか……？<br><br>「お、おはようございます」<br><br>声をかけるとやっと二人は難しい顔をいつもの優しい顔に戻した。<br><br>「おはよう、遅刻すんなよ」<br><br>先生もいつもと変わらず挨拶するとそのまま降りて行ってしまった。<br>ぎこちなくなっても、先生の家のみおには会いに行ってるし、ときどきご飯も作っておくことがある。<br>まあそれくらいがちょうどいいのかもしれない。<br>教師と生徒だし。<br><br>「里桜ー！　遅いよ」<br><br>ちょうど、HRが終わったあとらしく教室にはまだ先生はいなかった。<br>私に気付いたいっちゃんが手を振ってくる。<br>私もそれに答えながら席に着くけど、いっちゃんもさっきの二人みたいに、笑ってはいなかった。<br><br>「ねぇ、どうしたの？　さっき校長先生とも会ったけど……」<br><br>「里桜、ちゃんと自分のことは伝えないとだめだよ。そうしとけばこういうことにはならなかったのに」<br><br>悲しい顔でそういういっちゃんに私は首をかしげた。<br>どういうこと？<br><br>「翔がね、沢渡と喧嘩した」<br><br>え……。<br>その言葉で私は固まる。<br>翔が？<br>なんで、なんで？！<br><br>「詳しくは私も知らない。今翔も校長室」<br><br>「わ、私のせい？」<br><br>泣きそうになりながらそういうといっちゃんは目を伏せた。<br>その意味を分かってしまった私は後悔した。<br>なんてことをしてしまったのだろう。<br>私がはっきり翔に伝えておけば……こういうことには。<br><br>「校長室……っ！」<br><br>私はいっちゃんの制止を振り切り教室を飛び出した。<br>一限目担当の先生とすれ違ったけど私は無視した。<br>さっき通った階段を降り、一階にある校長室へ急ぐ。<br>と、近くに来た私は止まった。<br>中からちょうど二人がでてきたのだ。<br>二人は中へお辞儀して扉を閉めた。<br><br>「二人とも……」<br><br>二人は私に気付くと、ふいっと顔をそらした。<br><br>「なんでここにいるんだよ、授業だろ」<br><br>先生はそう言って翔に教室に行くよう促した。<br>翔は私にごめんな、とだけ言って教室に戻って行った。<br><br>「喧嘩……したんだって？」<br><br>「別に。なんでもねぇよ」<br><br>「なんでもなくない！　私のせいでしょ？」<br><br>震える声で聞く。<br>先生は顔をそらしたままで、何も答えない。<br><br>「何が……あったの？」<br><br>もう一度聞くと先生はこちらを向いて、こういった。<br><br>「あいつが俺とお前が付き合ってんのかって、聞いてきたんだよ。言わなきゃ写真ばらまいて俺を退職させるとかなんとか」<br><br>「うそ、でしょ！？　翔がそんなことするはず――――！」<br><br>「嘘じゃねえよ」<br><br>先生の声音は低い。<br>本当だった。<br>いっちゃんが目を伏せた意味も、ここで確信に変わった。<br>先生はそれを防ぐために喧嘩を……。<br><br>「写真のことはお前は後ろ姿だから気にすんな」<br><br>「でも……先生、ごめんなさい」<br><br>どういう処分をされたのかは知らないけど謝ってすむ問題ではないことは確かだ。<br>先生は笑って私の頭をなでた。<br><br>「またメールするからお前は戻っとけ」<br><br>私は涙をぬぐい、うんと言うと教室に戻った。<br>里桜が完全に角を曲がったところで先生は悲しそうに俯いたのだった……―――――。
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<link>https://ameblo.jp/itigonyan/entry-10470026222.html</link>
<pubDate>Sun, 28 Feb 2010 14:02:40 +0900</pubDate>
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<title>≪第十一話　伝えなければいけないこと≫</title>
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<![CDATA[ <p>そのあと先生に襲われることなく無事に家に帰った私はお風呂に入り、まったりと部屋で過ごしていた。<br>お風呂からあがって寝る前までのこの時間が私は好きだ。<br>ごろごろしたり、雑誌読んだり……先生とメールしたり？<br><br>「きゃあぁぁ」<br><br>一人で勝手に興奮してベットでじたばたする。<br>不安になったり、喧嘩したりしたけど結果オーライだよね。<br>あとは、翔やいっちゃんに話をつけたら絶対幸せな日々が待ってる！<br>美來ちゃんのことはよくわからないし、保留としても。<br>幸せな日々を夢見て、ぼんやりしていると横に置いてある携帯が振動した。<br>ディスプレイは……先生！<br><br>「わーい、来た来た。でもちょっと恥ずかしいかな」<br><br>さっきあんなことしたからやっぱし恥ずいよ。<br>躊躇している私の手の中で震える携帯。<br>あ、電話かと私は慌てて通話ボタンを押した。<br>メールかと思ったのだ。<br>電話だったらすぐ切れちゃうじゃん。<br><br>『おー、勉強してるか？』<br><br>第一声はそれだった。<br>がくりと肩を落とし私は笑った。<br><br>『してるわけないじゃん。数学大っきらいだもん』<br><br>少し意地悪を言い、体を起こす。<br>ふわりとシャンプーのにおいがした。<br><br>『俺も泣き虫嫌い』<br><br>まけじと言い返す先生に私は少しふくれる。<br>そこは、好きになれるように努力しろとかじゃないの？<br><br>『泣き虫は余計ですぅ！』<br><br>べーっと舌を突き出し、言ってやる。<br>もちろん、電話だからこそできる仕草だ。<br>実際にやったらたぶん……襲われるな、うん。<br><br>『そっかぁ、親か。結婚するなら会いに行かないとなぁ』<br><br>その言葉でココアを飲んでた私は吹き出しそうになった。<br>慌てて口をぬぐい、あわあわと口を動かす。<br><br>『け、結婚て何考えてんのさ！？』<br><br>『そのまんま。里桜は嫌なの？　結婚』<br><br>そう言われましても……と私は思案する。<br>いきなり結婚って言われても、ねぇ。<br><br>『嫌じゃないけど……でも私は―――』<br><br>その先はとてもとても大事なこと。<br>さっきはあの二人に話をつければ幸せな日々が待ってるって言ったけど、結婚となれば少し高い壁が待ってる。<br><br>『私は、なんだよ？』<br><br>なかなか言わない私に先生から不服そうな声が返ってくる。<br><br>『親が決めた結婚相手がいるの』<br><br>ようやく言えた言葉。<br>決めたというより、親がとても気に入ってる男の子がいて将来は結婚させる気満々なのだ。<br>相手もまんざらじゃないようだから、私が否定しまくって今まで流れてきたけど―――。<br><br>『ぶはっ！』<br><br>一拍置いて先生からは吹き出した声が。<br>そして爆笑しだした先生。<br>今の笑うとこじゃなーい！<br>必死に言ったのに、この人は……。<br><br>『もういい、寝る！　また明日ね、バイバイ！』<br><br>それ以上詮索されたくない思いと、笑われたことにちょっとムカついた思いで私は強引に電話を切った。<br>しばらく待ってみるがメールも何もこない。<br>もしかして怒らした？って思ったけど私はそれを振り払った。<br>仕方がないから。<br><br>「お母さーん、朔くんって今何してる？」<br><br>ココアが入ったマグカップを持ち下に降りていく。<br>台所にいたお母さんに声をかけるとお母さんは顔を輝かした。<br><br>「ようやくその気になってくれたのね？　