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<title>ロックを知らない21世紀に生まれ</title>
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<description>大好きなロックンロールについて散文でダラダラと。おセンチで自己満足なひとりごとも一緒に。レコード紹介とエッセイ</description>
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<title>チェインギャング</title>
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<![CDATA[ デヴィッド・ボウイが死んだのはもう4年も前のことかあ。<div>なんて、ふとセンシティブな気分になることがある。<div>今もにわかに信じ難いけれど、時間が経つにつれそういう虚しさが薄れていくのも確かだ。</div><div>11年前に忌野清志郎が死んだ時も同じようなことをしばらく考えていた。</div><div><br></div><div>だけど、こんな虚しい気持ちになんのお構いもなく、毎年のように大好きな人たちが死んでいく。</div><div>当たり前のことだけど。</div><div><br></div><div>ピーターフォンダもアンナ・カリーナももうこの世界にはいないのだ。</div><div><br></div><div>彼らの人生はあくまで自分とは別のものだけど、まるで自分の人生の一部かのように物語を与えてくれる。</div><div>そして、エンドロールが流れた後やライブ終演後も、彼らは物語の世界で永遠に生き続けているような錯覚に陥る。</div><div><br></div><div>エンターテイメントやアートの世界では、物理的な死という概念は存在しない。</div><div>好きになった瞬間の延長線上に今も居て、どこまでも永遠に続くおとぎ話のようなものだ。</div><div>人間が生み出すイマジネーションやユーモアは、人々が認識している限り消えてなくなることはない。</div><div>(故に時代とともに忘れられ死んでしまう作品もあるんだけど。)</div><div><br></div><div>だからこそ、現実世界で彼らに本当の死が訪れた途端、僕の中の物語をどうしてくれるんだ、なんて気持ちになりとても悲しくなるのだ。</div><div><br></div><div>近い将来、ポール・マッカートニーやミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ジョン・ライドンたちが死ぬ日だって訪れる。</div><div>当然だけどあまりにも悲しいことだ。</div><div><br></div><div><br></div><div>それに比べて、若くして死んだスターはずるい。</div><div>カート・コバーンやシド・ヴィシャスは、僕が知った時には既にこの世界には存在しなかった。</div><div>むろん、人々の記憶には20代の美しい面影しか残っておらず、輝いた頃のイメージだけが永遠に生き続けている。</div><div><br></div><div>それはとても不思議な感覚だ。</div><div>白髪混じり皺だらけの老人になるまで生きた人間が死ねば、限りある時間を余すことなく使い切りこの世界から消えてなくなったのだと納得してしまう。</div></div><div>しかし、膨大な時間を残したまま死んだ若きスターたちはそうではない。</div><div>艶やかな面影のまま時間軸が無くなり、ピーターパンのようにその年齢のまま永遠に生き続けているように感じてしまうのだ。</div><div><br></div><div>こんなふうに、ロックンロールの話になると必ずと言っていいほど取り上げられるテーマがある。</div><div>それは若くして死んだかということだ。</div><div>みんなそういうのが好きだ。</div><div>27歳の面影のまま存在し続けるカート・コバーンを神格化したい気持ちはわかる。</div><div>彼には年老いて患う欠点がないから、その若い憂鬱は不変的で、いつの時代も10代にとって反逆のシンボルなのだ。</div><div><br></div><div>また死だけにとらわれず、たった1枚のアルバムだけをリリースして解散したバンドも同じような感触を持っている。</div><div>人間は明確な終わりが無いものに対してはそれほど特別な感情を抱かない。</div><div>明日自分が死ぬかもしれないなんて野暮なことは考えないし、もしかしたら永遠に生き続けるのではないかという勘違いを少なからず信じている。</div><div>だから一瞬一瞬を疎かにしてしまうし、完璧なんて概念には一生辿り着けないのだ。</div><div>ところが明確な終わりを提示されると、不思議と完璧を見出すことが出来る。</div><div>明日死ぬと分かっていたら今日という日の完全無欠さを感じることが可能だろう。</div><div>逆に言うと、明確な終わりを設定した時点で物事の最大値が決められ、それを基準に完璧を指標化出来るのだ。</div><div>終わりの見えない未来は、つまり知る由のない曖昧な存在なので、上限がなく完璧など成り立つはずがない。</div><div>だけどたった1枚のアルバムで解散したバンドは基準がひとつしか存在しないので否応なく100点満点なのだ。</div><div><br></div><div>同じ理由で、若くして死んだアーティストが残した作品は、永遠に語り継がれる。</div><div>言ってしまえば、自ら死を決断できた人間にみんな憧れているのだ。</div><div>大抵の人間は生きることを決断しているわけではない。</div><div>決断できないから生きているのだ。</div><div>そんな生におけるルーズさや優柔不断さがあるから、漠然とした希望が持てたりもするんだけど。</div><div>多くはそんなふうに、生まれてきて良かったと思える瞬間をさがしているのだが、自ら死んだ人間の話を聞くと少なからず羨ましく感じたりもする。</div><div>自分で何か選択をした人間ってのは魅力的に感じるもんだからね。</div><div><br></div><div>だけど僕は若くして死んだ人間が素晴らしいなんてことは1ミリも思わない。</div><div>死んだ人間はいつだって偉そうで押し付けがましいから嫌なんだ。</div><div><br></div><div>日常生活にもそんな強欲さは溢れている。</div><div>恐ろしいことだけど、たった10年ちょっとで人生を終わらせる少年少女がたくさんいるらしい。</div><div>彼らの人生については1ミリも知らないし、気持ちだって少しも分かりはしない。</div><div><div>こんなことを言うと顰蹙を買うだろうけど、自ら死のうなんて考える人間は無責任だ。</div><div>馬鹿はそういう人間を擁護したがるけど、本当に賞賛されるべきは生きてる人間なんだと強く思う。</div></div><div>死んでから大切にするんなら、生きてるうちに大切にすれば良かったのに。</div><div><br></div><div>ある人がこんなことを言っていた。</div><div><br></div><div><i>ビールを美味しいと感じるようになる前に死ぬなんて勿体ない。美味しいと感じられるようになったら、あとは生きていける。</i></div><div><i><br></i></div><div>とても素敵な言葉だし、核心をついていると思う。</div><div>ビールを美味しいと感じられる年齢になった頃には、人生を繋ぎ止める些細な物事が増えているんだよ。</div><div>例えば、昨日の夜に飲んだウィスキーが凄く美味しかったからまだ死ねない、とか、今日の晩御飯の時に飲むビールは絶対に美味しいからあと少し頑張るか、みたいなこと。</div><div>アルコールに限らず、そういう歪みを留めるかすがいみたいなものが増えていく。</div><div><br></div><div>10代の頃に出会うものや感じたことは、生涯において絶対的なのは事実。</div><div>たけど、10代の頃は良くも悪くも無駄を知らないと思う。</div><div>年齢を重ねる毎に無駄なものがどんどん増えていって、ビールが美味しいと感じられるようになった頃には、そんな無駄なものが案外自分の人生を支えてるんだなって気づくようになる。</div><div><br></div><div>そんな一筋縄にいくわけないとみんな言うけれど。</div><div>いじめとか家庭内の問題とか、恐ろしいことが溢れているという話はよく耳にする。</div><div>それが原因なのかもしれないし、言葉では表せないもっと漠然とした"何か"なのかもしれない。</div><div>だけど理由があった方がドラマティックだし、その方が馬鹿も擁護しやすい。</div><div>原因に焦点を当てて、話を聞いてくれる人がいたら、とか受動的な優しさみたいなものの欠如を取り上げて全ての問題は解決する。</div><div>自殺配信する若者のニュースを見れば、確かに欠如しているのはそういう周囲からのアプローチなのかもしれない。</div><div>世界中の誰も彼もがそういうのを待ち望んでいるのだろう。</div><div>自分を自分たらしめる周囲からの承認みたいなものを。</div><div>いったい君は誰の人生を生きているのだろうか、と尋ねたくなる。</div><div><br></div><div>そういう人間が死んでしまうのは、悲しい事だけれど納得してしまう。</div><div>先に言ったように、自ら死を選ぶ人間は偉そうで押し付けがましいのだ。</div><div>そんな人間は空っぽだ。</div><div><br></div><div>僕らが生きていくために必要なのは、周りから与えられる愛情ではなくて、自分が能動的に物事を好きになるということなんじゃないかな。</div><div>アレコレ口出ししなくても、ずっと傍にいてくれるようなものが1番大切なのだ。</div><div>それは例えば、1枚のレコードに出会うことだったり、1本の映画だったり、1冊の小説、1枚の絵画、その他多くのエンターテイメントやアートだと思う。</div><div><br></div><div>自ら死ぬような人間やそれを擁護する馬鹿は、自分から何かを好きになったことがないか、そういうものに出会えなかったか、あるいは能動的になれない自分を棚に上げて、ただ幸せにして欲しいと周囲からの慈悲を求め続ける我儘な人間なんだろう。</div><div><br></div><div>そんなに生き急いでいったいどこへ行きたいのだろうか。</div><div>今は空っぽでも、いつか何かを好きになるまでは生きていないと勿体ない。</div><div>きっと自分から好きになれるものと出会えるはずだから。</div><div><br></div><div>ブルーハーツ時代のマーシーもこんなことを歌ってる。</div><div><br></div><div><i>生きているっていうことは カッコ悪いかもしれない</i></div><div><i>死んでしまうという事は とってもみじめなものだろう</i></div><div><i>だから親愛なる人よ そのあいだにほんの少し</i></div><div><i>人を愛するってことを しっかりとつかまえるんだ</i></div><div><br></div><div><br></div><div>きっと生死においては優柔不断なままでいいのだ。</div><div>カッコ悪くても生き続けたから美しく死ねるわけでは無いし、美しいまま死んだからカッコよく生きたということでもない。</div><div>だからどうか、自分から愛するということをしっかりとつかまえるんだ。</div><div><br></div><div>音楽は生死を助長するものなんかじゃない。&nbsp;</div><div>離れたり近づいたりもせず、ただずっとそこにあり続けるだけだ。&nbsp;</div><div>そういうものをしっかりとつかまえなくちゃ。</div><div><br></div><div>僕らの人生はきっと、来月発売するあのバンドの新譜を待ちわびていることの連続なんだから。</div><div>誰かに決められたわけでもなく、自分の足でレコード屋さんに行って、自分の意思でソレを手に取るんだ。</div><div><br></div><div>そういうものと出会えたのなら、たぶん明日も生きてるよ。</div><div><br></div><div><div>『チェインギャング / THE BLUE HEARTS』</div><iframe width="344" height="193" src="https://www.youtube.com/embed/o2R9oVqOksA" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><div><br></div></div><div><br></div><div><br></div>
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<link>https://ameblo.jp/ks17lovinson/entry-12576629060.html</link>
<pubDate>Thu, 20 Feb 2020 23:39:00 +0900</pubDate>
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<title>2019年ベストアルバム5＋1</title>
