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<title>夢のカフェ日記</title>
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<description>京都の大学に合格した奈奈のバイト生活から学んだものは・・・・。</description>
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<title>シチュエーションのバリエーション</title>
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<![CDATA[ <p>新しいお店もでき上がり、いよいよオープンに向けて本格的な<br>準備が始まった。</p><br><p>それまで比較的ゆったりと進められてきた準備もゆめきちはじめ<br>４人のメンバーにも緊張感が高まってきていた。</p><br><p>早朝の掃除ではいつも顔を見る商店街の人たちからも新しいお店の<br>話題で声をかけられ、商店街の注目と期待も高まっている実感を<br>得ていた。</p><br><p>日中はメニュー作りをゆめちきが中心となって<br>商店街をはじめ、周辺の取材が行われていたのだった。<br></p><p>ゆめきちにとっては生まれ育った地域での取材ということもあって<br>慣れているかと思われたが、新たな発見や知らない歴史など<br>当たり前にあったものが、改めて見直す機会になっていたのだった。</p><br><p>一方、淳子は厨房周りの準備をはじめ、メニューで提供する料理や<br>ドリンクのレシピの確認や試食を行っていた。</p><br><p>奈奈と幸子がやってくる夕方は、ふたりの接客のシュミレーション<br>のチェックやお店で使う食器やグラスの準備を行った。</p><br><p>接客のシュミレーションでは２人が交互に店員と客を演じるのだが、<br>客はシュミレーションの都度、いろんなパターンの客に成り代わって<br>演じていた。</p><br><p>最初の頃は恥ずかしさがあったのだが、反復して行ってくると<br>感覚に慣れてくるのとその演じる役割を楽しむようになったのだった。</p><br><p>ゆめきちは客を演じるときには、本当にその客になりきるように<br>徹底して訴え続けた。それはその客になりきることによって<br>どんなことを求めているかを少しでも理解し、実際の接客に活かせて<br>ほしいという思いがあったからである。</p><p>そしてシュミレーションの都度、気がついたことを話し合って<br></p><p>その内容結果をノートにまとめたのだった。</p><p>そんな中、シュミレーションにひと区切りついたところで<br>ゆめきちが淳子を呼び、耳打ちしたのだった。</p><br><p>そしてゆめきちはふたりに説明をしだした。<br>「今から、僕と淳子とさっちゃんが客役を演じるし、奈奈ちゃんが<br>　店員さんをしてくれるか。</p><br><p>　僕の役は商店街の花屋のおっさんで常連客の役、淳子は観光客の<br>　役で初めて来た客、さっちゃんはそのまま東山女子大生の役で<br>　３度目の客。</p><br><p>　お店は満席の状態で僕はだいぶ前にコーヒー飲み終わっていて<br>　淳子はメニューを見ていて、まだ注文をとってもらっていない<br>　状況、さっちゃんは来店するところっていうシチュエーション<br>　でやろか。</p><p>　そしたら、各自持ち場に別れよか。」</p><br><p>ゆめきちの指示に従い、４人は移動した。</p><p>そして、シュミレーションが始まった。<br></p><p>幸子がお店に入ろうとした瞬間、<br>「すいません、注文お願いします。」<br></p><p>「ごちそうさん」</p><p>淳子とゆめきちが同時に声を上げたのだった。そして</p><p>ゆめきちはキャッシャーの方へ移動した。</p><br><p>そして、移動したところへ幸子がお店に入ったのだった。</p><p>奈奈は固まってしまった。</p><br><p>そんな様子を見たゆめきちは笑い出した。<br>「奈奈ちゃん、固まってるやん。どうするの。」</p><br><p>「だって、みんな同時じゃないですか。ひとりで同時に３人も<br>　対応できないですよ。」</p><br><p>ゆめきちはニヤニヤして<br>「そりゃ、できひんわな。でも、３組の客じゃなくても<br>　２組の客が同時にアクション起こすことってあると思わへんか。<br>　そんな時どうする？<br>　<br>　お客さんに、「ひとりで相手できないですよ」なんて<br>　言えへんで。」</p><p>奈奈は困ったように<br></p><p>「じゃあ、どうしたらいいのですか？」</p><br><p>「今のシチュエーションを思い出して、奈奈ちゃんとさっちゃんで<br>　どうすべきか話し合ってみたら。<br>　<br>　その結論が出たら、もう１回同じシチュエーションで<br>　やってみよか。</p><p>　とりあえず、話し合ってえな。」