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<title>天上天下唯我独尊</title>
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<description>主成分は腐っています。思いを吐き出しています。二次創作物メイン。魔法の学校のアレのお話たちです。</description>
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<title>席</title>
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<![CDATA[ 背後から、いやな気配がした。<br>珍しいとは思ったのだ。<br>いつも授業開始ギリギリの時間に教室に駆け込むような怠惰な者が、余裕を持って――とは言っても、僕よりも当然遅いわけだが――着席をしているとは。<br>悪いこととは思わない。<br>ギリギリに来て授業の邪魔をされるよりはまだいい。<br>気にくわないのは、何故まだ空きの多い席達の中から、僕の真後ろを選んだのか、というところだ。<br>……まぁいい、僕は講義に集中し、より知識を深めるだけだ。<br>愚か者に構っているような暇はないのだ。<br><br>講義が始まり、自然と後ろのことなど気にらなくなった…そんな中、ひらりと小さな羊皮紙の切端が目の前に舞い落ちる。<br>軽く折られたその紙は、ぱたぱたと自ら開いて行く。<br>中には文字が…<br><br>『セブルス、髪切った？』<br>……書いた主の名はなくとも用意に想像がつく。<br>下らん。<br>視界に入れた時間さえも勿体無い。<br><br>僕は動じず講義に意識を再び向けた……がすぐにまた邪魔が入る。<br>コツ、コツ、と椅子の底を足先で打つ音。<br><br>…五月蝿い。<br><br>僕は眉を寄せ、不快な表情を浮かべて、ちらりと後ろに視線を遣る。<br>後ろの馬鹿者が僕の視線に気付き、にっと笑いを浮かべる。<br>……こやつはいつもこのような頭の悪そうな笑いをする。<br><br>「髪、切った？」<br><br>再びの問いに対して、眉間に更に力が入る。<br><br>「下らんことで邪魔をするな」<br><br>そう言い放ち、視線を前へと戻す。<br>何やら後ろから不満の声が聞こえるが、あんな愚か者、相手をしている時間が惜しい。<br>さて授業に集中――――<br><br>途端に首の後ろを走る感覚。<br><br>「……っぅあ…っ！」<br><br>首の後ろを指が這う、突然の感覚に口から声を漏らしてしまい、慌てて手で口元を抑える。<br><br>なんだ！なんなのだ！！<br><br>声を出してしまったことの羞恥と、目一杯の怒りを表情に出して後ろを睨みつける。<br><br>奴は変わらない笑いを浮かべて、<br>「襟足が揃ってて綺麗だなー、と思って」<br><br>「貴様…っ…！」<br><br>感情的に言いかけたところ、「ミスター・スネイプ」と教授がコツコツと杖で机を叩きながら、抑えるように促す。<br><br>……く、僕ともあろうものがあんな奴な思惑に乗ってしまうとは……。<br>一つ深呼吸をして、また椅子に身を委ねた。<br>…背後を警戒しながら。<br><br>そして僕は心に決めた。<br>これからは、座る席は後ろにしよう、と。<br><br>そして髪は首がでることの無い長さにしよう、と。
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<pubDate>Mon, 03 Aug 2009 22:09:11 +0900</pubDate>
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<title>僕たちの箱庭</title>
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<![CDATA[ 「グリフィンドールの勝利ーーーーーーー！！！」<br>　場内にわぁっと歓声が上がる。オリバーは満面の笑みを浮かべハリーとがっちり腕を組んで喜ぶ。<br>　サイッコーーに嬉しそうだ。<br>　……格好いいなと、素直に思う。 <p>　僕は自慢じゃないが勉強が出来る。そこが取り柄だって自覚してる。<br>　兄さん達だって勉強が出来ないわけじゃないけれど、好きなものに精通していたり、また違う魅力を持っていて、身内ながらに兄さん達は格好いいと思う。<br>　僕はそうはなれなくて、でも僕にだって出来ることがあるって、そう必死になって勉強した。確かに僕に向いていたのもあるかも知れない。そうして学校では首席になって、人望もそこそこある。僕だからこそこうしていられるって誇りはある。<br>　……けどやっぱり僕には絶対になれないものもあって、そこへの憧れがないわけじゃあない。</p><p>　彼は……僕と違っていたんだ。</p><p>　クィディッチの試合で勝った後は、彼のオーラはいつもと違って、輝きが増す。<br>「オリバー、昨日の試合見たわ！凄かった！」<br>「私も！物凄く胸がどきどきする試合だったわ！」<br>　そんな彼を周りが放っておく筈もなく。<br>「ありがとう。皆に応援して貰って頑張れたんだ」<br>　試合のときとは違う、優しい表情は、綺麗な顔立ちをより引き立てる。