<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<rss version="2.0" xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom">
<channel>
<title>きっろの小説部屋「ナハトミュジクにて」</title>
<link>https://ameblo.jp/killo63/</link>
<atom:link href="https://rssblog.ameba.jp/killo63/rss20.xml" rel="self" type="application/rss+xml" />
<atom:link rel="hub" href="http://pubsubhubbub.appspot.com" />
<description>こえ部のお題「あなたの声からお話を作らせてください！」から出来た小説、「ナハトミュジクにて」を掲載するブログです。たまに製作過程やイラスト、きっろの独り言などもぶっこみます。</description>
<language>ja</language>
<item>
<title>白の悪魔</title>
<description>
<![CDATA[ <br>この世界<br><br><br>絶対神カルトが人間に魔法を授けてから2500年。<br><br>ひとり一つの魔法を手にした人間は子孫を増やし、その魔法の種類も複雑化していった。<br><br>そして、人間は幾多の戦いを乗り越え遂に世界平和を手に入れた。<br><br>そのうち魔法がによる不平等が社会問題となり、次第に魔法が無くとも生活できる世界が構築されていった。<br><br>電気とガスと水道の整備が行われ、通信の魔法が使えなくても遠く離れた友人と連絡ができ、火の魔法が使えなくても火を起こす事ができる様になった。<br><br>世界は平等を謳った。<br><br>そのために魔法に関しての法律も減った。<br><br>魔法を使うルールはただひとつ。<br><br>他人を傷つけるために使わない。<br><br>そのルールを守る刑法だけが残ったと言っても過言ではなかった。<br><br>そうするうちに盗みや詐欺といった犯罪が増えていった。<br><br>政府はこれに手を焼き、いい策はないか考えた。<br><br>『魔法がなくても誰もが平等に過ごせる世界、なら魔法を奪われても問題はないのではないか？』<br><br>これが政府が出した結論だった。<br><br>盗みや詐欺を働いた人間は捕まらない代わりに魔力を根こそぎ取られ一生魔法が使えなくなることになった。<br><br><br>これは、そんな世界の一人の少年と少女の話。<br><br><br><br>「真間。まーた世界史寝たんだって？タマちゃん先生困ってたよ？」<br><br>放課後、職員室。<br><br>赤のジャージを着たおっさん、赤石ルビ先生が出席簿をぱたぱたしながら言ってきた。この人三十代後半にみえるが実は二十代前半なのである。老け顔だ。<br><br>突然呼び出しを食らい、なにかと思えば、説教だった。<br><br>「...。」<br><br>俺は少し周りを見回しそのまま黙った。ルビ先生は小さくため息をつき、手をとめた。<br><br>「俺の前ぐらい話してもいいと思うけどなあ。」<br><br>そう言われて、俺はルビ先生の正面に座っているタマちゃん先生をみる。<br><br>タマちゃん先生はずっとびくびくしていて、目が合うと、ひゃっ！とどこかへ行ってしまった。<br><br>...これでどうやって話せと。<br><br>困ったようにルビ先生に視線を戻すと先生も呆れたようなため息を吐いた。<br><br>「大丈夫なんだけどなあ...。真間、この学校じゃお前を怒れるのは俺しかいないんだから、きっちり真面目に問題なく、やってくれよ？」<br><br>俺は少しぎこちなく頷き返した。<br><br>眠いものを眠らずにどうしろと。<br><br>とりあえず話が終わったようなので職員室からでようとする。<br><br>「あ、あと。」<br><br>呼び止められた。<br><br>振り返ると、ものすごく悪い笑顔のルビ先生が耳打ちしてきた。<br><br>「今日はたっぷり仕事がまってるから、よろしく。ハルくん？」<br><br>肩をポンッと叩かれる。<br><br>俺はため息をついてルビ先生に耳打ちを返す。<br><br>「さっさと終わらせますよ。ルビさん。」<br><br>そうしてグーでハイタッチしたあと俺は職員室を後にした。<br><br><br>帰り道。真夏の空の下。<br><br>俺は学校の下の紘間商店街にある本屋で参考書を選んでいた。というか立ち読みしていた。<br><br>店員さんがこちらを恐る恐る見てくる。<br><br>俺、真間波留は紘間三等学校の二年。歳は十七。...まではいいのだが、日本人には滅多に見られない白髪と赤目のせいで目立ってしまう。<br><br>俺は早々に寄り道を切り上げて帰ることにした。<br><br>紘間駅で電動車を待つ。<br><br>その間にも他人の視線は纏わりつく。視線を集めていると言えば聞こえは良いかもしれないが、全くもって気分がいいものではない。<br><br>彼らの視線の元は恐怖や好奇の感情だからだ。<br><br>電動車に乗り、空いていた椅子に腰掛ける。<br><br>平日の昼間は乗客が少ない。<br><br>俺への視線も少ない。<br><br>向かいの席に座っている姉妹がきゃっきゃっと魔法で遊んでいる。<br><br>姉の方は氷の魔法を持つらしく、妹の方へ粉雪をかけていた。<br><br>そのおかげでこのクソ暑い電動車の車内も気温がいくらか低かった。<br><br>電動車に揺られて15分。<br><br>電動車を降りると、ひたすらに続く田園風景を貫くあぜ道を歩いた。<br><br>姉妹が冷やした電動車とは比べ物にならないくらいの気温と湿度だ。日光が肌に突き刺さる。<br><br>虫の声が響く。<br><br>夏は嫌いだ。<br><br>生き物の香りがするから。<br><br>暑さに耐えながら10分ほど歩くと、広がる田園風景には似合わない白いコンクリート造りの建物が見えた。<br><br>門は大きく、入り口は狭く。<br><br>屋根の上の悪魔の羽のような風車は国の建物である象徴。<br><br>玄関には『国立魔法警察特殊犯罪部執行課』と書かれた木札がある。<br><br>ここが俺、真間波留の家であり、職場である建物だ。<br><br>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/killo63/entry-12037777554.html</link>
