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<title>異能力者ハヤテ</title>
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<description>祖父に旅立たれ身寄りが無くなり山から下りて来たハヤテ丸の数奇な日常。</description>
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<title>ハヤテその４２</title>
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<![CDATA[ <p><span style="font-size:1.4em;">冴子が掃除をしている間、ハヤテは店に飾ってある骨董品やら彫刻品を観ていた。<br>じいちゃんの木彫りは、ひと目見てわかる。幼い頃から土間や居間で隣に座って見ていたから。<br>見覚えある彫り物も幾つかあった。（あ～、なつかしいなー）すぐさま、あの頃が蘇ってきた。じいちゃんが集中して彫っている時は、怒っているような恐い顔をしてどんなに話し掛けても返事さえしてくれなかった。だけど調子よく彫れている時は、色んな事を話して聞かせてくれた。自然のこと、山の外のこと、人や動物のこと。本はいっぱい買ってくれた。本の中で解からない箇所があれば、そんなときじいちゃんに訊く。じいちゃんはどんな難しいことでも解かりやすく教えてくれた。だからハヤテは益々本が好きになり、難解な数学書や、科学、化学の専門書まで読破した。じいちゃんは笑って「そんなもの読んだって、何の役にも立たないぞ。漫画を読んでるほうが、余程為になる。」って、言っていたっけ。暇だから読んでいただけで、役立てようとは全く考えてなかった。だから、今は殆ど覚えていない。ただ、読んでいる事が楽しかっただけだった。そんなことを思い出していたら何だか目頭が熱くなり「じいちゃん・・・」と思わず呟いていた。「まるちゃん、ちょっと来て！」いつの間にか二階から降りて来ていたのか冴子が呼ぶ。手にしていた、じいちゃんの木彫りをそっと戻して、「はい。」と返事し声がした居間に行った。「これ、これ・・・。」冴子が手に何か持っている。それは数枚の写真だった。</span></p>
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<link>https://ameblo.jp/kazu2984/entry-12972307547.html</link>
<pubDate>Fri, 10 Jul 2026 16:55:56 +0900</pubDate>
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<title>ハヤテその４１</title>
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<![CDATA[ <p><span style="font-size:1.4em;">ハヤテが立山の所から帰ってくると、響親子が気忙しくバタついていた。「時間割ちゃんとした？ハンカチ持ったわね？忘れ物ないよね？」冴子の声。<br>「うん、大丈夫。ちゃんとしたよ。」ウンザリって感じで麗美が応え、「じゃあ、行ってきます。」と,使い込んで色がかなり褪せている赤いランドセルを背負った。<br>冴子の肩に乗った秀吉の頭を指で撫で、「秀ちゃん、行ってくるね～。帰ってきたら、また遊ぼうね～」にこにこ笑っている。ハヤテが「行ってらっしゃい。」と声を掛けた。「行ってきます。いいな～学校へ行かなくていい人は・・・。」嫌味っぽくぶつぶつ言いながら、靴を履き出て行った。冴子は「まるちゃん。今日は、やることいっぱいだね～。まるちゃんの服や下着の買い物もしなくちゃならないし・・・。スケジュールの組み立て変えようかな？うｗｗん」と顎に手を添えて考え出した。ハヤテは「清志君の話では、斑目製薬？って所に、父さんがいたのは、たまたまって感じでした。今日、そこに行ってもいない確率の方が高いですよね。まずは場所とか、様子を下見するだけになるんじゃないですか？警備が厳重そうだから正面から乗り込んで行くのは、ちょっと無理かなと思います。