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<title>Ｃａｒｍｉｎｅ</title>
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<title>小鹿チャンミンはユノをちょっぴり見直しました。</title>
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<![CDATA[ <font size="3">　<br>　子供みたいに泣きじゃくる僕の胸倉から手を離したユノ兄さんは「お前、馬鹿なんだなぁ」って、しみじみ言う。馬鹿って言ってるくせにその声がどこか優しくて、ついでに僕の頭をぐしゃぐしゃかき混ぜる手も優しくて、辛いときに優しい言葉を掛けられると涙が止まらなくなってしまう。それが、普段きついことばかり言う人なら尚更だろう。<br>「僕は、馬鹿なんかじゃ、ありません」<br>「いや、お前は馬鹿だ。なんにも分かってない」<br>「――分かってますよ。自分に才能がないことくらい」<br>「それがっ！！」<br>　ユノ兄さんが声を張り上げて唇を歪ませる。それから「ついてこい」って言いながら、レッスン室を出て行ってしまった。仕方なく僕はユノ兄さんの後を追う。<br>　誰もいない廊下を進み、ひとつ下の階に下りる。この階に来たのは数えるほどだ。ダンスレッスンをしてたのに何で録音ブースなんだろうと首を傾げていると、ユノ兄さんは慣れた手つきで機材を操る。どうすればいいんだろうって悩んでいると、ユノ兄さんが顎で座れと促してきたから、近くにあったパイプ椅子に僕は腰をおろしてユノ兄さんの横顔を見ていた。<br>　やがて、スピーカーから音楽が流れ出す。あ、事務所の先輩グループの大ヒット曲だ。僕が小学生の頃にすごく流行った名曲。<br>　マイクの前にユノ兄さんが立つ。そういえば、ユノ兄さんの歌を聞くのは初めてだなぁって今更ながら思った。<br>　マイクを通したユノ兄さんの歌声は、下手じゃない。リズムも合ってるし音程だって大きく外していない。だけど、歌い終わったユノ兄さんに僕は掛ける言葉が中々見つからなくて、そんな僕にユノ兄さんは「帰るぞ」って、それだけ言って背を向けた。僕はまたユノ兄さんの背中を追った。<br>　汗はとっくに引いてたから、シャワーを浴びずに着替えを済ませる。<br>「終電間に合うのか？」<br>「いえ、歩いて帰ります」<br>「どれくらいだ？　家まで」<br>「たぶん、一時間半か二時間くらいですかね」<br>「遠いな」<br>　ぎこちない会話だけど、ユノ兄さんと普通に会話している自分がいる。さっきまで大嫌いだったはずなのに、こうやって先輩、後輩みたく喋ってくれると少し嬉しくなる。<br>「明日、学校休みだったな」<br>「はい」<br>「塾は？」<br>「ありません」<br>「ケータイ持ってるか？」<br>「――はい」<br>「親に電話かけろ」<br>「――はい？」<br>「深夜過ぎてから家に着いても心配するだろうし、迎えに来るって言われても今のお前の顔みたら心配するだろ」<br>　ああ、そうか。確かに鏡に映った僕の目が赤く腫れている。あれだけ泣いたんだから当然か。思い出して恥ずかしくなったけど、気持ちは不思議なくらい楽になってた。ユノ兄さんに僕の中でモヤモヤしてた思いを吐き出して、ユノ兄さんの歌を聞いて――。<br>　そうか、そうなんだ。僕はなんて浅ましいヤツなんだ。<br>「おい」<br>　はっとして顔を上げると、ユノ兄さんが僕を見てた。<br>「余計なこと考えるな」<br>「――そんなこと」<br>　僕はぐっと押し黙った。ユノ兄さんには僕の考えがお見通しなのか。いつもＫＹで激情家のくせに、こんな時に年上の威厳みたいなものを見せつけられてしまった。<br>「早くケータイ出せ。遅くなるとますます心配するから」<br>　ユノ兄さんが僕に手を伸ばして催促してくる。すぐに理解できなかったけど、どうやら僕の親に話をつけてくれるみたいだ。<br>　家の電話に掛けるとお母さんがでた。今、レッスンが終わったと言うとビックリして、心配してたと言われてしまった。横からユノ兄さんが肩を叩いてきて、そこで電話を代わる。僕のお母さんにユノ兄さんは自己紹介したあと、遅くなってしまったことを丁寧に詫びてから、「今夜はこのままうちに泊めて、明日の朝帰します」って、頭をさげた。すごく礼儀正しい。<br>　電話を切ったユノ兄さんに僕も頭を下げた。これは素直にユノ兄さんに感心してしまったからだ。<br>「いいから早く行くぞ。遅くなると心配するから」<br>　あれ？　遅くなると心配するって言ったのは僕の親にじゃなかったのかな？<br>　ダウンジャケットを羽織ったユノ兄さんは、心底急いでるように僕を急かす。<br>「あの、どこに行くんですか？」<br>　本日、何度目かユノ兄さんの背中に小走りについて行きつつ、僕はふと浮かんだ疑問を投げかけた。その途端ユノ兄さんのこめかみがピクッと跳ねる。それはもう、心底嫌そうにため息をついて「ジェジュンのアパート」って吐き捨てた。<br>「ジェジュン兄さんのアパートに、僕が泊まってもいいんですか？」<br>　僕としては、ジェジュン兄さんに訊いてないのになって意味で訊いたんだけど、ユノ兄さんは「嫌に決まってんだろ」って苦虫を噛み潰したような顔を僕に見せてくる。<br>　なんだ、それ。<br>　このユノ兄さんの顔を一生忘れることはないだろうって確信しながら、僕もユノ兄さんの後ろで思い切り顔を顰めてやった。　<br><br>　<br></font>
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<pubDate>Tue, 16 Dec 2014 23:03:33 +0900</pubDate>
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<title>トラさんとライオンさんの話　（３）</title>
