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<title>「宅建試験」電子書籍講座</title>
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<description>電子書籍で宅建試験勉強の講座を開設しました。</description>
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<title>「宅建試験受験講座」３７回：権利関係３７：民法１２：「不動産登記法４」：「登記手続」</title>
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<![CDATA[ <p><font size="4"><strong>「宅建試験受験講座」３７回目<br>　権利関係３７　<br>　民法１２：「不動産登記法４」：「登記手続」</strong></font></p><p><font size="4"><strong>…………………………<br>民法<br>第１０章　不動産登記法<br>第４項　　登記手続<br>　第１　はじめに<br>　　１　既に勉強しましたように，不動産登記とは土地・建物（不動産）の物<br>　　　　理的現況と権利関係を法務局（登記所）に存在する登記簿に登記する<br>　　　　ことです。<br>　　２　そして，法務局は，土地の登記簿と建物の登記簿をそれぞれ別々に置<br>　　　　いているのですが，不動産の権利者はその登記簿に自分の権利を登記<br>　　　　することにより，その権利を第三者に対抗することができ，自分の権<br>　　　　利が保護されることとなります。<br>　　３　したがって，土地や建物の売買等を取り扱う宅地建物取引士は，顧客<br>　　　　のためにも，不動産登記の手続の仕方を理解しておき，売買等が成立<br>　　　　した場合には，顧客に対し，登記手続のことも説明する必要がありま<br>　　　　す。<br>　　４　したがって，宅建試験でも不動産登記の手続の仕方について，出題さ<br>　　　　れることがあります。<br>　　５　そこで，ここでは，不動産登記の手続について勉強することと致しま<br>　　　　す。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　第２　申請主義（不動産登記法第１６条）<br>　　１　まず，不動産登記簿に登記をするのは，法務局（登記所）の登記官で<br>　　　　すが，登記官は，原則として，<br>　　　　①当事者から登記申請があった場合，又は<br>　　　　②法令の規定に基づき，官庁もしくは公署から登記の嘱託があった場<br>　　　　　合，<br>　　　　でなければ登記簿に登記をすることができません。<br>        これを登記における「申請主義」といいます。<br>　　　…………………………<br>　　　　★不動産登記法第１６条１項<br>　　　　　（当事者の申請又は嘱託による登記）<br>　　　　　①登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事<br>　　　　　　者の申請又は官庁若しくは公署の嘱託がなければ、<br>　　　　　　することができない。<br>      …………………………<br>　　２　当事者からの登記申請によって登記が為される場合<br>　　（１）例えば，Ａが自己所有の甲建物をＢに売却した場合，甲建物に関し，<br>　　　　ＡからＢへの所有権移転登記をするには，法務局に対して，ＢとＡの<br>　　　　共同申請による所有権移転登記申請がなければ，登記官はその登記を<br>　　　　することができない，ということです。<br>　　（２）仮に，国としては，その事実を知っていたとしても，ＢとＡによる<br>　　　　　所有権移転登記申請がなければ，登記官はその登記をすることがで<br>　　　　　きないのです。<br>　　３　法令に基づく官庁もしくは公署から登記の嘱託があった場合<br>　　（１）例えば，前記の例で，Ａが自己所有の甲建物を国に売却した場合，<br>　　　　　甲建物に関し，Ａから国への所有権移転登記をすることになります<br>　　　　　が，この場合の登記申請方法は，不動産登記法第１１６条第１項に<br>　　　　　より，法務局に対して，国とＡによる共同申請による所有権移転<br>　　　　　登記申請となるのではなく，国から登記所（法務局）への嘱託登記<br>　　　　　申請という方法によることになります。<br>　　…………………………<br>　　　★不登記法第116条１項（官庁又は公署の嘱託による登記）<br>　　　　①国又は地方公共団体が登記権利者となって権利に関す<br>　　　　　る登記をするときは、官庁又は公署は、遅滞なく、登<br>　　　　　記義務者の承諾を得て、当該登記を登記所に嘱託しな<br>　　　　　ければならない。<br>   …………………………<br>　　（２）これは，私人間の登記申請の場合は，登記申請の真正を担保するた<br>　　　　　めに，前述のように，登記権利者と登記義務者の共同申請という方<br>　　　　　法によらなければならないのですが，登記権利者が国の場合は，国<br>　　　　　は信憑性が高いので，共同申請という方法ではなく，国による嘱託<br>　　　　　申請というより簡易な方法によることができるとしている，という<br>　　　　　ことです。<br>　　（３）なお，ここで，「官庁」とは「国の機関」のことであり，「公署」と<br>　　　　　は「地方公共団体の機関」のことです。<br>　　４　職権で登記が認められる場合（不登法第２８条）<br>　　（１）以上のように，登記は，原則として，当事者の申請によるか，<br>　　　　　特別規定がある場合の官庁又は公署の嘱託申請によるかは別とし<br>　　　　　て，申請によらなければならないのですが，例外として，登記官が<br>　　　　　職権で登記をすることができる場合があります。<br>　　（２）例えば，不動産登記法第２８条に規定されている「表示に関する登<br>　　　　　記」は，登記官が職権ですることができます。<br>     …………………………<br>　　　　　★不動産登記法第２８条（職権による表示に関する登記）<br> 　　　　　　　表示に関する登記は、登記官が、職権ですることができる。<br>     …………………………<br>　　　ア　表示に関する登記とは，既に「講座３５：不動産登記法：第２項不<br>　　　　　動産登記法各論：第１号表示に関する登記の各論」の所で勉強しま<br>　　　　　したように，土地，建物の物理的現況の登記で，権利に関する登記<br>　　　　　の前提として，最初にしなければならない登記のことであり，不動<br>　　　　　産の最初の権利者からみれば，権利に関する登記をするための準備<br>　　　　　的登記ですが，国家からみれば，今，現在，国内にはどれだけの土<br>　　　　　地，建物が存在するかを把握して，不動産の秩序を維持したり，<br>          不動産税を課すための重要な資料です。<br>　　　イ　そこで，当事者には表示に関する登記を申請する義務を課して，そ<br>　　　　　れをおこたった場合には，過料に処せられる旨の規定も置いていま<br>　　　　　すが，それでも，個人が建物を新築したり，権利の対象となる土地<br>　　　　　を最初に取得したりした場合に，その建物，土地について，表示に<br>　　　　　関する登記（表題登記）をしていないということは，あり得ますの<br>　　　　　で，そのような建物や土地を国が発見した場合には，国家が不動産<br>　　　　　の秩序の維持・管理のために，その建物，土地については，表示に<br>　　　　　関する登記を職権ですることができる，としているのです。<br>　　（３）また，権利に関する登記でも，登記官の職権による登記が，不動産<br>　　　　　登記法で認められている場合があります。<br>　　　ア　例えば，Ａが自己の甲建物をＢに売却して，ＢとＡの共同でＡから<br>　　　　　Ｂへの所有権移転登記申請をしたところが，登記官が誤って，　　<br>　　　　　ＡからＣへの所有権移転登記をしてしまったとします。<br>　　　イ　この場合には，登記官は甲建物の所有権者をＢに職権で更正しなけ<br>　　　　　ればならないのです（不動産登記法第６７条２項）。<br>　　　…………………………<br>　　　　★不動産登記法第６７条２項（登記の更正）<br>　　　　　①登記官は、権利に関する登記に錯誤又は遺漏があることを発見し<br>　　　　　　たときは、遅滞なく、その旨を登記権利者及び登記義務者（登記<br>　　　　　　権利者及び登記義務者がない場合にあっては、登記名義人。第三<br>　　　　　　項及び第七十一条第一項において同じ。）に通知しなければなら<br>　　　　　　ない。ただし、登記権利者、登記義務者又は登記名義人がそれぞ<br>　　　　　　れ二人以上あるときは、その一人に対し通知すれば足りる。<br>　　　　　②登記官は、前項の場合において、登記の錯誤又は遺漏が登記官の<br>　　　　　　過誤によるものであるときは、遅滞なく、当該登記官を監督する<br>　　　　　　法務局又は地方法務局の長の許可を得て、登記の更正をしなけれ<br>　　　　　　ばならない。ただし、登記上の利害関係を有する第三者（当該登<br>　　　　　　記の更正につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を<br>　　　　　　含む。以下この項において同じ。）がある場合にあっては、当該<br>　　　　　　第三者の承諾があるときに限る。<br>      …………………………<br>　　　ウ　登記官は，自分が誤ったのであるから，当事者の手を煩わすことな<br>　　　　　く，自分の職権で更正しなければならないのです。<br>　　　エ　なお，この場合，登記官は職務行為を誤っているのであり，公的　<br>　　　　　データである記録の更正ですから，監督機関である法務局又は地方<br>　　　　　法務局の長の許可を得て更正しなければなりません。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>☆第３　登記申請の方法<br>　　１　それでは，話は変わりまして，当事者が登記申請をする場合に，そ<br>　　　　の申請方法は，どのようになっているのでしょうか。<br>　　２　まず，不動産登記法は平成１６年に全面的に改正されました。<br>　　（１）そして，改正前の旧不動産登記法時代には，登記申請は，原則とし<br>　　　　　て，登記所に出頭して申請しなければならない，とされていました。<br>　　（２）そして，これを当時は「当事者出頭主義」と言っていました。<br>☆　３　現行不動産登記法上の登記申請の方法<br>　　　　これに対して，現在の不動産登記法では，次の３つの方法による登記<br>　　　　申請が認められています。<br>☆　（１）窓口申請<br>　　　　　　登記申請書を登記所の窓口に提出する方法による申請です。<br>☆　（２）郵送申請<br>            登記申請書を郵送することによる登記申請をする方法です。<br>☆　（３）電子申請（オンライン申請ともいう）<br>　　　　　　電子情報処理組織（いわゆる「インターネット」）を使用して登<br>　　　　　　記の申請に必要な情報を登記所に送信する方法により，登記申請<br>　　　　　　をすること。<br>　　４　このように，現在の不動産登記法では，（１）（２）の書面による登記<br>　　　　申請以外に，（３）の電子情報処理組織による登記申請も認められて<br>　　　　います。このように登記申請の方法も，インターネットシステムの発<br>　　　　展にあわせて，便利になってきているのです。<br>　　５　なお，登記申請の方法は，上記の３つだけですから，申請人が法務局<br>　　　　（登記所）の窓口に行って，登記申請を口頭で申し立てる「口頭申請」<br>　　　　は，認められません。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　第４　登記申請の要式主義<br>　　１　次に，申請人は，登記申請をする場合には，一定の情報を法務局（登<br>　　　　記所）に提供しなければなりません（不動産登記法第１８条）。<br>　　２　例えば，所有権移転登記の申請をする場合には，<br>　　（１）登記申請書に，①登記の目的，②原因，③権利者，義務者，④添付<br>　　　　　情報，⑤代理人，⑥申請日，⑦申請法務局，⑧物件の表示，等を記<br>　　　　　載し，<br>　　（２）添付情報欄には，登記識別情報，登記原因証明情報，代理権限証明<br>　　　　　情報，印鑑証明書，住所証明情報等を記載し，そこに記載した情報<br>　　　　　を申請書に添付して提供しなければなりません。これを登記申請の<br>　　　　　要式主義といいます。<br>　　３　これは，申請方法が書面申請であっても，電子申請（オンライン申請）<br>        であっても同じです。<br>　　４　なぜならば，登記官は，不動産申請があった場合，登記申請書（申請<br>　　　　情報）に記載されている事項，添付されている書類に基づいて，登記<br>　　　　できるか否かを審査し，合格すれば，登記簿に記載しますし，不合格<br>　　　　の場合は，その登記申請を却下しなければなりません。<br>　　５　したがって，登記申請には，申請方法のいかんに関係なく，一定の情<br>　　　　報の情報の記載が要求されているのです。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>☆第５　共同申請主義（不動産登記法第６０条）<br>☆　１　次に，登記申請は誰がしなければならないかですが，権利に関する<br>　　　　登記の登記申請は，原則として，登記権利者と登記義務者が共同して<br>　　　　しなければなりません（不動産登記法第６０条）。<br>　　　　これを「共同申請主義」といいます。<br>     …………………………<br>　　　　★不動産登記法第６０条（共同申請）<br> 　　　　　権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、<br>　　 　　　登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。<br>　   …………………………<br>　　２　ここで，登記権利者とは，権利に関する登記をすることにより，登記<br>　　　　上直接に利益を受ける者のことであり（不登法第2条12号），登記義<br>　　　　務者とは、権利に関する登記をすることにより，登記上直接に不利益<br>　　　　を受ける登記名義人のことです（不登法2条13号）。<br>　　３　ですから，不動産の売買の場合の所有権移転登記申請の場合は，買主<br>　　　　が登記権利者で，売主が登記義務者になり，その所有権移転登記申請<br>　　　　は，買主と売主が共同してしなければならないのです。<br>　　４　それでは，なぜ買主の単独による所有権移転登記申請は認められず，<br>　　　　買主と売主の共同申請でしなければならないのかですが，<br>　　（１）登記申請があった場合の登記官の審査は，登記申請書によってのみ<br>　　　　　行う書面審査です。<br>　　（２）したがって，例えば，売主を法務局（登記所）に呼び出して，その<br>　　　　　者から事情を聴くということは行いません。<br>　　　　　故に，登記申請書は，その書面の中で真実性が担保されたものでな<br>　　　　　ければなりません。<br>　　（３）そこで，所有権移転登記申請の場合であれば，登記上直接に不利益<br>　　　　　を受ける登記名義人である売主も登記義務者として，買主（登記権<br>　　　　　利者）と共同して，登記申請人に加わっておれば，登記官は，その<br>　　　　　申請書をみて，「売主は自己に不利益な登記事項を自らが認めて（自<br>　　　　　白）登記申請をしているわけであるから」，この登記申請は真実で<br>　　　　　あると判断できます。<br>　　（４）このような理由から，権利に関する登記の申請は，原則として，<br>　　　　　共同申請になっているのです。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>☆第６　単独申請ができる場合<br>　　１　登記申請の共同申請は，以上のような理由によるわけですから，<br>　　　　登記申請事項に登記により不利益を受ける相手方がおらず，相手方の<br>　　　　自白を必要としない場合等には，例外的に，単独で申請することがで<br>　　　　きます。<br>　　２　具体的には，次の場合です。<br>　☆（１）登記手続を命じる確定判決による登記の場合（不登法第63条1項）<br>　    ア　「確定判決による登記」とは，例えば，ＢがＡから甲建物を購入<br>　　　　　して，所有権移転登記申請をする場合に，Ａがその申請に協力して<br>　　　　　くれない場合は，ＢはＡを被告として裁判所に，所有権移転登記<br>          手続請求の訴えを提起して，裁判所から「Ａは，甲建物につき，Ｂ<br>　　　　　に対して所有権移転登記手続をせよ。」との判決を得て，その判決<br>　　　　　が確定した場合には，登記義務者Ａが所有権移転登記の登記義務者<br>　　　　　として，登記申請に協力してくれなくても，買主Ｂはその判決正本<br>　　　　　とその判決の確定証明書を提供（添付）して，単独で所有権移転登<br>　　　　　記申請をすることができる，ということです。<br>　　　イ　この場合は，登記義務者Ａの登記申請意思は，「Ａは，甲建物につ<br>　　　　　き，Ｂに対して所有権移転登記手続をせよ。」という判決主文の中<br>　　　　　に擬制されているので，その判決正本とその判決の確定証明書を<br>　　　　　提供（添付）すれば，買主（登記権利者）Ｂが単独で登記申請を<br>　　　　　することができる（不登法第63条1項），としているのです。<br>　　　ウ　なお，ここで注意していただきたいのは，「登記手続を命じる確定<br>　　　　　判決」でなければならないということです。したがって，Ｂの<br>　　　　　「所有権を確認する確定判決」では，Ｂは単独で登記申請をするこ<br>　　　　　とはできません。<br>　　　エ　ところで，裁判所の調停や和解や認諾で被告や相手方が登記手続を<br>　　　　　認めた場合には，調停調書や和解調書や認諾調書は，債務名義とな<br>　　　　　りますから，登記手続を命ずる確定判決と同様に取り扱かわれ，<br>　　　　　それらの手続で債務名義を得た者は，それらの調書正本を提供して，<br>　　　　　単独で登記申請をすることができます。<br>　☆（２）相続，合併による登記<br>　☆　ア　甲建物の所有者Ａが死亡し，Ａの相続人がＢの場合，Ｂは甲建物に<br>　　　　　つき，単独で，相続を原因とする所有権移転登記申請をすることと<br>　　　　　なります。<br>　☆　イ　ところで，この場合，登記義務者となるべき登記名義人のＡは死亡<br>　　　　　していませんので，相続人Ｂは相続を証明する情報を提供（添付）<br>　　　　　して，単独で所有権移転登記申請をすることができるのです。<br>　　　ウ　なお，この場合に注意して頂きたいのは，Ａが死亡して相続人が<br>　　　　　ＢとＣの場合ですが，この場合，ＢとＣが申請人となって，所有権<br>　　　　　移転登記申請をすることはできますが，ＢかＣが一人で申請するこ<br>　　　　　ともできます。<br>　　　エ　相続財産につき，相続を原因とする所有権移転登記をすることは，<br>　　　　　共有物の保存行為に当たるからです（民法第２５２条ただし書）。<br>　　　　　ただし，その場合は，自分の相続分（持分）だけではなく，他の<br>　　　　　相続人の相続分（持分）についても申請しなければなりません。<br>　☆　オ　次に，「会社の合併」も合併存続会社が合併消滅会社から承継した<br>　　　　　不動産につき，単独で所有権移転登記申請をすることができます。<br>　　　カ　会社合併は，合併存続会社が合併消滅会社の財産を包括承継し，<br>          合併消滅会社は，消滅してないからです。<br>　☆（３）登記名義人の氏名若しくは名称や住所の変更・更正の登記<br>　　　　　（不登法第６４条１項）<br>　☆　ア　例えば，甲建物の登記名義人（所有権者）大阪花子が，結婚して<br>          その氏名が東京花子に変わったので，氏名変更登記をする場合です。<br>　☆　イ　この場合，氏名の変更は，登記名義人だけの問題であり，そのこと<br>　　　　　が，他の者の利害に関係することは全くありませんので，登記名義<br>　　　　　人が単独で申請することができるのです。<br>　☆　ウ　また，更正の登記とは，登記申請をする時点で，もともと誤ってい<br>　　　　　た氏名や住所を正しい氏名や住所に更正することですが，この場合<br>　　　　　も同様です。<br>　☆　エ　なお，ここで「氏名」とは，登記名義人が個人の場合のことであり，<br>　　　　　「名称」とは，登記名義人が法人の場合のことです。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　第７　登記申請に必要な情報又は書面<br>　　１　それでは，登記申請には，どのような情報（書面申請の場合は書面）<br>　　　　を法務局に提供しなければならないのでしょうか。<br>　　２　要約しますと，次の情報を法務局に提供しなければなりません。<br>　　　　①登記申請情報（不登法第１８条），<br>　　　　②登記識別情報（不登法第２２条），<br>        ③登記原因証明情報（不登法第６１条）<br>　　３　登記申請情報（不登法第１８条）<br>　　（１）登記申請情報とは，電子申請（オンライン申請）の場合の言い方で<br>　　　　　あり，書面申請の場合の「申請書」相当するものです。<br>　　（２）そして，そこには，不動産が識別できようにするために，物件の表<br>　　　　　示が記載されていなければなりませんし，申請人が特定するために，<br>　　　　　登記権利者・登記義務者の氏名や名称が記載されていなければなり<br>　　　　　ませんし，何の登記の申請で登記事項が分かるように，登記の目的<br>　　　　　や登記の原因等が記載されていなければなりません。<br>　　４　登記識別情報（不登法第２２条）<br>　　（１）次に，登記申請には，原則として，登記名義人（登記義務者）の登<br>　　　　　記識別情報を提供（添付）しなければなりません。<br>　　（２）登記識別情報とは，権利に関する登記をしたときに，新たに登記名<br>　　　　　義人となる申請人に，登記所から通知される「ローマ字と算用数字<br>　　　　　を組合わせた１２桁の情報」です。<br>　　（３）実は，平成１６年に不動産登記法が全面的に改正されるまでは，登<br>　　　　　記申請をするときは，登記権利者は申請書副本を提出して，登記官<br>　　　　　は登記が済めば，その副本に「登記済み」の認証をして登記権利者<br>　　　　　（登記名義人）に交付して，次に，登記名義人が登記義務者として<br>　　　　　登記申請をするときには，その登記済証（「権利証」ともいう）を<br>          提供（添付）して，本人確認をする方法がとられていました。<br>　　（４）しかし，平成１６年に不動産登記法が全面的に改正され，電子申請<br>　　　　　（オンライン申請）の方法が採用されましたので，従来の登記済証<br>　　　　　の方法は廃止され，登記官は登記済証の代わりに登記権利者（登記<br>　　　　　名義人）に登記識別情報を通知し，その者が登記義務者として登記<br>　　　　　申請をするときには，本人確認のために，その登記識別情報を登記<br>　　　　　申請のときに提供（添付）しなければならない，ということにした<br>　　　　　のです。<br>　　（５）それでは，権利に関する登記の申請のときには，登記義務者（登記<br>　　　　　名義人）が登記識別情報を添付しなければならない理由は何かです<br>　　　　　が，登記官は登記申請を審査するとき，申請情報と添付情報によっ<br>　　　　　てのみしなければならず，登記義務者を登記所に呼び出して，審尋<br>　　　　　することはできませんので，「登記名義人と登記義務者が一致して<br>　　　　　いることの確認」，つまり，「本人確認」のために，登記義務者（登<br>　　　　　記名義人）は，登記識別情報を提供しなければならないことになっ<br>　　　　　ているのです。