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<title>あまから。</title>
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<description>お題に沿ったＳＳを色々書きたいなと思ってます。ジャンルは乙女ゲームメイン。（Vitaminシリーズ・STORM LOVER・ネオロマンスシリーズ等）基本ＮＬ。もしかしたらＢＬもやるかも。カプは雑食の予定です。</description>
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<title>うさぎの気持ち（悠人×由奈）</title>
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<![CDATA[ <p>　セントルイス・ハイの生徒会長、卯都木悠人。</p><p>　容姿端麗・成績優秀・家柄も文句なし。人心掌握術にも優れ、カリスマ性もある。まさに、人の上に立つ為に生れてきたような男。</p><p>　若干ナルシストの気があったり、家が裕福過ぎて金銭感覚が一般人とずれていたりもするが、それも愛嬌と言えるだろう。</p><p>　全生徒に、悠人に対してどう思うかとアンケートを取ったならば、（一番振り回されている恭介を除いて）殆どの人間が高評価を下すだろう。彼にはいろいろ助けてもらっている、等と。</p><p>　かくいう由奈も、転校初日から彼には助けられていた。そしてそれは、転校から数カ月経った今でも変わらない。</p><br><br><p>「今帰りか、由奈？」</p><p>　校門を出たところで、優しい声に呼び止められる。振り返れば、彼もちょうどこれから帰るところなのか、隣に黒塗りの立派な車を従えた悠人が立っていた。運転手の男性が、丁寧に会釈をしてくれた。</p><p>「悠人先輩。先輩もこれから帰るんですか？」</p><p>「ああ、まぁな。どうだ、良ければ一緒に帰らないか」</p><p>「えっ」</p><p>　悠人の言葉で、運転手が素早く動きドアを開けてくれるが、由奈は首を横に振った。</p><p>「い、いいです！ちょっと寄りたいところもあるし、歩いて帰れるのでっ」</p><p>　彼の申し出は嬉しいのだが、あの立派な車に乗ることに気が引けてしまう。申し訳なく思いながら辞退すると、悠人は「そうか」と呟いて、運転手に目配せした。すると、黒塗りの車は悠人までも残してその場を走り去っていった。</p><p>「せ…先輩？」</p><p>「さぁ、行こうか由奈」</p><p>「いいんですか？車…」</p><p>「構わないさ。俺はお前と帰りたかったんだ」</p><p>　ついでにデートもするか。そう言って優雅に微笑んだ悠人に、由奈も笑顔を返した。</p><br><br><br><p>　帰宅して一息ついた後の由奈の日課は、部屋で「ＢＢＳ」のチェックだ。セントルイス・ハイの生徒たち専用の掲示板…様々な情報が書き込まれているそこを見るのは、由奈だけでなく殆どの生徒たちの日課だろう。</p><p>　いつものように開いた掲示板のスレッドタイトルに、よく見慣れた人物の名前があった。</p><p>―卯都木生徒会長に彼女！？―</p><p>　まるで芸能ニュースの見出しのようなタイトル。ドキドキしながら、そのタイトルをクリックする。</p><br><br><p>・卯都木生徒会長と、２年の五十嵐さんって、よく一緒にいるよね</p><br><p>『私の名前だ…！！』</p><br><p>・あ、この前一緒にお昼食べてるの見たよ</p><p>・自分も見たことある。よく見るね、確かに。</p><p>・今日も一緒に帰ってるの見た！！</p><p>・やっぱり付き合ってるのかな</p><br><br><p>『………』</p><p>　一レス一レス読むごとに、胸が高鳴っていく。</p><br><p>・そうなのかな…ショックだ～！</p><p>・え～でも、会長って誰にでも優しいし、一緒にいるの見たことあるのって別に五十嵐さんだけじゃなくね？</p><p>・同意！転校生だからって、会長が気を使ってくれてるだけだろ</p><p>・そうそう。今までにも、会長に優しくされて勘違いした子いるみたいだし。何もないんじゃん？</p><p>・それ希望入ってね？</p><br><p>「…………」</p><p>　ウインドゥを閉じる。</p><p>　ほんの数秒ほど前まで、あんなに高鳴っていた心臓が一気に大人しくなっていた。体の芯まで冷たくなったような、そんな気さえした。</p><p>　悠人は、いろいろ構ってくれる。定期的に気遣ってくれるようなメールをくれるし、昼食を一緒に取ったり、今日のように一緒に登下校したり。</p><p>　「困ったことがあったら、いつでも相談してくれ」そう何度も言ってくれて、とても優しくしてくれる。</p><p>　これだけしてもらえば、自分は彼の「特別」だと思っても仕方ないのではないだろうか。けれど、確かに。悠人に、ハッキリと好意を示す言葉をもらったわけではないのだ。</p><p>「勘違い、なのかな…私の…」</p><p>　携帯を開けば、悠人からの何気ないメールが届いていた。</p><p>「悠人先輩。…私たちって、付き合ってる…んですか？」</p><p>　何度もそう打とうとして、何度もやめた。返事が返ってくるのが、怖かった。</p><br><br><br><br><p>「いってきま～す…」</p><p>　結局、あのまま眠れなかった。眠ったのかもしれないが、夢の中でもずっとあの書き込みが気になって仕方なくて、全然休んだ気がしなかった。</p><p>　フラフラと歩いていると、黒塗りの車が横をすり抜けていく。少し手前で停車すると、中から悠人が降りてきた。</p><p>「先輩…」</p><p>　車が走り去ると、悠人は由奈を見て微笑んだ。</p><p>「おはよう、由奈」</p><p>「お、おはようございます…」</p><p>　いつもと変わらない笑顔。悠人はＢＢＳを見ていないのだろうか？</p><p>「？どうした、元気がないようだが…具合でも悪いのか？」</p><p>「い、いいえ！大丈夫ですよっ」</p><p>「そうか？それならばいいが…。辛かったらすぐに言うんだぞ」</p><p>「はい…ありがとうございます」</p><p>　相変わらず優しい。</p><p>『悠人先輩。こんなに気遣ってくれるのは、「私」だからですか、それとも…セントルイス・ハイの生徒、だからですか…？』</p><p>　言葉は何度も出かかって、喉の奥で飲みこまれた。</p><p>　そんな、悶々とした気分のまま並んで歩いていると、後ろから呼びかける元気な声が聞こえてきた。</p><p>「おぉ～い、五十嵐～っ」</p><p>「？」</p><p>　振り返ると、自転車に乗った隆志が手を振りながらこちらへ向かってきていた。</p><p>「隆志くん」</p><p>「よっす、五十嵐！あ、会長もいたんスか。おはようございますっ」</p><p>「ああ、おはよう」</p><p>「なぁ五十嵐、昨日も会長と一緒に学校来てたよな？お前と会長ってさ、やっぱ付き合ってんのか？」