<br>　文句なく、格好いいのはわかっているんだけれど、どうにも気持ちが落ち着かない。<br>　……それだけが、オリバーじゃないんだぞって、言ってやりたい。</p><p><br>　僕とオリバーと、全く違うタイプだけれど、気が付くと仲良くなっていた。<br>　オリバーは人気者だし、僕も周りとはそつなく関係を作ることが出来るから、逆に違うタイプだからこそお互いに気になっていたのかも知れない。四六時中傍に居て、オリバーのことならきっと僕が一番知ってるって、思ってる。</p><p>　オリバーって、ああ見えて肝心なときに勇気が出ないんだ。</p><p>　オリバーのことはわかってる。どんなこと考えてるかもわかってる……つもり。<br>　傍に居て、もっと近くに行きたいって僕が思ったときも、オリバーだってそう思っていた。意外と言葉に出すのが苦手で、上手く表せない姿に笑ったっけ。<br>　お互いまだ勇気が出なくって、一緒に歩いてて手の甲が触れ合っただけでどきどきした。<br>　何度も掠る体温。<br>　いっそ握ってくれればいいのにって思って見た君は、僕の方を見ることも出来ずに、顔を少し赤くしながら緊張していた。<br>　……格好悪い。<br>　いつも格好いい君のそんな姿が僕にはとても愛しかった。<br>　手を伸ばして、小指を絡ませると、偶然ではない体温に君は驚いて身体を強張らせた。<br>「……オリバー…」<br>　そう名を呟いて絡ませた指を催促するように軽く引くと、オリバーは顔を更に赤らめながらも大きな手で握ってきてくれた。<br>　その掌はとても熱かった。</p><br><p>「ねぇねぇ、オリバーってどこに遊びに行くのが好きなの？」<br>　そんなオリバーに興味津々な女の子達に、普段じゃ見れないオリバーも教えてあげたいところだけれど、それはそれで癪だったりもする。<br>　きっとあんなオリバーは、僕しか見たことがないのだから。<br>「ねぇオリバー、今度のホグズミート週末のとき一緒に―――」<br>「オリバー、僕はそろそろ寮に戻るけど？」<br>　女の子の言葉を遮るように言葉をかける。<br>「あ、パーシー待って、僕も戻るから」<br>　オリバーは慌てるように教科書を抱えて準備をする。女の子は不満顔だ。<br>「えー、もうちょっといいじゃない」<br>「ごめんね、暫く練習につきっきりだからあまり勉強してなくて、教えて貰う予定なんだ」<br>　申し訳なさそうに嗜めるオリバーに更に詰め寄ることなど出来るわけもなく。<br>「じゃあ、またね」<br>　笑顔で軽く手を挙げる姿は、完璧だなと思う。<br>　僕以外の前で、そんなに格好よくなくていいのに、なんて思ってることは本人に言えるわけがない。<br>　落ち着かずに早足で寮へ向かう。オリバーは少し遅れて追いかけるように付いてくる。<br>「パーシー、待ってよ」<br>　勿論聞こえちゃいるけれど、なんだか意地悪したい気持ちになる。<br>「何か、怒ってる？」<br>「何も？」<br>　必死で早足で歩いても、足の長いオリバーにとってはそんな大変なことでもなくて、すぐに追いつかれてしまう。<br>　僕がこうして何かしらでムキになっているときは、オリバーは何も言わない。何を言ったらいいのかわからないからだ。でも僕の傍を離れることはしない。ずっと一緒に居てくれる。<br>　何も言わないまま、部屋に着く。<br>　ちらりとオリバーの顔を一瞥すると、やっぱり何を言ったらいいのかわからない困り顔。<br>「……別に、話してて良かったのに」<br>「でも…勉強教えてくれるって…」<br>「別に今でなくても大丈夫だろっ」<br>　本当はこんなことが言いたいわけじゃないのに、素直になれない自分がどうかと思う。<br>「もしかして……ヤキモチ…？」<br>　図星。<br>　こんな小さなことで妬いて、困らせて、そんな自分は見せたくないと思ってもなかなかそうはできなくて。<br>「良かった、僕が何か怒らせるようなことしたかと思ったよ」<br>　こんな僕の姿を見て、オリバーはくすくすと笑いを零す。<br>「だって、……だって、オリバー、君は僕と約束してたのに、女の子に愛想を振り撒いて…」<br>「愛想って……、でも、こうして一緒に来たよ？」<br>　オリバーは傍に寄り添って微笑みかける。<br>　その笑顔は卑怯だ。<br>「――――――うん」<br>　それ以上言葉が言えなくて、何だか気恥ずかしくて俯く。<br>　暫く訪れる静寂。<br>　沈黙に耐え切れず、そっと伺うように目線を上げると、ずっと僕の様子を眺めていたらしくオリバーとしっかり目が合ってしまう。<br>　途端に身体の中を何かが走るように熱くなる。<br>　それはどうやら、僕だけではなかったらしい。<br>　さっきまで落ち着いていたのに、じっと見ていた視線を外し、泳がせるオリバー。静寂を打ち破りたいのか、何度も喋ろうとするものの、言葉にならず口が微かに動いている。<br>　何を考えているのか、あの時と一緒で、バレバレだ。<br>　手を伸ばして、ネクタイを引っ張り身体を引き寄せる。突然の行動にオリバーは驚き気味で顔をあげるが、至近距離で合う視線に戸惑い、少し顔を赤らめる。<br>「パ…パーシー…？」<br>　困惑気味のオリバーに合図を送るように、くい、と再度ネクタイを引く。<br>「……僕に、恥をかかせないでよ」<br>　小さく呟いて目を伏せると、オリバーは覚悟を決めたように喉を鳴らした。<br>　ゆっくりと、ゆっくりと近付いてくる気配。<br>　そっと触れてくる唇は、優しく、そして微かに震えていた。<br>　その体温は、あの時の手のように熱かった。</p><p>　君のその体温は、僕だけのものだ。</p>