<br>　　５　登記原因証明情報（不登法第６１条）<br>　　（１）登記原因証明情報とは，登記原因を証明する書面等のことです。<br>　　（２）例えば，売買を原因とする所有権移転登記申請の場合でしたら，<br>　　　　　売買契約書等です。<br>　　（３）これは，登記原因の真実性担保し，虚偽の登記を防止するために，<br>　　　　　登記申請の時には，提供しなければならないのです。<br>　　（４）もし，登記申請書に登記原因は記載するけれども，その原因を立証<br>　　　　　する登記原因証明情報は提供しなくても良いということになれば，<br>　　　　　虚偽の登記が容易になり，登記の信用性がなくなり，不動産取引は<br>　　　　　混乱してしまいますので，権利に関する登記の登記申請人は，原則<br>　　　　　として，登記申請情報とあわせて登記原因証明情報を提供しなけれ<br>　　　　　ばならないのです。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>☆第８　代理権の消滅に関する特則<br>　　１　不動産取引においては，売主から買主への所有権移転登記手続は，<br>　　　　司法書士に委任するので通例です。<br>　　２　ところで，甲建物につき，司法書士Ｃは売主Ａ，買主Ｂから登記申請<br>　　　　手続の委任を受けたが，登記が為されるまでに売主Ａが死亡してしま<br>　　　　いました。この場合，司法書士ＣはＡの代理人として，登記申請をす<br>　　　　ることができるのでしょうか。<br>☆　３　この点については，次のようになります。<br>　　（１）まず，委任による代理権は，民法第１１１条１項の規定により，原<br>　　　　　則として，本人の死亡により消滅します。<br>☆　（２）しかし，登記申請の委任の場合は，不動産登記法第１７条１号の規<br>　　　　　定により，本人（売主Ａ）が死亡しても，代理人（司法書士Ｃ）の<br>　　　　　代理権は消滅しません。<br>☆　（３）したがって，司法書士Ｃは，ＡＢから委任を受けた登記申請をする<br>　　　　　ことができます。<br>　　（４）もし，この場合に，司法書士ＣがＡから受けた委任による代理権が<br>　　　　　消滅するとしたら，甲建物については，ＡからＡの相続人への相続<br>　　　　　による所有権移転登記をして，Ａの相続人からＢへの所有権移転登<br>　　　　　記をしなければならないことになります。<br>　　（５）それでは，手続がとても煩雑になりますので，登記手続の場合には,<br>　　　　　本人が死亡しても，代理権は消滅しないことにしているのです。<br>   …………………………<br>　　　　　☆民法第１１１条１項（代理権の消滅事由）<br> 　　　　　　代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。<br>　　　　　　 　(1)本人の死亡<br>          …………………<br>          ☆不動産登記法第１７条１号（代理権の不消滅）<br>　　　　　　　登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる<br>　　　　　　　事由によっては、消滅しない。<br>　　　　　　　　(1)本人の死亡<br>   …………………………</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　第９　問題と解答<br>問題１　不動産登記の申請に関し，次の各肢の記述は，正しいか，誤っている<br>　　　　か。<br>　（１）登記の申請を共同してしなければならない共同申請のケースにおいて，<br>　　　申請人の一方に対し登記手続を命ずる判決があり，その判決が確定した<br>　　　ときには，他方の申請人は，判決正本と判決確定証明書を提供して，単<br>　　　独で登記申請することができる，との記述は正しいか，誤っているか。<br>　（１）の解答：正しい。<br>　　ア　まず，本文「第５共同申請主義（不動産登記法第６０条）」の所で勉<br>　　　　強しましたように，権利に関する登記の申請は，原則として，登記権<br>　　　　利者および登記義務者が共同してしなければなりません（共同申請主<br>　　　　義，不登法60条）。<br>　　イ　しかし，これには，例外があり，本文「第６単独申請ができる場合」<br>　　　　３の（１）で勉強しましたように，登記手続を命じる確定判決による<br>　　　　登記の場合（不登法第63条1項）には，その判決を得た原告は，そ<br>　　　　の判決正本と判決確定証明書を提供して，単独で登記申請ができます。<br>　　ウ　よって，本股の記述は正しい。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（２）相続又は法人の合併による権利の移転の登記は，登記権利者が単独<br>　　　　で申請することができる，との記述は正しいか，誤っているか。<br>　（２）の解答：正しい。<br>　　ア　（１）の場合と同様，権利の移転の登記は，登記権利者と登記義務者<br>　　　　で共同申請するのが原則です。<br>　　イ　しかし，本文「第６単独申請ができる場合，２の（２）相続，合併に<br>　　　　よる登記」の所で勉強しましたように，相続，合併の場合は，登記義<br>　　　　務者に相当する者，会社が死亡し，又は消滅して存在しませんから，<br>　　　　登記権利者が単独で申請することができるのです。<br>　　ウ　よって，本股の記述は正しい。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（３）登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は<br>　　　　更正の登記は，登記名義人が単独で申請することができる，との記述<br>　　　　は正しいか，誤っているか。<br>　（３）の解答：正しい。<br>    ア　既に勉強しましたように，登記申請は登記権利者と登記義務者で共同<br>　　　　申請するのが原則です。<br>　　イ　ただし，本文「第６単独申請ができる場合，２の（３）登記名義人の<br>　　　　氏名や住所の変更・更正の登記」の所で勉強しましたように，登記名<br>　　　　義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登<br>　　　　記は，登記名義人が単独で申請することができます。<br>　　ウ　登記名義人の氏名若しくは名称又は住所の変更は，登記名義人だけの<br>　　　　問題であり，そのことが，他の者の利害に関係することは全くないか<br>　　　　らです。<br>　　エ　よって，本股の記述は正しい。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（４）所有権の登記の抹消は，所有権の移転の登記の有無にかかわらず，<br>　　　　現在の所有権の登記名義人が単独で申請することができる，との記述<br>　　　　は正しいか，誤っているか。<br>　（４）の解答：誤っている。<br>　　ア　本文「第６単独申請ができる場合」の所で勉強したように，単独で登<br>　　　　記申請することができる登記には，所有権の登記の抹消は入っていま<br>　　　　せんので，所有権の登記の抹消登記申請は，原則どおり，登記権利者<br>　　　　と登記義務者の共同申請となります。<br>　　イ　例えば，甲建物につき，ＡからＢへと所有権移転登記がなされていて，<br>        その所有権の登記の抹消ということになれば，それにより，登記簿上，<br>　　　　現在の登記名義人Ｂが不利益を受け，Ａが利益を受けることになりま<br>　　　　すから，この所有権の登記の抹消申請は，Ａが登記権利者，Ｂが登記<br>　　　　義務者の共同申請となります。<br>　　ウ　よって，本股の記述は誤っている。<br>　　　　</strong></font></p><p><font size="4"><strong>問題２　不動産登記の申請に関し，次の各肢の記述は，正しいか，誤っている<br>　　　　か。<br>　（１）委任による登記申請の代理権は，本人の死亡によって消滅しない，<br>　　　　との記述は正しいか，誤っているか。<br>　（１）の解答：正しい。<br>　　ア  本股については，本文「☆第８代理権の消滅に関する特則，３の（２）」<br>　　　　で勉強しましたように，通常の場合は，本人が死亡すれば，委任によ<br>　　　　る代理人の代理権は消滅するのですが，登記申請の代理権の場合は，<br>　　　　本人の死亡によって消滅しません。<br>　　イ　よって，本股の記述は正しい。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（２）権利に関する登記の申請は，申請人又はその代理人が登記所に出頭し<br>　　　　てしなければならず，郵送による登記申請をすることはできない，<br>　　　　との記述は正しいか，誤っているか。<br>　（２）の解答：誤っている。<br>　  ア　登記申請の方法については，本文「☆第３登記申請の方法」の所で<br>　　　　勉強しましたように，①窓口申請②郵送申請③電子申請（オンライン<br>　　　　申請ともいう）があり，<br>　　イ　登記所に出頭してする申請，つまり，窓口申請だけではない。<br>　　ウ　よって，本股の記述は誤っている。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（３）登記の申請は，登記権利者及び登記義務者が共同してするのが原則<br>　　　　であるが，相続による登記は，登記権利者のみで申請することができ<br>　　　　る，との記述は正しいか，誤っているか。<br>　（３）の解答：正しい。<br>    ア　登記の申請は，本文「☆第５共同申請主義（不動産登記法第６０条）」<br>        の所で勉強しましたように，共同申請でするのが原則であるが，<br>　　イ　本文「☆第６単独申請ができる場合，２の（２）」で勉強しましたよ<br>　　　　うに，相続による登記は相続人（登記権利者）が単独で申請すること<br>　　　　ができる。登記名義人である被相続人は死亡しているからです。<br>　　ウ　よって，本股の記述は正しい。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（４）登記権利者及び登記義務者が共同して申請することを要する登記に<br>　　　　ついて，登記義務者が申請に協力しない場合には，登記権利者が登記<br>　　　　義務者に対し登記手続を求める旨の判決を得れば，その登記義務者の<br>　　　　申請は要せず，登記権利者が単独で申請することができる，との記述<br>　　　　は正しいか，誤っているか。<br>　（４）の解答：正しい。<br>　　ア　本文「☆第６単独申請ができる場合，２の（１）」で勉強しましたよ<br>　　　　うに，登記手続を命じる確定判決による登記申請の場合（不登法第63<br>　　　　条1項）は，登記権利者が単独で登記申請をすることができる。<br>　　イ　登記義務者の登記申請意思は，判決の主文の記述に擬制されている<br>        からである。<br>　　ウ　よって，本股の記述は正しい。<br>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br>　　　　★それでは，「宅建試験受験講座」３７回<br>　　　　　権利関係３７：民法１２：「不動産登記法４」<br>　　　　　「登記手続」<br>          はここまでと致します。<br>        ★文章中の「☆」マークはポイント事項です。<br>        ★次回は，権利関係３８：民法１３：「抵当権」<br>　　　　　です。<br>　　　　★本書の転記・転載，著作権侵害・違反行為は厳禁<br>　　　　　ということでお願い致します。    <br>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br> 　　　　　　<a href="http://p.booklog.jp/users/kumonomine" 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<link>https://ameblo.jp/katorea135/entry-12078239518.html</link>
<pubDate>Mon, 28 Sep 2015 17:39:44 +0900</pubDate>
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<title>「宅建試験受験講座」３６回：権利関係３６：民法１１：「不動産登記法３」：仮登記</title>
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<![CDATA[ <p><font size="4"><strong>「宅建試験受験講座」３６回目<br>　権利関係３６　<br>　民法１１：「不動産登記法３」仮登記<br>…………………………<br>民法<br>第１０章　不動産登記法３<br>第３項　　仮登記<br>　第１　仮登記とは<br>　　１　不動産の本登記をするのに必要な要件が備わらない場合に，将来の本<br>　　　登記の順位を保全するために，あらかじめする登記を仮登記といいます。<br>　　２　本登記と仮登記<br>　　（１）まず，不動産登記法は，権利に関する登記には，本登記だけではな<br>　　　　　く，仮登記の制度も設けています。<br>　　（２）本登記とは<br>　　　ア　本登記とは，実体法上，不動産に関する物権の変動が確定的に生<br>　　　　　じ，かつその物権変動を登記するのに必要な不動産登記手続法上<br>　　　　　の要件も備わっていて，その物権変動の登記として，本格的，終<br>　　　　　局的になされる登記のことです。<br>　　　イ　たとえば，Ａが甲建物をＢに３０００万円で売却して，登記原因<br>　　　　　証明情報としての売買契約書等を添付して，所有権移転登記をし<br>　　　　　たとします。<br>　　　ウ　この場合，ＡからＢへの所有権移転の効果は，売買契約のときに<br>　　　　　確定的に生じていますし（民法第１７６条），登記申請手続は登<br>　　　　　記原因である売買契約書等の情報を添付してなされていますの　<br>　　　　　で，本登記です。<br>　　　エ　なお，本登記のことを終局登記とも言います。最終的な登記とい<br>　　　　　う意味です。<br>☆　（３）仮登記ができる場合<br>　　　ア　これに対して，仮登記は，以下の３つの場合にすることができる。<br>　　　　　①不動産に関する物権の変動は確定的に生じているが，本登記をす<br>　　　　　　るための登記識別情報又は第三者の許可、同意若しくは承諾を証<br>　　　　　　する情報を提供することができないので，本登記（終局登記）を<br>　　　　　　することができない場合（不動産登記法第105条１号，不動産登<br>　　　　　　　記規則第175条），<br>　　　　　②確定的権利変動はまだ生じていないが、将来権利変動を生じさせ<br>　　　　　　る請求権はすでに存在しており，それを保全しようとする場合（不<br>　　　　　　動産登記法第105条２号）<br>　　　　　③権利変動が始期付き又は停止条件付その他将来確定すべきもので<br>　　　　　　ある場合（不動産登記法第105条２号の類推適用）<br>　　　イ　これらの場合には，権利は確定的には生じていないので，本登記は<br>　　　　　できないが，将来確定的権利になるであろうという具体的期待権は<br>　　　　　存在しているので，その期待権を法によって保護するために，仮登<br>　　　　　記が認められているのです。<br>　　　ウ　そして，将来，その仮登記により本登記をした場合には，仮登記の<br>　　　　　順位が本登記の順位となり，その権利は保護されるのです。<br>　　　　　これが，今から勉強する「仮登記の順位保全の効力」ということで<br>　　　　　す。<br>　　　オ　つまり，仮登記は，将来なされる本登記の順位を保全するために，<br>　　　　　予備的になされる登記，仮になされる登記ですから「仮登記」と<br>　　　　　呼ばれているのです。<br>　　３　仮登記の順位保全の効力　　　　<br>　　（１）それでは，仮登記をすれば，どのような効力があるのでしょうか。<br>　　（２）まず，仮登記には本登記と違い，権利の対抗力はありません。<br>　　（３）仮の予備的な登記だからです。<br>　　（４）しかし，将来，本登記の要件が備わったときには，その仮登記に　<br>　　　　　基づいて本登記ができますし，本登記をした場合には，既に為さ　<br>　　　　　れている仮登記の順位が，本登記の順位となります（不動産登記　<br>　　　　　法第１０６条）。これを，仮登記の順位保全の効力といいます。<br>　　（５）したがって，仮に，Ａ仮登記後に，別のＢ本登記がなされ，その　<br>　　　　　後でＡ仮登記に基づきＣ本登記がなされた場合には，Ｃ本登記が　<br>　　　　　Ｂ本登記に優先します（不動産登記法第１０６条）。<br>　　（６）つまり，仮登記に基づき本登記をした権利者は，その仮登記後に　<br>　　　　　登記をした第三者の権利が，自分の権利と抵触している場合には，<br>　　　　　その権利を否定することができるのです。<br>　　（７）このように，ある権利につき直ちに本登記はできないが，仮登記は<br>　　　　　できる場合には，仮登記をしておけば，順位保全効力により，権利<br>　　　　　が保護されますから，不動産取引の現場で，このような場面に直面<br>　　　　　した場合は，顧客のために，仮登記を速やかに済ませておくことが<br>　　　　　大切なのです。<br>　　（８）そういう実務上の必要性もあって，宅建試験でも仮登記から問題が<br>　　　　　出題される場合があります。<br>☆　４　仮登記の申請手続<br>　　（１）仮登記の申請は，本登記申請と同様，原則とし，登記権利者と登　<br>　　　　　記義務者の共同申請によります。<br>　　（２）なお，この場合でも，本登記申請とは異なり，登記義務者の登記識<br>　　　　　別情報を提供する必要はありません(不動産登記法107条2項)。<br>　　（３）登記義務者の登記識別情報は，本登記の時に提供すれば良い，とい<br>　　　　　うことにしているのです。<br>☆　（４）また，仮登記の登記義務者の承諾があるときは，その承諾証明情　<br>　　　　　報を提供して（添付して），仮登記権利者が単独で仮登記の申請を<br>　　　　　することができます(不動産登記法107条1項)。<br>　　（５）仮登記は，対抗力を有さず，予備的・一時的な登記であり，後に　<br>　　　　　本登記がなされるわけですから，その申請手続を簡易化している　<br>　　　　　のです。<br>☆　（６）なお，仮登記申請の要件は備えているが，仮登記の登記義務者が　<br>　　　　　共同申請も拒否し，承諾もしない場合には，仮登記の登記権利者　<br>　　　　　は，裁判所に仮登記仮処分申請をして，裁判所の仮登記仮処分命令<br>　　　　　を得て，その決定書の正本を提供して（添付して），単独で仮登記<br>　　　　　申請をすることができます（不動産登記法107条1項，同108条）。<br>☆　５　仮登記に基づく本登記手続(不動産登記法第109条)<br>　　（１）仮登記は，本登記をする要件が揃えば，その仮登記に基づいて本登<br>　　　　　記をすることができます。仮登記は本登記のための予備的・一時的<br>　　　　　登記であり，本登記が対抗要件を備えた終局的登記だからです。<br>　　（２）ところで，仮登記に基づく本登記の手続は，仮登記された権利が　<br>　　　　　所有権である場合と所有権以外の権利である場合とで異なりま　　<br>　　　　　す。<br>　　（３）所有権の仮登記に基づく本登記手続の場合(不登法第109条1項)<br>　　　ア　この場合は，登記上の利害関係を有する第三者の承諾が必要な　<br>　　　　　場合は，その第三者の承諾がなければ，本登記申請をすることは<br>　　　　　できません。<br>　　　イ　所有権の仮登記に基づいて本登記が実行されると，利害関係人　<br>　　　　　の権利に関する登記は，登記官によって職権で抹消されるから　<br>　　　　　です。<br>　　　ウ　そして，登記官は，利害関係人本人の承諾がないのに，その利害<br>　　　　　関係人の登記を職権で抹消することはできないからです。<br>　　　エ　したがって，利害関係人の承諾が貰えないときは，裁判所に利　<br>　　　　　害関係人を被告として，本登記手続としての所有権移転登記手　<br>　　　　　続をすることについての利害関係人の承諾を求める訴訟を提起　<br>　　　　　して，裁判で承諾に換わる判決をもらって，それを利害関係人<br>　　　　　の承諾に代わる情報として提供する方法があります。<br>☆　（４）所有権以外の権利の仮登記に基づく本登記手続の場合<br>　　　ア　この場合には，不動産登記法第109条1項の登記上の利害関係を<br>　　　　　有する第三者の承諾は不要です。<br>　　　イ　所有権以外の権利は，同一不動産上に２個以上が併存することは<br>　　　　　可能ですから，その仮登記に基づいて本登記が為されても，それ<br>　　　　　により第三者の登記が登記官によって職権で抹消されることはない<br>　　　　　からです。<br>☆　６　仮登記の抹消手続(不動産登記法第110条)<br>　　（１）仮登記がなされた後で，仮登記原因の不存在が判明したり，仮登記<br>　　　　　原因が無効になったり，取り消れた等の場合には，仮登記は抹消さ<br>　　　　　れなければなりません。 <br>　　（２）それでは，その抹消手続は，どのようにしなければならないのでし<br>　　　　　ょうか。<br>　　（３）原則<br>　　　ア　まず，仮登記の抹消手続では，抹消登記権利者は仮登記義務者であ<br>　　　　　り，抹消登記義務者は仮登記権利者です。<br>　　　イ　そして，原則として，両者が共同して仮登記の抹消登記申請をし<br>　　　　　なければなりません(不動産登記法第６０条)。 <br>　　（４）例外<br>　　　　　ただし，次の場合には，単独で申請することができます(不動産登<br>　　　　　記法第110条)。<br>　　　ア　まず，仮登記名義人は，登記識別情報（従来の「登記済証」「権<br>　　　　　利証」）を添付すれば，単独で，仮登記の抹消登記申請をするこ<br>　　　　　とができます。自らが為した自らの仮登記だからです。<br>　　　イ　ただし，この場合でも，仮登記の抹消について，登記上の利害関係<br>　　　　　人がいるときは，登記上の利害関係人の承諾またはそれに対抗する<br>　　　　　ことができる裁判があったことを証する情報の提供が必要です。<br>　　　　　（不動産登記法第68条)<br>☆　ウ　次に，仮登記の登記上の利害関係人は，仮登記名義人の承諾がある<br>　　　　　とき，または仮登記名義人の承諾に代わる裁判の決定書の正本を<br>　　　　　提供したときには，単独で仮登記の抹消を申請することができます。<br>　　　エ　仮登記名義人の承諾は，共同申請に準ずることができるからです。<br>☆　　オ　なお，ここでの「登記上の利害関係人」とは，仮登記が本登記とな<br>　　　　　ると自己の権利が否定されたり不利益を受けたりする者のことであ<br>　　　　　り，仮登記義務者もこの「登記上の利害関係人」に含まれています。<br>☆　　カ　したがって，仮登記においては，仮登記義務者も「仮登記名義人の<br>　　　　　承諾を証する情報または登記名義人に対抗できる裁判の決定書の正<br>　　　　　本」を添付すれば，仮登記抹消の登記申請を単独で申請することが<br>　　　　　できるのです。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　第２　問題と解答<br>問題１　不動産の仮登記に関する次の記述は，正しいか誤っているか。