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<title>つれづれびとの小路◆縮小版</title>
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<description>日々のたわごとと小説とかいろいろ</description>
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<title>みなさまへ～このブログについて～</title>
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<![CDATA[ <p>　どうも～きっこです。<br><br>　ここはあっしが日々のたわごとを呟く以外に、自分の小説を綴ったりしていこうと思っています。<br>　小説は不定期ですが随時更新していきます。<br></p><p>　初めてお越しの方はこちら『<a href="http://ameblo.jp/kicko-ap/entry-10956679326.html">小説を読むときのお約束</a> 』をご一読いただけると幸いです。</p><p><br>　<br>　『　』でくくられているテーマが小説タイトルです。小説へはそこをクリックするか、下の一覧からおいで下さい。<br></p><br><p>*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*....<br><br><br>◇◆<a href="http://ameblo.jp/kicko-ap/theme-10039901273.html">夢屋</a> ◆◇　現代ファンタジー・短編（原稿用紙２５枚程度）　　完結</p><p><br>　平凡な毎日を繰り返す麻衣子。彼女の前に現れた“夢”を売る男・“夢屋”がもたらすものは……？ <br></p><br><p>*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*....<br><br>◇◆<a href="http://ameblo.jp/kicko-ap/theme-10040226718.html">空の上まで行く方法</a> ◆◇　現代ファンタジー・短編（原稿用紙１９枚程度）　更新中</p><br><p>　高校生・拓海の前に突然現れた同年代の少女。彼女が探している『空の上まで行く方法』とは？</p><p><br>*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*.....*....<br><br><br>　物語は全てフィクションです。実在の人物・団体・地名とは一切関係がありません。<br><br>（この記事は常にトップに来るように日付操作しています） </p>
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<pubDate>Tue, 06 Sep 2011 19:28:37 +0900</pubDate>
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<title>『空の上まで行く方法』更新しました</title>
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<![CDATA[ <p>　前回の更新からずいぶんと時間がたってしまいました。</p><p>　その分、というわけでもないですが更新途中だった短編を最終話まで一気にアップしました。</p><br><p>　さらっと読みなおしても、文章が拙かったりで恥ずかしい限りです（＾＾；）</p><p>　ほんと時間ができたら書き直そうと思っています、はい。</p><br><p>　小説へは下のリンクをクリックしてください。</p><br><br><p><a href="http://ameblo.jp/kicko-ap/theme-10040226718.html">『空の上から行く方法』を一気に読む</a></p><br><br><p>更新分のみ読む</p><p>　↓</p><p><a href="http://ameblo.jp/kicko-ap/entry-11009770999.html">『空の上から行く方法・2』</a></p><p><a href="http://ameblo.jp/kicko-ap/entry-11009778074.html">『空の上から行く方法・3』</a></p><p><a href="http://ameblo.jp/kicko-ap/entry-11009783378.html">『空の上から行く方法・4』</a></p><p><a href="http://ameblo.jp/kicko-ap/entry-11009784886.html">『空の上から行く方法・5』</a></p><p><a href="http://ameblo.jp/kicko-ap/entry-11009787304.html">『空の上から行く方法・6』</a></p><p><a href="http://ameblo.jp/kicko-ap/entry-11009789581.html">『空の上から行く方法・7』</a></p><p><a href="http://ameblo.jp/kicko-ap/entry-11009791055.html">『空の上から行く方法・8』</a></p><br><br>
