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<title>恋愛小説を君へ　～運命の絆を求めて～</title>
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<description>自作恋愛小説をUPしています</description>
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<title>お知らせ</title>
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<![CDATA[ <br><p><font size="3"><br></font></p><br><p><font size="3">皆さん、こんにちは。</font></p><p><font size="3">いつもご愛読やペタをありがとうございます(*- -)(*_ _)ﾍﾟｺﾘ</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">ご存知の方もいらっしゃると思いますが、僕は今イギリスの大学に留学中です。</font></p><p><font size="3">こちらは9月が新学期で、現在は学年末の時期です。</font></p><p><font size="3">こちらの大学は通常3年制で、その後大学院が1年(学部によっては2年もありますが)となっています。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">当初は大学だけで帰国する予定でしたが、日本では通常大学院が２年制であることを考え、このままこちらの大学院に進むことにしました。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">イギリスの大学院は大学の成績で入学を判断されますが、それは1年次から入学していた場合で、僕のように留学で途中編入という形式の場合は、英語力も含め、判定テストを受けなければなりません。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">そのテストが6月にあります。</font></p><p><font size="3">今は、そのテストの受験準備というところでしょうか。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">それで、そのテストが終わるまでの間、アメブロにはあまり来れなくなると思います。</font></p><p><font size="3">次の小説も書き始めたいと思っていたところだったのですが、更新が遅れそうなので、判定テストが落ち着くまで延期することにしました。</font></p><p><font size="3">楽しみにしていただいていた方には申し訳ありませんが、大学院に入学が決まったらまた書こうと思っていますので、その時はまたご愛読のほどよろしくお願いします。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">また、ペタにつきましてもお返しに行けないと思いますので、暫く閉鎖させていただきます。</font></p><p><font size="3">いつもペタをいただいておきながら、勝手を申しましてすみませんが、どうかご理解ください。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">それでは、暫くの間さよならですが、また落ち着いたら戻ってきますので、その時はよろしくお願いします。</font></p><p><font size="3">尚、過去の小説は閲覧自由ですので、まだお読みになっていない方は、よろしかったら読んでみてください。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">それでは、次にお会いできる日までお元気で・・・・</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">Kouki</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><br>
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<link>https://ameblo.jp/kouki914/entry-10257354593.html</link>
<pubDate>Sat, 09 May 2009 00:11:39 +0900</pubDate>
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<title>紺碧の絆-あとがき</title>
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<![CDATA[ <br><p><font size="4"><strong><font size="5">紺碧の絆</font><br></strong></font>　</p><p>　　　<font size="2">「運命の糸」エディの場合</font></p><br><br><br><p><font size="4">【あとがき】</font></p><p><br></p><p><font size="3">　「運命の糸」3部作の最終部である『紺碧の絆』を書き終え、今、ホッとしています。<br>　今回は各話の内容が長く、回数にすると短いのですが、総体的な量自体は前2作と変わらないボリュームでした。<br>　そのため、1話を書き上げる時間も前作より必要になり、日々格闘の連続でした。<br>　話の内容も、“家族愛”や“絆”といったものだったので、表現的にも苦労したところが多々ありました。<br>　何せ、僕はまだ子供どころか、結婚もしていないので・・(;^_^A ｱｾｱｾ</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　そんな中、今回も最後までご愛読いただいた皆様には、本当に感謝しています。<br>　読んで頂いた方に、“家族とは” “愛とは” “親子の絆とは”・・・といったこの作品のテーマについて、少しでも考える切っ掛けになっていればとても嬉しいです。</font></p><br><p><br><font size="3">　「運命の糸」は男側からの1人称小説文、「幸せの欠片」は女側からの1人称小説文、そしてこの「紺碧の絆」は、初めて3人称小説文で書き上げました。<br>　3部作となっていますが、それぞれの文章の書き方の違いも楽しんで頂けたでしょうか？<br>　もし、お気づきでなかった読者の方がいらっしゃいましたら、また暇な折にでも、その辺りに注意して読み返して頂けたら幸いです。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　次の小説まで、少しお休みいたします。<br>　でも、また書きたくてウズウズしだしたら、すぐに書き始めるかも知れません。((´∀`*))ヶﾗヶﾗ</font></p><p><font size="3">　また書き出したらお知らせいたしますので、そのときもどうぞよろしくお願いいたします。</font></p><p><br><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　それでは、次にお会いできる日まで・・・</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><br><font size="3">Kouki</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p>
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<link>https://ameblo.jp/kouki914/entry-10234801067.html</link>
<pubDate>Thu, 02 Apr 2009 00:13:31 +0900</pubDate>
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<title>紺碧の絆-25 最終回</title>
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<![CDATA[ <br><p><font size="4">第二章</font></p><br><p><font size="3">(10)</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　子供たちと供にルイスがエディの運び込まれた病院に到着すると、キャシーが手術室の前で祈るように手を合わせながら座っていた。<br>　「キャシー、エディは？」<br>　「今、手術中よ。傷が深くて出血が多いんですって・・。助かるわよね？あの子死なないわよね？」<br>　「大丈夫。きっと助かる。気をしっかり持つんだ。」<br>　ルイスは泣き崩れるキャシーを抱き締めた。<br>　その時だった。手術室からナースが飛び出してきた。<br>　「あの子がどうかしたのですか!?」<br>　ナースの慌てた様子に、キャシーが動揺して聞いた。<br>　「血液が足らないのです。病院に保管していた輸血用の血液では足らなくなってしまったのです。」<br>　「私はあの子の母親です。私の血を使ってください!」<br>　「何型ですか？」<br>　「A型です。」<br>　「ダメです。彼はO型です。O型の血液の方はいませんか？」<br>　「母親なのに、どうしてダメなの？私の血を全部あの子にあげて！！」<br>　キャシーは輸血用の血液が足りないと言われ、エディが助からないような錯覚に陥り、半狂乱のようになっていた。<br>　「キャシー、落ち着け！僕はO型です。僕の血を使ってください。」<br>　「ああ、よかった! 急いでこちらに来てください。」<br>　「ママを頼むよ。」<br>　ルイスは最年長のブランドンにそう言うと、ナースに付いて手術室横の部屋へ入って行った。<br>　「ママ・・。エディはきっと大丈夫だよ。パパの血をもらうんだもの。」<br>　ブランドンがキャシーを抱き締めて言った。<br>　子供たちがみなキャシーの傍に寄り添って、母を勇気付けようとしていた。子供たちもまた、自分たちの兄弟のエディを心から心配していたのだった。<br>　「ええ、そうね。エディはきっと大丈夫よね。みんなありがとう。」<br>　キャシーは子供たちを抱き締めながら、神に祈り続けていた。</font></p><br><p><font size="3">　しばらくしてキャシーの両親も到着した。ルイスが子供たちを連れて病院に来るときに、実家にも連絡していたのだった。<br>　「エディはどうだ？」<br>　「ああ、パパ、ママ。あの子が私を庇って刺されてしまったの。出血がひどいらしくて・・。今、ルイスが輸血してるの。私の身代わりになってくれて・・。