<pubDate>Thu, 11 Jun 2015 21:57:38 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>お話、お題について</title>
<description>
<![CDATA[ こんにちは！きっろです！<div>いつか日の光を</div><div>楽しんでいただけたら幸いです！</div><div>お陰様でお題投稿数は只今93でして、そのうち返せたのが50ぐらいなのですね、はい。</div><div>このままいくと私の体力と時間がなくなりそしてキャラクターのバリエーションも減ってしまう…と考えたため、今返されて無い方は少しお休みさせていただきます。</div><div>いつか日の光をが今三話なのですが、ここで</div><div>花の都のひきこもり</div><div>を三話書かせていただきます。</div><div>そうして三話ずつやりたいお話を書かせていただき、もう一周して終わらせる予定です。</div><div>書いてる途中で欲しいキャラクターが出来たら今投稿されてる方からキャラ付けをさせていただきます。</div><div>申し訳ありません。</div><div>それでは引き続き、ナハトミュジクにてをお楽しみいただければ幸いです。</div><div><br></div><div>きっろ</div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/killo63/entry-11984949506.html</link>
<pubDate>Tue, 03 Feb 2015 00:07:12 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>いつか日の光を 3.「再会と出会い」</title>
<description>
<![CDATA[ <div>「ここがあなたが働く拠点、治安部局よ。」</div><div>マリスさんに連れて来られたのは、最初のエレベーターがあった建物の隣の、大きなビルのような建造物。</div><div>マリスさんは木製のドアを開けてつかつかと中に入っていく。</div><div>「あなたの同僚となる人間はみんなカガンダの人間。仕事内容は治安維持。元々法がないこの街で何をするのかっていうと主に殺人、詐欺、窃盗の犯人を捕まえて牢屋に入れて何年入れておくか協議する。」</div><div>「あまり…警備隊と変わりませんね。」</div><div>「そうね。この部局が出来たのは地上の人間がこの地下街を見つけてからだから、出来てから40年も経ってないのよ。警備隊が出来てからもう100年でしょう？」</div><div>私が上で必死に勉強したことはこの街でも通用するらしい。少しほっとした。</div><div>そして、私はずっと、マリスさんの話を聞きながら違和感を感じていた。</div><div>何故、彼女はこの街を「見つけた街」</div><div>ではなくまるで自分のふるさとのように言うのだろうか。</div><div>「マリスさん…この街によく来るのですか？」</div><div>「ん？いや、よくは来ないけど…。2、3回来たぐらいじゃないかな。」</div><div>淡々と返すマリスさんに、私はもう何も言えなかった。</div><div>「これから局長に挨拶に行くのだけど…一人でも大丈夫？私はまだ地上で仕事がたくさんあるから帰らなきゃならないのだけど…。」</div><div>「はい。大丈夫です。…多分。」</div><div>「あんまり緊張しない方がいいよ。局長も気さくな人だし。それじゃあ、これから頑張ってね。期待してるよ。」</div><div>マリスさんはバイバイ、と手を振って去っていった。私は一礼してその後ろ姿を見つめた。…これからこの未知の世界で生きていかなければならない。私は頬を叩き、目の前に立ちはだかる扉に手を置いた。これから何があろうと…私はきっと出来るだろう。</div><div>「失礼します！」</div><div>「どーぞー。」</div><div>気さくな、そして何処かで聞いたことがあるような声が中から聞こえた。</div><div>扉を開けて中に入ると、マリスさんと同じくらいの年の女性がいた。</div><div>「やあ。地上からの優秀な新人さんだよね。マリスとへーかから聞いてるよ。名前は？」</div><div>「セセル・タドリスタです。」</div><div>私が名前を告げると、彼女は目を見開いた。</div><div>「もしかして、もしかしてだが…弟がいたりしたか？」</div><div>突如として食いついてきた彼女に私は少し焦った。私の弟は10年前に聖都で殺されている。</div><div>「はい…。10年前に、事件に巻き込まれ死んでいますが…。」</div><div>「やっぱりそうだ！セセル、私を覚えているか？セドンだ！セドン・コラルだ！」</div><div>その名前を聞いた瞬間、私は固まった。文字通り、口を開いたまま動けなくなった。</div><div>そして頭の中に、忘れる訳のない10年前の光景が蘇る。</div><div><br></div><div>「これから洗礼だから、ちゃんと大人しくしているのよ。」</div><div>私のお母さんが、私と弟の手を繋いで、注意する。聖都アランシアで、ナハト教の洗礼を受けるはずだった私と弟は、母と共に教会の前の行列に並んでいた。</div><div>「かあさん、私早くお稽古いきたいよ。」</div><div>まだ10歳だった私は、武術を習っていた。それに没頭していた私は、母にそう文句を言ったりした。</div><div>「僕、おなかすいた。」</div><div>5歳の弟シルタはのんびりやで気まぐれ。母はカバンの中のビスケットをシルタに渡していた。</div><div>長い行列で私達姉弟が愚図り始めた時だった。</div><div>パアンッという破裂音と悲鳴と男の人の怒鳴り声が聞こえた。</div><div>私達の30mも行かないところに赤い液体を体からどくどくと流した女の人が倒れていた。その後ろに黒いマスクをした男の人が、マスケット銃を構えていた。その時、教会から声が聞こえた。</div><div>「何をしているのですか！ここは神聖な場所です！今すぐ銃を捨てなさい！警備隊を呼んでいます！今すぐ銃を捨てなさい！」