だから、次回に清志君が息子の秀也と行く時がチャンスじゃないかと思うんです。その時、携帯で中の様子を教えてもらい、僕が垣根を飛び越えて敷地に入る。今のところ、それくらいしか手がないような気がするのですが・・・。清志君の話では、薬は今日か明日の分しか残ってないんじゃなかったっけ？だけど秀也に持って来させられるのはまずいですから、なんとか工場に取りに行くよう作戦を立てなければ・・・。」ハヤテも考え込んだ。冴子は秀吉を手のひらに移し変えて『ふっ』っと息を抜き、「ま、動きもしないで考えていても埒が明かないかー。清志君がキーマンだから彼の意見も聴かないとね。で、どうだった？運転手の方は。」「はい、気持ち良く引き受けてもらえました。」「あーそう。まずは一歩前進ってとこね。」壁時計は９時前になっている。「さっ、いつでも出掛けられるよう、準備しておかなくちゃ！私はこれから部屋の掃除や片付けしなきゃね。まるちゃんも準備しといてね。」冴子はそういって急ぎ足で二階に上がっていった。</span></p>
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<link>https://ameblo.jp/kazu2984/entry-12972307326.html</link>
<pubDate>Fri, 10 Jul 2026 16:53:10 +0900</pubDate>
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<title>ハヤテその４１</title>
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<![CDATA[ <p><span style="font-size:1.4em;">「おはようございます。」古くて建付けの悪くなった玄関の戸を開け、ハヤテは戸口に立って挨拶をした。<br>昨日の夕方に訪れた時には周りを観る余裕はなかったが、下駄箱の上に金魚の水槽が置いてあり、五匹の金魚が水草の周りを、気持ち良さ気にゆったりと泳いでいる。その隣には小判を持った白猫の瀬戸物の置物が鎮座している。奥のほうから人が動く気配がし、「はーい」という女性の声と共に足音が聞こえてきた。薄汚れたガラス戸を開け、化粧っ気のない中年のオバサン（幸恵）が出てきた。ハヤテは世間知らずで感覚的には、まだ子供だから顔の造りには疎いが、幸恵は若い頃は美人であったろう顎の細い彫りの深い顔立ちをしている。「は・・い、何か？」と幸恵は訊ね、はっと気付いたのか、「あなたは昨日の・・・。」と言ってから、どう話せばよいか言葉を捜している様子だ。ハヤテは「ははっ」と苦笑し「昨日はお騒がせして申し訳なかったです。」と頭を下げると、目を瞬かせて「いえいえ！うちの主人が馬鹿なことしてしまいまして・・・。土下座して詫びなければならないのは、私たちの方です。」そう言いながら、幸恵は畳に頭を擦り付けるように平伏した。「あっ！いいんです、いいんです。顔を上げてください。」慌ててハヤテが言うと「警察に通報されても仕方ない事をしてしまったのに・・・。その上に、あんな大金まで頂いてしまって。昨夜、主人と話してたんです。疾風丸さんには足を向けて寝れないと・・・。」少し恥ずかしそうな笑顔で幸恵が言う。「主人は何か思うところがあったようで、『今からでも遅くない、一からやり直すぞ。』って。私も息子の太郎も今度だけは本気かな？って、思ってるんです。本当に感謝のしようがないです。」目を潤ませながら、そういってまた平伏した。その時、居間の戸が開き、立山が顔を覗かせる。「ああ、やはり鞍馬さんか。そうと思った。」にこにこと笑いながら、出てきた。あのギラギラした目つきが嘘の様になくなって、無精ひげもきれいに剃っていて穏やかそのものである。「ははっ、鞍馬さんって呼び方やめて下さい。ハヤテでいいです。」「わかった、そうするよ。こいつも龍二さんとは少しだが顔馴染みだ、なあ？」妻の幸恵に言う。笑顔でこくんと頷いたが、言葉は出てこなかった。「話が込み入るようなら、なかでお茶でもどうですか？」と勧められ、「あっ、いえいえ。おじさんに頼み事お願いできないかと思って。」「そうですか。」幸恵は自分が邪魔だろうと気遣って「じゃあ。」と一礼して奥に引っ込んだ。「おじさん今日一日時間開いていませんか？実は、事情があってある場所まで行きたいのですが、車を運転できるものがいなくって・・・。