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<![CDATA[ <font size="3">　前回の話！<br>　<a href="http://ameblo.jp/kokihi0610/entry-11865205528.html">トラさんとライオンさんの話</a><br>　<a href="http://ameblo.jp/kokihi0610/entry-11865351914.html">トラさんとライオンさんの話（２）</a>　<br><br><br><br>　ジリジリと焼けるような太陽が大地に照りつける。<br>　サバンナに雨は少ない。申し訳程度の雨季が過ぎてしまえば、厳しい乾期がオアシスを枯渇させてしまう。<br>　水は生きていくうえで絶対に欠かせなく、日がな一日サバンナを歩けば肉食動物の白骨を目にする事も何度かあった。それを目にするたび、明日は我が身だとユノは身体を震わせた。<br>　群れを抜けて一人きりでいた時はここまで恐怖を感じなかった。心のどこかで、いつ死んでもいいと思っていたからだ。けれど、今は違う。ひょんなことから出会ったジェジュンと行動を共にするようになって、ジェジュンが群れの連中に追われている事も知った。サバンナで食物連鎖の頂点に君臨するライオンといえども、同族と対峙するとなっては分が悪い。ジェジュンひとりではどうやっても敵う相手ではないだろう事は、昨日の出来事で充分わかった。</font><br><font size="3"><font size="3">　多勢に無勢。追っ手はいつどこで攻撃を仕掛けてくるのか。半年ものあいだジェジュンをしつこく追ってきた彼奴らが、谷に阻まれたからといってあっさり引いてくれると思えなかった。自分が常に側にいて守ってやらないと。<br>　それに、ジェジュンと恋人同士になれたのだから、迂闊に死ねない。まだ、色々とやってないことがあるのだ。これを果たせぬまま死んでたまるものか。<br><br>　ジェジュンの白い尻尾が歩くたびに左右に揺れる。その隙間から見える腰つきにユノはデレっと鼻の下を延ばした。<br>　昨日まではその腰付きが気になっても見て見ぬふりをしていた。<br>　雄同士だから、とか。ただ成り行きで一緒にいるだけだから、とか。そもそもジェジュンの高飛車な態度が気に食わないと、そこに触れたくなる衝動をそんな言葉にすり替えてやり過ごしてきた。<br>　しかし、恋人同士になったのだから、少しくらい触ってもいいだろう。<br>　群れにいた時はカップルがそうする様を何度も見てきた。その時は、そんなに触りたいのか？　と首を捻ったものだったが、要は気持ちの問題だったのだとジェジュンに出会ってからユノは気づく。<br>　好きな相手には触れたくなるし、抱きしめたくなる。<br>「――なぁ」<br>　そう言ってユノが触れた手をジェジュンはぴしゃりと尻尾ではたき落とした。<br>「なんだよちょっとくらいいいだろ！？」<br>「ちょっとじゃ絶対終わんないじゃん！」<br>「好きなヤツに触りたいとか、キスしたいって思うのがそんなに悪いのかよ」<br>　ユノがはっきり言えば、ジェジュンがぷいっと顔を背けた。色白の耳が真っ赤に染まる。<br>　ジェジュンは見かけによらず初心だ。ユノとしてはちゃんと触りたいしキスもしたい。それ以上の事だってしたいのだけど、ジェジュンが恥じらう姿にすらどうしようもなく胸が高鳴ってしまう。<br>　これが惚れた弱みだと分かっていても自分ばっかり期待して、ジェジュンはしたくないのだろうか。<br>　俺も好きだと告げてくれた。でも、その後のジェジュンはユノが拍子抜けするくらい今まで通りだった。<br>　嫌われてないとは思う。利用されてる訳でもないと思う。でなければ、追っ手に見つかったときに、ユノを盾でも囮にでもすればよかったのだ。しかしジェジュンは「お前まで巻き込まれる必要はない」と言ってくれた。追跡を免れないなら自分ひとりで戦うとも。それが恋愛感情なのか、それともただの仲間意識なのか。<br><br>「ジェジュンは俺に触りたいって思わないの？」<br>　なるべく優しい声音で言って、ユノはジェジュンを振り向かせた。肩に触れた手が振り払われなかった事に、内心で胸を撫で下ろした。<br>「俺はジェジュンに触りたいし、ジェジュンの事もっと知りたいって思う」<br>　俺はジェジュンのことを全然知らない。とユノが言い足す。<br>　ジェジュンと出会ってから日が浅く、どんなところで育ってきたのかも、聞いたためしがなかった。一緒にいればどんな果物が好きかとか、日常の些細な癖なんかは少しずつ分かってきた。けれども、ジェジュンが教えてくれない限り、ジェジュンの過去やどうして群れを抜けてきたのかは分からない。ユノが何度か訊いてもジェジュンは適当にはぐらかしてしまう。<br><br>　ジェジュンは躊躇っているように見えた。ユノを見上げてくる瞳がゆらゆら泳ぐ。そこに映った自分の姿を見て、ユノは自嘲気味に笑った。<br>　なんて情けない顔をしているんだろう。ジェジュンが自分をどう思っているのか、知りたいのに知るのが恐い。あれは一時の気の迷いだったと、好きじゃないと告げられたらと思えば、胸の奥がひんやりと冷たくなる。<br>　重い沈黙のあと、ジェジュンが「――俺は」と言った。それから、少し考えるように口ごもると「俺も、お前のこと全然知らない。人の過去を訊くときは、まず自分からって教えてもらわなかった？」と、ジェジュンが思わぬことを言うものだから、ユノは一瞬呆気にとられてしまった。<br>「――ジュンスって誰？」<br>　その名前を何故ジェジュンが知っているのか。おそらくそういう顔をしていたのだろう。<br>「ユノに初めて会った夜、ジュンスって呟いてたから」<br>　そういえばと、ユノはようやく思い出す。「大事な人なの？」と、続けて問われて「そうだった」と過去形で答えたのは、もうジュンスに二度と会えないからだ。<br>　人生で一番苦い記憶を、ユノはジェジュンに打ち明けた。<br>　<br>　<br>　　<br><br><br>　<br>　<br><br>　<br>　<br>　<br>　<br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br></font><br></font>
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<pubDate>Wed, 27 Aug 2014 23:31:45 +0900</pubDate>
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<title>やっぱりダメだった！当たり前！</title>
