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<title>紀伊香のSFブログ</title>
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<description>ロバート・A・ハインライン　のSF短編小説「輪廻の蛇」の世界にどっぷりはまって自分の中に湧いてきたもの</description>
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<title>そこいらをうろついている死霊どもよ(All You Zombies— )　47</title>
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<![CDATA[ <p>第40場　2017年1月20日　アメリカ東部時間(EST Eastern Standad Time GMT-5)5時 ニューヨーク市　ロッドマンフェリーポイントゴルフ場〜支配人室に隣接する物置</p><p>&nbsp;</p><h2>また悪い癖で寝てしまったか、今日は大事な日だ。寝坊はしていられない、段取りがあるのだ。ジャレッドの配慮なのだろう、室温は適切な設定になっているようで何もかけずにそのまま寝たのに風邪を引いていない。それにしてもアーノルド・ロッドマン氏は政治家でもなく、ただの実業家だったのにあれよあれよと世間の予想に反して大統領選挙の各段階を勝ち抜き、最後の総仕上げの本選挙までも僅差で逆転勝利した。豊富な資金力に物を言わせてなんでも買いまくった姿はアマゾン川のピラニアよりもしぶとく、カンディル・ロッドマンとまで評された。しかし、民衆の心まではとてもとても買いきれず敵も多く作って、日常生活においてもボディーガードを雇って警戒を怠らないでいる。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>今日はそのロッドマン氏が正式に大統領になる日だ。<br>わたしは見てしまった。ロッドマン大統領が誕生してからのアメリカ合衆国の没落を!<br>国民の半数以上を敵に回し、強権政治を国内外で推し進めた。突如沸騰し、暴走する狂犬ロッドマン大統領はアジアやアフリカ、ヨーロッパの小さな紛争にも首を突っ込み、金と人を注ぎ込み、愛情は一部の白人層に注ぎ込み、多民族国家として成立していたアメリカ合衆国は空中分解した。その過程で主犯であるアメリカ合衆国最後の大統領、デーモン(悪霊)・ロッドマンはマサチューセッツ州のプリマスで十字架に磔の刑に処せられた。ボロボロな雑巾と化した北米大陸は結局、イギリスがカナダ、メキシコをも含めて面倒を見ることとなり新生大英帝国が誕生した。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>同じ光景を既にあの人も見て知っていたはずだ。<br>前局長、ティモシー・カーマイケル新副大統領・・・。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>結局、すべてはティモシー・カーマイケル氏が計算した通りに進んでいる。わたしもその歯車の一員でしかない。それはとうの昔にわかっていることだ。悪霊退治には猛毒を持った別な悪霊が必要なのだ。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>手を下すのはわたしだ。ただ、それにはジャレッドとマイルスの協力が不可欠だ。<br>さて、具体的に・・・。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>「ジョン・スコットさん、お久しぶりです。」<br>とジャレッドが穏やかな口調で声を掛けてきだが、わたしは体の芯から凍ってしまった。わたしの顔が曇っていくのがわかったようでジャレッドはこう続けてきた。<br>「さすがにお察しがいいようで・・・ジョン・スコットさん。この世界に導いていただいて大変感謝しています。報告事項がいくつかございまして、まず本日2017年1月20日付けで特別業務監査局局長には副局長のダグラス・ホワイト大佐が昇格して少将待遇となり、ジョン・スコット前局長は罷免され、無役となります。それからそのダグラス・ホワイト新局長の指令により、このロッドマンフェリーポイントゴルフ場という閉鎖的空間に於いて暫定措置として本日一日限りジョン・スコットさんは特別業務監査局局長という肩書きのまま行動していただくということになっております。」<br>言葉が出なかった。金縛りにでもあったように体が動かない。ジャレッドは沈着冷静に状況説明を続けてきた。<br>「本日2017年1月20日はご承知の通り、アーノルド・ロッドマン氏の大統領就任式が<br>首都ワシントンD.C.のアメリカ合衆国議会議事堂前で執り行われます。新大統領の任期は1月20日の12時からと決められていますのでおそらく11時50分過ぎあたりからティモシー・カーマイケル氏の副大統領就任宣誓からはじまり、続いてアーノルド・ロッドマン氏の大統領就任宣誓と続きます。その後引き続いて新大統領が就任演説をして祝賀昼食会を経て、パレードをして式典が終了するのが通例となっております。夜は祝賀晩餐会と舞踏会が行われますので束の間の休息をこのロッドマンフェリーポイントゴルフ場でとるというのが大まかな流れです。」<br>わたしの耳には・・・なっております、なっております・・・これしか残らなかったがひとつだけ質問事項があった。<br>「質問してもいいかね・・・ジャレッド・・・支配人。」<br>「ジョン・スコットさん、周りに人がいる場合はジャレッド支配人で結構です。今はふたりだけですのでジャレッドと呼び捨てでかまいません、長年お世話になった方ですので。」<br>「いや、呼び捨てというわけにはいかないな、ジャレッド支配人。