</p><p>「！！」</p><p>　突然突きつけられた、知りたくて仕方なかった疑問に思わず固まる由奈。無知とは恐ろしいものだ。</p><p>「な、隆志くん何言って…！！」</p><p>「そうだが、それがどうかしたか？」</p><p>「へっ？」</p><p>　たしなめようとする由奈の言葉を遮るように、悠人が言葉を返した。その、あまりにも自然に発せられた肯定の言葉に、由奈の口から間抜けな声が漏れる。</p><p>　彼を見れば、不思議そうに首を傾げられた。</p><p>「ん？なんだ、その顔は。違ったのか？」</p><p>「やっぱそうなのか～！くっそぉ～いいな、俺も彼女欲しいぜ！…っと、しまった俺朝錬あるんだった！じゃあなっ！！」</p><p>　隆志は一人騒ぐと、また慌ただしく走り去って行く。</p><p>　由奈は、何も言えずただ悠人を見上げる。</p><p>「由奈、何か言ってくれないか。まさか俺の勘違いだった、とかではないよな？」</p><p>　苦笑を浮かべる悠人。けれどその瞳に不安の色はない。</p><p>「…先輩、ずるいです。わかってるくせに…」</p><p>「…そうだな」</p><p>　彼の手が伸びてきて、そっと頭を撫でてくる。その温かな手のぬくもりに思わず目を閉じる。</p><p>「改めて言おう、由奈。俺と付き合ってくれるか」</p><br><br><br><br><br><br><br><p>悠人×由奈でした～。</p><p>いろいろ難産でした。</p><p>悠人って好きだけど、結構単品だと大してキャラ濃くない気が（笑）</p><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/jamharuka/entry-10923410107.html</link>
<pubDate>Wed, 22 Jun 2011 15:40:47 +0900</pubDate>
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<title>無題（翼＆清春＆悠里）</title>
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<![CDATA[ <p>「んもぉぉっ清春くんってばっ！！」<br>　広い広い聖帝学園校舎内に響く、悠里の怒号。<br>　彼女が高等部に赴任し、清春のクラス担任及び補習担当を引き受けて数ヶ月。時間を問わず響き渡るその声は、もはや学園名物だ。<br>　今日も今日とて清春のしかけたイタズラに引っかかった悠里は、渡り廊下にて、真壁財閥特製トリモチの餌食となっていた。<br>「…何をしている？担任」<br>「あっ翼くん！」<br>　ジタバタしている悠里へ、通りがかった翼が呆れたような声をかける。<br>「また清春のtrapに引っかかったのか。懲りない奴だな…永田！」</p><p>「はい、翼様」 </p><p>　ため息交じりに翼が指を鳴らすと同時に、彼の秘書が音もなく現れる。恭しく差し出されたその手にあるものは、どこの家庭にもある中性洗剤だ。翼はそれを受け取ると、悠里を拘束するトリモチへと注いだ。途端、彼女をがんじがらめに縛り付けていたそれは一気に水分を失いボロボロと崩れ落ちていった。</p><p>　真壁財閥特製トリモチは、家庭用中性洗剤によって中和される、地球に優しいトリモチなのだ。</p><p>「立てるか？」</p><p>「あ…ありがとう、翼くん」</p><p>　差し出された手を取って立ち上がる悠里。しかし彼女を見る翼の目は少々冷たいものだ。</p><p>「まったく…これで、俺に助けられるのは何度目だ？担任」</p><p>「………３回目、かな」</p><p>「ちなみに草薙様、七瀬様、風門寺様、斑目様、トゲー様にもそれぞれ助けていただいておりますね」</p><p>　翼の背後で、永田がまったく有り難くない注釈を付けてくれる。</p><p>　ますます呆れた視線を送ってくる翼に、さすがの悠里も居心地の悪さを感じた。</p><p>「俺たちに勉強しろ勉強しろと言うのなら、貴様も学習して、清春trapに引っ掛からないようにするんだな」</p><p>「そうね、気をつけるわ…ありがとう」</p><p>「わかればいい。…永田、担任にアレを」</p><p>「はい」</p><p>　ひとつ返事をして、永田が懐より何かを差し出す。それは手のひらサイズの洗剤ボトルだった。</p><p>「今後、お一人の時でも脱出できるように持ち歩かれた方が良いかと存じます」</p><p>「あ、ありがとうございます…」</p><p>「行くぞ、永田」</p><p>　悠里がそれを受け取ったことに満足したのか、翼はやっと笑顔を浮かべてその場を去っていく。その背中を見送っていると、廊下の陰に小さな人影があることに気付いた。</p><p>「清春くん！」</p><p>　近寄ってみれば、そこに立っていたのは先程からずっと探していた仙道清春その人だった。</p><p>「やっと見つけたわよ！さぁ、今日こそちゃんと補習を…」</p><p>「さっき、カベと何話してたんだよ」</p><p>　なぜか不満そうな表情を浮かべている彼は、唇を尖らせながらそう尋ねてくる。</p><p>「何って、あなたのイタズラから助けてもらってただけよ。でもおあいにくさま！今洗剤ももらったからね、これからはそう簡単にトリモチには引っ掛かってあげないわよ！！」</p><p>　ボトルをちらつかせながら得意げに話す悠里。ますます、清春の眉間にしわが寄った。</p><p>「…そうかよ。安心しな、もうあのイタズラはつかわねーよ」</p><p>　吐き捨てるように言って背を向ける清春。</p><p>「…清春くん。なにか拗ねてる？」</p><p>「！！」</p><p>　はじかれたように振り返った清春の顔は、真っ赤に染まっている。鋭い視線で睨みつけてくるけれど、頬が真っ赤であるせいか迫力はイマイチだ。</p><p>「清春くん？」</p><p>「バッッッカじゃねーの！？俺様が何を拗ねてるってんだぁ？んなワケねーじゃん！！」</p><p>　一気にまくしたてて、走るようにその場を後にする清春。取り残された悠里は、何がなんだかわからず首を傾げるばかりだった。</p><br><br><br><br><br><br><p>★お題に合わせようとして合わせきれませんでした。</p><p>…ちょーっとばかり出来に満足できないのですが（汗）</p><p>投稿数を稼ぎたいのでアップ（笑）</p><p>清春って、Ｂ６の中で一番子供だと思う。良い意味でも、悪い意味でも。</p><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/jamharuka/entry-10902973051.html</link>
<pubDate>Wed, 25 May 2011 20:39:27 +0900</pubDate>
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<title>先生と生徒（犬塚←由奈？）</title>
