<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom">
<channel>
<title>ジョーの小説</title>
<link>https://ameblo.jp/joh-j/</link>
<atom:link href="https://rssblog.ameba.jp/joh-j/rss20.xml" rel="self" type="application/rss+xml" />
<atom:link rel="hub" href="http://pubsubhubbub.appspot.com" />
<description>日常の良くある内容を文字にして綴りました。</description>
<language>ja</language>
<item>
<title>残されたもの(3話)</title>
<description>
<![CDATA[ 朝目が覚めて時計を見たら、7時だった。8時の朝礼まで時間が無いっ！と思ってダッシュで顔を洗い、風呂に入る時間が無いのでパンツだけでも履き替えようと、洗濯しただけで畳んでない洗濯物の山からパンツを取り出した時に気が付いた。<br><br>「そういえば今日休みじゃん！焦ったぁ」<br><br>先輩とローテーションで日曜は休もうなと言われてたのをすっかり忘れていた。寝る前も分かっていたはずなのに・・<br><br>「職業病だな・・。」<br><br>独り言を言い、取り合えずパンツを履き、おもむろにテレビを付けた。<br><br>タバコを吸いながらテレビを見てたら、なんだか目が冴えて来た。窓のカーテンを開けると、文字通り快晴と呼ばれる天気だった。タバコを吹かしながら、ぼーと外の景色を見てたら、机に置いてあった携帯がブルブル鳴った。携帯のディスプレイを見ると久美さんからだった。<br><br>「はい、なんでしょう」<br><br>久美さんは笑って<br><br>「なんで、最初に言う内容がいきなり会話で始まるのよ？」<br><br>「だって久美さんだって分かって、昨日の今日だから何か距離感が近くって、ついつい言っちゃった」<br><br>久美さんは電話越しにふぅーと軽いため息を付き、<br><br>「ねぇ、今日は暇？」<br><br>「暇ですけど、どうしたんですか？」<br><br>「じゃあ今日お出かけしよっか？あとで迎えに行くよ。」<br><br>はぁ良いっすけど、と答え待ち合わせ時間を決め、電話を切った。ホテルまで迎えに来てくれるそうだ。<br><br>なんだろう？確か久美さんは結婚してるはずだし、日曜日なのにこんな俺と出掛けてて良いのだろうか？<br><br>ちょっと考えたが、日曜日にのんびりドライブするのはすごく楽しみで、どうせやる事なくだらだら過ごす予定だったので願ったりだった。<br><br>風呂に入り、ヒゲをちゃんと剃り、何着ようかなとちょっと考えたが、仕事で来ているので、洒落た服を持って来て無かった。無難だろうとパーカーとジーンズを選択した。<br><br>なんだかデートに行くみたいだなと、ちょっと心がソワソワしていた。<br><br>久美さんは28歳で、確か息子さんが一人いたはずだった。<br><br>一見取っ付きにくいオーラを出しているが、話しをすると以外に話し安く、簡単な憎まれ口な会話もするほどの仲になっていた。あまり表情を表に出さないほだけど笑うと、パァーと明るくなる表情が俺は好きだった。近所にいる仲の良い友達のお姉さんのような雰囲気がする人だ。<br><br>まだ時間があるなと思い、買っていた漫画雑誌を読もうかなと手にとったら、部屋をノックする音が聞こえた。<br><br>「あれ？もう来たのかな？」<br><br>扉を開けると久美さんがいた。<br><br>「少し早かったけど来ちゃった」<br><br>どうぞどうぞと笑顔で答えたのだがなんだか久美さんの笑顔に力がなかった。<br><br>部屋に入ると窓の景色を見て、今日は良い天気だよね、と言いベットに仰向けになり目をつむった。<br><br>そうっすね、と答えたがそれから何も言わずベットに寝ているので手持ち無沙汰になり、どうしたら良いんだろうと、部屋を少しウロウロして、少し考えて俺もベットに横になる事にした。<br><br>目をつむり何も考えないで横になった。周りは静かで久美さんと俺の息遣いだけが聞こえる。胸に組んだ手に窓からの光が当たり、ポカポカとして暖かく眠りを誘う。<br><br>「何だか眠くなるね」<br><br>そう言い、頭を俺の肩に寄せてまた何も言わなくなった。<br><br>久美さんのシャンプーの匂いと暖かい日の光とで何だか幸せな気分だった。<br><br>10分ほどそうしてただろうか、久美さんが体を起こして背伸びをして、<br><br>「昼寝も良いけどお出かけしよっか？」<br><br>俺も体を起こし背伸びをした。<br><br>「そうっすね。何処に行くんです？」<br><br>内緒と言い笑った。いつもの笑顔だった。
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/joh-j/entry-11203670304.html</link>
<pubDate>Sun, 25 Mar 2012 21:44:36 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>残されたもの(2話)</title>
<description>