レンタカー借りて一緒に行ってもらえないかと思いまして。」ハヤテが申し訳なさそうに言う。「運転？ああ、いいよ。どうせ、今は無職だし。レンタカーか・・。よし、俺の知り合いの店に電話しておくよ。何時までに借りればいいんだ？」「『響』に１０時までに来てもらえるのに間に合えば・・・。」ハヤテが答える。立山が携帯を取り出し時刻を確認し、「分かった。１０時にレンタカーで、店の前に横付けするよ。ところで、冴子ちゃんも乗って行くのか？」と訊き、ハヤテが「うん。」と返事すると「なにかと訊かれるだろうな～」と苦笑して、頭を掻いている。「すみません、お願いします。」と頭をさげて、立山家を後にした。</span></p>
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<link>https://ameblo.jp/kazu2984/entry-12972242066.html</link>
<pubDate>Thu, 09 Jul 2026 22:45:41 +0900</pubDate>
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<title>ハヤテその４０</title>
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<![CDATA[ <p><span style="font-size:1.4em;">麗美は昨夜の出来事なんか忘れたようにはしゃいでいた。その原因はテーブルの上にあった。<br>ハヤテは秀吉に麗美の相手を頼んだのだ。少女にとって小動物は何よりの癒しになると思ったのだ。<br>何時も以上に不機嫌な顔で席に着いた麗美が、おもむろにトーストを齧った瞬間、目の前に現れた茶褐色の生き物に最初はパニクッて「キャー！お母さん！ネズミがｗｗ！」と飛びのいたが、ハヤテが「ネズミじゃない！リスの秀吉だ。」と言うと、恐る恐る席に戻り「リス？」「へ～！」と言いながら好奇心いっぱいで観察しだした。ハヤテが「パンくず、やってよ。」と麗美にいう。素直に「うん！」と応えて、目の前にちょこんと座って麗美を見つめている秀吉に、口にほうばれる程に千切って目の前に置く。秀吉はそれを両手で拾い上げそのまま口の中に入れた。秀吉の口の中はパンくずによって『ぷくっ』っと膨らみ、抱きしめたくなるほど可愛い。一瞬無言。一拍置いて「きゃ～、かわいいー！」と叫んでいた。<br>それからは秀吉のやることなす事に「かわいいー！」を連発し、冴子とハヤテは苦笑し、それ以上に安心した。<br>秀吉も麗美が気に入ったのか、麗美の肩や頭の上に乗って楽しんでいる。朝食が終わり、砂糖をたっぷり入れたコーヒーを「おいしい！」とおかわりして寛いでいたハヤテだったが、「そうだ！運転手を頼んでこなくちゃ！冴子さん、ちょっと出かけてきます。」と、片付けを始めた冴子に声を掛けた。「あ～、そうね～。その人、近くの人なの？」冴子が訊いた。「ここから５，６分だよ。その人、冴子さん知ってるって言ってた。しかも・・・とうさんの事も、よく知っている風だった。」ハヤテは既に玄関に向かって歩きながらだから、声を大きく発している。（私も龍にいも知っている？まさか立山さん？・・・まさかね～、確かあの人の家は、ここから２駅ほど離れている筈だわ）じゃあ誰だろ？と首を傾げながら食器を洗い出した。<br>＾</span></p>
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<link>https://ameblo.jp/kazu2984/entry-12972159775.html</link>
<pubDate>Thu, 09 Jul 2026 05:09:38 +0900</pubDate>
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<title>ハヤテその３９</title>