</div><div>神父さんの声だった。母が私と弟を自分の影になるように隠した。</div><div>「何を言っているんだか！俺はその神聖な場所をあえて穢しに来たんだろうよ！何がナハト教だ、何が帝王だ！地上の健全な人間を見捨ててどこから這い上がって来たかもわからねえ犯罪集団に国を任せるなんてまともな人間共がやることじゃねえだろーが！」</div><div>黒いマスクの男が叫んでいた。</div><div>母が私達の手を強く握りしめた。</div><div>人々が静かに動き出す。泣きだす子供たちに気を失う親たち。教会は裏口から人々を建物の中へ避難させていた。</div><div>「ああいいさ。隠れたって。別に俺は人が殺したい訳じゃないからな。だがそこから出てきた瞬間に俺は撃つからな。」</div><div>男が静かに告げた。</div><div>私達が教会の前に着くとすでに狭い講堂の中はいっぱいだった。私達は近くの物陰に隠れて震えていた。</div><div>始めて殺人というものを見た私は恐怖で言葉を出すのが困難だった。</div><div>「ここに隠れていようね。泣かなくて良い子ね、シルタ。」</div><div>母は小さく優しい声で私達に話しかけた。</div><div>私は開かない口をやっとのことでこじ開けて母に尋ねた。</div><div>「かあさん、あの人は何をしているの？誰がにくいの？」</div><div>頭の中には何故がいっぱいあった。</div><div>何故あの人は人を殺すのだろうか。</div><div>何故あんなに怒っているのだろうか。</div><div>何故神聖なはずのここで人殺しをするのか。</div><div>そんな私の問いに母は悲しそうにうつむいて答えた。</div><div>「ごめんね、セセル。それはお母さんにもわからない。ただ一つわかっていることはあの人はお母さんの友達が嫌いって言ってる。」</div><div>「お母さんの友達？」</div><div>「そうよ。すごく良い人なのよ。でもね、ちょっとだけ、みんなに内緒にしていることがあるのよ。」</div><div>「あの人はその秘密が嫌いなの？」</div><div>「そうみたいね。」</div><div>母はそう微笑んで私の頭をなでる。</div><div>やがて真剣な目でこう言った。</div><div>「今から警備隊が来るわ。武術は本来こういう時に使うものなの。だけどね、セセル。自分の命が危ない時は無理をしちゃいけないの。それが一番わかってるのが今から来る人たちよ。待ちましょう。」</div><div>母が私の両手を包んだ。私は大きくうんと頷いた。その時だった。私はさっきまで母の後ろにいたはずのシルタがいないことに気がついた。</div><div>「かあさん、シルタがいない！」</div><div>母と私は身を潜めているバリケードから首を伸ばして周りを見渡した。</div><div>「シルタ！」</div><div>みるとシルタは黒マスクの男に近づいていた。</div><div>「お兄さん、なんでそんなに怒ってるの？それ、危ないよ？」</div><div>シルタはのんびりとした口調で男に話しかけた。</div><div>「うるせーよ」</div><div>男は素早く銃を構えてシルタの頭を撃ち抜いた。</div><div>「シルタ！！」</div><div>母が倒れたシルタにかけよる。</div><div>男は無言で母に向けて発砲した。私の目の前で、母の胸から鮮血がとんだ。</div><div>私はしばらく自分の目の前で何が起こったのかわからなかった。</div><div>周りのざわめきが波のように頭の中を揺らした。</div><div>「かあ…さん？」</div><div>倒れた母に触ると、既に体は少し血の気を失っていた。その温度に、私は現実を見た気がした。</div><div>恨み、怒り、悔しさ。</div><div>その瞬間、今まで感じたことのない感情が一気に湧いてきた。</div><div>気づいたら、私の足は動いていた。</div><div>男に向かって走り出した。</div><div>母とシルタの仇をとるのか、それとも共に死にたいと思ったのか、あるいはその両方か、今でもわからない。</div><div>男が銃を構えたのが見えた時だった。私を抱きとめる何かと金属音が聞こえた。</div><div>「大丈夫か⁉︎」</div><div>女の人の声だった。</div><div>金属の盾を振りかざしたセミロングの女性が、私の上にいた。</div><div>彼女は私の無事を確認し、男と戦い始めた。</div><div>彼女の武器は剣で、魔法弾を撃つ男には不利な状況だった。</div><div>「何者だ。」</div><div>男が静かに言う。</div><div>「…さあね。通りすがりの女さ。友人を殺された、ね。」</div><div>その瞬間彼女の剣が光だした。</div><div>「ち。ブースターかよ。」</div><div>男はその剣をみて後ろに下がり、逃げようとした。</div><div>「あ、おい！」</div><div>女性が追いかけようとするが、私は足を動かしていた。</div><div>確実に私の方が速かった。なぜなら、私の魔法は瞬間移動なのだから。私は一気に近づき男に習った技をかけた。腹の真ん中にストレートに蹴りを入れた。綺麗に決まった。そう思ったとき、男は崩れ落ちた。女性が駆け寄って男を抑え付けて手錠をはめた。</div><div>「お前何故そんなものをつける…」</div><div>男が静かに言う。</div><div>「私は通りすがりの友人を殺された女で警備隊員でもあるんだよ。」</div><div>身を潜めていた他の隊員が男を取り押さえていった。母と弟の亡骸も運ばれていった。私はただただ呆然とその様子を見ていた。</div><div>女性は私の方をみて、そして抱きしめた。</div><div>「君は…アリスの娘だよね。セセル…だっけか。」</div><div>「はい…。」</div><div>「私はセドン・コラル。君の母の友人だ。アリスは…私の大切な友人だった…。」</div><div>「セドンさん…。ありがとうございます。私を助けてくださって、あの男を捕まえてくださって、ありがとうございます。」</div><div>意外に私の頭の中は冷静だった。</div><div>目の前で起こった真実が受け入れられなかっただけかもしれない。</div><div>「いや。セセルもよく頑張ったさ。泣かずに強く、奴に蹴りを入れたじゃないか。そのお陰で私は奴を捕まえられた。