聞きたいのは、ここにティモシー・カーマイケル新副大統領も来るのかね、それからアーノルド・ロッドマン新大統領と一緒にゴルフをするメンバー、キャディーを教えてくれないか?」<br>「新副大統領はここには来ません。ゴルフをするメンバーは新大統領、特別業務監査局局長、特別業務監査局局長夫人の三人は決まっています。この三人で回るかあと一人マイルスがメンバーに加わるかもしれません。キャディーはこのゴルフ場の男性スタッフが付くことになっています。マイルスがブレーに参加しない場合は彼が大統領のキャディーを務めます。」<br>「そうか、やはりジャクリーヌも来るのか。気が重いな。」<br>「ジョン・スコットさん、そう言わないで無の状態で気楽にゴルフを楽しんでください、なるようになるだけですから。それから時間がまだありますので別室で休憩していてください。このゴルフ場には高級ホテル並のスイートルームが何部屋もありますので。時間になりましたら連絡しますのでそれまで室内で自由にお過ごしください。ただ、これから時間を増して当ゴルフ場全体の警備は厳しくなっていきますのでくれぐれも室内からは出られぬようお願いします。」<br>またまた、ジャレッドの落ち着きすぎた口調の゛あります節゛に押し切られて案内されるまま「wisteria」という名前が付いている部屋へ幽閉された。もう、無役の身なのでどういう扱いをされても仕方がない。軟禁状態を体験するのも楽しそうだと割り切って室内をくまなく探索しようとしたがいつもの悪い癖ですぐに寝てしまった。</h2><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/keykoow/entry-12293612608.html</link>
<pubDate>Tue, 18 Jul 2017 06:30:42 +0900</pubDate>
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<title>そこいらをうろついている死霊どもよ(All You Zombies— )　46</title>
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<![CDATA[ <p>第39場　2017年1月19日　アメリカ東部時間(EST Eastern Standad Time GMT-5)22時 ニューヨーク市　ロッドマンフェリーポイントゴルフ場〜支配人室</p><p>&nbsp;</p><h2>あのティモシー・カーマイケル氏からの花の贈り物はゴーサインだった。新しい門出を祝う花でもあり、惜別の花でもある。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>実は花を見た瞬間にこの老いた脳細胞の一部は即座に演算を開始し、答えをはじき出していた。ただ、計画が事前に漏れてはいけない。まず、自分自身の脳をだまくらかした。答えを導き出した回路を孤立させ、あの花が持つ意味合いの探索に苦悩した。果たしてウォーレン・マクレーン事務長を見事に騙せたのだろうか?</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>ときは今、いざ出陣だ。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>その事務長やダグラス・ホワイト副局長、秘書のメアリー・ステュアート他誰にも気付かれないように2015年1月から2017年1月に飛んだ。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>M1、ジャレッドが働いているゴルフ場の支配人室に隣接する物置が秘密のジャンプ室になっていて短縮コードを打ち込むだけで安全に移動できるようになっている。わたしが指示して作らせたもので各年代に飛んでいる他の局員にも教えてある。息抜きにちょっとゴルフを楽しんでもよし、生真面目なジャレッドに相談を持ちかけてもよし。わたしが公認した休憩所の利用率は高いと聞いていたし、ジャレッドの定時報告でも昨日はだれそれがゴルフをしましたとか報告しなくても別にいいことまで丁寧に教えてくれるので誰がストレスを抱えて悩んでいるのかがよくわかった。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>わたしはここに飛んでくるのははじめてだったが物置といってもこぎれいに整えてあって、どこぞの専用寝室よりも居心地がいい。ジャレッドの細かい気配りが部屋の角にあるアートフラワーにも現れていた。それほど高価そうではない白の花瓶に黄色いバラ、友愛とか献身とかの意味だろう。まさか嫉妬ではあるまい。ひとつポツンと置かれている椅子はクラブハウスにある椅子より座りこごちがよさそうなゆったりサイズでそこで思わずうたた寝をしてしまった。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>夢の中ではまた勝手に小説を書いていた。<br>「大統領暗殺事件の全貌を語る」</h2><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/keykoow/entry-12283542252.html</link>
<pubDate>Wed, 14 Jun 2017 06:12:30 +0900</pubDate>
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<title>そこいらをうろついている死霊どもよ(All You Zombies— )　45</title>