私が刺されていればよかったのに・・」<br>　キャシーは父に倒れこむように抱きついてそう言った。涙が止まらなかった。<br>　「あの子は強い子だ。お前を捜して一人で家にまで辿りついて来た子だ。それに私の孫だ、きっと助かる。気をしっかり持て。」<br>　「ええ、パパ・・」</font></p><br><p><font size="3">　それから数時間が過ぎようとしていた。キャシーには、長い長い時間に感じられた。<br>　子供たちは、手術室前の長椅子に横たわって眠っていた。<br>　ようやく手術中のランプが消え、手術室のドアが開いて中から医師が出てきた。<br>　「もう大丈夫ですよ。背中から刺された傷は肺にまで達していて大変危険な状態でしたが、手術は成功しました。出血がひどくそちらの方も心配でしたが、ご主人の輸血のお陰で、彼は一命を取り留めました。」<br>　「ああ、ありがとうございます。ありがとうございます。」<br>　キャシーは医師の言葉に、今度は安堵の涙が溢れて止まらなかった。<br>　手術室から先にストレッチャーで運び出されて来たのは、ルイスだった。大量の血液を輸血したため、彼も今晩はそのまま入院することになったのだった。　<br>　「あなた、ありがとう。エディは助かったわ。あなたのお陰よ。」<br>　キャシーがルイスに声を掛けると、ルイスはホッとした表情を見せて微笑んだ。<br>　ルイスが病室へ運ばれた後、エディがストレッチャーで手術室から運び出されて来た。<br>　「エディ。よく頑張ったわ。」<br>　キャシーはまだ麻酔から醒めていないエディの頭を撫でながらそう言った。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　キャシーはその日から仕事を休み、エディに付きっ切りで看病した。<br>　母に看病されながら傷口の痛みに耐え、時折母に甘えて、それまでの親子の空白を埋めるような時間が流れた。<br>　それは、キャシーとエディにとって幸せな時間に思えた。<br>　エディも徐々に回復していった。<br>　だがその頃、エディの心には一つの決心が芽生えていた。優しい母の看病を受け、母の愛を感じた彼は、だからこそ、その決心をしたのだった。そして、その決心が、彼を素直に母に甘えさせていた。<br>　それから1ヶ月ほど経って、ようやくエディが退院の日を迎えるまでになった。</font></p><br><br><p><font size="3">　キャシーと供に病院から家に戻ったエディを、ルイスと子供たちが出迎えた。<br>　「お帰り。」<br>　「エディ、お帰り。」<br>　「ただいま。」<br>　「さあ、やっと家に着いたわ。エディ、疲れていたらベッドで休んでいいのよ。」<br>　「ママ・・・」<br>　「ん？どうしたの？」<br>　「僕、この家を出ようと思っています。」<br>　エディは、入院中に決めていたことをキャシーに告げた。<br>　「ええ!? エディ、どうして？やっと一緒に暮らし始めたんじゃないの。何を言うの？」<br>　「うん。僕もママと一緒に暮らせることになって幸せだった。病院でもママに甘えられたし、幸せだったよ。」<br>　「じゃあ、どうしてそんなこと言うの？ここを出てどこへ行くと言うの？」<br>　キャシーはエディの気持ちが全く分からなかった。<br>　「また、孤児院に戻ります。」<br>　「エディ、理由を聞かせてくれるかい？」<br>　ルイスが優しくエディに尋ねた。<br>　「僕の本当のパパは、ママを刺そうとしたあの男の人なんでしょ？」<br>　「エディ・・。あの時、聞いていたのか？」<br>　ルイスが驚いたように言った。<br>　「違うわ！違うわ！」<br>　「キャシー、ちょっと落ち着きなさい。」<br>　ルイスはキャシーを嗜めるとエディに向かって言った。<br>　「エディ、そうだったらどうなんだい？」<br>　「あの人のせいで、ママはずっと苦しんできたんでしょ？だから僕を乳児院に預けたんだよね？」<br>　「う・・む。それで？」<br>　「僕を見てるとママはきっとあの人を思い出すでしょ。僕はママの前にいない方がいいんじゃないかって・・」<br>　「ママのためなのか・・」<br>　「エディ、そんなことないわ。あなたはあなたよ。ママは確かに、あなたを産んだときあなたを乳児院に預けてしまった。それは、ママが弱かったからなの。まだパパとも出逢う前で、一人ではあなたを育てる自信も勇気もなかったの。でも、今は違うわ。あなたを愛してるの。だからあなたを捜して一緒に暮らそうと思ったのよ。あなたがいなくなるなんてママには耐えられないわ。」<br>　「でも、僕はパパの本当の子供じゃないでしょ？あの人の子供だ。」<br>　「エディ、確かに君は僕の本当の子供じゃないかもしれない。でも、それはブランドンたちだって同じだろ？彼らも養子だけど、僕は自分の子供だと思ってる。まして君は、ママとは血が繋がった本当の親子だ。」<br>　「う・・ん。」<br>　「僕はね、家族に取って大切なのは、血の繋がりよりも心だと思う。けれど、もし血の繋がりが必要だと言うなら、エディ、君の体にはもう僕の血が流れてる。あの手術で受けた僕の血が、君の体に流れ続けているじゃないか。ほら、僕たちには血の繋がりもあるだろ？これで何の問題もないね。エディ、君の父親は僕だ。」<br>　「パパ・・・」<br>　エディは、ルイスの言葉に自分が愛されていることを実感して、胸が熱くなった。そして涙が頬を止め処なく流れ落ちてきた。<br>　「僕、ここに居てもいいの？ママやパパと一緒に居てもいいの？」<br>　「当たり前じゃないか。」<br>　「ええ、そうよ、ずっと一緒よ。」<br>　「ママ！パパ！」<br>　エディはキャシーとルイスに駆け寄った。<br>　「エディ！」<br>　キャシーはしっかりとエディを抱き締めた。ルイスもエディを抱き締めた。子供たちもみな駆け寄ってきた。<br>　ルイスとキャシーは、全ての子供たちを二人の大きな愛で包むように抱き締めていた。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　血の繋がりや誰が産んだか、誰が父親かなど、もう彼らには関係なかった。<br>　その時、彼らは確かに親子だった。<br>　親と子を繋ぐ絆の糸は、今、しっかりと紡がれていた。<br>　庭に咲いたコスモスが、この家族をみつめて微笑んでいるようにそよ風に揺らいでいた。<br></font></p><p><font size="3">　</font></p><p><font size="3">　</font></p><p><font size="3">～完～</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><br><br>
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<pubDate>Thu, 02 Apr 2009 00:08:25 +0900</pubDate>
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<title>紺碧の絆-24</title>
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<![CDATA[ <br><p><font size="4">第二章</font></p><br><p><font size="3">(9)</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　「あいつは、俺が捕まったあの時の男じゃねぇか! じゃあ、あの女が俺の子を産んだのか・・・。へへへ・・。しかし、一体何人子供がいるんだ？こう暗くてしかも抱きかかえられてちゃ、どの子か分かりゃしねぇじゃねぇか。」<br>　男は、キャシーとルイスが最後の子供を抱きかかえて家の中に入り、玄関を閉めたのを確認すると、こっそりと家の裏口の方へ回って行った。<br>　裏の外からの目隠し代わりに植えてある植栽を跨いで、家の敷地の中に入った男は、そっと小窓から中の様子を伺った。<br>　リビングでは、キャシーとルイスが子供たちをベッドに運び終え、ホッとしたようにソファでお茶を飲んでいた。<br>　男は二人の顔を見ると、自分が捕まったあの時の光景が蘇えり、ムカムカと腹が立ってきた。<br>　「くそっ！俺は長い間あいつらのために臭い飯を食っていたというのに、のんびりとお茶なんか飲みやがって、しかも俺の子供まで取り上げて、このままで済むと思うなよ。」<br>　男は、二人が寝静まるのを外から見つからないように、家の植栽の陰でじっと待つことにした。<br>　<br>　「ふぁ～あ。さて、疲れたし、そろそろ寝るか。」<br>　「そうね。ルイス、本当にありがとう。何もかもあなたのお陰だわ。エディにも逢えてこうして一緒に暮らせるようにもなったし、みんなにも紹介できて、私本当に幸せよ。」<br>　「君が笑顔でいてくれることが僕も何より嬉しいよ。君の幸せは僕の幸せだからね。」<br>　二人はキスを交わすと1階奥の寝室へと向かった。</font></p><p><font size="3">　リビングの明かりが消え、二人が寝室へ行ったことを察知した男は、その後もしばらくそのままで待った。二人が深い眠りにつくまで待つつもりだったのである。</font></p><br><br><p><font size="3">　それから２時間ほどそうしていただろうか。男は、おもむろに立ち上がると行動に移った。<br>　裏口のドアに行きノブを回した。だが、当然鍵は掛かっている。男は、自分のポケットからハンカチを取り出すとそれをドアの上部の窓枠のガラスの隅に当て、傍に落ちていた拳ほどの大きさの石を拾うと、それでハンカチの上から打ちつけた。<br>　ガシャン！<br>　少々音がして、男は気づかれたかとじっと身を潜めた。しかし、中からは人が出てくる様子もなかった。<br>　ハンカチの上からだったので、ガラスは大きく割れたわけではなく、窓枠のドアノブの丁度真上辺りから横の窓枠まで斜めにヒビが入り、わずかに割れて欠けたところのガラスがハンカチに付着していた程度だった。<br>　気づかれた様子のないことに安心した男は、ハンカチを振り、その付いていたガラスの破片を振り払うと、今度は4つにたたんで窓ガラスの割れたところをハンカチで挟みギシギシと揺らし始めた。すると、ヒビの入った窓枠までのガラスが取り外されたのだった。<br>　丁度男の腕が一本通るほどの穴が、ドアノブ上部の窓枠に開いた格好となった。男はそっとその穴に腕を差し入れ、内側から鍵を回した。<br>　カチャ。<br>　鍵のはずれる音がして、男が腕を引き抜きドアノブを回すと、ドアは難なく開いた。<br>　「ヒヒヒ・・。簡単なもんだぜ。」<br>　男は、家の中に足音をさせないようにそっと進入した。<br>　リビングの奥に2階へ通じる階段がある。おそらく子供部屋は2階だろう。男はそう考えて、そろりそろりと階段の軋む音がしないように2階に上がって行った。</font></p><br><p><font size="3">　男が2階へ上がると、部屋が4つあるのが見えた。<br>　「俺の子供がいるのはどの部屋だ？」<br>　仕方なく男は端の部屋から捜してみることにした。