君は…強いな。」</div><div>その後の私のケアも色々な手続きも全部セドンさんが最後まで面倒を見てくれた。セドンさんが転勤するまで三ヶ月という短い時間だったが、私に大きな夢を見せるに十分な時間だった。</div><div>大きくなったら警備隊に入ってこの人と一緒に働きたい。</div><div>この夢を叶えるためだけに、生きてきたような物だった。</div><div>母と弟を亡くした私にとって彼女は生きがいとなっていた。</div><div><br></div><div>「ずっと、心配していたんだ。ほんとに、ほんとに警備隊に入ったんだな！」</div><div>セドンさんが嬉しそうに言う。</div><div>「しかも全科目成績トップなんだろう？これ以上ない期待の星じゃないか！」</div><div>「陛下直々の配属先宣告で来れました。…陛下に感謝しなければ。」</div><div>「へえ…なるほど。陛下、やっぱり流石すぎる。」</div><div>にんまりしたセドンさんはやがて大きな声で言った。</div><div>「ようこそセセル・タドリスタ！警備隊カガンダ支部局へ！そして、カガンダをよくしようプロジェクト「アリス」へ！！」</div><div>晴れやかな笑顔。</div><div>母の名前と同じプロジェクト。</div><div>やたら土臭い部屋。</div><div>私はこれからの日々に胸を踊らせた。</div><div>人生は本当に、何が起こるかわからない。</div><div><br></div><div>ビーッビーッビーッ</div><div><br></div><div>突然けたたましいサイレンが鳴る。</div><div>「な、なんですか。何か起こったのですか？」</div><div>「ああ、ごめん。フロントからの呼び出し。表に人が来ただけでこれだから参っちゃうね。なんだーい？」</div><div>そういいながらセドンさんがマイクのスイッチを入れる。女の人の声が聞こえる。</div><div>「セドンさーん。情報屋さんが来ましたよー。」</div><div>「あーい。」</div><div>通信が切れる。</div><div>「丁度いい。うちの優秀な情報屋を紹介するよ。」</div><div>そういったセドンさんについていった先にいたのは、</div><div>「セドン、ニュースだ！大ニュースだぞ！」</div><div>情報屋と言うには似合わない小柄な少女だった。</div><div><br></div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/killo63/entry-11983598312.html</link>
<pubDate>Fri, 30 Jan 2015 21:06:11 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>いつか日の光を 2.「捨てられた街」カガンダ</title>
<description>
<![CDATA[ <div>マリスさんについていき、玉座の奥の長い廊下を歩いていく。</div><div>「ここは城に住む人間でも、なかなか入れない場所なの。ここを通れることを誇りに思ってね。」</div><div>マリスさんが振り返りながらいう。その顔は苦笑いだ。</div><div>「セセルはカガンダって街、今まで聞いたことある？」</div><div>「いえ。聞いたことも…見たこともありません。」</div><div>「まあ、それもそのはずよ。この廊下が唯一の正式な道だし。実はカガンダは、地下街なの。」</div><div>「地下街…？」</div><div>「そうよ。王都の地下はとても大きな街が広がっているの。それがカガンダ。」</div><div>「…地下…？」</div><div>マリスさんが謎の単語を次々と発する。「カガンダ」とは一体どんなまちなのだろうか。</div><div>「さ、着いたわ。」</div><div>さっきまでの荘厳な廊下の奥にあったのは、みすぼらしいボロボロの扉。この奥に何があるのかも全くわからない。</div><div>「こ、これは一体…？」</div><div>「カガンダに通じるエレベーターよ。待っててね。もうくるだろうから。」</div><div>マリスさんはポケットに手を突っ込んだまま、鼻歌交じりに話した。</div><div>「カガンダはこの国が抱える秘密の一つ。王都の地下に広がる闇の街。地上とカガンダを結ぶのはこのエレベーターしかないの。このエレベーターは国家の重要秘密の存在で、地下の人たちには存在すら知られていない。だから、地下に生まれた人は一度も日の光を浴びずに一生を終わらせるわ。地上から何も来ないから、法やルールもない。独自の通貨も持ってるし、彼らの文化ってものが存在してる。」</div><div>ポヒャンッという間の抜けた音がどこからかきこえた。</div><div>「きた。でもやっぱり彼らの中にも富裕層や貧乏人って格差が生まれる。でも無法地帯だから…富裕層の横暴が酷いみたい。それで貴女をカガンダの治安部局員にスカウトしたの。」</div><div>重い金属音とともに扉が開かれる。マリスさんと私がエレベーターに足を踏み入れる度、みしっみしっという音が響く。</div><div>そんな中、マリスさんは私を真っ直ぐ見据えて言う。</div><div>「セセル。今のカガンダは本当に悲惨なの。貴女は大きな力を持ってる。貴女ならきっとカガンダをもっとよくして、あそこに埋まった才能を掘り起こしてくれるって思ってる。そう、陛下が信じてるの。陛下の目に狂いはないから、私もそれを信じてる。」</div><div>ガラガラガラ…というエレベーターを下ろす音がきこえる。このエレベーターは人力らしい。</div><div>私はマリスさんの言葉に何も言えなくなっていた。</div><div>「答えは、カガンダを見てからきくけど…。お願いしてもいいかな？」</div><div>覗き込むように向けられた視線に、私は抵抗できるわけも無く、自信なさげに縦に頷くしかなかった。</div><div>「どうして…そんなに大きな仕事を…。」</div><div>私に割り当てたのだろう…。</div><div>「私と陛下で毎年研修生から探していたの。正義感が強くて優秀で実行力ある人を。丁度ヒットしたのがセセルだったのよ。」</div><div>「そうなんですか…」</div><div>そこまで評価されてやる仕事ならいいかもしれない。私はほとんど首を縦にふるつもりでいた。