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<![CDATA[ <p>第39場　2015年1月19日　アメリカ山岳部時間(MST Mountain Standad Time GMT-7)9時 ロッキー山脈地下基地司令部支所～秘密時空保安局局長室</p><p>&nbsp;</p><h2>夢の中ですべては解決していた。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>M1、ジャレッドに今まで最も重要な指令を出した。<br>「とにかく、M4、マイルスが暴走しないようになんとか仲良くやっていってくれたまえ。あと二年もすれば魔女のはしばみも咲くはずだから。」</h2><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/keykoow/entry-12281454381.html</link>
<pubDate>Tue, 06 Jun 2017 23:39:56 +0900</pubDate>
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<title>そこいらをうろついている死霊どもよ(All You Zombies— )　44</title>
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<![CDATA[ <p>第38場　2015年1月18日　アメリカ山岳部時間(MST Mountain Standad Time GMT-7)9時 ロッキー山脈地下基地司令部支所～秘密時空保安局局長室</p><p>&nbsp;</p><h2>ウェッジウッドのワイルドストロベリーの花瓶は局長室の左隅の角のちょっと奥まっていて人があまり近寄らない場所のちょうどいい高さの台の上に乗せられていた。たぶんわたしが指示したのだろう。ティモシー・カーマイケル氏からだというのはすぐにわかった。特定の意味合いが必ずあるはずた。その意図を探るべく頭がフル回転しはじめたので他のことは記憶に残っていないのだ。</h2><h2><br>キーワードは「ウェッジウッド」、「ワイルドストロベリー」、「白いバラ」。<br>なぜ白いバラなのか? 花言葉、reverence（深い尊敬）あたりの意味なのか? まさか純潔でもあるまいし。野いちご・・・いちごの花言葉の先見の明の意か?まさかわたしにいまさら幸せな家庭をと言われても・・・。英国というより世界に名だたる陶磁器メーカーである「ウェッジウッド」にも何か深い意味が込められているのだろうか?</h2><h2>昨日も専用寝室に戻ってからあらためて考えてみたがよくわからなかった。ただ、夢の中ではゴルフコースばかりが頭に浮かんできて、バンカーに打ち込んでサンド・ウェッジで脱出を試みるが大きく打ちすぎてOBだとか、グリーン手前のラフからかっこよくピッチング・ウェッジで寄せにかかったが土まで飛ばして距離が出ず、パターで攻めても小心ものの祟りでショート。一番ではなくあえて三番のウッドで打った第一打がグリーンの中央て転がる、転がる、予想外のナイスショットでドライバーで曲がる悪癖より素直なスプーンの方がわたしにはお似合いなのかもしれない。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>もしかしたら「アートフラワー」もキーワードなのだろうか? 個性が強く長持ちする・・・確かにわたしにぴったりと符号する。</h2><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><h2>&nbsp;</h2><h2>&nbsp;</h2><p>&nbsp;</p><p>&nbsp;</p><h2>&nbsp;</h2><h2>&nbsp;</h2><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/keykoow/entry-12281199120.html</link>
<pubDate>Tue, 06 Jun 2017 06:31:16 +0900</pubDate>
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<title>そこいらをうろついている死霊どもよ(All You Zombies— )　43</title>
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<![CDATA[ <h4>第37場　2015年1月17日　アメリカ山岳部時間(MST Mountain Standad Time GMT-7)9時 ロッキー山脈地下基地司令部支所～秘密時空保安局局長室</h4><p>&nbsp;</p><h2>朝一番で、局長室に入るとすぐに秘書のメアリー・ステュアートが普段より甲高い声で話しかけてきた。<br>「すてきなお花が局長宛に届いています。どこに飾りましょうか?」<br>それはアートフラワーだったが生花と見分けがつかないほどすばらしい白いバラでウェッジウッドのワイルドストロベリーの花瓶に生けられていた。<br>「誰からの贈り物だと思いますか? 局長!」<br>一時間ほど前に届いたようだが既にメアリー・ステュアートはその花の魔性に取り憑かれたようだ。<br>「どこぞの中将殿からかね。」<br>「残念でした、送り主は上院議員　ティモシー・カーマイケル　となっていました。」<br>そうか、わたしは時代を飛び越えて2015年に来ているが、元局長は今や政治家に転身してこの時代には上院議員になっていたことを失念していた。<br>その後も興奮しているメアリー・ステュアートだったがその後どんな会話をしたかは覚えていない。</h2><p>&nbsp;</p><h2><br>&nbsp;</h2><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/keykoow/entry-12281116718.html</link>