<br>　ドアを開けると、一つの子供用ベッドに男の子が寝ていて、ベビーベッドにも2歳くらいの子供が寝ていた。男はベビーベッドには目もくれず、子供用ベッドの傍に行って眠っているその子の顔を覗き込んだ。<br>　そこは、8歳のディランと2歳のテッドの部屋だった。<br>　「白人の子だな。こいつは俺の子じゃねぇな。」<br>　男は、再び足音を忍ばせて部屋を出て、そっとドアを閉めた。<br>　それから、次に隣の部屋のドアを開けた。<br>　部屋に入ると、ここには子供用のベッドが2つ左右の壁に沿うように置かれていた。花柄のカーテンやベッドカバーが、おそらくは部屋の主は女の子だろうと思わせたが、念のため、その顔を確認するためにベッドの傍まで行ってみた。<br>　左のベッドには、やはり女の子が眠っていた。それは、6歳のアンジェだった。<br>　右のベッドも確認しに行くと、布団を頭から被っていて、男の子か女の子か分からない。男はそっと布団を持ち上げ、その顔を確認しようとした。<br>　「！！」<br>　男が布団を持ち上げたとき、眠っていたはずの子供と目が合ってしまった。<br>　8歳のエリスだった。<br>　エリスは布団がめくられて男が覗き込んだ時、何気に目が開いたのだった。<br>　「ギャー！！」<br>　エリスは夢か現実か分からなかったが、ふと目を開けた時に見えた見知らぬ男に思わず叫び声を上げてしまったのだ。<br>　男は突然の叫び声に慌てて部屋を出た。もう自分の子供を捜すところではなくなってしまった。</font></p><br><p><font size="3">　男が階段を駆け下りているとき、ルイスがエリスの叫び声を聞いて寝室から飛び出してきた。<br>　家の中にいる侵入者にルイスは驚き、駆け下りて来た男に思わず飛び掛った。ルイスと男は揉み合いになった。<br>　その時、騒ぎを聞きつけてキャシーも部屋から出てきた。<br>　「キャー！」<br>　家族以外の男とルイスが格闘している姿を見て、キャシーは思わず声を上げた。<br>　2階の階段上には、騒ぎで目覚めた子供たちが部屋から出てきた。<br>　「キャシー、子供たちを！」<br>　ルイスが男と揉み合いながらキャシーに叫んだ。<br>　「みんな部屋へ戻りなさい！」<br>　子供たちは恐怖と異様な状態を察知し、母の言う通り急いで部屋へ戻った。</font></p><br><p><font size="3">　2階への男の侵入を阻むため、キャシーが咄嗟に階段の方へ走り寄ろうとした時、男はルイスをあらん限りの力で突き飛ばした。そしてキャシーに駆け寄ると、彼女を後ろから取り押さえ、その首にポケットから取り出したナイフを突きつけた。<br>　「おとなしくしろ！こいつが殺されてもいいのか？」<br>　「お前は・・！」<br>　ルイスがようやくその侵入者の顔を思い出した。<br>　「そうだよ。俺だよ。お前たちに9年前に捕まえられて、長い間刑務所に放り込まれていた俺だよ。」<br>　「その恨みを晴らしにきたの？」<br>　キャシーがナイフを突きつけられたまま聞いた。<br>　「いや、それは偶然だ。お前、俺の子を産んだそうじゃないか？その子と最近暮らし始めたんだろ？」<br>　「！！」<br>　「隠さなくてもいいじゃねぇか。俺と仲良くしようぜ。俺たちゃ、その子のパパとママなんだからさ。イヒヒ・・。」<br>　「僕のパパ・・・？」<br>　他の子供たちは部屋に逃げ隠れていたが、母たちの様子が気になって2階の廊下の陰からそっと覗いていたエディは、男の言葉に、それが自分のことだと気付いてしまった。<br>　「さあ、その子をここに連れて来い！俺の子供をな。」<br>　「嫌よ。誰があなたなんかに渡すものですか。」<br>　「なに～！？殺されたいのか？お前、子供を連れて来ないとこいつを刺すぞ？」<br>　男はルイスに向かってエディを連れてくるように言った。<br>　「ルイス、ダメよ！」<br>　ルイスはどうしていいか分からず、身動きが取れなかった。<br>　その時だった。<br>　2階の廊下の隅からその様子を見ていたエディが、階段を駆け下り男の後ろから男の腕に噛み付いたのだった。<br>　「イテテ・・・。」<br>　男が怯んだ隙に、キャシーが階下のルイスの元に逃げようとした。<br>　その刹那、男がキャシーの背後に突き刺そうとナイフを振り上げた。<br>　ブスッ！<br>　鈍い音がして、階段がみるみる赤く染まっていった。</font></p><br><p><font size="3">　「エディ！！」<br>　ルイスが叫んだ。<br>　「キャー！エディー！！」<br>　振り返ったキャシーも叫んだ。<br>　男がナイフをキャシーの背中目掛けて振り下ろしたその瞬間、エディが母を庇うようにキャシーの背中に覆いかぶさったのである。そして、男のナイフはエディの背中を貫いたのだった。<br>　「エディ、エディ！しっかりして！」<br>　キャシーは、ぐったりとなったエディを抱きかかえ狂ったように叫んでいた。<br>　男はキャシーではなく子供を刺したことに驚いて呆然としていた。<br>　「お前が今刺した子がお前の子供なんだぞ！」<br>　ルイスが男に言い放った。<br>　「！！」<br>　男はルイスの言葉に驚き、ナイフを落とすと、へなへなとその場へしゃがみ込んでしまった。<br>　ルイスは、急いでレスキューへ電話を入れた。<br>　「この子が、俺の子・・？俺は自分の子を刺しちまったのか？」</font></p><br><p><font size="3">　「エディ！エディ！目を開けて！エディ！！」<br>　キャシーが叫び続けていた。<br>　その時、エディがうっすらと目を開け、虫の息でキャシーに言った。<br>　「マ・・マ・・・、ごめ・・ん・・ね。僕が・・生・まれ・・て、ママ・・を、苦し・・め・・て・・。」<br>　エディは、“本当のパパのことは忘れて”とキャシーに言われた意味が、自分の父だというこの男を見てやっと分かったのである。<br>　「何を言うの、エディ。そんなことないわ。ママはあなたを愛してるわ。あなたが生まれてくれて本当によかったと思ってるのよ。やっと逢えたんじゃない。だからエディ、死んじゃダメよ。死なないで！エディ、エディ！」</font></p><br><p><font size="3">　けたたましいサイレンの音が聞こえ、レスキューが到着した。<br>　“子供が刺された”というルイスのレスキューへの要請で、警察も供に来ていた。<br>　エディの容態をレスキューが確認している傍らで、警察が男に尋ねた。<br>　「お前が刺したのか？」<br>　呆然としたままコクリと頷いた男を警察が緊急逮捕した。男は抗うこともなく警察に従った。<br>　男は警察に連行される際、レスキューの車に運びこまれようとしている我が子を見ながらルイスに言った。<br>　「俺はひどい男だ。こんな男が父親だったらあの子が可哀相だ。二度とあんたたちの前には現れない。だからあの子を頼む。」<br>　「分かった。必ずあの子は助ける。君もあの子のためにも更生してくれ。」<br>　ルイスが男にそう言ったとき、男の目に光るものが見えた気がした。<br>　男は、パトカーに連行されて行った。</font></p><br><p><font size="3">　それからルイスはレスキュー車に駆け寄り、車内に運び込まれ酸素吸入や応急処置をされているエディの傍で手を握り締めながら泣き叫んでいるキャシーに言った。<br>　「子供たちを連れて僕もすぐに病院に行く。君はエディに付いててやれ。気をしっかり持って、君が取り乱してちゃダメだ。分かったね。」<br>　キャシーは泣きながら頷いた。<br>　ルイスは、エディを運び込む病院をレスキューに確認すると、急いで家の中へ引き返した。<br>　再びけたたましいサイレンを鳴らして、レスキュー車が病院へと発進した。<br>　ルイスは子供たちを集めて車に乗せ、レスキュー車の後を追うようにさっき聞いた病院へと車を走らせた。</font></p><br><br><p><br><font size="3">～続く～</font></p><p><br></p><br><br>
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<pubDate>Wed, 01 Apr 2009 00:34:59 +0900</pubDate>
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<title>紺碧の絆-23</title>
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<![CDATA[ <br><p><font size="4">第二章</font></p><br><p><font size="3">(8)</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　「9年か・・。長かったなあ。」<br>　「これは仮出所だ。本当ならまだ数年は刑務所の中だったんだぞ。また何かやらかしたら、その年数が加算されるだけじゃ済まないんだから、もう2度と事件を起こすんじゃないぞ。引き取り手のない君の身元引受人になった私の顔に泥を塗るようなマネは絶対するなよ。分かったな。」<br>　「分かってますよ。先生様には感謝してます。俺の弁護をしてくれた上に、身元引受人までなってくれたお陰で、こうして仮出所できることになったんですから。」<br>　9年前に婦女暴行と傷害、および殺人未遂の罪で捕らえられていた男は、彼の身元引受人となった弁護士に付き添われて、今、ロンドンの刑務所から仮出所したところだった。<br>　その黒光りした屈強な体と眼光の鋭さは以前と変わることなく、10年近くの歳月が流れたとは思えないほどだった。<br>　「君だって、今は人の親なんだから、もう女性に乱暴するなんて止めておくことだな。」<br>　「人の親？この俺が？何のことです？」<br>　「ああ、君は知らなかったんだな。これは失言だ。忘れてくれ。」<br>　「先生、それはないですよ。“人の親”なんて言われちゃ、気になるじゃないですか。俺に子供できたってことですか？」<br>　「ま、そういうことだ。だから、真面目に働いて、父親として恥ずかしくない人間になることだな。」<br>　「俺の子供がいるんですか？どういうことです？教えてくださいよ。」<br>　「う～ん・・・。」<br>　「先生、俺だって、家族がいればもっとまともな人間になれると思うんですよ。今までは一人ぼっちだったから、どうにでもなれって感じだったけど、子供がいるって分かれば、ちゃんと仕事もして真面目に生きる励みにもなるってもんじゃないですか。」<br>　「ふむ。だが、その子に逢うこともできないし、一緒に暮らせるわけでもないぞ？」<br>　「分かってますよ。ただ、自分の血を分けた子がいるなら知りたいじゃないですか。先生だって人の親でしょ？俺の気持ちも分かってくれますよね？」<br>　「う・・む。弁護士仲間から聞いた話だが、お前が襲った女性が妊娠して子供を産んでるんだそうだ。その子はもう10歳になってるらしいぞ。」<br>　「ええ!? それホントですか？男の子ですか？女の子ですか？」<br>　「男の子だそうだ。施設にいたそうだが、最近母親と暮らし始めたらしい。」<br>　「どこにいるんですか？」<br>　「それは言えない。