<![CDATA[ 工事現場の朝は早い。近くの宿を(と言っても電車で3駅はあるが)7時過ぎに出て駅に着き、電車に乗り15分掛けて目的の駅に着く。またそれから歩きで10分掛けて歩く。8時前に現場に着き支度をして、8時からの現場朝礼に参加する。<br><br>宿泊先からだったら車で20分も掛からないのに、駅を乗り徒歩で現場に行くから40～50分は掛かってしまう。<br><br>レンタカーを借りようかと、先輩と相談をしてみたんだが、<br><br>「まあ今に見てな」と意味不明な事を言って取り合ってくれなかった。<br><br>そんなに苦痛ではないので、それ以上は口に出さずにいた。<br><br>それからの日々は忙しかった。現場の職人に指示を出したり、設計者に電話確認をしたり、発注や日々の工程調整などで毎日バタバタとする日々が続いた。<br><br>夜ご飯は宿泊先の近くの居酒屋で食べるか、初日に行ったスナックで食べるかのどちらかだった。<br><br>今日は先輩と二人でスナックに来ており、ママが作った唐揚げをつまみにビールを飲んでいた。<br><br>「どうだい？仕事は忙しいかい？」<br><br>僕らはここの地元の人達が期待するショッピングセンターの建設に関わっていた。 地元の人なら進捗が気になるようだ。<br><br>「そうっすねぇ。毎日忙しいっすよ。職人が暑さでばてて進みが悪いっすね」<br><br>「お前の指示が悪いからだろ」<br><br>俺はそんな事無いっすとふてくされて言い、ビールを飲み干した。<br><br>「でも暑い中毎日お疲れ様。疲れを癒して下さいな」<br><br>久美さんにお酌してもらう。カウンターで先輩、俺、久美さんの順で、カウンターの中にいるママと談話するのが定例となってきた。<br><br>そんな中、たわいもない会話をしていると昔からの常連だったかのように錯覚する。<br><br>久美さんも砕けてきて、ちょっとした馬鹿話も笑って話せるようになってきた。<br><br>「でも工事遅れてるんだろ？間に合うのかい？」<br><br>「大丈夫だよ。オープンしなかった物件は無いよ」<br><br>先輩の持論だ。でも実際オープンしない物件なんてそうそうなかった。オープンした形はどうとあれ・・<br><br>「でも毎日ここから帰るのも面倒じゃ無いかい？電車では遠いしさ」<br><br>先輩が待ってましたと言わんばかりに、<br><br>「そうなんだよママ～。今日は車で送って！」<br><br>お祈りをするように手を組み、潤んだ目でママを上目遣いで見ていた。イケメンの先輩の女を落とす常套手段だ。<br><br>ママはしょうがないねぇと自分のコップにビールを注ぎながら答えた。んっ？飲酒運転ではないのか？<br><br>「じゃあ私も一緒する～！」<br><br>久美さんがなんだか上機嫌で頭をユラユラしながら言った。<br><br>「よしっ！じゃあみんなとことん飲んでまとめて帰るぞ！という訳で乾杯～」<br><br>その日は深夜まで飲んで、久美さんがコップを倒すほど飲んだ時に、ママがそろそろかねと言い、お開きになった。<br><br>約束通りママは車で送ってくれて、久美さんは寝ぼけながら言葉になってないおやすみを言い、その日は別れた。<br><br>明日は日曜で仕事は休みだ。明日を気にする事なく寝れるなぁと思い、布団に潜り込み、そういえば久美さんて何歳なんだろうとぼんやり思い、楽しかった今日を振り返ってたら何時の間にか寝てしまっていた。
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/joh-j/entry-11198682180.html</link>
<pubDate>Tue, 20 Mar 2012 20:29:38 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>残されたもの(1話)</title>
<description>
<![CDATA[ 「今どこにいる？」<br><br>先輩から電話が掛かって来た。<br><br>明日から先輩の応援で、工事現場で泊まり込みで働く為に、たった今近くの駅に移動して来たばかりだった。<br><br>「駅に着いて、現場に向かって歩いています」<br><br>「そうか、ならその道を真っ直ぐひたすら歩いて、4車線ある道路に出る手前の交差点に着いたら電話ちょうだい」<br><br>何だかよく分からないけど、先輩の指示に従って道を歩いた。<br><br>15分ほど歩いただろうか、あってるのか心細くなってきたところで、車がたくさん通ってそうな道路が50m先ぐらいに見えて来た。<br><br>「ということはこの交差点がそうかな？」<br><br>携帯を取り出し先輩に電話を掛けた。<br><br>「着いた？そしたらその大通りを正面に向いて左手の道を100mぐらい歩いた所の左手にあるスナックにいるよ」<br><br>「はあ・・分かりました」<br><br>なんでそんな所にいるのだろうか？<br><br>今日は移動日だけだから、ご飯を食べに行こうと先輩が言ってたのだが、2件目に行くにはまだ早い時間だった。<br><br>100m歩いたところでそれらしき建物を見付けた。そういえば店の名前を聞いてなかったな・・ 古い3階建ての建物で建物脇の看板にスナックらしき名前の店が連なっていた。<br><br>うーん分からない。先輩に電話しよう。<br><br>何度かコールが鳴り響くが携帯に出ない。一度携帯を切って、掛かって来るのを待ってようと思い、タバコに火を付けようとしたら、1階の道路に面した店の扉がチリンチリンと音を立て開いた。<br><br>「もしかして山崎さんの後輩さん？」<br><br>化粧っ気の無い、スナックには似合わない普通の格好をしており、家の玄関口に来たセールスマンに接するような態度で言った。<br><br>「そうですけど。山崎さんいるんですか？」<br><br>中にいますよと奥の方を見て言った。<br><br>「じゃあ入りますね」<br><br>彼女はうんともすんとも言わず、中に歩き出した。<br><br>なんだろう！？客商売なのになんて態度が悪いんだ！？<br><br>ちょっと不機嫌な気持ちになりながらも店内を歩いて行くと先輩の姿が見えた。<br><br>「まっちゃん、お疲れ～。ママ、ビール一つ追加お願い」<br><br>ママと呼ばれる人がオッケーと言い、カウンターの下の冷蔵庫から瓶ビールを取り出した。<br><br>「あらっ、若くて良い男ね」<br><br>ママがにこやかに笑って居たのだが、つり目がきつい顔立ちをしており、魔女が笑っているようにしか見えなかった。。。<br><br>ママがカウンターからお酌してくれて俺は初対面でドギマギしながら、コップを傾けた。<br><br>「じゃあ乾杯～！」