<pubDate>Mon, 05 Jun 2017 21:34:29 +0900</pubDate>
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<title>そこいらをうろついている死霊どもよ(All You Zombies— )　42</title>
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<![CDATA[ <p>第36場　1970年8月3日　アメリカ東部時間(EST Eastern Standad Time GMT-5)14時05分 ニューヨーク市　ニュー・デイリープレス社</p><p>&nbsp;</p><h2>大事の前の小事、ふと思い立って懐かしの1970年代のニューヨークに飛んでみた。お目当ての出版社がなかなか見つからない。名前からして大きなビルの中にあると勝手に思い込んで該当する住所を探し回った。大通り側ではなく裏の細い道に面した薄汚いボロいビルの壁面にやっと゛便利速記屋゛の文字を見つけそのビルの二階に上がっていった。細い廊下の奥のわずかなスペースにその便利速記屋はあった。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>「五歳になる初孫の誕生日のお祝いにメッセージを送りたいのだが、恥ずかしながらタイプライターなど打てないし、文字も書けない。お願いだから代わりに次のような文面をタイプライターで打ってくれないか?</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>親愛なるジョン君　五歳の誕生日おめでとう　おじいちゃんより　」</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>「それだけでいいのですか、もっと何かしゃれた文章を付け足しましょうか?<br>お安くしておきますので。」とこどもっぽい顔付きをしている青年に言われたが<br>「いや、短くていいんだ、早く打ってくれないか!」<br>そう言って代金を支払ってからすぐに打たれたタイプライター用紙を畳んで胸ポケットにねじ込んでわたしはその場を離れた。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>そう、これでいいんだ。</h2><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/keykoow/entry-12278797691.html</link>
<pubDate>Sun, 28 May 2017 23:24:28 +0900</pubDate>
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<title>そこいらをうろついている死霊どもよ(All You Zombies— )　41</title>
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<![CDATA[ <p>第35場　2015年1月16日　アメリカ山岳部時間(MST Mountain Standad Time GMT-7)9時 ロッキー山脈地下基地司令部支所～秘密時空保安局局長室</p><p>&nbsp;</p><h2>着々と準備は進んでいる。但しいつ決行するかは秘密にしておく必要がある。失敗は許されないし、変な横槍を入れられたくもない。まずははやる気持ちを抑えて各時代に派遣している局員の動向を再チェックしておくことにした。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>L1、マライヤ　1996年のニューヨークに派遣したがその後も相変わらず派手な活躍をしていたようでファッション雑誌の切り抜きの趣味でも持っていたらマライヤのグラビア写真で自室が埋まるところだ。世の中には本当に大好きな人間や動物などの写真をベタベタ貼り付けてひとり悦に入っている人種がいるようだがわたしは自分の頭の中にファイルがあって実質同じようなものになっている。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>アーノルド・ロッドマン氏との接触はいろいろその後あったようだが、結局ロッドマン氏の三度目の妻の座を射止めていたのには驚いた。そんな具体的な指示は出していない。ロッドマン氏の度重なる情熱的な誘いはしばしば断っていたようだが、彼女なりの思惑があったのだろう。しかしそれはそれでこちらとしては好都合なのでありがたく利用させていただくつもりだ。その後男の子を出産したがそれでもモデル活動もしている。美しいということはそれだけですばらしいことなのだ。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>秘密時空保安局局員やロッキー山脈地下基地で働いている人のほとんどは何かしらの意味で世間からはみ出してしまった一種独特なアウトロー集団で、家族の温もりを得ることチャンスがあればその話に飛び付くというのはけしておかしいことではない。マライヤの定時報告はすべて目を通したが、ロッドマン氏の性格がよくわかるリポートだった。繊細な心配りができるジェントルマンかと思いきや、ただの女ったらしのようでもあり、人種差別的なことを口走ってしまったりとある意味普通レベルのそんじょそこらにいる下半身のベルトと頭のネジが少しゆるい人間味のあるただのおじさんだった。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>一般人という人種のそのまた限られた男族の一員であればその低レベルの障害を持っているものはざらにいる。しかし、著名人ともなればひとつの発言が誤解やその他さまざまな問題を引き起こす。