<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom">
<channel>
<title>賢い犬のブログ</title>
<link>https://ameblo.jp/kasikoiinu/</link>
<atom:link href="https://rssblog.ameba.jp/kasikoiinu/rss20.xml" rel="self" type="application/rss+xml" />
<atom:link rel="hub" href="http://pubsubhubbub.appspot.com" />
<description>ブログの説明を入力します。</description>
<language>ja</language>
<item>
<title>たんたかたんか</title>
<description>
<![CDATA[ ご無沙汰しております。<br>何時もニコニコ皆様に愛される賢い戌が帰ってまいりました。<br><br>唐突ではございますが、わたくし最近【川柳】と【短歌】にハマっております。<br>あ、ちょっと、あ、ちょっとちょっと。お待ち下さいお客様。<br>いきなり川柳だの短歌だの言われて気を挫かれるのは至極当然ごもっとも。<br>ですが、ですけれど、川柳も短歌も、皆様が思われている程難解なものではないのでございます。<br>それどころか、川柳短歌を嗜む事は、皆様の人生をきっと豊かにしてくれる事でしょう（保証はいたしかねます）<br><br>と、毎度毎度の長口上、益体もない前置きではございますが、もう少しご辛抱を。<br>いえいえ僕もズブの初心者、ドのつく素人でございます。本来ならば皆様にお教えできる立場ではございませんが、ここは一つ、解説を。<br><br>とは言え、何も難しい事はありゃしません。<br>【川柳】は５・７・５のリズム。<br>【俳句】と違って季語は必要ない。何でもかんでも思った事を押し込めちまえばいいんでござんす<br>【短歌】もほとんど変わりません。５・７・５に７・７を加えるだけ。<br><br>さて、聞くよりも見るが易し見るよりもやるのがてっとり早い。<br>手前味噌ではありんすが、一丁あたくしの作った川柳短歌をお披露目させていただこうじゃありませんか。<br><br><br>耳鳴りの 音をお供に 床に就く（クラブ川柳）<br><br>ブース前 突如割り込む 知らぬ顔 良かろう友よ 共に踊ろう（クラブ短歌）<br><br>こんな感じでございます。難しい事は何にもない。ちょいと感じた事をそのままさらりと書き上げるだけでございます。<br>そして慣れて来ましたら、韻を意識する。上の川柳なら、音をお供に（おとをおともにとこに）で、母音のお、と、をダブルで踏んでるわけですね。<br>他にも、ちょっとひねって意味を見出す。あるいは、ちょっとしたドラマ、情景を演出する、何てのも楽しみでございます。<br><br>やっぱり難しそう、そもそも川柳短歌なんか出来たって何の意味もない？　いえいえ、そんな事はございません。川柳短歌を嗜む事は、思考の整理も繋がるのです。なんせ５・７・５で１７文字。７・７を加えても３１字。この狭い世界で感じた事の全てを表現するには、そりゃもう削って削って削るしかない。どこを省略して、どの言葉なら伝わるか。そういった取捨選択も川柳短歌の醍醐味なんですねぇ。<br><br>それでは最後に、最近の傑作（と思っております）を一つ。<br><br><br> 君の名を　叫ばずに起きる　四十九日去らば愛しの　人よこの世と（失恋短歌）<br><br><br>お目汚しを、これにて失礼っ！<br><br><br><br><br><br><br><br><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/kasikoiinu/entry-11264358815.html</link>
<pubDate>Wed, 30 May 2012 10:21:56 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>殺人者の言い分</title>
<description>
<![CDATA[ 血の色は赤かった。<br><br>当たり前と言えば当たり前だが、忘れかけてもいた。<br>時々無性に確認したくなるのは――本当に忘れない為だろうか。<br>ならば、この殺人衝動も人の本能と言える。<br>そこまで考えて、彼は血の味をも確認した。<br><br>あるいはそれは、刃の味だったのかもしれないが。<br><br><br><br>刃の冷たさとはつまるところ――金属の冷たさだ。<br><br>それは死の冷たさと同じ温度を宿している。<br>刺しこまれた事などないが、考えるまでもなくゾッとする。<br>その事実が――刃の先に生まれる不幸が――安らぎだった。<br><br>少なくともその瞬間は、彼は世界で一番哀れな人間ではなくなるのだから。<br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/kasikoiinu/entry-11173177327.html</link>
