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<title>ザ・ニューチャンネル</title>
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<description>１００話で終了。ほぼ読み切り短編</description>
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<title>顕微鏡 -2-</title>
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<![CDATA[ <font size="2">「そういえば小学生の頃、一緒に顕微鏡覗いた事あったよね<br>あの時の、あの動いてたのって何だったんだろうね」<br><br>北原さんが小学校時代の出来事を覚えていて<br>且つ精子を覗いていた事に気づいていない場合<br>彼女からこんなコメントが発せられるだろう<br>もしその会話を周りの奴らに聞かれたら終わりだ<br>僕はそんな事で頭がいっぱいだった<br>授業では先生が今回の実験内容を説明している<br>しかし先生の話など全く頭に入らなかった<br>「どうしよう…バレたら恥ずかしすぎる」<br>心臓がバクバクと鳴った<br><br>気がつくと、周りの皆が動き出した<br>どうやら先生の説明が終わり<br>各自２人一組になって顕微鏡を覗く事になったらしい<br>奇しくも僕のペアは北原さんだった<br>まるでこうなる事が運命づけられたかのような偶然に僕は気持ち悪さを覚えた<br>「ごめん、俺先生の話全然聞いてなかった、何するんだっけ？」<br>北原さんと精子の事ばかり考えていた僕は<br>本当に先生の話を何も聞いていなかったので、北原さんに打ち明けた<br>「この綿棒で口の中の皮取って、それを顕微鏡で見るんだって」<br>北原さんは教えてくれた<br>綿棒で自分の皮を取るのをどちらがやるかはジャンケンの結果、北原さんがやる事になった<br>北原さんは口の中の頬の部分を綿棒で擦った<br>何度か挑戦した結果、薄い皮を取る事に成功し<br>それをプレパラートにセットした<br><br>「そういえば、前も顕微鏡見たよね」<br>そのセリフがいつ飛び出してくるのか<br>僕はドキドキしながら北原さんの作業を見守った<br><br>プレパラートのセッティングを終え<br>顕微鏡を覗き込んだ北原さんは<br>「教科書通りだね」と言って<br>教科書に乗っている人間の細胞の写真と<br>今自分が覗いているものが一緒である事を僕に言った<br><br>僕はホッとした<br>たぶん北原さんはあの時見たものが精子だと分かっている<br>でも、その事は言わないだろう<br>僕はそんな気がした<br>一安心だ<br><br>「俺にも見せて」<br>緊張がほぐれた僕は北原さんに言って<br>顕微鏡を覗かせてもらった<br>確かにそこには教科書で見た通りのものが映っていた<br>「これが細胞か～」<br>別に細胞なんてどうでも良かったが<br>僕は安堵感から調子に乗ってそんな事を口走った<br><br>すると<br>顕微鏡の視界を何かが横切った<br>僕はビクッとして全身が硬直した<br>一瞬だったがそれが何なのかはすぐに分かった<br>何故なら小学校の時に北原さんと見たものと同じだったからだ<br><br>僕は思わず「バレる！」と思った<br>さっきまで何度も何度もフラッシュバックした<br>小学校の時に見た顕微鏡のあの映像と同じものが<br>今、目の前に映っている<br>頭が真っ白になった<br><br>「どしたの？」<br>北原さんが話しかけてきた<br>僕はハッと我に返って「教科書通りだね」と返した<br>こうして理科の授業は終わった<br><br>その日の帰り道<br>僕はやっと違和感に気づいた<br>あれは北原さんの細胞のはずだよな？<br>北原さんの口の中の皮を見ていたのに<br>何で精子が見えたんだろう？<br><br>その謎が解けたのは<br>僕が高校生になった頃だった</font>
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<pubDate>Sun, 02 Mar 2014 05:45:57 +0900</pubDate>
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<title>顕微鏡 -1-</title>
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<![CDATA[ <font size="2">小学校低学年の頃<br>ある日、父が顕微鏡を買って来た<br>なんでも近所の商店街でたまたま安く売っていたので買ったのだそうだ<br><br>当時の僕は、その物珍しさから<br>いろいろなものを顕微鏡で覗いた<br>何を見たのかはあまり覚えていないが<br>たしか髪の毛や植物の葉なんかを見た気がする<br>ミクロの世界に対する僕のはしゃぎ様は数日間続いた<br><br>それから数日後<br>何人かのクラスメイトと僕の家で遊んでいた時の事<br>初めて僕の家に来た北原さんが<br>我が家の顕微鏡に興味を示した<br>北原さんは当時、僕と同じクラスの女子で<br>何故あの時、北原さんが家に来ていたのか<br>理由は覚えていない<br><br>「中見てもいい？」<br>北原さんは顕微鏡を覗きたいと僕に言って来た<br>「いいけど、たぶん何も見えないと思うよ」僕は答えた<br>北原さんは「ふ～ん」と言って顕微鏡を覗き込む<br>すると<br>「わ、何か動いてる」と北原さんは驚いた<br>何も無いと思っていたその顕微鏡には<br>確かにプレパラートがセットされており<br>どうやら誰かが何かを見ようとした後のものだったようだ<br>僕は「ちょっと見せて」と北原さんに言って顕微鏡を覗いた<br>するとそこには確かに丸い物が動いていた<br>小学校低学年の頃の出来事だ<br><br><br>中学２年になった今なら分かる<br>あれは精子だ<br>たぶん父が自分の精子を顕微鏡で見たのだろう<br>幸い、あの時は精子とは分からず<br>北原さんとは「何だろうね、これ」で終わったし<br>北原さん以外のクラスメイトはファミコンに夢中で顕微鏡は見ていない<br>つまり、僕と北原さんしか知らない出来事だ<br><br>北原さんはあの時の事を覚えているだろうか<br>もし覚えていたら、おそらく精子という事には気づいているだろうか<br>一番最悪なのは<br>顕微鏡を覗いた事は覚えているが、あれが精子だとは気づいていないという事だ<br>何故なら今、理科の授業で理科室に来ており<br>今日の授業内容は顕微鏡を使う<br>奇しくも中学２年の今<br>北原さんと僕は同じクラスの同じ班だ</font>