特に政治家ともなれば女性蔑視や人種差別などの物議を醸す発言を繰り返していては支持者から見放されていくだけだ。</h2><p>&nbsp;</p><h2><br>L2、マリー　今回の作戦で一番古い年代である1964年のニューヨークに派遣したが、青年期のロッドマン氏とのやりとりの続報が大いに気になるところ。仕事として総務部の事務員として地道に働いていたが、時折意気軒昂な青年ロッドマン氏の誘いを断ったり、別な女性職員と共にならとグループで食事をしたりと健全な?関係を保っていたはずだが、結局は1977年に押し切られる形で年上の妻の座を射止めていた。強気の8歳も年上の女性を娶ったロッドマン氏のその後は・・・とさらに定時報告を読み進めていくと父親の会社の重役として実業家としての道を歩みはじめ、それをわたしがけなげに支えていますと書かれていたが、「何がけなげだ。強い口調で操り人形師として楽しんでいるのだろう。」と思わず口走ってしまった。マリーが単に従順におとなしくしているはずがない。おとなしいと見せかけて自分で書いた小説の筋書き通りの主人公として引き立てているというのが実情だろう。なんだかんだで三人の子に恵まれ、事業の方も順調に推移していたが、やはり途中で大きな障壁があった。どうも生まれつきの?女癖は治らないようでロッドマン氏の浮気が発覚してさすがのマリーも1992年に離婚している。そのときの報告には迫力があった。八つ裂きにしてハドソン川に流してやろうと思いましたが、再び蘇って「ハドソン川の奇跡」とでも呼ばれたら嫌なので殺すのは思いとどまりました、とあった。普通は子どものことを考えて踏みとどまるところだが、そうでないのが彼女らしい。再び蘇るのを恐れて・・・というのは浮気発覚の一年前にロッドマン氏は経営上は確かに一度死んでいた。L3、マリアンの陰での働きでゴールドマン・サックスが下支えをしてロッドマン氏の会社群は蘇った。そこは今回の作戦としては最大の分岐点ですべての金融機関に見放されてそのまま沈んでいただくのがある意味で最善なのでは?と考えたがその選択枝は捨てた。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>この時点でマリーの子どもたちもいっしょにどん底に落としてはいけない。ロッドマン氏には慰謝料を払い続けられるだけのレベルに最低限留まっていてほしいのだ。マリーは金銭的に搾り取れるだけ搾ればいいし、最終的には首を絞めればいいだけだ。どうせロッドマン氏の女癖は死ぬまで治らないのだから。</h2><p>&nbsp;</p><h2><br>L3、マリアンは1990年以降、ニューヨークでゴールドマン・サックスの融資部門で地道に仕事に励み、短期間で確実に信頼度を増していた。定時報告は最新の景気動向やら原油や金の先物取引の情報、株式相場の見通しなど真っ当な投資家向けの硬いものばかりで浮ついた話はひとつもなかった。アーノルド・ロッドマン氏との直接的な接点はまったくなかったようだ。もし、ビジネスの場でマリアンと遭遇したら例の悪い癖は出ていただろうかなどと馬鹿なことを考えたが、何人もの妻や元妻が殺意を抱いて本当に実行してしまったら、それこそ大変なになる。わたし自身がその直前の時間に飛んでいってそれ相応の処置をしなければならない。どうせ八つ裂きにするのなら゛とき゛というものがある。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>マリアンはわたしが以前に指示していたことを忠実に実行してくれていた。1991年、事業を手広く展開していたロッドマン氏は金銭的に行き詰まっていた。メインバンクから見放され、一部の事業を切り売りしたり、短期で高利での借入をしてしのいでいたが不安定な状況で自己破産への道しか残されていないと誰しもが思っていた。そんな中でゴールドマン・サックスが゛ロッドマンタワーがゴールドマン・サックスタワーに、ロッドマンロイヤルゴルフクラブがゴールドマン・サックスロイヤルゴルフクラブに変わります。時代も変わります。ゴールドマン・サックスは躍進します。゛と変なメッセージを前面に打ち出し、あたかもロッドマン氏の事業をうまく乗っ取るような素振りを見せて世間の注目度を高めた。単にロッドマン氏の事業の支援をする意向を単に示すより効果的だった。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>この時点では1ドル足りとも融資をしていない。ゴールドマン・サックスという金看板がロッドマン氏の事業の今後の成長性を吹聴し、支える姿勢を見せることによって立ち直るきっかけを与えただけだったが、効果は抜群で本格的に融資を開始すると一度手放した物件も取り戻し、ホテルやらゴルフ場などはやたらとロッドマンだらけになりニューだとかゴールドだとかサテライトだとかそんな名前のものが増えてニューヨークのイエローキャブのドライバー達は場所をそれぞれ覚えるのに苦労していた。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>マリアンはゴールドマン・サックス内で特に派手な工作をしたわけではない。融資部門の一員としてアーノルド・ロッドマン氏の会社群の財務状況を丁寧に分析して上司に報告書を提出していただけだ。ただ、彼女自身による未来予想、ロッドマン氏が所有する会社のひとつひとつのしっかりとした将来展望、ロッドマン氏のさらなる野心・・・政界進出にまで言及した出色のレポートの存在はゴールドマン・サックス内で議論の渦を巻き起こした。<br>「ここでロッドマン氏を死なせてはいけない。なぜならば・・・。」<br>マリアンは熱弁をふるい、融資を行う方向へ舵を切らせた。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>゛ロッドマンタワーがゴールドマン・サックスタワーに、ロッドマンロイヤルゴルフクラブがゴールドマン・サックスロイヤルゴルフクラブに変わります。