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<![CDATA[ <p>　犬塚がなぜ、教師の道を選んだか。そしてなぜ今、養護教諭を務めているか。実は聞くも涙、語るも涙な裏話があったのだ…と言ったら、一体何人の人間が信じるだろうか。</p><p>　どうせ女子高生に囲まれて仕事したいとか、あわよくば手に入れたいとか、そんな不純な動機なんだろう。</p><p>　きっと殆どの人がそう言って白い目を向けてくるに違いない。</p><p>　それに対して100パーセントの否定を返せるかと問われれば答えに窮してしまうが、決してそれだけが理由ではない。第一、そんな不純な動機だけでこなせるほど教職というものは楽ではないのだ。この並大抵の労力ではない仕事を選んだのには、それはそれは高尚な理由が確かにあったのだ。今はもう、欠片も覚えていないけれど。</p><br><br><p>　そんな（自称）勤勉養護教諭も、授業中は比較的暇だったりする。ベッドで休んでいる生徒もいないし、差し迫った書類仕事もない。おまけに、今日はとてもいい天気だ。</p><p>　校庭では、どこかのクラスの男子生徒がサッカーをしている。遠目からでも目立つ赤髪と、それに食らい付いてボールを奪おうとしているアゴヒゲ…恭介と奏矢がいるということは、２年生か。</p><p>『張り切るのは結構だが、頼むから怪我すんなよ～』</p><p>　男の怪我の手当てなんて冗談じゃないからな。</p><p>　やっぱり教師らしからぬことを考えながら試合を眺めていると、突然保健室の扉が開かれた。</p><p>「せ…先生…」</p><p>　そこに立っているのは、体操着の由奈だった。彼女は確か恭介たちと同じクラスだった。女子は体育館で授業をしていたのだろう。</p><p>「どうした？五十嵐」</p><p>　ふと視線を落とすと、彼女の左膝がすりむけていて血も流れている。相当思い切り転んだのか、見るからに痛そうだ。</p><p>「ちょっとドジして転んじゃって…」</p><p>「それは大変だな。よし、手当てしてやるからそっちのベッドに…」</p><p>「けっこうです」</p><p>　ぴしゃりと犬塚の提案を却下して、由奈は自分で手当てを始める。犬塚も仕方なく、彼女の好きなようにさせて再び校庭へと視線を向けた。</p><p>「えっと…コレ、かな」</p><p>「…」</p><p>「…っ…痛…っ」</p><p>「…」</p><p>「………っ」</p><p>「…あぁもう、何やってんだお前はっ」</p><p>「へっ！？」</p><p>　我慢がならなくなって、座る由奈の前に膝をつく犬塚。その剣幕と勢いに、由奈の目は完全に丸くなっていた。</p><p>　犬塚の手が、彼女の左足首を掴むと、由奈の体が強張った。何かを耐えるように歪められるその顔に、犬塚は大きなため息を吐く</p><p>「…やっぱりな。お前、足首捻ってんじゃねぇか」</p><p>「………」</p><p>「擦り傷だけならともかく、コレも自分一人で手当てするつもりだったのかよ？ぶきっちょが」</p><p>「…うぅ」</p><p>　自力で手当てした膝小僧は歪な形に切られたガーゼが、これまた歪にちぎられたテープで留められている。おまけに留め方が緩くて、既に傷口がガーゼの隙間から顔を覗かせていた。</p><p>　あまりにへたくそな手当てにもう一度ため息を吐きながら、犬塚はまず捻った足首の固定を始める。腫れた様</p><p>子はないから、軽い捻挫だろう。熱をもっている患部に湿布を貼り、丁寧に包帯を巻いていく。</p><p>　その間中、由奈の体は強張りっ放しだった。痛みに耐えているというよりは、恐らく。</p><p>『…俺に怯えてんのかね』</p><p>　普段の言動が言動だけに、女生徒が自分と一対一で保健室にいるというのは大変な恐怖が伴うのだろう。</p><p>『別に、今まで一度だってマジで手を出したことなんてないんだけどな』</p><p>　まぁ、自業自得か。</p><p>　そう思って諦めようとも思うけれど。やはりこうやって、あからさまな態度で見せられるとさすがに傷つく。これでもガラスハートなのだ。</p><p>「お前な…自力で手当てもできないくせにそんな警戒するくらいなら一人じゃなくて誰かに付き添ってもらえば良かっただろ。馬鹿か」</p><p>　思わず言葉に刺が混じってしまうのも仕方ない。</p><p>「…だって」</p><p>　由奈が唇を尖らせる。</p><p>「だって…先生と、二人で会いたかったから…」</p><p>「え」</p><p>　間抜けな声が漏れる。今、こいつは何て言った？</p><p>　反射的に顔を上げて見れば、由奈は耳まで赤くしてそっぽを向いている。その反応は、今の言葉が空耳ではないということを示していた。</p><p>　遠くでチャイムが鳴っている。俄かに廊下が騒がしくなってくる。けれど、保健室の中はまだ、時が止まっているかのように静寂に包まれていた。外の喧騒が、まるで異世界の出来事のようだ。</p><p>「いが…」</p><p>「由奈ぁぁぁぁっ！！」</p><p>　犬塚が名前を呼ぼうとした瞬間。ドタドタドタと騒々しい二つの足音と叫び声と共に、保健室の扉が乱暴に開け放たれた。</p><p>「！？」</p><p>　見ればそこには汗だくで息を切らしている恭介と奏矢の姿が。</p><p>「由奈、無事か！？」</p><p>「由奈！何もされてないよな？大丈夫だよな！？」</p><p>　ズカズカと入ってきた二人は、心底心配そうに由奈の元へ寄る。その真剣な表情に犬塚はもちろん、当の由奈自身も目を丸くした。</p><p>「恭介くんも奏矢くんも…どうしたの？」</p><p>「申谷から聞いたんだ。お前が授業中に怪我して、一人で保健室に行ったって」</p><p>「だから俺たち、心配ですぐに来たんだ！」</p><p>「そうなんだ？ありがとう。でも大丈夫だよ、怪我って言ってもそんな大事じゃないし…もう手当てもすんだもん」</p><p>「本当に大丈夫か？…その」</p><p>　チラリ、と恭介の視線が犬塚に向けられる。</p><p>「何も、されてないか？」</p><p>「？うん、手当てしてもらっただけ」</p><p>「おいおい、お前らなぁ…」</p><p>　本日三度目の大きなため息とともに、犬塚はやっと口を挟んだ。</p><p>「お前ら、俺を何だと思ってんだ。俺だってなぁ、妄想と現実の区別くらいつくんだよ。こんな真昼間から生徒相手に手なんか出すか」</p><p>「いーや、あんたならやりかねないな！」</p><p>「んだとこのガキ！！」</p><p>「由奈、行こうぜ。申谷も心配してたし」</p><p>「あ…うん…」</p><p>　半ば強引に、由奈を連れていく二人の騎士。保健室を出る直前に振り返った由奈は申し訳なさそうに頭を下げて、失礼しますと言葉を残していった。</p><p>　途端に、静寂が戻る室内。</p><p>「ったく…騒がしい奴らだな」</p><p>　</p><br><p>　恭介と奏矢、二人が由奈のことを想っていて牽制し合っているのは気付いていた。というか、恐らく彼らを知る全員が気付いているだろう。噂では、由奈がどちらの手を取るかというトトカルチョまで始まっているというくらいだ。