<br><br>と先輩が言い、ママと3人でグラスを合わせた。<br><br>あれっそういえばさっきの女性は？<br><br>周りを見渡したら、L型になったカウンターの端っこで一人携帯をいじりながら飲んでいた。<br><br>「ああ、あの子？あの子は近所の馴染みのお客さんだよ。よく一人で来るんだよ。人見知りだから愛想は良く無いけどね」<br><br>「ママ、聞こえてる」<br><br>「聞こえるように言ったのさ」<br><br>ははっと甲高い笑い声が、店内にこだました。<br><br>田舎だからか普通に地元のお客さんが来るんだなぁとその時は思った。<br><br>「何か食べる？と言ってもカレーしか無いけどね」<br><br>「失礼だねぇ山ちゃんは！。今日はたまたま食材が無いだけさ」<br><br>「良いじゃ無いっすか。カレー好きっすよ。大盛りにして欲しいです」<br><br>ママがカレーを温めている間に、先輩と世間話をしていた。先輩が言うにはこの辺りにはまともな飲食店が無いのだそうだ。車を使えばあるにはあるのだが、車を持っていない俺らには徒歩での移動は厳しかった。<br><br>たまたま一人でうろうろ飲食店を探して、声を掛けたこの店のママが、じゃあウチで食べたら？と声を掛けてくれて、それから毎晩ご飯を食べて帰るのだそうだ。ということは明日からここが俺の食堂となるのか・・<br><br>ママがたっぷりと大盛りにしてくれたカレーをカウンターに置いてくれた。<br><br>「じゃあいただきます！」<br><br>カレーはすごく旨かった。田舎にいるお母ちゃんが作ってくれたのかと思うほど懐かしい味だった。<br><br>「ママさん旨いっす！お代わりは出来ますか？」<br><br>ママさんはまた、ははっと甲高い笑い声を上げた。<br><br>「まだそんなに食べてないのに気が早いねぇ。まだあるから気にせず食べな」<br><br>俺も田舎から出て来て早2年が経って、中々会えない田舎の母ちゃんを少し思い出し、ぶっきらぼうな言い方にもすごく愛情がある人だなぁと、少し胸がジーンとしながらカレーを掻き込んだ。<br><br>「久美、お酌してあげて」<br><br>久美と呼ばれたさっきのぶっきらぼうがお酌をしに来た。正直苦手なタイプだ。<br><br>俺の隣の席に座り、お酌してくれた。<br><br>「若そうだけど何歳？」<br><br>本当に話す気があるのだろうか？と思うぐらい棒読みで話し掛けて来た。<br><br>「21歳です。」<br><br>それ以上もそれ以下も言葉無し！ってな感じで注がれたビールを飲みながら答えた。<br><br>ちらっと彼女の顔を見ると、少し驚いた顔をしており、<br><br>「若いねぇ。でも年の割には落ち着いて見えるね」<br><br>「そうなんだよ、あだ名をまっちゃんじゃなくて、とっつぁんにしようか？」<br><br>「ちょっ、ちょっとマジでやめて下さい。とっつぁんのあだ名は生きて行く上で結構キツイっす」<br><br>彼女は先輩と俺のやり取りを見て、笑っていた。笑いながらお酌してくれた。<br><br>なんだ、笑うとまあまあ可愛いじゃないか。<br><br>もしかしてこの人は俺が来るのが遅いから心配して外に見に来た？まあ聞いても答えてくれそうにないけどね。<br><br>出張初日にして、ここの土地に住んでいる人達の温かさを肌で感じ、明日からの数ヶ月は楽しく過ごせそうだなと思った。<br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/joh-j/entry-11196831260.html</link>
<pubDate>Sun, 18 Mar 2012 20:52:56 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>蟻塚(18話)</title>
<description>
<![CDATA[ 先輩の部屋の前まで来て、バッグから鍵を取り出した。<br><br>彼氏の部屋とはいえ、他人の部屋を開けるのはちょっと躊躇するものがある。<br><br>ドアを開けると先輩の家の匂いがした。それぞれの家にはそれぞれの匂いがあるんだよなぁ、なんて思いながら靴を脱いだ。<br><br>慌てて出て行ったのか、洗濯物が取り込んだままの状態で放置されており、カーテンから漏れる少しの日を浴びて、寂しそうにしていた。  <br><br>私はカーテンを引き、換気のため少し寒いけど窓を開け、エアコンを付けた。<br><br>部屋の中はまだ空気が冷たく、じっとしてても寒いだけなので、洗濯物を畳む事にした。<br><br>ふとテレビの前にあるテーブルの上を見ると、真新しい写真用のアルバムが置いてある。手に取って見ると背表紙に堂ヶ島と書いてあった。中を見ると写真は一枚も入っていなかった。<br><br>そういえば先輩がまた一緒に行きたいね、と言ってたので先行して作ってたのかなとちょっと不思議な気持ちで、アルバムを眺めた。<br><br>洗濯物を畳み終わり、果たしてこれをクローゼットに入れるかどうか迷っていたが、他人の部屋のクローゼットを開けてまで収納するのは如何なものかと思い、畳んだ洗濯物を部屋のソファの上に置いた。<br><br>ちょっとだけ休憩、と独り言を言いソファに座ったら、お尻にチクチクと刺さる何かがある。なんだろうと座ってる所と背もたれの隙間に手を伸ばすと、紙の固い物の様な手触りがあり、掴んで引き上げた。<br><br>一枚の写真だった。<br><br>そこには見慣れた夕焼けの風景写真が写ってあった。大学の時に行った堂ヶ島だった。懐かしく思い、暫く眺めていたのだが、ふとおかしな事に気が付いた。<br><br>写真が新しい過ぎる。<br><br>大学の時はデジタルカメラもそんなに普及しておらず、フィルムカメラが主だった。写真は鮮明に細部が分かる程の画質になっており、素人でもデジタルカメラで撮ったと分かるほどの写真だった。<br><br>誰かに写真のデータを貰ったのだろうか？それとも現地に行って撮影したのだろうか？<br><br>私はクローゼットの隣にある私の腰高さぐらいで扉の付いた、小さな本棚のような家具に目を向けた。