まあ、そういうことだから、お前もその子に恥じないように真っ当になるんだな。」<br>　弁護士は、子供がいたということを教えるくらい何と言うことはないだろうと高をくくっていた。逆に我が子がいることを知って、この男が真面目になってくれればと思っていたのだ。<br>　しかし、この仏心が後に彼を後悔させることとなるのである。</font></p><br><p><font size="3">　弁護士は、男を出所した受刑者の更生施設の寮に連れて行った。ここは、刑を終えた受刑者が社会復帰できるまで仕事と宿泊できる場所を提供してくれるリハビリセンターともいうべきところだった。ここでは、安いながらも賃金も出るため、ある程度金を貯めてどこかに部屋を借りれるまで面倒をみてくれるのだ。<br>　「ここで真面目に働いて、早く部屋でも借りれるようになるんだな。」<br>　男は野宿するわけにもいかないので、とりあえず大人しくそこに留まることにした。<br>　<br>　翌日、男は更生施設の仕事には行かず、孤児院へと向かった。自分の息子の消息を知るためである。<br>　男には家族がいなかった。だから、息子がいると聞いて、どうしてもその子が見たくなったのである。<br>　「あの弁護士は確か、施設にいたが最近母親と暮らしだしたと言っていたな。仕方ねぇ、孤児院を片っ端から当たってみるか。」<br>　男は、電話帳に載っていた孤児院に順に行ってみることにした。<br>　「ちょっとお伺いしますが、最近母親と暮らしだした10歳の男の子がこちらにはいませんでしたか？」<br>　「あなたは？」<br>　「父です。私の別れた妻がひどい女でね。酒や薬に手を染めていたので、私は別れることにしたのですが、私と別れるときに妊娠していたらしいのです。でも、私にはそのことを一切言わずに子供を産んで、しかし育てるのは嫌だったのか、勝手に施設に預けていたらしいのです。ところが、今度は急に子供を引き取ったそうなんですよ。私はそのことを最近弁護士から聞いたのですが、あの女のことですから、きっと子供を何か悪事に利用しようと思ってるはずなんです。私は子供が心配で心配で・・。それで、こうして子供を捜してるのです。何とか見つけ出して私が引き取ってやりたいと思っていまして・・。」<br>　男は、孤児院の職員の前で泣いて見せた。<br>　「まあ、それはお気の毒に・・。ちょっと待ってください。」<br>　職員は最近までいた10歳の男の子で、母親と暮らし始めたという子供がいなかったか、資料を調べ始めた。<br>　「残念ですが、そういう子供はうちにはいませんね。お力になれませんで・・」<br>　「あ、いえ。そうですか。ありがとうございました。」<br>　男は、電話帳から書き写した孤児院の名前と連絡先のリストの上から、手掛かりのなかった孤児院名を消していった。<br>　「ちっ、あと何軒回らないといけないやら・・」<br>　男は、かったるそうにリストの次の孤児院に向かった。<br>　リストに書き写した孤児院の住所に従い東奔西走したが、1日目は何の収穫もなく、6軒回ったところで日も暮れだしたので、後は明日にすることにした。</font></p><br><p><font size="3">　寮に帰ると、施設の寮長が今日仕事に出なかったことを注意してきたが、男がその鋭い眼光で睨みながら「体調が悪かったんだ。体調が良くなるまでしばらく仕事にはいけない。」と、ドスを効かして言うと、「体調がよくなったら出て来てください。」と帰ってしまった。<br>　男は、ベッドに横になると、我が子の顔を想像していた。<br>　「俺に似てるのかな？」<br>　子供の顔を思い浮かべているうちに、やがて男は深い眠りについていった。</font></p><br><br><p><font size="3">　翌日からも男は、孤児院へ行き自分の子供を捜し続けた。<br>　何日かそうして捜して、やがてセント・ヘレナ孤児院へ男が辿りついた。<br>　男はいつもと同じようにウソで並べた理由を言って、最近母親と暮らし始めた10歳の子供がいなかったか尋ねた。<br>　「まあ、お気の毒に・・。最近母親に引き取られた10歳の男の子って言えば、エディのことかしら？」<br>　「え!? エディ・・。その子は今どこにいるんですか？早く母親から引き離さないと。」<br>　「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。確かグラスゴーだったけど・・。ああ、あった。これだわ。弁護士が養子の手続きをしたときに現住所を記入しているので、ここにいるはずだけど。」<br>　「ありがとうございます。」<br>　男はその住所を書き写すと、丁寧に礼を言い孤児院を後にした。<br>　『グラスゴーだって？俺が捕まった場所じゃねぇか。どの女だ？』<br>　男は、メモに書き写した住所へ向かうために、グラスゴー行きの列車に飛び乗ったのだった。</font></p><br><br><br><p><font size="3">　「ママ、久しぶり。元気だった？」<br>　「レイチェル、よく来たわね。もうみんな来てるわよ。さあ、奥へ行って。」<br>　「お義母さん、お久しぶりです。」<br>　「グレン、よく来てくれたわ。ささ、中に入って。」<br>　「おばあちゃま、こんにちは。」<br>　「いらっしゃい、ローラ。あら、また背が伸びたんじゃない？ほら、よく顔を見せて。」<br>　今日はエディの歓迎会で、キャシー家族や妹のレイチェル家族、そして弟のアダムも久しぶりに実家に顔を集めていた。<br>　レイチェルは3年前に夫グレンと結婚し、一人娘の3歳のローラとともにエディンバラで暮らしていた。弟のアダムは大学を卒業するとロンドンで就職し、今は会社の寮で一人暮らししている。<br>　オブライエン家にこうして一同が集まるのは、昨年のクリスマス以来だったので、皆久しぶりの再会を喜んでいた。<br>　「レイチェル、遅かったわね。」<br>　「姉さん、お久しぶり。ごめんなさいね。渋滞に巻き込まれちゃって遅くなったの。パパ、ただいま。アダムも元気そうね。」<br>　レイチェル家族が皆と再会のハグをして一通りの挨拶を済ませると、先に来ていたアダムには既に紹介していたので、キャシーはレイチェル家族にエディを紹介した。<br>　「この子がエディよ。10年ぶりに逢えた私の息子。よろしくね。エディ、ママの妹のレイチェル、あなたの叔母様になるわね。」<br>　「エディ、よろしくね。彼はグレン、私の旦那様よ。そして娘のローラ。まだ3歳になったばかりなの。仲良くしてね。」<br>　「僕、エディです。よろしくお願いします。」<br>　「まあ、お行儀のいいこと。」<br>　大勢の家族がエディを歓迎し、楽しいパーティが進んでいた。<br>　エディは、幸せだった。<br>　母は自分を忘れているかも知れない、自分は邪魔者なのかも知れないという不安を抱えながら母を捜していたが、やっと母に逢うことができ、その母もまた自分を捜してくれていたことを知った。そして、こうして一緒に住むことができるようにもなり、弟や妹もでき、祖父母にも逢えた上、親類にも紹介してもらえた。初めて自分が生きてきてよかったと思えるほど、彼の心は幸せで満たされていた。<br>　祖母の手料理に舌鼓をうち、みんなで楽しいひと時を過ごした。</font></p><br><p><font size="3">　やがて賑やかなパーティもお開きの時を迎えた。<br>　「また、こうして集まりましょうね。今度は家にも来てちょうだい。」<br>　キャシーたち家族は、キャシーの実家を後にし帰路に着いた。<br>　楽しくてはしゃぎ過ぎたのか、6人の子供たちは車の中で眠ってしまっていた。<br>　ルイスが自宅の駐車場に車を停めると、助手席のキャシーが後部座席の子供たちを見て言った。<br>　「あら、みんな寝ちゃってるわ。」<br>　「遅くなっちゃったからね。仕方ないな。一人ずつベッドに運ぶか。」<br>　キャシーとルイスは、子供たちを一人ずつ抱きかかえて、子供部屋のベッドへと運んで行った。<br>　彼らは、その様子を向かいの通路の陰からじっと見つめている人影になど、全く気づきもしなかったのだった。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">～続く～</font></p><p><br></p><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/kouki914/entry-10233572429.html</link>
<pubDate>Tue, 31 Mar 2009 00:04:40 +0900</pubDate>
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<title>紺碧の絆-22</title>
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<![CDATA[ <br><p><font size="4">第二章</font></p><br><p><font size="3">(7)</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　「エディ！」<br>　実家に入るなり、キャシーは大声で呼んだ。<br>　玄関のエントランスを通り、リビングに駆けるように入ったキャシーは、父の横でソファにちょこんと座った自分と同じ紺碧色の瞳の少年を見つめた。<br>　その少年もまた、キャシーをじっと見つめていた。<br>　「エディ・・？」<br>　「マ・・マ？」<br>　「そうよ。ママよ。」<br>　「ママ！！」<br>　エディはキャシーに駆け寄ると、その胸に飛び込んだ。<br>　キャシーも強くエディを抱きしめた。<br>　「エディ！逢いたかったわ。」<br>　「ママ！僕もママに逢いたくて、ずっとずっと捜してたんだ・・」<br>　「ああ、エディ・・」<br>　抱き合った親子は、涙でもう言葉が出なかった。</font></p><br><p><font size="3">　「ママって・・いったいどういうことなの？」<br>　キャシーの両親は訳が分からず、親子が抱き合う姿をただ呆然と見ているだけだった。<br>　そこへルイスが到着した。<br>　「君がエディか。キャシーよかったな。」<br>　「ええ、ルイス。ありがとう。」<br>　ルイスとキャシーは、真ん中にエディを挟むようにソファに腰掛け、キャシーの両親に事の成り行きを話して聞かせた。</font></p><br><p><font size="3">　「そうか、さっき初めてこの子を見たとき、何故か懐かしさを感じたんだが、お前と同じその瞳の色のせいだったんだ。その瞳がお前の小さな頃の面影を思い出せてたんだな。」<br>　キャシーの父がさっきの懐かしさを納得するように言った。<br>　「あなたが、あの時の赤ちゃんなの？」<br>　キャシーの母も、生まれたばかりの時にその腕に抱いた赤ん坊の顔を思い出していた。<br>　「大きくなって・・」<br>　「さぁ、おじいちゃんにもハグしておくれ。」<br>　エディは、キャシーの両親にもキツく抱きしめられて、再び涙が溢れてきた。<br>　「僕、ママを捜してたけど、ママがもう僕のことなんて忘れてるんじゃないかと思って怖かったの。僕が訪ねて行ったらママが困るんじゃないかと思って・・」<br>　「それで、さっき家の前でずっと立ってたんだね？」