朔くんは今ね―――」<br><br>「ちょっと！　まだその気になったとは言ってない！」<br><br>私は遮り、作業中の母の手をひっぱりリビングに連れて行った。<br><br>「なぁによ、改まっちゃって」<br><br>見た目が若く見える母は甘えた声を出してそういった。<br>この人、自分が４０代だって自覚あんのかな？<br><br>「私ね、朔くんとは結婚できない。だからお断りを」<br><br>「だめよ」<br><br>今度は母が遮り、そういった。<br>意外に手ごわいかも。<br><br>「だって、なんで付き合いもない人と結婚しなきゃいけないの？　確かにいい人だとは思うけど」<br><br>朔くんとは２，３回しか会ったことないし、それは親が気に入ってるだけじゃない。<br>いい人だったら誰でもいいわけじゃない。<br><br>「何あなた、結婚したい相手いるの？」<br><br>「な、ちが！」<br><br>否定したけど無駄だった。<br>顔が真っ先に反応していた。<br><br>「いるのね、誰なの？　同い年？　年上？」<br><br>矢継ぎ早に質問する母の、年上、という言葉に私は反応してしまった。<br>ああ、どうして私ってこんなにも顔に表れるんだろう……。<br><br>「～そうだよ！　相手は先生！　悪い！？」<br><br>結局開き直ってそう言った。<br>どうせ後にも知られるんだから今言っても一緒だ。<br><br>「せ、先生ですって？！　余計だめだわ！」<br><br>声を張り上げるお母さんに私は少し身を引いた。<br>どうして先生じゃだめなの？<br>このとき、私は覚悟した。<br>お母さんの意思を変えるのは、翔たちにすべてを伝えるのは長期戦になりそうだと―――。</p>
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<pubDate>Sat, 27 Feb 2010 16:53:28 +0900</pubDate>
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<title>≪第十話　弱虫な私≫</title>
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<![CDATA[ <p>トイレから戻った私は赤い目を見られないように俯き席についていた。<br>もちろんそんな変化、先生が気づかないわけもなく。<br>案の定、次の休み時間屋上に呼ばれた。<br><br>「何？」<br><br>「お前、どしたの？　今日なんか変だぞ」<br><br>どしたのって、自分がよく分かってるくせに。<br>でもこういう優しさは、自分には弱い。<br><br>「へ、変かな？　別に普通でしょ」<br><br>あははっと笑った私を疑いの目で見つめる先生。<br><br>「大橋のこと？」<br><br>その言葉で私の表情は一気に固まった。<br>なんでもお見通しな気がして私は少し怖くなった。<br>自分の心の弱さまで見られちゃいそうで。<br><br>「はぁー……大橋は別にただの生徒だろ？」<br><br>「……私だって、ついこの前まではただの生徒だったよ！」<br><br>声を張り上げる私。<br>私だってただの生徒だった。<br>今は怖いの、不安なの。<br>なんで分かってくれないの？</p><p>なんでため息なんかつくの？<br><br>「お前、信用してないわけ？」<br><br>「違うっ」<br><br>そうじゃない……そうじゃないんだ。<br>でも事実を言ったら先生、きっと私のこと嫉妬深いやつって思う。<br>それだけは嫌だ、絶対に。<br><br>「じゃあ何？」<br><br>はっきり言わない私に先生は苛立ったように問いかける。<br>どうしてイライラされなくちゃならないの？<br>私はただ―――。<br><br>「もういい！　先生なんて美來ちゃんとくっついちゃえばいいんだ！」<br><br>口に出さなければ分からない。<br>そんな当たり前のこと、私は忘れてた。<br>理解してくれない先生が辛くて、ただ口をついてでた言葉。<br>ハッとした時にはもう遅くて。<br><br>「言いたいことはそれだけ？」<br><br>先生の冷たい言葉。<br>悪いのは私だって、自分でもわかってるはずなのに今は先生のその態度にさえ、悲しみを覚える私。<br>気が付いたら泣いてた。<br>自分、卑怯だ。<br>何も言わずに分かって、なんて馬鹿なこと願って。<br>あげくヒドイことを言ってしまって、泣いた。<br>険悪な雰囲気の中、入口あたりで足音がした。<br><br>「大橋……」<br><br>私が振り向く前に先生がその人物の名前を口にした。<br>どうして、今美來ちゃんが出てくるの？<br>余計、こじれちゃう―――……。<br><br>「あ、お話し中だったかな……？　亮ちゃんどこかなぁって……」<br><br>泣いてる私と険しい顔の先生。<br>どこからどう見ても普通じゃない。<br>明らかに美來ちゃんは動揺してた。<br><br>「いや、もう終わった。なんか用？」<br><br>先生はふいっと私の前を素通りして美來ちゃんのもとへ。<br>美來ちゃんは私たちを見比べたあと、こちらに背を向けた。<br>二人の話し声はどんどん遠ざかっていく。<br><br>「どうして……私はただ」<br><br>気づいてほしかっただけ―――。<br>不安で押しつぶされそうで、大丈夫？って声を掛けてほしくて。<br>今思えば当たり前の結果なのかもしれない。<br>口に出して言わないと分からないじゃない。<br>どうして気がつかなかった？<br>でも、どちらにせよ先生は美來ちゃんをとった。<br>不安な気持ちに拍車をかけるように、その事実が乗っかってくる。<br><br>「……っ。どうすればいいっていうの……っ。分かんないよ」<br><br>更にあふれた涙。<br>恋愛に少しでも慣れていたら判断を誤らずに済んだのかもしれない。<br>けど初心者の私にはただ泣き崩れるしかできなかった。<br><br>＋　＋　＋　＋<br><br>結局、授業に出る気は起きず私は早退した。<br>朝、るんるん気分で通った道をとぼとぼ歩く。<br>はっきり失恋したわけじゃないのに、私は失恋した気持ちになってた。<br>美來ちゃんは可愛くてきっと勇気もある。<br>弱虫で泣き虫な私に比べたら天と地の差だった。<br><br>「ただいまぁ」<br><br>共働きで家には誰もいない。<br>いつもは少し落ち込むけど今日だけは誰もいないのはありがたかった。<br>自分の部屋に行き、制服のままベットに倒れこむ。<br><br>「先生のこと……私、信用してないのかな」<br><br>あのときは否定したけど今考えればそれは信用してないことになる。<br>最低だ、私。<br>枕に顔を埋め、ただ後悔する。<br>どうすればよかったのか、と―――。<br><br>気がつけばもう夕方だった。<br>頬には涙の跡がある。<br>寝ながら泣いてたのかもしれない。<br>入院した時もそうだったっけ。<br>起きたら泣いてた気がする。<br><br>「会いたいよ……」<br><br>自分からヒドイことを言っておきながら私は先生に会いたくなった。</p><p>こういう気持ちのとき、人恋しくなるんだよね。<br>今度はちゃんと言わなきゃ。<br>不安だっただけだって。<br>私は起き上がり、制服を脱ぎ私服に着替えた。<br>スクールバッグの中からあの鍵を取り出し、ポケットに入れた。<br>たぶん、まだ家には帰ってないと思う。<br>外に出るとまだ夏だというのに、少し寒い風が私の肌を刺激した。<br>身震いをしながら私はゆっくりと確実に先生の家に向かって歩き出した―――。<br><br>＋　＋　＋　＋<br><br>ガチャ。<br>鍵をあけ、ノブを回すとそんな音が聞こえた。<br>中は真っ暗で、一瞬聞こえた猫の鳴き声で私はびくっとなる。<br>そっか、みおがいたんだっけ。<br><br>「みお、私……」<br><br>リビングに行き、電気をつけてゲージの前で座り込む。