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<![CDATA[ <p><span style="font-size:1.4em;">「おばさ・・・冴子さん。朝食の準備がいち段落したら、信長を紹介するよー。」そう言って、生ゴミの中からキャベツの固すぎて捨てた葉っぱや、削り取ったにんじんの表皮、昨日の残飯などを、二重にした古新聞の上に寄せ集めた。結構な量になった。「後、２、３分待ってね。後は弱火にしておけばいいだけだから・・。」冴子はそう言いつつ（あの、大空のなか気流に乗って悠々と飛んでいるトンビが目の前に降りて来て、どんな仕草をするのだろう・・・。って、トンビは夕方にはよく見掛けるけど、こんな夜明けに活動できるのかしら？）そう思いつつガスレンジのツマミを絞って炎を確認し、「オーケーよ！」と、ふたりで屋外に出た。玄関前に立ったハヤテは、早速じいちゃんが作ってくれた木の笛を口に咥え吹いた。『ピーヒョロロロー』とトンビの鳴き声そっくりな音がしたので、冴子はびっくりして空を向いているハヤテを見た。そしてハヤテが視ている空の方向に顔を向けて、黙って待った。すると、まだ濃いブルーの中に小さな点が見えた。それが、見る見る大きくなってきて、鳥だと解かる程近づいてきた。羽を大きく広げ、殆ど羽ばたかない。頭部を前に突き出しふたりをピンポイントで目指し、突っ込むようにして、降って来た。降りると云うより降って来たと形容したほうが正しく思えたのだ。ハヤテが腕を平行に伸ばした。信長はその腕の1メートルほど手前で少し浮き上がると、体勢を一瞬にして整えて二本の足で腕を掴み羽を畳んだ。一分の無駄もなく見事に決まった。「か、かっこいいー！」思わず感嘆の声を漏らしていた。二階からも「へー、かっこいいー！」と歓声が上がった。いつのまにか麗美も窓を開けて観ていたのだった。ハヤテは麗美に笑顔を見せた後、しゃがんで新聞紙を広げた。「信長、散らかしちゃ、だめだよ。」と、ひと言。信長は、こくんとひとつ首を振り残飯を食べだした。<br>「信長の場合、放っておいても自分で餌は見つけられるから心配してないんだ。基本、雑食性だから、なんでも食べられる。じいちゃんは、トンビは昔から人に馬鹿にされている鳥だ。鷹や鷲のような尊厳さがないって言ってたけど、僕から見れば信長はどんな鳥より一番かっこいいし、賢い奴なんだ。」信長の頭を人差し指で優しく撫ぜながら愛情を込めた口調でハヤテは言った。</span></p>
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<link>https://ameblo.jp/kazu2984/entry-12972127384.html</link>
<pubDate>Wed, 08 Jul 2026 19:17:08 +0900</pubDate>
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<title>ハヤテその３８</title>
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<![CDATA[ <p><span style="font-size:1.4em;">「あっ、いけね！すっかり忘れてた！」脱いであったジャージのポケットにそっと手を突っ込み、リスの秀吉を掴み出した。<br>すっかり寝ついていて、まるでマスコットの様に微動だにしない。「ま～、可愛いぬいぐるみね～」冴子が触ろうとする。<br>「ぬいぐるみじゃないよ、友達の秀吉だ。本物の日本リスだよ。」そういって布団の隅にそっと寝かせた。「空箱ないですか？そこに古いタオルでも敷けば、簡易ベットになるんだけど。」「あっ、うんちするから切り藁・・・とりあえず紙を切って敷くほうがいいのかな？」ハヤテが言うがはやいか、冴子が早速立ち上がり居間から出て行った。そして、ものの１０分もしないうちに新聞紙をシュレッターで刻んで敷いたダンボール箱を持ってきた。「あっ、丁度いいのがありましたね～」ハヤテは嬉しそうに受け取って秀吉を箱に移した。秀吉の寝姿を観ながらハヤテは冴子に、この秀吉と鳶の信長を連れて山を下りた事を話した。<br>冴子は優しげに微笑みながら、相槌を打ちつつ話を聴いている。（この子の親友はリスと鳶なのね。それも悪くないけど、やっぱり色んな意味で、普通の人間の友達がほしいだろうな～）それができなかった環境を気の毒に思い、私がなんとかしてあげなくちゃとハヤテを観ている。（でも、その前に解決しなければならない大きな山がひとつ立ち塞がってる・・・。これをなんとかしなきゃあこの子も前に進めないんだわ。）そう思って、ふと壁時計を見るともう少しで12時になる。