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<pubDate>Tue, 06 Sep 2011 19:06:46 +0900</pubDate>
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<title>小説を読むときのお約束</title>
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<![CDATA[ <p>◆きっこの小説</p><br><p>　オリジナルの創作小説です。</p><p>　分類するならば、異世界・現代を舞台とした和風テイストなファンタジー小説です。</p><p>　すべての年齢の方を想定して創作していますが、読まれる方によっては一部暴力的・残虐と思われてしまう表現も含まれている可能性がありますのでご了承の上お読みください。</p><br><br><br><p>◆表示と更新日</p><br><p>　ブログという特性上、更新日順に表示すると逆順になり読みにくくなってしまいます。なので、物語順に読めるように日付を操作して投稿しています。</p><p>　小説の更新はテーマ『更新のお知らせ』にてご案内します。最新話だけを読みたい時はそこからリンクで跳んでください。</p><br><br><br><p>◆メッセージ・コメント</p><br><p>　いただけるととっても嬉しいです。画面の前で小躍りして喜びます。</p><p>　もちろんお返事も差し上げますし、ブログをお持ちの方にはお礼に伺います。</p><br><br><br><p>◆つれづれびとの小路</p><br><p>　掲載されている小説は、きっこのHPからの転載です。事情がありHPでの運営が続けられなくなってしまったので、こちらに引越作業をしているところです。</p><p>　しばらく引越を続け、作業が済んだらまた更新していきたいと考えています。</p><br><br><p>◆最後に</p><br><p>　最後まで読んでいただきありがとうございます。</p><p>　来ていただいた皆様が楽しめるよう頑張っていきますので、よろしくお願いします。</p><br>
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<pubDate>Tue, 06 Sep 2011 18:44:48 +0900</pubDate>
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<title>空の上まで行く方法・１</title>
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<![CDATA[ <p><font color="#663333"><br></font></p><p><font color="#663333">「空の上まで行くには、どうしたらいいと思う？」<br><br>　その問いかけはあまりにも唐突で、駅前広場のベンチに座っていた<ruby><rb />拓海<rp>(</rp><rt>たくみ</rt><rp></rp></ruby>は、驚きのあまりベンチから転げ落ちそうになった。 <br>驚いたのは、その問いかけの内容よりもその問いかけを発した人物に対してである。<br>　隣にいるミディアムショートの女の子。<br>　年は拓海と同じ、高校一、二年くらい。<br><br>　一瞬前まで、自分の隣には誰もいなかった。<br>　その問いかけがあるまでは。<br>　――いなかったはずである。<br>　なのになぜ、いつの間に隣に座ったのか――<br><br>　しかも、どうしてこの<ruby><rb />娘<rp>(</rp><rt>こ</rt><rp>)</rp></ruby>が……？<br><br>「ひ……飛行機にでも乗れば、いいんじゃない？」<br><br>　きわめてごく当たり前の面白味もない返答が自分でもちょっと情けなかった。いや、混乱極まりない思考回路の中、返答できただけでも上等だと思い直した。<br>　その少女は不服そうに頬をふくらませた。<br><br>「そうじゃなくってぇ！　自分の力で、ってこと」<br><br>　夢がないなぁ、などと文句を言っているが……。<br><br>　なぜ、いつから、どうしてここにいるのか。<br>　拓海の中で、少女に対する疑問がとめどなく浮かぶ。<br><br>「……えっと」<br><br>　あまりにもいっぺんに疑問が浮かびすぎて、うまく言葉にすることができない。<br>　少女はそんな拓海の様子を知ってか知らずか、元気に立ち上がった。<br><br>「ねぇ、一緒に探してよ」<br><br>　くるりと振り返って翻るセーラー服のスカートは、隣町にある高校の制服だ。<br><br>　「探すって、何を？」<br>　「だーかーらー、『空の上まで行く方法』に決まってるでしょ！」<br><br>　決まってると言われても。 <br><br>　目の前に立つ少女をあっけにとられて見つめる拓海。<br>　少女はそんな拓海の様子を気にもとめず、笑顔でその手を差しのべた。<br><br>「ね、いいでしょ？」<br><br></font></p>