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<![CDATA[ <b>01.WHY ME？WHY NOT / LIAM GARAGER</b><div><br></div><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20200112/00/ks17lovinson/2e/62/j/o0400040014694575122.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20200112/00/ks17lovinson/2e/62/j/o0400040014694575122.jpg" alt="" width="400" height="400"></a><div><br></div></div><div><br></div><div>個人的にはオアシス解散後のBEADY EYEがすごく好きだったんだけど、世間的に日の目を見ることは無かった。</div><div>というのも、BEADY EYEのファーストは古典的なロックンロールで攻めていたし、セカンドはらしくない実験的要素を取り入れていて、あまり評価されなかったみたい。</div><div>実際2作品のみで呆気なく解散ししてしまった。</div><div>しかし、彼のボーカリストの才能に関して右に出るものがいないのは事実。</div><div>ソロアーティストとして再び輝かしいロックンロールスターに返り咲いたわけだ。</div><div>もちろんソロのファーストもかなり良かったんだけど、個人的にはこのセカンドアルバムの方がより夢中になった。</div><div>リード曲の『Shock Wave』のようなファンの心を鷲掴みにする縦横無尽なロックンロールナンバーがひとつあるだけで、アルバムのクオリティはグッとあがる。</div><div>尚且つ、前作に匹敵する良いメロディのバラードや心踊らされるミドルナンバーが次々に展開されるんだから。</div><div>下手すれば後期のオアシスよりも断然面白い。ただBEADY EYEのような笑っちゃうくらいのロックンロールナンバーは無くなってしまった。</div><div>確かにロックンロールなんて犬も食わないけれど、ジョン・レノンとジョーイ・ラモーンとリアム・ギャラガーだけはいかなる曲でも良いメロディに変えてしまう才能を持っている。</div><div>彼らが歌えばスリーコードの単調な曲だって、他の追随を許さぬ程ポップなメロディに変わるんだから。</div><div>そういう意味では1曲くらい馬鹿みたいなロックンロールナンバーがあっても良かった気もする。</div><div>まあなにはともあれ、これからもリアム・ギャラガーという人間を見届けていたい。</div><div><br></div><div><br></div><div><b>02.9999 / THE YELLOW MONKEY</b></div><div><div><br></div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20200112/00/ks17lovinson/55/13/j/o0320032014694575124.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20200112/00/ks17lovinson/55/13/j/o0320032014694575124.jpg" alt="" width="320" height="320"></a><div><br></div></div><div><br></div><div>再結成後に初めて発売されたオリジナルアルバムだけあって、過去の作品と比べてしまうのは仕方がない。</div><div>ただ、イエローモンキーと吉井和哉のソロを全て網羅している自分の見解としては、本作は非常に新しいバンド音楽だと思う。</div><div>ソロでは特定のイメージに囚われず色んなタイプの曲を作っていた。</div><div>それはかつてのイエローモンキー時代にあった“イエモンらしさ”という固定的なイメージから離れたものだった。</div><div>そういう遊び心とか挑戦をしてきた経験が良くも悪くも影響して、新しいイエローモンキーに生まれ変わったのだろう。</div><div><div>ただひとつだけ言いたいのは、ソロ時代のユーモアは他ならぬ吉井和哉の色だったけれど、本作はひとりの人間で体現できる枠組みを越えて、終わりの見えない広がりを感じさせてくれる。</div><div>それこそが、バンドたるものの魅力に他ならない。</div><div>まあ、再結成からアルバムのリリースまで3年以上期間が空いたので、正直聴き飽きた曲が多く収録されていたのは事実。</div><div>ただ、イエローモンキーはシングルカットされない楽曲に本当の魅力を感じさせてくれるバンドだ。</div><div>そういう意味では、『Breaking The Hide』や『Balloon Balloon』のような素晴らしい楽曲が収録されていて安心した。</div><div>熱狂的なファンであるからこそ賛否両論あると思うが、ひとつ過去と切り離して、新しいバンドに触れるような感覚で聴いてみたら楽しめるはず。</div><div><br></div><div><br></div><div><b>03.CHOOSE LIFE / The Songbards</b></div><div><br></div><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20200112/00/ks17lovinson/30/92/j/o0400040014694575128.jpg"><img 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height="400"></a><div><br></div></div><div><br></div>続いてはかなり初々しいバンドのアルバムをチョイス。</div><div>去年デビューしてファーストアルバムをリリースしたばかりの新人バンド。</div><div>実は自分が通っていた大学の数年先輩らしい、面識はないけれど。</div><div>インディーズの頃に偶然楽曲を耳にする機会があって、良い音楽をやっていたのでライブに行った記憶がある、途中で帰ったけど。</div><div>当時はポストadymori的な枠組みで、正直小山田壮平の真似をした学生バンド感が強かった。</div><div>頑張ってる感は伝わってくるんだよ、歌詞とかも確実に頑張っていいものにしようとしてるプロセスが目に見える感じ。</div><div>だからこそ小山田壮平という天才と比較して、物足りなかった。</div><div>プロセスが見えてしまうと音楽家失格だという持論があるから、一線を超え切れていない歯痒さがあったのかも。</div><div>ちなみにビートルズみたいなバンドになりたいと本人らが豪語するだけあって、当時からビートルズの楽曲をカバーしまくっていた。</div><div>それが本作にとても活かされていたのがかなり良かった点かな。</div><div>やっぱりビートルズをカバーし続けると必然的に変わったコード進行を身に付けてしまう。</div><div>アルバムを通して聴くと、そこでそんなコード使うのか！とか、そのコード展開は予想出来なかった！など非常に音楽的に楽しめる作品になっている。</div><div>最近は2000年代ロックンロールリバイバルに影響されて、ストロークスとかリバティーンズの真似をしたムーブメントが日本に存在する。</div><div>ただ、リバイバルのリバイバルってもはやロックンロールの意に反しているし、英語で歌われても何も伝わってこない。</div><div>その点ソングバーズは、ビートルズを起点に音楽的追求をしていこうという心意気が感じられるし、何より日本語で歌っているから素晴らしい。</div><div>まだまだルーツ的な部分が閉鎖的ではあるが、今後様々なジャンルの音楽を取り入れてどんな進化を遂げるのか楽しみだ。</div><div>ロック好きを唸らせるのか、大したこと無かったと見放されるのか、いずれにせよ先が楽しみなバンドだ。</div><div><br></div><div><div><br></div></div><div><b>04.Section #11 / THE BAWDIES</b></div><div><div><br></div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20200112/00/ks17lovinson/67/2e/j/o0400040014694575130.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20200112/00/ks17lovinson/67/2e/j/o0400040014694575130.jpg" alt="" width="400" height="400"></a><div><br></div></div><div><br></div><div>かつて大好きだったボーディーズだけど、『1・2・3』以降真剣に聴くことは無くなってしまった。</div><div>僕は決して商業的成功のような要因で音楽を嫌いになることは無い。</div><div>むしろロックンロールバンドが商業的に成功しメインストリームに旗を立てるドラマをいつだって待ちわびている。</div><div>ただ、『1・2・3』以降くらいの時期に日本の音楽シーンがガラッと変化したせいで、個人的に過去の洋楽に逃げていた節があって、つい距離を置いてしまったのだ。</div><div>僕が中学の頃くらいに始まったいわゆるミニロックンロールリバイバルの終焉。</div><div>素晴らしかったバンドは解散したりメジャーシーンからいなくなったりしたし、ルーツのないバンドがめちゃくちゃ売れたり、日本のロックシーンが雑な感じになっていった。</div><div>だからボーディーズは1ミリも悪くなくて、むしろ変わらず自分たちのスタイルを貫いているんだから凄い。</div><div>話は変わるが、『HOTDOG』こそが彼らの最も調和の取れた楽曲だと思う。</div><div>ソウルフルかつロックンロールであることと、メジャーシーンに存在できる要素とのバランスが完璧。</div><div>その後『1・2・3』でようやく健全なロックンロールナンバーに順応していった。</div><div>ただ『HOTDOG』のような絶妙なバランスの楽曲は後にも先にもない。</div><div>その代わりポップスの要素を上手いことロックンロールに融合させる技術を得たのは確かだ。</div><div>そして本作は『1・2・3』のクオリティにもう少しポップスの要素を加えた文句無しのアルバムだ。</div><div>残念ながら『HOTDOG』くらいバランスの取れた奇跡的な楽曲は今回もなかったけれど問題は無い。</div><div>変わらぬ信念の元、いい作品を作ろうという熱い気持ちが伝わってきたし、『1・2・3』以降初めて頭一つ抜けた作品になったと思う。</div><div>実際バンドの新譜を聴いて、嬉しくて拳を突き上げたのは久しくなかったから。</div><div><br></div><div><br></div><div><b>05.PUNCH / ザ・クロマニヨンズ</b></div><div><div><br></div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20200112/00/ks17lovinson/7e/e1/j/o0398040014694575134.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20200112/00/ks17lovinson/7e/e1/j/o0398040014694575134.jpg" alt="" width="398" height="400"></a><div><br></div></div><div><br></div><div>僕も歳をとったのか、クロマニヨンズの新譜に取り乱すほど興奮することはなくなってしまった。</div><div>この際だから正直に言うが、ここ数年は結構当たり外れの感覚で聴いてしまっている。</div><div>『ACE ROCKER』ないしは『イエティ』以降のアルバムは首を傾げるか相槌を打つかはしゃぎ回るかの3択どれが来るか分からない域に達している。</div><div>勘違いしないで欲しいのは、死ぬほど大好きという前提があっての3択だ。</div><div>前作の『レインボーサンダー』が指折りで順位をつけられるくらい良かったので、それに比べると少し落ちるかもしれない。</div><div>実際先行シングルの『クレーンゲーム』を聴いた時には、今回のアルバムヤバいかもなって思ってた。（どうヤバいのかは想像にお任せする。）</div><div>まあ、しかしながらアルバムを聴いてライブに行って、相も変わらず最高だった。</div><div>何が最高だったのかってその話は無しにしとく。</div><div>僕なんかが上手く話せそうもないから。</div><div>強いて言うなら、労働後の缶ビールが上手い毎日がビッグチャンスなんだってそれだけの話。</div><div>毎年ありがとう。</div><div><br></div><div><br></div><div>以上2019年のアルバム5選のつもりだったが、2020年始まってしょっぱなに素晴らしい曲がリリースされたのでそちらも。</div><div><br></div><div><b>『ピーター・アイヴァース / ドレスコーズ』</b></div><div><div><br></div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20200112/00/ks17lovinson/e1/dc/j/o0893087414694575138.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20200112/00/ks17lovinson/e1/dc/j/o0893087414694575138.jpg" alt="" width="893" height="874"></a><div><br></div></div><div><br></div><div>しばらく志磨遼平には愛想を尽かしていた。</div><div>サブカルチャーの神話に取り憑かれた彼はロックンロールの盛り上がりを放棄してまで、その領域に足を踏み入れていた。</div><div>『平凡』は平成のはぐれ音楽好きの胸中を鷲掴みにするコンセプトだったから面白かったけど、それ以降は退屈だった。</div><div>かつてサブカルのキーマンだったミュージシャンがこぞってそっち方面に向かうのが個人的には好きじゃなかったから。</div><div>なんてことを思っていたら、こんな曲をリリースするんだから。</div><div>大袈裟に言うなら、毛皮のマリーズ以来ようやく欲しかったそれが手に入った気分。</div><div>何となく志磨遼平のボキャブラリーセンスが活字たるものになっていた昨今のドレスコーズだったが、元を辿れば文字としての言葉よりも、特別じゃない言葉を哲学的にも文学的にもロマンチックにもできる才能の持ち主だと思っている。</div><div>だからこそ、今回の楽曲の歌詞がすごく良かった。</div><div>メロディなんかはかつてありふれていたようなものだけど、今の時代じゃ誰も手をつけない類で、結局みんなそれを待ちわびていたんだな、僕も例外じゃなく、とかなりときめいた。</div><div>うん、これこそが僕らが欲しかった真実だ。</div><div><br></div><div><br></div><div>それじゃあ、今回チョイスしたアルバムから数曲ずつ抜粋してプレイリストを作ったので是非聴いてください。</div><div>残念ながらクロマニヨンズはサブスクリプション化されていないのでレコードを買ってください。</div><div><br></div><div><a href="https://music.apple.com/jp/playlist/2019%E5%B9%B4%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%A0-1/pl.u-gxblkPRFW5dDxJ">2019年ベストアルバム＋1</a></div><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20200112/00/ks17lovinson/8b/70/j/o1080053014694575141.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20200112/00/ks17lovinson/8b/70/j/o1080053014694575141.jpg" alt="" width="1080" height="530"></a><div><br></div></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div>おしまい。</div><div><br></div>