</p><p>　その渦中にある由奈が、先ほど呟いた言葉。</p><p>『先生と二人で会いたかったから』</p><p>　その言葉の真意はどこにあるのだろう？</p><p>　もし、額面通りの言葉だったとしたら。</p><p>「…どうしたもんか…」</p><p>　素直に喜んでいいのか。手を伸ばしてしまっていいのか。</p><p>「あいつらにライバル視されるってのは…かなり厄介そうだけどな…」</p><p>　とりあえず、自身の内に否定の感情が無いことに気付いて、知らず苦笑を零す犬塚だった。</p><br><br><br><br><br><br><p>　</p><p>　★犬塚先生って、なんだかんだで良識的なんだと思います。だって先に酉水先生の方が生徒と付き合っちゃうくらいだしね！（笑）</p><p>恭介と奏矢を、台詞で書き分けられません…（泣）難しい。</p><p>このお題なら、Vitaminシリーズで書いた方が自然なのかもしれないけど、あえてこっち。しかも、非攻略対象！！</p><p>王道を外すことが快感です（笑）</p>
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<pubDate>Mon, 16 May 2011 21:36:51 +0900</pubDate>
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<title>プラネタリウム（奏矢×由奈）</title>
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<![CDATA[ <p>　某猫型ロボットアニメに出てくるヒロインではないけれど、女の子というものは総じて入浴…長風呂が好きなものである。体の芯から温まって、疲れがお湯に溶けていく心地よさはたまらない。そこにバラの匂いの入浴剤でも投入しようものなら、気分はもうお姫様気分だ。</p><p>　今日は苦手な数学の小テストも何とかクリアしたし、マラソンもしっかり完走した。誰が何と言おうと、今日は頑張った！</p><p>　ご褒美！とばかりに秘蔵のバラの入浴剤でリフレッシュした由奈は、これまたお気に入りのフルーツジュースを片手に部屋へと戻った。窓の外に見える月もキレイだし、今夜はよく眠れそうだ。</p><p>　そんなささやかな幸せをかみしめていると、ふと携帯が鳴り出した。</p><p>　時刻はもう２２時を回っている。</p><p>「こんな時間に、誰だろう？」</p><p>　手にとってみれば、ディスプレイには奏矢の文字が。</p><p>「もしもし」</p><p>『もしもし、こんばんは』</p><p>「どうしたの？バンドの練習は？」</p><p>『今終わったトコ。…ねぇ、今から会えない？』</p><p>「え、今から？」</p><p>『うん…。急に、由奈の顔が見たくなってさ。…明日まで待てなくって』</p><p>「奏矢くん…」</p><p>『あぁ、もちろん無理ならいいんだ。ごめん、急なこと言って』</p><p>「ううん、大丈夫。…私も会いたいな」</p><p>　そう答えると、奏矢の表情が綻んだ。実際には見えていないが…そうとしか思えないくらい、電話の向こうの空気が明るくなった。</p><p>『本当！？良かった！じゃあ、今からきみの家に行くから。１０分くらいで行けると思う』</p><p>「うん、じゃあ待ってるね」</p><p>　電話を切って、由奈はフゥと息を吐いた。さて、急いで出かけるために支度をしなくては。髪を乾かして着替えて…１０分で足りるだろうか。</p><p>　奏矢は度々、突然会いに来たり連れ出しに来たりする。その度に由奈はあわてて用意をせざるを得なくなるわけだが…近頃は、そんな強引さも楽しめるようになってきていた。</p><p>　単に慣れただけなのか惚れた弱みか。</p><p>　困った子だな、と思いながらもいそいそと支度をしてしまう辺り、やはり後者だろう。</p><br><br><br><p>「奏矢くん、おまたせ」</p><p>「由奈！」</p><p>　由奈が外に出ると、バイクで既に到着していた奏矢がそこで待っていた。由奈を見るなり笑顔になり、手にしていたヘルメットを投げ渡してくる。</p><p>「連れて行きたいところがあるんだ。乗って！」</p><p>「？」</p><br><br><p>　言われるままにバイクの後ろに乗る由奈を連れて十数分程走り続けたバイクは、やがて海岸へと到着した。</p><p>真夜中近い海岸には、さすがに他の人影はなく、ただ静かに波が揺れている。</p><p>「奏矢くん？こんなところに何が…」</p><p>「空を見てみなよ」</p><p>「空…？――あっ」</p><p>　思わず、声が漏れた。</p><p>　雲一つ無い、真っ暗な空に無数の星たちが瞬いている。まるで宝石を敷き詰めたかのように輝くそれは、普段自分の部屋から見上げるものとは全然違っていた。</p><p>「すごい…キレーイ！」</p><p>「だろ？さっきライブハウス出た時に空がキレイに晴れてたからさ、きっとここに来たら星が良く見えるだろうなって思って。…きみに、見せたくなったんだ」</p><p>　気に入った？</p><p>　少し自慢げに問う奏矢。由奈はもちろん、と大きくうなずいた。</p><p>「こんなに近くで、こんな星空が見れるなんて思わなかったよ！すごいね！！」</p><p>「あぁ。俺も初めて見たときは感動したよ。それで、その時に思ったんだ。次は好きな子と一緒に見に行きたいって」</p><p>「ふふ、ありがとう」</p><p>「あれ、今日は『はいはい』って言わないの？」</p><p>「たまにはね」</p><p>　ニッコリ笑って、奏矢の頬に軽くキスをする。途端、彼の顔が真っ赤に染まった。月明かりに照らし出されるその表情がおかしくて、由奈はまた笑った。</p><p>「え、え、どうしたの由奈？こんな…いや、嬉しいけどっ」</p><p>「ふふっなんでだろうね？」</p><p>　自分でもよくわからないけれど、こんな降るような星空の下でなら、もう少し素直になってみようかな、と自然に思えたのだった。</p><br><br><br><br><br><p>★…おかしい。なぜか由奈を書くと男らしくなってしまう…。あまり本編で、女の子らしくないからかな（笑）</p><p>そんな由奈が好きですけどね！</p>
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<link>https://ameblo.jp/jamharuka/entry-10893801582.html</link>
<pubDate>Mon, 16 May 2011 20:39:53 +0900</pubDate>
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<title>深い森の迷路（那智→真奈美？独白）</title>