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<![CDATA[ <font size="3">　<br><br>　一個まえに書いた「ＳＴＯＰ！</font><font size="3"><font size="3">ＳＴＯＰ！</font></font><font size="3"><font size="3"><font size="3">ＳＴＯＰ！」っていう</font></font>記事の事です。<br>　じぇーさんが自○したいって悶々としてるだけで、後半はそれに勘付いたユノと東京ドームのトイレでこっそり致しちゃうユンジェってね。たまにドアをノックされてドキドキするってね。ロマンですよロマン。ユンジェロマン。<br><br><br><br>　だってペンになってからずーっと<br><br><div align="center"><div align="center"><a href="http://stat.ameba.jp/user_images/20140827/01/kokihi0610/c7/20/j/o0521035213047638984.jpg"><img border="0" alt="" src="https://stat.ameba.jp/user_images/20140827/01/kokihi0610/c7/20/j/o0521035213047638984.jpg"></a></div></div><br>　じぇーさんのまりもっこり拝んできたんだもの＼(^o^)／<br><br>　<strike>じぇーさんじゃなくてみんなのもあるけど、一番すごいのがじぇーさんだからここは割愛。</strike>　じぇーさんごめん！<br><br>　それにコンサートのあとって女性フェロモンの影響もあって一回スッキリしたくらいじゃ治まらないと聞いたもので、<br>①アイコンタクトだけでお互いの状態を把握しつつ、もつれ合うようにトイレに行くユンジェ。<br>②じぇーさんだけがムラムラしてて、なんやかんやユノにお手伝いしてもらいながらも結局はトイレで合体しちゃうユンジェ。<br>　の、どちらでも本望だったんですけど今回は②でした。<br>　コンサートの昂奮が治まらないまま汗まみれで抱き合うのってステキ！<br><br>　規制退場のアナウンスが遠くから聞こえてきて「あ、ファンがまだいるんだ」って、じぇーさんが背徳感に苛まれながらも、それが逆に煽る要素になっちゃって、「あれ？　いつもより昂奮してる？」とか「ここ、凄いことになってるよ」とか、ユンホさんに言葉で攻められて欲しいくてガツガツ書いてみたんですけど。<br>　無駄に長く、濃厚に。特にオチもなく。<br><br>　お陰さまで私が</font><font size="3"><font size="3">ＳＴＯＰ！</font><font size="3"><font size="3">ＳＴＯＰ！</font></font><font size="3"><font size="3"><font size="3">ＳＴＯＰ！</font></font></font>でしたよ！悲しい！<br>　まぁ、いくらオブラートに包んだ表現してても書いてる内容は露骨だったもんで。「コンマに騙されないアメ○バさんの監視能力パネェ！」とでも思ってこれからは大人しく朝チュンだけでやってきます。<br><br></font><b>※朝チュン</b>（あさちゅん）は主に 小説、漫画等で性○為を描く際、セ○クス描写を描かず、行為があったという事実だけ伝えてシーンを切り替えるテクニック、またはその場面のことを指す。暗転後に、朝が来たことを示すために鳥の鳴き声を入れることが多いことからこの名がつけられた。　　以上、アンサイクロペディアより抜粋<br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br>　<br>
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<pubDate>Wed, 27 Aug 2014 00:53:38 +0900</pubDate>
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<title>さぁ、滝にでも打たれようか</title>
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<![CDATA[ <font size="3">　<br><br>　<b><font size="4">ハイ！　ファンクラブイベント二次落ちましたぁ～～</font></b><br><br><br>　　　　<b>＼(^o^)／ワー<br><br><br><br><br>　　　＼(^o^)／ワー<br><br><br><br></b><br><br><br>　<b><font size="5">ええっ！？<br><br><br><br></font></b><br>　笑えなかったですよ。<br><br>　真っ白でしたよ。灰になりましたよ。粉ですよ。粉末。<br>　もう粉末でもなんでもいいから１１月６日１８時に横浜アリーナに飛んでゆきたい。粉末になってユノを包みたい。<br>　きみがいーる世界にすぐ飛んでゆきたーいって切なく歌ったじぇーさんの気持ちがやっと理解できた気がします。<br><br>　今までなんやかんやトンのチケット入手できてたのでね、こんな切ない気持はじめてです。私のなかでユノは<b>「金を払えば会える男」</b>って定義ができてたもんで、考えが甘かったです。<br>　これからは、<font size="4"><b><br>　金を積んでも会えない男ユノ・ユンホ</b></font>に訂正しておきます。今までごめんユノ！そんなに安い男じゃなかった！やっぱ５８００円（税別）じゃ会えなかった！<br><br><br>　<br><br>　<br><br>　<br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br>　ってことで、気を取り直して明日るろ剣みてきます！志々雄さま楽しみ！<br><br>　<br>　<br>　<br><br><br><br><br><br></font>