<br>みおはあどけない顔でこちらを見上げてる。<br>知らないんだろうな、みおは。<br>私があなたの飼い主を嫉妬という感情で傷つけてしまったことなど。<br>そっとゲージから出してやると相変わらず、すり寄ってきてくれる。<br><br>「覚えててくれたんだね、みお」<br><br>「……にゃあ」<br><br>「やっぱ可愛い～って、にゃあ？」<br><br>明らかに猫の声じゃない声が、後ろから聞こえて私は振り返った。<br>そこにいたのは先生だった。<br>猫のまねをしていたのは先生だった。<br><br>「せ、先生！？　なんで、えっ」<br><br>明らかに動揺する私。<br>会いたいとは思ったけどこんな急に現れるもんなの？！<br>しかもなんの音もなかったし！<br><br>「なんでってここ俺の家だし」<br><br>「怒ってる……よね？」<br><br>ようやく落ち着き、恐る恐る聞いてみる。<br>顔は下にいるみおに向けたままで。<br><br>「うん、怒ってる」<br><br>「……ごめん。私怖くて」<br><br>そっとみおをゲージに戻してやる。<br>何かをしていないと、気まずくて仕方がなかったのだ。<br><br>「俺が浮気しないか？」<br><br>「う、浮気って」<br><br>確かにその通りかも……。<br>私は顔を赤くして否定しようとしたけど先生に抱き締められて何も言えなかった。<br><br>「俺が里桜を襲えば信用してくれる？」<br><br>その言葉に私はぴきっと固まる。<br>やっぱり先生は先生だ、と思った。<br>大人は小さな事とかいちいち気にしないし、普通に接してもくれる。<br>あの時、美來ちゃんのほうを選んだのはまたやきもちを妬かすため？<br><br>「先生って子供」<br><br>「あ？　なんで子供なんだよ」<br><br>そうやってふくれるところが子供です、とは言えなかったけどさっきまであった不安はもうない。<br>最初からこうやって笑いあいたくて、抱きしめてほしかった。<br>そう願ってた自分が恥ずかしくなった。<br>わがままだな、自分。<br><br>「お前、言ったじゃん？　私だってただの生徒だったって」<br><br>「うん？」<br><br>確かに言った気もする。<br><br>「俺的にはお前と知り合ったときから、ただの生徒じゃなかったよ」<br><br>そっと耳元で囁く先生。<br>ぼっと赤くなる私の頬。<br><br>「お前は気づくの遅かったけどな」<br><br>そう言って真っ赤な頬に唇を落とす先生。<br>その唇が徐々に下にずれてくる。<br><br>「ちょちょ、ちょっと？！」<br><br>慌てて私は先生を押し返そうとする。<br>けど先生はお構いなしで。<br><br>「待って！　待って……んんっ」<br><br>ゆっくりと唇を重ねる先生。<br>不安にさせたことを、先生なりに謝ってるつもりなのかも。<br><br>「待ってってばーー！」<br><br>どんっと先生を思いっきり突き飛ばす真っ赤の私。<br>先生は予想通りというように笑ったのだった―――。<br><br>でも、でもね先生？<br>この先はもう少しお預け……かな？<br></p>
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<pubDate>Tue, 23 Feb 2010 17:05:51 +0900</pubDate>
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<title>≪第九話　嫉妬という感情≫</title>
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<![CDATA[ <p>翌日、私は若干スキップをしながら学校へ向かっていた。<br>昨日遅くまでずっと先生とメールをしていたから気分は晴れやかだ。<br>前まではあんなに悩んでたのに、嘘みたい！<br>早く先生に会いたいという気持ちからか私はつい早足になっていた。<br>そして気づけばもう学校の門の前―――。<br>校舎に続く道にはたくさんの人が行き来している。<br>前はここを通るのがおっくうだった。<br>理由は二つ。<br>人前が苦手なのが一つ目の原因で、二つ目の原因は（今では考えられないが）先生に会いたくなかったから。<br>ほんとに、人の気持ちって怖い。<br><br>「あれ……？」<br><br>そこでふと感じた違和感。<br>そう、いつもならここらへんで翔が抱きついてくるはずなのに、今日はそれがない。<br>あの頃は迷惑だったけれど、いざ無いとなれば少し寂しい気もする。<br><br>「里桜ーー！！」<br><br>むなしさを感じながら靴箱の前で靴を履き替えていると、中からだれか走ってくる。<br>といっても一人しかいないだろうけど……。<br><br>「いっちゃん？　どしたの？」<br><br>はぁはぁと息を切らすいっちゃんは慌ただしく私の腕をつかんだ。<br>いっちゃんがこんなことするのは初めてだったから私はびっくりした。<br>もしかして入院してたことかな？<br>けど違ったみたい。<br><br>「いいから！　職員室に行ってみな！」<br><br>「何ー！？」<br><br>私は鞄を肩からずらしながらいっちゃんに引っ張られる。<br>職員室は昇降口からすぐそこだ。<br><br>「ほら、あれ！！」<br><br>今は朝だというのに職員室の前にはなにやら人だかり。<br>それを見て私はぎょっとした。<br>まさか、私たちの関係がバレたと思ったからだ。<br>けれど違ったみたいで。<br>だってそこにいる人全員が男子でみんなうっとりとしている。<br><br>「あーもう！　どいてどいて」<br><br>背が低い私は中が見えない。<br>それに苛立ったいっちゃんは、男子たちをかき分けて私を前に押し出した。<br>みんな迷惑そうに私たちを見ている。<br><br>「あの子……転校生？」<br><br>中にいたのは、先生と楽しく話す、私の学校の制服を着た女の子だった。<br>茶色がかった長い髪をサイドに束ねて、顔立ちもすっきりしてて可愛い＆きれい系だ。<br>私はつい見とれてしまった。<br>高くも低くもない身長。<br>すらっと伸びた手足にガラスのように透き通っている肌。<br>そしてなにより先生と話すときのあの―――笑顔。<br>とたんにちくりと痛む胸。<br><br>「い、いっちゃん。教室いこう」<br><br>「え？　あ、こっち気づいたって！　里桜ー！？」<br><br>呼び止めるいっちゃんを無視して私は男子をかき分け、すたすたと歩き出した。<br>見たくない―――。<br>心がそう言っていた。<br>たぶん、先生はここにきて長いだろうし、転校生と話しててもおかしくない。<br>けど、やっぱり―――。<br><br>「宮下！！」<br><br>階段の踊り場あたりで私は呼び止められる。<br>足は止まるけど顔は正面を向いたまま。<br><br>「誤解すんなよ。俺はお前だけだから」<br><br>先生はそっとそう囁いて私のポケットに何かを入れた。<br>それがなんだか確認する前に先生は微笑み、階段を降りて行った。<br><br>「鍵……？」<br><br>それは小さな銀色の鍵。<br>それが指す意味はきっといつでも来ていい、だろう。<br>鍵には私のお気に入りのクマちゃんがついている。<br>けどそのクマちゃんは私のと違い、子猫の格好をしていて―――。<br>こんなのもあったんだ、と笑みがこぼれる。<br>そして、昨日のいつかは分からないけど必死にこれを探してた姿を想像してついに吹き出した。<br>さっきまでツンツンしてた自分がアホらしくなってきた。<br>たかが転校生。<br>されど転校生、じゃん。<br><br>「里桜ー？　なに笑ってるの？」<br><br>一人で笑ってたら上の階段から私を見下ろす人物が一人。<br>それは今朝、抱きついてこなかった翔だった。