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<![CDATA[ <p>深い森の迷路（那智独白）</p><p><br>おれの人生は、本当に味気ないものだと思う。<br>本気を出すことは許されない、落ちこぼれることもゆるされない。<br>いつも２番手に。<br>決して慧を抜くことが無い様に。</p><p><br>そうすることに不満があったわけではない。<br>自分で決めたことだし、それが慧を守る唯一の方法だったから。<br>不満は無い…けれど、息苦しい。<br>生き苦しい。</p><p><br>おれの中で燻るこの思いはどこへ行くのだろう。<br>どこへ行けばいいのだろう。<br>行き場の無いこの思いは、おれの中でぐるぐるぐるぐる迷い続けている。</p><br><p>そんなおれの前に、あいつが現れた。<br>無遠慮に、お節介に世話を焼いてきて、首を突っ込んで。<br>酷い目に遭うよって脅してやっても聞きやしない。<br>こんな底なしのアホは初めてだ。</p><p><br>…いや、アホ自体は沢山いるけど。<br>この手のアホは初めてだ。</p><p><br>おれに構うな。<br>余計なことをするな。<br>ただ、慧が完璧でいられるように、おれの手の内で踊っていればいいんだ。<br>どうしてこんなに、おれをかき乱す？</p><br><p>どうしておれは…<br>それを心地よいと思い始めているんだ？</p><br><br><p>ぐるぐるぐるぐる<br>迷い続ける想いの行き先が、見えた気がした。</p><br><br><br><p>★ある意味定番。</p><p>超絶ブラコンの那智の中に芽生えた、真奈美への想い～みたいな。</p><p>でもあいつ、家族（慧）を取るか恋人（真奈美）を取るかって悩むより、他のものを犠牲にしてでも両方手に入れるタイプだよね（笑）</p>
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<link>https://ameblo.jp/jamharuka/entry-10888389928.html</link>
<pubDate>Wed, 11 May 2011 15:05:02 +0900</pubDate>
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<title>夕暮れに手を繋ぐ（悟郎×悠里）</title>
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<![CDATA[ <p>「はい、今日はここまでね」</p><p>　悠里がそう言ってテキストを閉じると、一気に気が抜けたのか悟郎の口から大きな息が漏れた。彼の目の前のノートには多数の落書きと共にびっしりと数式や公式が書き込まれていて、悠里はなんだか嬉しくなる。ほんの数か月前まではこうやって机に向かうどころか、街の露店での補習がやっとだったのに。</p><p>「ふぁぁ…ポペラ疲れちゃったよ～」</p><p>「ふふ、お疲れ様。今日は結構長いこと頑張ったもんね」</p><p>　机に突っ伏した悟郎の頭を撫でてやると、エヘヘと嬉しそうに微笑んだ。</p><p>「えらい？えらい？」</p><p>「偉い偉い。ほら、もう遅いし、今日は帰りなさい」</p><p>「うん！あ、センセももう帰る？」</p><p>「そうね、今日は特に溜まってる仕事もないし…。どうして？」</p><p>　悠里が問うと、悟郎の顔がますます綻び、机からピョンと飛び上がった。</p><p>「じゃあ一緒に帰ろ！」</p><p>「ええっ？」</p><p>「ねね、いいでしょ～？決まり決まりっ」</p><p>「ち、ちょっと悟郎くんっ」</p><p>　ニコニコと微笑む悟郎は、悠里の返事も聞かずにその手を取り、教室を飛び出した。</p><br><br><br><p>「もう、強引なんだから…」</p><p>　悟郎に引っ張られるままに着いた帰路で、悠里はハァとため息をついた。鞄を取りに戻った職員室では二階堂に呆れた目で見られるし、廊下ですれ違った九影には「走るな」と怒られた。きっと明日は最初にお説教されるだろうな、と思うと今から頭が痛い。けれど。</p><p>「あ、もうお星さまが見えてるっ。ポペラキレイだね、センセ」</p><p>　そう言ってニコニコと笑う悟郎を見れば、まぁいいかと思えた。まだまだ指導は必要かもしれないが、今はこうして、一緒に手をつないで歩けるくらいに心を許してくれたという事実の方が大事だと思えた。</p><p>『…ん？手…？』</p><p>　そういえば、教室を出たときからずっと悟郎と手をつないだままだった。暖かくて、悠里より少し大きな手は、やはり彼が「男の子」であることを表していた。</p><p>『こんなに美少女なのにね』</p><p>　見た目は女の子なのに、中身はやっぱり男の子である彼のギャップがなんだか可笑しくて、思わず笑みがこぼれる。</p><p>「ほぇ？なに笑ってるのセンセ？」</p><p>「ううん、なんでもないの。ごめんね？」</p><p>「変なセンセ！」</p><p>　そのまま二人は歩く。何気ない世間話と、時折抜き打ち補習を交えながら。悠里の自宅まで後数十メートルといった所へ来る頃には、辺りはすっかり日が落ちて暗くなっていた。</p><p>「センセってば、いつもこれくらいの時間に帰ってるの？」</p><p>「今日は早い方かな。忙しい時は結構遅くまで残ってるのよ」</p><p>　深夜まで残ってるときもあるんだから！…などと、自慢にもならないことを胸を張って言った途端。</p><p>「―センセ！」</p><p>　急に悟郎が足を止めて悠里へと向き直った。</p><p>「な、なぁに？」</p><p>　その真剣な瞳におもわずたじろぐ悠里。</p><p>「センセ、明日から毎日、一緒に帰ろう？」</p><p>「な、何言ってるのよ悟郎くん。いつも今日みたいに早いわけじゃないし…」</p><p>「それなら待ってる！センセのお仕事が終わるまで、おベンキョして待ってるから…！」</p><p>　繋いだ手に力がこもる。痛いほどに。</p><p>「…こんな暗い道を一人で帰るなんてダメだよ…！ゴロちゃんが…ボクが護ってあげるから…」</p><p>　一緒に帰ろう？</p><p>「悟郎、くん…」</p><p>――ああ、男の子なんだなぁ。</p><p>　その髪も、その容姿も、声も。悠里自身、とてもかなわないほどに愛らしい少女なのに。それでも、その芯にあるものは、立派な少年の心なのだ。</p><p>　彼を指導してきて数カ月。少しずつ、彼の中の『男らしさ』に気付いてきたが、今この瞬間の彼は、今までで一番…男らしい。</p><p>　自然と高鳴る鼓動に、悠里も戸惑いを覚える。</p><p>『ダメよ…この子は、私の可愛い生徒なんだから』</p><p>　自分に言い聞かせて、顔を覗かせようとする想いに蓋をする。</p><p>「…気持ちは嬉しいけど、そんなに遅くまで校内に生徒を残すわけにはいかないわ」</p><p>「だったら、センセが早くお仕事終わらせればいいよ！そしたら一緒に帰れるよ？」</p><p>　折れることを知らない心は、簡単に無茶なことを言う。</p><p>「そうね、悟郎くんがもっと頑張って補習がいらなくなったら、早く仕事も終わって一緒に帰れるかもね？」</p><p>「えっ」</p><p>　悟郎から情けない声が漏れた。</p><p>　さすがにちょっと意地悪だっただろうか。彼の反応を見て少し心が痛んだが、返ってきた答えは意外なものだった。</p><p>「…わかった。ゴロちゃんがんばる。補習いらないくらいがんばる。だから、ボクに護らせてね？センセ」</p><p>「悟郎くん…」</p><p>　そこまで言われれば、拒む理由なんてどこにもない。</p><p>　仕方ないなぁ、と漏らした悠里の表情は、苦笑と言うにはあまりに優しい微笑みだった。</p><p>「うん…よろしくね、悟郎くん」</p><p>　さっき蓋をしたはずの想いは、簡単に溢れだしていた。</p><br><br><br><br><br><br><p>★悟郎って難しい。ていうかＢ６全員難しい。</p><p>もっとポペラ語使いたかったけど使い方がわからない…！！</p><br>