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<link>https://ameblo.jp/kanadome/entry-10307339659.html</link>
<pubDate>Sat, 25 Jul 2009 23:02:05 +0900</pubDate>
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<title>おまじない</title>
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<![CDATA[ 　見上げる天井は、なんだかいつもと模様が違う気がする。ぐるぐると回るような、そんな気が……。<br>　パーシーはぼーっとした表情を浮かべ、虚ろな目で天井を見ていた。焦点が定まる様子はなく、浅い呼吸を繰り返し、口に咥えていた体温計を手にとって確認をする。<br>「38.5℃……」<br>　小さく呟いて目の前に体温計を掲げていた手を力なく落とす。<br>　時は昼間。具合が悪くなったのは昨夜から。それから医務室でずっと寝ていたものだから、身体はだるいものの寝付けない。学校内では普通に授業がある為、医務室付近に人気はなかった。マダム・ポンフリーもずっと医務室に居るというわけにはいかず、誰も居ない中、パーシーはただただ、天井を見上げている他なかった。<br>　普段学校内では授業中は勿論、食事や寝るときでさえ人と一緒なものだから、これだけ長時間一人で居るなんてことは久しぶりだった。偶にはこんなのもいいか、なんてはじめは思っていたものの、数時間ずっと何もすることがないと考えも変わってくる。広く高い医務室の天井が、一人であることをひしひしと感じさせた。<br><br>　寝返りを打つこと数え切れず、目閉じ、また眠りに落ちないかと考えていた頃……どこからか気配を感じた。しかしその原因を探るのも億劫に思っていた。<br>　そんなとき、額に何か冷たい感触があたった。<br>　普段であればその感覚に驚きもしたが、その反射さえも鈍っていた。体温の高いパーシーには、その冷たさが心地よかった。うっすらと目を開け、熱に侵されたままぼーっと景色を確認する。<br><br>「…ん……お前…」<br>　おぼろげな口調で言葉を紡ぐ。<br>　目に飛び込んで来たのは、フレッドの姿だった。<br>「パーシー、熱いよ。大丈夫？」<br>　パーシーの頬に触れるフレッドの手は冷たく濡れていて、パーシーには少し心地よかった。どうやら額に冷たいタオルを絞って乗せた後のようだ。傍らからジョージも顔を覗き込む。<br>　大丈夫、と自信を持って言える筈もなく、首だけで小さく頷く。<br>「薬、ちゃんと飲んだかい？」<br>　今が何時かもわからないパーシーには薬を飲んだ覚えもない。多分近くのテーブルにマダム・ポンフリーが薬を置いているのだろうなと少し視線をテーブルに送ると、ジョージがそれに気付き、テーブルの上の薬を取った。<br>「飲んでないみたいだな。全く、世話のかかる兄上だ」<br>　手の上で薬を弄びながらジョージはからかうように言う。<br>「…お前達に言われたくない」<br>　パーシーは力なく睨み付ける。しかしベッドでぐったりした状況で睨み付けたって少しも怖くはない。<br>「さて、ちゃんと薬飲まないと、マダム・ポンフリーに怒られるよ」<br>　フレッドは水の入ったコップを手にし、ベッドに腰掛ける。パースはそのコップを受け取ろうと上半身を起こそうとしたところ、ジョージがそれを制す。<br>「パース、ちゃんと安静に」<br>「僕らが、薬を飲ませてあげるから」<br>　二人はそっくりな顔を並べ、いたずらな笑顔を浮かべる。<br>「ちょ…ま、待て…っ」<br>　抗おうと思っても上手く力は入らない。薬を飲もうというのに身体を押さえつけられ、パーシーにはさっぱり状況が飲み込めなかった。<br>　ジョージは手にしていた薬を取り出し自分の口に放り込む。<br>「パース、口、開けて」<br>　ジョージは、にやりと口の端を上げて笑いながら、パーシーの顎を持ち、無理やり開けさせる。開いた隙に唇を重ね、自分の咥内にある薬をパーシーの口の中に落とした。ジョージが唇を離すと、今度はフレッドがすかさず水を口に含んで、口移しでパーシーの咥内へと流し込む。パーシーはされるがまま水と共に薬を飲み下し、突然の苦しさに息を荒げる。<br>「…っはぁ……お前ら…病人相手に…」<br>　睨み付ける瞳は相変わらず力なく。<br>「ほら、あんまりカッカすると熱が上がっちゃうよ」<br>　フレッドはあやすように肩を撫で、落ちたタオルを再びパーシーの額に乗せる。<br>「一体誰の所為だ…」<br>　半ば諦めたのか、大人しくパーシーはベッドに身を沈める。二人は大人しくなったパーシに満足げのようだ。<br>「じゃあ、僕らはクイディッチの練習に行くとするよ」<br>「ちゃんと安静にしてるんだよ、パーシー」<br>　そう言って二人は医務室を後にした。<br>「一体何しにきたんだあいつら…」<br>　まるで、嵐のようだとパーシーは思った。なにやら体力を使い切った気分で、このままなら眠れそうだと、ため息をついて目を閉じた。