</p><br><p>奈奈と幸子は難しそうな顔をしながら話し合った。<br>ゆめきちはそんなふたりを見て、ニヤニヤとしていた。</p><br><p>「いじわるやな。」<br></p><p>ゆめきちの後ろにいた淳子がささやいた。</p><p>ゆめきちは笑いながら、淳子に説明した。<br>「なんでいじわるやねん。ほんまにそんなシチュエーションが<br>　起こったら、どうするねん。</p><br><p>　今までのシュミレーションでは客のタイプの変化だけ<br>　やったやろ。だんだん慣れてきたら、惰性になるから<br>　ちょっと緊張感を与えてやったんやん。</p><p>　</p><p>シチュエーションの変化にも対応しないとあかんやろ。<br>　反復練習は必要でも、気を入れるのと抜けるのでは<br>　全然違うしな。</p><p>　いじわるというより、親心や」</p><br>
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<link>https://ameblo.jp/kyonana/entry-10134092925.html</link>
<pubDate>Thu, 04 Sep 2008 21:00:00 +0900</pubDate>
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<title>スイーツも溶けるほどの熱さ</title>
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<![CDATA[ <p>「すいませ～ん。フルーツパフェとチョコレートパフェと<br>　プリンアラモードと抹茶パフェください。」</p><br><p>ゆめきちの声がカフェの中で響いた。</p><br><p>「さて、さっきの答えでてきたかな？奈奈ちゃんどう？」</p><br><p>「う～ん、今までゆめちゃんが言ってきた笑顔のことかな？」</p><br><p>「おお！正解。僕らがやるお店でいうたら、<br>　「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ、みんなの笑顔のために」やな。<br></p><p>　つまり、お店が大事にしているコンセプトや価値観って<br>　ことやな。</p><br><p>　さっきのラーメン屋さんがどんなコンセプトなのか<br>　わからんけど、少なくともいえるのは誰にとって<br>　うまいのかわからんけど「ラーメン」を提供する<br>　お店なんだと思う。</p><br><p>　だから、ラーメン以外には何の価値も見出さないから<br>　接客はないがしろにされているんやと思うねん。</p><br><p>　でも、僕らの店はイタリア料理を出す店ではなく、<br>　みんなが笑顔になるためのＧＯＯＤ＆ＮＥＷを<br>　提供する店でそのＧＯＯＤ＆ＮＥＷの価値を、<br>　イタリア料理をはじめ、接客もメニューも<br>　お店の空間も全ての資源を使って提供しようと<br>　しているってことやねん。</p><br><p>　でも、お客さんは全ての価値を感じてこられる<br>　のではなく、何かひとつでもお客さんにとって価値の<br>　あるものを感じて、それが笑顔になってもらえるもの<br>　になるんやけど、そこにお金を出してもらうってこと<br>　やねん。</p><br><p>　だから、僕らにとってはそんな全てのものが売りもん<br>　なんだけど、お客さんにとってはその中で価値の<br>　あるものに対しての買いものやねん。</p><br><p>　だから、僕らはそんな売りもんを押し付けずに、<br>　お客さんの買われるものの選択肢を丁寧に提供する<br>　ことが大事ってことなんや。</p><br><p>　特に目に見えない、感性、感情の部分に訴えかける<br>　からこそ、やってはいけないことは絶対やらない<br>　ようにしないといけないし、やってしまった<br>　としても、必ず誠実にフォローしないと<br>　いけないねん。」</p><br><p>幸子が難しそうな顔をして言った。<br>「でも、ゆめちゃんがさっきから言っている</p><p>　　「してはいけない」ことって何なんですか？</p><p>　具体的なことを言わないので、よくわからないですよ」</p><br><p>ゆめきちはニヤニヤして言った。<br></p><p>「そんなもの、無数にあるよ。１個１個言っても<br>　覚えられないし、キリがないと思うよ。</p><br><p>　でも、さっきのお店でラーメンをまずく感じたことは<br>　やってはいけないことってわかったやろ。</p><p>　それってどんなことだった？」</p><br><p>幸子は思い出すように言った。<br>「蓮華を綺麗に丁寧に洗っていないとか、お客さんから<br>　指摘を受けても謝らないとか、食べているお客さんに<br>　気を遣わないとか・・・・ですか」</p><br><p>「うん、そやな。<br>　でも、それが全てではないやろ？<br>　<br>　例えば蓮華をテーブルにまとめて置いておくのって<br>　いいんか？</p><br><p>　あんなお店でテーブルに置いておいたら、ほこりとか<br>　ついているんじゃないの？