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<link>https://ameblo.jp/korepaika/entry-11785213351.html</link>
<pubDate>Sun, 02 Mar 2014 05:45:02 +0900</pubDate>
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<title>正体</title>
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<![CDATA[ <font size="2">僕は真面目にやってるのに<br>ふざけてると思われる<br><br><br>僕は真面目にやってるのに<br>ふざけてると思われる<br><br><br>僕は真面目にやってるのに<br>ふざけてると思われる<br><br><br>僕は真面目にやってるのに<br>ふざけてると思われる<br><br><br>僕は真面目にやってるのに<br>ふざけてると思われる<br><br><br>公衆便所の大便の壁には<br>クソみたいな奴の主張が<br>５cm間隔で書きなぐられていた<br><br><br>俺はその文章をまるで何かの記号を見るかの様にただボーッと眺めた<br>たとえ辛い事があったとしても<br>便所にラクガキする発想しか浮かばない奴に<br>何の感情も湧かなかった<br>こんなウンコを出すだけの場所でしか主張できない奴の言葉なんてどうでもいい<br><br>「ふう～」<br>ため息をついた俺はふと<br>高校時代の田代の事を思い出していた<br><br><br>高２の頃「便所に面白い事を書いた紙が落ちている」<br>という事が俺達のクラスの間で話題になった<br>男子便所の中に不定期でノートの切れ端が落ちてあり<br>その文章が凄く面白かったのだ<br>実はもっと前からその紙を見た事があるという奴も数人いたが<br>クラスの中で一番うるさい本城という奴がその紙を見つけた時に<br>本城がクラス中に広めて話題になった<br>それからというもの俺達のクラスでは<br>そのネタを楽しみしするようになり<br>クラスの誰かが便所に行ってその紙を発見した時は<br>「新作が出てたぞー」と言いながら持って帰ってきていた<br>そのネタはクラス中の奴がまわし読みされ<br>男子も女子も皆読んでいた<br><br>ある日、新ネタの紙を他のクラスの奴に先に発見された事があった<br>２年の男子便所に不定期で落ちている訳だから<br>他のクラスの奴でも当然拾う事が出来たのだ<br>だが、その時は本城と数人の男子が拾った奴の所へ行き<br>頼み込んで譲ってもらっていた<br>その時はもうクラス中がその不定期連載の読者になっていた<br>そしてあまりの面白さに、俺達のクラスの壁には<br>歴代のネタが貼られるようになった<br>今までの紙を本城が管理していたらしい<br>他のクラスの奴がうちのクラスに来た時には必ずその壁を見ていたし<br>今までのネタを読む為だけにうちのクラスに来る奴も珍しくなかった<br><br>そしていつの間にか<br>「あのネタは誰が書いてるんだろう？」という疑問が沸き起こった<br>おそらくこの学校の２年の男子だとは思うが<br>作者の存在だけは謎だった<br><br>そこで何故か俺は友達の佐藤と山田を誘って<br>作者が誰なのかを探そうとした<br>言い出したのは俺だったが<br>一番やる気があったのは佐藤だったと思う<br>佐藤は「あのネタのここがセンスがいい」とかなんとか言っていた<br><br>俺達の中で「作者はおそらく暗い奴だろう」というあたりをつけた<br>理由は、もし明るい奴だったらネタを書いた紙を便所に置くというような事はしないだろうし<br>これだけ話題になっても自分が書いたと名乗り出ない時点で引っ込み思案な奴に違いないと思ったのと<br>前にテレビでお笑い芸人の人が「芸人は暗い奴が多い」とも言っていたからだ<br><br><br>そこで俺達は<br>休み時間に誰とも話していない静かな奴に<br>片っ端から聞いてみる事にした<br><br>だが結果は「俺じゃない」という返事しか得られなかった<br><br><br>次に俺達は休み時間に寝てる奴を調べる事にした<br>佐藤曰く「アレだけのネタを考えるには１人で集中しないといけないから、一見寝てると見せかけて起きてる奴が怪しい、寝たふりをしてずっとネタを考えるに違いない」とのことだった<br>だがこれも結果は同じだった<br><br>これに関しては本当に寝てるだけの奴が殆どだったのだが<br>１人だけ「寝たふりをしていた奴」に出会った時があった<br>その時はついに作者を見つけたと思ったのだが、理由を聞いてみると<br>「寝たフリをしていると、たまに女子のお尻が肘に当たるから」という<br>しょうもない理由だった<br><br><br>今度は「休み時間に１人で行動している奴が怪しい」<br>という事になったので、そんな奴がいないか探してみると<br>休み時間に階段付近をうろうろしたり、用事もなのに階段を上ったり降りたりしている奴がいた<br>だが結局は「スカートが短い女子が階段を上ると、たまにパンツが見えるから」<br>というこれまたしょうもない理由だった<br><br><br>結局、誰に聞いても分からずじまいで<br>俺達のプロジェクトは解散した<br><br><br>また、不定期で便所に落ちていたネタも<br>徐々にペースが落ちていき<br>いつの間にか連載は終了した<br>それに伴い「作者は誰なんだろう」という俺の疑問も<br>いつの間にか薄れていった<br><br><br>だが、高校３年になって<br>俺は思わぬ形で有力な情報を耳にした<br>それは作者探しの時に話しかけていた津田という奴が<br>たまたま俺の隣の席にいた事から始まった<br><br>津田は高２の時も同じクラスだったが、暗くて普段は誰とも喋らないような奴で<br>作者探しの時に俺は初めて津田としゃべったくらいだった<br>なので３年になって席が隣になってからも<br>俺は津田と会話する事は無かったのだが<br>ある日偶然、２年の時の作者探しの話になり<br>「結局、作者見つかったの？」