<br><br><br>―――――翌朝<br>　昨日よりもずいぶんとすっきりした気分でパーシーは目を覚ました。薬もよく効いたようだ。<br>「あら、起きたのね。気分はどうかしら？」<br>　目を覚ましたパーシーにマダム・ポンフリーは気付き、慣れた手つきで額と首の後ろに触れて熱を確かめる。<br>「あ…はい、よくなったみたいです」<br>「熱も下がったみたいだし、大分楽になったみたいね」<br>　マダム・ポンフリーは安心したように微笑む。<br>「ありがとうございます。お世話になりました」<br>「…えぇ、まったくあなた方兄弟ったら、ね」<br>　パーシーがお辞儀をすると、マダム・ポンフリーは少し呆れたように言う。パーシーは一体何のことかわからなかった。<br>　…まさか昨日のことを知られたんじゃ…<br>　そんなことがパーシーの頭を過ぎり、背筋が凍る。<br>「ほら…」<br>　マダム・ポンフリーが声で促す視線の先には、誰かが横たわるベッドが二つ。<br>　テーブルの脇に置いた眼鏡をかけ、そのベッドを覗いてみると……<br>「フレッド…？ジョージ……？」<br>　見慣れた人物の姿があった。パーシーはまた二人が何かやらかしたのかと、慌ててベッドを降りて二人のベッドへと近寄った。<br>「お前達一体…っ…」<br>　二人はパーシーの姿に気付き、力なく笑った。<br>「あ、パーシー、おはよう」<br>「僕らは見事、パースから貰ってこの通りさ」<br>　ぐったりと横たわる姿は昨日までのパーシーと同じであった。<br>「そりゃお前達あんな…」<br>　パーシーはマダム・ポンフリーが居ることを思い出し、一度言葉を止める。<br>「パーシー・ウィーズリー、あまり病人相手に騒いではいけませんよ？私は少し用事があるので外しますが、あなたはもう寮に戻っても大丈夫ですからね。」<br>　マダム・ポンフリーはやんわりと制して、忙しそうに医務室から出て行った。パーシーは彼女にお辞儀をして見送り、周りの様子を伺ってから二人に再度小声で話す。<br>「…あんなことしたら伝染るのも当然だろ…っ」<br>　自業自得だ、とは思いながらも、だるそうに寝る二人の姿に少し申し訳なさを感じた。しかし二人は辛いどころか、パーシーの姿を見て笑顔を浮かべる。<br>「パーシーが元気になったみたいで、よかった」<br>「おまじないが効いたみたいだ」<br>　そう言って二人で顔を嬉しそうに見合わせる。<br>「……おまじない…？」<br>「そう、おまじない。ロンやジニーが昔風邪をひいてたとき、ママがよくやってた」<br>「早く風邪が治るようにって、おでこや頬にキスしてたんだよな、僕らは風邪ひかなかったから記憶ないけど」<br>　…だから昨日あんなことを…。<br>　パーシーは呆れたように肩の力を落とした。<br>「…このバカが…僕がそんな子供騙…」<br>　ふと言いかけたものの、自分が快復したことを嬉しそうに思う二人を見て、続きを言うことが出来なかった。まじないの効果があったかどうかは別にして、治ったのは事実なのだから。<br>「わかった、わかったよ、ありがとう。心配させてごめんな」<br>　パーシーは宥めるように二人の頭を撫でた。熱で額は熱くなっていて、辛いのは想像するに易かったが、二人とも嬉しそうだった。<br>「さ、僕は寮に戻るよ。お前達もちゃんと安静にしてしっかり治すんだぞ？」<br>　そう言ってパーシーは撫でていたフレッドの頭から手を離し、去ろうとした…が、何処にそんな力が残ってるのか、フレッドはパーシーのローブの袖を掴んで離さない。<br>「……何だ？」<br>　こういうとき、どうせロクなこと言いそうにないと察知し、パーシーは怪訝そうに言う。<br>「僕らにも、おまじないをしてくれないのかい？」<br>　にっこりと曇りのない笑顔をフレッドは浮かべる。<br>「パーシーからのおまじないなら、きっとすぐに効くよ」<br>　ジョージも同じくだ。<br>「……なんで僕が」<br>「パーシーは僕らのおまじないで治ったんだ。お返しくらいいいだろう？」<br>「…また僕に伝染るじゃないか」<br>「パーシーから伝染った風邪だ、もうパーシーは大丈夫だよ」<br>　こんなときのジョージとフレッドはもう何を言ったって聞きやしないんだ、そうわかっていた。<br>「…ああもう、仕様がない奴らだな」<br>　パーシーは半ば自棄になりながら、二人の額に口付けた。<br>「これでいいだろう？」<br>　額だったことに二人は少し不満げな表情を浮かべたが、有無を言わせないパーシーの様子にくすくすと笑う。<br>「ありがとう、元気になれそうだよ」<br>「…今でも十分元気そうだけどな」<br>　パーシーは少し恥ずかしいのか、むくれた表情を浮かべて嫌味ったらしく呟く。<br>「そりゃあ勿論、パーシーがいるからさ」<br>　ああ言えばこう言う、こいつらにピッタリの言葉だ、と思いパーシーは脱力する。<br>「知るか、バカ」<br>　そう言い捨てて、医務室を出る足取りは、昨日に比べて随分と軽かった。ぐるぐると回る天井は、今日は随分と近く感じた。一人のときに感じた、あの空虚感をすっかり忘れていた。誰の所為かなんて考えてやるものか、そうパーシーは心の中で呟いた。
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<link>https://ameblo.jp/kanadome/entry-10307338937.html</link>