<br><br>先輩が行って撮った旅先の写真をアルバムに整理したものが入っていると言っていた。<br><br>以前先輩の家に泊まりで来た時に、見せてもらおうかと思ってたのだが、夜も遅かったのでまた今度という事で、中を開けて見たことは無かった。<br><br>その時はかっこ良いアンティークの鍵が掛かっていたのだが、今日は鍵が掛かって無いみたいだ。<br><br>私は内心いけないとは思いながらも、その家具の扉を開けた。<br><br>中はアルバムが古い順から整理されており、アルバムそれぞれの背表紙に旅行先と日付が書いてあった。<br><br>一番下の棚にはまだ整理されてない写真が乱雑にいくつかの束で置いてあり、ゴムで括ってあった。その中でゴムで括ってない、まとまった束の写真があり、私はそのうちの一枚を手に取った。<br><br>さっき見た堂ヶ島の夕日を別の場所から撮ったものだった。束を手に取り上から順に写真を眺めていった。主に風景写真ばっかりが撮られており、30枚ぐらいある内の半分ぐらい写真をめくった所で、綺麗な女性が堂ヶ島の夕日を背景に撮った写真が出て来た。その人が夕日を背景に海岸沿いを歩く様子をフィルムのコマ送りかのように撮った写真が何枚かあった。<br><br>どれも素敵な写真で、綺麗な女性は時折カメラ目線で照れた様にはにかんだ笑顔を見せ、カメラを撮っている人に心を任せているかの様だった。<br><br>写真の最後から3枚目で彼女はその人に手を延ばし、2枚目で手元を狂わされたのだろうか、足下の砂浜が撮られ、最後の写真で、その女性と先輩が写っていた。先輩は女性の肩に手を延ばし、女性は先輩に顔をくっつけ、両腕を腰に回して、幸せそうに微笑んでいた。<br><br>私は写真を元の場所に戻し、扉を閉めソファに座り直し、さっきのソファから出て来た写真を一時眺めて、元のソファの隙間に差し込んだ。<br><br>それから私はどうやって帰ったか、あんまり覚えていない。<br><br>帰ったら先輩に作るはずだった食材を持って帰っており、何時の間にか料理をしていた。<br><br>グラタンをオーブンで表面をこんがり焼いて、溶けたチーズの匂いが部屋の中に充満している。<br><br>テーブルで暖かそうに湯気を上げてるグラタン、キッチンから聞こえる換気扇の音、テレビでよく見る有名な芸能人が何か喋ってる。<br><br>先輩からのメールが入ってたのだが、開いてはいない。<br><br>グラタンの表面をスプーンで掬い、熱そうに湯気をあげていた。私はふーふーと息を吹きかけ口に運んだ。<br><br>何口か食べながらふと気が付いた、何にも味がしない事に・・<br><br>これを失恋と呼ぶのだろうかと考えていると面倒臭くなって、スプーンを食卓に置き、ベットに横になり、泣いていたら何時の間にか寝ていたのか、朝になっていた。<br><br>起きると少しお腹が空いており、買い置きのパンをオーブンに入れ、コーヒーを飲むためにお湯を沸かした。<br><br>カーテンを開けるとゴミを出している主婦がおり、向かいの信号では横断歩道を元気に走る小学生がいる。<br><br>何も変わらない朝。<br><br>コーヒーカップにお湯を注ぎ、一口飲み、パンを千切って食べた。<br><br><br>■あとがき<br>うーん長くなってしまった。<br>こんなに長くなるはずではなかったのだが、何でもない事を書き綴っていったら、切れどきが分からなくなってしまった。<br><br>今回の主人公のあずみは何処にでもいる普通の女の子だ。たまたま大学の好きだった先輩と偶然再会して、忘れたはずの恋心が芽生えてしまう。<br><br>しかし先輩の家で見てはいけないものを覗き、失恋してしまう。<br><br>失恋とは自分がそう思った時が、文字通り恋を失う事になろうかと思う。<br><br>あずみはいつもの朝を迎え、パンを食べたら仕事に行くのだろう。<br><br>誰でも失恋したからといって、仕事を休むわけでも無く、お腹が減ったらご飯を食べるだろう。<br><br>そんな普通に当たり前に、何処にでもあるような内容にしようと思ったのだが伝わりにくかったかもしれない。<br><br>蟻のように小さなコミュニティの中で、実は現実社会の人は過ごしているかと思う。<br><br>蟻塚と名前を付けたのはそんな理由からだ。<br><br>小さなコミュニティの中で生きていかなければいけない現実を見定め、毎日を一喜一憂しながら楽しく過ごせたらと願わずにはいられない。<br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/joh-j/entry-11162649963.html</link>
<pubDate>Fri, 10 Feb 2012 21:14:59 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>蟻塚(17話)</title>
<description>
<![CDATA[ 冬から年末に掛けて、極端に仕事が忙しくなり、先輩と会う時間が少なくなって来た。<br><br>先輩も新規のクライアントを掴んで、今が大事な時だからと私の家には土日ぐらいでしか寄り付かなくなっていた。<br><br>仲が悪くなったわけではなく、純粋にただ忙しく、お互いのスケジュールが合わなくなっていただけだ。<br><br>それでも少ない時間をお互い見つけ、お互い外出先で、近くに居たら夜ご飯を食べに行ったり、少し私が時間が出来たら、先輩の家に行ってご飯を作ったりしていた。<br><br>私は少し痩せて、先輩は心無しか無精髭が目立つ様になっていた。<br><br>「落ち着いたら年末に旅行に行きたいよね」<br><br>「クリスマスだけど、多分会えないと思う。ケーキは旅行先で一緒に食べよう」<br><br>「同棲をするならきちんと親御さんに挨拶に行かなきゃなあ。年明け落ち着いたらにしようかな」<br><br>私は先輩に会えないさびしさを紛らわすために、私は年末の旅行の計画を立て、年明け親に会わすのを想像しては一人でにやにやしたりしていた。<br><br>「明日の日曜日も仕事だよ。