と津田は俺に聞いてきた<br>「いや、ダメだった」俺は津田に返した<br><br>少しの沈黙の後<br>「あの時、お前誰が作者だと思う？って聞かれなかったから答えなかったけど、たぶん作者は田代君だと思うよ」と津田は言った<br>田代は高２の時に同じクラスだった奴で、明るくはないが暗くもない普通の奴だった<br>クラスの誰とでも話そうと思えば話せるような奴だったが<br>いつも２～３人の友達といるような奴で目立つ感じではなかった<br><br>津田からその話を聞いた時の俺は<br>もう作者が誰なのか、それ程知りたいという感じでもなかったが<br>田代が作者というのは意外だった<br>それは「あれだけ苦労して探した割には達成感の湧かない答え」でもあった<br><br>「なんで田代だと思うの？」と理由を聞いてみると<br>津田は高２の時、教室でうるさくする本城やその他の男子が目立とうとして発する言葉を<br>何も面白いと思っていなかったらしい。むしろつまらない事を大きな声で発して<br>しかもそれに笑っている奴らが嫌だった<br>だが、田代の言う事だけは面白すぎて笑いを堪えるのが大変だったらしい<br>田代は津田に聞こえるように話してはいないので、津田は盗み聞きしてると思われるのが嫌で<br>必死に表情を変えない様に頑張っていたが、堪えるのが本当に大変だったと言った<br>そして津田は<br>「俺みたいに暗い奴はたぶん、全員田代君が作者だと思ってるよ」と言った<br><br><br>だが、その時の事は結局誰にも言わなかった<br>佐藤にも山田にも言わなかったし<br>田代本人にも聞かなかった<br>だた、高２の時の作者探しで話しかけた暗い奴に会った時に<br>「あの時の作者って結局誰だと思う？」という質問をしてみたら<br>皆が「田代」と答えていた<br>俺はその気になれば田代にその事を聞くことも出来たが<br>なぜか聞かないまま卒業した<br><br><br>それから１０年くらい経って<br>高校の時のいくつかのクラスが合同で同窓会をしようという事になり<br>そこで久しぶりに田代に出会った<br>田代は今では建築関係の仕事をしているらしい<br>飲み会が２時間くらい経過し<br>周りの皆が酔っぱらってきて席を移動したりなんだりで<br>気がつくと俺は田代と佐藤とあと誰か分からない奴４人で飲んでいた<br><br>そして誰か分からない奴が完全に寝てしまい<br>佐藤がトイレ行くと席を立ったので<br>俺と田代が２人だけになった<br><br>そこで俺は田代にあの事を聞いてみることにした<br>「高２の時のトイレに落ちてたネタって田代が書いてたの？」<br><br><br><br><br><br>「そうだよ」<br>と田代は言った</font>
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<link>https://ameblo.jp/korepaika/entry-11603013884.html</link>
<pubDate>Fri, 30 Aug 2013 14:55:40 +0900</pubDate>
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<title>１時か２時か分からない時計</title>
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<![CDATA[ <font size="2">その時計はとても素晴らしいデザインをしていた<br>ただ、何時なのかが分からない時計だった<br>指している針が１時にも見えるし２時にも見える<br>でも結局どこを指しているのか分からない<br>そんな時計だった<br>なので売れなかった<br>その時計を一目見た人は皆足を止めたが<br>何時なのかが分からないので<br>買うのをやめていった<br><br>ただデザインが素晴らしかったので<br>十数年後、その時計はアートと呼ばれるようになった<br><br><br>「実はこれは無人島へ行く人の為に作られた時計だった<br>なのでわざと何時なのか分からない作りになっているのだ<br>「だいたいこれくらいの時間」というだけが知れる作りが<br>時間に縛られる現代社会へのアンチテーゼなのだ<br>世界で初めて作られた無人島専用腕時計だ」<br>そう呼ばれた<br><br><br>この時計がアートと呼ばれる頃には<br>時計を作った作者は他界していたので<br>作者本人が実際の所、どのような気持ちでこの時計を作ったのかは分からない<br><br><br>なので数年後<br>この時計の解釈はまた違ったものになっていた<br><br>「この時計は１秒も狂わない<br>１秒も狂わず何時だかわからない時計を作るのは本当に難しい技術だ<br>最高の技術と最高の遊び心が生んだアートなんだ」<br>そんな解釈へと変わっていた<br><br><br>だが、そのさらに数年後には<br>「この時計のデザインは確かにすばらしい<br>だが時計としての機能は０点だ<br>これは人間にも言える事で<br>いくら見た目だけ美しくても、中身の無い人がいる<br>見た目ばかり着飾るんじゃなくて<br>大事なのは中身だと<br>そして、しっかりとした方角を目指せ<br>という作者のメッセージだ」<br>と説明されるようになった<br><br><br>そのまた数年後には<br>「これは時計じゃない<br>何時を指しているかなんてどうでもいい<br>だが作者はこのデザインを思いついてしまった<br>なのでその瞬間から作るしかなくなってしまった<br>そんな時計なのだ<br>何時かなんてどうでもよくて<br>このデザインこそが素晴らしく<br>それは、時計自体の機能を無視してでも<br>腕につける価値のあるデザインなのだ」<br>と言われるようになった<br><br><br>こんな説もある<br>「作者の友人に、とてもいい加減な奴がいた<br>彼は何もかもが曖昧ではっきりしない奴だった<br>そんな彼の誕生日プレゼントに作者が作ったのがこの時計で<br>「君みたいでいいだろ？」とプレゼントした」<br>というものだった<br><br><br>とにかく解釈が替わる時計だ<br>作者がもう亡くなっているので実際の所は分からない<br>そして今ではもう<br>「解釈は何でもよい」<br>という事になっている<br>「作者がどう思っていたのか」<br>その正解は作者の中にしかない<br>でも本当の正解は<br>この時計を見て何かを感じた人それぞれの中に<br>その人にしか当てはまらない<br>その人の正解として存在している<br>だから解釈はなんでもよいという事になった<br><br><br>ただ、この時計を見て<br>何も感じないという人がいたら<br>それは一番悲しい事だ</font>