それとか蓮華を入れている<br>　入れ物、ちゃんと小まめに洗っているの？</p><br><p>　そんなこと気になったらキリないやろ。</p><p>　でも、それを気にする人にとってはそれだけで<br>　ラーメンはおいしく感じることとは逆方向になって<br>　しまうと思わへんか？」</p><br><p>奈奈が反論した。<br>「そんなこと言ったら、どんな細かいことでもありますよ。<br>　何も出来ないんじゃないですか？」</p><br><p>「だから、無数にあるっていうたやん。でも、それをいかに<br>　なくそうとするか、それを大事にして欲しいねん。<br>　<br>　お店のシュミレーションでいろいろちょっとしたことでも<br>　気がつけばその都度、メモして、その対策を打てば、<br>　少しずつ解決するやろ。だから、何度も練習して、<br>　イメージを膨らましてほしいねん。</p><p>　そこにある大事なものは何かわかるか？」</p><br><p>スイーツだらけのテーブル席は一瞬シーンと静まり返った。<br>そんな中、ゆめきちは</p><br><p>「ここまできたら、ふたりにはわからんと思うので、<br>　淳子、何かわかるか？」</p><br><p>淳子は自信なさげに<br>「相手のことを思う気持ちかな？」</p><br><p>「そうや、それを愛っていうねん。どれだけ相手のことを<br>　ちゃんと見て、相手の気持ちを理解して、わかろうとするか<br>　それが大事やねん。それが愛っていうねん。</p><p>　思春期をすぎようとしているおふたりさん、よう覚えときや」<br></p>
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<link>https://ameblo.jp/kyonana/entry-10134089217.html</link>
<pubDate>Wed, 03 Sep 2008 21:00:00 +0900</pubDate>
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<title>うまいまずいは料理人の腕？</title>
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<![CDATA[ <p>「今日はここまでにしとこか。晩御飯行こか。今日はラーメンでも<br>　食べに行こか。ええかな？」</p><br><p>ゆめきちのラーメンという言葉に反応したのは淳子だった。</p><br><p>「どこ連れて行ってくれるの？私、ラーメンもうるさいよ」</p><br><p>「この間、新しく出来たお店やけど、僕も行ったことないねん。<br>　でも、いつも並んでいるし、オーナーが東京の有名な店で<br>　修行した人らしいで。行ってみたいやろ？」</p><br><p>「ああ～、あそこね。私も行ってみたいと思ってたところよ。<br>　行こ、行こ」</p><br><p>初めて行くお店に淳子のお腹はラーメンモードに変わっていた。</p><p>４人はラーメン屋へ向かった。</p><br><p>お店に着くと、評判どおりでラーメン食べたさにお店の前に<br>１０人程の客が並んでいた。</p><br><p>「どうしよ。あんまり並びたくないけど、とりあえず仕方ないかな」<br>並んでまで食べたいと思わないゆめきちにとってはストレスのたまる<br>状況ではあるが、淳子のラーメンモードを思うと、自分だけの判断では<br>すまされないと思ったのだった。</p><br><p>「淳子、並ぶの？」</p><p><br>「今日はいいじゃん。並ぼうよ」<br>ニコニコしながら淳子は答えた。</p><p><br>しばらくして、ゆめきちたちがお店に入ることとなった。<br>４人がけのテーブル席に案内され、のどが渇いたゆめきちは<br>一気にお茶を飲むと、テーブルにおいてあるピッチャーに<br>手をかけた。</p><br><p>その瞬間、</p><p>「あれ？ないやん。」</p><br><p>ピッチャーのお茶は空になっていたのだった。<br>ゆめきちは店内にいる店員に声をかけようと目をやると<br>店員はレジで黙々と作業をしていた。</p><br><p>他の店員がいないか探していたが、ホールにいる店員は<br>レジにいる１人だけだった。</p><br><p>ゆめきちはニヤニヤして<br>「今のこの状況で何かおかしいと思わへんか？」</p><br><p>奈奈と幸子にはピンと来なかった。</p><p>「カウンタとテーブルのピッチャーを見てみ。<br>　どこもみな空っぽやろ。お店の人、誰も気がついてないやろ。<br></p><p>　しかも、今、お客さんの様子を見ている店員って<br>　誰もいないやろ。</p><br><p>　これでいいサービスが出来ると思うか？<br>　きっと、この後、何かが起こると思うよ」</p><br><p>少し前にカフェごっこをしていた２人にとって、ゆめきちの<br>チェックは観察の目を持つきっかけとなった。</p><br><p>「すいません、お茶ください」</p><p>カウンター席からの大きな声は店内中に響いた。