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<pubDate>Tue, 06 Sep 2011 18:43:48 +0900</pubDate>
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<title>空の上まで行く方法・2</title>
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<![CDATA[ <p><font color="#663333"><br></font></p><p><font color="#663333">『空の上に行く方法』だなんて――。<br><br>　普通に考えて、そんなの無理に決まってる。漫画じゃないんだから……。<br>　新手のナンパかと一瞬考えたが、自分はナンパなんてされるような柄ではない。<br>　じゃあ、罰ゲームでそう言うように仕向けられてるとか。<br><br>　黙っている拓海に、少女はちょっと不安げな眼差しを向ける。<br><br>「……お願い」<br><br>　祈るようなそのつぶやきと、笑顔の消えた真剣な表情。<br>　とても冗談には見えなくて――。<br><br>　差し伸べられたままの手を取ることなく、拓海は立ち上がった。<br><br>「いいよ、どうせ暇だし」<br>「……」<br><br>少女は拓海と自分の間にあるその手を、さっと隠すように後ろに組んだ。<br>　照れ笑いのような笑顔で、目の前に立つ拓海を見上げた。<br><br>「ありがとう！」<br><br>学校の帰りで、荷物は財布以外教室に置いてきてるし。<br>　暇だから、なんて言ったけど、その少女の笑顔を見ると―― <br>　たまには人助けに付き合うのもいいかな、なんて思ったりしていた。</font></p><p style="LINE-HEIGHT: 170%"><font color="#663333">拓海はそれほど背が高くない。１６７cmしかないのだが、並んで立つと少女はさらに小さい。１５０cm……あるのだろうか。<br>　小柄な少女を見おろして、拓海はたずねる。 <br><br>「探すって、どうやって？　アテでもあるの？」<br>「う～ん……とりあえず、近づくことからはじめてみようよ」<br><br>　よしっ、と両手を勢い良く握り締め、少女はいきなり背中を向けて駆け出した。<br>　<br>「えっ？　おい、ちょっと待てって！」<br><br>　拓海はその勢いにつられて、少女の背中を追いかけて走り出していた。 </font></p><p><font color="#663333"><br></font></p><p><font color="#663333"><br></font></p><p style="LINE-HEIGHT: 170%"><br></p>
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<pubDate>Tue, 06 Sep 2011 18:42:48 +0900</pubDate>
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<title>空の上まで行く方法・3</title>
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<![CDATA[ <p><font color="#663333" size="2"><br></font></p><p></p><table style="LINE-HEIGHT: 150%" border="0" cellspacing="0" width="643" align="center"><tbody><tr><td valign="top" width="641"><p style="LINE-HEIGHT: 170%"><font color="#663333" size="2"> </font><font color="#663333" size="2">「着いた～」<br><br>　二人がいるのは、中央公園の丘の上。<br>　人工的に造られた小高い土の盛り上がりの上に、芝が青々と茂っている。 <br>  <br>　駅から一キロ半。<br>　ひたすら少女の後を追って走り続けたため、<ruby><rb />拓海<rp>(</rp><rt>たくみ</rt><rp>)</rp></ruby>はすっかり息が上がってしまっていた。<br>　少女の足は意外と速く、万年帰宅部の拓海は距離を縮めることができずにここまで来た。