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<pubDate>Sun, 12 Jan 2020 00:37:00 +0900</pubDate>
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<title>スカイウォーカーの夜明け</title>
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<![CDATA[ <div><div><br></div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20191227/21/ks17lovinson/97/df/j/o1080051614686006785.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20191227/21/ks17lovinson/97/df/j/o1080051614686006785.jpg" alt="" width="1080" height="516"></a><div><br></div></div><div><br></div>『スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け』を公開初日に観た。<div><br></div><div>込み入った話は出来ないしするつもりもないが、映画館の暗闇でめそめそ泣いてしまった。</div><div>理由の分からない澄んだ涙が自然と頬を伝う不思議な感覚だった。</div><div>たぶん同じような経験をした人が沢山いるんじゃないかな。</div><div><br></div><div>正直新三部作の内容はこれっぽっちも覚えていない。</div><div>本作を観るに際しても、前作・前々作がどのような展開だったのかをはっきりとは思い出せなかった。</div><div>それでも毎回公開されればすぐに映画館に足を運び続け、遂に最終章を迎えたわけだ。</div><div><br></div><div>そもそも僕がスターウォーズを好きになったのは父親の影響。</div><div>幼少の頃に父親に観せられたのをきっかけに今日今までずっとその熱が醒めない。</div><div>平成生まれの自分にとっては取り立てて映像技術が凄いという感覚はなくて、ただただヒーロー的存在でしかなかった。</div><div>小学生の頃にエピソード3が公開され、父親と兄と観に行ったのをきっかけにさらに熱は増し、よく兄とスターウォーズごっこをしていたのは素敵な思い出。</div><div>クリスマスプレゼントにライトセーバーを買ってもらって兄と戦ったり、エピソード3のアナキンとオビワンの戦いを演じきったり、幼少期はどっぷりそればっかり。</div><div><br></div><div>やがて中学・高校と歳を重ねるごとに、物語の壮大さを理解し始め、なんて悲しい作品なんだと何度も胸を痛めた。</div><div>始まりは仮面ライダーやレンジャーのように少年にとってのヒーローに過ぎなかったが、こればっかしはいつまでたっても卒業することができなくて、ずっと僕の中で永遠の物語であり続けた。</div><div><br></div><div>だからエピーソード7が公開されると知った時は嬉しくて大学のキャンパスで舞い上がった。</div><div>いつも通りの大学の芝生がいつになくキラキラ輝いて見えて、青春の確かな感覚を取り戻した気がした。</div><div>これからしばらくはあの世界観を再び体験できるんだって、そのことだけが嬉しくてたまらなかったんだ。</div><div><br></div><div>実際はエピーソード7・8に関して、取ってつけたような駄作だ！なんて家族や友達と話していたんだけど、今思えばそれこそが新三部作がくれた永遠だったんだな。</div><div>そんなふうに口を尖らせている時こそしっかりとスターウォーズへの愛を抱えていたし、自分なりの最大限の愛情表現だったんだと思う。</div><div><br></div><div>それも全て終わってしまった。</div><div>僕にとっては内容なんかよりも、今年もスターウォーズが公開される！という当たり前じゃないことが当たり前のように起こっているこの数年間が幸せだった。</div><div><br></div><div>だって、スカイウォーカーという一貫した物語は、多くの世代の人々を結びつけてきたんだから。</div><div><br></div><div>父親にとってのスターウォーズはエピソード4・5・6で、僕にとってのスターウォーズはエピソード1・2・3。</div><div>数十年にもわたるスカイウォーカー・サーガは、世代を超えた父と僕をも結ぶ系譜を担ってくれたのだ。</div><div>そして、誰かにとってのスターウォーズはエピソード7・8・9であって、いずれそんな人と出会った時に、また強い繋がりを感じさせてくれるのだろう。</div><div>それは血縁ばかりではない、知らない君とだって分かち合えるものがあるんだ。</div><div>自分の故郷は自分で見つける、自分の居場所は自分で決められる、とレイが証明したように。</div><div><br></div><div>そんなふうに誰かと出会い、偶然同じものを好きになったというのならそれは奇跡みたいなことだと思う。</div><div>そもそも、人間なんて一生分かり合うことが出来ない生き物なんだから。</div><div>今朝のニュースを見たって、誰かが誰かを殺したとかそんな事件ばっかりだ。</div><div>理由はともあれ、僕らだって分かり合えない他人を簡単に殺してしまえるような境界線に立っている。</div><div>そんな傲慢で救いようのない僕らがさ、何か一つでも分かり合えるものがあるとしたら、それはとても素敵なことじゃないかな。</div><div>例えば、僕と父親がスターウォーズの話で興奮できたり、同じくスターウォーズが好きな友達に出会えたこととか。</div><div>それはほとんど奇跡としか言いようがないんだ。</div><div>そして、その時僕らの間にはフォースという強いエネルギーが流れているに違いない。</div><div><br></div><div><br></div><div>素敵な時間をありがとう。</div><div>僕らの未来はいつだって、遠い昔、遥か彼方の銀河系で待ちわびている。</div><div><br></div><div>追いつけないのに追い越してる。</div><div>だから永遠なんだね、この先もずっと。</div><div><br></div><div><br></div><div>ところで、高校の頃に教室に置いてた俺のスターウォーズDVDボックスをパクった奴は誰なんだ！</div><div>見つけたらただじゃおかねえ！</div><div>カイロレンくらい馬面になるまでメタメタにしてやる、フォースの力で！</div><div><br></div><div><br></div><div><br></div>
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<link>https://ameblo.jp/ks17lovinson/entry-12562672610.html</link>
<pubDate>Fri, 27 Dec 2019 21:28:00 +0900</pubDate>
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<title>僕が生きた時代の音楽 vol.1</title>
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<![CDATA[ <p>散々過去のロックンロールについて溢れんばかりの愛を語ってきた。</p><p>&nbsp;</p><p>だけどここで時間軸を2000年代へ戻そうと思う。</p><p>つまり僕が10代を過ごした輝かしい黄金時代へと。</p><p>人生で最も多感な時期に世の中にはどんな音楽が鳴り響いていたのか。</p><p>そんなおセンチなテーマで書いていこうと思う。</p><p>&nbsp;</p><p>※ちなみにそれ以前の時代に台頭し、長く活躍していたようなバンドはピックアップしない。あくまで自分が10代の頃に登場したバンドだけというルールにする。</p><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>まあ、思い返せば燻ってるようで特別な時代だったと思う、僕らの2000年代は。</div><div>長い目で見れば漣程度のたわいないムーブメントだったのかもしれないけど、面白いものがあちらこちらで産声をあげていた。</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>幼少の頃は、バンドブームの終焉と共に到来した、いわゆるJポップ全盛期だった。</div><div>実際は親の影響で過去のロックンロールに洗脳されていたから外の世界をあまり知らなかったんだけど、今思い返せばメロコアバンドの残留とかミクスチャーの末路みたいな、ルーツも内実性もないメインストリームのゴミ溜め、咀嚼しすぎて味のしないポップスばかりが溢れていた。</div><div>演奏スタイルはバンドなんだけど、それをロックだなんてさすがに誰も言えなかった。</div><div>あと、2000年代初頭のファッションとか精神って物凄くダサかったんだよね。</div><div>バブル崩壊と共に訪れたいびつな時代を受け入れようとせず、変に頑固で新しいものを生み出す意欲すら無かった、日本の平成鎖国時代と言っても過言ではない。</div><div>給食の時間の放送では上記のセンスのない音楽ばかりが流れていた。</div><div>&nbsp;</div><div>そんなくだらない毎日に風穴をこじ開けてくれたのが2008年の『THE BAWDIES』との出会いだった。</div><div>小学校５、6年の頃だから到底自分一人の力で出会うことはできなかったが、親父があまりにもアンテナの優れた人間だったので、見事インディーズ時代のボーディーズを知ってしまったのだ。</div><div>実際当時はブラックミュージックのことなんて1ミリも知らなかったけれど、彼らの鳴らす音楽が自分の馴れ親しんだロックンロールとぴったり一致したので、ただただ感覚的な部分で好きになった。</div><div>当時ポールウェラーがボーディーズのことをべた褒めしたという逸話もあったし、必然的に僕の耳に届いたのだろう。</div><div>&nbsp;</div><div>初めて観た映像が「I BEG YOU」のPVで、音楽性然りルックスの良さやスーツを着こなすスマートさがビートルズみたいだと家族で話した記憶がある。</div><div>僕は夢中になってユーチューブで彼らの音楽をディグり、そしてお気に入りの曲になったのがこの「I'M IN LOVE WITH YOU」だった。</div><div>&nbsp;</div><div><p><span style="font-weight:bold;">『I'M IN LOVE WITH YOU / THE BAWDIES』</span></p><iframe allowfullscreen frameborder="0" height="234" src="https://www.youtube.com/embed/8pM3hTy8-x8" width="416"></iframe><p>&nbsp;</p></div><div>&nbsp;</div><div>お金も広い視野も無かった小学生の自分は、CDを買ったりライブに行ったりすることはなく、気づけば「ROCK ME BABY」がドラマの主題歌になり、自分が高校生の頃には大阪城ホールでライブをするなど、一躍有名なロックンロールバンドになっていったわけだ。</div><div>まあ年齢的にどっぷりファンではいられなかった時期がありつつも、バンドが大きくなる瞬間をリアルタイムで感じれたのは後にも先にもこのバンドくらい。</div><div>ちゃんとバイトでお金を稼ぐようになった高校生、シングルやアルバムが発売されるたびにタワレコに足を運び、イベントがあるとすぐに駆けつけていたあの頃はとても素敵な時間だったと思う。</div><div>それに、こんなにルーツコテコテの熱量だけでメインストリームに旗を立てたという事実が今思えば本当に奇跡だった。</div><div><br></div><div>ちなみに、『1・2・3』という完璧なアルバムをリリースした直後に、僕の中でひとつの幕が閉じて、その後は真剣に聴くことは無くなってしまった。</div><div>しかし、中学生の従兄弟がギターを初め、ボーディーズを好きになり、久しぶりに一緒にライブに行ってみれば、あの頃と変わらない熱量でロックンロールを奏でていたので驚いた。</div><div>しかも、最近リリースされたニューアルバムを聴いみれば、楽しくて仕方ないじゃないか。</div><div><br></div><div>僕の部屋からいなくなったものの、今も変わらずロックンロールやR＆Bの熱量と素晴らしさを体現している彼らは本当に素晴らしい。</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>次いで、ボーディーズときたら話題に上がるのが『毛皮のマリーズ』。</div><div>この２バンドは同時期に日本の音楽シーンにロックンロールリバイバルをもたらしてくれた存在だ。</div><div>あいにくインディーズの頃のマリーズとリアルタイムで出会うことはなかったが、2010年にイエモンのDNAを引き継いだバンドがいるという噂で知った。</div><div>丁度その頃がメジャーデビューした時期で、ファーストアルバムを聴いた印象は、声も曲調も平成っぽくないなあ、でも面白！に限った。</div><div>というか、ファーストアルバムの1曲目に収録されている「ボニーとクライドは今夜も夢中」に一撃で殺られた。</div><div>&nbsp;</div><div><span style="font-weight:bold;">『ボニーとクライドは今夜も夢中 / 毛皮のマリーズ』</span></div><div><iframe allowfullscreen frameborder="0" height="234" src="https://www.youtube.com/embed/rr7RWP5CmUo" width="416"></iframe><p>&nbsp;</p><p><br></p>予てからデヴィッドボウイに始まるグラムロックの妖艶さ、そしてイエモンが築いた歌謡曲との融合が大好きだった兄と僕はベタ惚れ。</div><div>ファンからすればインディーズ時代のニューヨークパンクらしさがよかったのかもしれないが、僕はタイミング的にメジャーのマリーズを最初に好きになったので、グラマラスでポップなこの時期に思い入れがある。</div><div>&nbsp;</div><div>だけどこの1年後には解散と瞬く間に幕を閉じ、より深い部分に足を踏み入れる前に姿を消してしまった。</div><div>だから実際はその後結成されたドレスコーズの初期数枚とその時期のライブの方が記憶に残っている。