<br>　（１）仮登記の申請は，仮登記義務者の承諾があれば，仮登記権利者が<br>　　　　単独ですることができる，との記述は正しいか誤っているか。<br>　（１）の解答：正しい。<br>　　ア　本股の場合は，本文「☆４　仮登記の申請手続（４）」の所で勉強し<br>　　　　ましたように，仮登記の申請は，原則とし，本登記申請と同様，登記<br>　　　　権利者と登記義務者の共同申請によりますが，仮登記の登記義務者の<br>　　　　承諾があるときは，その承諾証明情報を提供して（添付して），仮登<br>　　　　記権利者が単独で仮登記の申請をすることができます(不動産登記法<br>　　　　107条1項)。<br>　　イ　よって，本股の記述は正しい。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（２）仮登記の申請は，裁判所の仮登記仮処分命令がある場合には，仮登<br>　　　　記権利者が単独で登記申請をすることができる，との記述は正しい<br>　　　　か誤っているか。<br>（２）の解答：正しい。<br>ア　本股の場合は，本文「☆４　仮登記の申請手続（６）」の所で勉強し<br>　　　　ましたように，仮登記ができる場合に，仮登記の申請につき，仮登記<br>　　　　の登記義務者が共同申請も拒否し，承諾もしない場合には，仮登記の<br>　　　　登記権利者は，裁判所に仮登記仮処分申請をして，裁判所の仮登記仮<br>　　　　処分命令を得て，その決定書の正本を提供して（添付して），単独で<br>　　　　仮登記申請をすることができます（不動産登記法107条1項，同108<br>　　　　条）。<br>イよって，本股の記述は正しい。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（３）仮登記の抹消の申請は，登記簿上の利害関係人がその仮登記の登記<br>　　　　識別情報を提供して，単独ですることができる，との記述は正しい<br>　　　　か誤っているか。<br>　（３）の解答：誤っている。<br>　　ア　登記簿上の利害関係人が，単独で，仮登記の抹消の申請ができる場合<br>　　　　については，本文「☆６仮登記の抹消手続(不動産登記法第110条)<br>　　　　（４）ウ」の所で勉強しましたように，<br>　　　　①仮登記名義人の承諾があるとき，<br>　　　　②または，仮登記名義人の承諾に代わる裁判の決定書の正本を提供し<br>　　　　　たときです。<br>　　イ　本股のように，登記簿上の利害関係人がその仮登記の登記識別情報を<br>　　　　提供して，単独ですることはできません。<br>　　　　常識的に考えても，仮登記名義人の登記を他人である利害関係人が勝<br>　　　　手に単独で抹消することができるということは，筋がとおりません。<br>　　ウ　よって，本股の記述は誤っている。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（４）仮登記の抹消の申請は，仮登記名義人の承諾があるときは，登記<br>　　　　簿上の利害関係人が単独ですることができる，との記述は正しい<br>　　　　か誤っているか。<br>　（４）の解答：正しい。<br>　　ア　（３）の所で，勉強しましたように，登記簿上の利害関係人は，仮登<br>　　　　記名義人の承諾があるときは，単独で，仮登記の抹消の申請をする　<br>　　　　ことができます。<br>　　イ　よって，本股の記述は正しい。<br>　　ウ　なお，ここでの「登記簿上の利害関係人」とは，仮登記が本登記とな<br>　　　　ると自己の権利が否定されたり不利益を受けたりする者のことであ<br>　　　　り，仮登記義務者もこの「登記上の利害関係人」に含まれています。<br>　　エ　したがって，仮登記においては，仮登記義務者も「仮登記名義人の<br>　　　　承諾を証する情報または登記名義人に対抗できる裁判の決定書の正<br>　　　　本」を添付（提供）すれば，仮登記抹消の登記申請を単独で申請する<br>　　　　ことができます。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>問題２　不動産の仮登記に関する次の記述は，正しいか誤っているか。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（１）仮登記は，登記申請をする際に，申請情報とあわせて提供しなけれ<br>　　　　ばならない情報を提供できない場合に限り，申請することができる，<br>　　　　との記述は正しいか誤っているか。<br>　（１）の解答：誤っている。<br>　　ア　仮登記ができる場合については，本文の「２（３）仮登記ができる場<br>　　　　合」で勉強しましたように，<br>　　　　　①不動産に関する物権の変動は確定的に生じているが，本登記をす<br>　　　　　　るための登記識別情報又は第三者の許可、同意若しくは承諾を証<br>　　　　　　する情報を提供することができないので，本登記（終局登記）を<br>　　　　　　することができない場合（不動産登記法第105条１号，不動産登<br>　　　　　　　記規則第175条），<br>　　　　　②確定的権利変動はまだ生じていないが、将来権利変動を生じさせ<br>　　　　　　る請求権はすでに存在しており，それを保全しようとする場合（不<br>　　　　　　動産登記法第105条２号）にできます。<br>　　イ　したがって，本股の「申請情報とあわせて提供しなければならない情<br>　　　　報を提供できない場合に限り，」との記述は誤っている。<br>　　ウ　なお，実務上，①の仮登記を「１号仮登記」，②の仮登記を「２号仮<br>　　　　登記」と呼ぶ場合があります。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（２）仮登記の申請に仮登記義務者が協力しないときは，仮登記権利者は<br>　　　　仮登記手続を求める訴えを提起して，勝訴判決を得たときでなけれ<br>　　　　ば，単独で仮登記の申請をすることはできない，との記述は正しい<br>　　　　か誤っているか。<br>　（２）の解答：誤っている。<br>　　ア　本股の場合については，本文「☆４仮登記の申請手続（６）」で勉強<br>　　　　しましたように，仮登記申請に仮登記義務者が協力しないときは，仮<br>　　　　登記権利者は裁判所に仮登記仮処分申請をして，仮登記仮処分命令を<br>　　　　得て，その決定書の正本を提供して（添付して），単独で仮登記申請<br>　　　　をすることができます（不動産登記法107条1項，同108条）。<br>　　イ　そして，ここの仮登記仮処分申請というのは，「訴えの提起」という<br>　　　　訴訟手続とは違います。<br>　　ウ　共に裁判所の手続ですが，「訴えの提起」は訴訟手続といわれる手続<br>　　　　で，口頭弁論を開いて，裁判所が判決をする手続です。これに対して，<br>　　　　仮登記仮処分申請というのは，仮処分手続であり，口頭弁論を開くこ<br>　　　　となく，裁判官が，仮の処分として，命令する手続で，判決よりも簡<br>　　　　易で，暫定的な手続です。<br>　　エ　したがって，本股の「仮登記権利者は仮登記手続を求める訴えを提起<br>　　　　して，勝訴判決を得たときでなければ，単独で仮登記の申請をするこ<br>　　　　とはできない，」との記述は誤っている。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（３）抵当権設定の仮登記に基づき本登記を申請する場合に，その本登記<br>　　　　について登記上利害関係を有する第三者があるときは，当該第三者<br>　　　　の承諾がなければ，当該本登記を申請することはできない，との記</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　　　　述は正しいか誤っているか。<br>　（３）の解答：誤っている。<br>　　ア　仮登記に基づく本登記の申請については，本文５で勉強しましたよう<br>　　　　に，所有権に関する仮登記に基づき本登記をする場合は，登記上の利<br>　　　　害関係を有する第三者の承諾が必要です（不動産登記法第１０９条）。<br>　　　　同一不動産上に２つの所有権が共存することはできないからです。<br>　　イ　これに対して，所有権以外の権利の仮登記に基づく本登記をする場合<br>　　　　は，登記上の利害関係を有する第三者の承諾は不要です（不動産登記<br>　　　　法第１０９条の反対解釈）。<br>　　ウ　そして，抵当権は，所有権以外の権利ですから，抵当権設定の仮<br>　　　　登記に基づき本登記を申請する場合に，その本登記について登記<br>　　　　上利害関係を有する第三者があるときでも，当該第三者の承諾は，</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　　　　不要です。同一不動産上に２つの抵当権が共存することはでき</strong></font><font size="4"><strong>るから</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　　　　です。<br>　　エ　よって，本股の記述は誤っている。<br>　　　　<br>　（４）仮登記義務者は，仮登記名義人の承諾がある場合は，単独で仮登記の<br>　　　　抹消を申請することができる，との記述は正しいか誤っているか。<br>　（４）の解答：正しい。<br>　　ア　本股については，本文「☆６仮登記の抹消手続(不動産登記法第110<br>　　　　条)（４）のオカ」で勉強しましたように，仮登記義務者は，仮登記<br>　　　　名義人の承諾がある場合は，単独で仮登記の抹消を申請することがで<br>　　　　きます（不動産登記法第１１０条）。<br>　　イ　よって，本股の記述は正しい。<br>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br>　　　　★それでは，「宅建試験受験講座」３５回<br>　　　　　権利関係３５：民法１０-３：「不動産登記法３」<br>　　　　　「仮登記」<br>　　　　　はここまでと致します。<br>★文章中の「☆」マークはポイント事項です。<br>★次回は，権利関係３５：民法１０-４：「不動産登記法４」<br>　　　　　「登記手続」です。<br>　　　　★本書の転記・転載，著作権侵害・違反行為は厳禁<br>　　　　　ということでお願い致します。 <br>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br>　　　　　</strong><a href="http://p.booklog.jp/users/kumonomine" target="_blank"><strong>　☆ここをクリックすると，<br>　　　　　　　電子書籍「宅建試験受験講座」<br>　　 　　　　です。<br></strong></a><strong>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br></strong></font></p>
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<link>https://ameblo.jp/katorea135/entry-12070081746.html</link>
<pubDate>Sun, 06 Sep 2015 16:01:30 +0900</pubDate>
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<title>「宅建試験受験講座」３５回：権利関係３５：民法１０：「不動産登記法」２</title>
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<![CDATA[ <p><font size="4"><strong>「宅建試験受験講座」３５回目<br>　権利関係３５　<br>　民法１０：「不動産登記法」２<br>…………………………<br>民法<br>第１０章　不動産登記法（重要）<br>第２項　不動産登記法各論　<br>第２号　権利に関する登記の各論<br>　第１　権利に関する登記<br>　１　権利に関する登記の意義<br>　（１）権利に関する登記とは，不動産に関する物権の取得・喪失，変更に<br>　　　　関する登記をすることであり，具体的には，権利の客体である不動<br>　　　　産についての権利の保存，設定，移転，変更，処分の制限又は消滅<br>　　　　を登記することです（不動産登記法第2条4号，第3条）。<br>　２　権利に関する登記の趣旨<br>　（１）既に勉強しましたように，民法は不動産に関する物権の取得・喪失，<br>　　　　変更は，登記をしなければ，それを第三者に対抗（主張）することが<br>　　　　できない，と定めています（民法第１７７条）。<br>　（２）ということは，世の中で，不動産の権利（所有権等）について，ど<br>　　　　ちらの権利が優先するかが問題となった場合には，登記の有無，登<br>　　　　記の先後によって判断するということです。<br>　（３）したがって，国は登記制度を設けて，誰でも，不動産に関する権利を<br>　　　　登記することができるようにしているのです。<br>　（４）そして，不動産の権利者は，その権利を登記して，世の中に公示する<br>　　　　ことにより，自分の権利を保全することができるようにしているのです。<br>　３　権利に関する登記の種類<br>　（１）権利に関する登記の種類は，所有権保存登記，所有権移転登記，抵<br>　　　　当権設定登記，抵当権抹消登記など，登記を対抗要件とする不動産<br>　　　　に関する権利の取得，喪失，変更の登記に及びますから，沢山あり<br>　　　　ます。<br>　（２）しかし，宅建試験では，司法書士試験とは異なり，その全てから出<br>　　　　題されているわけではありませんから，時間の関係で，勉強対象を<br>　　　　絞ることも大切です。<br>　４　所有権保存登記<br>　（１）不動産の権利に関する登記の基本は，所有権の登記です。<br>　（２）そして，ある不動産について初めて行う権利の登記が，所有権保存<br>　　　　登記です。<br>　（３）たとえば，建物を新築した場合，<br>　　　　①まず，権利の客体となる建物の存在を公示するために，表示に関<br>　　　　　する登記である「建物表示登記」が行われ，<br>　　　　②次に，その建物の所有権者は誰かを公示するために，権利に関す<br>　　　　　る登記である「所有権保存登記」が行われます。<br>　（４）所有権保存登記の手続（不動産登記法第７４条）<br>　　☆　ア　所有権の保存登記は，所有者等が単独で申請することができます。<br>☆　イ　そして，所有権保存登記のできる申請権者は，その不動産の<br>　　　　①表題部所有者，<br>☆　　　②表題部所有者の相続人その他の一般承継人，<br>　　　　③所有権を有することが確定判決で確定した者，<br>　　　　④収用により所有権を取得した者，<br>　　　　です。<br>　（５）所有権保存登記の登記義務<br>　　ア　なお，所有権保存登記の場合は，登記申請人に登記義務はありませ<br>　　　　ん。<br>　　イ　前回勉強しましたように，表示に関する登記の場合は，登記申請人<br>　　　　に申請義務がありますが，権利に関する登記の場合は，登記申請人<br>　　　　に申請義務はありません。<br>　　ウ　ただし，登記をしなければ，その権利は対抗要件を具備することが<br>　　　　できず，その結果，権利者が損失を被るときがあります。<br>　　エ　したがって，権利者は権利に関する登記を速やかにする方が得策で<br>　　　　す。<br>　　オ　つまり，民法は，権利に関する登記については，権利者に登記義務を<br>　　　　与えるのではなく，権利者が登記をすることにより自らの権利が保護<br>　　　　されるというようにすることにより，権利者が自発的に登記申請をす<br>　　　　ることを促しているのです。<br>☆５　権利に関する登記手続<br>☆（１）権利に関する登記申請手続は，法令に別段の定めがある場合を除き，<br>　　　　登記権利者と登記義務者の共同申請でしなければなりません（不動<br>　　　　産登記法第６０条）。<br>　（２）たとえば，ＡがＢに甲建物を売却して，ＡからＢに所有権移転登記申<br>　　　　請手続をする場合には，ＡとＢの共同申請でしなければならないので<br>　　　　す。<br>　（３）共同申請とすることにより，登記により不利益をうけるＡの自白が<br>　　　　認定でき，所有権移転原因である売買の真実性が担保されるからで<br>　　　　す。<br>　（４）そして，登記手続では，登記をすることにより登記簿上，不利益を<br>　　　　受ける者のことを登記義務者といい，利益を受ける者のことを登記<br>　　　　権利者といいます。<br>　（５）なお，権利に関する最初の登記である所有権保存登記は，表題部所<br>　　　　有者等が単独ですることができるのですが，これはその人が権利に<br>　　　　関する登記の最初の人ですから，登記簿上，登記義務者が存在しな<br>　　　　いからなのです。<br>　６　登記申請情報の作成及び提供<br>☆（１）不動産登記をする場合の登記申請情報は，原則として，登記の目的及<br>　　　　び登記原因に応じて，１つの不動産ごとに作成して提供しなければな<br>　　　　りません。<br>☆（２）ただし，同一の登記所の管轄区域内にある２つ以上の不動産につい<br>　　　　て申請する場合に，①登記の目的並びに②登記原因及びその日付が<br>　　　　同一であるときなどの場合は，例外として，１つの申請情報で申請<br>　　　　することができます（不動産登記令第４条）。<br>　（３）申請当事者の利便のためです。<br>　（４）なお，登記申請情報とは，オンラインによる登記の申請情報のことで<br>　　　　あり，従前の書面申請の時代の「登記申請書」に相当するものです。<br>　　７　登記された権利の優先力<br>　（１）まず，登記された権利と登記されていない権利が存在する場合は，<br>　　　　登記された権利が優先（勝つ）します（民法第１７７条）。<br>　（２）たとえば，Ａが甲建物をまずＢに売り，次にＣに売って，Ｃが登記<br>　　　　を備えたとします。<br>　（３）この場合，１つの甲建物の上に２つの所有権が，共存することはで<br>　　　　きませんから，Ｂの所有権が勝つのか，Ｃの所有権が勝つのかが問<br>　　　　題となります。<br>　（４）そして，Ｂの所有権は登記されていなくて，Ｃの所有権は登記され<br>　　　　ていますから，Ｃの所有権が優先（勝つ）します。<br>　（５）したがって，Ｃが甲建物の所有者となるということです。<br>　（６）Ｂが自分が先に買ったのだから，自分が優先する，と言ってもそれ<br>　　　　は認められない，ということです。<br>　８　登記された権利相互間の優先順位<br>　（１）次に，物権によっては，１つの不動産に２つ以上の物権をつけるこ<br>　　　　とができる場合があります。<br>　（２）たとえば，まず，ＡがＢよりお金を借りて自分の甲建物に抵当権設<br>　　　　定契約をして，次にＡがＣよりお金を借りて甲建物に抵当権設定契約<br>　　　　をしたとします。この場合には，抵当権は排他的権利ではありません<br>　　　　から，同一の不動産の上に２つでも３つでも共存できます。<br>　（３）それでは，この場合に，Ｂの抵当権が優先するのか，Ｃの抵当権が<br>　　　　優先するのかが問題となります。<br>　（４）そして，不動産登記法は，登記した権利相互間の優先順位は，登記<br>　　　　の前後による，と規定しています（不動産登記法第４条１項）。<br>　（５）故に，この場合に，Ｃの方が先に抵当権設定登記をしていて，Ｂの<br>　　　　抵当権設定登記が後であった場合には，Ｃの抵当権の方がＢの抵当<br>　　　　権に優先します。<br>　（６）Ｂが契約をしたのは，自分の方が先であると主張してもそれは認め<br>　　　　られません。<br>　（７）したがって，実務で，抵当権設定契約をしたときには，速やかに登記<br>　　　　手続も済ませておくことが大切です。<br>　９　主登記と付記登記<br>　（１）権利に関する登記には，順位番号があります。<br>　（２）そして，独立の順位番号をもってされる登記のことを「主登記」とい<br>　　　　い，不動産登記は，主登記でされるのが原則です。<br>　（３）例えば，甲土地の甲区１番の所有権者ＡからＢが甲土地を買い受けた<br>　　　　場合のＡからＢへの所有権移転登記は，甲区１番にではなく，次の甲<br>　　　　区２番に独立して「所有権移転」としてされます。<br>　（４）これに対して，甲区２番の所有権者Ｂの住所が変更された場合の住所<br>　　　　変更登記は甲区３番にされるのではなく，同じ甲区２番に「付記１号」<br>　　　　「２番登記名義人住所変更」としてされます。<br>　　　　そして，この登記のことを付記登記といいます。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（５）このように「付記登記」というのは，既になされている権利に関する</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　　　　主登記の変更などする場合の登記であり，主登記の枠内で，付記番号<br>　　　　をつけて為される登記のことです。<br>　（６）そして，上記の場合には，権利の主体者はＢであることに変わりがあ<br>　　　　りませんし，そのＢの住所が変更されただけのことですから，Ｂの主<br>　　　　登記の所に付記登記として，住所変更登記をするのです。<br>　（７）そうすることにより，主登記との同一性や関連性をわかりやすく公示<br>　　　　できます。<br>　（８）そして，その付記登記も主登記の順位を確保することができるのです。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　第２　問題と解答<br>問題１　不動産登記の申請に関する次の記述は，正しいか誤っているか。<br>　（１）権利に関する登記申請手続は，法令に別段の定めがある場合を除き，<br>　　　　登記権利者と登記義務者が共同して申請しなければならない，との<br>　　　　記述は正しいか誤っているか。<br>　（１）の解答：正しい。<br>　　ア　本文「５権利に関する登記手続」の（１）で勉強したように，権利に<br>　　　　関する登記は，原則として，登記権利者と登記義務者が共同して申請<br>　　　　しなければならない（不動産登記法第６０条）。<br>　　イ　登記原因の真実担保のためである。<br>　　ウ　よって，本肢は正しい。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（２）表題部に所有者として記録されている者の相続人は，所有権保存登<br>　　　　記の申請をすることができる，との記述は正しいか誤っているか。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（２）の解答：正しい。<br>　　ア　本文「（４）所有権保存登記の手続（不動産登記法第７４条）イ②<br>　　　　で勉強したように，表題部に所有者として記録されている者の相続人，<br>　　　　その他の一般承継人は，所有権保存登記の申請権者である。<br>　　イ　よって，本肢は正しい。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（３）不動産登記の登記申請情報は，同一の登記所の管轄区域内にある２<br>　　　　つ以上の不動産について申請する場合は，登記原因及びその日付が<br>　　　　同一であるときには，登記の目的が異なっていても，１つの申請情<br>　　　　報で申請することができる，との記述は正しいか誤っているか。　　<br>　（３）の解答：誤っている。<br>　　ア　本文「登記申請情報の作成及び提供」（２）で勉強したように，<br>　　　　同一の登記所の管轄区域内にある２つ以上の不動産について，１つの<br>　　　　申請情報で申請することができるのは，①登記の目的並びに②登記原<br>　　　　因及びその日付が同一であるときである。<br>　　イ　本肢の場合は，登記の目的が異なっているので，１つの申請情報では<br>　　　　申請することはできない。<br>　　ウ　よって，本肢は誤っている。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（４）表題部所有者Ａが甲土地をＢに売却した場合，所有権の保存の登記の<br>　　　　申請は，ＢではなくＡが単独でする，との記述は正しいか，誤ってい<br>　　　　るか。<br>　（４）の解答：正しい。<br>　　ア　本文「（４）所有権保存登記の手続（不動産登記法第７４条）」アイ<br>　　　　①で勉強したように，所有権の保存登記は，表題部所有者が単独でする。<br>　　イ　よって，本股の記述は正しい。<br>　　ウ　なお，Ｂへの登記は，Ａの所有権保存登記が終了してから，ＡとＢが<br>　　　　共同して，ＡからＢへの所有権移転登記をすることとなる。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br>       　　<a href="http://p.booklog.jp/book/99879/read" target="_blank"> ☆ここをクリックすると，<br>　　　　　　　電子書籍「宅建試験受験講座」<br>         　　 です。<br></a>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br>　　　　★以上，「宅建試験受験講座」３５回<br>　　　　　権利関係３５：民法１０：「不動産登記法」２<br>　　　　　「権利に関する登記の各論」でした。<br>        ★文章中の「☆」マークはポイント事項です。<br>        ★次回は，「不動産登記法」３「仮登記」です。<br>　　　　★本書の転記・転載，著作権侵害・違反行為は厳禁<br>　　　　　ということでお願い致します。    <br>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br></strong></font></p>
