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<title>keiのブログ</title>
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<title>Kai</title>
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<![CDATA[ マサトの部屋に着くと、何も喋らないまま強引に腕を引っ張られた。<br>玄関からベッドまでの距離をわざとマサトの顔を見ないように歩いた。<br>掴まれていた手が放された瞬間の、じんわりとした手の温度に愛おしさが込み上げた。<br>この男は今から、私を限りなく愛してくれる。<br>頭の中でよぎった瞬間にはもう、マサトはガーターベルトに手を滑らせていた。<br>「お前の脚すっげーそそる」と、出会った頃よく褒められた。<br>それ以来私は、自分の身体の中で脚が一番好きになった。<br>決して華奢ではない腰回りや、顔の大きさに対して広い肩幅、<br>小さくはないけどボリュームの少ない胸・・・<br>あげればキリがないほどにコンプレックスの塊だった私に、初めて愛せるパーツができた。<br>それは、どんなことにも代えられないくらい私に自信をくれた。<br>男に褒められるって、全身を痺れさせる麻薬みたいだ。<br>とろーんと頬が柔らかくなって、口元がゆるくなる。<br><br>上目遣いで見つめる私を引き寄せて、「ガーター良いね」と耳元で囁く。<br>耳から体中を駆け巡って私の身体を痺れさせるマサトは麻薬だ。<br>マサトの瞳が私を裸にさせる。<br>恥ずかしくて直視出来ない私に「ちゃんと見ろよ」と低い、ハッキリした声で命令する。<br>見つめる先にはマサト。この二重瞼の目も、筋の通った鼻も薄い唇も、あの頃と何も変わらない。<br>出会った時のまま、私を何もないぽっかりと空いた穴に落として行く。<br>たまらなく苦しくなって必死で掴もうとするのに、マサトは私を突き落とす手はあっても救い出す手は持っていないらしい。<br>頭の中で冷静になっていた私の身体の上を、マサトの舌が蛇のようにヌルリと這って行く。<br>その感覚に背筋がゾワッとしたと同時に全身に鳥肌がたつ。<br>ツンと尖った乳首を舌でいらずらに転がすマサトはどこか誇らしげで、<br>いちいち反応する私の身体に満足そうな笑みを浮かべる。<br><br>ガーターベルトを付けたままの脚がマサトの肩越しに宙に舞う。<br>真っ赤に塗られたペディキュアが、薄く黒い布地から見えた。<br>指先のマニキュアは、はがれかけていたけど、脚の爪は綺麗に彩られたままだ。<br>帰ったら塗り直そう———。<br>閉じかけた目が、その深紅を捕えきれなくなるまでそんなことを考えた。<br><br>
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<link>https://ameblo.jp/kei---1018/entry-10994381503.html</link>
<pubDate>Mon, 22 Aug 2011 18:24:23 +0900</pubDate>
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<title>Kai</title>
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<![CDATA[ 突然思い出した事に、何の抵抗も無いままジントニックを口に運んだ。<br>何度も飲み慣れてるはずのクセのあるジンが、少し甘みを帯びて広がった。<br>「カイ・・・」<br>声にならない、かすれた息で吐き出した。懐かしい音のする名前。<br>私はこの言葉の持つ響きが、今まで聞いてきたどの言葉より好きだ。<br>そっと口に出すだけで全身の毛が逆立つような感覚に包まれる。<br>ふとした瞬間に、自分を虐めるかのようにわざと口に出すこの名前は、<br>名前というよりもう、呪文になってしまったような気にさえなる。<br>氷が溶けて薄くなったジンに紛れて私の口の中でコロコロ転がるこの音は、<br>じっとりと私の舌を満たしてゆく。<br>ぬるく、べっとりとした時間を引き戻す。<br><br><br>あぁ。このどうしようもない空しさ。<br>込み上げてくる怒りと憎しみ。<br>胸を押しつぶすような寂しさ。<br>そして罪悪感と、それを上回る自己愛。<br><br>ねぇ、触ってよ。<br><br><br><br>「何かご注文お聞きしましょうか？」<br>氷が溶けきってぬるい水のようになってしまったジントニックを見てバーテンが聞いた。<br>今何時だっけ？と携帯に目を伏せた瞬間、見計らったように携帯が鳴った。<br>「大丈夫です」と軽く会釈をして電話に出た。<br>バーテンは微笑んで会釈をし、スーッと席を離れて行った。<br>「今どこ？」と短い用件だけのマサトからの電話。<br>これから迎えにくるとゆうのにそっけない態度のこの男と、付き合って４年になる。<br>ちぎれるほど好きだと思った夜もあった。<br>激しく求めても足りないほど愛してると思った。<br>それでも、４年とゆう月日はだんだん二人を色褪せたものに変えた。<br>「もうつくよ」と言われて電話を切ると「すみません。お会計をお願いします」とバーテンに頼んだ。<br>「すぐにお持ちします」と丁寧な接客が好きで週に２回は来るこのお店を、<br>マサトは良いように思っていない。<br>「女が一人でバーで飲むなんて体裁が悪いだろ」と、心配してるのは私の事じゃなく世間体。<br>私にはいつも「いい彼女」を求めるマサトの、わざとらしくため息を吐くクセが嫌いだ。<br>なんて、いつも心の中では思っていても声に出して伝える事はしなくなってしまった。<br>ケンカをするのが面倒臭いからとか、マサトに嫌われたくないからだとか、<br>理由があればそこにすがりつくこともできるのに、何の理由も見い出せない。<br>そのかわり、心臓のすぐ下の方でドクドクと静かに血が震える。<br>ゆっくり、ぼんやりと、でも忘れる事無く、確実に早まって行く鼓動が、<br>この恋がもうそう長くない事を示していた。暑いジメジメとした夏の夜。<br>こぼれ落ちた汗を真っ赤のネイルがはがれかけた手でぬぐった。<br>この爪と一緒だ。私もマサトも。この空しさも。<br><br><br><br><br><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/kei---1018/entry-10994197600.html</link>
<pubDate>Mon, 22 Aug 2011 15:22:47 +0900</pubDate>
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