</div><div><br></div><div>まあ、最近の志摩くんはサブカルを拗らせて、もはやロックンロールをやっていない。</div><div>カリスマを気取り、ファンたちはSNSで祭り立てる、みたいな構図で未だに演じ続けている。</div><div>もちろんカルトであることは素晴らしいと思うが、彼のシナリオ性やアート志向は、そもそもデヴィッドボウイやボビーギレスピーありきなので、そんな小さい界隈で燻っているのは残念。</div><div>僕らが本当に望んでいたのは、カルトスターが時代の流れを断ち切って世間を見返す、反逆の夢物語だ。</div><div>変に開き直って孤高を気取る志磨遼平にもう一度ロックンロールをやってくれって誰か言ってやりなよ、俺は言わねえけどな。</div><div><br></div><div>&nbsp;</div><div>何はともあれ、ボーディーズが初期衝動だけでロックンロールを2000年代の日本に持ち込んだのに対し、とてつもない計算と意図的なシナリオでロックンロールを復活させたマリーズ。</div><div>この対照的なふたつのバンドは、僕のリアルタイムで体験するロックンロールの原点だったのだ。</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>こんな風にようやく自分の意思で取捨選択できるようになった2010年に、またしても衝撃的なバンドと出会ってしまう。</div><div>何気なく観ていたNHKのMUSIC JAPANに出演していた『神聖かまってちゃん』だ。</div><div><br></div><div><div><b>『ロックンロールはなりやまないっ / 神聖かまってちゃん』</b></div><iframe width="344" height="193" src="https://www.youtube.com/embed/Wd2xUMUb0lo" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><div><br></div></div><div>&nbsp;</div><div>「ロックンロールは鳴り止まない」というタイトル、その歌詞、そしてカメラに向かって目を剥きながら語りはじめるボーカルののこ。</div><div>それら全てが10代の自分にとっては衝撃的で、日本の音楽シーンが新しい時代を迎える瞬間を目の当たりにしたようだった。</div><div>&nbsp;</div><div>先に述べたようにバブル崩壊後の2000年代はとてもいびつな時代だったのに、メインストリームの人たちはそれをひた隠すように、表面的なコンテンツを量産していた。</div><div>その反動として、世の中をリアルに映し出していたのがいわゆるネットというアングラな世界だった。</div><div>そんなネットジェネレーションから登場したカリスマが神聖かまってちゃんだったのだ。</div><div>&nbsp;</div><div>直接的にアングラなネット世界に関わることはなかったものの、少なからずネットジェネレーションの陰鬱さを根底に持ち合わせていた自分には、気の触れた彼らの言動や楽曲に抵抗なく翻弄されてしまった。</div><div>&nbsp;</div><div>当時のネットというアングラなカルチャーとかつての若者文化であるロックが融合したあの瞬間。</div><div>それは好き嫌いとかではなく、2000年代を生きた若者にとってのサブカルチャーであり、時代を映し出したカルトスターだった。</div><div><br></div><div>まあそんな論理臭さをなしにしても、『ロックンロールは鳴り止まないっ』は平成で最も素晴らしい楽曲だよ。</div><div><br></div><div>TSUTAYAで借りたビートルズとピストルズを昨日は何が良いんだか分からなかったのに、今日部活の帰り道に聴いたら頭から鳴り止まないって、そんな誰も言葉に出来なかったことを歌詞にしてしまえるか？</div><div><br></div><div>いつの時代でも最近の曲なんかクソだって君が言うから、今すぐ叫ぶよ、なんてそんな美しい言葉がこの世に存在したなんてさ。</div><div><br></div><div>誰もがそういうもやもやした気持ちをずっと抱えていて、あれじゃないこれじゃない、って言葉を探し続けていたのに、いとも容易く「ロックンロールは鳴り止まないっ」って言っちゃたんだから、これには適わないよ。</div><div>僕はただ、彼らにありがとうと言うしか無かったんだ、あの頃も今も、そしてこれからだってさ。</div><div><br></div><div><br></div><div>そして、同じく2010年頃には新たな世代がメジャーシーンに登場する。</div><div>自分と同じ10代で、ロックンロールのルーツに忠実なバンド、『OKAMOTO'S』と『黒猫ェルシー』だ。</div><div><br></div><div><br></div><div>まず『オカモトズ』との出会いは「笑って笑って」という曲のPVだ。</div><div>(あいにく映像が見つからなかったのでここでは割愛させてもらう。)</div><div><br></div><div>もちろん楽曲自体がガレージ感満載だし、鋭いギターリフが全面的に押し出されていて、平成には珍しいギターロックバンドだったのですぐに食いついた。&nbsp;</div><div>だけど、それ以上にボーカルのオカモトショウの見た目や立ち振る舞いがミック・ジャガーそっくりだったのが1番の印象。</div><div><br></div><div>そして調べてみれば、ベースのハマ・オカモトがダウンタウン浜田の息子だというんだから驚いた。</div><div><br></div><div>初期3枚は若さゆえの初期衝動で出来たガレージロックアルバムだったが、自分が高校生の時にリリースされ4枚目のアルバム『OKAMOTO'S』以降、猛烈に音楽的スキルや実験性を高めていき、果てはかなりクオリティの高いコンセプトアルバムをリリースする程まで成長していった。</div><div><br></div><div>&nbsp;初期3枚にはカバー曲を収録するなど、ロックンロールのオマージュとかにすごく愛を感じた。</div><div>ステージ上のアーティストでありながら、一音楽ファンの立場でもあった彼らを身近な存在だと感じたことも好きになった要因かな。</div><div><br></div><div>でもここ最近の彼らのスタンスはすごい鼻につく。</div><div>ルーツに忠実なことがそんなに偉いのか、とそんなことを思わせる。</div><div>ロックンロールをやってる奴がこの世界で一番偉いのは紛れもない事実だけどさ、自分たちは全てを見据えているんだぜみたいな態度は好きじゃない。</div><div>ロックンロールをやってて偉そうにしてる奴はかっこいいんだけど、時代の流れを加味して偉そうにしてる奴は滑稽なのかな。</div><div>ロックバンドが他ジャンルに足を突っ込む以上、みんなを黙らせやきゃいけないというリスクがある。</div><div>上手くは言えないけど、色んなものを吸収する上で小手先感を匂わせたらダメなんだよ。</div><div>いつでも本気であるというスタンス、それはスタンスであったとしても捨ててはいけないものなんだ。</div><div>だから最近のオカモトズは面白くない。</div><div>そんなこと言ってる俺は時代の残留なのか？</div><div><br></div><div><br></div><div>そしてオカモトズのライバルであり盟友の『黒猫チェルシー』。</div><div>実は彼らが高校生の頃からバンドの存在を知っていた。</div><div>というのも小学生の頃深夜に放送されていた『音燃え』という番組に彼らが出演していたのを楽しみに観ていたのだ。</div><div><br></div><div>番組内容は、高校生バンドが毎回指定されたアーティストの曲を自分たちなりにアレンジして披露し、グランプリ形式で戦っていく音楽バラエティ。</div><div>そして、決勝まで進んだバンドはオリジナル曲で優勝を競う。</div><div><br></div><div>大抵の高校生バンドなんて毛が生えたようなものだったけど、黒猫チェルシーだけは違った。</div><div>カバー曲を全て原曲の跡形もない程自分たちの色に染め、観るものに驚きと不快感を与えていた。</div><div><br></div><div>実際BOOWYの曲をガバーする回で、ゲストとして出演していた高橋まことに説教されるくらい、格別に面白いことをしていた。</div><div><br></div><div>驚くことに彼らは決勝まで進み、その時に披露したオリジナル曲が『嘘とドイツ兵』だった。</div><div><br></div><div><b>『嘘とドイツ兵 / 黒猫チェルシー』</b></div><div><iframe width="344" height="193" src="https://www.youtube.com/embed/GKqxofjNpwM" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><div><br></div></div><div><br></div><div>軽薄な言葉で言えば、遠藤ミチロウや町田町蔵の子供でしかないけれど、同じ10代が平成の日本でこんな音楽を作っていることが何より衝撃だった。</div><div><br></div><div>その後見事メジャーデビューを果たしたが、時代は平成、彼らの音楽が世の中に受け入れられるはずもなく、右往左往しながら音楽性を変えたものの不発に終わり今は活動休止中。</div><div><br></div><div>視聴者の僕にとっても、町田町蔵のように本当の天才しかオルタナティブは成せないのだという敗北感を突きつけられた瞬間だった。</div><div><br></div><div><br></div><div>他方でまた違ったジャンルで面白いことをしていたのが、2011年に出会った『踊ってばかりの国』だった。</div><div><br></div><div>深夜番組の主題歌になっていた「世界を見たい」を聴いた途端頭から離れなくなった。</div><div><br></div><div><div><b>『世界がみたい / 踊ってばかりの国』</b></div><iframe width="344" height="193" src="https://www.youtube.com/embed/_pRWyWLF2SI" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><div><br></div></div><div><br></div><div>今流行りのシティポップリバイバルの先駆者ららしく、当時は全く注目されていなかったが、今はそれなりに神格化されているらしい。</div><div><br></div><div>まあ、僕はシティポップなんかじゃ全くもって満たされないわんぱん少年なので、今のそれらには1ミリも興味がない。</div><div>それに踊ってばかりの国がシティポップだなんて言ってしまえるのも腑に落ちないのだけど。</div><div><br></div><div>僕が好きになった理由は、常人では思いつかないような言葉を紬ぎ、日本人の感性に響く歌謡曲っぽいメロディを鳴らしていたこと。</div><div>当時清志郎みたいだと父親と話したのは、ルーツは別にしろ、誰もが成し遂げられずにいる日本語をメロディの乗っけてロックンロールするという行為をいとも容易くやってみせるユーモアと才能が感じられたからだ。</div><div><br></div><div>歌詞に重点を置くと言えば、みんなが共感できる安っぽい言葉を並べる事だと誰もが本気で思っているけど、そんなものは嘘だ。</div><div>美しいものを表現するために、汚れた言葉を繋げること、それが文学的で哲学的であることが前提である、それこそが言葉の素晴らしさなのだ。</div><div><br></div><div>そんな犬も食わないようなことを時代の流れも気にせずやっていたこのバンドは中高生の僕には特別な存在だった。</div><div><br></div><div>本心を言うなら、今の踊ってばかりの国の立場は別に好きじゃない。</div><div>決して彼らが悪いわけじゃない、これだけはちゃんと言っておく。</div><div>言葉の力を評価される以前に、シティポップというジャンルで神格化されたことが残念。</div><div>どのジャンルにも属さず、むしろジャンルから突き放されるような美学が似合う彼らが、勝手に丸め込まれた感じが気に食わない。</div><div>ヒッピームーブメントに便乗したヤッピー達が最高って言ったことによってその価値を失ってしまったみたいなもどかしさ。</div><div>素晴らしいんだけどね、「地獄の黙示録」のつもりが「バッファロー66」になっちゃったのかもね、素晴らしいのにね。</div><div><br></div><div><br></div><div>以上、小学校から中学校にかけて、偶然という名の必然で出会ったバンドたちは、高校生になった僕により勢いを与えた。</div><div>日本の音楽ってやっぱり素晴らしいなと思わせてくれるバンドがいるんだよ、いつの時代にだって。</div><div><br></div><div>次回はようやく、視野の拡がった高校生の自分が胸を打たれた、本当の黄金時代の話へと突入する。&nbsp;</div><div><br></div><div><br></div><div>つづく。</div><div><br></div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div><div>&nbsp;</div>
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<pubDate>Fri, 06 Dec 2019 23:18:48 +0900</pubDate>
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<title>ドクタースリープを観た</title>
