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<title>裏版・おたっきーの好きな言葉は「前へ」です</title>
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<description>明大ラグビー・千葉ロッテマリーンズを追いかける、おたっきーブログの裏版です。日々の喜怒哀楽をここに書き綴りたいと思います。ちなみに現在の裏版の管理人は、表版の管理人ではありません（笑）</description>
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<title>つないでいくもの</title>
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<![CDATA[ <p>AM8:00。</p><p>80を超えた祖母は、毎朝決まった時間に、離れて住む娘のもとへﾒｰﾙを送る。</p><p>「変わりはないですか、こちらはいいお天気です･･･」</p><p>のんびり返信を考えていたりしたら、返信を待たず2通目がきちゃうのよ、と母は苦笑する。</p><br><p>AM11:00。</p><p>「仕事が産休中で時間を持て余していることでしょうから、定期便を送ります。変わりはないですか･･･」</p><p>ここ最近、ほぼ毎朝のように、母からﾒｰﾙが届いている。</p><br><p>出産を通して、私が母の人生を追体験しようとしているように、</p><p>母もまた、孫を迎えることで祖母の人生をなぞろうとしている。</p><br><p>この先、私はまだ知らぬ母の葛藤を思い知っていくのだろう。</p><p>母も、祖母の心の内を理解していくのだろう。</p><p>祖母の境地に辿り着くまで、母も私も長い道のりを歩く。</p><p>祖母から毎朝届く母へのﾒｰﾙは、その大切な道しるべだ。</p><br><p>先日、夫が風邪をこじらせ寝込んだ際、私にできる思いつく限りのことは、母が私にしてくれたことだけだった。</p><p>ゆずをむく手を止め、若かりし母、祖母の姿に思いを馳せる。</p><br><p>子供が腹を蹴り上げた。</p><p>夫の咳き込む声。</p><p>「ゆず茶、砂糖入れる？」</p><p>台所から響いたその声は、私のものだったのか、いつか聞いた声だったような。</p>
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<pubDate>Tue, 15 Dec 2009 14:15:59 +0900</pubDate>
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<title>帰省</title>
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<![CDATA[ <p>網戸にとまった蝉の鳴く声。</p><p>窓の外の濃い緑の公園、居間のﾃﾚﾋﾞから流れる甲子園の中継、</p><p>洗濯に、買い物にと立ち働く母。</p><br><p>一人遅い朝食をとって、私はまた眠りに落ちる。</p><br><p>変わらない景色の中、</p><p>家を出た時に置き去りにしてきた子供時代の自分が、ひっそりとこちらを見つめている。</p><br><p>父の話す声。</p><p>仕事で盆も正月もなかったような父の声が、日中家の中で聞こえるのは稀なことだった。</p><p>「せっかく帰ってきてるんだから、ふかひれの、あっただろ」</p><p>父は去年定年退職したのだ。</p><p>「あれでｽｰﾌﾟを作ればいいよ」</p><p>一昨日久し振りに顔を合わせた父は、願掛けと言って髭を伸ばしていた。</p><p>「いいよ、俺が作るんだから触るな！」</p><p>短気なのは変わらない。</p><br><p>いつもの夏と違うのは、帰省した娘が妊娠していること。</p><br><p>膨らみ始めた腹越しに、気の早いﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄが掛けられた梁を見る。</p><p>冬生まれの初孫のための、水色のちゃんちゃんこ。</p><br><p>ただただあなた達の子供であればよかった、本当の子供時代が終わる。</p><p>私を見つめていた幼い私の残像は居場所を失くし、</p><p>止まっていたかのような家の中の時間が流れ出す。</p>
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<link>https://ameblo.jp/kt-0120/entry-10320073645.html</link>
<pubDate>Thu, 13 Aug 2009 17:24:15 +0900</pubDate>
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<title>12月の風景</title>