<pubDate>Thu, 23 Feb 2012 15:35:09 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>遊歩する夜、月との談話。　４</title>
<description>
<![CDATA[ 「なんで？　うんざりなんじゃないの？」<br>「･･････でも、私が空に上ってないと、困る人がいますし」<br>「そりゃね、誰かは困るよ。でも、世の中ってそういうもんじゃない？」<br><br>僕が言うと、お月様は「えっ？」っと、小首を傾げた。<br><br>「風が吹くと桶屋が儲かるって言うじゃん。あと、蝶が台風を起こすとか。結局何したってさ、誰かは困るし、誰かは得するんだって。多分、僕等がこうして話してるお陰で、誰かが命拾いしたりしてると思うよ。あぁ、そう思うとさ、なんか癪じゃない？　そいつを探し出して、謝礼とか貰いたいな。だって僕達、命の恩人なわけだし、その位の権利はあってしかるべきじゃない？」<br>「ぇ、ぁ、はい。そう、おもいます？」<br><br>僕が一気に喋るもんだから、お月様はあわあわして、疑問系で肯定した。<br><br>「でしょ。だからさ、あんまり気にする事ないと思うよ。別にお給料とか貰ってるわけじゃないんだし。あ、貰ってないよね？」<br>「え、えぇ。その、無給です･･････」<br>「ほら。だったら尚更じゃん。ていうか、それはうんざりするって。タダ働きなんでしょ？　ありえないよ。僕だったら、皆から毎日10円ずつ貰っちゃうな」<br>「でも、太陽さんもそうしてますし」<br>「人は人、ウチはウチ」<br><br>人差し指の代わりに煙草を立てて、僕は言う。<br><br>「はぁ･･････」<br><br>お月様はぽわんとした顔で生返事をする。僕の言葉が雨水みたいにゆっくり染み込んで、彼女は「いいのかな･･････」「でも･･････そうだよね」っと、自分に自問し自答する。<br><br>「どう？　納得した？」<br>「はい。なんだか、スッキリしました」<br>「うんうん。大事だよね、納得は。それがなきゃ、何したって意味ないんだし」<br><br>腕を組み、僕は神妙に頷いた。<br><br>そして、<br><br>「じゃ、カラオケでも行こうか」<br>「え、えぇ！？」<br>「だって、今日はＯＦＦなんでしょ？　折角休みなのに、こんな公園で一人ぼっちなんて勿体ないって」<br>「で、でも、私、お金とか持ってないですし」<br>「大丈夫。僕も持ってないから」<br><br>僕は全財産をさっき、コンビニで寿司クレープと交換してしまった。<br><br>「え、ぇ、ぇ、えぇ？」<br>「ちょっと待ってね」<br><br>困惑するお月様に言って、僕は携帯電話を取り出す。<br><br>「もしもし？　僕だよ。え、僕だって。ダレ？　ダレって誰だよ。君ね、親友の事忘れちゃったの？　だから、僕だって。君の友達の賢い犬だよ。そう、思い出した？　全く、困るなぁ。友達に友達面するなんて、こんなマヌケ、これっきりにしてくれよ。それで、今日君の店に遊びに行っていい？　お金？　ないよ。君は本当に忘れっぽいなぁ。いいかい、僕は貧乏なんだよ？　え？　ふざけてないよ。さっきね、お月様と知り合ったんだ。凄い美人でね、これから彼女とそっちに行こうと思うんだ。いいよね？　うん。君なら、きっとそう言うと思った。それじゃ、後で。一番いい部屋を頼むよ。あはは、それじゃ、またね」<br><br>用が済んだので、僕は電話をしまった。<br><br>「おっけー。タダで良いって」<br>「えぇぇぇぇ！？　そんなの、悪いです。駄目ですよ」<br><br>お月様は目をお月様みたいに丸くして驚いた。<br><br>「悪くないよ。ちゃんとことわったし、向こうも了承してるんだから。世の中にはね、案外物々交換の精神が残ってるもんなんだ」<br>「はぁ･･････」<br>「それじゃ、行こうか」<br><br>僕は立ち上がり、お月様も立ち上がる。<br><br>その後僕とお月様と僕の友達は、朝まで楽しい一時を過ごした。<br><br>もっとも、彼女は真面目な人らしく、次の晩にはお空でキラキラしてたけど。<br><br>それ以来、僕と彼女は月に一度、こっちの世界で遊んでいる。<br><br>巷では、新月と呼ばれる日だ。<br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/kasikoiinu/entry-11169031040.html</link>