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<![CDATA[ 公開されて間もなく『ドクタースリープ』を観た。&nbsp;<div><br></div><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20191204/23/ks17lovinson/27/9d/j/o1080080914661021912.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20191204/23/ks17lovinson/27/9d/j/o1080080914661021912.jpg" alt="" width="1080" height="809"></a><div><br></div></div><div><br><div>かの名作『シャイニング』の続編と言うことで、映画好きの間で話題になっている例の作品だ。</div><div>(世間的にはそれ程盛り上がっていないようだが。)</div><div><br></div><div><br></div><div>最初に結論から言うと、2019年に観た映画でナンバーワンだった。</div><div>というか、昨今頻繁に制作される過去の名作続編系でナンバーワンだと言っても過言ではない。</div><div><br></div><div>と言うのも、『ドクタースリープ』がいい意味でキューブリックの系譜を丸々引き継いだ作品ではなかったからだ。</div><div><br></div><div>大概の続編系は、その当時のファンたちの心をくすぐるためのあざとさが感じられる。</div><div>というか、“サブカルチャー”なるものが今の若者にとってあまり意味を成さなくなったのだろうか、80年代を生きた年配の人達を的にしたコンテンツがやけに目につくようになった。</div><div>比較的新しめの『トレインスポッティング』ですら、続編『T2』でのレントンがボンネット越しに不敵な笑みを浮かべるのはあざとくて胸焼けしてしまった。</div><div><br></div><div>とはいえ、『ドクタースリープ』にも映画『シャイニング』のアレコレが散りばめられている。</div><div><br></div></div><div>だけど、本作はスティーブン・キングの描く物語に対する意図と、キューブリックの描くサイエンスフィクションの暴力性を絶妙なバランスで表現していた。</div><div><br></div><div>そもそも『シャイニング』という映画があまりにも原作と相反しすぎているので、続編を作るのはかなり困難だったんじゃないかという声もある。</div><div>いわゆるキューブリックという奇才の爪痕がエグすぎて、そことの折り合いが難しいと誰もが思ったからだろう。</div><div>一歩間違えればナンセンスな作品になりかねなかったのは確かだ。</div><div>もし、キューブリックに媚びを売った奇衒いカルト映画だったら、映画館で大ゲロ吐いてたよ絶対に。</div><div><br></div><div>でも結局、映画『シャイニング』の描く世界観は便乗あるいは否定なんかで立ち向かえるものではない。</div><div><br></div><div>これは自論になるが、キューブリックが遺した映像はもはや物語の演出というよりも、独立したひとつのシンボル・表象なのだと思う。<br></div><div>だから、たとえ映画『シャイニング』の引用がなされてもあざとさを感じず、むしろそこにあるべき当然のもののように捉えてしまうのではないだろうか。</div><div>逆に言うと、続編を作る以上キューブリックの暴力性が干渉するのは避けられない運命なのだ。</div><div>こちらがいかなる先手を打とうとも、キューブリックのエネルギーによって否応なく引き寄せられてしまう。</div><div>(引き寄せられるように仕向ける、と表現した方が相応しい気もするが)</div><div><br></div><div>彼のサイエンスフィクションを目の前にしたら、誰しもが無力だということなのだろう。</div><div><br></div><div>まあ何はともあれ、骨組みがしっかりとした物語を前提に、ちゃんと映画『シャイニング』の続編を描いた本作はとても素晴らしい映画だ。</div><div>終始胸が高鳴った。</div><div><br></div><div>映画『シャイニング』ではスポットを当てなかった、超能力"シャイニング"をメインに展開される2時間30分。</div><div>序盤では複数の孤立した物語が展開され、徐々に超能力“シャイニング”のエネルギーが個々を引き付け合い、ひとつの物語になる。</div><div>そして然るべき方向へと突き進んでいくのだ。</div><div>(すなわち、雪山にそびえ立つあのホテルへと)</div><div><br></div><div>設定としては、『シャイニング』の40年後、大人になったダニーの末路を描いている。</div><div>しかし予告や宣伝文句程、その点が重要ではないと個人的には感じた。</div><div>超能力“シャイニング”が表す哲学と、“ドクタースリープ”というタイトルに秘められた意味合い、それを紐解く一種のサスペンスと考える方がよりエンタメ性を増すからだ。</div><div>加えて、全てを取り巻く根底の味付けがあまりに必然的過ぎた。</div><div><br></div><div>先に述べたようにキューブリックの遺したシンボル・表象はあまりにも強烈だ。</div><div>つまり、人々の記憶に刻まれた(あるいはその存在を知らなくても同じことだが)、雪山、ホテル、木製扉、バーカウンター、ジャックダニエル、そして“Are You gonna take the medicine”という言葉すら、この日常を超越したもうひとつの世界への入口となる。</div><div>(それこそがサイエンスフィクションたるものだと断言しよう。)</div><div><br></div><div>だからダニーではない他の誰か、何の脈絡もない物語が展開されようとも、映画『シャイニング』の暴力性と恐怖によって必ず引き寄せられてしまう。</div><div>もはやスクリーンの中のみならず、製作者や視聴者といった現実世界にもエネルギーをもたらすスピリチュアルな現象なのだ。</div><div><br></div><div><br></div><div>何はともあれ、40年の期間を経て、ようやく物語に終止符が打たれたわけである。</div><div>同時に多くの人々の心に刻み込まれた、不可解な憂鬱に正しい別れを告げる日がやって来たのだ。</div><div>それはあまりにも清々しく、あまりにも悲しいことだ。</div><div><br></div><div>そもそも、僕にとって映画は数時間で自分とは違うここにはない特別な世界を永遠に体験させてくれるコンテンツだと思っている。</div><div>だからこそ、そこに時間軸を持たせて、○○年後なんて設定で描かれてしまうと、自分が体験した特別な世界が急に塗り替えられて壊された気分になってしまう。</div><div><br></div><div>まさかハン・ソロが死ぬなんて誰も思わなかったし、そんなものは観たくなかったわけで。</div><div>それでもファンからすれば観ずにはいられない、そういう純粋な想いを踏みにじってでも商売のために制作される続編は残酷だ。</div><div><br></div><div>だけど『ドクタースリープ』は何かが違った。</div><div>悪い気がしないと表現するのはあまりに陳腐だが、実際素晴らしい映画と賞賛してしまう。</div><div>いったい何故なのか。</div><div><br></div><div>それは、僕らが映画『シャイニング』を理解出来ずわだかまったままなんとなく好きになっていたからだ。</div><div><br></div><div>例えば『地獄の黙示録』を観た時にはとてつもない想像力を掻き立てられた。</div><div>不可解であると同時に膨大なインスピレーションを与えられ、自分なりに確かな手触りを感じたのだ。</div><div>しかし映画『シャイニング』を観た時には、そういう感触が全くなかった。</div><div>まるで、巨大なインテリアショッピングモールで生活用品や家具を見て回る時に感じる歪な慎ましさのようだった。</div><div>そこに意味や脈絡はなくて、ただ曖昧な好き嫌いで手にするか無視するかの2択を強いられる気分。</div><div>僕らはたまたまそれを好きだと選択し買っただけで、実際自分の部屋に置いてみれば、しっくり来ないし、そもそも用途も分からなかった。</div><div>だけど何十年もそれを捨てられずにいて、何の役にも立たないのに、何故か特別感だけが輝いている、そんな気持ちだった。</div><div><br></div><div>君だってそうだろう。</div><div>ずっと捨てられずにいたはずだ。</div><div>きっとそれがあることによって辛い思いをしたこともあっただろうし、誰にも理解されず孤独な時間を過ごしたこともあっただろう。</div><div>いっそこんなもの捨ててしまおうと思ったけど、今日の今まで捨てられずにいたんだろう。</div><div>こんなもの手に入れなければどんなに楽な人生を送れたかと思いながらも、こんな美しいものと出会えて本当に良かったと、矛盾する気持ちで何万回と浮き沈みしながらこの日を迎えたのだろう。</div><div><br></div><div>おめでとう、そんな僕らにようやく正しい選択が許される日が来たのだ。</div><div>ある人にとっては、今までの全てが間違いじゃなかったと胸を張れる瞬間。</div><div>またある人にとっては、捨てきれずにいたそれを心置き無く手放す決断の瞬間。</div><div><br></div><div>どちらにせよ、僕ら欠落した人間にとって、つやつやと身を飾る時が訪れたのだ。</div><div><br></div><div>良かった悪かったではなく、報われたという感覚がしっくりくる。</div><div><br></div><div><br></div><div>ちなみに僕は前者であり、エンドロールと共に新たな永遠に出会うことができた。</div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div>永遠なのか、本当か？</div><div><br></div><div><br></div><div>いやいや、永遠です。</div><div><br></div><div>ここしばらくはね。</div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div>おしまい。</div>
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<link>https://ameblo.jp/ks17lovinson/entry-12552881432.html</link>
<pubDate>Sat, 30 Nov 2019 19:00:38 +0900</pubDate>
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<title>アイ・ヘイト・シューゲイザー</title>
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<![CDATA[ 17才の彼女は常識外れ、パンクロックが大好きだった。<div>だけど、20才の誕生日を迎えた途端、パンクロックよりもシューゲイザーに夢中になった。</div><div><br></div><div>馴れない仕草でタバコをふかしながら、シューゲイザーのことばかりを話す彼女はまるで娼婦のように優艷で、尚且つファシズムにも似た横暴な態度で周囲を見下している。</div><div><br></div><div>ディタラ気取りのチャラな若者とはよく言ったものだが、僕にとってはシューゲイザーに取り憑かれた彼女を見るのはそれ以上に惨めなものだった。</div><div><br></div><div>それから暫く彼女とは疎遠になっていたんだけど、何気ないきっかけで再会することになった。</div><div>するとどうだろう、彼女は頻りに訳の分からない奇声を発するばかりで僕の声はまるっきり彼女に届かない。</div><div>その時に僕は全てを悟った、シューゲイザーに侵された彼女はつんぼになっていたのだ。</div><div>(ここではいわゆる物事を受容することに関して他人に耳を貸さない卑屈さを意味する。)</div><div>僕の声に耳を傾けるわけもなく、ただひたすらこう叫んでいた。</div><div><br></div><div><i>ザァーザァーザァーザァーザァザァー</i></div><div><br></div><div><br></div><div>彼女をここまで救いようのない姿に変えてしまったシューゲイザーとはいったいどんなものなのか。</div><div>同情心と怖いもの見たさで、僕も彼女の背中を追うようにその世界へと足を踏み入れた。</div><div><br></div><div>全くもって愛のない残酷な音楽の世界へと。</div><div><br></div><div><b>『Loveless /&nbsp; My Bloody Valentine』</b></div><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20191026/10/ks17lovinson/57/c6/j/o1080089314624018500.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20191026/10/ks17lovinson/57/c6/j/o1080089314624018500.jpg" alt="" width="1080" height="893"></a><div><br></div></div><div><br></div><div>いわゆるシューゲイザーの金字塔と呼ばれるアルバム。</div><div>一般的にフィードバックノイズやエフェクターを駆使した騒音の中に耽美なメロディが浮遊する音楽をシューゲイザーと呼ぶ。</div><div>そのルーツは基本的にサイケデリック・ロックやガレージロックと言われている。</div><div><br></div><div>しかしながらこのアルバムはサイケデリックでもなけりゃガレージ感もない。</div><div>もはやジャンルを超越している。</div><div>そういう意味ではオルタナティブなんだけど、ポストパンクのように調和が取れていない美学ではなくて、荒々しいのに丸みを帯びたイメージ。</div><div>試行錯誤しまくって、仕舞いにはクリエーションレコーズの副社長の首が回らなくなるくらい金を費やした贅沢すぎるアルバムだ。</div><div>だけど無駄な要素がひとつも無いと思わせるくらい完成されている。</div><div>正しい選択だけで作り上げられた壮大な音の集合体、しかもそのひとつひとつをコントロール出来ているから、集合体がひとつの塊として成り立っている。</div><div>そういう意味ではやはり調和の取れた作品なのだろう。</div><div><br></div><div>彼女の背中を追い踏み入れた世界だったが、当時はこれを音楽と呼んでもいいのだろうか、という根本的な疑問ばかりが溢れていた。</div><div><br></div><div><b>『Only Shallow / My Bloody Valentine』</b></div><div><iframe width="344" height="193" src="https://www.youtube.com/embed/FyYMzEplnfU" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><div><br></div></div><div><br></div><div>初めてこの曲を聴いた時に、論理では解決出来ない不可解さに襲われて、とてつもない印象が頭から離れなくて何度も何度も繰り返し聴いた。</div><div><br></div><div>今のは何だったんだろう、という説明しようのない衝撃を受けたのは間違いないが、それがスクリーマデリカのように絶対的な手触りに変わることはなく、なんとも歯痒くて、実際激しい歯軋りのせいで奥歯が2ミリくらい磨り減ったんだけどね。