</div><div>やがて、がしゃんっと音をたてエレベーターが止まる。がたがたと金属音をたてて扉が開く。扉の隙間に人の顔が見える。</div><div>エレベーターから一歩踏み出す。</div><div>立ち込めるキツい土の香りに顔をしかめる。</div><div>大きなドーム状の地帯。</div><div>光の魔獣が天井に張り付いていて、この先の見えない区域まで照らしている。魔獣は天井のおおきな石をひたすら齧っている。</div><div>そのしたの街並みは、石を敷き詰めたようにびっしりと建物が建てられている。</div><div>「…なんなの、この街…？」</div><div>わたしはぐるりと周囲を見渡す。</div><div>ここは高台になっている。それでも、向こう側の壁は見えなかった。</div><div>「ここがカガンダ。千年の歴史を持つ街。さ、街を案内しよう。」</div><div>マリスさんがつかつかと手前にあった階段を降りて行く。</div><div>「ここって千年もの歴史があるんですか？」</div><div>「そうよ。その割にあんまり進歩してないけどね。ここの人たちはどうしたら生活がよくなるか、今までそればかり考えてきた。あの光の魔獣もかなり昔、ここに住んでた老いた陰陽師が亡くなる前に、式神を人々の役にたてるように召喚したもの。そうやって昔から、皆がみんな自分に出来ることをやって生きてきてる。」</div><div>マリスさんはうっとりと街並みをみる。その瞳は、故郷を思い返すような、そんなめだった。</div><div>そして私はその話を聞きながら幼い頃の記憶が蘇っていた。</div><div>「もしかしてこの街って都市伝説の「捨てられた街」…？」</div><div>「あら、そんな都市伝説があったの？」</div><div>「はい…。随分と前の話ですが…。」</div><div>確かそうだ。まだ幼かった日、友人からこの街のような話をきいた。この世界の何処かに、みんなに知られていない地下の街がある。千年前の暴走した魔法使いの被害から逃れるために作られた大きな大きな地下街。しかし魔法使いが封印され、地上に平和が戻ってくるとみんなその存在を忘れて、名前すら忘れられてしまった。そして地上の人は地下街があるとは知らずにその街の何処かに封印された魔法使いを埋めてしまった…。</div><div>「確かに、ここに似てる話ね。ここかもしれないけれど。」</div><div>マリスさんは微笑みながら言った。</div><div>「もしそうなら…。この街にあの魔法使いが封印されているということですかね。」</div><div>「さあ…どうかしらね。」</div><div>そう言ったマリスさんは遠い目をしていた。</div><div><br></div><div>マリスさんの案内で街の色んな場所を巡った。ブティックでは、魔巧生地の服を売っていた。図書館では、マリスさんたちが少しずつ持ってくる本が収められていた。</div><div>住宅街に入ると公園もあったりした。</div><div>住人は柄が悪いといえば悪いが、お互い助けあって生きているのだ、と思うところがこんな短時間の間に垣間みえた。公園では子供が遊んでいれば必ず大人がいる。大人たちは自分の仕事に誇りを持っている。</div><div>飲み屋にも連れていってもらった。まだ早いというのに、店には客がたくさんいた。リリングというマスターが営んでいるらしい。彼は私を見るなり酒を勧めてきたが、マリスさんに怒鳴られていた。へへへっと笑って握手を求めてきた。好い人という印象を持った。</div><div>店を出ると、マリスさんは笑いながら、何か困った時は彼を頼りなさい、といってきた。</div><div>二人の信頼関係がみえた気がした。</div><div><br></div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/killo63/entry-11981959641.html</link>
<pubDate>Mon, 26 Jan 2015 20:01:54 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>いつか日の光を  1.夢破れて</title>
<description>
<![CDATA[ <p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"></p><div id="{868A58C8-1025-4B10-812E-3FB85826F2B9:01}" style="text-align:left"><div align="left"><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20150124/23/killo63/4e/10/j/o0480085213198590933.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20150124/23/killo63/4e/10/j/o0480085213198590933.jpg" alt="{868A58C8-1025-4B10-812E-3FB85826F2B9:01}" width="300" height="532" border="0"></a></div></div><br><span style="font-size: 12pt;">長かった五年の研修期間を終え、私はやっと総務班安全保険課治安部局へと配属になる。子供の頃からの夢である聖都アランシアの警備隊に入隊できるのだ。成績は肉体差のある男性陣も圧倒し実技・筆記共に同期トップ。配属希望は五年前から一度も変えたことも他に追加したこともない。アランシアへの配属はほぼ確実なはずだ。</span><p></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">私は王宮にある大きな廊下を歩いている。クレシェンドと呼ばれる総務班のテリトリーの中だ。荘厳な扉がずらずらと並んでいる。その中の一際大きく、一番奥にある扉に私は手をかける。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「失礼します！セセル・タドリスタです。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「いいよ、入って。