<pubDate>Sun, 19 Feb 2012 01:58:19 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>遊歩する夜、月との談話。　３</title>
<description>
<![CDATA[ <span class="articleTheme">&nbsp;</span>「･･････疲れたんです」<br><br>僕の質問に、お月様はたっぷりと沈黙を噛み締めてから答えた。<br><br>「お疲れ様」<br><br>僕が言うと、お月様は目を丸くして驚いて見せた。おかしいな。僕は驚くような事を言っちゃいないのに。疲れていると言うからには、疲れるような事があったのだろう。だから、僕は労を労っただけだ。<br><br>「･･････理由とか、聞かないんですか？」<br>「何で？」<br><br>僕は問いかける。<br><br>「何でって･･････」<br><br>お月様は俯いてしまった。どうやら、恥しがり屋らしい。流石、夜にしか輝かないだけの事はある。<br><br>「理由だよ。何でって、聞いてみたんだ」<br>「･･････変な人ですね」<br>「普通の人ってのに会った事はないかな」<br>「そうかも･･････しれません」<br>「きっと、普通の人ってのはレアなんだよ。少ないんだろうね」<br><br>無性に僕はおかしくなり、ははははは、っと笑う。随分灰が伸びたので、携帯灰皿にそれを落とした。<br><br>「こんな事言うのはいけない事だって分かってるんです。でも･･････毎日、毎日、空に浮かんで輝いて。ずっとそうしてて、これからもそうだと思うと･･････その」<br>「うんざり？」<br>「そういうわけじゃ･･････」<br>「ない？　なくない？　なくなくない？」<br>「ない･･････わけじゃ、ないです･･････」<br>「分かる分かる。僕もさ、毎日男だと、たまに女になりてーって思うもん」<br>「それはちょっと･･････」<br>「それで、こんな公園でブラブラしてたんだ。どうりで、今日は空が暗いと思った」<br>「･･････っ　すみません。その、もう戻りますから」<br><br>お月様は叱られたみたいな顔で立ち上がった。<br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/kasikoiinu/entry-11169029432.html</link>
<pubDate>Sun, 19 Feb 2012 01:06:43 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>遊歩する夜、月との談話。　２</title>
<description>
<![CDATA[ 【前回までのあらすじ】<br><br>ある夜小腹が空いてコンビニに行った【僕】は帰り道に寄った公園で【不思議な女性】を見かける。その女の名状しがたい魅力に引き寄せられて話しかけると見事意気投合、僕と彼女は朝日が昇るまでとりとめなく語り合う事となる。<br><br>「【僕】さんって面白い人ね】<br>「君には負けるよ。【彼女】さん」<br><br>そして彼女は自然な流れで僕の家に来る事になる。狭い部屋に二人っきり、ムードは否応なく高まり、僕と彼女はどちらともなく手を握り合った･･････その時ッ！<br><br>「ハッ！　夢だった･･････そうだよな。あんな良い女と意気投合するなんてありえないって･･････」<br><br>まさかの夢オチに非難とブーイングを予感しつつ、僕はあんまりな夢に「あぁ、せめてあと十分、夢の中にいたかった」と呟き寝返りをうつとそこにはなんと夢に現れた【彼女】の姿がッ！<br><br>「夢だけど･･････夢じゃなかった！」<br><br>天国から地獄から事後疑惑を経て天国へ昇る【僕】<br><br>しかしそれは終わらない悪夢を知らせる長いようで短い序章に過ぎなかったのだ･･････<br><br><br><br>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　――お詫びと謝罪――<br><br>今週号は作者急死の為あらすじだけの掲載となります。<br><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/kasikoiinu/entry-11168068554.html</link>
<pubDate>Sat, 18 Feb 2012 02:24:32 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>遊歩する夜、月との談話。　１</title>
<description>