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<pubDate>Thu, 21 Aug 2014 23:39:04 +0900</pubDate>
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<title>バスルームのメロディ（５）</title>
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<![CDATA[ <font size="3">　<br><br>　ユノが使ったブランケットを畳み直して、ソファーのひじ掛けに置いた。<br>　これくらい畳んでおけよ。不本意だとしても他人の家に泊まったのだから、これくらい気を遣ってもらいたいものだ。<br>　よく見ればテーブルに水滴が垂れており、ペットボトルのキャップも開いたまま放置されている。見た目に相反して雑な性格なのだろうか。<br>　そういえば、ケータイもどこかに落としてしまったとユノは言っていた。案外、抜けている。そうでなければ、酒に酔って道端で寝こけたりしないかと、ひとり納得していると、ジェジュンのケータイが鳴った。<br>――誰だ？　この番号。<br>　ジェジュンは逡巡して、あっ、と気づく。そして、すぐにバスルームへと向かった。<br>「おい、お前の事務所から電話」<br>　ドア越しのユノに声を掛けつつ、ノブを回して隙間からケータイを差し入れた。<br>「え、ああ。ありがとう」<br>「どういたしまして」<br>　ユノがケータイを受け取ったのを確認したところで、ジェジュンはふと思った。<br>　まさかユノの事務所の誰かがここに迎えに来るつもりじゃないか。ユノが誰のケータイから電話したのか探るつもりじゃないか。恋人でも出来たんじゃないかと疑ってるんじゃないか。そうでなくても、ユノがうっかり自分の名前を言ってしまうんじゃないか。<br>　ジェジュンの顔色が青ざめると同時に、「妨害」と、いう言葉が頭を過ぎる。<br>　今でこそテレビ出演も、音楽祭や式典の出演依頼もあるけれど、それが出来るようになったのはここ最近の事だ。それまでは、一定数の指示を得ようとも何故か公の場に出る事が叶わなかった。<br>　もしかして、妨害されていたのではないか。<br>　その考えに至ったのは、数年前のベストアルバム賞をユノのチームが受賞した時からだった。その年</font><font size="3"><font size="3">、ユノのチームとライバル関係だとネットに面白おかしく書きたてられたのを覚えている。煽られたファンたちがこぞってアルバムを購入したのも。そして、ユノたちのアルバムがミリオンセールスを記録した事も。<br>　テレビに出れるようになったのは、あちらの事務所が自分たちに利用価値があると分かってからだった。ライバルだと煽り続ければ、ファンはより一層アルバムの購入に力を入れるだろうと。そこからなる莫大な収益のために、自分たちは利用されているのだと思い至って、ジェジュンは悔しさに奥歯を噛みしめたのだった。<br><br>　ライバルと煽って収益を伸ばしているのだから、個人的な付き合いをあの事務所は許さない。また妨害されて歌う機会を失わなければならないのか。<br>　そんな思いはもうしたくない。ユチョンやジュンスに悲しい思いをさせたくない。応援してくれるファンにも自分のせいでがっかりさせたくはない。<br><br>　ジェジュンが勢いよくドアを開けると、ユノはデニムを穿いただけで上半身は未だ裸のままだった。<br>　洗面台に向かって電話しているユノの肩を掴んでこちらを向かせた。力加減なんてしてる余裕はなかった。ただ、嫌がらせにも似た理不尽な扱いを受けるのは二度と御免だった。<br>　驚いて目を瞠るユノの口を手で塞ぐ。前触れなくジェジュンに押しやられたせいでバランスを崩したユノは、壁に背中を打ちつけて短く呻いた。ジェジュンの掌の下でユノが「な、何？」と、くぐもった声を出す。<br>「俺の家にいること、事務所の連中にバラすなよ」<br>　ユノの耳元で囁くように言ってから、その反応を窺った。形のいい眉が戸惑うように寄せられる。<br>「今日のことは誰にも言うな」<br>　わかったな？　と、横目で念を押す。白熱電球に照らされたアーモンドアイが細められたのを了承と捉え、ジェジュンはユノから体を離した。しかし、思いがけず腰を引き寄せられて、体が前のめりに倒れ込む。<br>　一体なにが起きた。ジェジュンが顔を上げればすぐ目の前にユノの顔があった。鼻先が触れ合うくらいの近い距離に呼吸が止まる。<br>　電話の向こうから「ユノ、どうしたんですか？　聞こえてますか」と、何度も呼びかける声がここまで聞こえてくるのに、ユノは大して気にも留めず、そればかりかジェジュンを舐るような視線で見降ろしてくる。その視線にジェジュンの肌がぞわりと粟立った。<br>　さっきまでのちょっと頼りないユノじゃない。ここにいるのは、ステージで見せる傲慢で高飛車な男だった。<br>　拒絶を込めてジェジュンが睨み上げても、ユノに怯んだ様子はない。<br>　<br>「誰にも言うなってさ、それって俺と秘密の関係でいたいってこと？」<br>　耳朶に信じられない言葉が吹きかけられる。<br>「はっ！？　なに言ってッ」<br>　バカじゃないのかと言おうとしたけれど、その前にジェジュンは抱きしめられていた。ユノの肩口に頭を無理矢理に埋められて息が詰まる。<br>「大きい声出すと俺が誰といるのか勘付かれちゃうよ。それとも言っちゃっていいの？」<br>　痛いところを突かれて、ジェジュンの体がビクッと跳ねる。<br>　ジェジュンが抵抗できないと分かると、ユノは</font></font><font size="3"><font size="3"><font size="3"><font size="3">喉の奥で</font></font>愉しげに笑った。<br></font></font><font size="3"><font size="3"><font size="3"><font size="3"><br></font></font><br>　<br>　<br>　<br>　<br>　<br><br>　<br></font><br>　<br><br>　<br></font>