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<link>https://ameblo.jp/jamharuka/entry-10887897088.html</link>
<pubDate>Tue, 10 May 2011 22:40:26 +0900</pubDate>
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<title>甘い甘い御褒美(恭介×由奈）</title>
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<![CDATA[ <br><br><p>　楽しいことが多い高校生活の中で、定期的にやってくる試練の時。そう、定期試験だ。赤点を取れば地獄の補習も待っている。補習になってしまえば放課後はもちろん、臨海学校等の楽しい行事への参加までも潰れてしまうわけで。たった一度しかない貴重な１７歳の青春において、そんな切ない状況は絶対に避けない。けれど、現実問題としてあまり成績がよろしくない由奈は、最後の悪あがきとして。</p><p>「う～～ん」</p><p>　彼氏である恭介の部屋にあがりこんで勉強を教えてもらうことにした。こういうとき、優秀な人物が彼氏だと得である。</p><p>「どうだ、進んでっか？」</p><p>　キッチンからコーヒーとお手製ケーキを運んできてくれた恭介は、由奈の問題集を見て「ゲッ」と眉をひそめた。</p><p>「おい…お前全然進んでねぇじゃねーか。どんだけ時間かかってんだよ」</p><p>「だって難しいんだもん…。数学って苦手」</p><p>「そうかぁ？酉水先生の授業はわかりやすいと思うけどな」</p><p>「先生がイイのと理解できるのとは別問題だよぅ…」</p><p>「ちっ…しょうがねぇな」</p><p>　軽く舌打ちをして、恭介は由奈の隣に腰を下ろす。軽く方が触れるくらいの距離に体温を感じて、由奈の胸が高鳴った。</p><p>『…わ、近い』</p><p>　そのことに気付いていないのか気にならないだけなのか、恭介の方は平然としたもので。シャーペンを取ると問題の説明を始めた。</p><p>「…で、ここでこの公式が…」</p><p>　酉水先生の説明も（わかる者からすれば）わかりやすいものだったが、恭介はそれを更に噛み砕いて丁寧に説明をしてくれている。</p><p>　全然わからないと言った由奈のためにこうして説明してくれているのだ、ちゃんと聞かなくては。理解しなくては。そう思うのに。</p><p>『ド…ドキドキしちゃって、全然頭に入らないよっ』</p><p>　余り考えずに押しかけてきてしまったが、密室に二人きり。こんなに近くに寄り添って。そのシチュエーションを自覚してしまい、なんだか急に恥ずかしくなってきてしまった。当の恭介の方はその辺りを全く気にしていないようだから、身の危険は（残念ながら？）なさそうではあるが。</p><p>「…んで、x＝８ってなるわけだ。わかったか？」</p><p>「へっ！？えっと、その…」</p><p>「……」</p><p>「…わかんなかった」</p><p>　テヘ、とわざと明るく言ってごまかそうとしたが。そんなものが通用する相手のはずがなく。一瞬にして恭介の眉間に深々と皺が刻まれた。</p><p>「―帰る」</p><p>「あーん、待って待って！私が悪かったわゴメンてば見捨てないでっ！！」</p><p>　スクッと腰を上げる恭介の服の裾を掴んで必死で呼び止める由奈。（ここが恭介くんの家なんだし、帰るもなにもないでしょ！…などとツッコミは入れない。それくらいの空気は読めるのだ）</p><p>「っとにやる気あんのかよお前は」</p><p>「あるよ！私だって夏休み、恭介くんと遊びたいもん。補習嫌だもん。頑張るから教えて。お願い！」</p><p>「―――――はぁ」</p><p>　深いため息。けれど、恭介は再度腰を下ろしてくれた。基本的に見捨てない男なのだ、彼は。</p><p>「もう次は無いからな」</p><p>「うん！」</p><p>　それから約２時間。外が暗くなてきて照明が必要になるまで、（由奈にしては珍しく）勉強に没頭していた。</p><p>「―今日はもうここまでだな」</p><p>「うん。ありがとう、恭介くん。だいぶわかったような気がするよ」</p><p>「べ、別に感謝されるようなことじゃねぇよ」</p><p>「うん、ありがと」</p><p>「お…おぅ」</p><br><br><p>　送っていかなくていいのかと問う恭介に大丈夫と返して、由奈は帰り支度を整える。暗くなってきたとは言えまだ早い時間だし、何より勝手に押しかけて勉強を教えてもらった上に家まで送ってもらうなんて申し訳なさすぎる。さすがの由奈もそこまで図々しくないのだ。</p><p>「今日はありがとね。…あ、そうだ。恭介くん、ひとつお願い事してもいい？」</p><p>「あ？なんだよ」</p><p>「あのね…今度のテスト、無事クリアできたらご褒美欲しいな、なんて…」</p><p>「ごほうびぃ？」</p><p>「そう！ホラ、私って単純だから…目の前にエサがぶら下がってたら、もっと頑張れるような気がするんだ」</p><p>　おねがい！と両手を合わせて祈るように見つめると、恭介はわずかに苦笑を浮かべる。</p><p>「エサって…自分で言うのかよ」</p><p>「おねがい。甘い甘～いご褒美が欲しいんだ。ね？」</p><p>「…まぁ、それでお前が頑張れるってんなら…」</p><p>「ホント！？やった～！ありがとう恭介くん！大好きっ！！」</p><p>「んなっ…」</p><br><br><p>　そんなこんなで試験の日を迎え。運命の結果発表の日がやってきた。</p><p>「恭介くんっ」</p><p>　放課後、教室で名前を呼ぶその声は心なしか弾んでいる。それに応える恭介もどこか嬉しそうだ。</p><p>「よぉ、由奈。どうだった結果は…なんて聞くまでもねぇか？」</p><p>「えへへ、見事クリアだよっいつもよりずっと上がってて、酉水先生にも誉められちゃった」</p><p>「頑張ったじゃねぇか。…それじゃ…ご褒美…やんなきゃな」</p><p>「えっ、もうくれるの！？」</p><p>「お、おう。…じゃ、目ェ…瞑れよ」</p><p>「？