<![CDATA[ 例によって小腹が減り、僕は近所のコンビニに向かう。その日は、雲ひとつないのに妙に夜空が暗かった。だからというわけではないけれど、ふと思い立って、少し遠回りして帰ることにした。<br><br>近所にある、まぁまぁ大きな公園の前を通りかかると、大きなバネに支えられた象の遊具に人が乗っているのが見えた。白い薄布を羽織った、髪の白い女だった。<br><br>それを見て、僕はふと、何故こんなに夜が暗いのか気づいた。そして、少し悩み、彼女に話しかけることにした。<br><br>「やぁ、こんばんは」<br>「････････････」<br><br>話しかけると、彼女は細い肩を小さく揺らした。驚かせてしまったらしい。上目遣いで僕を見上げる彼女は、普段僕が知る彼女のイメージに似て控えめな美しさがある。神秘的で、見蕩れずにはいられない。ただ、今の彼女は普段よりもずっと身近な空気を纏っていた。<br><br>「えっと、人違いかも知れないんだけど。君って、お月様じゃないかな」<br>「･････････」<br><br>バレないとでも思ってたんだろうか。彼女は小さく目を見開いて、そっと目をそらした。そして、定規を当てないと分からないようなかすかな頷きを見せた。<br><br>「やっぱり。どうりで空が暗いと思ったんだ」<br><br>雲ひとつない夜空には、無数の星が輝いている。だけど、そこに月の姿はない。それだけで、夜の煌きは妙に味気なく感じられた。目玉のない目玉焼き。僕はそんな言葉を思い浮かべる。<br><br>僕はお月様と出会えて少し舞い上がっていた。彼女はイメージ通りの美人だったから。落ち着きを取り戻すと、僕は彼女がさっきから一言も喋っていない事に気づいた。それどころか、妙にどうにも浮かない顔をしている。<br><br>「どうしたんだい。悩み事？」<br><br>訪ねてから、僕は一人でプッと噴出してしまった。そんな僕を、お月様は不思議そうに見返した。<br><br>「やぁ、ごめんごめん。人間ってさ、なんで聞くまでもない事を聞いちゃうのかなと思って」<br><br>僕の説明は不十分だったらしく、お月様は困惑と愛想笑いをカクテルにして差し出した。<br><br>「つまり、みんな何かには悩んでるだろうさって事だよ」<br><br>僕はどうやったらこのニュアンスを伝えられるかなと悩み、適当に砕いて伝えた。添え物に、白い歯をむき出した照れ笑いをつけて。<br><br>僕は煙草を取り出して、お月様に向かって降って見せた。<br><br>「吸ってもいいかな？」<br><br>彼女は頷いたから、僕は煙草に火をつけて、彼女の隣にある、バネのついたサエーナ鳥の遊具に腰掛けた。<br><br>「それで、どうしたの？」<br><br>僕の質問は、直前に噴出した白い煙と一緒に小熊座の三番星に吸い込まれていく。<br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/kasikoiinu/entry-11167423010.html</link>
<pubDate>Fri, 17 Feb 2012 13:50:56 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>生の尊さ浅ましさ</title>
<description>
<![CDATA[ <img width="1" height="1" class="accessLog" src="https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Fkuchikomi.ameba.jp%2Fkuchikomi%3FAMEBA_ID%3Dkasikoiinu%26ENTRY_ID%3D11166228419%26ENTRY_END_DATE%3D2012%2F02%2F29"><a target="_blank" href="http://kuchikomi.ameba.jp/"><img alt="元気がないとき食欲はどうなる？" src="https://stat.ameba.jp/common_style/img/home_common/home/ameba/allskin/ico_kuchikomi2.gif"></a> ブログネタ：<a href="http://kuchikomi.ameba.jp/user/listEntry.do?prId=8020">元気がないとき食欲はどうなる？</a> 参加中<br>本文はここから<br><br>人は、生きている限り腹が減る。当たり前の事で、当然の事だ。<br><br>例えば、３年連れ添った彼女と別れた日。交通事故のように唐突で、微分積分のように意味不明だったその日も、僕は空腹を覚え、食べた。<br><br>例えば、良くしてくれた祖母が他界した日。