<br>　「まあ、そうだったの。もっと早く家に入れてあげればよかったわ。エディ、ごめんなさいね。」<br>　「ううん。こんなに抱き締めてもらえて、ホントに嬉しくて・・。夢みたいなんだ。」<br>　エディの頬を涙が止め処なく流れた。<br>　「夢なんかじゃないわよ。」<br>　キャシーはエディの言葉に愛しさが込み上げてきた。<br>　「エディ、でもどうやってここを探し当てたんだい？」<br>　ルイスがエディにハンカチを渡しながら尋ねた。<br>　「僕、孤児院の仲間と脱走して、ダラムに行ったんだ。そこで、みんなが協力してママを捜してくれたの。役所に電話してくれて、僕を乳児院に連れて行ってくれたシンプソンさんっていう人をみつけてくれたの。その人に電話したら、僕を産んだときママが大学生で、ロンドンからグラスゴーに行くって言ってたってことを教えてくれたんだ。それで、みんなと別れてグラスゴーへ来て、大学の卒業名簿を調べたの。3つ目の大学でやっとママの名前を見つけて、ここの住所が分かったんだ。」<br>　「まあ、なんて賢い子なのかしら。」<br>　キャシーの母が感心したように言った。<br>　「違うよ。僕の友達が考えてくれたんだよ。みんながいなかったらきっとママのいる所は分からなかったと思う。」<br>　「ママもね。同じ頃、エディを捜してたのよ。パパがそうしなさいって言ってくれたの。」<br>　「パパ？」<br>　「そうよ。彼はママの夫でルイスって言うの。あなたのパパよ。」<br>　「・・・」<br>　「どうしたの？」<br>　「ううん。僕、黒人のパパだと思ってたから・・」<br>　「ああ・・。」<br>　キャシーは咄嗟に言葉が出て来なかった。<br>　お前の本当の父親はレイプ犯だと言うことなどできるはずもない。<br>　「僕は君の本当のパパじゃないんだ。君のパパは確かに黒人の人だけど、事情があってママとは結婚しなかったんだ。」<br>　「そうだったの・・。」<br>　「エディ、本当のパパのことは、忘れてちょうだい。」<br>　エディは何故かは分からないが、自分の父のことは二度と口にしてはいけないような感じを悟った。<br>　「うん。僕はママがいてくれたらそれでいいよ。僕を忘れずにいてくれて、それだけで幸せだもん。」<br>　「ああ、エディ。忘れるものですか。」<br>　キャシーはもう一度エディを強く抱きしめた。</font></p><br><p><font size="3">　「そうだ。エディ、もうすぐ君の弟や妹が学校から帰って来るよ。」<br>　「え？僕に兄弟がいるの？」<br>　「ええ。5人もね。」<br>　「さあ、家に帰ろうか。」<br>　「ママ、パパ、お騒がせしました。子供たちが帰って来るから、家に帰るわね。」<br>　「うむ。キャシー、今度の日曜にエディの歓迎会をしないか？みんなでおいで。待ってるよ。」<br>　「ええ、そうね、あなた。いい考えだわ。レイチェルとアダムにも連絡しておくわ。エディをみんなに紹介しなくちゃね。久しぶりにみんなに逢えるなんて楽しみだわ。」<br>　キャシーの妹のレイチェルは、3年前に結婚してエディンバラで暮らしていた。<br>　弟のアダムは大学を卒業した後、ロンドンで就職し、一人暮らしをしながら働いていた。<br>　「ありがとうパパ、ママ。」<br>　キャシーが両親にキスをすると、エディも同じように彼にとっての祖父母の頬にキスをした。<br>　3人は、キャシーの両親が名残惜しそうに見送る中、自宅へと帰って行った。</font></p><br><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　家に帰る途中で、テッドを託児所に迎えに行き、車の中でエディは初めての兄弟と会った。<br>　テッドは兄と紹介されたエディに無邪気に微笑んでいた。<br>　やがて、キャシーの自宅に車は到着した。<br>　「エディ、ここが今日からあなたの家になるのよ。」<br>　家の中で緊張したようにエディが座っていると、スクールバスの停車場へ迎えに行ったルイスが、子供たちとともに帰って来た。<br>　「エディ、彼らがあなたの弟や妹よ。みんな、みんなのお兄さんのエディよ。エディ、あなたのすぐ下の弟のこの子が ブランドン。9歳よ。そしてその下がエリスとディラン。二人とも8歳なの。それから、アンジェ。6歳よ。それに、さっき車で会ったテッドね。仲良くしてね。みんなもね。」<br>　「は～い！」<br>　子供たちは、一斉に返事した。<br>　友達はいても家族というものを知らなかったエディにとって、いきなり大勢の家族に囲まれ、嬉しいような恥ずかしいような変な気分だった。<br>　エディはディランと一緒に風呂に入り、5人がみな養子であることを聞いた。自分だけがルイスの子供ではないと思っていたエディは、少しホッとしたような気持ちになった。<br>　風呂から上がると、みなでご飯を食べた。<br>　子供たちは、みなすぐに仲良く打ち解けていた。それは、おそらく5人の子供たちにとっては、毎年のように増えて行く兄弟を迎えるのと何ら変わらない事態だったのだろう。<br>　エディは、キャシーの血の繋がった子ではあるが、それは彼女とエディだけの問題であって、他の子供たちにとってはまた一人兄弟が増えただけのことだったのである。<br>　しかし、エディにとっては新鮮な感覚だった。エディは、家族と一緒だとこんなに楽しくて心が温かくなるものなのかと、今まで味わったことのなかった気持ちを実感していた。</font></p><br><p><font size="3">　今日はまだエディのベッドの用意などできていなかったので、エディはキャシーのベッドで一緒に眠ることになった。<br>　「ママ・・。」<br>　「どうしたの？エディ。」<br>　「ママを抱き締めて眠ってもいい？僕、ママと逢えて兄弟や家族が出来て幸せで、何だか夢みたいで、目が覚めちゃったらママがいなくなってるみたいで・・」<br>　「大丈夫よ。ママはもうどこにも行かないわ。ずっとあなたの傍にいるから。でも、いいわよ。ほら、ギューッてしてあげる。愛してるわ。エディ。あなたに逢えてママも本当に嬉しいわ。さあ、ゆっくりおやすみなさい。」<br>　キャシーの胸にしっかりと抱かれたエディは、母を捜していた疲れからか、母と出逢えた安堵からか、すぐに深い眠りについた。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　エディが寝息を立てた頃、ケビンがやって来た。<br>　「ルイス、あの子が自分から来たんだって？」<br>　「うん。キャシーを捜して実家まで辿り着いたみたいなんだ。」<br>　「全く、親子の絆の深さを感じるね。」<br>　「うん。君にも礼を言わなきゃな。本当にありがとう。」<br>　「いやいや、結局僕らが捜し出す前に自分からキャシーを捜し出して来るんだから、大した奴だよ。」<br>　「ホントにそう思うよ。それから、ご苦労ついでに、あの子を正式に養子にする手続きを頼みたいんだ。キャシーは実母だけれど、既に書類上は他人になってるからね。改めて養子縁組をしないといけない。脱走した孤児院にも連絡をしないといけないしな。」<br>　「分かった。任せてくれよ。全てやっておくよ。」<br>　「キャシーの嬉しそうな顔、君にも見せたかったよ。」<br>　「明日、どうせ事務所でイヤってほど聞かされるだろうさ。覚悟しておくよ。アハハ・・・」<br>　その夜、ルイスとケビンは二人で祝杯の酒を飲み交わした。<br>　<br>　<br></font></p><p><font size="3">　その日は、やっと出逢えた親子やその家族にとって、最高に幸せな日だった。<br>　この時、やがて訪れる恐怖の影など誰も想像できずに、その幸せに浸っていたのだった。</font></p><br><br><p><br><font size="3">～続く～</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><br>
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<link>https://ameblo.jp/kouki914/entry-10232992582.html</link>
<pubDate>Mon, 30 Mar 2009 00:24:29 +0900</pubDate>
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<title>紺碧の絆-21</title>
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<![CDATA[ <br><p><font size="4">第二章</font></p><br><p><font size="3">(6)</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　「母さん、さっきからずっと家の前に立ってる男の子がいるんだが、何だろうね？」<br>　「え？イヤだわ。何かしら？物乞いかしら？」<br>　夫がそういうので窓から外を覗いて見ると、確かに少年が一人家の前をウロウロとして、時折家を見上げたり窓の中の様子を伺ったりしていた。<br>　「まあ、何だか気味悪いわ。」<br>　「もう30分くらい前からああしているんだよ。家に何か用なのかな？」<br>　「黒人の子じゃないの？まさか、強盗の下見でもしてるんじゃないでしょうね？」<br>　「アハハ・・、強盗の下見がこんな真正面から何十分も外で佇んで、わざわざ怪しまれるようなことはしないだろ？」<br>　「じゃあ、何なんですか？ちょっと、あなた、追い払って来てくださいな。」<br>　妻に言われ、夫は玄関を開けて、家の前にいる少年に声を掛けた。<br>　「家に何か用かな？」<br>　夫は、何故かその子に懐かしさを感じたが、それが何故なのかはよく分からなかった。<br>　「あの・・・、ここはオブライエンさんのお宅ですか？」<br>　「うむ。いかにも、私はオブライエンだが？君は？」<br>　「僕、エディと言います。キャサリン・オブライエンさんに逢いたいのですが、いらっしゃいますか？」<br>　エディは、“ママはいますか？”と尋ねたかった。だが、さっきから家の前で、なんて声を掛けようかと躊躇しながら考えているときに、エディを乳児院に連れて行ってくれたというシンプソンさんの言葉を思い出したのである。<br>　“ママは君を忘れてるかも知れない。君に逢いたくないかもしれない”と言われたあの言葉である。<br>　それで、“ママ”と言いたい気持ちをグッと堪え、敢えて名前で尋ねたのだった。<br>　「キャシーは私の娘だが、キャシーの知り合いかね？」<br>　エディは、今話している人が母のお父さんだと聞いて、心臓がバクバクするのを止められなかった。<br>　彼にとって、初めて出会う身内なのである。<br>　「えっと・・。知り・・合い・・になるのかな？」<br>　「キャシーはここにはいないんだよ。」<br>　「え!? どこかに行ったんですか？」<br>　「結婚してね。別の家で暮らしてるんだ。」<br>　「別の家・・」<br>　エディは、やっと母に逢えるという期待が一気に萎んで行き、思わず涙が零れてきてしまった。<br>　「ど、どうしたんだい？」