うん」</p><p>　恥ずかしそうに頬を掻いている恭介に首を傾げつつ、大人しく目を瞑る由奈。</p><p>「――――！」</p><p>　一瞬、唇に何か柔らかいものが触れた。驚いて目を開けば、髪の色に負けないくらい赤い顔をした恭介の姿が。</p><p>「い…今の…」</p><p>「こ、これでいーんだろ。その…甘いご褒美…って奴…」</p><p>　やっぱりキスだったんだ。その実感に、由奈の頬も一気に熱を帯びていく。</p><p>「えっと…私、は…恭介くんの作ったスイーツが欲しいって…意味のつもりで…」</p><p>「えっ」</p><p>　由奈の言葉にすっとんきょうな声を上げた恭介は、ますます顔を赤らめた。その反応に、こちらも更に恥ずかしくなってくる。</p><p>「え…えっと、その…。わ、悪い！お、俺勝手に勘違いして、こんな…」</p><p>「ううん、いいよ。ビックリしたけど…私だって嬉しかったし…」</p><p>「由奈…」</p><p>　自然と、互いに近くなる顔。どちらからともなく唇が触れあい、二度目のご褒美が与えられた。</p><br><br><br><br><p>「――あいつら、教室で何をしているんだ…」</p><p>「恭介の奴め、意外と手ェ早いな」</p><p>「ご褒美＝キスって発想…。御子柴クンって、意外とムッツリ？」</p><p>「不潔だわっ！ヨヨヨヨ…」</p><p>「澪くん、ハンカチ邪魔！見えないじゃん」</p><br><br><br><br><br><p>★由奈が変な方向にキャラが立ってしまった（笑）</p><p>ラストの５人、どれが誰かわかっていただけるでしょうか…。台詞で書き分けが難しいな、ストラバは。　</p>
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<link>https://ameblo.jp/jamharuka/entry-10886012597.html</link>
<pubDate>Mon, 09 May 2011 00:54:08 +0900</pubDate>
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<title>撫でる楽しみ（P2＆真奈美）</title>
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<![CDATA[ <p>お題「撫でる楽しみ（VitaminZ・真奈美＆Ｐ２）」</p><p><br>　本日最後の授業も終わり、部活へ向かう者、バイトに向かう者、帰宅する者…と、生徒の皆が思い思いの場所へ散る頃。<br>　閑散とした廊下を、真奈美は一人走っていた。目的地は、ここ数カ月で入り慣れてしまった生徒会室だ。<br>「こんにちは。慧くん、いる？」<br>　軽くノックをして顔を覗かせるが机には目的の人物はなく、会計の吾妻が一人、作業を進めていた。</p><p>「ああ、北森先生。お疲れ様です」</p><p>「あれ、慧くんはいないの？教室にいなかったからこっちかと思ったのに」</p><p>「慧さんなら、奥の応接室にいますが…」</p><p>　吾妻はチラリ、と部屋の奥を見やり、それから人差し指を立てて「静かに」とジェスチャーをする。</p><p>「？」</p><p>　首を傾げながら奥へ入った真奈美は、思わず「あっ」と声を上げそうになった。そこにはソファへ深く体を預け、静かな呼吸を繰り返している慧の姿があった。早い話が、慧が眠っていたのだ。チェックの途中だったのであろう書類は手から滑り落ち、床に静かに横たわっている。</p><p>『居眠り…慧くんが？』</p><p>「昨日も遅くまで補習テキストを作っていたとおっしゃっていましたからね、さすがの慧さんもお疲れなんでしょう。急ぎの用でないなら、しばらくそのままにしていただけませんか？」</p><p>「そうね…」</p><p>　そういえば前にも、遅くまで学校に残ってＡ４のためのテキストを作る彼を見たことがあった。勉強はもちろん、生徒会の仕事も山ほど抱えて、それでも一つも手を抜くことなくこなそうとするのだ、方丈慧という男は。全て自分一人で抱え込んで。</p><p>「…もう少し、私を頼ってくれてもいいのにね」</p><p>　少なくとも、Ａ４の指導担当は真奈美なのだから。</p><p>　なぜか離れがたくて、真奈美はしばらく彼の寝顔を見つめていた。</p><p>『こうやって見ると、やっぱり「男の子」なのよね、慧くんも』</p><p>　普段はあれだけ上から目線で、眉間に深い皺を作って怒鳴っている彼も、眠っているその顔からは幼さが見て取れる。</p><p>『睫毛長いなぁ…』</p><p>　時折、窓から吹き込んでくる柔らかな風が、彼の髪を揺らした。</p><p>『髪もサラサラだし。ちょっとうらやましいな』</p><p>　光を受けて、柔らかく輝く慧の髪。どんな手入れをしているのか、男子高校生のそれとは思えないほどサラサラで柔らかそうだった。触れたくなるほどに。</p><p>『…起きない、よね』</p><p>　もし今起きたら、普段の３倍以上にお説教を食らいそうだけれど、それでも。そんな危険を冒してでも、今目の前にある彼の髪に手を伸ばさずにはいられなかった。</p><p>『起きませんように…！』</p><p>　あと３センチ。あと２センチ。あと…。</p><p>「なぁにしてんのかな、せんせい？」</p><p>「きゃっ」</p><p>　突然、背後から頭を掴まれた。UFOキャッチャーのアームのごとく伸びたその指は、真奈美の頭をガッシリと掴んでギリギリと締めつけてくる。</p><p>　その指の主が誰かなど、見なくてもわかる。こんな乱暴な扱いをする人物なんて一人しか思いつかないし、そもそも慧に触れようとして邪魔された時点で考えるまでもない。</p><p>「いたっ…痛い痛いっ離して那智くんっ」</p><p>「うちの慧を襲わないでくれるかな、せーんせ？」</p><p>「べつに襲ってたわけじゃないわよっ」</p><p>「ほーら、ここでいつまでも話してたら慧が起きちゃうだろ。行くよ」</p><p>「わかった、わかったから頭離してぇぇぇ」</p><p>　応接室を出ると、吾妻が苦笑と共に迎えてくれた。</p><p>「おかえりなさい」</p><p>「陽祐～、誰でも入れてんじゃねーよ」</p><p>「すみませんね、那智さん」</p><p>　やっと指の呪縛から解放され、真奈美は大きく息を吐いた。西遊記の孫悟空の気持ちがわかった気がする。</p><p>「那智くん…握力いくつ？」</p><p>「さぁ？そんなの覚えてないなぁ」</p><p>　でも、その気になればリンゴも潰せちゃうよ？あははっ</p><p>　相変わらずの爽やかな笑顔で、那智はそうのたまう。それは言外に、お前の頭も潰せるぞと言っているのだろうか。</p><p>『…まぁ、もう慣れたけどね』</p><p>「それよりせんせい、今日は何しに来たの？生徒会の仕事とかなら、慧の代わりにおれが手伝うよ」</p><p>「…あ、そうだった。そうね、那智くんお願いできるかな」</p><p>　本題を思い出した真奈美は、慧に相談するはずだった用件を改めて那智に相談することにした。