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<link>https://ameblo.jp/kokihi0610/entry-11912389638.html</link>
<pubDate>Thu, 21 Aug 2014 01:30:28 +0900</pubDate>
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<title>ぜんぶ、吐き出した。</title>
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<![CDATA[ <br><font size="3">&nbsp;</font><font size="3"><font size="3"><a href="http://ameblo.jp/kokihi0610/entry-11905507584.html">これ</a></font>の続きです。<br><br><br>　<br>　初出演のドラマの打ち上げが開始されてから、かれこれ四時間。一流ホテルの大広間を貸し切った大盤振る舞いは、ドラマが大盛況のうちに終了したからだろう。<br>　美味い料理と美味い酒があれば人間は饒舌になる。ずっと隣で呑んでいた共演者の男も例外ではなく、上等の酒に酔わされて、うっかりジェジュンの色恋に口を挟んできたのだ。<br></font><font size="3">「そういや、あの子とどうなったの？」<br>　そう唐突に問われてジェジュンは視線を巡らせる。<br>　ここには打ち上げの様子を撮影に来た記者もいる。どこで聞き耳を立ててるか、油断はできない。幸い、みんなすっかり出来あがっているようで、各々が近くの者と盛り上がったり、記念撮影をしたり、テラス席で涼んだりしており、誰もこちらを見てはいなかった。<br>　あの子、というのはドラマの撮影が始まってすぐの頃、ジェジュンが付き合っていた女の子だ。ゴシップ紙にも書かれていないから、二人の関係を知る人は限られている。隣の男には何度目かの飲み会で口を滑らせてしまった。自分もこの男のことをとやかく言えない。酒が入ると大概口が軽くなってしまう。<br><br>「――駄目でした」<br>　ジェジュンが呟くように言えば、はぁ？　と、非難めいた声が上がった。思っていた以上に酔っているのか、声が大きい。ジェジュンとしてはこれでこの話を終えたかったのだけれど、こういう機会は滅多にないから、あれこれ追及してやろうとしているようだった。<br>「あっちで話しませんか？」<br>　大広間を抜けてテラス席の奥へとやってきた。そこから短い階段を下りると、ホテルの中庭がある。男をベンチに座るよう促して、ジェジュンもその隣に腰を下ろした。<br>　夜風に当たって少し酔いが覚めたのだろう。「悪かった。あんなとこで変なこと訊いて」と、詫びてくる男とは短い付き合いだけれど、それなりに信用している。<br>　お互い大人で芸能人だからこそ、程良い距離を保っていられる。酒でも入っていない限りプライベートな話はしないし、ジェジュンもあえて知りたいとは思わなかった。<br><br>「ジェジュンが言いたくないなら、この話はやめよう」との申し出に、ジェジュンはゆるく首を振った。<br>　自分のほうがよっぽど酔いが回っているらしい。頭はふわふわしているのだけど、口先が滑らかに語り出す。<br>「――なんか、駄目なんですよね」<br>　ジェジュンは言った。隣の男が、何が？　と言いたげに見つめてくる。胸の中でグズグズと燻る気持ちを上手くオブラートに包めそうにもないから、その先を話すか迷ったけれど、吐き出してしまいたかった。なぜ、彼女と別れたのか、を。<br>「嫌われたくないから偽っちゃってたんですよ。自分を」<br>　好きじゃないのに、嫌われたくない。<br>「好きじゃなかったの？」<br>「そうです」<br>「なんで付き合ったの？」<br>　追求されて、ジェジュンは押し黙った。<br>「カラダ目当て、とか？」<br>「それは、ないですね」<br>　彼女と体の関係は一度もなかった。彼女は求めているように見えたし、自分も男だから性的な欲求はある。けれども、最後の一歩がどうしても踏み出せない。<br>　綺麗な一重瞼の女の子だった。背の高い女の子だった。この子とだったら恋人になれると期待を抱いたのも、この子が彼によく似た風貌の持ち主だったからだ。<br>　</font><font size="3"><font size="3">付き合ってからずっと、彼と彼女を重ね合わせて見ていた。<br>　彼に似た一重瞼で蔑まされるのが嫌で優しくした。彼に似た唇で否定されたくなくて彼女が気に入る言葉を選んだ。彼女に会いたいと言われれば、忙しくても会いに行った。全部、笑顔が見たくてそうしていた。彼に似た、笑うと猫みたいになる笑顔。ただ、それが見たくて彼女に会いに行った。<br>　</font>彼女と手を繋いだとき、キスをしたとき、名前を呼ばれたとき、どうして隣にいるのが彼じゃないんだろう。彼はなにをしているんだろう。結局、そればかり考えてしまう。駄目だった。苦しかった。<br>　<br>　最後に見た彼の姿。<br>　早朝の静かな空気。玄関先で振り返って、困ったように笑うその顔を脳裏に焼き付けながら、往生際悪く握手を求めた。細い指。熱い手の感触。このまま、手を引いてどこかに閉じ込めてくれないかと何度も願った。どこでもいい。もしも、願いが叶うなら、一生、彼の腕の中に閉じ込めて欲しかった。<br>　そう願っても、もう二年も前のことだ。今、彼の腕に抱かれているのは自分の知らない別の誰かかもしれない。<br><br>「――ジェジュンさ、他に好きな子いるんじゃない？」<br>　何気ない一言が、胸に突き刺さる。<br>「ずいぶん昔のことですよ」<br>「忘れられない、とか？」<br><br>　気遣わしげな声に、申し訳なく思う。せっかくの打ち上げにこんな話をして、興醒めしたに違いない。だけど、誰かに聞いて貰いたかった。二年かかった。彼と別れてから二年たって、ようやく誰かを愛したいと思ったのに――。<br><br>「忘れられないんです。今もまだ好きなんです」<br><br>　酔いに任せて、ぜんぶ、吐き出した。<br><br>　<br><br>　<br>　　<br>　<br><br><br><br><br><br><br></font>