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<pubDate>Mon, 31 Aug 2015 17:39:05 +0900</pubDate>
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<title>「宅建試験受験講座」３５回：権利関係３５：民法１０：「不動産登記法」</title>
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<![CDATA[ <p><strong><font size="3">「宅建試験受験講座」３５回目<br>　権利関係３５　<br>　民法１０：「不動産登記法」（重要）</font></strong></p><p><strong><font size="3">…………………………<br>民法<br>第１０章　不動産登記法<br>第１項　不動産登記法総論<br>第１　はじめに<br>　１　前回までに，不動産の物権変動，たとえば土地や建物の所有権移転な<br>　　　どを第三者に対抗するためには，登記が必要であることを勉強しまし<br>　　　た。<br>　２　実は，国民に全面的に所有権等の権利を認め，不動産の物権変動を第三<br>　　　者に対抗するためには登記が必要である，とする民法が制定されたのは<br>　　　明治２９年であり，それを受けて，国民各人の不動産を国家が公示する<br>　　　ための不動産登記法が初めて制定されたのは，それより３年後の明治３<br>　　　２年です。<br>　３　その結果，不動産は，独立して誕生したときには，登記をしなければな<br>　　　らず，その不動産の所有権等を取得したときにも登記をすることとなり，<br>　　　不動産取引においては，登記は最も日常的な業務であり，宅地建物取引<br>　　　士にとっては，不動産登記に関する知識は最も重要な知識です。<br>　４　そこで，宅建試験においても，不動産登記に関する問題は良く出題され<br>　　　ますし，重要な単元です。<br>　５　ところで，不動産登記法は民法の特別法ですが，民法第１７７条を根拠<br>　　　とした特別法ですから，本講座の分類としては「民法編」に入れて，勉<br>　　　強することと致します。<br>　６　それでは，不動産登記法の勉強を始めます。</font></strong></p><p><strong><font size="3">第２　不動産登記とは<br>　１　まず，不動産とは土地と建物のことです。<br>　２　そして，不動産登記とは，世の中の土地と建物（以下「物件」という場<br>　　　合もある）につき，所有権者等が法務局（登記所）に対し，登記申請を<br>　　　して，法務局（登記所）が，各不動産毎に登記記録（登記簿）を作成す<br>　　　ることです。</font></strong></p><p><strong><font size="3">第３　不動産登記の目的<br>　１　それでは，この不動産登記をすることの目的ですが，それは，世の中に<br>　　　多数存在する土地と建物の存在とその土地と建物の権利関係を登記し<br>　　　て，広く国民に公示することにより，<br>　（１）個人の権利の面から見れば，権利が第三者に対する対抗要件を備え，<br>　　　　権利を保全するためであり，<br>　（２）取引の面から見れば，取引の安全と円滑に資するためです（不登法第<br>　　　　１条）。<br>　（３）したがって，不動産の登記簿は誰でも自由に見る（閲覧）ことができ<br>　　　　ますし，誰でも自由に不動産の登記簿謄本の請求をすることができま<br>　　　　す。この点は，個人の戸籍謄本や住民票とは異なります。</font></strong></p><p><strong><font size="3">第４　不動産登記の仕組み<br>　１　それでは，不動産登記は，どのような仕組みになっているのでしょ　<br>　　　うか。<br>　２　まず，不動産とは土地と建物であり，土地と建物は別々の不動産ですか<br>　　　ら，法務局（登記所）の不動産登記簿には，土地登記簿と建物登記簿<br>　　　の２種類があります。<br>　３　そして，我が国は，国家の制度として，不動産については，登記制度を<br>　　　とっていますので，社会に権利の客体となる一筆の土地や一棟の建物が<br>　　　誕生した時には，所有権者は，まずその土地や建物を特定するための「表<br>　　　示に関する登記申請」をしなければなりません。<br>　（１）例えば，建物を新築したときは，建物の表示に関する登記である「建<br>　　　　物表題登記」の申請を１ヶ月以内にしなければなりません。<br>　（２）また，例えば，未登記の道路につき，払下げをうけて，自分のもの<br>　　　　になったときは，1ヶ月以内に土地の表示に関する登記である｢土地<br>　　　　表題登記｣の申請をしなければなりません。 <br>　４　これらの表示に関する登記の申請を怠ると，過料の制裁があります。<br>　５　つまり，土地，建物については，一筆の土地や一棟の建物が権利の客体<br>　　　として誕生した時に，その所有者からその物件の物理的現況をまず登記<br>　　　申請してもらい，法務局（登記所）が，一筆の土地，一棟の建物毎に登<br>　　　記記録を作成し，その登記記録の表題部にそれを記録して，登記簿を作<br>　　　成して（一不動産一登記記録主義），爾後，その土地や建物の権利変動<br>　　　はそれぞれの登記簿に記録してゆき，その登記記録を見れば，その土地<br>　　　の所在や面積や権利変動の経過や現在の所有者等が分かる仕組みになっ<br>　　　ているのです。</font></strong></p><p><strong><font size="3">第５　登記記録の作成方法<br>　１　まず，現代は，コンピーター時代と言われますように，世の中の各<br>　　　種事務は，コンピューターで行われる時代となっています。<br>　２　そして，登記事務においても，平成１７年３月７日施行の新しい不動<br>　　　産登記法では，コンピューターで行うことが規定されています。<br>　３　それにより，従来は，登記用紙に登記事項を手で記載して作成されてい<br>　　　た登記記録が，コンピューターの磁気ディスクをもって整理されるよう<br>　　　になりました。<br>　４　登記記録の作成方法についても，時代と共にそのように変化してきてい<br>　　　ます。<br>　５　そして，今日では，登記記録を記録した磁気ディスクを登記簿と呼ぶこ<br>　　　とになっています（不登法第２条９号）。<br>　６　それでは，登記記録の勉強に入ります。</font></strong></p><p><strong><font size="3">第６　登記記録の仕組み<br>　１　まず，不動産には土地と建物があります。<br>　２ それに対応して，法務局（登記所）には，不動産登記につき，土地登記<br>　　　簿と建物登記簿があります。<br>　３　そして，土地の登記記録は土地登記簿で，建物の登記記録は建物登記簿<br>　　　で作成されます。<br>　４　それを前提として，登記記録は，１筆（１区画）の土地又は１個の建物<br>　　　ごとに作成されます。（一不動産一登記記録主義）<br>　５　そして，各登記記録は，表題部と権利部に区分して作成されます。<br>　（１）ここで，表題部とは，それぞれの不動産の表示に関する登記，つま<br>　　　　り，物理的現況が記録される部分のことであり，<br>　（２）権利部とは，それぞれの不動産の権利に関する登記が記載される部<br>　　　　分のことです。<br>　６　表題部の記録事項は，土地と建物で次のようになります。<br>　（１）土地登記記録の表題部の記録事項は，<br>　　　　土地の所在，地番，地目，地積（土地の面積），登記原因及びその日<br>　　　　付，登記の日付，所有者です。<br>　（２）建物登記記録の表題部の記録事項は，<br>　　　　建物の所在，家屋番号，種類，構造，床面積，登記原因及びその<br>　　　　日付，登記の日付，所有者です。<br>　７　権利部の記録事項<br>　（１）権利部の登記記録は，更に，甲区と乙区に分けられ，<br>　　　①甲区には，所有権に関する登記事項が<br>　　　②乙区には，所有権以外の権利に関する登記事項が<br>　　　　記録されることになっています。<br>　（２） 権利部の甲区の記録事項<br>　　　ア　ここには，所有権に関する登記事項が記録されます。<br>　　　イ　その不動産につき，所有者は誰で，いつ，どんな原因（売買，相続<br>　　　　　など）で，その所有権を取得したのかとか，所有権に関する登記の<br>　　　　　種類などが甲区に記録されます（所有権保存，所有権移転，所有権<br>　　　　　に関する仮登記，所有権に関する差押え，所有権に関する仮処分な<br>　　　　　ど）。 <br>　（３）権利部の乙区の記録事項<br>　　　ア　ここには，所有権以外の権利に関する登記事項が記録されます。<br>　　　イ　抵当権や地上権や地役権などに関する登記事項がここに記録されま<br>　　　　　す。 <br>　　　ウ　たとえば，抵当権であれば，抵当権の設定原因及びその日付，抵<br>　　　　　当権の被担保債権額，利息，債務者，抵当権者等は乙区に記録され<br>　　　　　ます。<br>　（４）このように，登記記録を甲区と乙区に分けて，まず，甲区に所有権<br>　　　　に関する登記事項を記録し，乙区には所有権以外の権利に関する登記<br>　　　　事項が記録するというようにしているのは，不動産上の権利では，「所<br>　　　　有権」が中心的権利であり，それ以外の権利は所有権を前提とした権<br>　　　　利ですから，登記記録を見やすくするために，まず，甲区に所有権に<br>　　　　関する登記事項を記録し，次に，乙区に所有権以外の権利に関する登<br>　　　　記事項を記録するようにしているのです。<br>　８　表題登記と権利部の登記との関係<br>　（１）土地や建物が，権利の客体として新しく誕生したときには，法務局（登<br>　　　　記所）には，その物件の登記記録は，未だ存在しておらず，その物件<br>　　　　は未登記物件の状態です。<br>　（２）ところが，我が国は，土地，建物については登記制度を採用していま<br>　　　　すので，未登記物件のまま放置しておくことは許されません。<br>　（３）そこで，新しく誕生した土地や建物の所有者は１か月以内に，当該物<br>　　　　件の表示に関する登記，つまり，登記簿の最初の１ページ目の表題部<br>　　　　に最初に記録される表題登記の申請をしなければなりません。<br>　（４）そして，法務局（登記所）は，その申請に基づき，まず，新しい登記<br>　　　　記録の表題部を記録し，その物件の登記簿を作成します。そして，そ<br>　　　　の後に，当該不動産につき，所有権移転等の権利に関する登記申請が<br>　　　　あった場合には，当該登記記録の権利部に記録することになります。<br>　（５）したがって，表題登記は不動産につき，最初にしなければならない登<br>　　　　記であり，かつ，権利部の登記をする前にはしておかなければならな<br>　　　　い登記です。つまり，表題登記は権利の登記の前提となる登記です。<br>　（６）そして，権利に関する登記は，権利者が対抗要件を取得するための登<br>　　　　記ですから，義務的登記ではありませんが，表題登記は不動産物件の<br>　　　　存在を社会に公示するための登記であり，国家はその登記により新し<br>　　　　い不動産の誕生を知り，不動産税を課すことになりますから，表題登<br>　　　　記は，公益的観点から物件の所有者に登記申請義務が課せられている<br>　　　　登記です。<br>　（７）なお，余談になりますが，権利に関する登記を取り扱う職業者は，司<br>　　　　法書士ですが，表示に関する登記を取り扱う職業者は，土地家屋調査<br>　　　　士です。<br>　（８）しかし，宅地建物取引業においても，取り扱う対象が不動産登記です<br>　　　　から，不動産登記法は重要なのです。　</font></strong></p><p><strong><font size="3">第２項　不動産登記法各論<br>第１号　表示に関する登記の各論<br>　　　　それでは，ここから，不動産登記法の各論に入ります。<br>　　　　まず，初めに「表示に関する登記」の各論から勉強します。<br>　第１　表示に関する登記<br>　 １　表示に関する登記の意義<br>　（１）表示に関する登記とは，不動産の物理的現況に関する登記であり，<br>　　　　登記記録の最初の１ページ目の「表題部」に記録される登記のことで<br>　　　　す。<br>　（２）それでは，「表示に関する登記」は，なぜ，登記記録の最初の「表題<br>　　　　部」に記録されるのかといいますと，<br>　　ア　われわれは，不動産は，登記をしなければならないことを勉強しまし<br>　　　　た。それは，換言すれば，土地，建物については，一筆一筆の土地，<br>　　　　一棟一棟の建物が登記簿を持っていなければならないという事です。<br>　　イ　そして，その登記簿を見れば，その所有者が誰かということはもちろ<br>　　　　んですが，その前に，土地であれば，どこに所在する何㎡の土地かと<br>　　　　か，建物であれば，どこに所在するどのような建物かということが特<br>　　　　定されていて，他の土地や建物と区別ができて，混乱しないようにし<br>　　　　ておかなければなりません。この特定ができていないと，世の中には，<br>　　　　無数の土地や建物があるわけですから，土地や建物をめぐる社会秩序<br>　　　　が混乱してしまいます。<br>　　ウ　そこで，登記記録の一番最初に，「表題部」という欄を設けて，そこ<br>　　　　には，各不動産の物理的現況を記載して，他の不動産と区別できるよ<br>　　　　うにしているのです。<br>　　エ　つまり，登記記録の最初の「表題部」に各不動産の「物理的現況」を<br>　　　　記載するということは，その事によりその不動産を特定し，他の不動<br>　　　　産と区別できるようにして，不動産をめぐる社会秩序の混乱を防止し，<br>　　　　社会秩序を維持しているということです。<br>☆　オ　したがって，土地や建物が権利の客体として新しく誕生したときには，<br>　　　　所有者は，１か月以内に表題部の登記の申請をしなければなりません<br>　　　　し，<br>　　カ　法務局は，当事者から表題部の登記の申請があった場合には，登記官<br>　　　　は，表題部の登記を行うために，土地や建物の現地におもむき，当事<br>　　　　者から指示説明を受け，現地調査を行い，登記の申請に間違いがない<br>　　　　か否かをチェックしなければなりません。それは，申請の正確性の確<br>　　　　認のためであると同時に，不動産をめぐる社会秩序を正確に維持する<br>　　　　ためでもあります。<br>　　キ　そして，登記官は，現地調査をして，申請内容に間違いがなければ，<br>　　　　不動産登記記録の最初の表題部に，各不動産の物理的現況を記録して<br>　　　　登記簿を起こします。<br>　　ク　そして，以後，申請される権利に関する登記をその登記記録の権利部<br>　　　　に記録してゆくことになります。<br>　（３）したがって，「表示に関する登記」は，「権利に関する登記」の前<br>　　　　提となるものです。<br>　（４）なお，表題部に最初にされる登記のことを「表題登記」ともいます。</font></strong></p><p><strong><font size="3">　２　表示に関する登記の登記事項（表題部の登記事項）<br>　（１）土地登記記録の表題部登記事項は，具体的には，土地の所在・地番・<br>　　　　地目・地積・原因及びその日付・登記の日付・所有者です。<br>　（２）建物登記記録の表題部登記事項は，区分建物でない通常の建物の場合<br>　　　　は，建物の所在・家屋番号・種類・構造・床面積・原因及びその日付<br>　　　　・登記の日付・所有者です。<br>　（３）これらは，いずれも権利の客体としての土地や建物を他の土地や建物<br>　　　　と区別するために，これだけの事項は必要である，という観点から表<br>　　　　題部登記事項とされているのです。</font></strong></p><p><strong><font size="3">　３　表示に関する登記の効力<br>　（１）前述のように，表示に関する登記，つまり，土地，建物の表題部の登<br>　　　　記は，権利の対象としての土地，建物を特定し，それらの物件が存在<br>　　　　していることを世の中に公示する働きをしています。<br>　（２）ところで，この表題部の登記の登記事項には，「所有者」も含まれて<br>　　　　います。そこで，この表題部の登記にも「対抗力」が認められるかが<br>　　　　問題となります。<br>　（３）そして，表題部の登記（表題登記）には，「対抗力」は認められない，<br>　　　　と解されています。<br>　　ア　なぜならば，登記に対抗力が認められているのは，民法第１７７条に，<br>　　　　「不動産に関する物権の得喪及び変更は，登記をすれば，第三者に対<br>　　　　　抗することができる。」と定めているからなのですが，この条文の<br>　　　　文言から分かりますように、対抗力が認められているのは，「不動産<br>　　　　に関する物権の得喪及び変更の登記」，つまり，権利に関する登記で<br>　　　　あり，<br>　　イ　表示に関する登記，つまり，表題部の登記（表題登記）は不動産の物<br>　　　　理的現況に関する登記であり，ここに記載されている「所有者」とい<br>　　　　うのは，その土地や建物を特定するための要素としての「所有者」で<br>　　　　あり，「物権の得喪及び変更という権利に関する登記」の所有権者で<br>　　　　はないからです。<br>　　ウ　なお，「所有者」が表題部の登記の登記事項にあがっているのは，日<br>　　　　本は私有財産制社会ですから，誰が所有者かは，その土地や建物を特<br>　　　　定するための重要な要素だからなのです。<br>　（４）以上により，表題部に記載されている「所有者」の登記は，原則とし<br>　　　　て，民法第１７７条の物権変動の対抗要件としての登記の効力は有し<br>　　　　ません。<br>　（５）ただし，判例は，例外的に，表題部に記載されている「所有者」に，<br>　　　　権利の対抗力を認めている事案があります（最判昭和５０．２．１３）<br>それは，次のような事案です。<br>　　ア　まず，建物所有を目的とする借地権者（地上権者，賃借人）は，<br>　　　　土地につき借地権（地上権，賃借人）の登記をしていなくても，借地<br>　　　　の上に登記がされている建物を所有するときは，これをもって第三者<br>　　　　に対抗することができる（借地借家法第１０条１項，旧建物保護ニ関<br>　　　　スル法律一条）と定めて，借地権者を保護しています。<br>　　イ　この場合において，土地が売却され，借地権者は建物の表題登記はし<br>　　　　ているが，権利に関する登記はしていない場合に，土地の買主から借<br>　　　　地権者に対して，建物収去土地明渡請求があった場合に，借地権者は<br>　　　　建物を収去して土地を明け渡さなければならないか。<br>　　ウ　この事案において，最高裁は，<br>　　　　　「借地権者が自己を所有者と記載した表示の登記のある建物を所有<br>　　　　　　する場合もまた「登記シタル建物ヲ有スルトキ」にあたり、当該<br>　　　　　　借地権は対抗力を有するものと解する」旨，判示しています。<br>　　エ　つまり，土地の借地権者の借地上の建物の表示登記の所有者は，借地<br>　　　　借家法第１０条１項の「借地権者が登記されている建物を所有すると<br>　　　　き」という場合の「登記」に該当し，借地を買い受けた者に対しても，<br>　　　　借地権を対抗できると判示しているのです。</font></strong></p><p><strong><font size="3">　４　表示に関する登記の登記申請義務<br>☆（１）不動産の表示に関する登記の手続は，その不動産の所有者等に登記<br>　　　　申請義務があります。<br>　　ア　なお，その申請義務には，申請期間がつけられているものがありま<br>　　　　す。<br>　　イ　たとえば，土地については，新たに生じた土地や表題登記がない土地<br>　　　　を取得した者は，その土地の所有権を所得した日から１か月内に表示<br>　　　　に関する登記，つまり，表題登記の申請をしなければなりません<br>　　　　（不動産登記法第３６条）<br>☆　ウ　また，建物については，その建物の所有者は，建物を新築したときか<br>　　　　ら１ヶ月以内に建物の表題登記を申請しなければなりません。<br>　　　　（不動産登記法第４７条）<br>☆　エ　また，建物が滅失したときは，表題部所有者又は所有権の登記名義人<br>　　　　は，滅失の日から１ヶ月以内に建物滅失の登記申請をしなければなり<br>　　　　ません（不動産登記法第５７条）<br>　　オ　そして，表題登記の申請人は，申請義務を怠った時は、所定の過料に<br>　　　　処せられることになっています。（不動産登記法第１６４ 条）。<br>　　カ　これは，日本は不動産につき，登記制度を採用していますので，権利<br>　　　　の客体となる土地，建物については，まず，所有者等にその不動産の<br>　　　　表示に関する登記申請を義務づけ，現地の不動産の現況が正確に登記<br>　　　　簿に記録されるようにして，その登記簿を公示することにより，取引<br>　　　　の面では，不動産取引の安全，円滑をはかり，国家の租税の面では，<br>　　　　不動産税を正確に徴収することができるようにしているのです。<br>☆（２）ところで，権利に関する登記の申請手続は，所有者等に登記申請義<br>　　　　務はありません。ただし，その登記をしなければ，所有者等はその<br>　　　　権利の対抗要件を具備することができず，その結果，損失を被るこ<br>　　　　とがある。したがって，所有者等はすすんで登記をする，という構<br>　　　　図を取っています。<br>　（３）なお，不動産の表示に関する登記の手続は，例外的に，当事者の申<br>　　　　請を補充したり，報告的な登記をする場合などには，登記官が職　<br>　　　　権で登記できる場合があります。