時代も変わります。ゴールドマン・サックスは躍進します。゛</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>このへんてこりんな応援メッセージだか乗っ取り宣言だかわからない宣伝文句もマリアンが考えた戦略的なもので、今後巨大なコンツェルンに成長するはずのロッドマン・グループで今後大きな影響力を持ち続けるために必要不可欠なものだと力説して実現したものだった。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>M2、ジェフは1981年にニューヨークでアーノルド・ロッドマン氏の所有するビルの管理会社に入社して以降、ひたすら地味に働き続けて一番重要なビルであるロッドマンタワーの管理人となっていた。60階建ての高層ビルで高級ブランドが数多くテナントとして入っているマンハッタンのミッドタウン5番街にある。著名人も多く住んでいたセキュリティの面ではホワイトハウスより厳しいとも言われている。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>そう、ジェフにはよっぽどあのときにロッドマン氏を放置して、手遅れの状態に自然に持っていく作戦を・・・と思ったが。1981年3月11日、ロッドマン氏がビルの階段で不注意で滑って頭部を打撲したあのときだ。少し時間を巻き戻してジェフが気付かず、他の人間もわからないように事前工作しておいてもらって事故死、もしくは半身不随になっていただくという選択枝は有力だった。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>ロッドマンタワーには当然ながらロッドマン氏の家族が居住するスペースもあり、管理人であるジェフも常駐なので一室を与えられている。ロッドマン氏が仕事上このビルの専用応接スペースで人と会う機会も多く、他にもっと高い多くの高層ビルがあるにもかかわらず有名ビルのひとつとしてニューヨークの観光名所となっている。</h2><p>&nbsp;</p><h2>M1、ジャレッドは1971年からアーノルド・ロッドマン氏が経営するゴルフ場で働いてもらっている。今ではロッドマン氏が経営する三か所のゴルフ場を束ねる総支配人というポジションに就いているが日々の草取りやモグラ対策など自ら率先して行っている真面目人間だ。真っ黒に日焼けした顔は彼の誠実さそのものを物語っている。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>先般は急遽派遣した例のお調子者の(M4、マイルス)ヘンリー・アンダーソン中佐の様子を詳細に報告してくれたが、わたしはマイルスの派遣期間はそれほど長くはないので我慢してほしいとジャレッドにお願いをした。ちょいと裏側から労働省雇用基準局に手を回して年配者の雇用促進名目でゴルフ場の下働きとしてマイルスを働かせてもらうようにしてもらったのだが、口から先に生まれてきてしまった者の宿命で手を動かすより先に口だけがなめらかに言葉が長い滑り台をゆっくりゆっくりと下っていく。主にゴルフコースの整備を任せているということだが、グリーン上のボールの転がり具合の点検とかの実戦的なものに関してはプロ顔負けでキャディーとしてお客様に付いて回っても各コースについての攻め方のアドバイスやピンまでの残りの距離の見積もりなど的確で評判はいい。英語圏以外のお客様が来たときの対応も臨機応変で身振り手振りを交えてカタコトで複数の言語を操り、決め手は人なつっこい笑顔と厚かましさ。当然の大問題点は話し好きなところだが、独特な笑い声がすべてをオブラートに包み込んでしまう。オーナーのロッドマン氏でさえ早くも一目を置く存在となり、自身がプレイする際にキャディーに起用することも多く、また大切な客人とプレーをするときに対等な立場としてプレイヤーの一員に加えてスクラッチプレーをして楽しむ仲となっていた。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>沈着冷静なジャレッドから実は、いつわたしが(ジャレッドとマイルスがいるゴルフ場に)姿を現すのかという鋭い質問がきている。言葉上は穏やかだが質問より詰問に近い。ジャレッドの読みは正しい。同じ現場に二人目を派遣するということはより重要な拠点になっているということ。ジャレッドにはとにかくマイルスが調子に乗って暴走しないように温かく見守っていてほしいとだけ返信した。頭の回転がいいジャレッドは現在の状況やわたしの性格を読んでそれなりに対処するだろう。わたしがスカウトした人物の中でも際立って優秀で人格者でもある。そんな彼がなぜスラム街でくすぶっていたのか? ここからまたひとつの小説が書ける。<br>「暗闇の中でも才能が放つ光はまぶしい。」</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>今はまだ　いつか　ということは誰にも言えない。ただひとつ言えるのは舞踏会とかただ顔出すだけのつまらない会議の予定が入る前に決着させたい。局長の椅子に長く座っているつもりはない。</h2><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/keykoow/entry-12277326881.html</link>
<pubDate>Tue, 23 May 2017 21:35:23 +0900</pubDate>
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<title>そこいらをうろついている死霊どもよ(All You Zombies— )　40</title>