（あの話は今からはできそうもないな。まるちゃんは慣れない旅と清志君のことで疲れきっているだろうし、明日にしよう。私もちゃんと話せるように整理しておかなくちゃ。）「まるちゃん、疲れたでしょ？私も今からシャワー浴びて休むから、もう寝ようね。」冴子が立ち上がってコップを片付けだしたのを機に「はい！寝ます。」と返事しハヤテが床に就いた。冴子が「おやすみ。」と言って蛍光灯を消し、小玉電球だけにして出て行った。『トン、トン・・・』まな板の上で何かを刻んでいるのだろうか、小気味良い音が聴こえてきてハヤテは目を覚ました。 布団を折りたたみジャージを着ていると、秀吉が素早く足元から肩まで一気に駆け上ってきた。 「おはよう、秀吉。昨日は狭いところばかり居させてごめんな。」手を持っていくと手のひらにちょこんと乗った。 台所に行き、後姿の冴子に「おはようございます。」と、挨拶をして近寄った。キッチンは昔タイプの壁向きだから、ハヤテが声を掛けるまで 気がつかなかった。「あら～、おはよう。まだ寝ててもいいのよ～。」明るい声だ。秀吉がハヤテの顔を見てリアクションしている。ハヤテはひとつ頷き 申し訳なさそうに冴子に言う。「そのキャベツ、一掴みもらえませんか？」冴子は一瞬「えっ？」と手を止め、すぐに納得して小皿に刻んだキャベツを盛ってハヤテに渡した。「どうぞ！」「あっ、ありがとうございます！」床に小皿を置くと秀吉が、待ってましたとばかりハヤテから降りてキャベツに突進した。貪る様に食べてる秀吉をしゃがみ込んで観ながら、「随分お腹空かしてたんだなー」と呟き「ごめんな。」と謝っているのを料理中の冴子が笑顔でみていた。</span></p>
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<link>https://ameblo.jp/kazu2984/entry-12972127122.html</link>
<pubDate>Wed, 08 Jul 2026 19:13:55 +0900</pubDate>
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<title>ハヤテその３７</title>
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<![CDATA[ <p><span style="font-size:1.4em;">「ありがとうございます。」テーブルを挟んで冴子と向かい合うように座ったハヤテは、冷たい麦茶によって露ぶいている硝子コップを手にとって「おっ！」と一声あげて、のどを鳴らしながら一気に半分ほど飲んだ。「あ～っ！うまいー」「体の中に染み渡りますね～」そう言って、冴子に笑顔をみせた。「おいしい？好きなだけ飲んでね。」冴子も笑って応え「ところで・・・」と何気なく「祐蔵おじさん・・おじいさん、元気にしてる？」と訊いてきた。ハヤテは残りの半分の麦茶を飲もうとコップを口に当てたところで、ぽかんと１，２秒静止してしまった。そのコップをテーブルに戻して俯いているハヤテに小首を傾げながら「どうしたの？おじいさん、どこか具合悪いの？」と冴子が心配そうに聞く。祐蔵の葬儀には誰も呼ばなかったし、ハヤテ自身なにもわからなかった。ただ、じいちゃんが死ぬ前日、車のエンジンの音がして白衣姿で医者が来た。じいちゃんの話では、鞍馬一族の遠い筋にあたるらしい。じいちゃんが寝込んでから、時々診てくれていた。何故か知らせもしないのに、じいちゃんの容態がおかしくなると、絶妙なタイミングで来訪した。そして、じいちゃんは横に座って不安そうに自分を見ているハヤテに向かい、「お前は何も心配することはない。ワシがもしもの事があっても全て和正が取り仕切ってくれる。」和正と云うのはこの先生の名前らしい。「お前は、ただワシの傍にいて見とどけてくれりゃあいいんじゃ。」目の光が弱く口から出る言葉も聞き取れないほど小さくなってしまったじいちゃんは、いままでにあまり見せたことのない優しい笑顔でそういった。その日から数日後眠るようにこの世を去って行った。<br>「じいちゃんは、先日死にま・・・いえ天国に旅立ちました・・・。」冴子は一瞬、ハヤテの言葉が理解できず、ただ見詰めていたが目を瞬かせて「な、何をわるい冗談言ってるのよ。私は、あなたのじいちゃんの事、訊いているのよ？」