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<![CDATA[ <p>ｼｬｯﾀｰの閉められた駅ﾋﾞﾙの植えこみに腰掛け、<br>数分前に宿泊の約束をとりつけた友人の迎えを待つ。</p><br><p>同じように飲んだくれて終電の過ぎた駅のﾎｰﾑから閉め出された人たちが、<br>ある人は一目散にﾀｸｼｰ待ちの列へと走って並び、<br>あるｸﾞﾙｰﾌﾟは新たな会場を探しに再び街へ繰り出し、<br>気楽で幸福な独り者はとりあえず植えこみに腰掛けﾌｰと息をつく。</p><br><p>見上げれば、駅ﾋﾞﾙの天井から吹き抜けのﾎｰﾙいっぱいに吊り下げられた、巨大なｸﾘｽﾏｽﾂﾘｰ。<br>暗がりの中、ｵｰﾅﾒﾝﾄたちは息をひそめて静かに鈍く輝いている。</p><p>ﾂﾘｰのｼﾙｴｯﾄはどんどん闇を飲み込んで広がっていき、</p><p>ｱｽﾌｧﾙﾄごとその大きな宇宙船に吸い上げられそうな気持ちになる。</p><p>･･･がくん！<br>ひっくり返りそうになった頭を持ち上げる。</p><br><p>駅前の広場から、ﾀｸｼｰがひとり、またひとりと人をさらっていく。</p><p>横断歩道の向こう側から、ﾏﾏﾁｬﾘが一台やってくる。<br>寝床難民のどうしようもない友人に、いつもの笑顔を向けて。</p><br><p>Santa is comming soon.<br>Merry Christmas!<br></p>
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<link>https://ameblo.jp/kt-0120/entry-10182865662.html</link>
<pubDate>Thu, 25 Dec 2008 12:03:48 +0900</pubDate>
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<title>七五三</title>
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<![CDATA[ <p>昼間の明治神宮。</p><p>絶え間なく舞い散り続ける木の葉を、作業服を着た係員がほうきで掃きまとめている。</p><p>一定のﾘｽﾞﾑで、ほうきが砂利をひっかく音。</p><p>定間隔に集められた落ち葉の山。</p><br><p>両親に手をひかれて、晴れ着姿の女の子がやってくる。</p><p>七五三だ。</p><p>向こうに目をやれば、同じような家族連れが歩いている。</p><p>正装した両親は、いかにも晴れ晴れしい。</p><p>子供は、千歳飴を振り回したり、引きずって歩いてみたり。</p><br><p>「なーにもわかってないから、かわいいよねぇ」</p><p>ｶﾜｲｰｲ、外国人観光客のｸﾞﾙｰﾌﾟが、歓声をあげてｶﾒﾗを向けている。</p><p>ふと気づけば、この参道には日本人よりも外国人観光客の数の方が多い。</p><p>私はみかん色の着物を、と言いかけた時、少々長い散歩にくたびれ始めていた母が呟いた。</p><br><p>「あなたは大人じみた子供だった」</p><p>げっ。</p><br><p>作業服のおじいさんが、後ろを通る。</p><p>ｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯ。</p><p>小石が足元に飛んでくる。</p><br><p>七五三の写真は、前髪をｵｰﾙﾊﾞｯｸに結い上げたせいで広いおでこが目立って気に入らず、</p><p>あまり開いて見たことがない。</p><p>あの頃、その広いおでこの中、何を考えていたろう。</p><p>なーにもわかってない、わけではなかった。</p><br><p>「昆布を配る神社もあるみたい。今朝ﾆｭｰｽで見たけど」</p><p>母の話は時空を飛び、</p><p>大人じみた子供が、手がかからなくてよかったのか、かわい気が足りなかったのか、</p><p>聞くのにしり込みをしてしまった。</p><br><p>「Take a picture,please!」</p><p>いつの間にか七五三の家族は姿を消し、私にｶﾒﾗを手渡した外国人が大鳥居の下まで駆けていく。</p><p>ｺﾞﾛﾝ！</p><p>大鳥居の下に寝そべって、ﾎﾟｰｽﾞをとった。</p><p>「あら、まあ・・・」</p><p>母が笑い出す。</p><br><p>冬の始まりの参道に、木枯らしが吹いた。</p><br><br><br>
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<link>https://ameblo.jp/kt-0120/entry-10168211241.html</link>
<pubDate>Sat, 22 Nov 2008 17:28:59 +0900</pubDate>
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<title>兄、火事、家族。</title>