<br>　拓海に反して少女は元気いっぱいだ。息も乱さず、大きく伸びをして晴れ渡った青空を見上げている。<br>　拓海は息を整えようと深呼吸しながら、少女を見た。<br>　<br> 「で、何かわかった？」<br> 「気持ちいいね、ここ」 <br>　<br>　見当違いの返答に、拓海はがっくりとうなだれた。<br>　空から拓海へと視線を転じ、少女は言った。<br><br> 「もっと、高いところに行かないとダメみたい」<br> 「あ、そう。 じゃ、次行こうか」<br> 「え、いいの？」<br><br>　あまりにあっさりと了承した拓海に、むしろ少女は驚いた様子だった。<br>　<br>「まぁ、付き合うって約束したし……」<br> 「……良かった、思ったとおりの人で」<br> 「え？」<br> 「ううん、なんでもないよ。じゃ、他を探しにいこう」<br><br>　少女は駅前で会ったときと同じようにいきなり駆け出した。<br>　<br> 「あ、おい。名前……！」<br><br>　拓海の声に少女は丘を駆け下りる速度を緩め、二、三歩かけて下り坂を降りる勢いを止めた。<br>　振り返った少女に追いついた拓海は、ちょっと決まり悪そうに<ruby><rb />制服<rp>(</rp><rt>ブレザー</rt><rp>)</rp></ruby>のポケットに手を突っ込んで言った。<br><br> 「名前、聞いておかないと不便だろ」<br><br>　そんな拓海を見て、少女は微笑んだ。<br>　その微笑みは、幼さ満点のその少女を少し大人びて見せたような気がして、拓海はちょっとどきりとした。<br><br> 「私、佐山<ruby><rb />柚依<rp>(</rp><rt>ゆえ</rt><rp>)</rp></ruby>。君は、相川拓海くん、だよね」<br> <br>  　拓海が驚いて顔を上げた時には、少女は再び駆け出していた。<br></font></p></td></tr></tbody></table><p></p>
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<pubDate>Tue, 06 Sep 2011 18:42:03 +0900</pubDate>
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<title>空の上まで行く方法・4</title>
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<![CDATA[ <br><p><font color="#663333">　公園の丘、公園内にある図書館の屋上と来て、今２人は拓海が通う学校の時計塔の屋上に来ていた。<br>　時計塔は４階建ての校舎を少し追い越すくらいの高さがある。<br><br>　ここに来て、『空の上まで行く方法』が見つかったかというと、率直に答えはノーだ。<br>　まず、そんなものが見つかるわけはないのだ。<br>　<br>「拓海くんの学校、すごいね。こんなおしゃれな時計塔、私の学校にもほしかったなぁ」<br>　　<br>　赤いレンガ造りの時計塔を、柵の隙間から見おろしながらはしゃぐ柚依。<br>　しゃがんでいるため、小さな体がいっそう小さく見える。<br>　拓海は柚依の隣に同じようにしゃがんでみる。<br><br>「佐山はさぁ、どうして『空の上まで行く方法』を探してるんだ？」<br>「……」<br><br>柚依の元気な笑顔は小さくしぼんで、残ったのはさびしそうな微笑み。<br>　拓海は小さな罪悪感を覚えた。<br><br>「私ね、ずっと何やってもダメだったんだ」<br><br>　ぽつりと、話し始めた<ruby><rb />柚依<rp>(</rp><rt>ゆえ</rt><rp>)</rp></ruby>は、柵をつかんでゆっくりと立ち上がった。<br>　 <br>「知らない人には自分からに話せないし、何かあったらすぐ泣いちゃったりして」<br>　<br>　明るい声で話す柚依。<br>　空を見上げるその表情は、しゃがんだままの<ruby><rb />拓海<rp>(</rp><rt>たくみ</rt><rp>)</rp></ruby>からは見ることができない。<br>　　<br>「何をしても、ちょっとつまづいちゃっただけで『私はダメだからしょうがないんだ』って、いっつも言い訳してた。<br>　好きな人ができても、『あの人には私なんて不釣合いだ』とか……ほんっと、ダメ人間！」 <br>　<br>　拓海は、何て返して良いかわからずに黙り込んだ。<br>　柚依は空を見上げたまま、先を続けた。<br>　<br>「だから、今回だけは勇気を出して、あきらめずにがんばろうって……」<br>「……」<br>「あ、ごめんね！　こんな話されても困っちゃうよねっ。……ごめん」<br></font></p><br>
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<pubDate>Tue, 06 Sep 2011 18:41:52 +0900</pubDate>