葬儀屋に綺麗に整えられた、既に人ではなく、冷たい人型になってしまった祖母を見下ろし、欠片も悲しさを覚えなかった事に悲しみを覚えたあの夜も、僕は空腹を覚え、食べた。<br><br>例えば、未曾有の大地震が日常を砕いた日。映画のような光景、破壊と混乱と不安をディスプレイ越しに眺め、友人と震えていたあの日も、僕は空腹を覚え、食べた。<br><br>元気がないとき食欲はどうなる？　どうもならない。<br><br>人は生きる限り食欲からは逃れられない。別に、生きる事は食べる事だと言いたいわけじゃない。ただ、生きる為、肉体を維持する為に、食べる事は不可欠で、欠いてしまえば死んでしまう。だから、人の体は食べるように出来ている。<br><br>悲しくとも腹は減る。感情と食欲は関係ない。<br><br>それは、ただそれだけの事実だ。<br><br>だけど、<br><br>もしかすると、それは優しさなのかもしれない。<br><br>心に対する、肉体の優しさ。<br><br>人に対して、神が与えた慈悲だと言えなくもない。<br><br>悲しみに暮れても腹が減る。腹が減れば飯を食う。食べている限り、人は死なない。<br><br>生きていれば、悲しみも癒える。癒えない傷は風化して、何時か白い砂になって消える。<br><br>生きてさえいれば。<br><br>だから、人は今日も腹が減る。<br><br>４０億年前から、ずっとそうして生きてきたんだ。<br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/kasikoiinu/entry-11166228419.html</link>
<pubDate>Thu, 16 Feb 2012 01:27:50 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>祭りの残響</title>
<description>
<![CDATA[ みんなと別れたのは、ＪＲ新宿駅の構内だった。Ａ子はそのままオールでイベントがあるらしく埼京線へ。僕とＢ，Ｃはそのまま帰るのだけど、それぞれ住処が違う為、Ｂは小田急線、Ｃは西武線、僕は山の手線へと歩いていく。<br><br>「お疲れ様。こんどはヘロヘロじゃない時にゆっくり話したいね」「じゃ、みんなで仮面ライダーあじとだね」<br><br>去り際のＡ子に、僕は答えた。<br><br>その日は歌舞伎町でちょっとした音楽イベントがあった。僕がそのイベントを知ったのは四年程前だろうか。何故それをしり、どんな心境でそこを訪ねたか、今となっては記憶の彼方だ。けれど、その時以来、僕は二ヶ月に一度定例で催される夜通しの馬鹿騒ぎの常連になっている。<br><br>Ａ子、Ｂ、Ｃ、僕は、不思議な偶然で出会った同年代の友人だ。Ａ子とＣは付き合っており、Ｂは二人の友人。そこに何故僕がいるのかよく分からないけど、気づいたら友達になっていた。それも二年か、三年前の事。僕達は共通した交友関係をもっていて、その界隈では音楽とパーティーが特別な意味を持っている。<br><br>その日のイベントは、王様という人物が主催しているイベントだった。王様。あだ名の通り、誰からも尊敬される世話好きな人だ。そのイベントは王様が昔からやっている音楽イベントで、もう10年目になる。Ｃはその10周年目を飾るに値する、未来をになった若手ＤＪとしてゲストで呼ばれたのだ。彼や自分の役目を果たし、僕やＡ子、Ｂは彼を応援し、へとへとになるまで踊り明かした。<br><br>その帰りの話だった――<br><br><br><br>――みんなと別れ、僕は一人電車に乗っている。深夜０時から朝６時まで踊り明かし、その後同年代の友人達とハンバーガー屋で取りとめもなく話した後だ。昨日は仕事の打ち合わせもあり、あまり眠っていなかったから、僕は電車の中で激しい睡魔に襲われていた。<br><br>眠気に抗う為、僕は本を読んでいた。ゲーテのファウスト。先入観よりも読みやすく、面白い。ただ、眠いからほとんど頭には入らなかった。本を読みながら、僕の頭は三割程眠っていて、三割は考え事をしていた。今日のイベントで王様は言った。<br><br>「今年一杯でこの箱は使えなくなるけど、そんな事は僕は認めない。僕は１０年間ここでやってきた、これからもここでやっていくつもりだ」<br><br>イベントが最高潮に達した最後の時、普段は温厚な王様がマイクを持ち、珍しく声を荒げていた。詳しい事情は全く知らないけど、どうやら契約の関係でその箱でイベントを行う事が難しくなっている様子だ。それに対し、王様は王様なりの戦いを始めるらしい。<br><br>その時僕は何も感じなかった。衝撃的ではあったけれど、他人事でもあったのだ。数時間した今、それを思い出して感じるのは、ある種の寂しさだった。１０周年。そう短くもない歴史を持つイベントが終わりの危機を迎えている。