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<![CDATA[ <p>第34場　2015年1月15日　アメリカ山岳部時間(MST Mountain Standad Time GMT-7)10時10分 ロッキー山脈地下基地司令部支所～秘密時空保安局局長専用寝室</p><h2><br>ヘンリー・アンダーソン中佐を予定通りに煙に巻いて寝室に戻ってきてからさてとりあえず何をするのか決めてはいなかったがすぐにまた執務に戻るというわけにもいかない。一旦横になるといつまで寝てしまうかわからないので小一時間は考え事でもしていよう。事務長から手渡されたティモシー・カーマイケル中将からのメッセージはまだ読んでいない。読む気持ちにはなれないのだ。もし、重要な指令書であれば事務長経由というのはおかしい。どっちみちなにもかも見透かされているのと同じ状況のようなので放置していてもいいだろう。ティモシー・カーマイケル中将が今どういう業務をしているのか? 未来を知ることができる商売道具を使っても直近の年代ではまったく引っ掛かりがなくそれが逆に大きなヒントとなるが、退官後は下院議員、上院議員と政治家としての地位を着々と築いていく様子を見たときはは空恐ろしく寒気が走った。</h2><h2><br>推察の域は出ないが秘密時空保安局局長としての働きが認められて中央情報局に転出したのか、もしくはさらに上から見下しているのか、いずれにしろ既に彼の決済、判断によりわたしの首のひとつや二つどうにでもなる状況なのは確認できたのは大きな収穫だった。ジャクリーヌもたぶん中央情報局配下であの技量、力量、美貌からしてスパイ業務に当たっているとみていい。わたしの逸脱した行為を見つけたら不審死扱いで立派に葬っていただけるのか、それとも私自身も知らない持病?の心不全で旅立たせていただけるのか、なんでもいいから最期は喪主として華やかに着飾ってわたしの妻を演じてほしい。最悪なのは消されたあと誰にも見つからずに忘れ去られること、コンクリート詰めになってどこかの地下4階のシェルターの一部に成り果てて国家に貢献している人々の存在を報じることができない飼われたマスコミはウォールストーリー(wall story)を語らずに、ウォールストリート(Wall Street)のゴミ屑みたいな小ネタを拾ってお茶を濁しているネゴシエーター(negotiator)なのか?　ときの政権とうまく取引して情報操作に加担して得たスクープ記事は先が見えるものからのささやかな米粒こぼしで大きな黒いねずみのしっぽは絶対に見せないように配慮している。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>どうもまた頭の中で一篇変な小説を書き始めたようだ。<br>゛ウォールストーリージャーナル゛</h2><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/keykoow/entry-12272692634.html</link>
<pubDate>Mon, 08 May 2017 06:40:40 +0900</pubDate>
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<title>そこいらをうろついている死霊どもよ(All You Zombies— )　39</title>
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<![CDATA[ <p>第33場　2015年1月15日　アメリカ山岳部時間(MST Mountain Standad Time GMT-7)9時30分 ロッキー山脈地下基地司令部支所～秘密時空保安局局長室</p><p>&nbsp;</p><h2>「お久しぶりです、ジョン・スコット局長。」</h2><h2><br>陽気で馬鹿でかい声はそうあのお調子者のヘンリー・アンダーソン中佐だ。相手のペースで喋らせてはいけない。こちらから先制攻撃でどんどん行かないと。</h2><h2><br>「元気そうで何よりだ。中佐、積もる話もあるだろうが今回わざわざここに来てもらったのは今推し進めている作戦でどうしても中佐の力が必要なのだ。是非協力してほしい。飛んでほしい時代と場所はウォーレン・マクレーン事務長に指示してあるのでこの作戦の今までの経緯と共によく聞いてできるだけ早い時期に作戦に加わってほしい。今日はこのあと来客があるので申し訳ないが一旦離席するのでこの辺で・・・。」<br>と一気呵成、一方的に喋って局長専用寝室に戻った。来客の予定などはない。うそも方便、中佐の過去の苦労話をまともに聞いていたら何時間かかることやら。うっかりあの指輪の話でもされたらたまらないのでウォーレン・マクレーン事務長とタッグを組んで中佐がすぐに2014年のニューヨークに飛ぶように仕向けた。　M1、ジャレッドが働くゴルフ場管理会社で働いてもらうことになっている。この頃にははアーノルド・ロッドマン氏から厚い信頼を得ていて複数のゴルフ場の支配人になっていた。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>鳩が豆鉄砲を食らったような顔という表現があるが、今回のヘンリー・アンダーソン中佐の顔は彼と初対面のときの゛若い方のわたし゛のきょとん顔 を上回る挙動不審者状態に陥っていて両手はわずかに震え、目がうつろではなく大きく目を開いたまま仏教の不動明王と化していたのだ。もちろん口はポカンと大きく広げたまま動きを失っていた。得意技完封勝ちは爽快だったが凝り固まった彼の姿はいつまでもわたしの脳裏に焼き付いて離れなかった。</h2><p>&nbsp;</p>
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<link>https://ameblo.jp/keykoow/entry-12272278265.html</link>
<pubDate>Sat, 06 May 2017 21:17:21 +0900</pubDate>