<br>　「すみません。その家を教えてもらえませんか？僕、そこに行きたいんです。」<br>　「何かとても大事な用事なんだね？」<br>　エディはコクリと頷いた。<br>　「じゃあ、連絡してあげるから、ここへお入りなさい。」<br>　「え？いいんですか？」<br>　キャシーの父は、その少年に感じた懐かしさが気に掛かり、邪険に扱うことができなかったのだった。<br>　少年を家の中に招き入れると、キャシーの母が驚いたように言った。<br>　「どうしたんですか？」<br>　「キャシーの知り合いだそうだ。キャシーを訪ねてきたみたいなんだよ。」<br>　「知り合い？」<br>　「まあ、キャシーに連絡してみるさ。」<br>　キャシーの父は、電話の受話器を取ると、キャシーの勤めている弁護士事務所に電話した。<br>　「キャシーかい。父さんだ。今ね、お前に客が来てるんだが、今の住所を知らずにここへ来たみたいなんだよ。」<br>　「お客？誰かしら？名前はなんていう人？」<br>　電話の向こうでキャシーが尋ねた。<br>　「小さなお客さんでね。え・・と、エディっていう少年なんだが・・」<br>　「エディですって!?」<br>　父の言葉が終わらぬ内に、エディという名前にキャシーは大声で叫んでいた。<br>　「うむ。知り合いかい？」<br>　「ええ！ええ！そうよ。すぐに行くわ。パパ、私が行くまでその子を何処にもやらないで！お願いよ。」</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　丁度その頃、例の探偵事務所にケビンが到着した。<br>　「あの子の居場所が分かったってホントか!?」<br>　ケビンが、その小さな探偵事務所の古びた扉を壊しそうな勢いで入って来た。<br>　「旦那、気をつけてくださいよ。扉が壊れちまいますよ。」<br>　「すまん、すまん。で、本当なのか？」<br>　「ええ、本当ですよ。」<br>　「どこだ？その子は、今、どこにいるんだ？」<br>　「あの子は、自分の母親を捜してたんですよ。そのために孤児院を脱走したんですね。」<br>　「何だって？じゃあ、互いに捜し合ってたってことか？」<br>　「みたいですね。」<br>　探偵は、やはり依頼人はその子の母親なんだなと思った。<br>　「まあ、子供ながらに必死で捜したみたいです。その結果、母親がロンドンからグラスゴーに引っ越したことや自分を産んだ時に大学に行ってたことをつきとめたようですね。頭のいい子でね、大学の卒業名簿から母親の居場所を探そうとしたみたいで、毎日大学の図書館に通ったようです。それで、見つけたみたいですよ。母親の居所をね。だから、きっとその卒業名簿に載ってる母親の住所に現れますよ。」<br>　探偵が言い終わるかどうかというタイミングで、ケビンの携帯が鳴った。<br>　「Hello!」<br>　「ケビン!!」<br>　キャシーだった。<br>　「あの子が、あの子が実家に来てるの！自分から来たのよ！」<br>　「あの子って、エディかい？ホントにかい？」<br>　「Bingo!」<br>　その電話を聞いて、ケビンに向かって探偵が親指を立ててニヤッと笑った。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　キャシーは父からの電話を切ると、ボスのフレディに急用ができたから帰してくれるように頼むと、急いで車を実家へと走らせた。<br>　車の中で携帯からルイスに電話した。<br>　「ルイス！エディが来てるの！あの子が来たのよ！」<br>　「エディだって!? ケビンが連れて来たのかい？」<br>　「分からない。でも、来てるの。」<br>　「分かった。僕もすぐ帰るよ。」<br>　「違うわ。家じゃないの。実家よ。実家に来てるの。私も今向かってるの。あなたも来れたらすぐに来て！」<br>　キャシーはルイスの電話を切った後、すぐにケビンに電話したのだった。<br>　キャシーがルイスと暮らす家から実家までは、車で20分程度のところにあった。職場からでも30分もあれば到着する。<br>　エディを捜し始めてから、実はキャシーはとても怖かった。例え息子を捜し出せたとしても、一度は捨てた親である。子供が自分を拒絶するのではないか、受け入れてくれないのではないか、母と呼んでもらえないのではないか、様々な想いが彼女の胸に渦巻いていた。<br>　しかし、エディから自分を訪ねてきてくれた。それは、エディもまた自分を捜してくれていたに違いないからである。それが嬉しかった。もう、彼女の中に迷いはなかった。早くエディに逢いたい。この胸に抱き締めてやりたい、ただその想いだけだったのである。<br>　実家に着くと、駐車場に車を停めるのが歯がゆいくらいにキャシーは気持ちが高鳴っていた。<br>　やっとエディに逢える。<br>　逸る気持ちを抑えることができないまま、キャシーは実家の玄関のドアノブを回していた。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><br><font size="3">～続く～</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p>
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<link>https://ameblo.jp/kouki914/entry-10232394650.html</link>
<pubDate>Sun, 29 Mar 2009 00:09:54 +0900</pubDate>
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<title>紺碧の絆-20</title>
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<![CDATA[ <br><p><font size="4">第二章</font></p><br><p><font size="3">(5)</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　ケビンに雇われた探偵がエディを捜している間、ケビンはエディの消息を心待ちにしているキャシーと顔を合わせるのが辛くて、キャシーが出社するより早く依頼人のところや裁判所に出かけ、帰社するのはキャシーが帰宅したあとにしていた。だから、キャシーはケビンに今どういう状況なのか尋ねることもできず、ただ心配な毎日を過ごしていた。<br>　「最近ケビンは、えらく仕事熱心になったな。どうした風の吹き回しだ？」<br>　ボスのフレディも驚くほどだったが、エディの消息できっと自分にまだ良い報告ができないためにケビンがそうしているということはキャシーには分かっていた。しかし、ボスにはエディを捜していることは話していなかったので、『さあ？どうしたんでしょうね。』ととぼけるしかなかった。<br>　「やはり、捜索は難航しているのかしら？」<br>　既に、ルイスがエディの捜索を始めると言ってから1ヶ月が過ぎようとしていた。</font></p><br><p><font size="3">　「ママ、最近元気ないね？大丈夫？」<br>　子供たちもキャシーの様子に心配していた。<br>　「ごめんね。大丈夫よ。今ね、あなたたちのお兄さんを捜しているんだけど、まだ見つからないの。」<br>　「え？お兄さん？」<br>　「そうよ。見つかったら一緒に暮らすから仲良くしてね。」<br>　「うん！」<br>　欧米では、自分に子供がいても養子を取ることは珍しくない。一人っ子で兄弟がいないからとか、単に子供が好きだからとか、あるいは、裕福な家庭でボランティアの一環として養子を取る夫婦もいる。<br>　だから、キャシーが5人の養子の子と自分の子を育てることは、何ら違和感のあるものではなかったが、ついこの前までエディの存在さえ心で封印していたのに、今は一緒に暮らすことを考えているということを、彼女自身がとても不思議に感じていた。<br>　『早くエディが見つかって一緒に暮らせますように。』</font></p><br><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　キャシーが神に祈っている頃、探偵はグラスゴーにある3校の大学の内の1つ目の大学の図書館に来ていた。<br>　彼は、まず図書館の中をざっと見回してそれらしい少年がいないことを確認すると、司書のところへ行って尋ねた。<br>　「すみませんが、最近10歳の男の子がこちらに通って来ていませんでしたか？一見黒人風で、紺碧色の瞳をした少年なんですがね。」<br>　「ああ、来てましたね。卒業名簿を見たいと言って何日も熱心に通って来てましたよ。誰かの名前を探しているようでしたが・・」<br>　「それはいつ頃でしょうか？」<br>　「え～っと、もう1か月くらい前になるかしら？」<br>　「何日か通って、それからもう来なくなったのですか？」<br>　「ええ。1週間ほど通ったかしら？そう言えばそれきり来なくなったわねぇ。」<br>　「そうですか。ありがとうございました。」</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　「ここには来たが、お目当ては見つからなかったんだな。」<br>　探偵は、ロジャーの話しから、ケビンの依頼人はエディの母だろうと検討はついていたが、ケビンからは“この子を捜せ”と言われただけで、何の理由も聞かされていなかった。<br>　それは、弁護士の守秘義務とかいうやつのためだと心得ていたので、いつも何を頼まれても理由は聞かないのがルールだった。彼は、ただケビンに頼まれたことを遂行するだけだったので、今回もエディが彼の母の大学の卒業名簿から母の居所を捜していることが分かっても、その母の出身大学やまして名前を尋ねることなどできないということは承知していた。だが、それだけにジレンマも感じていた。<br>　「その子の母親の名前や出身大学が分かってれば、その大学で張ってればいいから楽なんだが、全部回らないとダメってことだな。」<br>　探偵は、諦めたように2つ目の大学に向かって歩きだした。</font></p><br><p><font size="3">　2つ目の大学に来た探偵は、さっきの大学と同様に図書館へ行き、中に少年がいないか確認すると、司書のところへ行ってさっきと同じ質問をした。<br>　「10歳くらいの男の子ですか？」<br>　「ええ、一見黒人風で、紺碧色の瞳をした少年なんですがね。」<br>　「私見ましたよ。」<br>　探偵が質問した男の司書の横から女性の司書がそう声をかけた。<br>　「それはいつ頃でしょうか？」<br>　「あれは・・、2週間くらい前だったかしら？」<br>　「やはり1週間くらい通っていましたか？」<br>　「やはり？」<br>　「あ、いえ・・」<br>　「ええ、そうね、それくらい通っていたかしら？もう来なくなったわね。」<br>　「そうですか。ありがとうございました。」<br>　探偵は、その大学を後にした。<br>　「ちっ。後から後から追っかけてるだけじゃねぇか。結局ここも見つからなかったんだな。ってことは、残る最後の大学か・・。」