</div><div><br></div><div>つまりはこのアルバムが音楽的に素晴らしいかなんて判断しようもないってことなんだけど。</div><div>でも何となく僕にとっては、ベルベットアンダーグラウンドへの冒涜であり、イギーポップへの敗北、そしてピストルズへの裏切り、そういう苛立ちを感じた。</div><div><br></div><div>対するRIDEはUKロックバンドらしさを匂わせていたから商業的にも成功したのだろう。</div><div>シューゲイザーと一括りにされるが、ハッピー・マンデーズやスミスやストーン・ローゼズで知られるマッドチェスターのように、サイケデリックでセンシティブな要素を感じさせる。</div><div>身構えながら聴いたものの、なんの抵抗もなくすんなり受け入れることが出来たのも事実。</div><div><br></div><div><b>『Nowhere / Ride』</b></div><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20191026/10/ks17lovinson/12/54/j/o1080096914624018509.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20191026/10/ks17lovinson/12/54/j/o1080096914624018509.jpg" alt="" width="1080" height="969"></a><div><br></div></div><div><br></div><div>実際このアルバムなんかは、イギリスにおけるロックンロールの歴史を真っ当に吸収した末に生み出された90年代の少しだけ新しいアルバムと表現して差し支えない。</div><div><br></div><div>マイブラのラブレスはルーツを感じさせないけど、ライドはどことなくルーツに献身的な部分がある。</div><div>杜撰な言葉で片付けるなら、ブリッドポップへの安全な進路か、マッドチェスターの残留か。</div><div><br></div><div><div><b>『Vapour Trail / Ride』</b></div><iframe width="344" height="193" src="https://www.youtube.com/embed/pVhNi5cU8mo" frameborder="0" allowfullscreen></iframe><div><br></div></div><div><br></div><div>イギリスの音楽が持つ素朴で退廃的でメランコリックな部分を限りなく正解に近い形で表現したという意味では文句のつけようがないバンドなのかもね。</div><div><br></div><div>しかし、ナチュラルボーンオナニストなのかと言われればそうでもなくて、にわかにセックスの匂いを感じさせるのが彼らの欠点なのかも。</div><div>マイブラのラブレスは絶対的に自意識と自慰だけで確立された究極の手淫アルバムだったけど、ノーホヘアはティーンエイジャーの焦がれマスカキアルバムみたいなもんだった。</div><div>まあ、どっちが正解ってこともないんだけど。</div><div><br></div><div>いずれにせよ、彼らの躍進は短命で、来たる90年代の大きなムーブメントによって姿を消すことになる。</div><div>かと思えば、今じゃ神格化される始末で、続々とシューゲイザーバンドが再結成するなんて、誰が想像出来ただろう。</div><div><br></div><div>聴覚を失った彼女の頭の中には今も頻りにフィードバックノイズが鳴り響いているのだろうか。</div><div>もしそうだとしたら残酷すぎる。</div><div>もう二度と良質なクラシックアルバムを聴けないんだから。</div><div><br></div><div><br></div><div>もうお腹いっぱいだ、これ以上話すこともねえわ。</div><div>結局彼女が取り憑かれたようにのめり込んだシューゲイザーが何だったのかはイマイチ分からなかったけどさ。</div><div>僕からすれば、パンクロックのように衝動的なアンチ精神もなければ、ポストパンクやニューウェーブのように身を賭すようなイマジネーションもなかったように思える。</div><div>インテリぶった青年が必要以上にアバンギャルドを模索した末路みたいな気疎さ。</div><div><br></div><div>それでも実際は高く評価されたわけだし、多くのフォロワーが存在するのもしかり、僕だってときたまこれらのアルバムを聴いてやるせないダイナミズムを感じたりしている。</div><div>だからそう悪く言うつもりもない。</div><div><br></div><div>でもこれだけは言わせてくれ。</div><div>彼らの影響を受けて、シューゲイザーバンドをやってる今の若い連中はクソだ。</div><div>ユーモアと想像力が極度に鈍い証拠だ。</div><div>お前らがやってる音楽はこれっぽっちも魅力的じゃない、ただかつての歴史をなぞっているだけ、しかもアイデンティティや独創性を無視した、誰が作ってもさして変わらないテンプレみたいな音楽だ。</div><div>挙句、自分たちは特別な音楽を生み出していると孤高を気取るからタチが悪い。</div><div><br></div><div>シューゲイザーは文学的だって？</div><div>日本人の君が書く英語の歌詞にどんな文学があるって言うんだい？</div><div>シューゲイザーは哲学なのか？</div><div>ろくでもない自分を偽るために奇才を気取っている現代アートの申し子ってとこか？</div><div>シューゲイザーのノイズこそが昨今の廃れた音楽の風穴になるって？</div><div>だいたい、君が鳴らすノイズは君の物じゃない、ケビンシールズは確かに自分のやり方と自分のイマジネーションで新たなジャンルを確率したけど、君はただコピーバンドをやってるだけじゃないか。</div><div>そうやってアンチでしか成り立たない自己肯定感なんて、獲物に噛み付いたトカゲが今まさに自分の尻尾を噛み付かれていることに気づいていないくらい滑稽だ。</div><div><br></div><div>思いつく限りでシューゲイザーを日本ナイズさせて独創的な音楽にしたのは、神聖かまってちゃんだけだ。</div><div>それ以外は全てがクソ。</div><div>特別じゃないと気づいてくれ、量産されるポップスのそれと何ひとつ変わらない、むしろそれよりも厄介な不燃物なんだから。</div><div><br></div><div><br></div><div>最後にこれだけは言っておく。</div><div>お前らにジーザスアンドメリーチェインの良さが分かってたまるか。</div><div>一緒にするな、ロックンロールを馬鹿にするな。</div><div><br></div><div><br></div><div>ん？俺がシューゲイザーの素晴らしさを少しも理解していないつまらない人間だって？</div><div>君とは仲良くなれそうだ、今度1杯どう？</div><div><br></div>
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<pubDate>Sat, 26 Oct 2019 10:56:00 +0900</pubDate>
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<title>映画『イエスタデイ』とは</title>
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<![CDATA[ 先日から公開されている映画『イエスタデイ』。<div><div><br></div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20191020/17/ks17lovinson/e6/bd/j/o1080081014619480547.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20191020/17/ks17lovinson/e6/bd/j/o1080081014619480547.jpg" alt="" width="1080" height="810"></a><div><br></div><div><br><div>愛してやまないビートルズをテーマにした内容で、尚且つダニーボイルが監督ということもあり、かなり期待をしていた。</div><div><br></div><div>先に率直な感想を述べると、個人的には好きじゃなかったし途中で帰るか迷ってしまった。</div><div>あくまで個人的な感想なので全くもって鵜呑みにして欲しくはない、気になっている人は是非映画館に足を運んで自らの感性で確かめて欲しい。</div><div><br></div><div>映画が終わったあと暫くダニーボイルにキレていたんだけど、どうしても文章で書き表したかったし、そうしなければいけないような義務感すら感じている。<br></div><div>しかし批評を書くつもりはないので、どうか杜撰な週刊誌を見るような疑心暗鬼な目にならないで欲しい。</div><div><br></div><div>大まかなストーリーは、ビートルズという存在、つまり彼らの全213曲を、交通事故にあって目覚めると自分以外誰も知らない世界になっていたっていうファンタジー。</div><div><br></div><div>10年くらい前に連載されていた日本の漫画で、『僕はビートルズ』という似たようなストーリーの作品があった。</div><div>本作と大きく違ったのは、ストーリーが展開される時代が現在ではなく過去で、ビートルズがデビューする少し手前にタイムスリップするという内容だった。</div><div><br></div><div>結局ビートルズがデビューするよりも先に、彼らの楽曲を世の中にリリースしてしまい、案の定社会現象になる程の人気を集め、本来とは異なる歴史に塗り替えてしまう。</div><div><br></div><div>当時その漫画を読んでいた僕は、なんて夢のあるファンタジーなんだと興奮しつつも、こんな残酷な悲劇はないと頭を抱えたりしていた。</div><div><br></div><div>でも最終的には、歴史を塗り替えたせいで燻っていたビートルズのメンバーが、本来の歴史では存在しない214曲目を作るっていうエンディングなんだけど。</div><div>自らの楽曲が歴史の歪みによって失われたとて、ビートルズの4人は変わらず天才だったっていうとてもグッドな結末だったな。</div><div><br></div><div><br></div><div>で、『イエスタデイ』の話に戻るんだけど。</div><div>正直ストーリーは全然面白くないが、いろいろと考えることはあった。</div><div><br></div><div>『僕はビートルズ』と違い、今現在の世界からビートルズがいなくなったらっていう設定は素晴らしい。</div><div>理由はとてもリアリティを感じさせるから。</div><div><br></div><div>つまり、ビートルズという存在がこの世界からなくなってしまうという事象はファンタジーという言葉のみで片付けられる問題ではなく、本当に起こりうる、実際に起こっていると言っても過言ではない文化の喪失だからだ。</div><div>そういう意味で凄くリアリティを感じさせられたのだ。</div><div><br></div><div>中学校の音楽の教科書にはビートルズの事が記されていたし、楽譜も載っていた。</div><div>しかし音楽室にいた同級生の中でビートルズの楽曲を知っている人は何人居たのだろうか？</div><div>例え楽曲を耳にしたことがあったとして、それがビートルズだと認識していただろうか？</div><div>ひとつはっきり言えるのは、あの時音楽室にいた同級生の中で、ビートルズの素晴らしさや、彼らが起こした革命の偉大さを理解している奴なんてひとりもいなかったってことだ。</div><div><br></div><div><div>そういうのがごく当然になりつつある。</div></div></div><div>ビートルズのメンバーの名前を言えないような奴らが“ロックバンド”と呼ばれる時代だ。</div><div>ルーツとかオリジナリティなんてもはや死語さ。</div><div><br></div><div>だけど、それが良いとか悪いとか、そんな陳腐な着地点に持っていきたい訳ではなくて。</div><div><strike style="">(悪いに決まってんだろうがこのクズ野郎、ビートルズを知らない昨今のロックバンドなんてタマキンのないポコチンみたいなもんだ、ざまあみやがれ！)</strike></div><div><strike style=""><br></strike></div><div>実際問題そうなりつつある2019年に、映画『イエスタデイ』をファンタジーとかフィクションとはとても言い切れないって話。</div><div><br></div><div>カルチャー、いわゆるアートとかエンターテインメント、それにまつわるコンテンツはかなり手の届きやすいものになった。</div><div>わざわざレコードやCDを買わなくったって、月々数百円で大量の音楽が聴き放題。</div><div>故に蔑ろになるんだろうけど(まるで使い捨てカイロのように)、だからこそ物事の本質に触れる機会は身の回りに溢れているんだよ。</div><div>悲観的になる必要はなくて、むしろ面白い時代を生きていると前向きに考えるようにしているよ僕は。</div><div><br></div><div>だから、どうか本質的な部分に触れることができる人間でいて欲しいんだ君には。</div><div>強要じゃない、別に無理に好きになる必要なんて全くない。</div><div>だけど何も知らないまま嫌いになってしまう空っぽな人間になって欲しくないんだよ。</div><div>世の中には素晴らしいものが沢山あるんだから、どうかそのことを知っていてね。</div><div><br></div><div>僕にだってどんなに本質に触れようとしたって好きになれないものは当然あるよ。</div><div>例えばポスト印象派の作品。</div><div>彼らの苦悩に苛まれた前衛的な思想とか言葉には凄く感化される部分があるし、この先も『月と六ペンス』を人生のバイブルだと思える自分でいたい。</div><div>だけど、彼らの作品を好きにはなれないんだ、理解できないというか、理解しようとしても向こうから突き返されるような不思議な感覚なんだけど。</div><div>昨日だって上野で『ゴッホ展』を観賞してきたんだけど、やっぱり不快な気持ちになった。</div><div>何となく観賞時間の記憶をなかったことにしたいとすら思っているもん。</div><div><br></div><div>だけどね、決してポスト印象派の作品がこの世の中から(正しくは人々の記憶から)消えてしまえば良いとは思わないんだ。</div><div>きっと無くなれば幾分か日常が面白くなくなってしまう気がするから。</div><div><br></div><div>つまりそれだけの事なんだけどね。</div><div>ビートルズがいなくなった世界はとても退屈だ、という劇中のセリフが全てを物語っている。