<br>病院に入院して以来、会ってなかっただけに少し気まずい。<br>告白っぽいことをされたのだ。<br>気まずくないわけがない。<br><br>「あ、翔。今日は早かったんだね」<br><br>ぎこちなく笑うと翔は悲しく笑った。<br><br>「普通に接してよ。告った俺がバカみたいじゃん」<br><br>あ、やっぱりあれは告白……。<br>でもいまいち実感が湧かない。<br>幼馴染の翔。<br>お兄ちゃんみたいな感じの翔。<br>そんな感じには、見れないよ―――。<br><br>「あの返事はいいから。質問いい？」<br><br>あっさりとそう流す翔はきっと無理してる。<br>そしてその質問は分かり切ってる。<br>先生とどうなったか、だ。<br>きっとあとでいっちゃんにも聞かれるであろう。<br><br>「翔。私は先生と何ともないから、ね？」<br><br>翔が言いかける前に私はそういった。<br>誰に聞かれてるか分からないこの状況で口を滑らすわけがない。<br>きっと、先生とのことはいっちゃんにも言えない。<br><br>「じゃあ、その鍵は？」<br><br>鋭く聞く翔。<br>答えに詰まる私を助けるようにあたりにチャイムが鳴り響いた。<br><br>「まあ、いいや。またあとでね、里桜」<br><br>珍しく真剣な翔に気圧された私はしばらく呆気にとられていたが、下からたくさんの男子が歩いてくるのを見て慌てて階段を駆け上がった――――。<br><br>てかね、私に安息はないのかな？<br>フラれたって勘違いして怪我して、両想いになったと思ったら元カノの登場。<br>そして次は謎の美少女転校生だ。<br>翔の突然の態度急変といい……。<br>教師との恋愛ってこんなにも大変なもん？！<br><br>「じゃ、朝のHRを始める」<br><br>いつの間にか朝のHRの時間になっていた。<br>愚痴りだすと止まらないのが私の悪い癖だ。<br><br>「えーっと、今日転校生がこのクラスに入る。季節外れだがみんな仲良くしろよー」<br><br>気だるげに挨拶した担任の横で欠伸を噛み殺す先生の姿。<br>そっか、このクラスに来るから副担にまかせたのか。<br>担任では頼りがないからか、納得だ。<br>教室の扉が開くと一斉に吠える男子たち。<br>先生もその声にびっくりしてる。<br><br>「大橋　美來（おおはし　みらい）です。東京から来ました。よろしくね」<br><br>教壇まで歩いてきた彼女は笑った。</p><p>でもその笑顔が悩殺ものだと分かってないのだろうか。<br>名前も可愛いし、もしかしてこの人完璧？<br>ふとぶつかる視線。<br>美來ちゃんは微笑むと首をかしげた。<br>なぁに？<br>そう聞こえてきそうだった。<br><br>「亮ちゃん、わたしの席はどこ？」<br><br>近くにいる先生に問いかける美來ちゃん。<br>りょ、亮ちゃん？！<br>私でさえも先生なのに？！<br>やばい、うかうかしてるともしかして……。<br><br>「あー、空いてるとこ」<br><br>わずかに笑った先生はアバウトに答えた。<br><br>「えー、何その答え」<br><br>くすくすと笑い、仲良さげに話す先生と美來ちゃん。<br>悔しいけど絵になる。<br>きっとクラスのみんなもそう思ってたに違いない。<br>担任は大あくびをしているし、なんだか見せつけられてるみたいで腹が立った。<br>私だって泣いてばっかじゃない。<br>たまには怒るよ、今は理不尽かもだけど。<br><br>「いっちゃん、トイレ行ってくるね」<br><br>前の席に座るいっちゃんにそういうと私は教室を出た。<br>ゆっくりと、堂々とした足取りで。<br>止める者は誰もいない。<br>先生が来てくれる、という淡い期待は消えた。<br>トイレの個室に入ると感情が押し寄せてくる。<br>あのときみたい、自分の気持ちに気付かなかったとき―――。<br>バカな私、なんのために先生は鍵を渡してくれたのよ？<br>私だけだって言ってくれたじゃん。<br><br>ねえ、私って贅沢ですか？<br>近くに行けばいくほど、多くを望んでしまう。<br>先生のすべてを私のものにしたくて。<br>こんなの初めてだって理由で逃げてばかりで、そのくせ多くを望む。<br><br>ねえ、私って卑怯ですか？<br>不安なことにだけ逃げて、翔まで巻き込んでしまったかもしれないのに。<br>あの悲しい顔、態度。<br>すべて私が変えてしまった。<br>気持ちに気付かなきゃよかったと思う私はどこまでもつくづく――――弱い人間だ。<br><br>私の心の問いに答えてくれる人はいない。<br>それほどまでに先生に恋することは大変で辛くて、幸せなことを見逃しそうなくらいで。<br>絢さんのとき、覚悟したなんてよく言えたなって思う。<br>とにかく今はぐちゃぐちゃで、この感情が嫉妬だなんて気づきもしない私はただひたすら唇を噛み泣くのをこらえ、儚く願った。<br>先生、私だけを見てください、と―――――……。</p>
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<pubDate>Mon, 22 Feb 2010 16:51:07 +0900</pubDate>
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<title>メイン画像について</title>
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<![CDATA[ <p>突然だけど私のメイン画像についての説明～♪</p><p>この絵は『猫とイラストと鉛筆な日々』ってサイトからもらってきました☆</p><p>超可愛くて小説のイメージにぴったりだったんですｗ</p><p>可愛い画像がたくさんだから見に行って損はナシっっ！</p><br><p><br><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20100222/16/itigonyan/2d/2b/j/o0350054810424669026.jpg"><img style="WIDTH: 107px; HEIGHT: 151px" height="151" alt="私はおもちゃ？！" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20100222/16/itigonyan/2d/2b/j/t02200344_0350054810424669026.jpg" width="107" border="0"></a><br>copyright(c)tsubasa</p><p><a href="http://mikannneko.seesaa.net/" target="_blank" rel="nofollow"><font color="#f57f00">http://mikannneko.seesaa.net/</font></a></p><br>
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<pubDate>Mon, 22 Feb 2010 16:15:54 +0900</pubDate>
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<title>≪第八話　ドキドキ？！自宅デート≫</title>