登記制度を維持するためには，<br>　　　　権利の客体である不動産の物理的状況を正確に公示する必要がある<br>　　　　からです（不登法第２８条）。</font></strong></p><p><strong><font size="3">　５　不動産の表示に関する登記の種類<br>　（１）建物に関する表示登記には，建物の新築・増築・滅失の登記，建物<br>　　　　の分割・区分・合併の登記，建物の合体の登記があります。<br>　（２）土地に関する表示登記には，土地の分筆・合筆の登記等の創設的・<br>　　　　形成的登記と土地の地目変更の登記等の報告的登記とがあります。</font></strong></p><p><strong><font size="3">第２　問題と解答<br>問題１　不動産登記法の申請義務に関する次の記述は，正しいか誤っているか。<br>（１）建物を新築した場合，当該建物の所有者は，新築工事が完了した時か<br>　　　ら，１か月以内に，所有権の保存の登記の申請をしなければならない，<br>　　　との記述は正しいか誤っているか。<br>（１）の解答：誤っている。<br>　　ア　本文第２項「表示に関する登記の各論」「４表示に関する登記の登記<br>　　　　申請義務」で勉強しましたように，建物を新築した場合には，１か月<br>　　　　以内に，建物の表示に関する登記，つまり，表題登記の申請をしなけ<br>　　　　ればなりません。<br>　　イ　ところで，所有権保存登記は，権利の登記の最初の登記であり，表示<br>　　　　登記ではありません。<br>　　ウ　そして，前記４の（２）で勉強しましたように，権利に関する登記に<br>　　　　は，所有者等に登記申請義務はありません。<br>　　エ　よって，本股の記述は誤っている。</font></strong></p><p><strong><font size="3">（２）所有権の登記名義人が住所を移転した場合の登記名義人の住所変更登<br>　　　記は，住所を移転したときから１か月以内にしなければならない，と<br>　　　の記述は正しいか誤っているか。<br>（２）の解答：誤っている。<br>　　ア　所有権登記名義人の住所変更登記は，権利に関する登記であり，表示<br>　　　　に関する登記ではない。<br>　　イ　そして，権利に関する登記には，所有者等に登記申請義務はありませ<br>　　　　ん。<br>　　ウ　よって，本股の記述は誤っている。</font></strong></p><p><strong><font size="3">（３）所有権の登記名義人が死亡し，相続が開始した場合の相続人の所有権<br>　　　移転登記申請は，相続開始の時から１か月以内にしなければならない，<br>　　　との記述は正しいか誤っているか。<br>（３）の解答：誤っている。<br>　　ア　所有権登記名義人の死亡による相続人の所有権移転登記申請は，権<br>　　　　利に関する登記であり，表示に関する登記ではない。<br>　　イ　そして，権利に関する登記には，所有者等に登記申請義務はない。<br>　　ウ　よって，本股の記述は誤りである。</font></strong></p><p><strong><font size="3">（４）建物が滅失した場合，表題部所有者または所有権の登記名義人は，滅<br>　　　失のときから，１か月以内に，建物滅失登記を申請しなければならな<br>　　　い，との記述は正しいか誤っているか。<br>（４）の解答：正しい。<br>　　ア　建物滅失登記は，表示に関する登記であり，本文「４表示に関する登<br>　　　　記の登記申請義務」で勉強したように，表題部所有者または所有権の<br>　　　　登記名義人に建物滅失登記の申請義務があり，同人らは，不動産登記<br>　　　　法第５７条により，滅失の日から，１か月以内に，当該建物の滅失の<br>　　　　登記申請しなければならない。<br>　　イ　よって，本股の記述は，正しい。<br>　★本問の解き方<br>①まず，各股の登記は，権利に関する登記か，表示に関する登記かを判<br>　　　断する。<br>　　②権利に関する登記については，登記義務は生じない，との知識で解く。<br>………………<br>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br>　　 </font></strong><a href="http://p.booklog.jp/users/kumonomine" target="_blank"><strong><font size="3">☆ここをクリックすると，<br>　　　　　　　電子書籍「宅建試験受験講座」<br>　　 です。<br></font></strong></a><strong><font size="3">☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br>　　　　★それでは，「宅建試験受験講座」３５回<br>　　　　　権利関係３５：民法１０：「不動産登記法」<br>　　　　　です。<br>★文章中の「☆」マークはポイント事項です。<br>★次回は，「不動産登記法」の続きです。<br>　　　　★本書の転記・転載，著作権侵害・違反行為は厳禁<br>　　　　　ということでお願い致します。 <br>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎</font></strong></p>
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<link>https://ameblo.jp/katorea135/entry-12053809411.html</link>
<pubDate>Thu, 23 Jul 2015 21:58:10 +0900</pubDate>
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<title>「宅建試験受験講座」３４回：権利関係３４：民法「物権変動７：「相続による物権変動と登記との関係」</title>
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<![CDATA[ <p><font size="4">「宅建試験受験講座」３４回目<br>　権利関係３４　<br>　民法９-７：<br>「物権変動７：「各種不動産物権変動の原因と登記との関係<br>　　　　　　　 その４「相続による物権変動と登記との関係」（重要）</font></p><p><font size="4">…………………………<br>民法<br>第９章　物権変動７<br>第７項　相続による物権変動と登記との関係<br>第１号　はじめに<br>　　１　この項では，不動産物権変動の原因の一つである相続と登記との関係<br>　　　　を勉強します。<br>　　２　通常，人間は，一生の中で一度は相続に出くわします。<br>　　３　そして，不動産取引においては，取引に相続が絡んでくることが，良<br>　　　　くあります。<br>　　４　したがいまして，不動産取引では，相続に関する知識は重要となりま<br>　　　　すし，宅建試験でも相続に関する問題は，良く出題されます。<br>　　５　「相続と登記」との関係は，そういう観点から，しっかり勉強するこ<br>　　　　とが大切です。<br>第２号　相続とは<br>　　１　父が死亡すると，父の不動産の所有権は，母と子などが引き継ぎ<br>　　　　ます。これを相続といいます。<br>　　２　ある者が死亡した場合に誰が相続人となるかについては，<br>　　（１）まずその者の配偶者が相続人になります（民法第890条）。<br>　　　　　　★民法第８９０条（配偶者の相続権）<br>　　　　　　　被相続人の配偶者は，常に相続人となる。<br>　　（２）また，子も相続人となります（民法第887条1項）。<br>　 　★民法第８８７条１項（子の相続権）<br>　　　　　　　①被相続人の子は，相続人となる。<br>　　（３）そして，配偶者や子の相続分は幾らかについては，子及び配偶者が<br>　　　　　相続人であるときは，子の相続分及び配偶者の相続分は，各２分の<br>　　　　　１です（民法第900条）<br>　　　　　　★民法第900条1項（法定相続分）<br>　　　　　　　①同順位の相続人が数人あるときは，その相続分は，次の各号<br>　　　　　　　　の定めるところによる。<br>　　　　　　　　一　子及び配偶者が相続人であるときは，子の相続分及び配<br>　　　　　　　　　　偶者の相続分は，各二分の一とする。<br>　　（４）さて，相続についての詳しい勉強は，後日，相続の単元でやるこ<br>　　　　　ととしまして，ここでは，相続も物権変動という面からみれば，死<br>　　　　　亡した人（被相続人）の物の所有権が相続人に移転するという，物<br>　　　　　権変動ですから，相続による宅地建物（不動産）所有権の取得者<br>　　　　　（相続人）は，それを他の者に主張するには，対抗要件としての登<br>　　　　　記を必要とするかについて，勉強しておく必要がありますし，ここ<br>　　　　　ではその勉強を致します。<br>　　（５）そして，相続による物権変動といっても，そのケースは一つでは<br>　　　　　なく，複数ありますし，ケース・ケースにより結論が異なります<br>　　　　　から，今から，ケース分けして勉強することとします。</font></p><p><font size="4">第３号　相続による各種の物権変動と登記との関係<br>　第１　共同相続人間の場合<br>　　１　事例１<br>　　　　①甲土地の所有者Ａが死亡しました。<br>　　　　②そして，甲土地をＡの配偶者Ｂと子Ｃが各２分の１を相続しまし<br>　　　　　た。<br>　　　　③この場合，ＢないしＣは，相手方に自分の相続した所有権持分を相<br>　　　　　手方に主張するには，登記が必要なのでしょうか。<br>　　２　結論<br>　　（１）この場合，ＢもＣも登記は必要ではありません。<br>　　（２）ＢもＣも共に，自らが相続した甲土地の所有権持分を登記なくして，<br>　　　　　相手方に主張することができます。<br>　　３　理由<br>　　（１）ＢもＣも共にＡの相続人です。<br>　　（２）そして，複数の者が共に相続した場合のことを「共同相続」と<br>　　　　　いいますが，これは，被相続人の財産を相続人らが共同して包括<br>　　　　　承継したということです。<br>　　（３）ところで，自らが取得した不動産に関する物権を第三者に対して主<br>　　　　　張（対抗）するには，民法第１７７条により登記が必要なのですが，<br>　　（４）民法第１７７条の第三者とは，「当事者及びその包括承継人以外の<br>　　　　　者であって，登記の欠缺を主張するについて正当な利益を有する者」<br>　　　　　のことです（判例）。<br>　　（５）そして，相続人は，包括承継人であり，民法第１７７条の登記を<br>　　　　　必要とする第三者には当たりませんから，登記が無くても，自らが<br>　　　　　相続した所有権を他の相続人に主張（対抗）することはできるので<br>　　　　　す。<br>　　　…………………………<br>★民法第１７７条（不動産に関する物権の変動の対抗要件）<br>　　　　　　　 　不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法（平<br>　　　　　　　　　成十六年法律第百二十三号）その他の登記に関する法律の<br>　　　　　　　　　定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗<br>　　　　　　　　　することができない。<br>…………………………<br>☆第２　被相続人から権利譲渡を受けていた者と相続人との関係<br>　　１　事例２<br>甲土地<br>Ａ─――――─―─―─―─→Ｂ<br>｜ ①売買<br>｜ ②Ａ死亡<br>｜<br>↓　 ③Ｃ相続<br>Ｃ</font></p><p><font size="4">　　　　①Ａは甲土地をＢに売却しました。しかし，登記はＡのままでした。<br>　　　　②その後，Ａは死亡し甲土地をＣが相続しました。<br>　　　　③この場合，ＢがＣに対して，甲土地の所有権を主張（対抗）する<br>　　　　　には，登記が必要なのでしょうか。<br>　　２　結論<br>　　（１）この場合，登記は必要ではありません。<br>　　（２）Ｂは，Ｃに対して，登記なくして，甲土地の所有権を主張する<br>　　　　　　ことができます。<br>　　３　理由<br>　　（１）まず，Ａが生存中に甲土地をＢに売却した時点で，甲土地の所<br>　　　　　有権は，Ｂに移転します（民法第１７６条）。<br>　　（２）その後，Ａが死亡することにより，ＣがＡを相続しました。<br>☆　（３）ここで，ＢがＣに甲土地の所有権を主張するのに，登記が必要かで<br>　　　　　すが，事例１で勉強しましたように，「当事者及びその包括承継人」<br>　　　　　に主張するには，登記は必要ではありません。<br>　　（４）したがって，この場合は，Ｂは，Ｃに対して，登記なくして，甲土<br>　　　　　地の所有権を主張することができます。<br>　☆（５）相続人（包括承継人）は，民法第１７７条の「第三者」に当た<br>　　　　　らないというのは，そういうことを意味するのです。<br>…………………………<br>　　「試し読み」のページはここまでと致します。<br>　　これ以降の講義内容は，末尾の電子書籍「宅建試験受験講座」で<br>　　購読できます（購読料１０円）。<br>　　なお，その講義内容の概略は，以下のとおりです。</font></p><p><font size="4">☆第３　被相続人から権利譲渡を受けていた者と相続人から権利譲渡を受け<br>　　　　た者との関係<br>☆第４　共同相続人の一人から権利譲渡を受けた者と他の共同相続人との関<br>　　　　係<br>☆第５　共同相続後，遺産分割協議により単独所有者となった者と他の相続人<br>　　　　から権利譲渡を受けた者との関係<br>☆第６　相続放棄をした相続人から譲渡を受けた者と他の相続人との関係<br>☆第４号　問題と解説<br>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br>　　 <a href="http://p.booklog.jp/users/kumonomine" target="_blank">☆ここをクリックすると，<br>　　　　　　　電子書籍「宅建試験受験講座」<br>　　 です。<br></a>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br>　　　　★それでは，「宅建試験受験講座」３４回<br>　　　　　権利関係３４：民法９-７：「物権変動７」<br>　　　　　「相続による物権変動と登記との関係」<br>はここまでと致します。<br>★文章中の「☆」マークはポイント事項です。<br>★次回は，権利関係３５：民法１０<br>　　　　　「不動産登記法」です。<br>　　　　★本書の転記・転載，著作権侵害・違反行為は厳禁<br>　　　　　ということでお願い致します。 <br>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎</font></p>
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<link>https://ameblo.jp/katorea135/entry-12050394920.html</link>
<pubDate>Tue, 14 Jul 2015 17:12:47 +0900</pubDate>
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<title>「宅建試験受験講座」３３回：権利関係３３：「物権変動６：「時効取得による物権変動と登記との関係」</title>
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<![CDATA[ <p><font size="4"><strong>「宅建試験受験講座」３３回目<br>　権利関係３３　<br>　民法９-６：<br>「物権変動６：「各種不動産物権変動の原因と登記との関係<br>　　　　　　　 その３「時効取得による物権変動と登記との関係」<br>…………………………<br>民法<br>第９章　物権変動６<br>第６項　時効取得による物権変動と登記との関係<br>第１号　はじめに<br>　　１　この章では，不動産物権変動の原因には，売買だけではなく，各種の<br>　　　　原因があることを勉強し，前々回は「①詐欺による意思表示の取消と<br>　　　　登記との関係」，前回は，「②契約解除による物権変動と登記との関係」<br>　　　　を勉強しました。<br>　　２　そして，今回は，「③時効取得による物権変動と登記との関係」を勉<br>　　　　強します。<br>第２号　時効とは<br>　　１　ところで，この項の勉強に当たっては，「時効」の意味を理解してお<br>　　　　かなければなりませんので，まず，最初に，時効の意義から勉強を<br>　　　　開始することと致します。<br>　　２　時効とは，一定の期間，一定の事実状態が継続することにより，<br>　　　　権利を取得したり，権利が消滅したりする制度であり，権利を取得す<br>　　　　る場合を取得時効といい，権利が消滅する場合を消滅時効といい<br>　　　　ます。<br>　　３　そして，不動産の物権変動の原因としては，所得時効が問題となりま<br>　　　　すので，ここでは，それを勉強することに致します。<br>　　４　そして，所有権の取得時効については，民法第１６２条が，次の<br>　　　　ように規定しています。<br>　　　　…………………………<br>       　 ★民法第１６２条（所有権の取得時効）<br>　　　　　　①二十年間，所有の意思をもって，平穏に，かつ，公然と他人<br>　　　　　　　の物を占有した者は，その所有権を取得する。<br>　　　　　　②十年間，所有の意思をもって，平穏に，かつ，公然と他人の<br>　　　　　　　物を占有した者は，その占有の開始の時に，善意であり，か<br>　　　　　　　つ，過失がなかったときは，その所有権を取得する。<br>　　　　…………………………<br>　　５　ここで，分かりますように，取得時効には，１０年間で所有権を<br>　　　　取得する場合と２０年間で所有権を取得する場合があり，前者を短<br>　　　　期取得時効といい，後者を長期取得時効といいます。<br>第３号　時効取得による物権変動と登記との関係<br>　　１　それでは，時効取得により不動産の所有権を取得した場合，その<br>　　　　権利を主張するには，登記が必要かどうかの勉強に入ります。<br>　　２　ここは，取得時効完成前の当事者や第三者との関係と取得時効完<br>　　　　成後の第三者との関係で結論が異なります。<br>　　３　そして，不動産取引では，時効の絡んだ場面に出くわす事もあります<br>　　　　ので，ここも興味を持って勉強すると良いと思います。<br>　第１　取得時効完成前の当事者と時効取得者との関係<br>　　１　事例１<br>　　　　　　自称の所有者<br>        　　　Ａ─――――─―─→Ｂ<br>　　　　　　甲土地　　①売買<br>　　　　　　真の所有者Ｃ<br> <br>    （１）ＢはＡから，甲土地を買い，引渡も受けました。<br>　　（２）売買契約の際，Ａは甲土地は自分の物であるといい，Ｂはそれ<br>　　　　　を信じて買い，１５年間甲土地を占有（支配）し続けています。<br>　　（３）ところが，１６年目にＡの兄ＣがＢに対して，甲土地は自分の物<br>　　　　　であり，弟のＡが勝手に売ったものであるから，返還してくれ，<br>　　　　　と言ってきました。<br>　　（４）そこで，Ｂは自分は既に１０年以上，甲土地を自分が所有者と<br>　　　　　して占有（支配）してきているので，仮に甲土地がＣの物であった<br>　　　　　としても，自分が時効取得していると，短期取得時効を援用（主張）<br>　　　　　しました。<br>　　（５）ところで，甲土地の登記は，未だＡのままで，Ｂは登記を受けてい<br>　　　　　ませんでした。<br>　　（６）この場合，ＢのＣに対する時効取得の主張は認められるのでしょう<br>　　　　　か。<br>　　（７）判例によれば，Ｂは登記を受けていなくても，時効取得による<br>　　　　　所有権をＣに主張することができます。<br>　　２　解説<br>　　（１）この事例では，Ｂは１５年間甲土地を占有し続けているということ<br>　　　　　ですから，Ｂに１０年間の占有継続によって成立する「短期取得時<br>　　　　　効」が成立していないかを検討します。<br>　　（２）前記民法第１６２条第２項の短期取得時効の成立要件は，<br>　　　　　①所有の意思をもって占有していること<br>　　　　　②平穏かつ公然と占有していること<br>　　　　　③他人の物を占有していること<br>　　　　　④１０年間継続して占有していること<br>　　　　　⑤占有開始時に善意，無過失であること<br>　　        です。<br>　　（３）そこで，Ｂの甲土地の占有が，これらの短期取得時効の成立要件を<br>　　　　　満たしているかを検討します。<br>　　　ア　ＢはＡから甲土地を自分の物にする意思で買っていますから①の<br>　　　　　「所有の意思ある占有」の要件を満たしています。<br>　　　イ　次に，Ｂは，甲土地を暴行や強迫によって占有していませんし，ま<br>　　　　　た，自己の占有を隠匿していませんので，②の「平穏かつ公然と占<br>　　　　　有する」の要件も満たしています。<br>　　　ウ　次に，甲土地の真実の所有者はＡではなく，Ｃであるということで<br>　　　　　すから，Ｂの占有は，「他人の物の占有」であり，③の要件も満た<br>　　　　　しています。<br>      エ　次に，Ｃは甲土地を１５年間占有していますから，④の「１０年間<br>　　　　　継続して占有」の要件も満たしています。<br>    　オ　最後に，Ｂは甲土地をＡから購入する際に，Ｃのことは全く知らず，<br>　　　　　甲土地の所有者はＡであり，自分はそのＡから買ったから，甲土地<br>　　　　　の所有権は自分にあると信じており，そう信じていることに過失は<br>　　　　　ありませんので，Ｂの占有は⑤の「善意，無過失」の要件も満たし<br>　　　　　ています。<br>　　（４）以上により，Ｂの占有は，短期取得時効の成立要件を全て満たして<br>　　　　　おり，Ｂには甲土地につき，短期取得時効が完成しています。<br>　　（５）そして，時効が完成すれば，時効の完成によって利益を受けるＢは，<br>　　　　　時効を援用して，時効の利益を受けることができます（民法第１４<br>　　　　　５条）。<br> 　（６）ここで，時効の援用とは，時効の完成によって利益を受ける者が，<br>　　　　　時効によって利益を失う者に対して，時効の利益を受ける旨の意思<br>　　　　　表示をすることです。本件事例でいえば，甲土地につき，ＢがＣに<br>　　　　　対して，取得時効の利益を受ける旨の意思表示をすることです。<br> 　（７）時効取得者Ｂは，この時効の援用の意思表示をすることにより，甲<br>　　　　土地の所有権を原始取得するのです。<br> 　（８）逆に言えば,Ｂの時効は完成していても，Ｂがその時効の援用をしな<br>　　　　　ければ，Ｂが甲土地の所有権を取得するということはありません。<br>　　　　ところで，ここでの勉強は，時効取得と登記との関係ですから，「時<br>　　　　効の援用」については，深入りしないこととして，時効の援用の意思<br>　　　　表示をして，Ｂが甲土地を時効取得したことを前提として，勉強をす<br>　　　　すめます。<br>　（９）それでは，Ｂは時効により取得した甲土地の所有権を原所有権者で<br>　　　　あったＣに対抗するには，登記を備えていなければならないのでしょ<br>　　　　うか。<br>　（10）備えている必要は，ありません。<br>　　　　この場合，Ｂは時効により取得した甲土地の所有権を，登記を備えて<br>　　　　いなくても，Ｃに対抗（主張）することができるのです。<br>　（12）Ｂが時効により甲土地の所有権を取得したということは，<br>　　ア　時効完成前の所有者Ｃから時効により所有権を取得したＢに所有権が<br>　　　　順次移転したことを意味します。