</div><div><br></div><div>別に2019年を生きる若者が望んでビートルズをこの世界から追いやろうとしているわけではない事くらい知っている。</div><div>だけど、望んでそのものに触れようとしていないことも知っている。</div><div>普通に生きていればそんなきっかけと出会うことなんてなかなか無いからね。</div><div>僕がブログを書き始めた理由は、限りなくゼロパーセントに近いとしても、僅かなきっかけになりたいと思ったからなんだ。</div><div>相変わらず訳の分からないことをダラダラ書きやがって気持ちの悪いヤツだと思うだろう。</div><div>だけど僕はロックンロールの素晴らしさを出来る限り多くの人に知って欲しいんだ。</div><div>ビートルズがいなくなった退屈な時代を生きるのは嫌なんだよ。</div><div><br></div><div>それでなくとも人生なんてもとから退屈で仕方ないんだから、どうか短いようで長い暇つぶしを僕らから奪わないで欲しいんだ。</div><div>ビートルズがいなくなった世界ではろくに暇なんて潰せない。</div><div><br></div><div>すごい速さで文化の喪失が進んでいて、それは誰にも止めることは出来ないんだろうけど、そういう危機感とかリアリティをスクリーン越しに訴えているのだとすれば、誰も彼もが映画『イエスタデイ』を観に行くべきだと思う。</div><div>いや、観に行ってください。</div><div>これは個人的なお願いだ。</div><div><br></div><div>どうかビートルズがいない退屈な世界に慣れてしまわないで。</div><div>退屈で仕方がない僕と君と彼と彼女のために。</div><div><br></div><div><br></div><div>それはそうと、もし映画通りビートルズの曲を知っているのが自分だけになって、自分の作品として世の中に発表できるなら最初にどの曲を選ぶ？？</div><div>ここからは純粋にファンタジーの話としてみんなに聞いてみたい。</div><div><br></div><div>僕は色々考えた結果、ベタに『A Day In The Life』かな。</div><div>たぶん今の時代でもみんなぶっ飛ぶと思う。</div><div>あと、『A Hard Days Night』も。</div><div>昨今の音楽はイントロという概念を無駄遣いし過ぎなので、1音のダイナミズムなんて斬新でみんなきっと驚くよ。</div><div><br></div><div>そんな話を笑いながらできる日が来た時は、ふたりで美味しいウィスキーでもどうだい。</div><div><br></div><div>なんて嘘、信じていいよ。</div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div></div>
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<pubDate>Sun, 20 Oct 2019 17:43:00 +0900</pubDate>
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<title>時計じかけのオレンジ</title>
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<![CDATA[ <div><br></div><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20191008/21/ks17lovinson/4c/a4/j/o0695108014610190749.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20191008/21/ks17lovinson/4c/a4/j/o0695108014610190749.jpg" alt="" width="695" height="1080"></a></p><p><br></p><p><br></p><p>中高生の頃は、1番好きな映画を尋ねられると、すかさず『時計じかけのオレンジ』と答えていた。</p><div>&nbsp;</div><div>大して映画のことなんて詳しくもないのに、あたかも精通しているような態度で。</div><div>&nbsp;</div><div>そういう心情って若い頃にはよくあることなんだけど。</div><div>ただひとつ好きだと思える作品に出会った瞬間に、それを含むアートやエンターテイメントの全てを好きになってしまうことって。</div><div>&nbsp;</div><div>例えば、ビートルズに出会った瞬間にロックンロールの全てが好きになってしまうような。</div><div>知らないロックンロールバンドなんて無数にあるのに、それら全てがもう自分のものだと思ってしまう支配欲みたいなの。</div><div>&nbsp;</div><div>そんな感じで、思春期の僕は『時計じかけのオレンジ』と出会った瞬間に映画の全てを好きになってしまった。</div><div>サブカルチャーという名の宇宙への入口になったわけだ。</div><div>&nbsp;</div><div>暴力、セクシャル、ファッション、言葉、SF。</div><div>そして、映像というよりも切り取られたワンシーンだけで絵になる描写。</div><div>専門的なことはひとつも分からないけど、とにかくかっこいいんだ。</div><div>しかも、いちいちかっこいい。</div><div>そりゃあ、10代の少年少女はぶっ飛ぶにきまってる。</div><div>&nbsp;</div><div>やっぱり中高生の頃に『時計じかけのオレンジ』と出会えたかっていうのはその後の人生に大きく影響してしまうんだよ。</div><div>だって自ら望まなければ出会えないもんあんな映画(※中高生の頃には)。</div><div>大抵は泣ける話と純愛ストーリーと漫画映画みたいなので回ってるんだ世の中。</div><div>一歩踏み出して『レオン』なんかに辿り着いたとて、その後『バッファロー66』とか『パルプ・フィクション』『トレインスポッティング』止まりだよ、知らねえけど。</div><div>そいつらは大抵、星野源とandymoriを聴いてるんだ、まじで知らねえけど。</div><div>せめてYMOくらい聴いててくれよ、俺は聴かねえけど。</div><div>&nbsp;</div><div>ちなみに中高生の頃に『時計じかけのオレンジ』と出会った影響が良いものだとはひと言も言っていない。</div><div>当たり前じゃないか、そりゃあ何も考えずに流行っているものだけを摂取して、散々流行りに乗っかってブームが終われば忘れちまって、また次の流行りに乗っかって、そんなふうに経済を回す方がいいに決まっているんだ。</div><div>&nbsp;</div><div>もしくは先にあげた、『レオン』『バッファロー66』くらいで、少し特別感を持って、同じサブカルなお友達と鼻を高くするのも幸せだな。</div><div>&nbsp;</div><div>中高生の頃に『時計じかけのオレンジ』を好きになるとまじで生涯孤独になる、話し相手がいない。</div><div>だって大学生になると『時計じかけのオレンジ』が良いという連中は山ほどいるけど、その頃には特別感が無くなっているから。</div><div>そんでタチが悪いのが、少し恥ずかしくもなってくることなんだよな。</div><div>ある年齢に達すると、ロックTシャツを着るのが恥ずかしくなるみたいな感じ。</div><div>『時計じかけのオレンジ』が好きって言うのって、ベルベットアンダーグラウンドのバナナのTシャツを着るくらい恥ずかしいよなっていう定番のあれ。</div><div>&nbsp;</div><div>サブカルチャーが大好きなのに、“サブカル”っていうニュアンスがどうしても許せない頃ってなかった？</div><div>自分はこんなにも音楽とか映画とか真面目に大好きでアイデンティティそのものなのに、繁華街を歩けばほとんどがお洒落のコンテンツとして扱われてしまうのを受け入れられない気持ち。</div><div>それで、自分もそんな物事の本質よりもお洒落の道具として利用している、あるいは他人と違うことに優越感を得ているつまらない人間なのだろうかと真剣に悩んだりね。</div><div>&nbsp;</div><div>そういうジレンマに侵されて、否応なくスターウィーズで貫き通す時期もあれば、ゴダールだのジムジャームッシュだの言って、結局コッポラに落ち着いたり、もうブレブレよ、全部が好きなのに全部が嫌いみたいな情緒不安定な時期が確かにあった気がする。</div><div><br></div><div>でもね、大学の図書館で映画を観ていた時(たしか『太陽を盗んだ男』を観ていた)に、隣の席の女の子が、キューブリックの『2001年宇宙の旅』を目を凝らしながら観ていたんだけど、ついうとうとして、それでも頑張って目をこじ開けるんだけど、最後は寝てしまうみたいな光景を目の当たりにした時に、これだなって納得したんだよ。</div><div>こういう気持ち長い間忘れてたなって我に返らせてくれた。</div><div><br></div><div>たぶん彼女も何かのきっかけで映画というカルチャーの全てを好きになったんだと思う。</div><div>それで、冷め止まぬ探究心で臨んだのが『2001年宇宙の旅』だったんだろうね。</div><div><br></div><div>あんなクソつまらない映画寝るに決まってらあ！</div><div>好きじゃねえよ、頼まれても二度と観ねえよ。</div><div>ファッションじゃねえんだよサブカルチャーは。</div><div><br></div><div>『レオン』の良さは分からないけど『トレインスポッティング』は好きさ。</div><div>『ロッキーホラーショー』はもういらないけど、『ファントムオブパラダイス』は最高だ。</div><div>サブカルチャーだから好きとか嫌いとかそういう判断基準じゃなくて、自分が好きだと思ったものへの探究心、それって美しい。</div><div><br></div><div>そんな気持ちでさ、午前十時の映画祭へ足を運んだわけよ。</div><div>なんたって、『時計じかけのオレンジ』を映画館で見れるって言うんだからさ。</div><div>少し不安だったけどね。</div><div>かつてはあんなにも崇拝していた映画だけど、歳を重ね羞恥心が生まれ蔑ろにしてきたから、今更まっさらな気持ちで観れるかなって。</div><div><br></div><div>だけどね、アレックスの不敵な表情がスクリーンに映し出された瞬間にそんな不安は吹き飛んだ。</div><div>ついでに脳ミソも宇宙の向こう側のもっと遠い所へぶっ飛んでいってしまった。</div><div>ビンビンのギンギンだぜまったく。</div><div><br></div><div>スクリーン越しにトルチョックされまくってもうへろへろさ。</div><div>10代の頃、初めて観たあの衝撃と熱量は1ミリも変わらなかった、相も変わらず鋭い。</div><div>ほんとよく出来た映画、やっぱり好きだな。</div><div>アレックスの超暴力が自分の人生の高揚の基準になってしまったから、こんなにも毎日がつまらないんだろうね。</div><div>それとも、こんなにも興奮の伸び代が残っているってことなのか？</div><div><br></div><div>しかし正直なところ、あっち側のデボチカとインアウトしたいので、出会わなければよかったよこんな映画、というのが本音。<br></div><div><br></div><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20191008/21/ks17lovinson/e7/64/j/o0575038314610190754.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20191008/21/ks17lovinson/e7/64/j/o0575038314610190754.jpg" alt="" width="575" height="383"></a><div><br></div></div>
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<pubDate>Tue, 08 Oct 2019 21:58:00 +0900</pubDate>
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<title>ラブ＆ポップ</title>
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<![CDATA[ <p>取り立てて幻滅した素振りは見せなかったものの、高校生の自分にはかなりショックな出来事だったのかもしれない。</p><p>&nbsp;</p><p>それはいわゆる青春という抽象的な概念が今まさに終わりを迎えたのだと、曖昧な手触りではっきりと理解してしまった瞬間なんだけど。</p><p>&nbsp;</p><p>2014年1月15日、高校三年生になる少し手前、17才になって間もない頃。</p><p>正確には2014年1月14日(フラゲ日)なんだけど、その日に銀杏BOYZというバンドの新譜『光の中に立っていてね』をタワーレコードで購入した。</p><p>前作から9年ぶりのリリースという想像を絶する空白期間の末に僕の部屋にやってきた。</p><p><br></p><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20191004/22/ks17lovinson/15/01/j/o1080087114606894482.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20191004/22/ks17lovinson/15/01/j/o1080087114606894482.jpg" alt="" width="1080" height="871"></a></p><div><br></div><p>&nbsp;</p><p>そもそも銀杏BOYZと出会ったのは思春期真っただ中、中学二年生の頃だった。</p><p>ブルーハーツや忌野清志郎やイエローモンキー、あといくつかのロックンロールバンドで多感な時期をなんとか乗り越えていたんだけど。</p><p>そんな時期に偶然出会った銀杏BOYZに激しく心を揺さぶられてしまった。</p><p>&nbsp;</p><p>ベクトルとしては先にあげたロックンロールバンドと同じなんだけど、中学生の自分にはそれ以上に自己肯定感を助長してくれる存在だった。</p><p>とてつもなく醜くて汚れていてドロドロと脂ぎった、他人には言えないような部分を全部。</p><p>&nbsp;</p><p>例えば、ムカつく奴を全員ぶっ殺してやりたいとか、 あの子の裸を見てみたいとか、発狂しながら大暴れして全部をぶっ壊してやりたいとか、そういう社会的に不純だと見なされるような高まりを。&nbsp;</p><p>(勘違いしないで欲しいのは、それは単に高まりに過ぎないということだけど。)</p><p>&nbsp;</p><p>その頃メディアから垂れ流されていたのは、応援ソングと呼ばれる無責任に背中を押すような音楽ばかり。