それはとても身近な事柄で万物流転を示されたようで、僕は酷くはかない気持ちになった。パーティーには人が集まる。そこでしか顔を合わせない人が居たり、そこに集まるから友達なのだという人間も居る。それは目に見える絆の明かしか、それを証明する儀式か、詰まる所、祭りなのだ。それがなくなるのは、やはりどうしようもなく寂しい。<br><br>電車を降りた僕は、疲労と眠気から幽鬼のような足取りで部屋に帰り、薄汚れたまま布団にもぐった。<br>僕の頭を駆け巡るのは、僕以上に疲労困憊だったＣが寝過ごさずに帰れるのかという事、王様のパーティーはどうなるのだろうかという事、起きたら新しい設定書を作らないといけないなという事。取りとめのない考え、生きているという複雑さが与える混沌だ。<br><br>僕はゆっくりと思考の速度を緩め、滑走路に降りる飛行機のようにそっと眠りへ向かっていく。<br><br>静かな部屋の中で、僕の耳は祭りの残響を聞いていた。<br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/kasikoiinu/entry-11149952559.html</link>
<pubDate>Sun, 29 Jan 2012 23:46:51 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>ある日、僕はコンビニへ</title>
<description>
<![CDATA[ 深夜。僕は何時ものようにパソコンに向かって作業をしていた。ふと煮詰まってツイッターを開くと、友人が「これは素敵」といったコメントと共にＵＲＬを張っている。僕は興味を引かれ、という程でもなかったけれど、なんとなくそのＵＲＬを開いた。<br><br>やられた・・・・・・開かれたページは「天丼」という言葉を画像検索したページだった。時刻は深夜三時。当然、小腹が減っている。そこにこの食べ物テロだ。何時もならタバコを吸ってごまかすか、買い置きのカップラーメンを食べる。けれどその時は煙草を切らしていて、買い置きもなかった。<br><br>「まいったな」誰ともなしに僕は呟く。どうするかは決まっていたけれど、珍しく零下に見舞われた東京の風に触れるのは酷く億劫だった。僕は冷蔵庫を開き、ぐびりと安酒を口に含む。琥珀色のコンビニ酒が舌の上でのたうつのに顔をしかめ、嫌々飲み下した。気つけだ。そうでもしないと、とても出る気にはならない。<br><br>僕は適当にコートを羽織って近くのコンビニへ向かった――<br><br><br><br>――徒歩五分のセブンイレブン。憎らしい寒風から開放され、僕はとりあえず一息をつく。深夜のコンビニには肌の黒い店員が一人だけ。無駄に陽気な店内放送を白々しく思いながら、僕はカップラーメンの置かれた棚へと向かう。どれにしようかな、と迷う事はない。僕はカップラーメンが嫌いだ。それには理由があって、数年前の正月にカップ麺を食べて酷く腹を壊したからだ。勿論カップラーメンが原因ではないのだろう。それでも僕の体はあの時の嫌な思いを記憶していて、見るだけで僕をムカつかせる。とはいえ、カップヌードルとカップ蕎麦、饂飩ならば平気なのだ。見せられたのが天丼だったから、僕は掻き揚げの乗った饂飩を選ぶ。<br><br>さて会計に、とは行かない。こんな時間に往復１０分をかけ、寒風吹きすさぶ中歩いてきたのだ。カップ麺一つ買っておしまいと言うのはあまりに味気ない。何が？っと我ながら思うけれど、人間心理は摩訶不思議で、金を出すのは自分の癖に、折角だから褒美が欲しいと思ってしまう。馬鹿らしくて阿呆臭いと思うけれど、頭と心は別物だから、僕はとんと悩んでしまった。焼き鳥を一本追加するか、それとも饂飩を食べた後用にアイスを買うか･･････<br><br>･･････悪くない。そう思って冷蔵庫の前に行くけれど、冷え切った体の中で凍える心はアイスを見てもピクリとも反応しない。頭では分かっている。暖かな部屋に戻り、暖かな饂飩を食う。その後のアイスは至上の贅沢だろうと。けれど、それも所詮頭の考える事。即物的な僕の体には通じない話だった。<br><br>考えている内に僕は白けてしまい、カップ饂飩だけ持ってレジに向かった。小太りの店員はタイムでも競っているのか、僕が商品を差し出すとピピピピピっと妙にせかせか動いて会計を終わらせた。その様子が僕にはどうにも滑稽で馬鹿らしく見え、だからこそ愛らしく思う。僕は内心で黒い店員にエールを送りコンビニを後にした。<br><br><br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/kasikoiinu/entry-11147102346.html</link>
<pubDate>Thu, 26 Jan 2012 23:51:56 +0900</pubDate>
</item>
</channel>
</rss>