<br>　　イ　そうすると，時効完成前の所有者Ｃは第三者ではなく，前所有者とい<br>　　　　うことになります。<br>　　ウ　そうすると，民法第１７７条からも，前所有者に所有権を対抗（主張）<br>　　　　する場合には，登記は必要ありませんから，<br>　　エ　事例１の場合は，Ｂは登記を備えていなくても，時効取得による所有<br>　　　　権をＣに主張することができる，という結論になるのです。<br>　　　　…………………………<br>　　　　　★民法第１７７条（不動産に関する物権の変動の対抗要件）<br> 　　　　　　　不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法（平成<br>　　　　　　　十六年法律第百二十三号）その他の登記に関する法律の定める<br>　　　　　　　ところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することが<br>　　　　　　　できない。<br>　　　　…………………………</strong></font></p><p><font size="4"><strong><br></strong></font></p><p><font size="4"><strong>　第２　取得時効完成前の第三者と時効取得者との関係<br>　　１　事例２<br>                　　①売買<br>　　　　　　  Ａ─―――――──→Ｂ<br>        　　　Ａ─――――─―─→Ｃ<br>　　　　　　甲土地　②売買             <br>　　（１）ＢはＡから，甲土地を買い，登記は受けていなかったが，引渡は受<br>　　　　　けて，以後，甲土地を平穏，公然かつ善意，無過失に占有してきて<br>　　　　　いる。<br>　　（２）Ａは，Ｂに売却した５年後，甲土地をＣにも売却し，登記をＣに<br>　　　　　移転した。<br>　　（３）その後，ＡがＢに売却して１１年目にＣがＢに対して，甲土地は，<br>　　　　　自分の物であるから，引き渡してくれ，と言ってきた。<br>　　（４）そこで，Ｂは自分は既に１０年以上，甲土地を自分が所有者と<br>　　　　　して平穏，公然かつ善意，無過失に占有してきているので，仮に甲<br>　　　　　土地がＣの物であったとしても，自分は甲土地を時効によって取得<br>　　　　　していると，短期取得時効を援用して，甲土地の引渡を拒否した。<br>　　（５）この場合，ＢのＣに対する時効取得の主張は認められるか。<br>　　（６）認められます。Ｂの短期取得時効は完成しており，Ｂは時効を援用<br>　　　　　していますで，Ｂが甲土地の所有権を時効取得したからです。<br>　　（７）それでは，Ｂは，登記を備えていなくても，時効により取得した甲<br>　　　　　土地の所有権をＣに対して，主張（対抗）することができるのでし<br>　　　　　ょうか。これがここの勉強のテーマです。<br>　　（８）そして，判例によれば，Ｂは登記を備えていなくても，時効により<br>　　　　　取得した甲土地の所有権をＣに対して，主張（対抗）することがで<br>　　　　　きます。<br>　　２　解説<br>　　（１）この場合も，事例１の場合と同じく，Ｂは短期取得時効の成立要件<br>　　　　　を満たした上で，その時効を援用したわけですから，それを前提と<br>　　　　　して勉強を進めてゆきます。<br>　　（２）Ｂは時効の援用により，甲土地の所有権を原始的に取得します。<br>　　　　　「原始的に取得する」とは，Ｂの時効完成時に甲土地上に存在して<br>　　　　　いたもろもろの権利は消滅して，Ｂは，Ｂの所有権のみが存在する<br>　　　　　甲土地の所有権を取得するという意味です。<br>　　（３）したがって，事例２の場合は，Ｂの取得時効の完成時の甲土地の<br>　　　　　所有権者はＣですから，Ｂが時効を援用することにより，Ｃの所有<br>　　　　　権は消滅し，Ｃは無権利者となり，Ｂが甲土地の所有権者となった<br>　　　　　ということです。<br>　　（４）ということは，権利の移転の面から見れば，Ｂの時効取得により，<br>　　　　　甲土地の所有権がＣからＢに移転したことを意味します。<br>　　（５）そうすると，時効完成時の所有者Ｃは第三者ではなく，前所有者と<br>　　　　　いうことになります。<br>　　（６）そして，事例１でも勉強しましたように，民法第１７７条により，<br>　　　　　前所有者に所有権を対抗（主張）する場合には，登記は必要ありま<br>　　　　　せんから，この事例２の場合も，Ｂは登記を備えていなくても，時<br>　　　　　効取得による所有権をＣに主張することができるのです。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　第３　取得時効完成後の第三者と時効取得者との関係<br>    １　事例３<br>       　　　　　　①売買<br>　　　　　Ａ─――――――──―─―──→Ｂ<br>        　Ａ─――――─―─――──―─→Ｃ<br>　　　　甲土地　　 ②時効完成後に売買           </strong></font></p><p><font size="4"><strong>　　（１）ＢはＡから，甲土地を買い，引渡も受けたが，登記は受けてい<br>　　　　　なかった。<br>　　（２）しかし，Ｂは１０年間，平穏，公然かつ善意，無過失に甲土地を占<br>　　　　　有してきている。<br>　　（３）Ａは甲土地をＢに売却してから後，１２年目にＣにも甲土地を<br>　　　　　売却し，登記をＣに移転した。<br>　　（４）そこで，ＣはＢに対して，甲土地は，自分の物であるから，引<br>　　　　　き渡してくれ，と言ってきた。<br>　　（５）これに対して，Ｂは自分は既に１０年以上，甲土地を自分が平穏，<br>　　　　　公然かつ善意，無過失に占有してきているので，時効取得を援用し<br>　　　　　て，Ｃに対して，甲土地は自分の物であると主張した。<br>　　（６）この場合，ＢはＣに対して，登記なくして，甲土地の時効取得を主<br>　　　　　張（対抗）することができるか。<br>　　（７）判例は，この場合は，ＢはＣに対して，登記なくして，甲土地の時<br>　　　　　効取得を主張（対抗）することができない，としています。<br>　　２　解説<br>　　（１）この事例３と前項の事例２の違いはどこにあるかといえば，<br>　　　　　事例２では，Ｃは時効完成前の登場者ですが，事例３では，Ｃは時<br>　　　　　効完成後の登場者です。<br>　　（２）そのことにより，結論が異なるのであり，ここでは，その理由を<br>　　　　　勉強することになります。<br>　　（３）まず，Ａから甲土地を買い受けたＢは，速やかに登記を受けておれ<br>　　　　　ば，登記のある完全な所有権を取得しますので，以後，Ｃと甲土地<br>　　　　　をめぐってトラブルになることはありませんでした。<br>　　（４）ところが，登記がＡに残っていたばっかりに，１２年目後に，Ａは<br>　　　　　甲土地をＣに売却して，登記もＣに移転しました。<br>　　（５）ということは，甲土地は，ＡからＢとＣに二重に譲渡され，Ｃが登<br>　　　　　記を備えましたから，民法第１７７条により，Ｃが完全な所有者に<br>　　　　　なるということになります。<br>　　（６）ところが，甲土地の占有の関係では，Ｂが１０年以上，平穏，公然<br>　　　　　かつ善意，無過失に占有してきていますから，Ｂは甲土地につき，<br>　　　　　時効取得を主張して，Ｃに対抗できないかが問題になるのです。<br>　　（７）そして，既に勉強してきましたように，Ｂの時効完成時に，Ｃが<br>　　　　　甲土地の所有権者だったら，Ｃの所有権はＢの時効取得により，<br>　　　　　消滅しますから，Ｂは登記がなくてもＣに対抗できます。<br>　　（８）しかし，この事例３の場合は，ＣはＢの時効完成後に，Ａから甲土<br>　　　　　地を買っていますから，Ｃの所有権は，Ｂの時効の完成によって<br>　　　　　は消滅しません。<br>　　（９）そして，判例は，この場合は，甲土地の所有権がＡからＢへ，Ａ<br>　　　　　からＣへと二重に譲渡された場合と類似していると解して，Ａと<br>　　　　　Ｃいずれか先に登記を備えた者が優先し，完全な所有権者となる<br>　　　　　と解しています（民法第１７７条）。<br>　　（10）したがって，不動産の取得時効完成後に現れた第三者に対して，<br>　　　　　時効取得を主張する場合は，登記が必要です。<br>　　　ア　それでは，時効の起算点を遅らせて，時効完成後の第三者を時効<br>　　　　　完成前の第三者とすることは，できないかが問題となりましたが，<br>　　　　　それはできない，というのが判例です。<br>　　　イ　なぜならば，時効制度は公的制度ですから，私人が自己に都合良<br>　　　　　く変えるということはできない，と解するのです。<br>　　　ウ　なお，判例は，時効完成後の第三者との関係では，その第三者が<br>　　　　　登記をした後に，引続き取得時効完成に必要な期間占有が継続し<br>　　　　　た場合は，新たな取得時効が完成し，その第三者に登記なくして<br>　　　　　対抗することができる，としています。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　第４　時効取得と登記との関係のまとめ<br>　　　　以上勉強してきました所をまとめますと，次のようになります。<br>☆　１　時効完成前の当事者，時効完成前の第三者に対しては，時効による<br>　　　　所有権取得を登記なくして，対抗（主張）することができる。<br>☆　２　これに対して，時効完成後の第三者に対しては，時効による所有権<br>　　　　取得を対抗（主張）するには，登記が必要である。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　第５　問題と解説<br>　問題１　次の各記述は，民法の規定及び判例によれば，正しいか誤っている<br>　　　　　か。<br>　　（１）Ａが所有する甲土地をＢに売却して，甲土地の引渡はしたが，移転<br>　　　　　登記はしていなかった。その後，Ｂの取得時効が完成後に，Ａは甲<br>　　　　　土地をＣに売却して，登記をＣに移転した。この場合，Ｂは登記が<br>　　　　　なくてもＣに対して，甲土地の所有権を主張することができるとの<br>　　　　　記述は，民法の規定及び判例によれば，正しいか誤っているか。<br>　　（１）の解答：誤っている。<br>　　　ア　本股のＣは，時効完成後の第三者であり，<br>　　　イ　事例３で勉強したように，時効によって所有権を取得した者は，登<br>　　　　　記なくしては，登記を備えた時効完成後の第三者にその権利の取得<br>　　　　　を主張することができず（民法177条，判例），登記を備えた時効<br>　　　　　完成後の第三者Ｃが，甲土地の所有権者となる。<br>　　　ウ　よって，本股の記述は誤っている。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　　（２）Ａが所有する甲土地をＢに売却して，甲土地の引渡はしたが，移転<br>　　　　　登記はしていなかった。その後，Ｂの取得時効が完成する前に，Ａ<br>　　　　　は甲土地をＣに売却して，登記をＣに移転した。この場合，Ｂは取<br>　　　　　得時効が完成すれば，登記がなくても，時効を援用して，Ｃに対し<br>　　　　　て，甲土地の所有権を主張することができるとの記述は，民法の規<br>　　　　　定及び判例によれば，正しいか誤っているか。<br>　　（２）の解答：正しい。<br>　　　ア　本股のＣは，時効完成前の第三者であり，<br>      イ　事例２で勉強したように，Ｂが時効を援用すれば，Ｃの所有権は，<br>　　　　　消滅し，Ｂが所有権者となり，ＢはＣに対して，登記が無くても<br>　　　　　その所有権を主張することができる。<br>　　　ウ　よって，本股の記述は正しい。<br>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br>　　　　★それでは，「宅建試験受験講座」３３回<br>　　　　　権利関係３３：民法９-６：「物権変動６」<br>　　　　　「時効取得による物権変動と登記との関係」<br>          はここまでと致します。<br>        ★文章中の「☆」マークはポイント事項です。<br>        ★次回は，権利関係３４：民法９-７<br>　　　　　「相続による物権変動と登記との関係」<br>　　　　　です。<br>　　　　★本書の転記・転載，著作権侵害・違反行為は厳禁<br>　　　　　ということでお願い致します。    <br>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br>       　　 <a href="http://p.booklog.jp/users/kumonomine" target="_blank">☆ここをクリックすると，<br>　　　　　　　電子書籍「宅建試験受験講座」<br>         　　 です。<br></a>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br></strong></font></p>
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<link>https://ameblo.jp/katorea135/entry-12048581680.html</link>
<pubDate>Thu, 09 Jul 2015 22:03:56 +0900</pubDate>
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<title>「宅建試験受験講座」３２回：権利関係３２：「物権変動５：「契約解除による物権変動と登記との関係」</title>
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<![CDATA[ <p><font size="4"><strong>「宅建試験受験講座」３２回目<br>　権利関係３２　<br>　民法９-５：<br>「物権変動５：「各種不動産物権変動の原因と登記との関係<br>　　　　　　　 その２「契約解除による物権変動と登記との関係」<br>…………………………<br>民法<br>第９章　物権変動５<br>第５項　契約解除による物権変動と登記との関係<br>第１号　はじめに<br>　　１　前回，不動産物権変動の原因には，売買だけではなく，各種の原因が<br>　　　　あることを指摘し，「①詐欺による意思表示の取消と登記との関係」<br>　　　　を勉強しました。<br>　　２　そして，今回は，「②契約解除による物権変動と登記との関係」の勉<br>　　　　強です。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>第２号　契約解除による物権変動と登記との関係<br>　　　甲土地　①売買             　②売買<br>　　　　Ａ─――――─―─→Ｂ─―――――─――→Ｃ<br>　　　　　　　③契約解除<br>☆第１　契約解除者と契約解除前の第三者との関係<br>　　１　事例１<br>　　（１）まず，ＡはＢに甲土地を売却しました。<br>　　（２）次に，ＢはＣに甲土地を売却しました。<br>　　（３）次に，ＡはＢが甲土地の売買代金を支払わないので，ＡＢ間の甲土<br>　　　　　地の売買契約を解除しました。<br>　　（４）この場合，Ａは，Ｃに対して，Ｂとの売買契約の解除を対抗（主張）<br>　　　　　することができるのでしょうか。<br>　　（５）これが，契約解除者と契約解除前の第三者との関係の問題です。<br>　　（６）そして，この場合の判例の結論を先にいいますと，<br>☆　　ア　Ｃが登記を受けている場合は，ＡはＣに売買契約の解除により取り<br>　　　　　戻した所有権を対抗（主張）することができない。<br>　　　　　Ｃの立場からすると，Ｃは自らの所有権をＡに対抗することができ<br>　　　　　る。<br>☆　　イ　しかし，Ｃが登記を受けていない場合は，ＡはＣに売買契約の解除<br>　　　　　により取り戻した所有権を対抗（主張）することができる。<br>　　　　　Ｃの立場からすると，Ｃは自らの所有権をＡに対抗することができ<br>　　　　　ない。<br>　　２　解説<br>　　（１）それでは，この場合，何故，（６）の結論になるのかを勉強しまし<br>　　　　　ょう。<br>　　（２）まず，この場合は，ＡがＢとの売買契約を解除する前に，ＢはＣに<br>　　　　　甲土地を売却していますので，Ｃは契約解除前の第三者ということ<br>　　　　　になります。<br>　　（３）したがって，この場合の契約解除者Ａと第三者Ｃとの関係は，Ａか<br>　　　　　らＢ，ＢからＣと目的物が順次売買された場合の前者と後者の関係<br>　　　　　ですから，民法第１７７条の二重譲渡の場合の対抗要件の問題では<br>　　　　　なく，民法第５４５条１項の契約が解除された場合は，その契約解<br>　　　　　除の効果はどこまで及ぶのかの問題となります。そして，民法第５<br>　　　　　４５条１項は次のように規定しています。<br>　　　　…………………………<br>　　　　　★民法第５４５条１項（解除の効果）<br>　　　　　　①当事者の一方がその解除権を行使したときは，各当事者は，<br>　　　　　　　その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし，第三者の<br>　　　　　　　権利を害することはできない。<br>　　　　…………………………<br>　　（４）上記民法第５４５条１項は，まず，契約が解除されると，当事者双<br>　　　　　方は原状回復義務を負うことを規定しています。<br>　　　　アこの意味は，契約が解除されると，契約は無効となり，無かった<br>　　　　　ことになりますので，当事者は双方とも，契約をしたことにより<br>　　　　　履行していた物を相手方に返還して，契約の前の状態（原状）に<br>　　　　　戻さなければならない義務を負うということです。<br>　　　　イ例えば，事例１でいえば，Ｂは甲土地をＡに返還しなければならな<br>　　　　　いし，また，Ｂか登記も受けていた場合には，登記もＡに返還し<br>　　　　　なければならないということです。<br>　　　　ウまた，Ｂは売買代金は支払っていないということですが，手付金<br>　　　　　をいくらか渡していた場合には，ＡはＢに手付金を返還して，契<br>　　　　　約前の状態（原状）に戻さなければならないということです。<br>　　（５）しかし，民法第545条1項は，ただし書で「ただし，第三者の権<br>　　　　　利を害することはできない。」と規定しています。<br>　　　　アこれはどういう意味かといいますと，その契約関係に第三者が居る<br>　　　　　場合には，契約解除は，その第三者の権利を害することはできませ<br>　　　　　んよ，ということです。<br>　　　　イ前例の場合は，第三者としてＣがいますので，ＡはＢとの契約を解<br>　　　　　除しても，Ｃの権利を害することはできませんよ，いうことです。<br>　　（６）それでは，民法第545条1項ただし書の「第三者」とは，どうい<br>　　　　　う第三者なのでしょうか。<br>　　　　ア同条文は，「第三者の権利を害することはできない。」と，単純に<br>　　　　　規定しているだけです。<br>　　　　イしたがって，条文の文章上（文理上）は，第三者は，善意・悪意<br>　　　　　を問わず，また，登記の有無を問わず，保護されることになりそ　<br>　　　　　うです。<br>　☆　　ウしかし，判例は，ここの第三者とは，「登記を備えた第三者」で<br>　　　　　　なければならない，としています。<br>　☆　　エ判例が，そのように解釈している理由は，民法第545条1項ただ<br>　　　　　　し書の，契約を解除した者が害することができない第三者とは，<br>　　　　　　「権利を有する第三者」のことであり，ある第三者が権利を有す<br>　　　　　　る第三者といい得るためには，その第三者本人が自分は権利者だ<br>　　　　　　と言っているだけではなく，他人から見ても権利者であることが<br>　　　　　　分かる第三者である必要があり，そのためには，「登記を備えた<br>　　　　　　第三者」でなければならない，としているのです。<br>　　　　オ　このように，判例は，民法典の条文の真の意味を把握して，民法<br>　　　　　　典の文理上の意味を補足し，深めているのです。<br>　　　　ウ　ところで，民法典の条文の意味を判例が補足し，深めている所は，<br>　　　　　　ほかにもあります。そして，民法の勉強をする場合には，条文の<br>　　　　　　文言を判例が更に深めている所は，判例も勉強することが大切<br>　　　　　　です。<br>　　　　ウ　余談になりますが，宅建試験問題は，「民法の規定及び判例によ<br>　　　　　　れば，正しいのはどれか」とか，「誤っているのはどれか」とい<br>　　　　　　うような設問になっていますが，その趣旨は，このように条文と<br>　　　　　　判例が一体となって，「民法」という法体系が形成されているか<br>　　　　　　らなのです。<br>　　　（７）したがいまして，民法第545条1項ただし書の「第三者」とは，<br>　　　　　　先にも勉強しましたが，判例によって補足されており，次のよう<br>　　　　　　になります。<br>　　　　ア　解除権者Ａは，第三者Ｃが登記を受けている場合は，ＡはＣの権<br>　　　　　　利を害することができない（民法第545条1項，判例）。<br>　　　　　　つまり，Ａは売買契約の解除によって自らに回復した甲土地の所<br>　　　　　　有権をＣに対して，主張することができない。その結果、Ｃが甲<br>　　　　　　土地の所有権者となる。<br>　　　　イ　しかし，Ｃが登記を受けていない場合は，ＡはＣに売買契約の<br>　　　　　　解除を主張（対抗）することができる。その結果，Ａが甲土地の<br>　　　　　　所有権者となる。<br>　　（８）なお，余談になりますが，民法第１７７条の登記は，自分の権利を<br>　　　　　相手方に対抗（主張）するために要求される登記ですから，「対抗<br>　　　　　要件としての登記」と言いますが，民法第545条1項ただし書の第<br>　　　　　三者に判例が要求している登記は，契約解除権者の主張に対し，第<br>　　　　　三者が自分は権利者であるという事実を証明するために要求される<br>　　　　　登記ですから，「事実証明としての登記」という言い方をします。<br>　　　　　つまり，「登記」でも，その性質を異にする場合があるということ<br>　　　　　です。<br>　　３　結論<br>　　（１）以上勉強してきた所から分かりますように，契約解除者と契約解<br>　　　　　除前の第三者との関係は，次のような結論になります。　　　　<br>　☆（２）契約を解除した者が，契約解除前の第三者に対して，契約解除後<br>　　　　　の自らの所有権を主張（対抗）する場合，第三者が登記を備えてい<br>　　　　　れば，その主張は認められない（民法第５４５条１項，判例）。<br>　　　　　第三者が所有権を解除者に対抗することができ，第三者が所有権<br>　　　　　者として，保護される。<br>　☆（３）しかし，第三者が登記を備えていなれば，契約解除者の主張は認<br>　　　　　められ。第三者は保護されない（民法第５４５条１項，判例）。<br>　　　　　つまり，第三者はその所有権を契約解除者に対抗することはできな<br>　　　　　い。その結果，契約解除者が所有権者となる。<br>　☆（４）この場合，第三者の善意，悪意は関係がない。<br>　☆（５）それでは，第三者が背信的悪意者の場合はどうなるのでしょうか。<br>　　　ア　その場合は，第三者が仮に登記を備えていても，契約解除者はその<br>　　　　　背信的悪意者である第三者に対して，自らの権利を主張（対抗）す<br>　　　　　ることができ，その主張は認められる。<br>　　　イ　民法は，信義則を原則としており，それに反する背信的悪意者は保<br>　　　　　護にあたいしないからです。