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<![CDATA[ あれから数日後の日曜日―――。<br>無事、私は退院し今先生の家の前に来ています！<br><br>「ここでいいよね～？　あー緊張するな」<br><br>それというのも、昨日先生が急に誘ってきて脅されたから来たんだけど……。<br>来なかったらどうなるか分かってる？　ってどっちを選ぶにしても危険だよ……。<br>にしても、きれいなアパートだな。<br>もうちょっとボロいかと思ってたのに、残念。<br><br>「ういーっす」<br><br>チャイムを鳴らすと中から間抜けな声が聞こえた。<br>約束の時間どおりに来たから私だと分かったんだろう。<br><br>「約束通りに来たよ。誰かに見られてたら知らないからね」<br><br>「大丈夫だって、ほら入れ」<br><br>偶然か不幸か先生の家は私の家から超近かったし。<br>絢さんの言ったとおり、見つかって退職させられたらどうしよう。<br>私だって停学は覚悟しなきゃいけないかも？！<br><br>「心配すんなって、勉強教えてもらってたっていえばいいじゃん」<br><br>一人勝手に慌てふためく私の心中を察したのか先生はそういった。<br>そっか、そうだよね。<br>言い訳すればなんとでもなるか。<br><br>「そうだね。あとさ、ひとつ確認するけどなにもしない？」<br><br>家に入ってしまうともう二度と戻れない気がするから私は一応確認しておいた。<br><br>「うーん、里桜次第？」<br><br>「じゃあ帰る！」<br><br>ニヤついて言った先生のその言葉に私はクルリと背を向けた。<br>せっかくの日曜に先生の家に来て襲われたなんてなったらたまったもんじゃない。<br>私、心がせまいのかな？<br><br>「嘘だって！　見せたいもんがあんの、来て」<br><br>一応先生に向きなおりはしたものの、まだ躊躇する私。<br>ならくるなよって話なんだけどさ。<br>奥に入ってしまった先生の背中を目で追いながら迷うこと数秒。<br>私は意を決して玄関に足を踏み入れた。<br>先生はドSだけど私が本当に嫌なことはしないし、信用してみるかなっ。<br><br>「見せたいものって何？」<br><br>そんなに長くない廊下を歩き、私は聞いた。<br>奥の開いてる扉の先はリビングだろうか。<br><br>「見てみたら分かる」<br><br>返ってきたのはそんな素っ気ない言葉。<br>私は、何か早く見たくてうずうずしながらリビングに入った。<br>まず目についたのは中くらいのテレビに右に置いてあるベット。<br>そして小さな一人掛けのソファ―。<br>一部屋だけだから少しせまい。<br>左に目を移してみるとそこには、私が立ってるあたりに背を向け何かをしている先生。<br><br>「わっ。子猫だ！」<br><br>ひょいっと覗くと、そこにはゲージに入った子猫がいた。<br>生まれて間もないのか、私の手より少し小さい。<br><br>「かわいーだろ？　里桜みたいだよな」<br><br>「えー、私こんなに可愛くないよ」<br><br>笑いながら私は子猫を見つめる。<br>あどけない顔でこちらを見上げる子猫。<br>超可愛い！<br><br>「抱いてみるか？」<br><br>「え、いいの？！　抱く抱く♪」<br><br>ゲージから出された子猫はきょろきょろとして、その場から動こうとしない。<br>そっと抱き上げてみると、手にすり寄ってくる。<br>すごく暖かくてふわふわ～！<br><br>「かわいいな、こいつめ」<br><br>指先で子猫の鼻をちょいっとつつく。<br>みゃあと鳴く子猫。<br><br>「やべえ！！　里桜とそっくりじゃん、その猫！！」<br><br>先生が顔を真っ赤にさせて叫んだ。<br>びくっと子猫が身を震わした。<br><br>「ちょ、声大きい！！」<br><br>「だって、あー！　可愛い！！」<br><br>じたばたとする先生は学校とは少しイメージが違う。<br>無邪気で明るい。<br>学校ではクールでいじわるだったのに……。<br>そのギャップ、反則でしょ……？<br><br>「里桜？　どうした？」<br><br>ぼんやりと先生を見つめていた私はハッとなって子猫をゲージに戻した。<br>見とれてた、なんて言えない！<br>口が裂けても！<br><br>「それより、この子猫どうしたの？」<br><br>照れを隠すように私は慌てて聞いた。<br>先生は少し笑ってソファーまで歩き腰掛けた。<br>ちょいちょいと手まねきする先生。<br>それって一人用でしょ？<br>どう座れと。<br>近くに来て首を傾げる私に先生は自分の膝を叩いた。<br><br>「座れよ、話してやるから」<br><br>「え、うん……」<br><br>若干照れながらちょこんと先生の膝に座る。<br>背中を密着させられるとドキドキが伝わってきそうで少し怖い。<br><br>「んー、小さくてクッションみてえ」<br><br>それは褒められてるのか、けなされてるのか微妙だけどどちらにせよ嬉しかったのは確かだ。<br>後ろからぎゅっとされると、すべてを任してしまいたくなる。<br><br>「あの猫はな、絢が飼ってる猫の子供。お前が入院してて俺が寂しがってるからとか言って、くれた」<br><br>別に寂しくねえのに、そう言って笑う先生の表情はここからでは見えないけれどきっと無邪気な顔で笑ってる。<br><br>「絢さんが？　優しいとこあるんだね、意外に」<br><br>「ああ、お前に似てるから寂しくないでしょ？　って言ってたぞ。ほら」<br><br>そう言ってどこから取り出したのか携帯を私に見せる先生。<br>確かにそこには絢さんらしい文面で『私があげた子猫、あの子に似てるから寂しくないでしょ。感謝してよね』と書かれてあった。<br>つい照れてしまう。<br>絢さんがそんなことを？<br>少しでもの罪滅ぼしだろうか……ていうか仲直りしたんだ、二人。<br>妬けるなー……ってそんなことないから全然！！<br><br>「先生の携帯って白なんだー。私と同じだぁ」<br><br>先生の携帯を奪いじっくり見る。<br>先生らしいシンプルな白の携帯。<br>私と同じ色だったからついはしゃいでしまう。<br><br>「お、マジで？　携帯見して？」<br><br>「いーよ」<br><br>よっと先生の膝から降りてそこに放りだしてる鞄をあさる。<br>すぐに携帯は見つかった。<br><br>「これだよ。あんまり派手じゃないけど」<br><br>そう言って先生に携帯を渡す。<br>私の携帯はストラップが一個しかついていないし、シールとかも貼ってないからシンプルっていえばシンプルだ。<br>ついてるストラップはお気に入りのクマちゃん。<br><br>「へえー。なんかほとんど同じだな。運命？」<br><br>ははっと笑う先生のその言葉にドキッとする。<br>運命？<br>携帯だけだけど運命だったらすごいよね？<br><br>「んー……」<br><br>先生は少し悩んだ素振りを見せ、私の携帯を操作し始めた。<br>器用に左手で自分の携帯も。<br><br>「何してんの？」<br><br>「メアド交換」<br><br>先生は決定キーをおしてそういった。<br>め、メアド交換！？<br>嘘嘘、ほんとに！？<br><br>「これでいつでも連絡可能♪」<br><br>はいっと携帯を私に渡す先生。<br>携帯を開くと確かに、先生のメアドがあった。<br>登録名は……彼氏。<br>こんな恥ずかしい名前で登録しないでよ！！<br><br>「それでいつでも分かるだろ？」<br><br>「は、恥ずかしすぎるよ！」<br><br>「だって先生で登録したらバレるじゃん」<br><br>う、まあそうだけど。<br>照れより嬉しさが大きいから許す！！<br><br>「ニヤつきすぎ。あー、にしても今日はいい一日だな。昼間に呼べばよかった」<br><br>確かに今は夕方だから一緒にいれる時間は短い。<br>先生曰く夕方だったら大丈夫だろうって言ってたけど、短いとやっぱ寂しいや。<br><br>「また来週来いよ。今日は送るから」<br><br>「ううん。一人で帰れるよ。だってすぐそこだもん」<br><br>「そか？　じゃあ玄関先まで」<br><br>車のキーを出しかけた先生は再びしまって、立ちあがった。<br>私も携帯を鞄に片付け、立ち上がる。<br><br>「ばいばい」<br><br>子猫にお礼を言って玄関に向かう。<br><br>「あの猫の名前、みおでいい？　里桜と似てるし」<br><br>「ん？　いーね！」<br><br>振り向き親指をたてて笑う。<br>先生もつられて笑う。<br>今日は本当に楽しかった。<br>子猫と遊んで、先生とメアド交換して。<br>ましてや家の場所まで知れた！<br><br>「じゃ、里桜。また明日」<br><br>「ん、また明日」<br><br>そう言い終わると先生は屈み、私にキスした。<br>何回しても慣れないな、このドキドキには。<br><br>「反則すぎるよ……っ」<br><br>私はそう言って急いで先生の家を出た。<br>後ろ手に扉を閉め、ずるずると座り込む。<br><br>「先生、大好き……」<br><br>顔を真っ赤にさせて私は鞄から携帯を出し握りしめる。<br>反則だらけの先生。<br>幸せだらけの休日。<br>今の私は溶けてしまうくらい幸せかも……。<br><br>『楽しかったね。また明日』<br><br>そうメールを送り、私は立ち上がる。<br>夜風が私の黒髪を揺らす。<br>明日からまた楽しくなりそう―――。