<pubDate>Sat, 25 Jul 2009 23:01:14 +0900</pubDate>
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<title>刻印</title>
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<![CDATA[ ちゃんと、僕のこと見なよ。<br>誤魔化したりしないで。<br>ちゃんと、僕のことを。<br>君にする一つ一つの証を。<br><br><br>「ねぇセブルス、何を怒っているのさ？」<br><br>ジェームズは肘を立て、掌に顎を乗せながら、隣に座り本に目を落とすセブルスをじっと見ていた。ページを捲るセブルスの指はいつもよりも繊細さに欠け苛立ちを示していた。<br><br>「何を…？貴様本気で言ってるのか？」<br><br>セブルスは顔は上げなかったものの、様子を伺うに表情を堅くさせているようだった。<br><br>「うん、どうして怒ってる？」<br><br>「昨日あんなことをしておいて、よくも飄々と……」<br><br>やはり顔は上げず、本に目を落としたまま、眉をひくひくとさせ怒りを露わにしていた。<br><br>「あんなこと？そんな怒らせるようなことしたかなぁ？」<br><br>「当り前だろう！僕を馬鹿にしてるのか？！」<br><br>苛立ちも限界に来たのか、大きな音をさせて机を叩き、顔を上げてジェームズを睨む。<br><br><br>「だから、何をしたのか教えてよ」<br><br>ジェームズは待っていましたとばかりに、自分に向いたセブルスの腕を掴んで引き寄せた。<br><br>「…っ…」<br><br>「僕が、君に、何をした？」<br><br>セブルスの目をジェームズは射る様にじっと見つめる。この男はこうして人の深い部分に踏み込むときに随分と深い瞳の色を輝かせるのだろうとセブルスは思った。見つめる瞳の力に耐えられずセブルスは目を伏せる。<br><br>「…だから…僕に……」<br><br>さっきまでの勢いはどこへ行ったのか、セブルスの声は随分と小さく、震えて居た。<br><br>「ちゃんと言って、キスしたって」<br><br>「わかってるなら…っ！」<br><br>「言って、セブルス」<br><br>ジェームズの声は優しく、そして逃げ場のない強さを持っていた。<br><br>「僕に…キ……キスをした…」<br><br>セブルスは口にした言葉の恥ずかしさに顔を背け、掴まれる腕を払おうと必死に力を篭める。が、細い腕はクィディッチで鍛えられたジェームズの力に勝てることなど出来ず。<br>セブルスが必死になればなるほど、ジェームズも力を篭めて引き寄せる。<br><br>「そう、僕は君に、キスをした…」<br><br>ジェームズはそう小さく囁いて、俯くセブルスの顎を取って上げさせ、唇を重ねた。<br>行為を、セブルスの身体に刻み込むように何度も、重ねた。<br>
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<pubDate>Sat, 25 Jul 2009 23:00:23 +0900</pubDate>
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<title>君には、言えない　other　ver.</title>
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<![CDATA[ <br><p>「何か最近お前達おかしくないか？」<br><br><br>普段と変わらず過ごすある日、<br>パースがそんなことを言う。<br><br><br>「おかしいところなんてないさ、なぁジョージ？」<br><br>「最近お勉強お勉強で疲れが溜まってきているんだよ、パースは」<br><br><br>なんてまたいつものように茶化したりして。<br>茶化されたパーシーは少し首を竦めて小さく息をつく。<br><br>「なら、いいんだけど。まぁ少しおかしくて悪戯が少なくなるくらいがいいんだけどな」<br><br>どうやら心配をしてくれいたらしい。<br>パーシーは憎まれ口を叩きながらも、僕らのことをよく見てくれている。<br><br>僕らにはそれが心地良い。<br><br><br>でも、たまに、困る。<br><br><br>僕らにも気付かないことに気づいてしまうから。<br>僕らが気付きたくないことも、気付いてしまうから。<br>でもきっと、肝心なことには気付かない。<br><br><br>僕らが君を好きなこと。<br></p>
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<pubDate>Sat, 25 Jul 2009 22:59:25 +0900</pubDate>
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<title>君には、言えない</title>