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　第３　契約解除者と契約解除後の第三者との関係<br>　　１　事例２<br>　　（１）ＡはＢに甲土地を売却しました。<br>　　（２）次に，ＡはＢが甲土地の売買代金を支払わないので，甲土地の売<br>　　　　　買契約を解除しました。<br>　　（３）その後で，ＢはＣに甲土地を売却しました。<br>　　（４）この場合，Ａは，Ｃに対して，登記なくして，Ｂとの売買契約の<br>　　　　　解除を対抗（主張）することができるのでしょうか。<br>　　（５）Ａは，登記なくして，ＣにＡＢ間の売買契約の解除を対抗（主張）<br>　　　　　することはできません。<br>　　２　解説　<br>　　（１）この場合は，ＡがＢとの売買契約を解除した後で，Ｂは甲土地<br>　　　　　をＣに売却しています。つまり，Ｃは契約解除後の第三者です。<br>　　（２）したがって，この場合には，<br>　　　ア　ＡがＢとの売買契約を解除した時点で，甲土地の所有権はＢ<br>　　　　　からＡに復帰して，ＡはＢに対して甲土地の返還請求権を有<br>　　　　　します。<br>　　　イ　また，その後，Ａに登記が復帰する前に，ＢがＣに甲土地を売却す<br>　　　　　ることにより，Ｃも甲土地の所有権を有し，ＣはＢに対して甲土地<br>　　　　　の引渡請求権を有します。<br>　　　ウ　故に，この場合は，ＢがＡとＣとに二重に譲渡したのと類似（似た）<br>　　　　　の法律関係となり，民法第１７７条の問題となります。<br>☆　（３）したがって，解除者Ａと第三者Ｃの関係は，先に登記を具備した者<br>　　　　　が勝ち，完全な所有権者となります。<br>　　３　結論<br>☆　（１）以上のように，契約解除者と契約解除後の第三者との関係は，民法<br>　　　　　第１７７条の対抗要件としての登記の具備の問題となる。<br>　　（２）したがって，契約を解除した者が，契約解除後の第三者に対して，<br>　　　　　契約解除によって自らに復帰した所有権を対抗（主張）するために<br>　　　　　は，登記を備えていなければならない。<br>☆　（３）また，逆に，第三者が契約解除者に対して，自らの所有権を対抗（主<br>　　　　　張）するためには，登記を備えていなければならない。なお，この<br>　　　　　場合，第三者は悪意であっても，登記を備えていれば，自らの所有<br>　　　　　権を対抗することができる。<br>　　（４）したがって，契約解除者と契約解除後の第三者といずれが優先する<br>　　　　　かについては，登記を先に具備した者が優先し，その者が完全な<br>　　　　　所有権者となる。<br>☆　（５）ただし，第三者が背信的悪意者の場合は，，契約を解除した者は，<br>　　　　　登記がなくても，その者に自らの所有権を対抗することができる。<br>         民法は，信義則を原則としており，それに反する背信的悪意者は保<br>　　　　　護していないからです（判例）。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>第４　問題と解説<br>問題１　ＡからＢ，ＢからＣに，甲土地が順次売却され，ＡからＢに対する所<br>　　　　有権移転登記がなされた。この場合，次の各記述は，民法の規定及び<br>　　　　判例によれば，正しいか誤っているか。<br>　（１）ＢからＣへの売却後，ＡがＡＢ間の契約を適法に解除して所有権を<br>　　　　取り戻した場合，Ａが解除を理由にして所有権登記をＢから回復する<br>　　　　前に，その解除につき善意のＣがＢから所有権移転登記を受けたとき<br>　　　　は，Ｃは甲土地の所有権をＡに対抗できる，との記述は民法の規定及<br>　　　　び判例によれば，正しいか，誤っているか。<br>　（１）の解答：正しい。<br>　　ア　本股は，甲土地がＢからＣへ売却された後で，ＡがＡＢ間の売買契約<br>　　　　を解除したということであるから，解除者は解除前の第三者に解除に<br>　　　　より取り戻した所有権を主張できるかの問題である。<br>　　イ　そして，この点については，本文第２号第１「契約解除者と契約解除<br>　　　　前の第三者との関係」の所で勉強しましたように，<br>　　　　①Ａが第三者Ｃに対して契約解除により取り戻した所有権に基づいて<br>　　　　　甲土地の引渡を請求してきた場合に，Ｃは所有権移転登記を受けて<br>　　　　　いるときは，ＣはＡに対して，自らの所有権を対抗することができ<br>　　　　　るが，<br>　　　　②Ｃが登記を受けていないときは，ＣはＡに対して，自らの所有権を<br>　　　　　対抗することができない。<br>　　ウ　そして，本股の場合は，Ｃは所有権移転登記を受けているので，Ｃは<br>　　　　甲土地の所有権をＡに対抗することができる。<br>　　エ　よって，本股の記述は正しい。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（２）本問事例において，ＢからＣへの売却前に，ＡがＡＢ間の契約を適<br>　　　　法に解除して所有権を取り戻した場合，Ａが解除を理由にして所有権<br>　　　　登記をＢから回復する前に，その解除につき善意のＣがＢから甲地を<br>　　　　購入し，かつ，所有権移転登記を受けたときは，Ｃは甲土地の所有権<br>　　　　をＡに対抗できる，との記述は民法の規定及び判例によれば，正しい<br>　　　　か，誤っているか。<br>　（２）の解答：正しい。<br>　　ア　本股は，ＡがＡＢ間の売買契約を解除した後で，Ｂが甲土地をＣに売<br>　　　　却した事案であるから，契約解除者と解除後の第三者との関係の問題<br>　　　　である。<br>　　イ　そして，これについては，本文第３で勉強したように，両者の関係は<br>　　　　民法第１７７条の対抗要件の関係であり，先に登記を受けた者が完全<br>　　　　な所有権者となり，勝つ。<br>　　ウ　そこで，本股を見るに，Ａが登記を回復する前に，ＣがＢから甲地を<br>　　　　購入し，かつ，所有権移転登記を受けたということであるから，Ｃが<br>　　　　登記を受けている。<br>　　エ　したがって，Ｃは甲土地の所有権をＡに対抗できる。<br>　　オ　よって，本股の記述は正しい。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（３）本問事例において，ＢからＣへの売却前に，ＡがＡＢ間の契約を適<br>　　　　法に解除して所有権を取り戻した場合，Ａが解除を理由にして所有権<br>　　　　登記をＢから回復する前に，ＣがＢから甲土地を購入し，かつ，所有<br>　　　　権移転登記を受けた。ところで，ＣはＢから甲土地を購入する際，Ａ<br>　　　　Ｂ間の売買契約がＡによって解除されていたことを知っていただけで<br>　　　　はなく，Ａに所有権や登記が復帰することを妨害する目的で，Ｂから<br>　　　　甲土地を購入した背信的悪意者であった。この場合でも，Ｃは登記を<br>　　    を受けているのだから，Ｃは甲土地の所有権をＡに対抗できる，との<br>　　　　記述は民法の規定及び判例によれば，正しいか，誤っているか。<br>　（３）の解答：誤っている。<br>　　ア　本股は，ＡがＡＢ間の売買契約を解除した後で，Ｂが甲土地をＣに売<br>　　　　却した事案であるから，契約解除者と解除後の第三者との関係の問題<br>　　　　である。<br>  　イ　そして，本股は，その場合の第三者Ｃが背信的悪意者の場合である。<br>　　ウ　そして，この場合については，本文第３の３で勉強しましたように，<br>　　　　背信的悪意者は保護されず,解除権者は登記がなくても，背信的悪意<br>　　　　者たる第三者には，自らの所有権を対抗することができます。逆に，<br>　　　　背信的悪意者である第三者は仮に登記を受けていても，解除権者の主<br>　　　　張を拒むことはできず，保護されません。<br>　　エ　したがって，本股の場合，背信的悪意者Ｃは甲土地の所有権をＡに対<br>　　　　抗することができません。<br>　　オ　よって，本股の記述は誤っている。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>（４）本問事例において，ＢからＣへの売却前に，ＡがＡＢ間の契約を適<br>　　　　法に解除して所有権を取り戻した場合，Ａが解除を理由にして所有権<br>　　　　登記をＢから回復する前に，その解除につき悪意のＣがＢから甲地を<br>　　　　購入し，かつ，所有権移転登記を受けたときは，Ｃは甲土地の所有権<br>　　　　をＡに対抗できる，との記述は民法の規定及び判例によれば，正しい<br>　　　　か，誤っているか。<br>　（４）の解答：正しい。<br>　　ア　本股は，ＡがＡＢ間の売買契約を解除した後で，Ｂが甲土地をＣに売<br>　　　　却した事案であるから，（２）（３）の肢と同じく，契約解除者と解除<br>　　　　後の第三者との関係の問題である。<br>　　イ　そして，肢（２）（３）との違いは，Ｃが①善意ではなく悪意である<br>　　　　こと，②悪意ではあるが背信的悪意者ではないことである。<br>　　　　つまり，Ｃは単なる悪意者だということである。<br>　　ウ　そして，この場合については，本文第３で勉強したように，Ｃは悪意<br>　　　　であっても登記を備えておれば，その所有権をＡに対抗することがで<br>　　　　きる。<br>　　エ　そして，本股のＣはその登記受けているので，Ｃは甲土地の所有権<br>　　　　をＡに対抗することができる。<br>　　オ　よって，本股の記述は正しい。<br>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br>　　　　★それでは，「宅建試験受験講座」３２回<br>　　　　　権利関係３２：民法９-５：「物権変動５」<br>　　　　　「契約解除による物権変動と登記との関係」<br>          はここまでと致します。<br>        ★文章中の「☆」マークはポイント事項です。<br>        ★次回は，権利関係３３：民法９-６<br>　　　　　「時効取得による物権変動と登記との関係」<br>　　　　　です。<br>　　　　★本書の転記・転載，著作権侵害・違反行為は厳禁<br>　　　　　ということでお願い致します。    <br>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br>       　　<a 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<link>https://ameblo.jp/katorea135/entry-12019144365.html</link>
<pubDate>Sun, 26 Apr 2015 16:52:12 +0900</pubDate>
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<title>「宅建試験受験講座」３１回：権利関係３１「物権変動４：「詐欺による意思表示の取消と登記との関係」</title>
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<![CDATA[ <p><font size="4"><strong>「宅建試験受験講座」３１回目<br>　権利関係３１　<br>　民法９-４：<br>「物権変動４：「各種不動産物権変動の原因と登記との関係<br>　　　　　　　 その１　詐欺による意思表示の取消と登記との関係」<br>…………………………<br>民法<br>第９章　物権変動４<br>第４項　詐欺による意思表示の取消と登記との関係<br>第１号　はじめに<br>　　１　不動産物権変動の原因には，売買だけではなく，各種の原因があり<br>　　　　ます。<br>　　２　そして，実際に，不動産取引を見てみますと，売買により不動産の<br>　　　　所有権が移転する場合だけではなく，①詐欺による意思表示の取消<br>　　　　しにより，所有権が移転する場合とか，②契約解除により所有権が移<br>　　　　転する場合とか，④時効により所有権が移転する場合とか，⑤相続に<br>　　　　より所有権が移転する場合などがあります。<br>　　３　そして，不動産物権変動の第三者への対抗要件は，原則として，登記<br>　　　　ですから，それらの物権変動を第三者に対抗（主張）するには，どの<br>　　　　場合には登記が必要で，どの場合には登記が必要ではないのかを勉強<br>　　　　しておく必要があります。<br>　　４　そこで，本項では，それらの関係を順番に勉強してゆきます。<br>　　５　まず，最初に，不動産の売買契約の意思表示が，詐欺を理由に取り消<br>　　　　された場合はどうなるのかを勉強することと致します。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>第２号　詐欺による取消しと登記との関係<br>　　　　甲土地<br>　　　　Ａ─――――─―─→Ｂ─―――――─――→Ｃ<br>　第１　詐欺による取消しと取消前の第三者との関係<br>　　１　事例１<br>　　（１）ＢはＡを騙しました。<br>　  （２）その結果，ＡはＢに甲土地を買り，登記もＢに移転しました。<br>　　（３）次に，Ｂは甲土地をＣに売り，登記も移転しました。<br>　　（４）その後，ＡはＢに騙されたことを知り，ＡＢ間の売買契約を詐欺に<br>　　　　　よる意思表示を理由に取り消しました（民法第９６条）。<br>　　（５）そして，Ａは，Ｂとの間の売買契約の取消しを理由に，Ｃに対して<br>　　　　　甲土地の明渡しを請求しました。<br>　　（６）この場合，ＡのＣに対する明渡請求は認められるのでしょうか。<br>　　　　　逆言すれば，Ｃは甲土地をＡに明渡さなければならないのでしょ<br>　　　　　うか。<br>　　２　解説<br>　　（１）まず，この場合のＣは，ＡがＡＢ間の売買契約を詐欺による意思表<br>　　　　　示を理由に取り消す前に，Ｂから甲土地を買い受けていますので，<br>　　　　　Ｃは取消前の第三者です。　　<br>☆　（２）次に，甲土地は，ＡからＢ，ＢからＣへと順次譲渡されています<br>　　　　　ので，ＡとＣの関係は，二重譲渡における譲受人同士の関係ではな<br>　　　　　く，順次譲渡における譲渡人と転得者の関係です。<br>☆　（３）したがって，この場合のＡとＣの関係は，登記の具備の優劣により<br>　　　　　により権利関係が確定する場合ではなく，民法第９６条３項によっ<br>　　　　　て，権利関係が確定する場合になります。<br>　　（４）そこで，民法第９６条を見てみることにします。<br>　　　　　…………………<br>　　　　　　★民法第９６条（詐欺又は強迫）<br>  　　　　　　　①詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。<br>　　　　　　　　②相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場<br>　　　　　　　　　合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、<br>　　　　　　　　　その意思表示を取り消すことができる。<br>　　　　　　　　③前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意<br>　　　　　　　　　 の第三者に対抗することができない。<br>          …………………<br>　　（５）この民法第９６条１項で分かりますように，詐欺により（「騙され<br>　　　　　て」という意味です。）売買等の意思表示を為した者は，その意思<br>　　　　　表示を取り消すことができます。<br>          本事例で言えば，Ｂに騙されて「売る」という意思表示をしたＡは，<br>          Ｂに対して，その「売る」という意思表示を取り消すことができま<br>　　　　　す。<br>　　　　アそして，取り消せば，Ａの「売る」という意思表示はなかったこと<br>　　　　　になりますから，ＡＢの売買契約も無かったことになり，甲土地の<br>　　　　　所有権はＡに帰ります。<br>　　　　イそこで，ＡはＣに対して，甲土地の所有権を主張することができる<br>　　　　　のでしょうか。逆言すれば，Ｂから甲土地を買ったＣは，甲土地に<br>　　　　　つきＡの所有権を認めなければならないのでしょうか。<br>☆　（６）この点については，民法第９６条３項が，「詐欺による意思表示の<br>　　　　　取消しは、善意の第三者に対抗することができない。」と規定して<br>　　　　　います。<br>☆　    アその意味は，Ｃ（第三者）が，ＡはＢに騙されて甲土地を売るとい<br>　　　　　う意思表示をしたという事実を知らなかった場合は，Ｃは善意です<br>　　　　　から，ＡはＣに対して，所有権を主張（対抗）することはできない。<br>☆　　　イしかし，Ｃ（第三者）が，ＡはＢに騙されて甲土地を売るという意<br>　　　　　思表示をしたという事実を知っていた場合，つまり，Ｃが悪意の場<br>　　　　　合は，ＡはＣに対して，所有権を主張（対抗）することができる，<br>　　　　　という意味です。<br>　　　　ウ民法は，ＡとＣのどちらを優先して保護すべきかを考えた場合，<br>　　　　（ア）Ｃが悪意の場合は，ＣはＡＢ間の契約は取り消されるかも知れ<br>　　　　　　　ないということを承知で，騙したＢから買っているので，この<br>　　　　　　　場合は，Ａを保護するのが妥当である。<br>　　　　（イ）しかし，Ｃが善意の場合は，騙されたという落ち度のあるＡと<br>　　　　　　　何も知らない通常の取引者であるＣとを比較した場合，Ｃを保<br>　　　　　　　護するのが妥当である，との価値判断で，前記ア，イのように<br>　　　　　　　定めているのです。<br>　３　結論<br>      以上の解説をここでまとめておきます。<br>☆（１）詐欺による取消と取消前の第三者との法律関係は，登記により決まる<br>　　　　のでなく，民法第９６条（の詐欺による意思表示の取消）の適用によ<br>　　　　り決まる。<br>☆（２）つまり，詐欺による意思表示（法律行為）の取消権者は，その取消し<br>　　　　を，取消前の善意の第三者には，対抗（主張）することができない。<br>☆（３）しかし，詐欺による意思表示（法律行為）の取消権者は，その取消し<br>　　　　を，取消前の悪意の第三者には，対抗（主張）することができる。<br>　４　試験対策<br>　　　したがいまして，試験対策としましては，<br>　（１）その問題が，詐欺による意思表示（法律行為）の取消の問題か否かを<br>　　　　判断して，<br>　（２）そうであれば，その第三者が取消前の第三者か否かを判断して，<br>　（３）そうであれば，その第三者が善意か，悪意かを判断して，<br>　（４）第三者が善意であれば，第三者が勝ち，取消権者は負け。<br>　（５）第三者が悪意であれば，第三者は負け，取消権者が勝ち。<br>　　　　と手順になります。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　第２　詐欺による取消しと取消後の第三者との関係<br>    １　事例２<br>　　（１）ＢはＡを騙しました。<br>　  （２）その結果，ＡはＢに甲土地を買り，登記もＢに移転しました。<br>　　（３）間もなく，ＡはＢに騙されたことを知り，ＡＢ間の売買契約を詐欺<br>　　　　　による意思表示を理由に取り消しました（民法第９６条）。<br>　　（４）その後，Ｂは甲土地をＣに売りました。<br>　　（５）この場合，ＡがＣに対して，自己の所有権を対抗（主張）するため<br>　　　　　には，Ａは登記を具備していなければならないのでしょうか。<br>　　２　解説<br>　　（１）この事例２の場合は，事例１の場合と異なり，ＣはＡが詐欺による<br>　　　　　意思表示を取り消した後で登場してきた第三者だということです。<br>　　（２）つまり，ＢからＣへの売買契約よりも前に，ＡはＢとの売買契約を<br>　　　　　詐欺による意思表示を理由に取り消しており，Ｃは取消し後の第三<br>　　　　　者になります。<br>　　（３）そして，この場合の取消権者Ａと第三者Ｃとの法律関係は，どうな<br>　　　　　るかですが，<br>　　　ア　まず，ＡがＢとの間の売買契約を取り消した時点で，売買契約は無<br>　　　　　効となりますので，甲土地の所有権は，ＢからＡに復帰します。<br>    　イ　そして，Ａが所有権復帰と同時に登記も受けておけば問題はないの<br>　　　　　ですが，登記をＢに放置している間に，ＢがＣに甲土地を売ったと<br>　　　　　します。<br>　　　ウ　そうしますと，この場合の甲土地をめぐる所有権は，ＢからＡへの<br>　　　　　詐欺取消による所有権復帰（「復帰的物権変動」ともいいます。）と，<br>　　　　　ＢからＣへの売買による所有権移転とが，二重譲渡されたのと類似<br>　　　　　の状態（同じような状態）となります。<br>　　　エ　したがって，この場合は，民法第１７７条が類推適用（準用）され，<br>　　　　　ＡとＣの関係は，先に登記を備えた者が自らの所有権を相手に対抗<br>　　　　　（主張）することができて，その者が所有権者となる，ということ<br>　　　　　になります。<br>　　３　結論<br>☆　（１）詐欺による取消権者と，取消し後の第三者との関係は，対抗関係と<br>　　　　　なり，民法第１７７条が適用され，先に登記を備えた者が相手方に<br>　　　　　対して，所有権を対抗（主張）することができる。<br>　　（２）したがって，取消権者が先に登記を具備すれば，取消権者が所有権<br>　　　　　者となり，<br>☆　（３）取消し後の第三者が，先に登記を具備すれば，その第三者が所有権<br>　　　　　者となる。<br>第３　問題と解答<br>問題１　不動産の物権変動の対抗要件に関する次の各記述は，民法の規定<br>　　　　及び判例によれば，正しいか誤っているか。<br>　（１）Ａが甲土地をＢに売却し，不動産売買契約に基づく所有権移転登記が<br>　　　　なされた後に，売主Ａが当該契約に係る意思表示を詐欺によるものと<br>　　　　して適法に取り消した場合，売主Ａは，その旨の登記をしなければ，<br>　　　　当該取消後に甲土地を買主Ｂから買い受けて所有権移転登記を経た第<br>　　　　三者Ｃに所有権を対抗できない，との記述は，民法の規定及び判例に<br>　　　　よれば，正しいか誤っているか。<br>　（１）の解答：正しい。<br>　　ア　本股は，詐欺による取消しと取消後の第三者との関係である。<br>　　イ　そして，本文第２項で勉強したように，この場合は，民法１７７条が<br>　　　　適用され，取消権者が取消後の利害関係を有する第三者にその所有権<br>　　　　を対抗するには，登記が必要である。<br>　　ウ　したがって，取消後に当該不動産を買主から取得して所有権移転登記<br>　　　　を経た第三者に対しては取消権者は．その所有権を対抗することがで<br>　　　　きない。<br>　　エ　よって，本股の記述は正しい。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（２）Ａが甲土地をＢに売却し，不動産売買契約に基づく所有権移転登記が<br>　　　　なされた。Ｂは甲土地をＣに転売した。その後で，売主ＡがＡＢ間の<br>　　　　売買契約に係る意思表示を詐欺によるものとして適法に取り消した。<br>　　　　ところで，甲土地をＢから買い受けたＣは，ＡがＢに騙されて甲土地<br>　　　　をＢに売却した事実は知らなかった。この場合，売主Ａは，登記をす<br>　　　　れば，第三者Ｃに甲土地の所有権を主張することができる，との記述<br>　　　　は，民法の規定及び判例によれば，正しいか誤っているか。<br>　（２）の解答：誤っている。<br>　　ア　本股の場合，ＣはＢが詐欺による取消をする前に利害関係を持つに至<br>　　　　った第三者である。<br>　　イ　そして，詐欺による取消権者と取消前の第三者の関係は，本文の第２<br>　　　　で勉強したように，甲土地がＡ→Ｂ→Ｃと移転した順次譲渡（移転）<br>        の関係であるから，対抗要件としての登記の理論によって解決される<br>　　　　のではなく，詐欺による意思表示の取消の第三者効によって解決され<br>　　　　る（民法第９６条３項）。