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<title>グリーン・フラッシュ</title>
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<description>グリーン・フラッシュ</description>
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<title>夜の、Tantulus。</title>
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<![CDATA[ 窓をあけた車は、丘に向い、運河にそって走る。<br>なんだか、ちょっとウキウキした。<br><br>月あかりが照らしだす、細くて、くねくねと曲がった道。<br>静かにアクセルを踏みながら、ゆっくりと車を走らせた。<br><br>夜の10時をまわっているのに、なぜか太陽の気配を感じる。<br>原始のタブーを受け入れた状態のまま、ここに生きる植物。<br>息づかいまで聞こえてきそうだ。<br>窓から妖精でも入ってきたのか、なんども甘い花の香りがした。<br>…ちょいの間一点をみつめ、目を閉じた瞬間、まぶたに残っている景色。<br>記憶の、残像の中にいるようだった。<br><br>丘の上のブロック塀は、<br>地中から噴きだした溶岩の石を重ねてつくられていた。<br><br>月をゆらゆらとちりばめた海。<br>金属のような光りを放つ星群。<br>ひろい風を運ぶ山。<br>そのすべてを宇宙空間のような蒼い色がふちどっていた。<br><br>大きく息を吸いこんで…眼下の町。<br>家々の灯も、木製の電柱も、公園の芝生も、同じ色。<br>産まれたての鼓動、遠い声、絶え間ない進化の過程、<br>生活の灯は、一色だった。<br><br>満たされるべき、ちからのほとんどすべては<br>こんな無意識なところにあったのだ。
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<link>https://ameblo.jp/jelly-dog/entry-10043695175.html</link>
<pubDate>Fri, 17 Aug 2007 14:42:25 +0900</pubDate>
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<title>ある日の、pu'uanahulu。</title>
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<![CDATA[ 昼寝をしていた私を起こしたのは、<br>部屋中に飛び散ってはねまわっていた木漏れ日だった。<br>大きなグラスにビールを注ぎ、たっぷりと氷を入れたはずだ。<br>…いつの間にか眠ってしまった。<br>記憶に残らないような夢をいくつかみていたような気がする。<br>夢の入口って…そして出口も、いつもこんな感覚だ。<br>水滴が流れ出し、サイドテーブルが水びたしになっていた。<br><br>窓の外、陽ざしは和らいでいて、<br>もう間もなく夕焼けがはじまろうとしていた。<br>ずっとまわっていた扇風機が風に逆らってブンブンと音をたてた。<br>…風向きが変わったんだな、そう感じた。<br><br>真っ白い珊瑚クズがバラ撒かれた小道を歩いて、小さな入り江に抜ける。<br>夕陽はすでに水平線へと流れこみはじめていて、<br>目に映るものすべてが、<br>オレンジともピンクともつかない風の中を舞っているようだった。<br>視界の中心に水平線を置いて腰をおろした。<br>耳もとで風がまわる音がする。　<br>…風向きが、かわった。<br>その瞬間は、何かを察知したときのようにおとずれる。<br>夕陽が、まぶしいほどのエメラルドグリーンの光を放射する。<br>すべてがエメラルドグリーンになって時間が止まる。<br><br>これはほんとうにある自然現象で、<br>現地の人々に、グリーン・フラッシュと呼ばれている。<br>夕陽が地球のむこう側へとまわり入る瞬間、水平線がレンズの役目をはたし、<br>オレンジ色の光が補色になって目に映る。<br>活火山もあるこの島では、<br>火山からの煙が風向きによって水平線付近を覆ってしまうこともあり、<br>お天気がいいからといって毎日これをみることはできない。<br>まもなく、今日いちばんの星がみえる。<br><br>夜の海は、宇宙空間のような蒼い色。<br>ひろい海面は、近くの島を渡ってきた風をゆるやかに滑らせていた。<br>月のかけらが散らばっているように見えた。<br>パパイヤの木の根元に腰をおろした。<br>パラパラと音をたてながら揺れて弾む葉の間に見えかくれするのは、<br>虹色に光る輪がかかった月だった。<br><br>「なにもしない」というのを体験してみたかった。 <br><br><font color="#33CC33"></font>
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<link>https://ameblo.jp/jelly-dog/entry-10043615484.html</link>
<pubDate>Thu, 16 Aug 2007 22:44:57 +0900</pubDate>
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