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<title>そこいらをうろついている死霊どもよ(All You Zombies— )　38</title>
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<![CDATA[ <p>第32場　2015年1月12日　アメリカ山岳部時間(MST Mountain Standad Time GMT-7)9時 ロッキー山脈地下基地司令部支所～秘密時空保安局局長室</p><p>&nbsp;</p><h2>1980年で何があったのか、そんなことで今は後を引きたくない。それよりヘンリー・アンダーソン軍曹の件はどうなっているのかが心配なので朝一番にウォーレン・マクレーン事務長を呼んで報告を求めた。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>「局長、遅くなってすみません。ヘンリー・アンダーソン軍曹の件ですが軍の上層部と何度もやり取りをして仮の判断は出ていたのですが、最後の一名の決済が保留されたままで昨晩やっとOKが出ましたので・・・この欄に署名願います。局長の希望通りに中佐に復帰、固定勤務の解除と一部の名誉を回復するということでよろしいでしょうか?」</h2><h2><br>「ウォーレン・マクレーン事務長、名誉回復が全面的ではなく一部ということはどういうことなのかね?」</h2><h2><br>「わたしが軍の上層部と何度もやり取りをして時間がかかったのはそこに問題があったからです。当初は全面的な名誉回復を当然ながら主張しましたが、結局は一部の名誉を回復、中佐に復帰、固定勤務の解除、非が一部にあるものの既にそれ相応の罰を受けているものとみなしてこれ以上の構いはなしということで妥協しました。」</h2><h2><br>「ごくろうさま、でそのヘンリー・アンダーソン軍曹の罪状認否について、突っ込んで聞いてもいいのかね?」</h2><h2><br>「いえ、一部の名誉を回復ということなのでごく一部しか話せません。要は最後まで問題視されたのは過去から持ち帰ったものを個人的に所有していただけにとどまらす第三者に売買していたのでは?という疑惑が拭いきれないことでした。局長、もう少し時間を費やしても本来は局長に相談するべき事案に発展していたようですが、わたしの独断でここまで進めてしまっていて申し訳ありません。ご不満であれば署名をなさらずに書類を戻してください。ただ、ヘンリー・アンダーソン軍曹の中佐に復帰、固定勤務の解除というのも凍結され、再度交渉のやり直しとなりますが、より交渉の難易度は上がるものと予想されます。わたしごときでは対応できませんので、局長自ら軍の上層部の方々と直接交渉願います。」</h2><h2><br>「わかった、いい着地点だと思うよ。今すぐにサインをしょう。」</h2><h2><br>「ありがとうございます、局長。この書類を再度軍の上層部に届ければこの件は完了です。これからすぐに届けさせますのでこの辺で失礼します。」</h2><h2><br>「ウォーレン・マクレーン事務長、そんなに急がなくてもいい。いくつか質問があるので答えてほしい。黙秘権も特別に与えるので都合が悪ければ答えなくてもいい。</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>質問その1　1980年5月、ワシントンDCに出張の際、何を奥方へのみやげとしたのか?<br>質問その2　ヘンリー・アンダーソン軍曹の件で最後まで判断を渋っていたのは誰なのか?<br>質問その3　ヘンリー・アンダーソン軍曹の件で過去から持ち帰ったものを売買していた疑惑について、関連する第三者は特定できるのか?</h2><h2>&nbsp;</h2><h2>まだ、いろいろ細かいことはあるのだがその他は後でいいから、以上の質問に答えてほしい。」</h2><h2><br>「今日の局長はずいぶん意地悪な方が中に住まわれているようでびっくりしています。かなりお疲れのようですがだいじょうぶなのでしょうか?　すべての質問に拒否権を行使した方が何かと無難に収まるようです。ただ、一つ目はともかく、二つ目、三つ目の質問の答えはわたしが話さなくても局長の立場であれば別なルートで答えを導くことができると思いますので今わたしの口からは言いません。それからもうひとつ重要なものを預かっているのを忘れていました。書類ではなく手紙というかメッセージというのが正しいのでしょうか、1980年5月1日付けのティモシー・カーマイケル中将からのものです。」</h2><h2><br>「ウォーレン・マクレーン事務長、わたしが悪かった、完敗だ。1980年5月1日はかなり迷惑をかけたな。ティモシー・カーマイケル中将にも失礼なことをしてしまった。」</h2><h2><br>「いえいえ、わたしもいい経験をさせてもらいました。妻にはおみやげとしてワインを二本ほど買って帰りました。ティモシー・カーマイケル中将はあの日、局長のことを親身に心配していました。直接話ができなかったのですぐにペンを走らせてわたしに託したのです。」</h2><h2><br>「ありがとう。後でじっくり読むことにするよ、おやすみ。」</h2><h2><br>「局長、お疲れなのはわかりますがまだ午前中です。体調不良ということで局長専用寝室に下がられますか? それはそれでいいのですが・・・」</h2><h2><br>「悪いけれどもそうさせてもらうよ。罪人は寝て罪を償うの巻ということだ。」</h2><p>&nbsp;</p>
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<pubDate>Sat, 06 May 2017 00:27:52 +0900</pubDate>
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