<br>　　ウ　そうすると，本股の場合，ＣはＢの詐欺については善意であるから，<br>　　　　Ａの詐欺による取消の効果はＣには及ばず，ＡはＣにその所有権を主<br>　　　　張することができない。<br>　　エ　よって，本股の記述は誤っている。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（３）（２）の事例において，Ｃが，ＡはＢに騙されて甲土地をＢに売却し<br>　　　　た事実を知っていた場合には，Ａは，Ｃに対して，甲土地の所有権を<br>　　　　主張することができる，との記述は，民法の規定及び判例によれば，<br>　　　　正しいか誤っているか。<br>　（３）の解答：正しい。<br>　　ア　この場合には，本文第２で勉強したように，民法第９６条３項の反対<br>　　　　解釈により，詐欺による意思表示の取消は，取消前の悪意の第三者に<br>　　　　は，対抗（主張）することができます。<br>　　イ　よって，本股の記述は正しい。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（４）Ａが甲土地をＢに売却し，Ｂに所有権移転登記がなされた。その後で，<br>　　　　売主Ａが当該契約に係る意思表示を詐欺によるものとして適法に取り<br>　　　　消した。一方，買主Ｂは，Ａに取り消された後に，甲土地を第三者Ｃ<br>　　　　に売却し，Ｃに所有権移転登記もした。そして，ＣはＡがＡＢ間の売<br>　　　　買契約の意思表示を詐欺を理由に取り消したことは知っていたけれ<br>　　　　ども，甲土地は自分が探していた土地に条件が一致したので買って，<br>　　　　登記の移転も受けたものだった。この場合，ＡはＣに所有権を対抗で<br>　　　　きない，との記述は，民法の規定及び判例によれば，正しいか誤って<br>　　　　いるか。<br>　（４）の解答：正しい。<br>　　ア　本股のＣは，ＡがＡＢ間の売買契約の意思表示を詐欺による意思表示<br>　　　　として取り消した後に，甲土地につき利害関係を有するに至った第三<br>　　　　者である。したがって，（１）の問題と同じく，詐欺による取消権者<br>　　　　と取消後の第三者との関係に関する問題である。<br>　　イ　そして，本文第２項で勉強したように，この場合のＡとＣとの関係は，<br>　　　　二重譲渡類似の関係であり，民法第９６条ではなく，民法１７７条が<br>　　　　適用され，取消権者が取消後の利害関係を有する第三者にその所有権<br>　　　　を対抗するためには，第三者より先に登記を備えていることが必要で<br>　　　　ある。<br>　　ウ　ところが，本股の場合，第三者Ｃが先に登記を具備しているので，Ａ<br>　　　　はＣに対して，その所有権を対抗することができない。<br>　　エ　よって，本股の記述は正しい。<br>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br>　　　　★それでは，「宅建試験受験講座」３１回<br>　　　　　権利関係３１：民法９-４：「物権変動４」<br>　　　　　「詐欺による意思表示の取消と登記との関係」<br>          はここまでと致します。<br>        ★文章中の「☆」マークはポイント事項です。<br>        ★次回は，権利関係３２：民法９-５<br>　　　　　「契約解除による物権変動と登記との関係」<br>　　　　　です。<br>　　　　★本書の転記・転載，著作権侵害・違反行為は厳禁<br>　　　　　ということでお願い致します。    <br>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br>       　　<a href="http://p.booklog.jp/users/kumonomine" target="_blank"> ☆ここをクリックすると，<br>　　　　　　　電子書籍「宅建試験受験講座」<br>         　　 です。</a><br>☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎</strong></font></p>
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<pubDate>Tue, 21 Apr 2015 20:03:00 +0900</pubDate>
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<title>「宅建試験受験講座」３０回：「物権変動３：不動産物権変動の対抗要件と相手方の主観的要素との関係」</title>
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<![CDATA[ <p><font size="4"><strong>「宅建試験受験講座」３０回目<br>　権利関係３０　<br>　民法９-３：<br>「物権変動３：不動産物権変動の対抗要件と相手方の主観的要素との関係」<br>…………………………<br>民法<br>第９章　物権変動３<br>第３項　不動産物権変動の対抗要件と相手方の主観的要素との関係<br>　第１　はじめに<br>　　１　前回は，不動産物権変動を第三者に対抗（主張）するには，登記が<br>　　　　必要であるけれども，無権利の第三者や不法占拠の第三者などに主<br>　　　　張する場合は，登記は必要ない，ということを勉強しました。<br>　　２　それでは，不動産物権変動を悪意の第三者に対抗（主張）する場合<br>　　　　にも登記は必要なのでしょうか。今回はこの点を学習致します。<br>　　３　なお，前回の学習のポイントは，第三者が登記の欠缺を主張する正<br>　　　　当な利益を有する者か否かの判断であったのに対し，今回の学習の<br>　　　　ポイントは，第三者が善意か悪意か背信的悪意者かという第三者の<br>　　　　主観的状態によって，登記が必要か否かを判断する点にあります。<br>　第２　事例１　<br>　　１　まず最初に，ＡはＢに甲土地を売買しました。<br>　　２　次に，ＡはＣにも甲土地を売買しました。<br>　　３　ところで，Ｃは甲土地が既にＢに売却されていることは知りませんで<br>　　　　した。<br>　　４　この場合，ＢがＣに対して，甲土地の所有権を対抗（主張）するた<br>　　　　めには，登記が必要なのでしょうか。<br>　第３　事例２<br>　　１　まず最初に，ＡはＢに甲土地を売買しました。<br>　　２　次に，ＡはＣに甲土地を売買しました。<br>　　３　この時，Ｃは甲土地が既にＢに売られていることを知っていました。<br>　　４　この場合，Ｂが悪意のＣに対して，甲土地の所有権を対抗（主張）<br>　　　　するためには，登記が必要なのでしょうか。<br>　　　　なお，民法で「悪意」とは，あることを知っているという意味であり，<br>　　　　ここで，「悪意のＣ」とは，ＢがＡから既に甲土地を買っていること<br>　　　　を知っているＣ，という意味です。<br>　第４　事例３<br>　　１　まず最初に，ＡはＢに甲土地を売買しました。<br>　　２　次に，ＡはＣに甲土地を売買しました。<br>　　３　この時，Ｃは甲土地が既にＢに売られていることを知っていただけで<br>　　　　はなく，買主Ｂを害する目的で，Ａから甲土地を買いました。<br>　　４　この場合，ＢがＣに対して，甲土地の所有権を対抗（主張）するた<br>　　　　めには，登記が必要なのでしょうか。<br>　第４　各事例の検討<br>　　１　事例１について<br>　　（１）このパターンは，①Ａ→Ｂ，②Ａ→Ｃという二重譲渡で，Ｃは２<br>　　　　　番目の買主ですが，１番目のＡ→Ｂへの売買の事実を知らない（善<br>　　　　　意）わけですから，Ｃは，その気持ち（主観的要素）に何ら問題の<br>　　　　　ない買主です。<br>　　（２）したがって，ＢとＣのいずれか先に登記を受けた方が対抗力ある<br>　　　　　所有権を取得することになります。<br>　　（３）故に，ＢがＣに対して，甲土地の所有権を対抗（主張）するため<br>　　　　　には，登記が必要です。<br>　　（４）なお，民法では，法律上問題となる事実を知らないことを「善意」<br>　　　　　といいます。逆に，知っていることを「悪意」といいます。これは，<br>　　　　　事例２の所でも勉強しました。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　　２　事例２について<br>　　（１）事例２と１の違いは，２番目の買主Ｃが１番目のＡからＢへの売<br>　　　　　買契約の事実を知っていた（悪意であった）点にあります。<br>　　（２）この場合，甲土地はＢが先に買っているし，そのことをＣは知っ<br>　　　　　りながら買っているわけですから，先に買ったＢはＣに対して，<br>　　　　　登記がなくても「甲土地は，自分のものだ」と主張できないかが，<br>　　　　　問題となります。<br>　　（３）そして，この点については，Ｃが先にＢが買っていることを知っ<br>　　　　　ていながら買うということは道義的には好ましくないかもしれな<br>　　　　　いけれども，売主Ａは自分に登記がある間は，Ｂ以外の者に売る<br>　　　　　こともできるし，今日の自由競争社会では，ＣはＢが先に買ってい<br>　　　　　ることを知っていたとしても，法律上は，買うことができるとされ<br>　　　　　ています。<br>　　（４）そして，ＢとＣのどちらが優先するかは，登記を先に具備した者が<br>　　　　　優先する，とされています。<br>　　（５）したがって，事例２の場合には，Ｂが悪意のＣに対して，甲土地の<br>　　　　　所有権を対抗（主張）するためには，Ｃよりも先に甲土地の登記を<br>　　　　　所得する必要があります。<br>　　（６）なお，この理屈は，民法第１７７条の解釈の問題のとしては，　<br>　　　　　「民法第１７７条の第三者には，悪意の第三者も含まれる。」と<br>　　　　　いうことです。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>☆　３　事例３について<br>　　（１）事例２と３の違いは，２番目の買主Ｃが事例２では，１番目のＡ<br>　　　　　からＢへの売買契約の事実を単に知っていた（悪意）だけである<br>　　　　　のに対して，事例３の場合は，２番目の買主Ｃは単に知っていただ<br>　　　　　けではなく，１番目の買主Ｂを害する目的を持っていた点にありま<br>　　　　　す。<br>☆　（２）このように，単に知っている（悪意）だけではなく，それにプラ<br>　　　　　スして前の買主を害する目的を持って行為をしている者のことを<br>　　　　　民法では「背信的悪意者」といいます。<br>　　（３）そして，２番目の買主がこのような背信的悪意者である場合には，<br>　　　　　１番目の買主は，その者に対して，登記がなくても自己の所有権<br>　　　　　を主張することができるのではないかが問題となります。<br>　　（４）そして，この点については，今日の社会が自由競争社会ではあっ<br>　　　　　ても，このような「あくどい悪意者」（背信的悪意者）は信義則<br>　　　　　に反していますので，そのような者を保護することは間違っている<br>　　　　　と考え，１番目の買主は，背信的悪意者に対しては，登記がなく<br>　　　　　ても自らの所有権を対抗（主張）することができる，と解してい<br>　　　　　ます（判例）。<br>　　（５）したがって，事例３の場合は，Ｃは背信的悪意者ですから，Ｂは<br>　　　　　Ｃに対して，登記がなくても，甲土地の所有権を対抗（主張）する<br>　　　　　ことができます。<br>　　（６）なお，以上の理屈は，民法第１７７条の解釈の問題のとしては，<br>　　　　　　「民法第１７７条の第三者には，背信的悪意者は含まれない。」<br>　　　　　ということです。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　第５　背信的悪意者に当たる具体的場合<br>　　１　ところで，背信的悪意者は，民法の条文に具体的に規定されているの<br>　　　　ではなく，判例や学説により出来上がった条文解釈理論です。<br>　　２　そして，現在では次のような第三者が背信的悪意者に当たると解さ<br>　　　　れています。<br>☆　（１）第１の買主を害する目的で買った第２の買主<br>　　　　　上記事例３のＣのような場合です。<br>☆　（２）第１の買主から登記移転手続を依頼されていた者が，その登記移<br>　　　　　転手続をしないで，自らが第２の買主となって自分に移転登記を<br>　　　　　した者<br>☆　（３）第１の買主の登記手続きを詐欺や強迫で妨害した第２の買主</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　第６　第３者の善意，悪意，背信的悪意と登記の関係のまとめ<br>　　１　物権変動における所有権等を第三者に対抗（主張）するためには，<br>　　　　原則として，登記が必要です。この原則を第三者の主観的状態　<br>　　　　により整理すると次のようになります。<br>　　（１）自らの所有権を「善意の第三者」に対抗（主張）する場合には，そ<br>　　　　　の所有権の登記が必要である。<br>　　（２）自らの所有権を「悪意の第三者」に対抗（主張）する場合にも，そ<br>　　　　　の所有権の登記が必要である。<br>☆☆（３）ただし，自らの所有権を「背信的悪意者である第三者」に対抗（主<br>　　　　　張）する場合には，登記なくして，自らの所有権を主張（対抗）す<br>　　　　　ることができる。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>第７　問題と解答<br>問題１　Ａは甲土地をＢに売却した。しかし，Ｂは未だ所有権移転登記を受<br>　　　　けていなかった。<br>　（１）この事例で，ＣがＡＢ間の売買とＢが未だ登記を受けていないことを<br>　　　　聞きつけ，自分が買ってＢに高値で売って儲けようと思い，Ａから<br>　　　　甲土地を買い，登記も受けた。この場合，ＢはＣに対し，登記なく<br>　　　　して甲土地の所有権を対抗することができない，との記述は，民法の<br>　　　　規定及び判例によれば，正しいか誤っているか。<br>　（１）の解答：誤っている。<br>　　　ア本文事例３で学習したように，不動産の第１の買主は，第２の買主が<br>　　　　背信的悪意者の場合は，登記無くして，自分の所有権を対抗（主張）<br>　　　　することができる（判例）。<br>　　　イそして，本肢の場合，Ｃは，ＡＢ間の甲土地売買の事実を知ってお<br>　　　　り悪意であるばかりでなく，Ｂを害して自分が利得する目的で甲土<br>　　　　地をＡから買っているので，単なる悪意者ではなく，背信的悪意者で<br>　　　　ある。<br>　　　ウしたがって，ＢはＣに対して，登記なくして，甲土地の所有権を対抗<br>　　　　（主張）することができる。<br>　　　エよって，本股の記述は誤っている。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（２）本問事例において，ＢがＡから買い受けた後に，ＢがＣに甲土地を仮<br>　　　　装譲渡して，登記はＣが受けた。この場合，ＢはＣに対して登記が無<br>　　　　くても所有権を対抗することができる，との記述は，民法の規定及び<br>　　　　判例によれば，正しいか誤っているか。<br>　（２）の解答：正しい。<br>　　　ア前回学習したとおり，不動産の仮装譲渡の譲受人は，無権利者であり，<br>　　　　所有者はその者に対しては，登記なくして所有権を主張することがで<br>　　　　きる。<br>　　　イこの理屈は，第１の買主から仮装譲渡を受けた者が，登記を受けて<br>　　　　いても，同じである。<br>　　　ウしたがって，本肢の場合，仮装譲渡を受けたＣは無権利者であり，Ｂ<br>　　　　はＣに対して，登記無くして，所有権を対抗（主張）することができ<br>　　　　る。<br>　　　エよって，本股の記述は正しい。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（３）本問事例において，ＢがＡから甲土地を購入した後で，ＣがＢを強迫<br>　　　　して，Ｂの登記申請を妨害して，ＣがＡから甲土地を購入して登記も<br>　　　　受けた。この場合，ＢはＣに対して，登記無くして所有権を対抗する<br>　　　　ことができる，との記述は，民法の規定及び判例によれば，正しいか<br>　　　　誤っているか。<br>　（３）の解答：正しい。<br>　　　アＣは，第１の買主Ｂの登記手続を強迫で妨害した第２の買主であり，<br>　　　　背信的悪意者である。<br>　　　イそして，第１の買主は，背信的悪意者に対しては，登記なくして所<br>　　　　有権を対抗（主張）することができる。<br>　　　ウよって，本股の記述は正しい。</strong></font></p><p><font size="4"><strong>　（４）本問事例において，ＢがＣに登記手続を依頼していたところ，ＣはＢ<br>　　　　への登記手続をせずに，自らが甲土地を買い自己名義に登記手続をし<br>　　　　た。この場合，ＢはＣに対して登記がなくても所有権を対抗すること<br>　　　　ができる，との記述は，民法の規定及び判例によれば，正しいか<br>　　　　誤っているか。<br>　（４）の解答：正しい。<br>　　　アＣは，第１の買主Ｂから登記移転手続を依頼されていた者である。<br>　　　イにもかかわらず，その登記移転手続をしないで，自らが第２の買主と<br>　　　　なって，自分に移転登記をしており，本文で勉強したように，Ｃは背<br>　　　　信的悪意者である。<br>　　　ウしたがって，ＢはＣに対して，登記無くして自己の所有権を対抗（主<br>　　　　張）することができる。<br>　　　エよって，本股の記述は正しい。<br>　…………………………<br>　　 ☆マークは，ポイントです。<br>　　　★今回は，ここまでです。<br>　　　★次回は，「物権変動４：物権変動の原因と登記との関係」<br>　　　　です。<br>　　　☆<a href="http://p.booklog.jp/users/kumonomine" target="_blank">ここをクリックすれば，電子書籍「宅建試験受験講座」です。<br></a>　　☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br></strong></font></p>
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<pubDate>Tue, 14 Apr 2015 17:48:55 +0900</pubDate>
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<title>「宅建試験受験講座」２９回：権利関係２９：民法「物権変動２：登記の必要な場合と登記の不要な場合」</title>
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<![CDATA[ <p><font size="4"><strong>「宅建試験受験講座」２９回目<br>　権利関係２９　<br>　民法９「物権変動２：登記の必要な場合と登記の不要な場合」<br>…………………………<br>権利関係第２９回　<br>民法<br>第９章　物権変動２<br>第２項　不動産物権変動を第三者に主張（対抗）するときに，登記が</strong></font></p><p><font size="4"><strong>必要な場合と必要でない場合<br>　第１　はじめに<br>　　１　前回は，「物権変動」の意味を勉強し，不動産物権変動を</strong></font><font size="4"><strong>第三</strong></font><font size="4"><strong>者に対<br>　　　　抗（主張）するためには，その物権変動が「対抗要件」を備えてい<br>　　　　なければならないことを勉強しました。<br>　　２　そして，不動産の物権変動の対抗要件は，「登記」であり，土地や<br>　　　　建物を買っても登記を受けていなければ，第三者に対抗できないこ<br>　　　　とも勉強しました。<br>　　３　それでは，土地や建物を買っても，登記がなければ，売主以外のす<br>　　　　べての第三者に対抗できないのでしょうか。換言すれば，登記がな<br>　　　　ければ対抗できない第三者と登記がなくても対抗できる第三者とが<br>　　　　あるのでしょうか。今回の勉強のテーマは，それです。<br>　第２　登記がなければ対抗できない第三者の範囲について<br>　　１　事例１<br>　　（１）Ａは甲建物をＢに売却しました。<br>　　（２）ＢはＡから甲建物の引渡しは受け，引越もしましたが，登記はまだ<br>　　　　　受けていませんでした。<br>　　（３）翌朝，Ｂが目覚めて外に出たら，その家について何の権利も有し<br>　　　　　ていない隣のＣが甲建物はＡの建物だ，あなたは出て行って下さい，<br>　　　　　と言いました。<br>　　（４）Ｂは，登記をまだ受けていないのですが，Ｃに対して，自分が甲建<br>　　　　　物の所有者であることを主張できるのでしょうか，できないのでし<br>　　　　　ょうか。<br>　　２　事例２<br>　 （１）Ａは甲建物をＢに売却しました。<br>　　（２）ＢはＡから甲建物の引渡しは受けたが，まだ引越しはしておらず，<br>　　　　　登記もまだ受けていませんでした。<br>　　（３）ある日，Ｂが甲建物に行ったら，何の権利も有していないＣがこ<br>　　　　　こが空屋だったので住んでいると言って，住んでいました。<br>　　（４）そこで，ＢがＣに甲建物は自分の建物だから立ち退いて，明け渡し<br>　　　　　てくれと言いました。<br>　　　　　ところが，ＣはＢに対して，あなたは登記を未だ備えていないので，<br>　　　　　私に対して所有権を主張することはできない。私はあなたに言われ<br>　　　　　て出て行く必要はない，と反論してきました。<br>　　（５）この場合，Ｂは，登記をまだ受けていないので，Ｃに対して，甲<br>　　　　　建物の所有権者は自分であると主張できないのでしょうか。<br>　　３　事例３<br>　　（１）Ａは甲建物をＢに売却し，Ｂは甲建物の引渡を受けました。しかし，<br>　　　　　登記は，まだＡのままです。<br>　　（２）次に，Ａは甲建物をＣに売却して，Ｃが登記を受けました。<br>　　（３）ある日，Ｃが甲建物に来て，自分はＡから甲建物を買い受け，登<br>　　　　　記も受けている。あなたは甲建物から退去して，甲建物を明け渡し<br>　　　　　てくれと言いました。<br>　　（４）Ｂは，自分は甲建物の所有者である。甲建物から出て行かない，<br>　　　　　と主張した。<br>　　（５）Ｂは甲建物から出て行かなくても良いのでしょうか。<br>　　…………………………<br>　●この続きは，次のキーをクリックして，電子書籍講座でお願い致します。<br>　　☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br>　　　<a href="http://p.booklog.jp/book/97317" target="_blank">「宅建試験受験講座」２９回目：権利関係２９ <br>　　　　民法９-２： 物権変動２：登記の要否<br></a>　 ☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎☆◎<br>　　　★次回は民法９-３「物権変動３：不動産物権変動と悪意の第三者」<br>　　　　です。<br></strong></font></p>
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<pubDate>Mon, 13 Apr 2015 21:26:11 +0900</pubDate>
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