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<pubDate>Wed, 28 Aug 2013 04:19:19 +0900</pubDate>
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<title>あの娘のバースデイ -FINAL-</title>
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<![CDATA[ <font size="2">中１の夏、中村と小島さんは同じクラスで席が隣同士だった<br>中村とは小学校４年の頃からの友達だったので<br>中１の頃は休み時間になると<br>僕が中村のクラスまで会いに行っていた<br>なので小島さんの事はその頃からなんとなく知っていた<br><br>ある日、いつものように休み時間中に中村と教室でしゃべっていたら<br>小島さんの机に蜘蛛がいる事に気づいた<br>中村は話に夢中でまだ気づいていなかったし<br>小島さんも机から教科書を出している途中だったので、まだ気づいていなかった<br>僕だけが気づいていたが、その時は中村と会話をしていたという事もあって、小島さんの机をトコトコと歩く蜘蛛を何となく見ているだけだった<br><br>すると小島さんが蜘蛛の存在に気づき<br>声には出していなかったが”あっ”という表情をするやいなや<br>その蜘蛛を優しくつまんで窓の外に投げた<br>１学年の教室は１階なので蜘蛛は死ななかったと思う<br>とっさに僕は小島さんに「蜘蛛、嫌じゃないの？」と聞いてしまった<br>小島さんは「うん、ただの虫じゃん」と言った<br>この会話が小島さんと初めてした会話だ<br><br>その時は特に何も思わなかったが<br>休み時間が終わり、次の授業を受けている間<br>さっきの小島さんの行動を思い返して<br>「たぶん、普通の女子だったら”ヤダー蜘蛛”とかいって騒いだだろうな」と思い<br>大人しそうに見えて、肝が据わった感じと<br>蜘蛛を殺さない様に優しくつまんでいたのが凄くいいなと思った<br><br>次の日から、休み時間に中村に会いにいく度に<br>小島さんを見る様になり<br>いつの間にか好きになっていた<br><br>もし小島さんが「男子だったら誰でもいいからアソコを見せてほしい」と思っているなら力になりたい<br>僕のでよければ見せてあげたい<br>いや僕が見せたい<br>見せる役は僕がやりたい<br>アソコを見せて小島さんの喜ぶ顔が見たい<br><br>アソコを見せるなら、今週の誕生日がいいな<br><br>もし小島さんに好きな人がいて<br>「初めて見るのは、その人のがいい」と<br>心に決めてる人がいたら<br>僕はショックだな<br><br>もう毎日、小島さんの事を考えている<br><br><br><br>次の日、思い切って中村に頼んでみた<br>「もし、小島の為にアソコ見せてもいいよって奴がいたら、見たい？」と聞いてほしいと<br><br>その日の帰り道<br>「見たいって」<br>と中村が言った。その答えを期待していたはずなのに僕は驚いて<br>まるで告白に成功したかのように喜んだ<br>そして「金曜の放課後にしようよ」と中村が言った<br>その日は小島さんの誕生日だった<br><br><br>小島さんにアソコを見せる事が決まってから<br>金曜日が来るまでの間いろいろな事を考えた<br>放課後、小島さんと会ってからアソコを見せるまでを何度も頭の中でシミュレーションした<br>何か言った方がいいのかな？<br>告白した方がいいかな？<br>それとも告白されるのは向こうにも迷惑かな？<br>だったら「別に、頼まれたから見せにきた」みたいな感じがいいかな？<br><br>金曜日の誕生日に僕が見せるアソコが<br>小島さんにとって生まれて初めて見る男子のアソコだ<br>男子のアソコは微妙に人それぞれ違うけど<br>僕のアソコが小島さんにとってスタンダードな形になる<br>男子みんなが僕みたいなアソコなんだと思うかな？<br>僕のでも大丈夫だよな<br>緊張して縮こまってたら嫌だな<br><br>小島さん…<br>小島さん……<br><br><br>小島さんを好きになってから今日までの日の事や<br>とにかくいろんな事を考えた<br><br><br><br><br>金曜日<br><br><br>小島さん１４歳の誕生日の今日<br>アソコを見せるのは放課後の体育館裏に決った<br>この学校で誰も訪れない場所はここしかない<br>ここは外からも木に覆われて見えないし<br>ここに来るには鉄板の敷かれた道を通らなくてはいけないから<br>万が一、他の人が来たとしてもガシャガシャという足音ですぐに分かる<br><br>今日は朝からずっと小島さんにアソコを見せる事だけを考えた<br>授業は何も耳に入ってこなかった<br>休み時間は自分の席に座ったまま過ごした<br>教室の外に出てしまうと、小島さんと会ってしまうかもしれないからだ<br>いつもは少しでも小島さんに会える可能性があれば、どこにだって行く僕だが<br>今日ばかりは動けなかった<br><br>休み時間に一度だけ、トイレに行こうと教室を出ると中村がいた<br>「一応、お前が見せるって事だけは伝えてあるから」と中村は僕に教えてくれた<br>「何か言ってた？」