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<![CDATA[ いつもの声、いつもの顔、いつもの笑い方、いつもの悪戯。<br>何も変わった気なんてしない。<br>二人ともそっくりなのも、変わらない。<br><br><br>「何か最近お前達おかしくないか？」<br><br><br>そう言ったのは一番年の近い兄。<br>僕らは少し驚いて顔を見合わせた。<br><br>「おかしいところなんてないさ、なぁジョージ？」<br><br>「最近お勉強お勉強で疲れが溜まってきているんだよ、パースは」<br><br>なんて茶化して笑う。<br>ほら、同じだ。<br>…そう、思いたい。<br><br><br>違うことはわかってた。<br>その原因は、自分自身にある。<br><br><br><br><br>すきなひとができたんだ。<br><br><br><br><br>相手は何を隠そう兄なわけで、<br>ずっと昔から一緒にいるわけで。<br>でも、気付いていなかった。<br>それはきっと僕自身が子供だった証拠。<br>初めてだった、心が騒ぐ、この気持ちは。<br><br><br>そして何より初めてだった。<br><br><br>もう一人の僕に、秘密にするのが。<br><br><br>秘密にする理由が、僕自身にもわからない。<br>恥ずかしいから？<br>君の外に大事な人が出来たのが言いづらいだけ？<br><br><br>いや……<br><br><br>きっと君も、同じ気持ちだから。<br><br>
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<pubDate>Sat, 25 Jul 2009 22:58:37 +0900</pubDate>
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<title>皆既月食</title>
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<![CDATA[ 「……太陽みたいな奴だな」<br>目を細めていつものように笑う彼奴の笑顔を見て思わず溢す。<br>口に出したつもりなんてなかった。<br>輝くような笑顔はまるでこちらにまで暖かみを与えるようで、<br>懐かしく心地の良いものだと心から思った、ただそれだけで。<br><br>呟いた言葉を拾ったらしい彼奴は一瞬その意味合いを探る表情を浮かべ、<br>すぐにまた太陽のように笑って云った。<br><br>「そうだな……セブルス、君は月のような人だよ」<br><br>その笑顔は、僕を照らした。<br><br>「……君は僕に狂気をくれるからね」<br><br>耳元で囁く声は、灼熱のような熱かった。<br>熱が体の中まで浸透する感覚。<br><br>僕の中の全てを見透かされてるような気がした。<br><br><br>月は太陽なしでは輝けない<br><br><br>なんて思ってしまったことまで。
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<link>https://ameblo.jp/kanadome/entry-10307335834.html</link>
<pubDate>Sat, 25 Jul 2009 22:57:44 +0900</pubDate>
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<title>君の手が与えるもの</title>
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<![CDATA[ 　その日の空は抜ける青空で、絶好のクィディッチ練習日和。いつもと変わらぬ一日、そんな気がしていた。<br><br>　まだまだ遠い先の寮対抗のクィディッチ杯に向けてオリバーによる選手強化プログラムが組まれ、それを消化していく毎日。勿論それが繰り返されれば飽きてくるような輩も出てくるわけで。今日も今日とて皆の顔には疲労の色が強く出ていた。ハリーもそんな選手のうちの一人で、いつも大きく開かれた瞼は少し落ち、心なしか息も上がっている様子だ。 <br>　そんなハリーの様子を地上から眺めている姿があった。ドラコだ。 <br>　スリザリンのチームは練習プログラムを外部に流したくないのか、それとも他のチームと諍いを起こしやすい為か特にグリフィンドールと練習が重なることが殆どない。グリフィンドールはそれとは逆に真っ直ぐなオリバーの性格を表したように練習の様子を隠すことなく、どのような練習が行われているかはドラコの耳にも入っていた。その噂からも今の選手達の様子は容易に予測がついたことだろう。体力の無くなったハリーをわざわざ見に来ていたのか、ドラコは周りにもよくわかるように口元を歪めてせせら笑った。 <br>「毎日大変なご様子だな、ポッター」<br>　空を飛ぶハリーにきっちり聞こえるように語り掛ける。その声色はハリーだけでなく他の選手をもからかっていた。<br>「マルフォイめ……」<br>　力を無くしていた選手達の間に流れる空気が一気に殺気立っていった。ビーターの二人、双子のフレッドとジョージも例に漏れずで、二人は互いの目を見遣り、にやりと笑った。この表情は何かよからぬことを考えているときの表情だ。一人がくるりと得意げにクラブを回して握り直したかと思うともう一人がチェイサーの一人からクアッフルを奪い、構える相手に放り投げる。タイミングよくクラブを振り、それは見事にクアッフルの中心を捕らえ、球はスピードを得て真っ直ぐと目標へ向かう。目標、ドラコへと。<br>　その様子を見て、瞬間ハリーは箒を握り締め、飛び出した。<br>「ドラコ…ッ…！！」