パニクりながら、尚も訊き直した。ハヤテは俯きながら「じいちゃんは一昨日心不全による心肺停止で８５歳の命を閉じました。」およそ１５歳の少年が口にしないような言い回しを、敢えて冴子にして目を閉じた。「そ、そんな・・・。」その後出そうとする言葉が見当たらず絶句してしまった。「生前、じいちゃんは事あるごとに言っていました。お前がひとりになったら、一日でも早く山を降りるんだ。その用意はちゃんとしてあるからな、と。」そう言って傍らに置いてあったリュックを開け手紙を取り出して冴子に渡した。黙って封筒の中から便箋を抜き出した冴子は、見覚えのある祐蔵の筆跡で書かれた手紙を黙々と読んだ。途中から涙ぐみ、手の甲で拭いながら読んでいる。読み終わっても暫く無言でいたが、やがて冴子は気持ちを切り替えるようにひとつ大きく深呼吸して、ハヤテに言った。「今日から私に息子ができたんだね。その息子はとても真っ直ぐな性格で正義感に溢れた、私には勿体無い位のいい息子だよ！」泣き笑いの顔をまっすぐハヤテに向けた後、体を乗り出してその言葉で俯いていた顔を上げたハヤテの髪の毛を手のひらでクシャクシャにして声をあげて笑った。</span></p>
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<link>https://ameblo.jp/kazu2984/entry-12971970273.html</link>
<pubDate>Tue, 07 Jul 2026 07:19:33 +0900</pubDate>
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<title>ハヤテその３６</title>
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<![CDATA[ <p><span style="font-size:1.4em;">夜も更け、冴子は清志を帰した。明日は研究所に向かわなければならない。彼の精神的負担はこれまでのことを考えると相当大きかったに違いない。せめて睡眠を充分とって体調だけは整えさせたい。明日の朝、１０時までに来ればよいと伝えた。そして、今日娘の麗美が受けた精神的ショックを考え、残念ながら家庭教師は辞めてもらわざる終えないとも伝えた。清志が帰った後、ハヤテにシャワーを浴びるよう浴室に案内し操作を説明して、彼が出てくるまでに居間に布団を敷いた。以前龍二が住んでいた二階の部屋でも良いのだが、今日は麗美の精神状態を考え居間にした。布団を敷いた後、テーブルに肘を立てそれに顎を乗せて嘆息を吐く。（いずれ話さなければならない事だけど・・・。うまく言えるだろうか？全ての原因がまるちゃんによるものだと知ったら、あの子凄くショックを受けるだろうな～）やり切れないと思いながらも、それを伝えるのが自分の役目だと肝に銘じる。（明日では2人きりで話ができないかも？ちょっと遅くなるかもしれないけど、まるちゃんが風呂場から出てきたら話すことにするか～！）「よし！」っとふっ切ったように一声あげて立ち上がり、グラスと冷蔵庫から麦茶のボトルを取り出して、話し合いのセッティングをしだした。思えば、鞍馬家の歯車が修復不可能なほどに狂ってしまったのは澄子の事故が切っ掛けだった。<br>叔父の祐蔵は、狂気の目をした龍二を山から追い出し、強力な結界を張った。それ以来、鞍馬家には何人たりとも足を踏み入れることができなくなった。<br>身内の春蔵や冴子さえも結界は解いてもらえなかった。疾風丸を龍二から守るためとはいえ、叔父は徹底していた。<br>それでも時折、木彫りを納めに店に来て、父の春蔵と半日近況を話し合ったりして帰っていった。その父も、５年前脳梗塞で帰らぬ人となり、その後母が認知症となり介護施設に入った。冴子は、龍二たちが結婚してから３年後に恋愛の末結婚し東京に嫁いで行ったが、夫の浮気が原因で離婚し、ひとり娘を連れて響家に戻ってきて現在に至っている。そして今から一年程前、ひょっこりと祐蔵が訪れた。お茶とお茶請けを用意して、「ゆっくりしていって下さい」と言うと、穏やかに笑って礼をのべ暫くは自分が手掛けた彫り物を、手にしたり眺めたりして感慨深げだった。「今、作っている最中の物がそろそろできあがるんじゃが、少々大きいんでなぁ・・・郵送して届けようと思っとるんじゃが・・。