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">班長、アイル・クレシェさんの声が聞こえる。この五年でだいぶ聴き慣れた声になった。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「…おはようございます。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">扉を開いて中に入る。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「研修お疲れ様、セセル。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">クレシェさんが目を細めて仰ってくださる。照明に反射してキラキラ輝く金髪、ペリドットのような淡い黄緑色をした瞳、シルクのように白い肌。女性と間違えるほどのその美貌はこのだだっ広い大広間、「審判の広間」でも一際輝いていた。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「ありがとうございます。本日から警備隊に入隊出来ることを本当に喜ばしく思います。班長の助言やお力添えのおかげだと思っています。これからもよろしくお願いします！」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">深く一礼する。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「セセル。今日からの日々に期待を寄せているところ悪いのだが…。君の配属は僕も知らないのだ。今から陛下の下へ行ってもらう。セセル、君はどうやら陛下直々に配属先を言い渡されるそうだよ。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">班長が申し訳なさそうに微笑む。私は一瞬、班長のその言葉も微笑みの意味もわからなかった。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「いったい、それはどういう…？」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「実は僕にもわからないんだ。昨日いきなり陛下に呼ばれたもんでね。大方、君を聖都に勤めさせるにはもったいないとでも思ったんじゃないかな。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「そう、ですか…。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">幼い頃からの夢を叶えられないかもしれない。そう思うと、今までの自分の努力が虚しく思った。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「とにかく、謁見の間に向かいな。陛下が待ってくださっているから。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">私は班長に促されるまま、審判の広間を後にした。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica; min-height: 13.8px;"><span style="font-size: 12pt;"></span><br></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">この国、ナハトミュジクを束ねるのは女帝、アイネ・ミュシク陛下。仮面を被った姿しか国民に見せない謎多き国王である。しかし陛下に王位が譲られてからというもの貧困も混乱も少なくなった。謎なだけあって様々な噂が城下に流れた。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">陛下の姿は張りぼてであって城の官僚たちが政治を動かしているのではないか。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">実はものすごい魔法使いなのではないか。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">政治を成功させあとから危険なことを引き合いに出させても国民の支持を仰ごうとしているのではないか。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">など、ほとんどは怪しい話題だった。そのため、国民は陛下を敬いながらもどこか警戒心を忘れずに過ごしてきた。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">私は、その謎だらけの陛下に今から会うのだ。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">…夢はもう諦めた方がいいのだろうか。夢にここまで近づいて…行き過ぎたなんて不格好すぎる。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">今まで自分が頑張ってきたことは一体なんだったのだろう。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">そうして考え事をしてるうちに謁見の広間の呆れるほど大きい扉の前についていた。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">深く深呼吸して扉に手をかける。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">多分これから、私の人生を大きく左右する話だ。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">…やってやろうじゃない。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">目的をなくした私は、やけに好戦的になっていた。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica; min-height: 13.8px;"><span style="font-size: 12pt;"></span><br></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「失礼します！