来週は休めると思うから、映画でも行こうか？」<br><br>日曜日に一人で家の片付けをしていたら、先輩が夏に無くしたと言ってたネクタイの意匠ピンが、洗濯物のカゴの脇から出て来た。<br><br>気に入ってたのになあと、残念な顔をした先輩の顔を思い出した。私は「そうだ先輩の家でも片付けて上げよう」と思い、掃除の途中だったのを片付け、コートを羽織り、マンションのエレベーターに乗る時に先輩にメールを打った。<br><br>「先輩の昔無くしたネクタイピンが出て来たので来れから先輩の家に届けに行きます」<br><br>先輩は好きに来ていいよ、と私に部屋の合鍵を渡してくれた。<br><br>実際使った事は無かったのだが、こういう時には良いよねと自分を納得させて電車に乗り込んだ。<br><br>電車に揺られながら、先輩の家までの間、ぼんやりと私は先輩とどうしたいのだろうか？と考えていた。<br><br>お互い同棲はしたいと漠然と考えている。でも結婚までの思いには至ってない事が自分でも分かる。<br><br>今は二人楽しく過ごす時間だけが大切でその先にある、二人の未来には実際のところ興味が無かった。<br><br>あんまり恋愛の難しい事を考えるのが不得意な私は、先輩の家に着いた時の事を考えた。<br><br>まずは部屋の片付けして、ご飯でも作ってあげようかしら？ 寒いからグラタンなんてどうだろう？チーズの溶けた香ばしい匂いを想像してたら、なんだか楽しくなってきた。<br><br>先輩の家の近くのスーパーで食材を買い、風は冷たいけど晴れあがった空から漏れる太陽の暖かい光に、ぽかぽかとあたりながら、線路沿いの道を歩いていると幸福な気持ちになってくる。<br><br>なんだか平和だなぁと一人心地つぶやきながら、先輩の家の近くの公園までまで来た。<br><br>3人の小さい子供が、ゴムボールを投げ合ってはしゃいでいた。ベンチでお父さんらしき人が、大きな白ムクのゴールデンレッドリバーの頭を撫でながら子供達を見ていた。<br><br>お母さんだろうか、砂場の横で他のお母さんと、世間話に華を咲かせていた。<br><br>昼下がりの、晴れた日曜日のよく見る風景だった。<br><br>私ももう少し歳を取れば、あんな感じになるのだろうか？子供を連れ、ママ友とたわいもない会話をし、日曜日を過ごす。夕方には買い物に行って、晩御飯を作る。可愛い娘には料理の手伝いをさせ、息子はお父さんとプロレスごっこをする。<br><br>私と先輩にそんな未来はあるのだろうか？<br><br><br><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/joh-j/entry-11156418218.html</link>
<pubDate>Wed, 14 Dec 2011 22:32:57 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>蟻塚(16話)</title>
<description>
<![CDATA[ 先輩と私はそれぞれお風呂に入り、私が髪を乾かしていると、<br><br>「明日も朝早いから寝るね」<br><br>と声を掛けてきた。<br>私も髪を乾かしたら寝ますと言い、先輩はおやすみと言いながら隣の寝室に移動した。<br><br>髪を手入れしながら、この部屋も二人で住むと狭いから、広い部屋で大きいベットで先輩と寝たいなと、先輩が寝ているベットに目を向けた。<br><br>15分ぐらい経った後、私も寝ようと先輩のベットに潜り込んだ。<br><br>先輩は眠りにつこうかしていたのか、うーんと言いながら私側に寝返りをうった。<br><br>私は先輩がいつもする様に、頭を優しく抱え頭にキスした。<br><br>「おやすみなさい。先輩・・」<br><br>私が天井を向いて寝ようとした時に、先輩がすっと私を抱き寄せて唇にキスして来た。<br><br>「帰ったときからこうしたかった」<br><br>先輩はそう言うと、私に唇を重ね、唇に吸い付き、下唇を少し噛み私の舌先を探すかの様に舌をゆっくりいれてきた。<br><br>長い間舌先をお互い絡め、私は先輩に舌でつつかれる度に、んっと溜息をついた。<br><br>先輩は私の乳房を服の上から手で包み、シャツの上から形が露わになるほどに敏感に反応してる乳首を指で擦った。<br><br>私は堪らず声が漏れ、先輩の指の動きが勢いを増していく。先輩はシャツをめくり上げ、私の乳首を口に入れ、舌で舐め上げた。<br><br>私は気持ち良さに頭の芯がボーとして来て、先輩が私の恥部に指をいれた時、思わず快感が体の下腹の奥のほうから込み上げて来た。<br><br>「先輩…だめっ…」<br><br>私は吐息混じりに、先輩の指から逃れようと股をくねらせたが、力が入らなくされるがままだった。先輩の指が出し入れされる度に、溢れ出た液が聞こえるほどに音を立てた。<br><br>「先輩っ…いっちゃう…」<br><br>私は声を振り絞り言った。<br><br>「まだ駄目だよ」<br><br>先輩はそう言うと、私の上に乗り、だらんとしている脚を広げ、私の中に入って来た。<br><br>私が何度もいきそうになるところで、先輩も腰の振りを休め、何度目か分からない絶頂の波の中、先輩の腰の振りが強くなり、私は堪らなくいってしまい、それと同時に先輩も私のお腹に射精した。<br><br>私は満たされた快感の波の中、脱力感で一杯になり、自分の荒い呼吸の音しか聞こえない。<br><br>「飲み物飲む？」<br><br>先輩が麦茶を持って来てくれて、飲んだ瞬間に、私の熱を持った舌が和らいでいった。<br><br>「先輩！意地悪が過ぎます！」<br><br>「ごめんね。ちょっといじめてやりたくなってさ」<br><br>先輩は裸の私を抱き寄せ、首すじにキスをした。<br><br>まだ敏感になっている私の体は先輩のキスにびくっとなり、また下腹が熱くなって来た。<br><br>「もう今日は終わりですよ。明日も仕事ですし」<br><br>先輩は私の首から顔を離し、残念だなあと言ったあと、唇にキスしてきた。<br><br>私の唇は先輩の愛情に包まれ、唇を離して腕枕をされながら横になっていたら、いつの間にか寝てしまっていた。