と僕が聞くと<br>「「わかった」って言ってた」と言った<br>アソコを見せるのが僕だと分かっても、小島さんは拒否をしなかったという事は<br>少なくとも、僕の事が嫌いという訳ではないという事が分かりホッとした<br><br><br><br>そして放課後<br>僕は体育館裏へ向かった<br>帰りのホームルームが終わったのは僕のクラスが一番早かったようで<br>僕は一目散に教室を出て、まだ誰もいない廊下を駆け抜けて来たので<br>体育館裏にはもちろん僕が先に着いた<br><br>誰もいない体育館裏で小島さんを待つ<br><br>１４年間、男のアソコを見た事がない彼女に<br>この後、僕が見せる<br><br>とその時<br>カン、カン、カン、カンと鉄板を静かに歩く音がした<br><br><br>小島さんがやってきた<br><br><br><br>小島さんは少し緊張した様子で<br>「何か、ごめんね」といった<br>僕は「いいよ」と言うのが精一杯で<br>それに続く言葉が出てこなかった<br><br>２人の間に一瞬だけ沈黙が流れたので<br>「じゃあ…」と僕が切り出してベルトに手をかけた<br>小島さんは「うん…」と言って僕の方に近づいて来た<br>出来る事ならこの緊迫した雰囲気を和らげたかった<br>別にいきなりアソコを見せなくても<br>何か気のきいた会話でもして小島さんを和ませてあげたかった<br>心の中で「ちくしょう」と思い<br>僕はズボンとパンツを同時に脱いだ<br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br><br>小島さんは１mぐらいの所で足を止め、僕のアソコを見た<br><br><br>小島さんは無言で僕のアソコを見ている<br>実際には３分くらいだろうか？だが僕にはかなり長い時間に感じた<br>すると<br>「近くで見ていい？」と小島さんが聞いてきた<br>「いいよ」と僕は言うと<br>小島さんはかがんで僕のアソコまで近づいてきた<br><br><br><br>僕のアソコの目の前に小島さんの顔がある<br><br>その状態で数分が経った<br>何だか僕の方が恥ずかしくて、小島さんを見る事が出来ない<br>さりげなくチラッと小島さんの顔を見て見ると<br>やはりジーッと僕のアソコを見ている<br>その表情からは、今までずっと見たいと思い続けてきた男子のアソコに対する気持ちと<br>やっと見れたという気持ちが入り交じっていた<br>それは、今日まで何度も小島さんの顔を見てきた僕も<br>初めて見る表情だった<br><br><br>「クシュン！」<br>途中、小島さんがクシャミをした<br>目に見えないくらいの微かなツバが僕のアソコにかかった<br>小島さんは「ごめん」と言ったが<br>僕は嬉しかった<br><br><br><br>小島さんにアソコを見せてからどれくらいの時間が経っただろうか<br>僕も見られることに慣れてきたので、小島さんの顔を見つめた<br>こんなに近くで彼女の顔を見るのは初めてだった<br>僕はアソコを見せながら「小島さん、可愛いな」と改めて思った<br><br><br><br><br>とその時、１匹の蚊が僕のアソコにとまった<br>小島さんは「あっ」と言って人差し指の腹でその蚊を弾いた<br>とっさの事に僕は「わっ」と言ってしまった<br>小島さんは「虫じゃん」と言った<br><br></font>
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<link>https://ameblo.jp/korepaika/entry-11600630046.html</link>
<pubDate>Tue, 27 Aug 2013 02:57:26 +0900</pubDate>
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<title>あの娘のバースデイ -1-</title>
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<![CDATA[ <font size="2">「僕の彼女は肉食女子なのですが<br>彼女がいつも迫ってくるので困っています…」<br><br>深夜ラジオからは少しHな悩み相談が流れている<br><br>その中で僕は小島さんの事を考えていた<br>小島さんは僕と同じ中２の女子で<br>まだ一度も同じクラスになった事はないが<br>中１の頃からずっと好きな人だ<br><br>僕の友達の中村は<br>僕が小島さんを好きな事を唯一知っていて<br>小島さんと同じクラスなので<br>僕達はいつも下校の時に小島さんの話をしながら帰っている<br>中村は小島さんの事を好きな訳でなはいが<br>比較的仲が良いので<br>僕は中村によく小島さんの質問をしていた<br>そこで最近よく話す話題は<br>小島さんは１４年間生きてきて一度も<br>男のアソコを見た事が無いという事だ<br><br>小島さんの家は母子家庭でお母さんと小島さんの２人で暮らしている<br>なので小島さんは男の人のアソコを一度も見た事が無いというのだ<br>そして中学に入ってから、小島さんの中で男のアソコに対する疑問はどんどん膨んでいき<br>中村にいろいろと質問してくるそうなのだ<br><br>「よくテレビとかマンガでポロリすると<br>女の人が手で目を隠してるけど<br>あれは何で見ないようにしてるの？」<br>「気持ち悪いものなの？」<br>「見てらんないってこと？」<br>「日常で目を背けるものって例えばハトの死体とかを想像するけど男の人のアソコってそれぐらいグロいものなの？」<br>「よく男の人のアソコをバナナに見立るけど<br>バナナは別に気持ち悪くないじゃん」と言うらしい<br>中村は「上手く答えらんないよね」と言っていた<br><br>この前、僕は中村に頼んで<br>小島さんに「今までインターネットで男のアソコを検索した事は無いのか」という事と<br>「犬のチンチンを見た事は無いか」という事を質問してもらったが<br>「両方ともまだ怖くて出来ない」という事らしく<br>どうやら男のアソコを写真ですら見た事が無く<br>ソレに近いものも見ていないらしい<br><br><br>さらに中村は今日、新たな情報を僕にくれた<br><br><br>小島さんは男のアソコを見たら<br>自分の中で劇的な変化が訪れて<br>何かが変わると思っているらしい<br><br>そして<br>「今週、小島さんの誕生日だよ」<br>という事も教えてくれた</font>
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<pubDate>Mon, 26 Aug 2013 14:25:03 +0900</pubDate>
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<title>ウワサを流すバイト</title>