その品は悪いが商品として店に出さんと、押入れにでも仕舞っといてくれんか？いずれ何かの時に役立つと思うんじゃ。それがワシの最後の作品となりそうじゃわい。ああその品、別にあんたが開けて見てもうても一向にかまわんでな。」ちょっと申し訳なさそうに笑ってそう言ったのを覚えている。そして帰り際「もし・・・もし、ハヤテがここを訊ねることがあったら・・・、笑顔で迎え入れてくれんか？」祐蔵は真剣な表情でそう冴子に言った。その時は、何が言いたいのかよく分からず「当たり前じゃないの、おじさん。今日だって一緒に来れば良かったのに。」と笑顔で返したが、「あいつは不憫な子じゃ・・・。わしはハヤテが可哀想でならんのじゃ・・・。」そういって俯いた拍子に、目から涙の粒がポタポタと床に零れ落ちて黒い染みをつくった。（思わず私も貰い泣きしたけど・・・。あんなに感情をストレートに現した叔父さん始めてみたって思ったわ）<br>そんなことをあれこれ考えていると、ハヤテがタオルで髪の毛をゴシゴシと拭きながら風呂場から出てきた。冴子が用意した下着は春蔵用の買い置きだがサイズ的に多少のダブつきはあるものの、何とか間に合っている様に見えた。「今日は疲れたでしょ？冷たい麦茶飲んで、くつろいで。」あのハヤテが、大きく逞しくなって目の前に立っていることが、今更ながら浅き夢の様だと冴子はみつめた。</span></p>
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<link>https://ameblo.jp/kazu2984/entry-12971832260.html</link>
<pubDate>Mon, 06 Jul 2026 02:02:41 +0900</pubDate>
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<title>ハヤテその３５</title>
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<![CDATA[ <p><span style="font-size:1.4em;">「明日にでも病院について行ってあげるわ。だから安心して今夜は寝なさいね。」冴子の暖かい眼差しを受け、感謝の眼差しで返す清志だった。<br>「だけど病院側が入院して検査すると言ってきたら、あなたから正直に両親に話してね。大丈夫、両親はあなたを叱りはしないから。」「その薬も、病院で調べてもらいましょうよ。私が預かっておくから。」はいと言って清志がポケットから取り出した2個のタブレットケースを、冴子が受け取った。<br>「それでね～、隠していてもいけないから言うんだけど・・・・。」ちらっとハヤテをみやってから「あなたが言ってた鞍馬 龍二は私たちの身内なのよ。」と、苦しげに言った。「えっー？！」と清志は瞼を瞬かせて驚きの声を上げた。「この子は彼の息子で疾風丸っていうの。私は彼の従妹なのよ。龍兄は・・あっ、龍二の事を、幼い頃から私はそう呼んでたの。ある日を境に音信不通となっていた。まさか、あなたの口から彼の名前を聞かされるとは夢にも思わなかったわ。しかも最悪のケースで・・・。」冴子は俯いた。隣でハヤテも俯いている。「私たちは身内として龍兄に会って話さなければならない事があるの。わるいけど清志君、病院に行く前にその研究所を案内してくれないかしら？」冴子が清志に尋ねる。清志は、少しの間黙っていて、「一度行っただけだから、うろ覚えだけど・・・。迷いながらなら、何とか行ける気がします。」「分かりました。明日、学校が終わってからなら日が暮れてしまうかもしれないし、秀也に絡まれるかもしれないから、体調がすぐれないから病院に行くと、親に言って学校にも連絡しておきます。」清志はようやく元気を取り戻したのか、張りのある声でそう応えた。「おねがいね。」笑顔で冴子は言ってから、「でも・・・」と顔を曇らせた。「車の免許持ってないのよ、私。」「迷いながらタクシーっていうのもね～」と、思案している。「あっ！そうだー！」突然ハヤテが声をあげて2人を驚かせる。「僕ねいい人知ってる。その人がもし免許持ってたら、車借りて行ってもらおうよ。」目を輝かせてそういった。「まるちゃん。その人って、日和山の付近の人？そんな遠くの人に来てもらうわけにいかないわ。」冴子が低い声で言う。<br>「いや、すぐ近くの人。ここに来る前に知り合いになったんだよ。『俺にできることがあったら、何でも言ってくれ。』って言ってたから。」楽しそうに笑いながらハヤテは言った。「えっ？もう、そんな知り合いができたの？すごいね～」驚いた顔で冴子が感心して、ハヤテをみている。</span></p>