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/joh-j/entry-11107072106.html</link>
<pubDate>Wed, 14 Dec 2011 20:57:38 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>蟻塚(15話)</title>
<description>
<![CDATA[ 私は会社帰りに家の近くのスーパーに今夜の食材を買いに来た。<br><br>私はこう見えて何気に料理が得意だったりする。<br><br>料理教室に通っている親友の智美から言わせると悔しいのだそうだ。<br><br>「私はここ1年料理教室に通っているのになんであんたは私より料理が上手なの？そんなの不公平よ」<br><br>なんでって言われても仕方が無い。<br><br>何となく買った食材を並べて、自分の食べたい物をちょっと想像して、あとは作るだけ、なんて事無い。<br><br>確かに私は今までで作った料理なら、レシピを覚えているし、作った事の無い料理も何と無く、味が分かっているなら本を見なくても似せて作る事が出来る。<br><br>要は組合せの問題なのだ。組合せの悪い味付けは避け、自分の味覚に頼れば良いのだ。<br><br>たまごとキムチとトマトと生ハムと冷麺キットをカゴに入れ、最後に多分合うけどなとちょっと迷ってちんげん菜を買った。<br><br>時間もそこそこ遅かったので、手早く食べれてサッパリなのが良いかなと思い、今日は冷麺を作る事にした。<br><br>レジで支払いを済ませ、帰り道に今日は先輩何時に帰って来るんだろうと、ぼんやり考えながら歩いた。<br><br>今日も遅くなるよとのメールが来ていたのは分かっていたが、先輩の遅くなるよは時間の幅が結構あって、22時ぐらいから朝方になるぐらいの間が先輩の遅くなるよ、だと最近分かった。<br><br>急な接待があった日は、なかなか抜けられなくてずるずると朝までコースになるか、スルッと終電で帰って来たり、様々だ。<br><br>私は余り気にせず、「たまには体にきを使って下さいね」と少々嗜める程度で余った料理もタッパーに詰めて翌日のお弁当にするのだった。<br><br>私は幸せだった。<br><br>好きな人の為に料理を作って、好きな人が帰って来るのを待ってる。<br><br>遅く帰って来て、私が起きてるとも知らずに、先輩はベットに潜り込み背中を向けている私を、そっと後ろから抱き締め、頭にキスしてくれる。<br><br>おやすみと小さい声で良い、先輩が寝付いた後に、幸せだなあと自然に涙がこぼれる。<br><br>一人で今まで生きていたつもりなのだが、一人じゃないんだと分かった瞬間に気持ちが安らぐ。<br><br>先輩の洗濯物を畳みながら、結婚するってこういう事なのかなあとテレビを見ながら考えていた。<br><br>ふいに玄関のドアがガチャガチャと音を立てた。時計を見ると23時を過ぎた辺りだった。<br><br>「ただいまー」<br><br>私は玄関まで迎えにいき、<br><br>「お疲れ様です。今日も接待ですか？」<br><br>「そうなんだよ。カラオケに誘われて午前様になりそうだったから、嫁が待ってますのでって言って解放されてきたよ」<br><br>「嫁なんて嘘言ったらダメですよ。信用されなくなってしまいますよ」<br><br>先輩は鼻を擦りながら、<br><br>「まあ結婚を前提とした、彼女ですけどねと付け加えといたから大丈夫だろ。それより何か食べる物ある？喋ってお酌ばっかりしてたからお腹空いちゃったよ」<br><br>私はあっありますよと少しどもりながら、明日の休みの昼ご飯にしようかと思っていた先輩の分の冷麺を準備した。<br><br>食卓テーブルを片付け、夕食を並べた。<br><br>「おっ冷麺か！美味しそうだね」<br><br>先輩は美味しそうに、夕食を食べ始めた。<br><br>私はさっきの言葉が耳に残って、テレビを見ながらそうなったらいいなあと考えていた。<br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/joh-j/entry-11106994258.html</link>
<pubDate>Wed, 30 Nov 2011 05:55:17 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>蟻塚(14話)</title>
<description>
<![CDATA[ 「どうぞ、少し散らかっていますけど」<br><br>先輩は物珍しそうに、ほぅとかへぇとか呟きながら、首をキョロキョロしながらつぶやいていた。<br><br>「先輩、上着貸して下さい。かけときますね、先輩はビールにします？それともワイン？」<br><br>まだワインは早いからビールにしようかなと言い、先輩にビールを渡し、私もチューハイを手に取った。<br><br>「じゃあ、あらためて乾杯！」<br><br>先輩は勢い良く、ビールを飲み、どんっとテーブルに缶を置くと、<br><br>「よし！今日は酔うぞ！あずみも覚悟しろよ！」<br><br>分かりましたと私は言い、勢い良くチューハイを飲み干した。<br><br>おぉーと先輩が少し驚き、負けてなるものかと、先輩もビールを飲み干した。<br><br>最初の一杯を一気飲みしたせいか、冷めた酔いが、また少し体が火照って来て汗がべた付き始めた。<br><br>「すいません先輩。ちょっとTシャツに着替えて来ます。」<br><br>「えー俺のは？」<br><br>甘えた調子の声で言われ、しょうがないなぁ、ちょっと待ってて下さい。と言い、クローゼットを開けTシャツを取り出した。<br><br>先輩に渡し、私は洗面所に着替えに行った。<br><br>部屋に戻ると、先輩は渡したピンクのTシャツを素直に着ており、少しピチッとしているのに笑えてしまった。<br><br>「先輩はビールで良いですか？」<br><br>「うん。」