内容はもちろん、Ａ４のことだ。</p><p>　それについて那智は、軽口を交えながらも適確と言える返答をくれる。</p><p>　こういうとき、方丈兄弟は確かに「パーフェクトツイン」なのだなと感じる。ただ勉強ができるだけでなく、問題が起きた時にはどう対処すべきか。そういったトラブルシューティング能力もしっかり兼ね備えているのだから。…若干、慧の方はその方法が真っ直ぐすぎるきらいもあるが。</p><p>『ホント、すごい双子だよね』</p><p>　アドバイスを受けながら改めて目の前の少年を見ていた真奈美は、そこで新たな疑問に直面した。</p><p>「―ねぇ、那智くん」</p><p>「ん？」</p><p>「那智くんと慧くんは双子なのに、髪質全然違うのね。どうして？」</p><p>「はぁ？」</p><p>　慧はサラサラストレートだが、那智の方は猫っ毛のようだ。</p><p>「―せんせい。おれの話、ちゃんと聞いてたんだろーな？」</p><p>「聞いてたわよ。でも、那智くんの頭見てたら急に気付いちゃったんだもん」</p><p>「どうしてって言われても…。そんなのおれだってわからないよ。でも、おれが髪切った時に髪質変わったのかもね。それまではおれも慧みたいな髪だったし」</p><p>「そうなんだ。慧くんの髪って、本当にサラサラよね。シャンプーのＣＭみたい。私は癖っ毛だからうらやましいなぁ」</p><p>「へぇ、癖っ毛なんだ」</p><p>「うん。毎朝大変なのよ」</p><p>「ふぅん…でも」</p><p>　不意に伸びた那智の手が、真奈美の髪をかきまわした。</p><p>「きゃっ」</p><p>　少し乱暴に、まるで犬を撫でるかのように。</p><p>「ちょ、ちょっと那智くん何するのよっ」</p><p>「おれ、せんせいのその髪好きだよ？」</p><p>「っ！！」</p><p>「なんかチワワみたいだしね」</p><p>「ちっ…チワワぁ！？」</p><p>「あははっ。さって、そろそろ慧起こしてあげようかな」</p><p>　一瞬ドキッとしたのに。赤くなった顔で怒ると、那智は楽しそうに笑って席を立った。</p><p>「陽祐～コーヒー。慧の分もね」</p><p>「今淹れてますよ」</p><p>「もう、那智くんてば…」</p><p>　乱された髪を直しながら応接室へ入っていく彼の背を睨みつける。</p><p>「あれ？でも、チワワって結構可愛いよね…」</p><p>　犬は犬でも、可愛げのある犬に例えてもらったんだからまぁいいか、なんて。ちょっとした意地悪くらいなら前向きに考えられるようになった辺り、自分も随分毒されているな。そんな自覚もありつつ、悪い気はしない真奈美だった。</p><br><br><br><br><p>★最初は慧×真奈美のつもりで書き始めて。最終的には…これ何？カプ？（笑）</p><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/jamharuka/entry-10885957658.html</link>
<pubDate>Mon, 09 May 2011 00:13:53 +0900</pubDate>
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<title>お題案内</title>
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<![CDATA[ <font size="3">1撫でる楽しみ<br>2甘い甘い御褒美<br>3夕暮れに手を繋ぐ<br>4深い森の迷路<br>5プラネタリウム<br>6うさぎの心<br>7桜舞い散る季節<br>8涙で溶ける<br>9雨宿り<br>10ベッドの中<br>11犬と猫の関係<br>12長い恋<br>13走る走る！<br>14雨だれ<br>15告白<br>16勘違い<br>17永遠を誓う<br>18死すらも二人を別てない。<br>19いつも目が合う<br>20先生と生徒<br>21いじめっ子<br>22お姫様扱い<br>23キミの匂い<br>24ＳとＭ<br>25プラチナの時<br>26大型犬<br>27夢見心地<br>28遊園地デート<br>29獣耳<br>30メッセージ<br>31幼い恋愛感情<br>32幽霊<br>33君、最強説。<br>34メールは苦手<br>35迷子<br>36喫茶店<br>37秘密<br>38涙するときアナタを想う。<br>39消しゴム<br>40年下の男の子<br>41蜜月<br>42恋する乙女<br>43クールビューティー<br>44降り頻る、雪。<br>45人肌の幸せ<br>46嘘を吐くひと<br>47王様の命令<br>48いつかあの星屑の一つに成るために<br>49上目遣い<br>50家族と恋人<br>51今更なこと<br>52会いたい。<br>53叫ぶ、屋上にて。<br>54バスルーム<br>55負けず嫌い<br>56からかう<br>57君を連れていく<br>58意外な趣味<br>59退屈しのぎ。<br>60膝枕<br>61電話<br>62必要不可欠<br>63相性占い<br>64子供のころの話<br>65誕生日<br>66かき氷<br>67雷の夜<br>68はじめてのおつかい<br>69夜明け前<br>70看病<br>71餌付け作戦<br>72ふたりで逃げよう<br>73眼鏡74帰り道<br>75第三者<br>76身長差<br>77好きって言って<br>78贖罪<br>79バレンタインデー<br>80ホワイトデー<br>81音楽<br>82鮮やかな世界<br>83料理84甘噛み<br>85離してあげない<br>86正反対<br>87賞味期限切れ<br>88おそろい<br>89ストーカー<br>90溢れた感情<br>91痴話喧嘩<br>92貴方の為に生きている<br>93うたたね<br>94言えない気持ち。<br>95八つ当たり<br>96ノロケ<br>97頑固者<br>98身の程知らずの人魚姫<br>99寂しいときは抱き締めてあげよう<br>100ありがとう<br>&gt; <br>&gt; <br>&gt; <br>&gt; サイト名/楽譜。<br>&gt; 管理人/梨子<br>&gt; URL/</font><a href="http://score.2.tool.ms/" target="_blank"><font color="#003399" size="3">http://score.2.tool.ms/</font></a><br><font size="3">&gt; <br><br></font>
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<link>https://ameblo.jp/jamharuka/entry-10885988232.html</link>
<pubDate>Sun, 08 May 2011 00:51:27 +0900</pubDate>
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