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<pubDate>Tue, 19 Aug 2014 01:16:46 +0900</pubDate>
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<title>小鹿チャンミンはユノに壁を感じています。</title>
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<![CDATA[ <br><font size="3">　ユノ兄さんが僕に優しくダンスを教えてくれる。わけなんて、やっぱりミジンコたりともなく、分かっていたけれど、かなりのスパルタだった。<br><br>　自分で言うのもなんだけど、僕は物覚えがかなりいい。そこは資質を分け与えてくれた両親と、これまで勉強を頑張ってきた自分に感謝する。しかし、いくら頭で振り付けを理解していても、それを直ぐさま体現できるような運動神経は、生憎、持ち合わせていなかった。<br>　ユノ兄さん曰く、「お前は、根本的にリズム感がない」だ、そうです。<br>　それもそのはず、スカウトされたあとにやった形だけのオーディションで、いきなり「好きな曲でダンスしてください」って、言われたときも、事務所の偉い人たちの前で三拍子だか四拍子だか分からない手拍子を叩いて、その場を凍りつかせたっていう伝説を持っているのだ。あの時の苦笑は忘れられない。<br>　それをうっかりユノ兄さんに言ったら、「やってみろ」だ、そうです。<br>　僕は音楽を止めると、ユノ兄さんに背中を向けて手を叩いた。あの恐い顔を見たくなくて背中を向けたのに、残念ながら僕の目の前は鏡だった。鏡越しにユノ兄さんの引き攣った顔が見えてしまう。<br>「ダメだな。全然ダメだ。三歳児だってお前よりまともにリズムとれるぞ」<br>「――はい」<br>「歌は歌えるのに、なんでだ？」<br>「それは――」<br>　僕が訊きたいです。とは、言えずに口ごもる。<br>「まぁヘタなもんはしょうがないから、明日から暫く手拍子の練習して、それが出来たら手拍子に合わせて足のステップを加えていくか」<br>「お手数おかけします」<br>　情けなさから目頭が熱くなった。ユノ兄さんに悟られたくなくて、誤魔化すみたいに頭を下げれば、ポタリと汗が落ちた。なんだか目の前もクラクラする。<br>　夕方に高校の授業を終えて、それから通常のレッスンを受けて、それが終わってからユノ兄さんの地獄のレッスンを受けて、かれこれ三時間。僕の体力はすでに限界だった。それに引き換え、黒のタンクトップを着たユノ兄さんは至って涼しげな表情をしている。朝からずっとダンスレッスンをして、あいだに少し抜けて配達のバイトをしてきたと言っていたのに、この人の体力は無尽蔵なのか。<br>　いや、覚悟の違いなんだろう。ユノ兄さんは何年も厳しいレッスンを耐え抜き、合間に学校とバイトにも行っていた。デビューは夢のまた夢。レッスンに耐えきれず去る者、力量に限界を感じて夢なかばで去る者。僕が入所してから半年も経っていないけれど、そういう人を何人も見送った。その度に、胸のなかにモヤモヤしたものが広がってゆくのを感じていた。<br>　デビューの見通しも立たず、それ以前にライバルが切磋琢磨するなかで、中途半端な僕がデビューなんか出来るのかと。こんな宙ぶらりんな気持ちの僕とは違い、ユノ兄さんはただ目標に突き進んでいる。三年近くかかって、今、ようやく夢に手が届きそうなんだ。<br>　本当なら、僕に付き合ってる時間も惜しいのだろうけど。<br><br>「――すみませんでした」<br>「何がだ？」<br>「兄さんだって忙しいのに、僕なんかに付き合わせちゃって。明日からは別の人に練習見てもらうことにします。だから、兄さんは自分のために時間つかってください」<br>　頭を下げたまま一気に吐き出すと、バンッ！と壁を激しく殴る音がして、僕は恐る恐る顔を上げた。顔を上げた僕の胸倉をユノ兄さんに掴み上げられる。驚きと息苦しさに、喉がヒュっと鳴った。<br>「おまえ、なんの為に半年間続けてきたんだ」<br>　ユノ兄さんの目は真っ赤だった。僕はユノ兄さんに嫌われてる自覚があったし、しょっちゅう睨まれているから、ユノ兄さんに睨まれても大抵は受け流せるようになっていた。けれど、こんな本気の怒りは見たことがない。<br>　ユノ兄さんの剣幕に、僕の指先が否応なしに震えてくる。<br>「デビューしたいからじゃないのか！？　デビューしたいからここまで頑張ってきたんじゃないのか！？」<br>　デビューなんて本当に考えていなかった。ここまで続けて来れたのは、出会って最初にユノ兄さんに言われた言葉がムカついたのと、ジェジュン兄さんに止められたからで、単なる意地だったんだと今更ながら気づく。だけど、意地だけじゃどうにもならないこともあるんだって、同時に気づいてしまった。<br>「僕は、ジェジュン兄さんみたいに歌が上手くありません――。ダンスも同期のほうが全然上手くて、ユノ兄さんに怒られてばっかりで」<br>　言いながら、泣きたくないのに涙が溢れてきてしまう。だけど、僕の胸の内をユノ兄さんに伝えなきゃならない気がする。ユノ兄さんやジェジュン兄さん。それにジュンス兄さんみたく、特出した人には理解できない僕の気持ち。<br>　事務所を去って行く先輩や同期生を見送るたび、いつしか胸のなかでモヤモヤっとしたものが広がるようになっていた。次第に大きくなるそれは、僕の中の漠然とした不安だった。<br>　去って行った人たちのなかには、僕と較べものにならないくらい歌が上手い人がいた。ユノ兄さんと同じくらいダンスが上手い人もいた。いつかこの人たちよりも秀でるものが出来たとき、僕はやっとユノ兄さんやジェジュン兄さんの後を追ってゆけるのだと、勝手に決め込んで、勝手に失望したのだ。僕よりも才能ある人たちが、なんで辞めていくんだ。<br></font><font size="3"><font size="3">「――僕は、自分に自信がないんです」</font>　<br>　<br><br><br><br><br><br><br><br></font>
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<link>https://ameblo.jp/kokihi0610/entry-11906009648.html</link>