<br>　直後、肩に酷い衝撃を感じ、ハリーは地面に叩きつけられ意識を失った。<br><br><br>　うっすらと目を開けると、もう何度も見上げたことのある天井があった。一瞬何処にいるのかわからなかったが視野がはっきりとしていくと靄がかかっていたような意識も次第にすっきりと晴れていった。<br>　ああ、医務室か…。<br>　ハリーはただボーっとした意識の中で呟いた。少し動こうとすると肩に走る激痛。痛む箇所に目を遣ると右の肩から腕にかけて包帯でぐるぐる巻きにされていた。<br>　そうか、あの時のクアッフルが肩に当たって…<br>　段々と状況を把握してきて、少し動くと地面に落ちたときにあちこち打った場所が痛むのを堪えてまだ動く左腕を伸ばして手探りで眼鏡を探してかける。視界が更にはっきりとした。<br>「ハリーが気付いたわ…！」<br>　目を覚ましたハリーの様子に気付いたハーマイオニーが顔を覗き込む。そしてそれに呼ばれるように横からロンが心配そうな表情を浮かべて顔を出した。<br>「ハリー、大丈夫かい…？傷は痛む…？」<br>「ん…大丈夫、…少し痛いけれどね、流石に」<br>　そういって大袈裟にも見える包帯の塊を見遣って苦笑いを浮かべた。<br>「あぁ良かった…、こうして胸を撫で下ろすのも一体何度目かしらね。これから先、ないといいわ」<br>　ハーマイオニーが胸に手を宛てて、ふぅ、と深呼吸する仕草を見せる。その表情からはハリーが目を覚まして居なかった間にどれだけ心配していたのか様子が伺えた。一息ついて安心したのは良かったが、突然何かを思い出したように顔を強張らせた。<br>「いっけない、私今日マクゴナガル先生に書庫の整理の手伝いを頼まれてるんだった！」<br>　ハリーの一件ですっかり忘れていた用事を思い出したハーマイオニーはベッドに掛けられていたローブを掴んで急いで医務室を後にした。そんなハーマイオニーの様子を見てハリーとロンは見合わせてくすくすと笑った。<br>「君も僕につきっきりだったんだろ？何か用事あったりしなかったかい？」<br>　ハリーの問いにロンは少し肩を竦めて答えた。<br>「そうだな、用事と言えば、スネイプに呼び出されていたのを忘れてたくらいかな」<br>　飄々と答える裏には今後彼がどんな目に遭うのかを危惧する表情が隠されていた、いや隠し切れずに居た。ロンもまた、今さっき思い出したというところなのだろう。<br>「それは…早く行った方がいいんじゃないかな」<br>　青褪めた表情にみるみるうちに変わっていくロンにハリーはただそう言葉をかけるしか出来なかった。<br>「…建設的な意見、ありがとう」<br>　ロンはそう言うとハーマイオニーと同じく慌てて医務室から出ていった。慌てて出て行くロンの様子を見てハーマイオニーの時と同様、くすくすと笑いを浮かべる。二人が出て行った後は随分と静かだった。枕に頭を埋め、ただ天井を見上げてぼーっとするしかすることがなかった。しかし当然そんなことにはすぐ飽きてしまうもの。暇を持て余して居た、そんな時、人の気配がした。そして何やら、いい香り。怪我をしているものの病気とは違うのでお腹が空くのは当然のことで、その匂いに自分が空腹であることをハリーは気付かされた。一体誰が持ってきたのだろうとふと顔を上げる。<br>「……気がついたのか、ポッター」<br>　食事を運んで来たのは、なんとドラコだった。<br>「あ…あぁ。つい、さっき……」<br>　食事の乗ったトレイをベッドのテーブルに置くドラコの様子をハリーが不思議そうに見る。<br>「マダム・ポンフリーに頼まれたんだ、お前に食事を持って来るように、と」<br>「そうなのか………ありがとう」<br>「……本意じゃあないが、今回のお前の怪我は僕に関わりがないわけじゃあないからな。マダム・ポンフリーに頼まれたから仕方なくだ」<br>　ハリーに何か誤解を受けたくないかのように必至に言い訳を言うように呟くドラコを見て、ハリーは少し笑いを堪えた。<br>「君は、怪我はなかったのかい？」<br>「ああ、おかげさまで。あんな野蛮なチームメイトと一緒とは大変だなポッター」<br>「そうか…怪我がなかったなら、良かった」<br>　そうハリーはにっこりとドラコに微笑みかける。その様子にドラコは少し戸惑い、トレイを置いて手持ち無沙汰になった自分の所在に困った。<br>「……用事は終わった、僕は部屋に戻る」<br>　ドラコはハリーを目を合わせることなく踵を返してハリーの横たわるベッドから離れようとした。<br>「…待って」<br>「………何だよ？」<br>「…この手じゃ、食べられないんだけど？」<br>　その言葉にドラコは振り返る。ハリーの顔には満面の笑み。<br>「……まさか僕に」<br>「食べさせてよ、ドラコ？」<br>「何で僕が…」<br>「僕が居なかったら君がこうなっていたんだよ？」<br>　笑顔でさらりと言うハリーに、ドラコは絶句した。次の言葉を紡ごうと何度か口を開くが、すぐに今の状況で何を言っても無駄なのだということを理解し、観念したようだった。<br>「……わかったよ…！」<br>　ドラコはどかっとベッド脇の椅子に腰を落とし、食事の乗ったトレイを自分の前へ引き寄せた。乱暴にスプーンを握り、スープを一掬いしてハリーの前に突き出す。その様子に笑いを堪えながらも差し出されるスープを口に運んだ。<br>「美味しいよ、ドラコ」<br>「…黙って食べられないのか、ポッター」<br>　微笑むハリーに構わず次の一口を差し出す。