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<![CDATA[ <font size="2">好きなテレビ番組、おもしろいマンガ、最近ハマっている歌、好きなアーティスト、<br>好きなタレント、つい買ってしまうお菓子、好きな洋服、よく行く場所…<br><br>それら企業があの手この手で宣伝しているモノを<br>口コミで宣伝するバイトが存在する<br><br>例えばカフェでたまたま近くの席に座っていた男２人組が<br>新発売の飲料水の話をしていたとして、その飲料水がいかに美味いかという話を<br>永遠としていたら、あなたは「今度買ってみようかな」と思わないだろうか？<br><br>彼らの話を聞いた人は実際に商品を買うかもしれないし<br>買わなかったとしても「あの飲み物はいいらしい」と誰かに言うかもしれない<br>CMや街の看板に多額の広告料を支払うよりも<br>こうしたウワサ話を上手に広めてくれる人によって<br>消費者を徐々に獲得していく<br>このバイトはインターネットで検索しても姿を表さないし<br>企業側も仕事を依頼している事が世間に知られると<br>マイナスイメージになりかねない為<br>都市伝説の様な存在だった<br>昨日までは<br><br><br>僕は今日<br>ウワサを流すバイトをしているであろう女性２人組に遭遇してしまった<br>さっき乗った電車の中にいたその２人組は<br>いろいろなモノのウワサ話をずっとしていた<br><br>「○○って知ってる？」と片方が切り出すと<br>もう片方は「何それ？知らない」か「実はそれ超気になってた」などの設定で聞き役に徹し<br>話が一通り終わると次は「じゃあこれ知ってる？」と聞き役だった方が切り出す<br>このように自分のハマっているモノの話を交互に繰り出していた<br><br>彼女らは終始、いろいろなモノの魅力について語り合っていた<br>その中で相手の意見を一切否定しなかった事から<br>恐らくPRする商品が決まっていて<br>聞いてる人にマイナスイメージを与てはならない決まりなのだろうと<br>僕は見破った<br><br><br>電車が終点の駅に着き<br>乗客は全員電車から降りた<br>その勢いで僕は彼女らの後をつけた<br>この２人の後をつければ<br>ウワサを流すバイトの本部へとたどり着けるかもしれないと思ったからだ<br><br>２人の後をつけながら僕は<br>彼女らがウワサ流しバイトの人達だという決定的な証拠が欲しかった<br>おそらく、１日のうちに話す商品のノルマがあるに違いないから<br>彼女達がさっき電車の中でしていた会話を<br>場所を変えてもう一度話すような事があったら黒だ<br>そう思っていた<br><br>ウワサ流しの疑いがある２人はファーストフード店に入り<br>ランチタイムで賑わう２階席に着くなり、再びしゃべり始めた<br><br><br>「ねぇねぇ、さっきの映画の話もう一回聞かせて」<br>髪の短い方が切り出した<br>「え～面倒くさいよ～」<br>聞かれた髪の長い方は本当に若干面倒くさそうだったが<br>最近公開したばかりの新作映画の話をもう一度始めた<br><br>これは巧妙な入り方だ<br>本日２回目のウワサ流しをしているのか<br>それともショートヘアの方が単純にバカなのか<br>ロングヘアの人の話は最初は面倒くさそうであったが<br>徐々にヒートアップしていき、その商品の魅力を畳み掛けるように話しだした<br><br><br>彼女達を見ていて思ったのは<br>同じ話を１日に何回もするのは大変だが<br>聞く方も本当にその商品の魅力を理解している新鮮リアクションをしなければならない大変さがあるという事だ<br>商品の魅力を伝える話術とその魅力を縁取るかのようなリアクション<br>何より他人の会話に聞き耳を立てて聞いてしまう程のクオリティが必要不可欠なのだ<br><br>また、ロングヘアの女性が今話している内容は<br>さっきと同じ映画の話をしているはずなのに<br>電車の中で聞いた話とは違うものになっていた<br>若干構成を変えたり、たまに自分の身の上話を入れたり<br>かと思えば商品の魅力を語る本筋は逃さないという絶妙な脱線具合だった<br>僕は小一時間前にその映画の話を聞いていたからこそ分かったが<br>それはショートヘアの彼女に新鮮なリアクションをとって貰う為にされた工夫だったのだ<br>僕ももちろん映画の話を聞くのは２回目なのだが、全く飽きる事なく彼女の話を聞いてしまった<br>１つの話を１日に何度も面白くしゃべる技術<br>その辺の素人には不可能な芸当だ<br>そして話しの最中、ショートヘアの彼女は絶妙なタイミングで<br>「え～超面白そう！」「うわ～見たい、絶対見に行こう～」と抜群のリアクションを見せた<br>ロングヘアの彼女のコメントにかぶらない様に<br>会話の隙間に綺麗に収まるピッタリのサイズで入っていた<br>彼女のリアクションのお陰で<br>聞き耳を立てる取り巻きは増えたんじゃないかと思う<br>リスナーが増えて来た所で<br>「それどういう事？」と映画の内容をさりげなくおさらいしたりもしていた<br>気がつくと２階席は彼女達の話し声しかしなくなっていた<br>全ての客が彼女達の会話に聞き耳を立てていた証拠であった<br><br>彼女達がウワサ流しの人達かどうかなんていう疑問は<br>当たり前のように、あっという間に解決した<br><br><br>ロングヘアの映画の話が終わったと同時に<br>「へ～じゃあ今度見てみるわ」と<br>ショートヘアは最後に携帯をいじりながら若干気持ちが入ってない言い方で言った<br>その事に対してロングヘアが<br>「あんたが話せっつったからしてんのに、何？その態度」と怒りだした<br>ショートヘアは「ごめん」と謝っていたが<br>ロングヘアは帰ってしまった<br><br>もう僕には分かる<br>きっと僕につけられてると事に気づいたので<br>一旦わざとバラバラになったのだ</font>
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<pubDate>Sun, 25 Aug 2013 06:53:41 +0900</pubDate>
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<title>真二のゲロ</title>