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<link>https://ameblo.jp/itigonyan/entry-10464732199.html</link>
<pubDate>Sun, 21 Feb 2010 22:00:51 +0900</pubDate>
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<title>≪第七話　愛するという気持ち≫</title>
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<![CDATA[ 「で、条件ってなんですか？」<br><br>私は静かに尋ねた。<br>絢さんは待ってましたとでも言うように、にやりと笑った。<br><br>「簡単よ、あなたにも想像つくでしょう？」<br><br>「別れて―――ということ？」<br><br>「ええ、そうよ」<br><br>やっぱりね。<br>ドラマとかでこういう展開は見たけどリアルにあるんだ……若干納得してしまった。<br>ドラマで迫られた人は冷静で、いつもどうして冷静でいられるのかって思ってたけど自分がこういう状況にあればよく分かるというものだ。<br>人は窮地に追い込まれるほど冷静になっていく――――。<br><br>「残念だけど私は別れるつもりはないよ。ましてや私たち……」<br><br>「だめに決まってるでしょ！？」<br><br>今日付き合ったばかり、と言おうとしたらいきなり絢さんは声を張り上げた。<br>あまりの声に私はビクリと肩を揺らす。<br><br>「私は、あんたとは違う。ずっとそばで亮をみて支えてきた。なのに……どうして」<br><br>絢さんの目はみるみる怒りの色に染まっていく。<br>けれど私は反抗しなかった。<br>人を愛する気持ちは誰でも同じだから。<br>それが普通の愛か、超えてしまった愛かの違いだ。<br><br>「それは、先生が決めたことでしょ？　私たちがどういっても仕方が……」<br><br>「あなたが！！　亮と別れてくれたらまたきっと戻ってくる！　だからお願い、亮を傷つけて。そしたら亮は私のものよ」<br><br>その言葉に冷静だった私の頭で何かが切れる音がした。<br>自分のためなら人を傷つけてもいいというの？<br><br>「それは間違ってるよ。確かに私が傷つければ先生は戻ってきてくれるかもしれない。けど、絢さんはそれでいいの？」<br><br>傷つけられた元恋人を再び彼氏にするということだよ？　私はそう付け加えた。<br>それはもうほとんど人の気持ちを弄んでるに等しい。<br>絢さんの気持ちは分かるけど、間違ってるものは間違ってる。<br><br>「どうしてあんたに説教されなきゃならないわけ！？　私はあんたとは違うのよ、分かる？！」<br><br>刃物を突きつけ、怒鳴る絢さんはここが病院などとは忘れているようだった。<br>完全に我を忘れている。<br>その姿にゾッとした。<br>好きという気持ちはそうまでして人を変えてしまうのか。<br><br>「絢さん、落ち付いて。話をしよう？」<br><br>身体を起こしてそう声をかけるが絢さんは聞いていないようだった。<br>亮さえ、戻ってきてくれたらいい―――そんなオーラだった。<br>ていうか私的にはあの先生にここまで好いてくれる女性がいたことにびっくりなんだけど。<br>まあ私も好きだからなんとも言えないけど。<br><br>「もういいわ、あんたにはお仕置きが必要みたいね」<br><br>何も言わない私に絢さんは刃物を振り上げた。<br>唐突の出来事に私は咄嗟に目を閉じた――――。<br><br>「絢？」<br><br>けれどいつまでたっても痛みは襲ってこなくて聞こえたのは、あの声。<br>昼間、キスして別れたあの人の声。<br><br>「りょ、亮？」<br><br>そぉっと目を開けてみるとそこには刃物を振り上げた状態の絢さんがいて、その後ろの入口に先生がいた。<br>明らかに襲ってます的なシーン。<br>誰がどう見ても、だ。<br><br>「お前、何してんの？」<br><br>「あ、違うのよ。これは誤解――」<br><br>絢さんが言い切る前に、先生は絢さんに歩み寄りふりあげた状態で静止しているその手をはたいた。<br>ぱしんっと大きくも小さくもない音が部屋に響いた。<br>カラン……と刃物が落ちる音も少し後に響いた。<br><br>「んなあぶねーもん俺の玩具に向けんなよ」<br><br>「……はい？」<br><br>今まで黙ってなりゆきを見ていた私もその言葉に反応する。<br>え、そこ普通彼女とかいうところじゃないの？！<br>ってかまだ玩具だったんだ、私……。<br><br>「玩具……？　でも亮、さっきは彼女って」<br><br>手を押さえ戸惑う絢さんに亮はふっと笑うと絢さんの顎を持ち上げた。<br>朱に染まる絢さんの頬。<br><br>「あいつは玩具という名の彼女なんだよ、覚えとけ」<br><br>「意味分かんない、なんで？　なんであの子なの？」<br><br>朱に染まった頬で泣きそうになりながら絢さんは消え入りそうな声で問いかける。<br>さっきまでの妖しげなオーラはもうなくて、絢さんはただの『恋してる女性』になっていた。<br><br>「生徒よね？　犯罪なんだよ？　亮、やっと教師になれたのに辞めさせられちゃうよ？」<br><br>「知ってる、バレなきゃいいんだよ。んなこと百も承知だ」<br><br>「本当に、好きなの？」<br><br>絢さんの問いかけに私はごくりと喉を鳴らした。<br>先生はどう答えるのだろう？<br>また馬鹿にするよね、きっと。<br><br>「ああ、好きだよ」<br><br>ほらね、馬鹿に……ってええ！？<br>今なんと！？<br>いくら昼間、彼女になれたからって先生の性格が素直になるとは思えないんだけど！！<br>第一、こんな夜中に来るってことはまたよからぬことを考えてたに違いないし。<br><br>「馬鹿……馬鹿馬鹿！！　もう知らないんだから！！」<br><br>ありきたりなセリフを吐いて絢さんは先生の手を振り払い部屋を出て行った。<br>扉くらい閉めていってよ……とかどうでもいいことを私は思っていた。<br><br>「照れた？　あの言葉」<br><br>にひひと先生は何事もなかったかのように笑う。<br>どこまで平和なひと……私がどんな目に合ってたと思ってんのよ？<br>まあ絢さんは本当はモロいことは分かったし、最初から危害など加える気はなかったのだろうな、とは思うけど。<br><br>「別に、照れてなんかないし？！　第一、絢さんいいの？」<br><br>「何が？」<br><br>「あんな綺麗な人、おしいよ？」<br><br>おずおずと上目で先生をみる。<br>先生は困ったな、というように髪をかきあげた。<br>不覚にもきゅんとする。<br><br>「あいつ、確かに形では付き合ってた。けど中身はあいつの思いすごし！」<br><br>迷った挙句、といった感じで先生はそういった。