総務部警備隊隊員！セセル・タドリスタです！」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">初めて入る、謁見の広間は訳がわからないほど高い天井とだだっ広い面積をもっていた。これに比べたら審判の広間なんて狭いものだ…。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「よく来てくれた、セセル。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">凛とした女性の声が聞こえた。前から赤髪の美しい女性が歩み寄ってくる。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「帝王、アイネ・ミュシクだ。はじめまして、と言ったところだな。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">帝王。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">この人が。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">私は自分がどういう状況に置かれているのかを整理するのに少しの時間を必要とした。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「は、はっ！！お初にお目にかかります！陛下っ！」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「ははっ。そんな慌てんでもいい。今回は私の方がお願いする立場だしな。仮面などつけておったら失礼だろう？」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">陛下が微笑みながら私の瞳を見つめてくる。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「一体、どういうことなの…ですか？」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">さっきまで好戦的になって余裕をこいていたのに、急に緊張してきた。陛下の瞳に見つめられているからだろうか。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「私からセセル、君に頼みたいことがあるのだ。そのために、君の長年の夢である聖都アランシアの警備隊になることを諦めてほしい。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">やはり。班長の言っていたことは本当だった。この夢は諦めなければならない。その覚悟はさっきまで出来ていたつもりだが、ほんの数十分のうちに十年以上貯めてきた思いが捨てられるわけもなく、私は首を縦に振るのに時間がかかった。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「…やはり、長年の夢は捨てきれぬか？」</span></p><p style="margin: 0px; font-family: Helvetica;">陛下に上目遣いをされてしまう。</p><p style="margin: 0px; font-family: Helvetica;">私の夢と陛下の期待をはかりにかける。</p><p style="margin: 0px; font-family: Helvetica;">私の夢は…警備隊にいればいつの日か叶う希望がある。けれど、陛下の期待は今しか受け入れられない。</p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「…いえ。少し名残惜しさもありますが、陛下のご用件をきかせていただきます。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「すまぬ。それでは本題に入ろう。マリス。出てこい。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">陛下に呼ばれてでてきたのは白衣を着た面倒見の良さそうな女性だった。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「陛下…本当にこの子に頼むのですか？」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">マリス、と呼ばれた女性は、陛下の方を向きながら怪訝そうに言う。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「どうした。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「こんなに可愛らしくてまだ未来も希望もあるような子をあんなところに連れて行くのにはどうにも抵抗があるのですよ。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「私も申し訳なさが募るばかりだ。しかし彼女はきっとあそこを変えてくれるだろう。私が人選を間違ったことがあるか？あとこの話はセセルの目の前でする話ではないだろう。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「陛下の選んだ方なので仕事については期待していますが…。そうですね。終わりにしましょう。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">私は褒められていたのか貶されていたのかわからない会話をただ黙って聞いていた。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">マリスがこちらに向き直る。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「はじめまして、セセルさん。私はマリス。陛下直属の医師をしているわ。今回はあなたの配属先にあなたを案内する案内役よ。よろしくね。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「よ、よろしくお願いしますっ！」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">私はマリスにお辞儀をする。