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<title>空の上まで行く方法・5</title>
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<![CDATA[ <p><font color="#663333"><br></font></p><p><font color="#663333">　拓海は無言で立ちあがり、柚依を見た。<br>　さっきまでとは逆に、柚依は柵に額をつけるようにうつむいてしまっている。　<br>　柚依の、肩につきそうでつかない長さの柔らかい髪が風に揺れている。<br>　その髪に隠れた、柚依の横顔。<br> <br> 「……行こう」<br><br>　拓海の声に、柚依の肩がぴくりと震えた。うつむいたままの柚依。<br>　<br> 「俺なんかさ、テキトーに学校行って、やりたいこともないし将来なりたいモンもないし……今まで一生懸命になったことって、正直ないと思う。<br>　佐山は、今まで出せなかった勇気を出してまで『それ』を見つけたいんだろ？<br>　そんなに一生懸命になれるものがあるって、すごいと思うよ」<br> 「……」<br> 「佐山の言うとおり、あきらめずにがんばろう。まだ、ここより高いところがひとつ残ってる」<br><br>　拓海は柚依がそうしていたように空を見上げた。<br>　今までずっと下ばかり見ていて、こうして空を見るなんてずいぶんと久しぶりに思えた。<br><br>　隣を見ると、いつの間にか柚依の姿が見えなくなっている。<br>　動いた気配などまるで感じなかったのに――。　  <br> <br>  「拓海くん、早く行こう！」<br>　　　　<br>　後ろからの声に振り返ると、下り階段に続く扉の前で柚依がぴょんぴょんと飛び跳ねている。<br>さっきまでの元気の無さとはうって変わった元気な笑顔。<br>　拓海はあきれたような、それでいてほっとしたような微笑みを浮かべた。<br>　　　　　　　　　　　　　　　 <br>　後ろから追いついた拓海を、階段を下りる柚依がちょっとだけ振り返った。<br>　<br><br>「でも、拓海くんだってすごいよ。そうやって、誰かのこと励まして元気にできるなんて」<br>「……そう、なのかな？」<br>「そうだよ。私にはできないもん」<br><br>　そして再び前を向いて、小さいながらも力強く呟いた。<br><br>「ありがとう。私、最後までがんばれそうだよ」<br><br>　このとき拓海には、彼女の言葉の裏に隠された真意まではつかむことはできなかった。<br>　探した結果、『空の上まで行く方法』が見つかるのか、見つからないのか――。<br>　どちらにしても最後まで……柚依が納得するまでそれを一緒に探そうと、拓海は密かに決意していた。<br><br></font></p>
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<link>https://ameblo.jp/kicko-ap/entry-11009784886.html</link>
<pubDate>Tue, 06 Sep 2011 18:41:40 +0900</pubDate>
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<title>空の上まで行く方法・6</title>
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<![CDATA[ <ruby><rb /><font color="#663333">　拓海</font><rp><font color="#663333">(</font></rp><rt><font color="#663333">たくみ</font></rt><rp><font color="#663333">)</font></rp></ruby><font color="#663333">と<ruby><rb />柚依<rp>(</rp><rt>ゆえ</rt><rp>)</rp></ruby>は、街のはずれにある裏山まで来ていた。　<br>　裏山、とみんな呼んでいるが、正式には<ruby><rb />天津山<rp>(</rp><rt>あまつやま</rt><rp>)</rp></ruby>という。観光用、と言えるかどうか、あまり立派ではないがロープウェイと展望台がある。<br>　バスに乗って天津山のふもとへ到着した頃には、大分陽も傾きかけた頃だった。<br>　　<br> 「ここが、この街では一番高い場所だからな」  <br>　<br>　ほとんど二人乗りと言っていいほど、こじんまりとしたロープウェイ。<br>　この時期は特に利用する人はほとんどいない。<br>　窓から見える街が少しづつ小さくなってゆく。それをじっと見つめている柚依の様子が気にかかった。<br>　拓海は住み慣れた街を眺めながら、独り言のようにつぶやいた。 <br><br> 「見つかるといいな」<br> 「うん……」 <br>　<br>　柚依の返事は、その表情と一緒で浮かないものだった。　