</p><p>逆にアングラなネット世界では終末論に近い悟りきった音楽がカルト的な支持を獲得し始めていた。</p><p>&nbsp;</p><p>バブルが崩壊して、内実性のない幸福を無理やり押し付けられ、不安で仕方がなかったあの時代の雰囲気の延長線。</p><p>村上龍の小説『ラブ＆ポップ』に象徴される宙吊りのような日常感。</p><p>誰も口にしないだけで、そんな雰囲気がずっと続いていたんだと思う、少なくとも自分が中学生だった頃までは確かに。</p><p>&nbsp;</p><p>あの時に僕らが欲しかったのは、表面を擦るような応援ソングでも、いっそ死んだ方が楽だなんて歌う諦めの音楽でもなかった。</p><p>出来心で飛び越えてしまいそうな低いフェンスの前で思い留まった、醜くて弱い自分を許してやれるような優しい音楽が必要だった。</p><p>僕にとってのそれが銀杏BOYZだったんだろうな。</p><p>&nbsp;</p><p>携帯電話が普及して社会問題になった援助交際とか、インターネットの普及で繰り広げられた劇場型犯罪とか、そういう淀みきった反動、幸せになりたいという願望の現れ。</p><p>じゃあ、その幸せがなんなのかと聞かれても答えられない自己の喪失。</p><p>だけど、ネクタイを苦しくらいに締めたじじいは、何をしたいのかわからない奴は何も成し遂げることが出来ないんだと偉そうに言う。</p><p>そして、昔はよかったっていう決まり文句も合わせて。</p><p><br></p><div><br></div><p><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20191004/22/ks17lovinson/3a/ad/j/o1080082214606894489.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20191004/22/ks17lovinson/3a/ad/j/o1080082214606894489.jpg" alt="" width="1080" height="822"></a></p><div><br></div><div><br></div><p>『ラブ&amp;ポップ』の主人公裕美が欲しくてたまらなかったトパーズの指輪。</p><p>それを手に入れるために援助交際をするのが道徳的に間違っているということが分かっていても、それが絶対的な悪だという根拠は見つからない。</p><p>しかし根拠が見当たらないのに、大きな共同体の中では言いようのない絶対的な判断基準が存在する。</p><p>不明確で曖昧で説得力がないことを見抜いているのに、何故か人々はそれを当然のように受容する。</p><p>幸せになりたいと思う、しかし根拠のない絶対的な判断基準の中では幸せになるための方法が見つからない。</p><p>自分とトパーズの指輪の間にだけ存在する特別感は幸せになりたいという願望で、そのための方法である援助交際が悪であるという根拠も</p><p>正統化するための根拠も不在のままだ。</p><p>やがてその特別感は薄れていく、何かが自分に足りないという気持ちをキープすることはとても困難なことだからだ。</p><p>&nbsp;</p><p>大きな共同体の中で欠けてしまうのは、つまり自分を許すという感情ではないだろうか。</p><p>新自由主義と題した構造改革によって、僕たちは大きな共同体の中で個人として野放しにされてしまった。</p><p>それはいわゆる個人の幸せを尊重するようなニュアンスで伝えられたが、結局は大きな共同体の判断基準によってそのための方法を閉ざされてしまっていた。</p><p>そんな僕らに出来たのは、ただ最小限の共同体(裕美とトパーズの指輪のような)が持つ特別感が無くなるのを待つことだけだった。</p><p>&nbsp;</p><p>生まれた時からそういう諦めを学んできた。</p><p>だけど、僕らは誰かに言ってほしかった。</p><p>自分の幸せのために、自らを汚し他人を傷つけたっていいんだと、そういう自分を許してやるべきなんだと。</p><p>僕らは自分が幸せになるために、幾分か自分を許してやらなくちゃいけないんだと。</p><p>&nbsp;</p><p>それは決して人を殺してでも自分が生きていけばいいとか、援助交際を肯定するとか、そういう力任せなニュアンスで言っている訳ではなくて。</p><p><br></p><p>自分が幸せになるのには誰の許可もいらないんだと、そういう意味での許しが必要だったんだ。</p><p>&nbsp;</p><p>思春期の自分には、銀杏BOYZはそんなことを歌っているような気がした。</p><p><br></p><p>それはいわゆる、ラブ&amp;ポップだったんだ。</p><p>決してラブソングだとかポップソングだとかいうことではなくて、ただラブ&amp;ポップというジャンルの音楽だった。</p><p><br></p><p>貿易センタービルに飛行機が突っ込んだり、地下鉄車内でサリンが巻かれるような、信じられないことが起こっているのは知っていたけど、自分にとってはそれにも勝るような信じたくない陰鬱とした日常が目の前に存在する。</p><p>僕の日常の歪みは、この地球の歪みに比べればちっぽけなものなのだろうか。</p><p>第三世界に比べれば僕は恵まれているのだろうか。</p><p>だからって僕らはこの豊かな国で自分が幸せになるための方法を見失うくらい自分を許せずにいなければいけないのだろうか。</p><p><br></p><p>いいや違う、僕らは幸せにならなくてはならない。</p><p>裕美とトパーズの指輪の間に存在する特別感が薄れてしまう前に。</p><p><br></p><p><br></p><p>それはそうと、17才の僕が聴いた『光の中に立っていてね』はラブ&amp;ポップではなかった。</p><p>それは決して間違ってはいなかったんだけど。</p><p>誰もラブ&amp;ポップなんて必要としていなかったから。</p><p>今もそう、2019年にラブ&amp;ポップなんて必要ない。</p><p>誰もそんなものは求めちゃいない。</p><p><br></p><p>たげど、頭では分かっていても、何となく17才の自分は落ち込んでいた。</p><p>実際にその頃聴いていた日本の音楽を一切聴かなくなるくらいの心情の変化にまで至ったんだから。</p><p>それはある意味時代が変わる瞬間に際したということでもあるんだけど(まるでボブ・ディランがかつて“時代は変わる”と歌ったように)。</p><p>僕らは自分が幸せになるために自分を許せるようになったのだろう。</p><p>まあ、また違う形で幸せを阻害する要因が生まれたのは確かだが。</p><p><br></p><p>だけど、かつてこの国でラブ&amp;ポップが存在したということだけは忘れたくない。</p><p>誰もが幸せになるために自分を許してやるべきだと言える時代が存在したということを。</p><p><br></p><p>まあ、それについての根拠は全くもって見当たらなかったんだけどね。</p><p><br></p><p><br></p><p><br></p>
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<link>https://ameblo.jp/ks17lovinson/entry-12532268540.html</link>
<pubDate>Fri, 04 Oct 2019 22:42:00 +0900</pubDate>
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<title>『アビイ・ロード』50周年記念のひとりごと</title>
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<![CDATA[ <div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20191002/22/ks17lovinson/2d/86/j/o1000060014605224416.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20191002/22/ks17lovinson/2d/86/j/o1000060014605224416.jpg" alt="" width="1000" height="600"></a><br></div><div><div><br></div></div><div><br></div>ビートルズのアルバム<font size="5">『アビイ・ロード』</font>がリリース50周年記念だってね。<div>半世紀前の作品になるわけだ、驚いた。</div><div><br></div><div>ビートルズを愛してやまない音楽好きの皆さんは既に<font size="5">2019MIX</font>の音源を聴いたと思うんだけれど、どうだった？</div><div><br></div><div>僕は正直、涙ぐむくらい感動してしまった。</div><div>何万回と聴いたはずのアルバムなのに、まるで現役バンドの新譜を聴くような気持ちで。</div><div><br></div><div>そう、21世紀を生きる僕らが唯一誇れるのは、定期的に施されるリマスター・リミックスの恩恵のみ！</div><div><font size="5">それ以外は全てクソ！</font></div><div>シティポップじゃ満たされない！2019年！</div><div><br></div><div>技術の進歩によって、半世紀も前のクラシックアルバムを臨場感溢れるサウンドで堪能出来るなんて大事件さ。</div><div>お隣の国のデモンストレーションや、遠い国の深刻なアレコレや、この国のごたつきなんかよりも大事件。</div><div><br></div><div>不純極まりないがそれが嬉しくてたまらないんだよ。</div><div><font size="5">ロックンロールは犬も食わねど、</font>知らん振りしながらずっと近くにいてくれるのはロックンロールだけだったりしてね。</div><div><br></div><div>物心がついた時から現在まで、技術的にも心情的にもビートルズの楽曲はそのサウンドを変えてずっとそばにいてくれたからなあ、今もすぐ隣にいるし、多分これからもずっと。</div><div><br></div><div><br></div><div><font size="5">幼少の頃</font>にカーステから流れていた<b>『アビイ・ロード』</b>はどんな風に聴こえていた？</div><div>何も考えずに聴いていたのかな。</div><div><br></div><div><font size="5">14才思春期</font>、初恋のあの娘の家の前の公園、そして帰り道に自転車を漕ぎながら聴いた<b>『アビイ・ロード』</b>は今よりも少し優しく聴こえたかな？</div><div><br></div><div><font size="5">高校の部活の帰り道</font>、理由なく笑い転げた後に聴いた<b>『アビイ・ロード』</b>はとても力強かったっけ？</div><div>自転車置き場に斜陽、<b>『Here Comes the Sun』</b>が染み入った気がする。</div><div><br></div><div><font size="5">大学生の頃</font>には実際にロンドンのアビイ・ロードスタジオまで足を運んだっけ。</div><div>あのバンドが生まれたあの国の、あのアルバムがレコーディングされたあの街で聴いた<b>『アビイ・ロード』</b>は感極まったかい？</div><div><br></div><div><font size="5">そして2019年、</font>少しやつれた顔で聴く2019MIXの<b>『アビイ・ロード』</b>はどうだ？</div><div>憂鬱な通勤ラッシュの車内ではどんな風に聴こえる？</div><div>わだかまった帰り道はどうかな？</div><div>眠る前、明日のことを考えてどんよりした時は？</div><div><br></div><div>半世紀前のアルバムなんだぜ。</div><div>当時の若者はじじいばばあになってる、その頃のじじいばばあはとっくに死んでるんだ。</div><div>僕たちだけが若い、なのに疲れた顔で聴いている、半世紀前の音楽を。</div><div>半世紀前なんて届かねえよ。</div><div><br></div><div><div>追いかけたけど、辿り着いたか？</div><div>まだ過去に縋るのか？</div><div>それとも切り開いたのか？</div><div>掴めないのか、それすらも受け入れたのか？</div><div>もういないのか、まだ間に合うか？</div></div><div><br></div><div>それがどうした、結局<b>『Golden Slumbers』</b>から<b>『Carry That Weight』</b>を経て<b>『The End』</b>に向かうだけだ。</div><div><br></div><div>その流れを何十回も何百回も繰り返していこう。</div><div><br></div><div><br></div><div>え？</div><div><br></div><div style="text-align: left;">君は<b>『Mean Mr Mustard』</b>から<b>『Polythene Pan』『She Came In Through the Bathroom Window』</b>の流れの方が好きだってか？</div><div><br></div><div>相変わらず偏屈な奴だな。</div><div><br></div><div>そんな君が好きだ。</div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><br></div><div><a href="https://music.apple.com/jp/album/abbey-road-super-deluxe-edition/1474833332">Apple Musicで聴く</a><br></div><div><br></div><div><i><b>『Abbey Road Super Deluxe Edition』</b></i></div><div><a href="https://stat.ameba.jp/user_images/20191002/22/ks17lovinson/e1/46/j/o0500050014605224419.jpg"><img src="https://stat.ameba.jp/user_images/20191002/22/ks17lovinson/e1/46/j/o0500050014605224419.jpg" alt="" width="500" height="500"></a><div><br></div></div><div><br></div><div><br></div>
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<link>https://ameblo.jp/ks17lovinson/entry-12531966213.html</link>
<pubDate>Wed, 02 Oct 2019 22:24:00 +0900</pubDate>
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