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<![CDATA[ <p>「今朝、階下が火事を起こした。</p><p>　結構煙に巻かれたけど、こちらは無事」</p><br><p>日曜の昼下がり、兄からのﾒｰﾙ。</p><p>兄は、都内の半分無国籍化した街で、雑居ﾋﾞﾙのようなﾏﾝｼｮﾝに独り暮らしをしている。</p><p>黒煙立ち込める階段を降りて逃げ出した、というﾆｭｰｽは、離れて暮らす家族のもとに瞬く間に広まった。</p><br><p>騒動を耳にした80を過ぎた祖父が、母に電話をよこした。</p><p>祖母がｹﾞｰﾄﾎﾞｰﾙへ出かけた隙にかけたらしいその電話は、</p><p>孫の安否の確認から始まって、軍隊で教えを受けた“煙に巻かれた時の対処法”を微に入り細に入り説き、</p><p>1時間近くにわたった。</p><p>「おじいちゃんが元気なのだけは分かったわ。</p><p>　車の運転いつまでするのって聞いたら、あと3年はですって」</p><p>受話器をおいた母は苦笑いをした。</p><br><p>父はその夜都内に用事で出掛けたついでに、兄の住むﾏﾝｼｮﾝの様子を見に行った。</p><p>たてこんでいるだろうから、と兄には会わずに帰って来たという。</p><p>繁華街の喧騒から一本外れたうら寂しい路地に立ち、ひとり暗いﾏﾝｼｮﾝを見上げる父の姿が目に浮かんだ。</p><br><p>今回の一件に、家族は各々の温度で興味を示した。</p><p>てんでばらばらの取り組みは、でもどれもお互いがひとつの家族の構成員であることを改めて認識させた。</p><br><p>家族の営みは、あやとりのようだ。</p><p>輪になった見えない糸が、それぞれの存在をつないでいる。</p><p>私たちはその紐を様々にとって、紐がすくわれるたび、そこに家族という模様が千変万化に作り上げられていく。</p><br><p>おじいちゃんから電話があったよとか、</p><p>お父さんがﾏﾝｼｮﾝ見に行ったんだよとか、</p><p>お母さんが興奮して何度も送ってくれた写ﾒを見ていたとか、</p><p>伝えなくとも兄は分かっているだろう。</p><p>恰好のﾊﾌﾟﾆﾝｸﾞに遭遇して、これは我が家が盛り上がること必須だと、ｻｰﾋﾞｽﾒｰﾙを送ったのだろう。</p><p>思惑は大当たり。長男は気がききますなぁ。</p><br><p>「へー、ﾃﾚﾋﾞ出るかな」</p><p>半日ﾀｲﾐﾝｸﾞを外して、兄へﾒｰﾙを送った。</p><p>ほんとに冷たい妹だよ、と家族の笑い声が聞こえてくる。</p>
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<link>https://ameblo.jp/kt-0120/entry-10162059782.html</link>
<pubDate>Sat, 08 Nov 2008 14:13:51 +0900</pubDate>
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<title>ｼｰｻｰ</title>
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<![CDATA[ <p>彼は、沖縄を訪れる度に、律儀にｼｰｻｰを買って帰る。</p><p>「破格の値段だった」とか、「これはﾚｱもの」とか、「旅の記念」とか、</p><p>「なんだか好きで買ってしまう」のだそうだ。</p><p>(ｼｰｻｰを買うことはもはや強迫観念じみている)</p><br><p>どこの国で大量生産されたものなのだろうか。</p><p>彼はそんなことは考えない。</p><p>その無粋ともとれる単純さに、魅かれたのだろうか。</p><br><p>ﾘﾋﾞﾝｸﾞに並ぶ、部屋のﾃｲｽﾄをまったく無視した、増えていくｼｰｻｰは、</p><p>いつまでたっても私の目には異質なものに映る。</p><p>ｼｰｻｰを見ながら考える。</p><p>私とあなたの相容れぬ部分が、ｼｰｻｰの数だけ増えていく。</p>
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<link>https://ameblo.jp/kt-0120/entry-10148203506.html</link>
<pubDate>Mon, 06 Oct 2008 21:53:49 +0900</pubDate>
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<title>ﾌﾗｲﾄ</title>