乱暴に差し出す為にスープがスプーンを伝って指へと零れて行く。<br>「ドラコ、零れてるよ」<br>　ハリーはスプーンの中を飲み下し、そのまま柄を伝う液体を辿り、ドラコの指に零れたスープを舐め取った。<br>「……っ…ポ、ポッターッ？！」<br>　ドラコは思わずスプーンを落とす。<br>「あぁごめん、手が使えないものだから、つい」<br>　ハリーはにっこりと笑い、悪びれる様子もなかった。そんなハリーにドラコは手をわなわなと震わせてガタッと音を立てて椅子から立ち上がる。<br>「…ドラコ、何処へ行くの？」<br>　その場から去ってしまいそうな勢いのドラコを見上げ、ハリーは淋しそうな表情を浮かべた。その顔にドラコは脱力する。<br>「…スプーンを、洗ってくる」<br>　溜息をつくようにそう言い、スプーンを拾い上げて水場へと足を向ける。<br>「戻って来たら、次はこのポテトが食べたいな」<br>「わかったよ、好きにするといいさ…」<br>　にっこりと嬉しそうに言うハリーにドラコはもう何か言う気力を失っていた。<br>「…明日も、こうしてドラコに食べさせて貰えるのかな」<br>　くすりと漏らすその言葉は、ドラコの耳には届いてないようだったが、嬉しそうな笑顔は、ドラコも気付いていたようだった。その笑顔の理由をドラコが知っているかは、定かではないが。
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<link>https://ameblo.jp/kanadome/entry-10307335089.html</link>
<pubDate>Sat, 25 Jul 2009 22:56:53 +0900</pubDate>
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<title>炯炯たる眼</title>
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<![CDATA[ 俺が目に入っていないことなんて、そんなこと知っていた <br><br><br>「セブルス、何処行くんだよ」 <br><br>「僕の勝手だろ、構うな」 <br><br>真っ直ぐ前を向いて歩調を休めることなく歩く<br>俺のことなど目もくれず<br><br>少し悔しくて<br>手を伸ばして長めの髪を軽く引っ張る<br><br>「…ジェームズと一緒なら、いつだって見てるくせに」 <br><br>ほんの小さく呟いた<br>聞かれたいけど言いたくない、そして聞かせたくないけど口に出てしまった言葉<br><br>「煩いな、僕に構うなって言ってるだろう」<br><br>髪を引く手を払いのけ振り返る<br>少し逆上した表情を浮かべながら<br><br><br>嗚呼、やっと俺を見た<br><br><br>凛と輝く瞳に俺の姿が映る<br>綺麗な瞳だと思った<br><br>「………俺を見ろよ、セブルス」<br><br>その言葉に動じる様子など、欠片もなかった<br><br>「莫迦を言うな。誰が貴様なんぞを」<br><br>瞳の輝きは衰えず<br>その奥には強い強い想い<br><br>その瞳に、ぞくぞくした<br><br>俺が目に入っていないことなんて、そんなこと知っていた<br>だからこそ、その瞳が愛しかった
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<link>https://ameblo.jp/kanadome/entry-10307331652.html</link>
<pubDate>Sat, 25 Jul 2009 22:52:46 +0900</pubDate>
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<title>侵食</title>
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<![CDATA[ <br>人を喰う <br>彼にはそんな言葉がよく似合った <br><br>僕に解き方のわからない言葉の魔法をかけて <br>動けないのをいいことに僕の身体を弄ぶ <br><br>行為に耽った、その後に <br>荒げた息に混じらせて　こう、言う <br><br><br>「セブルス、僕を憎んでしまいなよ」 <br><br><br>そんなこと、出来るわけがないことを知ってるくせに <br><br>知ってるくせに・・・！！ <br><br><br>彼はいつもそう呟く表情を見せることはなく <br>ただ、僕の中で蕩けた声を聞かせた <br><br>貴様はいつだって、ずるいぞ　ポッター <br>だから貴様には本当のことなど言ってやるものか <br><br><br>貴様に、だけは <br><br><br>例え憎むことなどしなくとも <br>喰われた僕の体から貴様が消えることなどないなんて <br>
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<link>https://ameblo.jp/kanadome/entry-10307330564.html</link>
<pubDate>Sat, 25 Jul 2009 22:51:36 +0900</pubDate>
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