</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　2校の大学へ行くために、電車でグラスゴー内を西に東にと移動しているうちに時間だけが経っていき、最後の大学へ到着したのは、もう夕方近くになっていた。<br>　「早くしないと、閉館になっちまうな。」<br>　急いで図書館へと入った探偵は、前の2校と同じようにまず少年がいないか館内を見回して、その後司書のところに行って少年が来ていなかったか尋ねた。<br>　「ええ、来てましたよ。」<br>　「いつ頃ですか？」<br>　「あら、そう言えば今日は来てないわね。昨日まで通っていたのに・・。」<br>　「昨日までだって!?」<br>　思わず大きな声を出して、司書にシーっと諭された探偵は、慌てて頭を下げた。<br>　「何日くらいこちらに通って来てましたか？」<br>　さっきよりずっと小声で探偵が聞いた。<br>　「そうね3日くらいかしら？」<br>　『くそっ！ダラムやウェスト・ブリッジフォードに俺が行ってた間に入れ違いになっちまったのか。ツイてねぇぜ。』<br>　さっきの2校には1週間くらい通ったというのに、ここには3日ほど通っただけでもう今日は来ていないという。それはつまり、目当てのものをエディが見つけたということに他ならない。<br>　ここで彼に会えれば苦労はなかったが、入れ違いになってしまったのならもうどうしようもなかった。エディの母の名でも知っていれば、彼と同じようにそれを探すこともできたが、ケビンからは何も知らされていないのだから仕方なかった。<br>　『ここで、あの子の居場所が分からなかったと言うと報酬はいくらにされるのだろう？』<br>　探偵は頭を働かせた。<br>　『そうだ！厳密な場所は分からないが、あの子の行った先なら分かるじゃねぇか。それでいこう。』</font></p><br><p><font size="3">　探偵は司書に礼を言うと、大学を出てケビンの携帯に電話をかけた。<br>　「Hello! 俺です。旦那、男の子の居場所が分かりましたぜ。」<br>　「本当か!?」<br>　電話の向こうでケビンが叫んだ。<br>　「ええ、まあ、ちと問題がないこともないですが、あの子が行ったところは分かりました。」<br>　「分かった。これから事務所に行く。」<br>　「いや、まだ外なんで、これから事務所に帰りますから、1時間後に来てくださいな。」<br>　「OK. じゃあ、1時間後にな。」<br>　「旦那、約束の3日目ですから1000ポンドはお忘れなく。」<br>　「うむ。分かってるよ。」<br>　探偵は、エディの居場所の確固たる場所は限定できなかったが、卒業名簿に載っている彼の母の住所へ彼が行くことは容易に想像ができた。だから、そのことをケビンに伝えるつもりだった。それで1000ポンドもらえれば彼に取ってこんなに旨い話はない。<br>　探偵はニンマリとしながら、事務所への帰路を急いだ。</font></p><br><br><p><font size="3">　探偵がケビンに電話をしていた丁度その頃、黒人にしては薄い肌の色と紺碧色の瞳をした少年が、グラスゴーのとある家の前で思いつめたように佇んでいた。<br>　運命の糸に手繰り寄せられるようにここに来たその少年は、紛れもなくキャシーが捜し続けているエディ本人だった。<br></font></p><p><font size="3">　</font></p><p><br><font size="3">～続く～</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><br>
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<link>https://ameblo.jp/kouki914/entry-10231844644.html</link>
<pubDate>Sat, 28 Mar 2009 00:26:28 +0900</pubDate>
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<title>紺碧の絆-19</title>
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<![CDATA[ <br><p><font size="4">第二章</font></p><br><p><font size="3">(4)</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　ケビンは何とか自分の手でルイスたちが捜しているエディという少年を見つけ出してやりたいと思ったが、何せ自分も担当の裁判や依頼されている仕事があったのでそればかりに没頭できるわけでもなく、仕方なく馴染みの探偵に調査させることにした。<br>　「いいか、できるだけ早く見つけ出すんだ。頼んだぞ。」<br>　その馴染みの探偵の経営する小さな探偵事務所で、ケビンは今自分が持っている情報を記したメモと、前金として1000ポンド(約14万円)をその探偵に渡した。<br>　「3日で見つけ出したら、報酬はもう1000ポンドだ。1週間なら500ポンド、その後1週間ごとに半分ずつ減らしていくからな。頑張って早く捜し出してくれよ。いつものように雑費込みだからな。早く見つけないとお前赤字だぞ。」<br>　「いつも旦那はキツイなあ。分かりましたよ。3日で捜し出してみせますよ。」</font></p><br><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　それから探偵は、まずエディと一緒に逃げたという他の3人の情報を頼りに捜索を開始した。<br>　ボブとロジャーの家が分かっていたことから、孤児院からも捜しに行ったと聞いたが、もう一度その家に行ってみることにした。まずは年長者のボブの家に行くことにした。<br>　列車でダラムに入り、駅から真っ直ぐにボブの家に向かった。<br>　「どんどん街から離れて行くが、ホントにここでいいのか？どこかで道を間違ったかな？」<br>　探偵は、ケビンから受け取ったメモに書かれたボブの実家の住所を確かめながらその家を探したが、街並みからだんだん離れて家も疎らになってきており、少々不安になってきていた。すでに周りが森になったところまで足を踏み入れており、引き返そうかと思い始めた頃、そのキャンピングカーのコンテナが見えた。<br>　「これか・・。」<br>　ドアを引いてみたが、鍵が掛かっていた。仕方なくコンテナの後ろへ回ると窓があったので、その汚れで曇ったガラスを手でこすりながら中を覗いてみた。<br>　お世辞にも綺麗とは言えない室内には、人の気配はなく、ただ物が雑然と転がっているだけだった。<br>　「おっ！」<br>　探偵は、その室内に4つのリュックが置かれていたのに気付いた。<br>　「やっぱりここに来たんだな。孤児院からの捜索より後で来たのか。なかなか頭がいい奴のようだな。ってことは、この近くにいるのか？だが、そんな頭のいい奴なら、こんな足のつき易いとこで寝泊りするはずはないな。どこか知り合いのところでも行ったか・・。」<br>　探偵は、ボブの知り合いを捜そうとしたが、何せ周りに近所と呼べる家があるわけでもない。何時間か辺りを調べて情報を得られそうな人を捜したが、全く手掛かりになるようなものはなかった。<br>　万策尽きた探偵は、仕方なくもう一人の少年の家に行くことにした。ケビンからのメモに書かれていたその少年の住所を見ると、ダラムとロンドンのほぼ中間地点にあたるウェスト・ブリッジフォードと書かれていた。<br>　「ウェスト・ブリッジフォードだぁ？2～3時間はかかるぞ。今日中には無理だな。」<br>　今朝ダラムに来て、ボブの家や彼を知っている人を捜していただけで、既にこのとき夕方を回っていた。今から300kmも離れたウェスト・ブリッジフォードに行ったのでは、遅くなって向こうに着いても結局何もできないと考え、明日そこへ行くことにしてダラムの街の小さなホテルでその夜を過ごすことにした。</font></p><br><p><font size="3">　翌朝、朝食を済ませると、探偵はダラムを後にして列車でウェスト・ブリッジフォードに向かった。ウェスト・ブリッジフォードはイングランド東ミッドランズ地域にあるノッティンガムのすぐ傍の町だった。ここにエディと一緒に脱走した内の一人、ロジャーという少年の家があるらしい。<br>　ボブの家のときと同様に、探偵はケビンからもらった情報の住所を頼りに探していった。<br>　今度は昨日のような森の中ではなかったが、あまり金持ち階級が住むような地域でもなかった。スラムとまではいかないが、明らかに貧困層の住む地域だということは一目で分かった。<br>　ごみごみとした町の中をそのメモに書かれた住所へと足を運んで行き、一軒のあばら家の前で止まった。<br>　「ここだな。」<br>　探偵は、その今にも傾きそうなドアを叩いた。<br>　「すみません。ちょっとお伺いしたいのですが？」<br>　ドアを叩きながらそう声を掛けると、中から中年の女が出てきた。<br>　「どちらさん？何か用？借金の取立てならあいにく持ち合わせはないよ。」<br>　「いや、こちらの息子さんのロジャー君を訪ねて来たのですが、いらっしゃいますか？」<br>　「あんた誰？孤児院の回し者かい？」<br>　「いえいえ、違いますよ。今、人を捜していまして、そのことでロジャー君にちょっとお聞きしたいことがあるのですが、こちらには来ていらっしゃらないのでしょうか？」<br>　女は怪訝な顔をして、はっきりと返事しなかった。それは、この胡散臭い人間を疑っているようだった。<br>　「私は、決して怪しい者じゃありません。探偵なんですよ。」<br>　探偵は女に名刺を渡してそう言った。<br>　「ロジャー君に私が捜している少年のことを聞きたいだけで、彼をどうこうしよと思ってるわけじゃないですよ。」<br>　それでも疑い深そうな女の眼差しに、探偵は仕方なく100ポンドを女の手に握らせた。<br>　「これでロジャー君のことを教えてもらえませんか？彼は、ここにいるのですかな？」<br>　「ちょっとそこで待ってな。」<br>　100ポンドを自分の着ていた服のポケットに仕舞いこむと、女は家の中に入って行った。<br>　「ロジャー、ロジャー！」<br>　「なんだよ、お袋。デカイ声で。」<br>　「お前に客だよ。」<br>　「客？」<br>　さすがは隙間の多いあばら家なのだろう。家の中の声が筒抜けだった。<br>　そして、しばらくすると、14歳というよりは大人びた少年が家から出てきた。<br>　「俺に用ってあんた？」<br>　「君がロジャー君かい？」<br>　「そうだけど、あんた誰？」<br>　「私は探偵だよ。今、エディっていう子を捜してるんだ？」<br>　「え？エディだって!?」<br>　「うん。一緒に孤児院を抜け出したんだろ？みんなでダラムに行ったよね？今、彼がどこにいるか知らないかい？」<br>　「探偵って言ったね？誰に雇われてるの？エディのママかい？」<br>　「どうしてそう思うんだい？」<br>　「いや、エディもお袋さんを捜してたからさ。そうならいいのにって思っただけだよ。」<br>　「ほーっ、エディはママを捜すために孤児院を脱走したのかい？」<br>　「うん。それで俺たちもその手伝いをしてたんだよ。」<br>　「そうだったのか。で？エディは今どこにいるんだい？」<br>　「さあ？それは知らないよ。