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<![CDATA[ <font size="2">「ゲロ吐いちゃった」<br>真二のいつものギャグだ<br>ギャグなので、もちろんゲロなんか吐いていない<br>いきなり「ゲロを吐いた」と言って<br>周りの人間から注目を浴びたい<br>ただそれだなのだ<br>いや、もしかしたら明確な理由などなく<br>ただやっているだけなのかもしれない<br>僕が真二のゲロのギャグを初めて見たのは４年前<br>小学５年生の時だ<br>たまたま授業中に言った「ヤッベー、ゲロ吐いちゃった」が<br>思いのほかウケた事に味をしめたのか<br>それ以来、毎日のように真二は架空のゲロを吐き続けている<br>今年で中２になってからもずっとだ<br>クラスメイト達はもう<br>真二のゲロに対して何のリアクションもしない<br>「ゲロ吐いちゃった」という言葉が聞こえて来ても<br>誰も真二の方を見たりはしない<br>ただ一人をのぞいて<br><br>「おい真二、またゲロ吐いたのかよ」<br>優一はゲロを吐いた真二に対してツッコんだ<br>真二のゲロに飽き飽きしているクラスメイトを尻目に<br>優一は毎日必ず真二のゲロにツッコんできた<br><br>優一と真二は友達ではない<br>同じクラスなので、教室内で会話する事はあっても<br>一緒に下校したり、遊んだりする仲ではなかった<br>なのに、何故か優一は真二のゲロに対して毎回反応していた<br>「もしかして優一にだけは真二のゲロが見えてんじゃねーの？」<br>周りのクラスメイトが不思議がる程<br>優一のリアクションは毎回新鮮だった<br>「優一っていい奴だよな」<br>いつの間にかこのクラスの中で優一の人気は上がっていった<br><br>その甲斐あってか<br>優一は２ヶ月後に開かれる<br>全クラス対抗の合唱コンクールの指揮者に選ばれた<br>理由は「面倒見が良くて、物事を途中で投げ出さなそうだから」<br>という事で、満場一致の決定だった<br><br>それからというもの、このクラスは毎日<br>帰りのホームルームの時間に必ず<br>合唱の練習をするようになった<br>もちろん指揮者は優一だ<br>始めは人気投票で選ばれたような優一だったが<br>もともと責任感が強かった彼は<br>指揮者の役を立派に勤め上げた<br>合唱に乗り気でない数人の男子をやる気にさせたり<br>言いにくい女子達のパートの歌い方の注意まで<br>優一は率先して行った<br>そんな優一の姿に応えるかのように<br>クラスの合唱はどんどん良くなっていった<br><br>「ゲロ吐いちゃった」<br>合唱の練習が終わった後、真二がギャグを発する<br>「歌ってる時、ずっと我慢してたのかよ！」と<br>優一がツッコむと、そのやりとりを見て<br>数人の生徒が笑うようになった<br>「我慢しなくていいよお前～」優一が架空のゲロを掃除しながら言った<br>このクラスが少しずつ良い方向に進んでいる<br>そう思わせる一面だった<br><br><br>合唱コンクールの日が近づくにつれ<br>練習にも緊張感が出て来た<br>クラスの合唱のレベルは音楽の授業で先生から<br>「このクラスの合唱が一番素晴らしい」と絶賛される程になっていた<br>確かに最近のこのクラスの合唱は良いと思う<br>正直、このクラスがまとまるとこんなにも凄いんだと驚いた<br>いつの間にか僕らはコンクールで金賞を目指すようになっていた<br><br><br>そしてコンクール当日<br>会場である体育館には合唱を披露する全校生徒と<br>親御さんなどお客さん達で満員となった<br><br>１年１組から順に合唱が披露されていく<br>僕たちのクラスは出番がくるまでの間も<br>あまり私語をせず、じっと待っていた<br>クラスの皆は緊張していた<br>おそらく普段通りの合唱が出来れば金賞は狙えるはずが<br>クラス皆が過度なプレッシャーを感じていた<br><br>そしていよいよ僕らの合唱まであと２組となり<br>僕らは舞台袖まで移動した<br><br><br>真っ暗な舞台袖で僕らは出番を待った<br>沢山の照明で照らされたステージから<br>微かに漏れる明かり以外は何も点いてない暗闇の中<br>クラスメイト達の顔はハッキリと認識出来なかったが<br>皆、緊張している事だけは分かった<br>と、その時<br>「ヤベ、ゲロ吐いちゃった」<br>真二がいつものギャグをやりだした<br>「お前、こんな時に何やってんだよ～」<br>すかさず優一が情けない声で真二を注意する<br>すると、今まで張りつめた緊張が一気に和んだ<br>「コイツのしょうもないギャクも、たまには役にたつんだな」<br>僕は内心ホッとしながらそう思った<br><br>そんな事を考えてたら<br>ついに僕らの出番がやって来た<br>僕らはステージへと歩き出し、それぞれ自分の立ち位置に着くと<br>指揮者である優一の方を見た<br>すると<br>暗闇の舞台袖では分からなかったが<br>優一はゲロまみれになっていた<br>優一の後ろ姿しか見えていない客席からは<br>まだ気づかれていないが<br>優一は全身にゲロを浴びていた<br>僕は声を出しそうになったが<br>周りのクラスメイト達は平然とし<br>暗黙の了解で歌が始まった<br>「誰一人欠ける事無く自分達の合唱をしよう」<br>そんな想いが僕らの歌声をより力強くした<br><br><br><br>歌が終わると<br>今日一番の拍手が沸き起こった<br>２ヶ月間の特訓の成果を賞賛するような<br>大きな大きな拍手だった<br><br><br>結果は銀賞<br>後で分かった事だが、金賞を逃した理由は<br>指揮者がお客さんに対してお辞儀をしなかったから<br>だそうだ<br></font>
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<link>https://ameblo.jp/korepaika/entry-11567427268.html</link>
<pubDate>Sat, 06 Jul 2013 12:45:14 +0900</pubDate>
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<title>見る男</title>