<br><br>私達は昔話に盛り上がり、ワインも半分位に減り、酔いが廻り始めた。<br><br><br><br><br><br><br><br><br><br>何故・・先輩はあの時私にキスしたんですか？<br><br><br><br><br>「あの時初めてあずみと行った、堂ヶ島の夕日は良かったよな～。」<br><br>「私が見たかっただけなのに、サークルの皆さんがのってくれて本当に良かったです」<br><br>何故あの時私を見つけて追い掛けて来たんですか？<br><br>「洞窟も神秘的で、空から漏れた光で魚がキラキラしてて綺麗だったよなあ」<br><br>「綺麗でしたよね・・。あそこが遊泳禁止なのが残念でしたよね」<br><br>何故私だったんですか？結婚する前のちょっとしたお遊びだったんですか？<br>何にも知らなさそうな私に慈悲が芽生えたとでも。俺がちょっと教えてやるか的な感じ？<br><br>「でもあずみは残念だったな・・。最後の日に熱出して寝込んでたんだもんな」<br><br>「そうなんですよ。浮かれちゃったんですかねえ。夢が叶ったので・・お風呂でのぼせちゃいました」<br><br>湯船で体の調子が悪くなるほどに、あなたの事を考えてた事を先輩はわかってます？<br><br>「もうちょっと早くにあずみに会えてたらなあ。学生生活ももっと楽しくなったのになあ」<br><br>「またまた～。そんな事言ったら奥さんに怒られちゃいますよ」<br><br>「嫁とは別れたんだ・・。去年の年末だけどね」<br><br>「えっ！そうなんですか・・。すいません私知らなくて、余計な事を聞いちゃいました・・」<br><br>まあ気にするな。世間では良くある事さ、とグイッとワイングラスを飲み干そうとして、勢い過ぎたのか口元からワインがこぼれた。<br><br>「もう先輩。飲み過ぎですよ」<br><br>ティッシュを取り出し、先輩の口元を拭いてやる。<br><br>「そろそろ。今日はお開きですかね。遅いし泊まっていきます？」<br><br>口元を吹きながら言った。<br><br><br>先輩は私だからキスしたんですか？<br><br><br>「おれはあずみだからキスしたんだよ」<br><br>「えっ声に出てました！？」<br><br>「ん？何が？」<br><br>「すいません勘違いでした。堂ヶ島の夕日を見た時に、先輩にキスされた時の事を思い出してたので・・」<br><br>ティッシュを持った手を引き寄せられて抱き寄せられた。<br><br>ちょっと酔ったかなと先輩は言った。<br><br>私は先輩の肩に頭を乗せながら、飲み過ぎちゃいましたねと言った。<br><br>私はずっとこうしたかったんだなあと思った。<br><br>先輩はテレビのリモコンを消した。<br><br>そしてどちらからともなくキスをした。<br><br>唇の柔らかさを確かめるような先輩のキスを何度も受け、私は小さな吐息を漏らした。<br><br>「今日は泊まっていって下さい。私は先輩の事がずっと好きだったんですよ」<br><br>先輩は少し照れたように笑い、もう一度私を抱き締め、首筋にキスをした。<br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/joh-j/entry-11092366805.html</link>
<pubDate>Sun, 27 Nov 2011 01:23:25 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>蟻塚(13話)</title>
<description>
<![CDATA[ 「いやいやマジだって。俺もびっくりしたんだぜ」<br><br>「えー！嘘でしょう！先輩話し作り過ぎですって」<br><br>私は先輩とカウンターで肩を並べながら、ビールを飲んでいる。<br><br>断わる事も出来たかもしれない・・<br>でも久しぶりに変わらない先輩を見て、話しをしたくなったのは事実だ。<br><br>私はどうしたいんだろう？<br>分からないまま、居酒屋の暖簾をくぐり、先輩がこっちこっちと笑顔で手招きしたのを見た時、ぐじぐじ悩んでた自分を忘れた。<br><br>私はずっと先輩に会いたかったんだな。<br><br>久しぶりに心から笑顔になってる自分がいる。一番楽しかった時期の私がここにいる。<br><br>「だから言ってやったんだよ。俺はあんたの姑じゃねぇ。ああそうか結婚してないからあんたには分からないな。こりゃ失礼しましたってね」<br><br>「ひどーい。クライアント傷ついてなかったですか？」<br><br>「全然、キョトンとしててその後いきなり笑い始めて、『君みたいに生きが良いのが私の会社の営業マンで良かったよ』なんて言って、今じゃ意気投合して月に2回は飲みに行く仲になったよ」<br><br>「おー！先輩スゴーイ！」<br><br>先輩が教えてくれた。楽しい事、悲しい事、うれしい事、辛い事、寂しい事、耐える事、感謝する事、信じる事、愛する事。<br><br>私はいっぺんに色んな事を経験して、私の心の許容量を越えて、先輩を受け付けなくなった。<br><br>私はその頃より少しは大人になったと思う。<br><br>その頃の私が目の前にいたら、そんな事もあるよと、黙って悩みに耳を傾けているだろう。<br><br>「あっそろそろ終電の時間だけど大丈夫？」<br><br>「大丈夫ですよ。それより私の家で飲み直ししません？せっかく久しぶり会えたのに、なんか勿体無くて・・」<br><br>先輩はちょっとびっくりしたけど、すぐに笑顔になって、<br><br>「勿体無いって！俺は無くなんないって。相変わらずのあずみ節だねぇ。よし乗った！君の家で飲み直そう！」<br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/joh-j/entry-11090358735.html</link>
<pubDate>Wed, 07 Sep 2011 01:49:37 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>蟻塚(12話)</title>