直属の医師って…かなりの偉い人じゃないか？</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「セセル。そろそろ君の配属先を言おうと思う。そしてもう一つ頼みがある。何故その街にきみを配属するのか…。その理由はきかないでほしい。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">陛下が懇願するような声でおっしゃる。これが陛下じゃなく、班長だったら今頃私は激怒していただろう。でも、私は首を縦に振るしかなかった。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「わかりました。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">私がそう言うと、陛下ははほっと息をつくと、ゆっくりと口を開いた。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「セセル・タドリスタ。配属先は…」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">私がこれから何年過ごすかわからない場所。そこは、</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「カガンダだ。」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">この20年生きていて見たことも聞いたこともない街だった。</span></p><div><span style="font-size: 12pt;"><br></span></div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/killo63/entry-11981247449.html</link>
<pubDate>Sat, 24 Jan 2015 23:57:59 +0900</pubDate>
</item>
<item>
<title>プロローグ〈仮〉</title>
<description>
<![CDATA[ <p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">はじめましての方ははじめまして。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">こんにちはの方はこんにちは。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">こえ部ユーザーのきっろでございます。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">この度、「あなたの声からお話を作らせてください！」というお題をたてましたところ60を超える投稿をいただいたため本格的に小説を書こうとちまちま書き進めております。登場人物60人以上ってすごいですよね。ありがとうございます。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">最初のお話は「いつか日の光を」です。「捨てられた街」カガンダに配属された生真面目な新人警備隊員と街に住む情報屋の少女の成長ストーリーになるはずですきっと。まだ全部書いてないので。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">話は七つほどの章に別れています。</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">章ごとにこのブログを更新します！</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica; min-height: 13.8px;"><span style="font-size: 12pt;"></span><br></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">今後作成予定のお話を順番に載せて行きます！</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「いつか日の光を」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「花の都の引きこもり」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「氷の女王」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「漆黒の流星」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「ピエロとシスター」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「千年樹の下で」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「王宮日記」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">「アリスメリカム」</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">です！</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">最後の話までいつまでかかるんだろう…</span></p><p style="margin: 0px; font-size: 12px; font-family: Helvetica;"><span style="font-size: 12pt;">とにもかくにも頑張ります！</span></p><div><span style="font-size: 12pt;"><br></span></div>
]]>
</description>
<link>https://ameblo.jp/killo63/entry-11981246575.html</link>
<pubDate>Sat, 24 Jan 2015 23:56:17 +0900</pubDate>
</item>
</channel>
</rss>