<pubDate>Thu, 07 Aug 2014 01:45:24 +0900</pubDate>
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<title>嚥下した。</title>
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<![CDATA[ <br><font size="3">　立ち上がったところで、視界がぐらりと揺れたのは焼酎の飲み過ぎだろう。元々、酒の類いは体質的に苦手だけれど、今日はとことん呑みたい気分だったから、風呂上がりのチャンミンを捕まえて二人で晩酌していた。<br>　なんとなく解放された気がしていたのは、三ヶ月間に渡る日本ツアーが終わって、久しぶりに韓国の宿舎へ戻ってきたからだ。ツアーも無事に終わった。だから、今日は慰労会のつもりで、空港の免税店で買った少し高めの焼酎で最初に乾杯をした。もちろん、チャンミンは焼酎一本で満足できるはずもないから、こうしてユノが冷蔵庫にビールを取りに来たのだけれど、すでに足元が覚束ない。<br>　リビングに戻るときに躓いて、チャンミンに鼻で笑われた。<br>「ユノ兄さんは水でも飲んでてください」<br>　自分でもそう思う。けれど、ユノはかまわずプルタブを開けてビールで喉を鳴らした。苦味が口の中に広がる。以前は苦手だったビールが、意外と美味しいとユノが気づいたのは今から二年前だった。<br>　一気にビールを飲み干したユノに、チャンミンは怪訝に眉根を寄せた。<br>「何か、あったんですか？」<br>　なにかあったか、と問われれば、あったと言う。「何があったんです？」と、重ねて問われて、ユノは言葉に詰まってしまった。<br>「彼女に振られた」<br>「またですか」<br>　チャンミンが眉を顰めるのも無理はないかな、とぼんやり思う。ユノはこれまで彼女が出来ても、半年と持たなかったのだ。<br>　今回の彼女は四カ月だった。<br>「今度は何がダメだったんです？」<br>　少し呆れたような表情のチャンミンに苦笑を返して、同時に考えた。何が駄目だったわけじゃない。可愛い子で、性格も良かった。とは言っても、たかだか四カ月の付き合いで、しかも、その子と恋人として逢瀬したのは片手で足りる程だけれど、決して不満なところはなかった。好きだったかと問われれば、好きだと答えるし、チャンミンにもそう言った。<br><br>――私のこと、好きじゃないよね。<br>　彼女が言った去り際の一言。<br>　別れを切り出すのはいつも相手からで、ユノは毎回それに否定を込めて首を振ったけれど、去ってゆく彼女を追ったことは今まで一度もなかった。<br>　好きじゃない、訳じゃない。毎回同じような台詞で振られていれば、なんとなく別れの理由もわかるようになってきた。<br>　好きじゃない訳じゃないけれど、追いすがるほど好きでもない。その結論に思い至って、自分でもなんて酷い奴だと笑ってしまう。<br><br>　離れていく手を取って、別れを告げる唇を奪って、逃げる体を抱きしめて、この腕に引き留めたい。<br>　かつて、ユノにもそう思える相手がいた。<br>　元気でね、と去ってゆく彼に、最後の最後までそう願ったとして、彼も今の自分と同じことを思っただろうか。どんなに後悔しても遅いのだと分かっていても、考えてしまう。<br>　もう昔のことだ。眠れない日々も、夢にまで見た夜も、半年もすれば幾分和らいだ。携帯電話の番号も変えて、これで彼と自分を繋ぐものは一切なくなったはずだった。彼女を作ったのは踏ん切りがついたからで、自分でもそう思っていた。しかし、彼女と手を繋いでいるとき、キスをしたとき、記憶の片隅でしかなかったはずの彼が思い浮かぶのだ。<br>　ああ、違う。こんなんじゃない、と――。<br><br>　黙ったままでいるユノを気遣ってか、「忙しかったから仕方ないですね」と、チャンミンは言った。うん、とだけ答えて、ユノは殆ど空になったビールを嚥下した。<br>　<br>　<br>　<br></font>
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<link>https://ameblo.jp/kokihi0610/entry-11905507584.html</link>
<pubDate>Wed, 06 Aug 2014 02:11:53 +0900</pubDate>
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<title>ユンジェってのは勢いがあるときに書いたほうがいい気がするもんで</title>
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<![CDATA[ <br><font size="3">　やたら毎日更新してるんですが、読んでくださってる方がいらっしゃるみたいで、しかもぽちっとボタンまで押してくださってるみたいで、スミマセンこんな新入りに！あんまり萌えがないのに！<strike>ジェジュン</strike>ユノに壁ドンさせてないのに！とても有り難いです。ありがとうございます！！恐縮です！！</font><font size="3"><font size="3">ユンジェの濡れ場は一度書いとけってばぁちゃんが言ってたので、ジェジュンが喘ぐのが先かユノが喘ぐのが先か分かんないですけど、誰かが喘ぐまで頑張ります。<br></font></font><br><font size="3"><font size="3"><font size="3">　書きかけで中途半端になってしまってるのが多いのが申し訳ないです。</font></font><br>　ユンジェ前提のミンホ書きたくてブログ作ったのに、チャンミンがなかなかユノを奪いに行ってくれない。ジェジュンに負けないで！ほら、ユノくん迎えにきてるよ！って精一杯励ましてるんですけどね。　「お腹痛い」とか「さっき黒猫みた」とか、二か月以上玄関先でグズグズしてるので、最近はユンジェばっかりです。<br><br>　小説ってのは、どれだけ長く書いたかよりも、ひとつでも完結させたヤツが偉いってどこかで聞いたことがあるもんで、気を引き締めます。<br>　わたしも、ずーっと更新たのしみにしてた方が急に更新やめちゃったら嫌ですね～どんな内容でもいいから終わらせて欲しい。ユンジェ読んではずなのに急にホミンルートに変更になって、やだっ！チャンミン喘いでるっ！！って絶望のどん底に突き落としてくれてもいいから完結させて欲しいです。あらたな扉が開くかもしれないですし。いや、ないかな。<br><br><br>　<br><br></font>