<br>　それまで、移動の間中『知らない人には自分から話しかけることができない』とは思えないほど一人でしゃべりまくっていたのに……。<br><br>　結局二人は終始静かなまま、ロープウェイは頂上へたどり着いた。<br> 　<br>　頂上は各所に大小の展望台を配した公園になっている。<br>　天津山の自然をありのままに使った緑豊かな遊歩道を、二人で並んで歩く。<br>　その間も、柚依は黙ったままだった。<br>　<br>　目指しているのは、天津山展望公園の一番奥にある展望台。<br>　それは天津山でいちばん高い場所――。<br>　緩やかに右へと折れてゆく遊歩道。<br>　進むにつれてその先が徐々に見えてくる。<br>　そして、目の前に広がるのは柔らかな橙色の世界――。<br>　　  <br> 「わぁっ、すご～い！」<br>　　　　<br>　それまで静かだった柚依が駆け出す。<br>　突き当たりの木を模った柵まで走ると、そこから身を乗り出して下を眺める。<br><br> 「佐山、危ないって」<br>　　　　　　　　　　　　　　　　　 <br>　柚依が元気になったようで、拓海は内心ほっとしていた。<br></font>
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<pubDate>Tue, 06 Sep 2011 18:40:04 +0900</pubDate>
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<title>空の上まで行く方法・7</title>
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<![CDATA[ <br><p><font color="#663333">　隣まで行き、拓海も同じ景色を眺める。<br>　眼下に広がるオレンジとグレーの街影。<br>　そして何より眼を引くのが、街の向こう、山の後ろに隠れようとしている大きな夕日と、夕日が染め上げた夕暮れの空。<br><br>「きれいだね」 <br>「ああ、きれいだな」<br><br>　普段なら、ぜったい言うはずのない感想が、素直に口をついて出た。<br>　柚依はもう街ではなく、頭上に広がる橙の空を見上げている。<br>　オレンジ色の光が透ける柔らかそうな髪。<br><br>　夕焼け空を――その遥か上を見つめる柚依は、少し微笑みながらもどこか寂しげで<br>　そのまま、夕日に融けてしまいそうな気がして―― <br><br>「佐山――？」<br><br>　拓海は思わず呼びかけた。柚依はゆっくりと拓海を振り返る。<br><br>「今日は、ありがとうね。一緒に探してくれて」<br>「あ、いや……」<br><br>　面と向かって言われると、なんだか照れくさかった。<br>　拓海は、これまでと同じ問いかけを柚依に投げかけた。<br><br>「『空の上まで行く方法』は、見つかった？」<br></font></p><p><ruby><rb /><font color="#663333">　柚依</font><rp><font color="#663333">(</font></rp><rt><font color="#663333">ゆえ</font></rt><rp><font color="#663333">)</font></rp></ruby><font color="#663333">は、<ruby><rb />拓海<rp>(</rp><rt>たくみ</rt><rp>)</rp></ruby>に体ごと向き直ると、小さく首を振った。　<br>　それは、拓海が予想していた答えだった。<br>　<br>「ほんとは、私……知ってたんだ」<br>「……なにを？」<br>「『空の上まで行く方法』を」<br>「――は？」 <br>　<br>　――知ってただって？<br>　拓海は耳を疑った。てっきり、『方法が見つからないことを知っている』とでも言うのかと思っていた。<br>　本当に空の上に行くなんて事が可能なのか？　それに――<br><br>　「ちょっと待てよ、知ってたならなんで……どうしてあちこち探し回ったりなんかしたんだよ？」<br>　 　<br>　当然の疑問である。わかっているなら、真っ先にそうすればよかったのだ。<br>　　<br>　柚依は拓海の質問に対し、困ったような笑顔を見せた。それは、少し悲しげでもあった。　<br>　夕日を背に立つ柚依のシルエット。身体の外周がオレンジの光に縁取られている。<br>　<br>「だって、こうすることが、『私が空の上まで行く唯一の方法』だったから」<br></font></p>
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<link>https://ameblo.jp/kicko-ap/entry-11009789581.html</link>
<pubDate>Tue, 06 Sep 2011 18:39:45 +0900</pubDate>
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