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<![CDATA[ <font size="2"><br><br><br>連休を利用してやって来た温泉の露天風呂で奇妙な光景を目にした<br>上下スーツ姿の男が遠くの景色を見つめて立っているのだ<br><br>風呂の掃除をしている訳でもなければ<br>足だけ温泉に浸かっている訳でもない<br>ここの温泉の従業員にしては不自然だ<br><br>周りの客達はその男は気に留めず<br>温泉に浸かったり体を洗ったりしている<br>その男はこの露天風呂の一部としてとけ込んでいるかのようだった<br><br>「ここで何をしているんですか？」<br>と、その男に聞いてみたかったが<br>その時は俺も１人だったので、思い切って聞く事が出来なかった<br>俺は周りの客に合わせるかのように<br>その男の事は無視して体を洗い始めた<br><br>一通り体を洗い終えた俺は温泉に浸かる事にした<br>湯船へと歩く間に例の男をチラ見したら<br>相変わらず男は遠くの景色を見ていた<br><br>温泉に浸かってみると<br>「あ～っ」と思わず声が出てしまう程、気持ちが良かった<br>ありきたりな表現だが、日頃の疲れが吹き飛ぶ様な瞬間だった<br>温泉の温度は少々熱めだが、外の外気が寒かったので丁度良かった<br>俺は胸元辺りまで浸かり、両腕を出して大きな石にもたれ掛かった状態で過ごした<br>この体勢から見える青空を見ながらボーッとしていると<br>気づけば露天風呂は俺と例のスーツの男だけになっていた<br><br>「一体あの男は何をしているんだろう…」<br>こうなったらその男が気になって仕方が無かった<br>男は相変わらず外の景色を見ている<br>「のぞきか？」とも思って男の見る方角を見てみたが<br>女風呂は無く、ただの自然溢れる景色だった<br><br>「野鳥の会の人だろうか…この場所でしか見れない鳥がいるとかで」<br>「もしかして刑事で、ずっと張り込み中なんじゃ…」<br>「そもそもこ温泉の人なのか？そうでなければどうやってこの露天風呂に忍び込んだんだ？」<br>その男に対するいろいろな妄想が俺の頭の中で駆け巡った<br><br>「もうちょっとしたら、この温泉を出よう、その前にこの男が何をしているのか聞いてみたい<br>どのタイミングで聞くのがいいだろうか、湯船から出る瞬間の帰り際に聞くのが一番自然だろう<br>だが、彼の答えが非常に興味深かった場合、さらにその話を聞いてみたくなってしまう<br>であれば、今ここで温泉に浸かりながらじっくり話を聞いた方がいいんじゃ…」<br><br>「危ないっ！」<br>とその時、その男がいきなり湯船に飛び込んで来た<br>ザバッと水しぶきが俺にかかる<br>一体何が起きたのか全く分からなかった<br><br>「いや～ビックリさせちゃってすみません」<br>男は立ち上がって俺に詫びて来た<br>手にはゴルフボールを持っていた<br>男の話によると、この温泉の隣にはゴルフ場があり<br>OBの球がよく飛んで来てしまうらしい<br>温泉宿の人間からすると迷惑な話だが<br>ゴルフをする為にここの温泉宿に宿泊する客が大半をしめている為<br>温泉宿の人間もあまり文句は言えないそうだ<br>OBの球が露天風呂に来てもいいようにネットを張ったらどうかというアイデアも出たが<br>それでは折角の露天風呂の景色が台無しになってしまうということで<br>この男が、いつOBの球が来てもいいように見張っているらしい<br><br>連休明けにこの話を会社の同僚何人かに話しみたが<br>あまり信じてもらえない</font>
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<pubDate>Mon, 20 May 2013 11:59:52 +0900</pubDate>
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<title>家族会議</title>
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<![CDATA[ <font size="2">急に父が「家族会議をしよう」と言ってきた<br>コミュニケーションが希薄になってきている現代では<br>仮面家族といって心が通わず体裁だけ取り繕った家族が存在するらしく<br>そんな事にならない為にも<br>普段思っている事、隠し事などあれば<br>正直に話そうというのだ<br><br>高校２年の俺は家族に内緒でバイトをしている<br>その時俺はバイトの事が父親にバレたんだと思った<br>家族会議なんて言っているが<br>要するにバイトを辞めさせて<br>今は受験の為に勉強を頑張らせようと<br>家族みんなで俺を説得させようって魂胆だ<br>その時はそう思った<br>だがそれは違った<br><br><br>家族会議が開かれ<br>父は既に会社をリストラされていて、<br>今では毎日パチンコで収入を得ている事<br><br>母は同年代のおばさん達とレディースの様なチームを作り<br>定期的に集会なんかを行っている事<br><br>姉は大学生をしながら洋服の転売のビジネスをしているらしく<br>月に何十万もの収入がある事が分かった<br><br>この家族会議によってそれぞれが普段隠している事を<br>思い思いに喋りだしたのだ<br>俺は驚きの連続で言葉を失った<br>何の変哲もないどこにでもいそうな普通の家族だとばかり思っていたのに<br>この人達は何なのだろう<br>というかこれでまた明日から普通の家族に戻れるのだろうか<br><br>「パチンコっていっても稼ぎは今の方があるんだよ」<br>何のフォローにもなってない事を父は言った<br>そんな事はいいから今すぐ働くべきだ<br><br>「私は自分がどれ程のモンかいける所まで突っ走りたい」<br>母は目を輝かせて言った<br>一体、母に何があったんだろう<br>いや、これが母の本当の姿なのかもしれない<br><br>姉は大学を辞めて起業するつもりだとか言っている<br><br>３人が各々の展望を語りだした<br>皆、相手の話を聞くというよりも<br>自分の言いたい事を言い合うという感じだった<br>俺はいろんな事にビックリしすぎて<br>自分がバイトをしている事を話すタイミングを失っていた<br>もはや俺のバイトの話なんて<br>この人達のカミングアウトに比べたら<br>屁みたいなものである<br>もはや思い切る必要の無い程レベルの低いカミングアウトだが<br>俺は自分の隠し事を言う事にした<br><br><br>「実は俺、クレープ屋でバイトしてるんだ」<br><br><br>「はぁ？」<br>何故か俺だけ否定された</font>
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<link>https://ameblo.jp/korepaika/entry-11480156455.html</link>
<pubDate>Thu, 28 Feb 2013 05:20:26 +0900</pubDate>
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