<description>
<![CDATA[ 夜は海の幸をご馳走になったあとそれぞれ自由行動で、温泉に入りに行く人もいれば、部屋で飲んでいる人もいた。<br><br>私と智美は部屋にある露天風呂を堪能したあと、風呂上がりに部屋で飲んでいるメンバーと合流し、また飲んで酔っ払って何時の間にか寝てしまってた。<br><br>次の日軽い二日酔いではあったが、窓から見える綺麗な海を見たら一気に気分がマシになった。<br><br>朝から卵掛けご飯と味噌汁の組合せに、ちょっと幸せな気分に浸り、智美と一緒に午後からの堂ヶ島のクルージングのパンフレットを何度も読んでは、部屋でごろごろと過ごした。<br><br>男子は早朝から釣りに出掛けており、11時ごろに帰って来た。<br><br>「一人1匹分はなんとか釣れたよ。ほとんど釣ったのは俺だけどね」<br><br>先輩が自慢げに言い、途中で魚屋に寄って金払っただけだろと突っ込まれていた。<br><br>「まあそんな事はどうでも良い。飯にしよう」<br><br>私達は民宿の駐車場の一角でバーベキューが出来る広場があるとの話しを聞き、食材を持ち込み昼ご飯となった。<br><br>魚にたっぶり塩を振りかけ、開いた貝類に醤油を掛け、香ばしい匂いが堪らなく食欲を注いで、みんな我先と皿を片手に食材を奪いあっていた。<br><br>昼ご飯も食べ終わり、午後のクルージングの時間となったので、船着場に車で移動した。<br><br>客船はまだ真新しく、デッキからの見晴らしは良かったのだが、なんせ夏場で日差しも強かったので堂ヶ島まではみんな客船の中へと避難していた。<br><br>堂ヶ島が徐々に近づき、島の空洞の中に入ると、処どころ光が水面を照らし、光が射し込む水面からは小魚が群れをなして泳いでいるのが見えた。<br><br>船のエンジンを停め、波の音だけが響く空間の中、いくつもの射し込む光と影のコントラストが幻想的で、吸い込まれるように海面の魚を見てた私は魚と一緒に海の住人にでもなった気がした。<br><br>やがてまた船のエンジン音が響き渡り、洞窟を出ると元の船着場に向けて進路をとった。<br><br>「なんだもう終わりか。あそこでちょっと遊泳でも出来たら良いのになあ」<br><br>「パンフレットにも書いてありましたけど、あそこの海流が色々重なってて結構危ないみたいですよ」<br><br>先輩が残念だなあと言って、離れてく堂ヶ島を名残惜しそうに眺めていた。<br><br>夕方に一旦休憩しようと部屋に戻り、男子は朝が早かったせいか、部屋に横になるなりすーすーと寝始めた。智美も部屋の隅っこでテレビを見てたと思ったら、うつらうつらと首を振り寝始めた。<br><br>私はなんか寝るのがもったいないなと思い、帽子とタオルとデジタルカメラを手に部屋を出た。<br><br>ぶらぶらと海岸沿いを歩きながら、周りの景色を写真に収めながら歩いてたら、昨日見た夕陽の辺りまで来てしまった。<br><br>そうだ夕陽を撮ろうと、写真のポイントを探して砂浜をうろうろ歩いた。<br><br>砂浜の端で少し茂みになっている場所があり、堂ヶ島の空洞が少し見えるポイントを見つけ、まだ日が沈むまで1時間はある間、何をするでも無くぼーと海を眺めていた。<br><br>通りからは私の姿は見えず、こんな所で誰かに襲われたら嫌だなあなんて思いながら、早く日が沈まないかなと思ってた折に、上から聞き覚えのある声が降って来た。<br><br>「どうしたの？こんなところで？もしかして夕陽を見に来たの？」<br><br>先輩が茂みの向こう側で声を掛けてきた。<br><br>「なんだ、どうやってそっちに行くんだ？」<br><br>先輩が茂みと悪戦苦闘しながらこっちにやって来る。<br><br>「先輩。あちこち草が絡み付いてますよ。背中向いて下さい。取りますから」<br><br>私は先輩の背中に付いた草を取りながら、広い背中だなあなんて思ったりしてた。<br><br>「そっちから来たら良かったのに」<br><br>「なんだ、早く言ってくれよ」<br><br>私は言う前に来たくせにとクスッと笑って夕陽の方向に向いた。<br><br>「私がここにいるってよく分かりましたね。どうして？」<br><br>「俺も寝付けなくて外出てブラブラしてたら、君の後ろ姿を見掛けてさ。でも急にいなくなったから、穴にでも落ちたのかと思ってさ」<br><br>「落ちて無いですよ。カメラで夕陽のベストショットを撮ろうと思って、ここに来たんです」<br><br>部屋では先輩は寝てたはずだ。もしかして私が出て行くのを、見計らってた？追いかけて来た？<br><br>「そろそろ日が落ちてきたな」<br><br>私達はじっと海を見つめ、ジリジリと水平線に落ちて行く夕陽を眺めていた。<br><br>10分ぐらい黙ってシャッターチャンスを狙っていた時だった。風に流れて来た雲が太陽に重なり、真っ赤に染め上がった。<br><br>一瞬の出来事に私はシャッターを押すのも忘れ、魅入ってしまった。そして夕陽がじわじわと水面に消えて行き、残り陽が薄っすらと雲を赤から黒に変えていった。<br><br>私は気が付いたら涙を流していた。ただ夕陽が沈むだけなのに、その簡単な事が私にはただただ美しいものとしか見えなかった。微かな光が残っている水面を眺め、最後の日が消える瞬間に唇に柔らかいものを感じた。<br><br>先輩がキスしてる！って思った瞬間先輩は唇を離し、あれ気付いた？と聞いた。<br><br>「心がどっかに行ってたから、気が付かないと思ってさ」<br><br>そう言ったっきり微笑みを浮かべ、立ち上がりジーンズに着いた砂を払った。<br><br>「お腹空いたから帰ろう」<br><br>私は何が起きたのか理解出来ないまま、のろのろと起き出し先輩の後を追い掛けた。
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/joh-j/entry-11010233240.html</link>
<pubDate>Tue, 06 Sep 2011 17:02:32 +0900</pubDate>
</item>
</channel>
</rss>