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<![CDATA[ <p>空の旅。</p><p>地上で起こる一切のことから寸断され、自分だけの時間を過ごすことができるのが、飛行機や船に乗る醍醐味だ。</p><br><p>機内専用のｵｰﾃﾞｨｵﾁｬﾝﾈﾙを80年代ﾎﾟｯﾌﾟｽの特集に合わせる。</p><p>前の席の若いｶｯﾌﾟﾙは、旅行初日のうきうきを抑えられない様子で、</p><p>女の子が「冷えるから」と自分のｽﾄｰﾙを男の子の首に巻きつけ、</p><p>男の子が女の子の肩に頭をもたせかける。</p><p>離陸前にぐずり通路に寝転んでいた坊やは、今やﾊﾟﾊﾟのおなかの上ですやすや眠っている。</p><p>ﾊﾟﾊﾟもﾏﾏも安息の時、といったふうに、同じ方向に頭をかしげ静かに窓の外を見つめている。</p><p>入れ代わり幼い孫兄弟の手をひいてﾄｲﾚに連れて行くおじいちゃん。</p><p>3人そっくりな坊主頭。</p><br><p>この上空にいる間だけ、時を共有している人たち。</p><p>それぞれの人生の、それぞれの時間帯を、この飛行機が運んでいる。</p><p>平和の風景。</p><p>神様が用意した雲の上の舞台で。</p><br><p>予定より10分早い到着になります、とｱﾅｳﾝｽが流れた。</p><p>飛行機を降りれば、皆そこから別々の時間を歩き出す。</p><p>ﾍｯﾄﾞﾎﾝから流れる音楽が、切ないﾒﾛﾃﾞｨｰに変わった。</p>
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<link>https://ameblo.jp/kt-0120/entry-10143684113.html</link>
<pubDate>Thu, 25 Sep 2008 18:15:23 +0900</pubDate>
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<title>追憶</title>
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<![CDATA[ <p>障子から漏れる朝の光は、六畳間を乳白色のﾓﾔで満たす。</p><p>頭の向こう側を通り過ぎる、白い足。</p><p>鼻が洗剤の清潔な香りを拾ったのは、母が洗濯物を抱えてﾍﾞﾗﾝﾀﾞに向かったからだ。</p><p>蹴り散らかした布団の上で回転した私に目をとめ、笑顔を向ける。</p><p>「そう、おきたの」</p><br><p>畳の部屋で寝なくなったのは小学生の頃だから、あれはいつの記憶だろう。</p><p>白い足の母は、随分若かったはずだ。</p><br><p>予定のない休日。線路沿いの1Kの部屋に、ﾓｽｸﾞﾘｰﾝのﾍﾞｯﾄﾞ。</p><p>惰眠を貪る脳は、ｸﾘｰﾑﾁｰｽﾞのようにもったりとした意思のない塊となる。</p><p>閉じきった瞼の裏をｽｸﾘｰﾝに、幼い頃の風景が映し出される。</p><p>時間の感覚を失くした頭は、奥底に眠っていた音や匂いを鮮やかに甦らせる。</p><p>あの頃、何もかもが清々しかった。</p><br><p>やがて閉めた遮光ｶｰﾃﾝの隙間から、私を遮るように白く陽が差し込み、</p><p>母の足が通り過ぎた気がして目を覚ます。</p>
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<link>https://ameblo.jp/kt-0120/entry-10137663538.html</link>
<pubDate>Wed, 10 Sep 2008 18:29:23 +0900</pubDate>
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<title>嵐の夜に。</title>
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<![CDATA[ <p>8月29日。</p><p>豪雨でﾀﾞｲﾔの乱れている田園都市線。</p><p>断続的な雷が、夜の町を薄紫色に浮かび上がらせる。</p><p>車窓をたたきつけては流れ落ちる雨粒が、窓ｶﾞﾗｽとｻｯｼの隙間から噴き出し座席に小さなｼﾐを作る。</p><p>完ﾍﾟｷに密閉されているわけではないのだ。</p><p>思わぬ発見をしながら、ぎゅうぎゅうの車内でその光景を眺めていた。</p><br><p>その時。隣の吊り革につかまっていた初老の男性が、背中に立っていた老婆に声をかけた。</p><p>「場所変わりましょうか。こちらの方が、いくらか楽です」</p><br><p>背の低い老婆は目を見開き、まあ、そんな、と手を顔の前で振った。</p><p>「ありがとうございます。ご親切にどうも・・・」</p><p>髪をなでつけながら、何度もお礼を言った。</p><br><p>再び沈黙の車内。</p><p>窓に映る2人の姿は、雨で洗われては消え、また現れ・・・。</p><p>ぼやけたﾓﾉｸﾛのｽｸﾘｰﾝの中の2人は、10も20も若く見え、私は勝手なﾛﾏﾝｽをいつまでも空想し続けていた。</p>
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<link>https://ameblo.jp/kt-0120/entry-10133716331.html</link>
<pubDate>Sun, 31 Aug 2008 13:45:23 +0900</pubDate>
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