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<pubDate>Tue, 05 Aug 2014 22:29:36 +0900</pubDate>
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<title>バスルームのメロディ（４）</title>
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<![CDATA[ <font size="3">　<br>　なんだろう。このシュールな光景は。<br>　腰にタオルを巻いただけのユノと、白のライダースにホワイトデニムというアイドル衣装に身を包んだジェジュンが、ソファーに並んで座っている。<br>　面識があるだけで、デビューしてから今日に至るまで気易く口を利いたことはないし、ジェジュンたちがユノたちと人気を二分するようになると、勝手にライバル関係と囃したてられて、ユノとしても意識していたように思える。もっとも、ユノの事務所は業界最大手なのだから、自分たち弱小をライバルなんて思っていないかもしれない。それはそれで、腹立たしくもある。<br>　チラリと横目でユノを窺えば、しっかり唇を引き結んでいる。きっかけを探っているのだろうか。沈黙が重い。<br>　ユノに会ったら怒鳴り散らしてやるつもりだったけれど、全裸を見せられたせいで、すっかり勢いがなくなってしまった。今も裸のようなものだけれど。<br>　よく鍛えられたユノの体はジェジュンから見ても羨ましいものだった。無駄に筋骨隆々じゃなくて、しなやかで引き締まった体。上半身よりも、下半身の筋肉が発達しているのは、ダンスのせいだろうか。と、あまりにも食い入るように見ていたようで、ユノの苦笑が聞こえてきた。<br>「あんまり見られると、恥ずかしいんだけど」<br>　そう言って眉を下げたユノを、ジェジュンは睨みつけた。<br>「だいたいさ、お前はなんで勝手に人んちの風呂に入ってるんだよ」<br>「寝汗かいちゃったみたいで」<br>「見ず知らずの他人だぞ！？」<br>「他人じゃないだろ？」<br>　ユノがスッとジェジュンを指差す。<br>「ジェジュン」<br>　それから、ジェジュンに向けてた指を、ユノは自分へと向けた。<br>「ユノ。何回も会ってるじゃん俺たち。まぁ、この部屋の持ち主がジェジュンってのはびっくりしたけどな！」<br>　ダメだ。こいつは宇宙人だ。話がまるで通じない。<br>　ユノに抱いていたイメージが崩れつつあった。ジェジュンがイメージしていたユノは、もっと寡黙で、自分が納得しないと何度でもリテイクを要求する、そんな真面目な男だったはずだ。なにが愉しいのか、目の前でヘラヘラ笑う男じゃなかった。仕事を蔑にするやつでもなかった。<br>「そうだ！　仕事だ！！」<br>　途中で抜けてきてまで自宅に戻ってきた訳を思い出し、「早く電話しろ！」と、ユノに詰め寄る。<br>「お前がいなくなったって、事務所が大騒ぎしてるんだよ！」<br>「――ケータイどっかに落とした」<br>　事の重大さを分かっているのかいないのか。ユノはペットボトルにのんびりと口をつけて、あくまでマイペースだ。<br>「馬鹿か、早く電話しろ」<br>　ジェジュンが嫌々ながら自分のケータイを貸しても、「事務所の番号わかんない」と言い、チャンミンってヤツに電話しろ、と言っても、「チャンミンの番号も覚えてない」と、首を振った。<br>　ため息が出そうになるのをどうにか堪えて、ジェジュンはユノの事務所のホームページから問い合わせ窓口の番号を見つけて手早く入力する。それから、ユノに電話を渡した。<br>　ユノがマネージャーらしき人の名前を告げる。どうやらユノ本人かどうか疑われているようで、長い保留音のあと、ようやく繋がった相手にこっぴどく怒られていた。<br>　仕事に穴をあけて、他の共演者に迷惑をかけたのだから当然だろう。ジェジュンがコーヒーを淹れてるあいだ、延々と小言を言われてたらしく、電話が終わってからも暫くは項垂れていた。<br>「わかったか酔っ払い。もう二度と酒のむなよ」<br>　ジェジュンの追い打ちに、ユノは益々小さくなった。そして「ジェジュンにも迷惑かけたんだな、すまん」と、消え入りそうな声で呟き、もう一度「ごめん」と言った。<br><br>　そう素直に謝られたら「いいよ、もう」と言うしか、ジェジュンには出来なかった。<br>　嫌いな相手にも非情になりきれないのがジェジュンで、それは自分でも自覚があった。どんなに足掻いても人の目を気にしてしまう。人にどう思われているのか、いい評価を得ようと他人の求める自分を演じて、他人が納得する答えばかりを口にする。社会で人と関わって生きてゆくには必要だけれど、アーティストにとっては欠陥とも言える。歌で自分を表現しきれないのが歯痒い。けれど、求められることをやっていれば、一定の好評価を得られる。<br>　ユノはどうなのだろうか。本当に自由に歌って、踊っているのか。訊いてみたかったけれど、ユノはおもむろに立ちあがると「着替えてくる」と、バスルームに行ってしまった。<br>　ようやく帰るんだな、と、ぼんやり思った。<br>　<br><br><br>　<br>　<br>　<br><br>　<br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br></font>
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<link>https://ameblo.jp/kokihi0610/entry-11905382370.html</link>
<pubDate>Tue, 05 Aug 2014 21:36:18 +0900</pubDate>
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