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<link>https://ameblo.jp/kazu2984/entry-12971754971.html</link>
<pubDate>Sun, 05 Jul 2026 10:58:13 +0900</pubDate>
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<title>ハヤテその３４</title>
<description>
<![CDATA[ <p><span style="font-size:1.4em;">ただ・・・、ここでこんな話をするのもなんですが・・線路に飛び込んだ途端、気を失ってはいたんですが暗闇の中で不思議な感覚を受けました。<br>それは、今でも憶えているんですけど・・・。なんか温かな真綿に全身がくるまれた様な、赤ちゃんになって母さんの胸に抱かれているような、<br>もっと遡って母さんの胎内で羊水に浸かっているような・・・そんな感じでした。ははっ・・おかしいですか？おかしいですよね。なに言ってんだろ。<br>目を開けたら大勢の人に囲まれていて、皆が「奇跡だ！」とか「ほんとによかった！」とか、声を掛けてくれたんですけど、僕には死ねなかった無念さだけが胸の中に蟠って、少しも嬉しくありませんでした。それでもただひとつ・・・親を悲しませないで済んだという思いだけは頭の片隅で芽生えました。・・・が、でも現実に戻り人を騙して薬を飲ませ続けて生きていく行為のほうが、もっと親を悲しませてしまうんだと思って立ち上がる気力もなくなりました。なぜ僕を生かせたのか神を恨みながら、こうなりゃ悪魔になるしかないと腹に決めここに来たんです。本当にごめんなさい。もう僕には何も残っていません。全てをお母さん（冴子）の判断に委ねます。どうぞ好きなようにしてください。</span></p><p>&nbsp;</p><p><span style="font-size:1.4em;">全てを話し終えた清志は覚悟を決めたのか、入ってきた時の黒いオーラも消え失せて、紙の様に白かった顔色も少し朱をさして来たように思えた。<br>それでも自分のとった行動による非難の目を恐れてか俯いたままで黙り込んだ。<br>しばらく、皆沈黙して思い思いの考えを整理しているようだった。最初に口を開いたのは冴子だった。微笑を浮かべながら話し出す。<br>「清志君、私は神様があなたを救ったのは正しかったと思いますよ。」そういってちらっとハヤテを見た。ハヤテも（あっ、おばさんは何もかも分ってるんだ）と感じ、微笑で返した。冴子は清志に向かい「私はあなたより少しだけ長生きをしている分、あなたに幾つかアドバイスできることがあるわ。まず、話の中に出てきた脳の薬を開発しているという所長はとても信用できる人ではないと思うの。あなたに嘘の情報を植え付けて、親子で利用しようとしているかもしれない。あなたは一日か二日頭が働かなくなり体も思うように動かなかったと言っていたけど、その後貰った調整剤のお陰で回復したのか、自然に回復したのかもわからない。確かに医療関係に従事する者に言われれば、普通信用せざるを得ないのが現状なのは分るけど・・・。一度、病院に行って診てもらったらどうかしら？案外、良い結果がでるかもしれないと私は思うけど。」俯いていた清志が（はっ！）とするように冴子を観た。冴子は、いたわる様な眼差しで清志を観て、同意を求めるようにハヤテを見る。ハヤテも「それは、僕も賛成です。」と明るい声で言った</span>。</p>
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<link>https://ameblo.jp/kazu2984/entry-12971754440.html</link>
<pubDate>Sun, 05 Jul 2026 10:52:06 +0900</pubDate>
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