<br>形？<br>思いすごし？<br>不思議そうな顔でいる私に先生は話し始めた。<br>絢さんとの過去を――――。<br><br>絢さんと先生が付き合い始めたのは先生が教師になる前だった。<br>それまでは絢さんはずっと先生の傍で支える立場だったらしい。<br>けれどある事件が起きて先生は絢さんと形だけでも付き合うことにしたんだって。<br>もちろん絢さんには本当に付き合ってるふりをしながら―――。<br>ある事件とは絢さんのストーカー事件。<br>あまりにもひどすぎるというわけで、そのストーカーの前で絢さんに想いを伝えたんだって。<br>そうすることでストーカーを諦めさせられるかも、と思ったそう。<br>もちろん半分は嘘も入っていただろう。<br>けれど絢さんはそれを信じ切ってしまって、ストーカー事件が終わってからもそんな関係が続いた、と―――。<br><br>「ま、しゃあないか」<br><br>しゃあないで済ませる問題じゃないと思うよ、先生？<br>でも先生は絢さんに真実は伝えなかったのだろうか。<br>そんな質問がでてきたけどあえて聞かなかった。<br>先生には絢さんを守ってあげたい、そう思える部分がどこかにあったのだろう。<br><br>「先生の過去、少し知れてうれしいな……」<br><br>ふいにでた言葉。<br>ハッとした時にはもう遅くて、ニヤニヤの先生の顔が迫っていた。<br>しまった、この人がドSなのを忘れていたよ。<br><br>「それはどういうことかなぁ、里桜ちゃん？」<br><br>「別にふかーい意味はないです、はい」<br><br>「深い意味はないのに言ったの？」<br><br>うぐっ。<br>どこまでも痛いところをついてくるな、この人は。<br><br>「それより！　なんで先生ここにいるわけ？！」<br><br>顔を近づけてきた先生を押し戻しながら私は慌てて聞いた。<br>絢さんもそうだけど、面会時間すぎたら入れないんじゃないの？<br><br>「ん？　テクニック、だな」<br><br>セクシーなポーズをしながら言う先生に私は冷たい眼を向けると無視して話を続けることにした。<br><br>「どうせまたいたずらしにきたんでしょ？」<br><br>「お、突っ込み無しだが勘は鋭いな」<br><br>変な言いまわし……。<br><br>「やっぱりね、なんか昨日もそうだったよね？　デジャブ？」<br><br>昨日も準備室で助けられたっけ。<br>つくづく私はドジだな、なんて思う。<br><br>「あんさー、もう我慢できないんだけど。していい？」<br><br>人の話は無視ですか？！<br>てかこの人どんだけ直球すぎるの！？<br>いやまあキスだけならいいかなぁーなんて、私もなに考えてんのよ！？<br><br>「待っ……」<br><br>「待たない」<br><br>素早く本日二度目のキスをする先生。<br>そのキスはさっきまでの出来事を忘れさせてくれるような優しい一瞬だけのキスだった。<br><br>絢さんも好きだったんだよね。<br>人を愛するということは素敵だよね。<br>今なら絢さんの気持ちが分かる気がする。<br>こんなガキが大人のこと分かるなんてわけないけど。<br>ほんのちょびっとだけ分かった気がしたんだ。<br>人を愛するということ、それはすごく幸せ。<br>でも辛いっていうことを――――。
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<link>https://ameblo.jp/itigonyan/entry-10464729920.html</link>
<pubDate>Sun, 21 Feb 2010 21:57:35 +0900</pubDate>
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<title>≪第六話　一難去ってまた一難≫</title>
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<![CDATA[ 「んじゃ、俺もう戻る。ゆっくり寝とけよ？　泣き虫けが人」<br><br>私から体を離し、クスッと笑う先生。<br>その言葉に少しムカっとする私。<br>泣き虫は余計だって……。<br><br>「泣き虫じゃないもん」<br><br>ふくれてそういうのが今はやっと。<br>幸せすぎて何も言えない、というのが現状。<br><br>「とか言って泣きそうだぞ？　これから俺の彼女になるのにそんくらいで泣いてどうすんだよ」<br><br>「っ！」<br><br>あっさり恥ずかしげもなく言う先生はやっぱりいじわるだ、と私は思った。<br>そしてちゃっかりこれから起こることを説明してるような――――。<br><br>「じゃーな」<br><br>顔を真っ赤にさせている私を軽く流すと先生は病室を出て行った。<br>途端にまたズキズキと痛む身体。<br>痛みさえも忘れる幸せってことか。<br><br>「せんせー……の彼女、かぁ」<br><br>妙に間延びして私はつぶやきベットに横になる。<br>そういえば私は先生のこと何も知らないや。<br>私が彼女になるのはいいけど、元カノっていうかそういう類の人はどうするんだろう。<br>後先考えずに告白しちゃったけど……。<br>心配だな。<br><br>変な心配を抱きつつ私は目を閉じた。<br>さっきのことが思い出されて顔が赤くなりそう。<br>唇にまだ先生の暖かさが残ってる気がするくらい。<br>後に私は幸せの余韻に浸りながら深い眠りへと落ちていった―――。<br><br>＋　＋　＋　＋　＋<br><br>ふとした視線を感じ私は重い瞼を開けた。<br>ずいぶん眠っていたらしい。<br>辺りは真っ暗だった。<br>そんな暗闇に浮かぶ一つの影。<br>私が目を開けたのに気がつかないのかその影はゆらゆらと扉辺りを動いている。<br>ま、まさか幽霊？！<br><br>「だ、誰？」<br><br>恐る恐る声をかけてみる。<br><br>「あら、目が覚めたのね」<br><br>ほっと私は安心する。<br>幽霊なら返事しないから、きっと看護師さんか誰かだったんだろう。<br>声は女の人のものだ。<br><br>「いけない子猫ちゃんね、こんな可愛い顔して」<br><br>いつの間に近くに来たのか、その女性は私を見下ろしていた。<br>看護師さんじゃ、ない―――！<br>その素早さに若干驚きつつ、私は喉を鳴らした。<br>窓から差し込む月明かりで分かるその顔は美しかった。<br>ぼんやりと照らしだす月明かりがよりいっそう、そう見せたのだろう。<br><br>「何を言っている――」<br><br>疑問の声をあげかけたとき、私の目は何かの光でくらんだ。<br>とっさに目を閉じる。<br>少しして目を開くとそれは携帯電話のディスプレイだった。<br>一瞬ではなんの画面か分からなかったけど、徐々に目が慣れてくるとそれがなんなのか分かった。<br>―――笑った顔の先生の待ち受け。<br><br>「亮の写メよ。わかるでしょう？」<br><br>私はハッとした。<br>この人、先生と知り合いだ。<br>呼び捨てにするということはかなりの仲良しか。<br><br>「う、うん。だって副担だから……」<br><br>「そう。それだけ？」<br><br>「え？」<br><br>女性はパタンと携帯を閉じると私を睨んだ、ように見えた。<br><br>「私は中原　絢。亮の彼女」<br><br>淡々というこの人――絢さんは先生の彼女だった。<br>でも私はなぜか泣いたりはしなかった。<br>多少なりともショックは受けたが、どこか心の中では覚悟してたから。<br>２０代で彼女がいないっていうのも珍しいしね。<br>でもどうして彼女さんがここにいるの？<br><br>「亮も物好きね、こんな小さな子、それも年下を好きになるなんて」<br><br>じゃああなたは年上？とは聞かなかった。<br>小さいは余計だ、いくら自分が大きいから（サイズじゃないよ）って……。<br><br>「何しに来たの？　っていうか面会時間すぎてますよ」<br><br>「知ってるわ。その方が都合いいもの」<br><br>妖しく笑む絢さんは大人のオーラを醸し出している。<br>先生と並ぶと絵になるだろうな、と思ってしまうほど。<br>私がなにもできずに絢さんを見つめていると絢さんは鞄からあるものを取り出した。<br>月明かりにキラリと光るそれは―――鋭利な刃物だった。<br><br>どうして絢さんは私と先生が付き合ってる（？）ことを知ってるの？<br>どうしてそんな凶器を私に向けるの？<br>どうしてここに来たの――――？<br><br>様々な疑問が浮かぶほど、私は冷静だった。<br>教師と付き合うのだからこういう危険くらいは覚悟してた。<br>さすがに元カノの登場にはびっくりだが。<br><br>「殺しはしないわ。条件をのんでくれたらね」<br><br>もう……すべてを運命に委ねよう。<br>私がどうあがいたって狂った歯車はもとには戻らない。<br>狂わしてしまったのは私だけれど――――。