ダラムまでは一緒だったけど、その後、別々になったからね。俺はエディたちと別れてここへ帰ってきたし。」<br>　「みたいだね。でも、ここだと君は孤児院に連れ戻されるんじゃないのかい？すぐにバレちゃうだろ？」<br>　「今、お袋が役所に話をつけてる。もう俺もデカくなったし、虐待される年でもないからさ。たぶん院には帰らなくて済むと思うよ。」<br>　「そうなんだ。よかったな。」<br>　「よかったのかどうか。帰って来た途端お袋にコキ使われて、これなら院に居たほうがマシだったかもな。」<br>　ヤレヤレというような表情を見せたロジャーだったが、それでも母親と一緒に暮らせるのを喜んでいるように見えた。<br>　「それで、エディがどこに行くとか、別々になるときに聞かなかったかい？」<br>　「う～ん。話していいのかな・・」<br>　渋るロジャーに、探偵は彼にも100ポンドを渡した。<br>　「しょうがないなあ・・。まあ、エディのママが捜してるならいいか。」<br>　ロジャーは、探偵が肯定も否定もしていないのに、勝手にエディの母が捜していると決め付けると、100ポンドを握りしめてそう言った。<br>　「エディはいろいろと手を尽くしてお袋さんを捜している内に、お袋さんが自分を産んだ後、ロンドンからグラスゴーに引っ越したことを知ったんだ。それでグラスゴーに行くと言ってたよ。」<br>　「何だって？グラスゴーだって？」<br>　「うん。もう1ヶ月くらい前の話だから、グラスゴーでお袋さんを捜してるんじゃないかな？」<br>　「グラスゴーのどこに行くとか、何か手掛かりを見つけたとか、そんな話しはしてなかったかい？」<br>　「え～っと。そうそう、お袋さんが自分を産んだときまだ大学生だったってことが分かって、お袋さんの名前も分かったから大学の卒業名簿を調べるとか言ってたな。」<br>　「そうか。分かった。ありがとう。」</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　探偵は、ロジャーの家を後にすると、急いで列車に飛び乗りグラスゴーに引き返した。<br>　彼がグラスゴーに帰り着いたのは、もう大学も閉校する時間を過ぎていた。<br>　「とんだ無駄足だったな。グラスゴーにいるなら、何もダラムやウェスト・ブリッジフォードまで行くこともなかったぜ。大学か・・。グラスゴーには確か大学は3校しかなかったな。そのどこかで出会えたらいいんだが。まあ、今から行ったところで大学は閉まってるだろうし、明日行ってみるか。明日で3日目か・・。何とか明日中には見つけ出したいもんだぜ。」</font></p><br><br><p><font size="3">　絡まった絆の糸は、今、エディとキャシーを繋ぐべく、少しずつ運命の歯車に紡ぎ取られているかのように思われた。<br>　<br></font></p><p><font size="3">　</font></p><p><font size="3">～続く～</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><br>
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<link>https://ameblo.jp/kouki914/entry-10231311934.html</link>
<pubDate>Fri, 27 Mar 2009 00:52:48 +0900</pubDate>
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<title>紺碧の絆-18</title>
<description>
<![CDATA[ <br><p><font size="4">第二章</font></p><br><p><font size="3">(3)</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　　ルイスがケビンにキャシーの子供の捜索を依頼してから1週間ほどした日の夜、子供たちが寝静まった頃、ルイスの帰宅に合わせるようにケビンが彼らの家にやってきた。<br>　「こんばんは。」<br>　「やあ、ケビン。僕も今さっき帰ったとこなんだよ。」<br>　「うむ。君が帰る頃だと思ってやって来たんだ。」<br>　「まあ、ケビン。いらっしゃい。何か分かったの？」<br>　「う・・ん。」<br>　ケビンが少し暗い表情をしたのをルイスは見逃さなかった。<br>　「まあまあ、キャシー、そんなに急かすものじゃないよ。先に熱い紅茶でも入れてくれよ。」<br>　「あっ、私ったらごめんなさい。どうぞ座って。すぐにお茶を入れるわ。」<br>　キャシーは、温かいミルクティーを入れるためにキッチンへ入ったが、彼女の耳はリビングの二人の話に集中していた。</font></p><p><font size="3">　「それで、何か分かったのかい？」<br>　「うむ。分かったことは分かったが、あまりいい情報じゃないんだ。」<br>　「・・と言うと？」<br>　「うむ。キャシーが来たら順序立てて話すよ。」<br>　「お願いするよ。」</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">　少しして、キャシーがたっぷりのミルクの入った熱い紅茶を入れたカップを3つ並べた盆を持って、リビングへ戻って来た。<br>　彼女が3人の前に湯気の立ったティーカップを置き、ケビンは一口そのミルクティーを啜ってから話し始めた。<br>　「まず、その子の名前だが、“エディー・グラハム”というそうだ。」<br>　「エディ・・。それがあの子の名前なのね。」<br>　キャシーは我が子の名前を初めて知って、胸が熱くなる思いだった。　<br>　「うん。キャシーが病院で手続きをしたときは、すぐに養子先が決まれば、その里親に付けてもらって欲しいということで名前も付けてなかったんだね？」<br>　「ええ・・。里親に付けてもらった方が愛情が湧いて可愛がってもらえるんじゃないかと思ったの。」<br>　「うむ。だが、すぐに養子先は見つからなかったようだよ。その名前は、出生届けの期限もあって、乳児院の園長が決めて、姓も園長の“グラハム”をもらったらしい。」<br>　「そうなの・・。養子先はすぐに決まらなかったのね・・。でも、その後養子には行けたんでしょ？」<br>　「いや、3歳の乳児院の入所期限が来ても彼の養子先は決まらず、そのまま孤児院に移ったそうだ。」<br>　「え!? どうして？役所の人はすぐに養子先をみつけるって言ったのに・・。」<br>　「うむ。役所の人も乳児院でも養子先をみつける努力はしている。それは、彼に限らず全ての子供にだけどね。ただ、やはり黒人の血が入ってる子供は、養子縁組が成立する確率は低いそうだ。」<br>　「まあ、なんてことなの。じゃあ、エディはまだ孤児院にいるの？」<br>　「4歳から、セント・ヘレナ孤児院に移されたそうだが、つい最近まではそこにいたらしい。」<br>　「え？つい最近までって、じゃあ、養子先が決まってもらわれて行ったのかい？」<br>　今度は、ルイスがそう聞いた。<br>　「いや、それが・・」<br>　二人のその後のショックを予想して、ケビンは言いにくそうにしていた。<br>　「ケビン、どうしたの？エディはどこにいるの？」<br>　キャシーが冷静さを無くしたようにケビンに詰め寄った。<br>　「脱走したんだそうだ。1ヶ月くらい前の話だそうだよ。」<br>　「脱走だって!?」<br>　「Oh My God !!」<br>　キャシーはそう叫ぶと、言葉を失ったように青ざめていた。<br>　「どうして脱走なんかしたんだ？何かあったのか？」<br>　「いや。エディはいつもは素直で大人しい子供だったそうで、脱走したその日も、院の視察日だったらしいが、よく掃除をして真面目にやってたそうだ。だから院でも全く心当たりがないらしい。院長もあの子がそんなことするなんて、と驚いていたよ。」<br>　「きっと陰でひどい待遇を受けてたんだわ。あの子は耐えられなかったのよ。可哀相に。そんなところにやってしまった私のせいだわ。」<br>　キャシーが動揺を隠せないようにそう言った。<br>　「キャシー、落ち着くんだ。君が取り乱してどうする？」<br>　「でも、ルイス、あの子に何かあったら私のせいよ。」<br>　ルイスに言われても、キャシーは落ち着くことなどできなかった。<br>　「ケビン、そのエディが脱走してからの足取りは何も分からないのかい？」<br>　「うむ。一緒に逃げた仲間が3人いるらしい。同室の子供たちらしいが、一番年長の子は15歳だそうだ。」<br>　「そうか。15歳の子と一緒なら、少しは安心かな。」<br>　「きっとその子たちにそそのかされたんだわ。まだ、みつからないの？院はちゃんと捜しているの？」<br>　少し安堵の表情を見せるルイスとは対照的に、心配でいたたまれない様子のキャシーが言った。<br>　「まあ、最初は捜したみたいだよ。その年長の15歳の子とその下の14歳の子は、家が分かってるらしくて、その家にも捜索に行ったらしいが、来た形跡はなかったそうだ。」<br>　「それだけ？その後はもう捜してないの？」<br>　「まあ、孤児院は常に満杯状態だからね。それは君たちも養子を取るときに見て知ってるだろう。」<br>　「それは、知ってるけど・・。だから、もう捜してはくれないの？院にはたくさん子供がいるから、居なくなった子は知らないというの？」<br>　「脱走したからね。院としてもどうしようもないところはあるんだ。」<br>　ケビンにそう言われ、キャシーは目の前が真っ暗になる思いだった。<br>　「そんな・・・」<br>　「ケビン、すまないが、その子の行方をなんとしても捜し出してくれないか？君が忙しいなら、君の知り合いの探偵に頼んでもらっても構わない。出来るだけ早く、その子の安否が確認したいんだ。」<br>　「分かった。努力してみるよ。」</font></p><br><br><p><font size="3">　エディという名前だと分かった我が子は、行方が分からないままだと聞き、キャシーは心配で仕方なかった。<br>　そして、自分が施設に預けたために、その子の人生を狂わせてしまったのだと、自分を責め続けていた。<br>　涙が溢れて止め処なく流れるのを、彼女は抑えることが出来なかった。<br>　『エディ、何処にいるの？お願い無事でいてちょうだい。』<br>　心でそう願い続けることしか為す術がないキャシーだった。</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3">～続く～</font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><p><font size="3"><br></font></p><br>
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<link>https://ameblo.jp/kouki914/entry-10230908857.html</link>
<pubDate>Thu, 26 Mar 2009 11:58:15 +0900</pubDate>
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