日曜は勝手にショートショート https://ameblo.jp/keita2/ 日曜日は勝手にショートショートを書いています。短くてすぐに読めます。あとミステリの話題と、読んだ本の感想文、そしてサイン本も。ところであなたも金沢ミステリ倶楽部に入りませんか~金沢ミステリ倶楽部、メンバー募集中です。入りたい、詳しく知りたい人はメールを ja-jp 【24】ショック https://ameblo.jp/keita2/entry-12508250630.html 母を亡くしたショックから私は声が出なくなった。母は交通事故で死んだんだと思っていたが、実は生きていた?父が嘘をついていた?母は突然現れたが、幼い頃に写真で見た母とそっくりだった。その写真はいつの間にかどこかに行ってしまったけど。「カナエ」と母は言った。「お母さんよ」でも、私のお母さんは死んでしまった。私は混乱していた。でも、母が死んだということは、父が言っていただけ。母は死んでいなかった?「久しぶり。抱きしめてもいい?」もしも母に会えたら抱きついて「お母さん」と何度も叫びたいと思っていた。でも現 2019-08-18T06:34:48+09:00 【23】夢 https://ameblo.jp/keita2/entry-12504409270.html 朝、ユキがめざまし時計を持って、居間に来た。「おはよう」と父と母。「おはよう」ユキは時計を両親に見せて、「あの、時計が、えっと」「時計がどうした」父が珈琲を飲みながら尋ねた。「あの、あ、ヒロシが二段ベッドの下で夜中に急に叫び出したの。最初うめき声をあげてたんだけど、やがて「お母さん、お母さん、お母さん」って何度も早口で言ってそして「助けて、助けて、助けて」って叫ぶのよ。怖かった」「ヒロシ、怖い夢でもみたのかな」と母。「そっちが夢じゃないのか」と父は笑った「ヒロシが叫び声をあげているという夢をユキ 2019-08-11T08:46:21+09:00 【22】母 https://ameblo.jp/keita2/entry-12493778721.html キキーッ、ドン! 私は突き飛ばされて意識朦朧としていた。小学生の私を助けるために身代わりに車にはねられたのは、母。母は私の身代わりになって車にひかれて死んでしまった。 そう思ってた。 でも不意にその時の様子がはっきりと頭に浮かんだ。小学生の時に私の身代わりとなって車にはねられたのは、男性だったのだ。私の知らない、男性。父から母は交通事故でなくなったという話と、小学校の時事故にあったということが、私の頭の中で混ざり合ってしまっていたのだ。私を助けてくれた人は病院に運ばれたが、軽傷ですんだ。 となる 2019-07-14T11:35:32+09:00 【21】焼肉食べ放題 https://ameblo.jp/keita2/entry-12491082666.html 弟の誕生日だったので、家族で焼肉の食べ放題に行った。カタコトの日本語を使う中国人らしき従業員が注文を聞きに来た。次々と肉を注文した後で、「大丈夫かな、ちゃんと理解できたかな」と父がぼそりと言った。「大丈夫よ。でもあんな感じの留学生とかやとって人件費減らしてるから食べ放題でも安いんじゃない?」と母が言った。肉が次々と届けられると、家族四人は大歓声をあげた。次々と肉を焼いては食べ、焼いては食べる。父はビールのお代わりを頼んだ。「おいしいね」弟はいつもの倍くらい食べていた。私もいつも以上に食べていた。 2019-07-07T06:24:29+09:00 【20】交通事故 https://ameblo.jp/keita2/entry-12434427886.html キキーッ、ドン。私の身体は車にはねられ、宙に飛んだ。ボンネットの上にたたきつけられ…。 「はい」看護師さんに名前を呼ばれて、目が覚めた。あわてて立ち上がると、ひざの上の雑誌が床に落ちた。となりにすわっていた小学生くらいの女の子が雑誌を拾って渡してくれた。私はありがとうと言いたかったが、声が出なかった。彼女は父親のひざに抱きついた。 病院を出て、家に向かって歩き出す。イヤな夢だった。