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<pubDate>Sat, 20 Feb 2010 01:34:42 +0900</pubDate>
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<title>≪第五話　怪我をすることは悪いことばかりじゃない≫</title>
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<![CDATA[ <p>暖かい……。<br>すごく暖かいものに包まれてる気がする。<br>その暖かさが体中の痛みを緩和していくみたいだった。<br><br>「里桜ー！　里桜！」<br><br>どこかで誰かが呼んでる。<br>私は気だるく目を開けた。<br>そこにいたのは翔だった。<br>あの暖かさはもうない。<br><br>「よかった！！　目が覚めた……って泣いてるの？」<br><br>ハッとして私は頬に手を当てる。<br>私、泣いてたの―――？<br><br>「そんなことないよ、ここ……は？」<br><br>頬の涙をぬぐい翔に聞く。<br>けど聞くまでもなくそこが病院だということは分かっていた。</p><p>白い壁、白い天井で。<br>ただ何かを聞かないと不安が押し寄せそうだったから。<br><br>「病院だよ。沢渡が運んでくれたんだよ」<br><br>「先生が？」<br><br>ぎょっとして目を見開く。<br>だって私はフラれたも同然だったわけでしょ！？<br>なんで先生が……。<br><br>「俺も詳しいことは知らないんだ。偶然、学年主任の先生が里桜のこと話してて……飛んできた」<br><br>照れたように笑う翔。<br>そうだったんだ。<br><br>「ありが……」<br><br>「里桜！」<br><br>私がお礼を言おうとしたときだった。<br>私の名を叫びながら部屋に飛び込んできたのは先生だった。<br>今は何時か分からないけれどあの出来事の後だ。<br>まともには顔を合わせられない。<br><br>「荒谷…なんでここにいるわけ？」<br><br>息を切らした先生は眉間にしわを寄せる。<br><br>「飛んできたんですよ。心配だったから」<br><br>「おまえ、今日学校だろ？　早く戻れよ」<br><br>先生の言葉は冷たい。<br>何にかは分かんないけど本気で怒ってることだけは確かだった。<br><br>「先生に言われなくても戻りますよ。でも」<br><br>「なんだよ」<br><br>「あんまり里桜をいじめないでくださいね？　僕の未来の彼女なんですから」<br><br>翔は不敵な笑みを浮かべて先生に挑発してる……ように見える。<br>それって告白？<br>でもなんで？！<br><br>「か、彼女って……馬鹿じゃないの？」<br><br>今まで黙っていた私は険悪な空気を破るためにわざと明るく翔をけなした。<br>今は喧嘩してほしくない……ましてやここ病院だし。<br><br>「馬鹿じゃないよ、真剣。たとえ里桜が別の人を好きでも俺は待ってるから」<br><br>ベットに片膝をつき翔はそういうと私の頬にそっとキスした。<br>途端に真っ赤になる私の顔。<br>先生はそれをどう受け取ったかは知らないが無理矢理翔を私から引き剥がした。<br><br>「早く戻れ、サボり」<br><br>低くそう言い放つと先生は翔を部屋から追い出した。<br>急にしんとなる病室。<br>空気が重い……重すぎる！<br><br>「あの～……私、どうして病院に」<br><br>「馬鹿野郎」<br><br>はい？<br>重要な質問を遮って生徒をけなす人がいますか！？<br>しかも馬鹿野郎って……。<br><br>「隙がありすぎんだよ」<br><br>「す、隙？」<br><br>何がなにやらわからない私は首を傾げる。<br>頭には大量のハテナマーク。<br><br>「キス、されてんじゃねえよ」<br><br>「え……やきもち？」<br><br>ふいに出たその言葉に私はハッとする。<br>そんなわけない。<br>だって私は玩具だから、やきもちなんて妬くわけ――――。<br><br>「だったら悪い？」<br><br>顔を背ける先生の顔は赤い。<br>何で何で！？<br>だってさっきはフったじゃん。<br>期待、してもいいの―――？<br><br>「俺さー、ツンデレなんだよね」<br><br>私のベットに腰をかけながら先生はそういって頭をかく。<br>ツンデレ？<br>それって……。<br><br>「まさか泣くとは思わなかった、ごめん」<br><br>「べ、別に……泣いてなんかないし」<br><br>とは言っている私の目には大粒の涙が。<br>それっていいんだよね？！<br>そういう意味にとっても……。<br><br>「里桜は可愛い、好きだよ」<br><br>「ふえ……？！」<br><br>泣いてる私の頬の涙をぬぐうように優しくキスする先生。<br>翔にされたときは比べ物にならないくらい私の顔はゆでダコ状態。<br><br>「正直、お前が階段から落ちた時焦った。俺のせいかもって」<br><br>耳元でささやく先生の声は優しくて暖かい。<br>ああさっきの暖かさは先生の腕だったんだ、と今更感じた。<br>運ばれてたから、あんなにも―――。<br><br>「そんなこと……ないぃ」<br><br>「里桜はすぐ泣くんだな、俺が泣かしてるみたいじゃん」<br><br>「う、嬉しいの！」<br><br>ぐすぐすと鼻をすすっているから説得力ないかもだけど。<br>すごく、すごくうれしい。<br>今なら死んでもいい……かも。<br><br>「里桜、こっち向いて？」<br><br>どきっとした私は首を振る。<br>こんな泣いてる顔、見られたくない！<br><br>「こっち向かないと襲うよ？」<br><br>「……！」<br><br>私はすぐさま先生の方を向いた。<br>襲われるなんてたまったもんじゃない！<br><br>「正直でよろしい。これ―――ご褒美な？」<br><br>「んっ……」<br><br>唇を重ねる先生。<br>前の私なら絶対抵抗してただろう。<br>でも今は、先生の背中に手をまわし身を任せている。<br>幸せだった。<br>ここが病院、私が怪我人ってことを忘れるくらい幸せな瞬間だった。<br><br>私は思ったのです。<br>たまには怪我するのもいいかな――――と。<br>明日からはどうなるか分かんないけど、今が幸せだからいいよね……先生？</p>
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<link>https://ameblo.jp/itigonyan/entry-10463286859.html</link>
<pubDate>Sat, 20 Feb 2010 01:33:01 +0900</pubDate>
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