交通事故で車にぶつかった衝撃は、リアルだった。夢のことを考えていて、カバンを病院に忘れてきたことを思い出した。今来た 2019-01-21T07:47:57+09:00 以外と面白い https://ameblo.jp/keita2/entry-12433198027.html ずっとブログを行進してなくて、久しぶりに開いてみた。自作のショートショートを載せるブログだったが、これが以外と面白い。他の人が読んだらどう思うかはわからないが、基本自分が面白いと思うものを書いていたので読んだ自分は面白かった。ついあれもこれも読んでいくうちに久しぶりにショートショートを描いてみたくなった。でも1年ほど描いてないから、何を描いていいかわからない。まず ずっとブログを行進してなくて、久しぶりに開いてみた。と描いてみた。そのまま描き続けたら、普通の日記になった。ある小説家は小説は毎日描 2019-01-15T20:25:54+09:00 【19】新幹線効果 https://ameblo.jp/keita2/entry-12398164917.html 「新幹線が開通してからもう一か月か」とブラックコーヒーをすすりながら珈琲店のマスターに話しかけた。「そうですね。でも毎日の仕事に一生懸命なので、この一か月はあっという間でした」マスターは駅の近くに新しく珈琲店を開業した。店先には珈琲豆の焙煎機が置かれ、道行く人の目を引いている。しかも珈琲を焙煎する芳醇な香りが通りに流れ、道行く人は皆うっとりした顔をしている。新幹線の開業にあわせたわけではないそうだが、新幹線開業に向けて自治体からの起業に対する補助金があったのが大きかったそうだ。この珈琲店はカウン 2018-08-16T06:19:14+09:00 【18】夜道の足音 https://ameblo.jp/keita2/entry-12290964545.html カツカツカツ。暗い夜道、ひとけのない道を私は一人で歩いていた。部活が終わってから友達と話していて、つい遅くなってしまった。家への帰り道を急ぐ途中、後ろから近づいてくる靴の音に気づいたのだ。カツカツカツ。私はふと足を止めてみた。すると足音も止まる。歩きはじめると、足音も再開される。つけられている!私はとても後ろを振り向く勇気はなかった。歩きながらどこか開いている店や知り合いの家がないかきょろきょろと見まわしたが、もともと住宅街のため、店はなく、また、残念なことに知り合いの家もみつからなかった。叫ん 2017-07-09T08:13:37+09:00 【17】でんわ https://ameblo.jp/keita2/entry-12288862967.html 「久しぶりだな、ワシだ」「え、父さん? 一体どうしたの」「お前、ずーっとうちに帰って来ないから。最後に来たのは、えーっと」「十年も前かな。盆も正月もない生活してて、なかなか戻れなくてごめんよ」「電話しようかどうか、迷っていたんだが、さすがにこれは電話しなきゃと思って。ショックかもしれないが。かあさんが、死んだ」「えっ……」「車にはねられて。あっという間だった。痛みさえ感じなかったろう。顔はきれいなままだった」「…か、かあさんが」「出て行ったきりのお前のこと、いつも心配していたぞ。電話とか、なにだ 2017-07-02T09:04:30+09:00 【16】アプリ https://ameblo.jp/keita2/entry-12286733692.html  文字を入力すると音声で読み上げてくれるアプリがあると聞いた。 私のように声を出すことができない人にとって、とても便利だと思う。 タブレットでアプリを検索すると、音声読み上げのアプリがたくさんみつかった。 その中で私は最新の「脳内コメント」というアプリをダウンロードしてみた。 これは声を出さなくても思ったことを脳波で読み取って音声で出してくれるという優れもののアプリだ。アプリをスタートしてみると、アニメの美少女風の案内役が出てきて、「脳波を同調します。頭の中でアイウエオと5回言って下さい」 私は 2017-06-25T08:26:13+09:00