<br>店員がピッチャーにお茶を入れて持っていくと</p><br><p>「あ、おねえちゃん、こっちもお茶」<br></p><p>今度はテーブル席からだった。</p><p>しかし、お茶は依頼のあったところだけしか<br>ピッチャーの交換がなされなかった。</p><br><p>しばらくすると厨房から店員が空になっている全ての<br>ピッチャーを回収し、お茶を入れて置いたのだった。</p><br><p>４人の席にはこのお店で評判のラーメンが持ってこられた。<br>一番楽しみにしていた淳子がテーブルにおいてある蓮華入れから<br></p><p>４人分の蓮華を取ると</p><p>「いや～、ちゃんと洗ってないわ。かなんなぁ～」</p><br><p>４本の蓮華のうち１本の蓮華にねぎがくっついていたのだった。<br>淳子は店員を呼んで、小さい声で<br></p><p>「すいません、これ、ついているんですけど」</p><br><p>店員は黙って、蓮華を回収した。</p><p>その様子を見たゆめきちは<br></p><p>「ほらな。何かおこったやろ。まだなんか起こるで」</p><br><p>そういいながら、蓮華を使わず、直接ラーメンのスープを<br>すすったのだった。</p><br><p>蓮華を回収し、厨房へ持って行った店員は食べ終わった<br>カウンタ客の精算を済ませ、帰った客のカウンタ席の<br>片づけを始めた。</p><br><p>その時、ゆめきちが思わず声を出した。</p><br><p>「あ～あ～」</p><br><p>ゆめきちの目線の先にあったのはカウンタで片づけをしている<br>店員の姿だった。</p><br><p>よく見ると片づけをしている横の客が不快な顔をしていた。<br>店員は片付けているラーメンの器をカウンタの向こうにある<br>厨房に置こうとしているのだが、明らかにラーメンを食べている<br>客の前を横切って器を置こうとしていたのだった。<br></p><p>それに気づいた横の客は思わず、体をそらし、店員を<br>よけたのだった。</p><br><p>「見てみ。あれ、店員は全然気づいていないやろ。<br>　お客さんを横切って器を動かしたらあかんやろ。<br>　<br>　お客さん、めっちゃいやな顔しているのに<br>　わかってないやろ。気持ちよう食べれへんやん。<br>　<br>　万一、器に残っているスープをこぼしたら、<br>　どうするんやろな。<br>　<br>　せっかくのうまいラーメンも台無しやな。」</p><br><p>奈奈と幸子はじっくりとその様子を見ていた。</p><br><p>「はよ、食べて、口直しにデザートでも食べにいこか。」</p><p>目に余るサービスにゆめきちも気分を悪くしていた。</p><br><p>お店を出るとゆめきちはここぞとばかりに奈奈と幸子に<br>先ほどのラーメン屋のことについて聞いた。</p><br><p>「さっきのお店、どう思う？ラーメンうまかったか？」</p><br><p>奈奈は<br>「ラーメンの味は悪くないと思いますが、蓮華にねぎが<br>　ついていたのを見て、安心して味わうことが<br>　出来なかったです。」</p><br><p>幸子は<br>「店員さんの態度に腹が立ちました。だから、ラーメンの味<br>　ってあまり覚えていないです。」</p><br><p>ゆめきちはニコニコしながら、<br>「二人が言ったことってラーメンの味と関係ないことやろ。<br>　でも、その関係のないところで不信感や怒りがあっただけ<br>　でも味にまで影響するねん。</p><br><p>　料理の味のうまいまずいは作る料理人の腕もあるけど、<br>　それが全てではないねん。ほかの事で料理のうまさを<br>　盛り立てることもあるんやな。</p><br><p>　でも、逆にうまいと思わせるいろんなことをやっても<br>　ある１つのやってはいけないことをやってしまうことで<br>　全てを台無しにしてしまうこともあるんやわ。</p><br><p>　そのやってはいけないこともしっかりと考えな<br>　あかんってことやな。今日は接客のことでたまたま<br>　そういう目線で見ることが出来たかなって思うけど、<br>　実はもっと大事なことが根底にあるってことを知って<br>　ほしいねん。</p><p>　何かわかるか？」</p><br><p>奈奈と幸子は黙っていた。それを見ていた淳子は微笑んでいた。</p><br><p>「さすが、プロ。淳子はわかっているんやな。<br>　とりあえず、デザート食べにいこか。<br>　そこへ行くまで考えておいてえな。」</p><br><p>そういって４人は夜のカフェに向かったのだった。<br></p>
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<link>https://ameblo.jp/kyonana/entry-10134088054.html</link>
<pubDate>Tue, 02 Sep 2008 21:00:00 +0900</pubDate>
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<title>ロールプレイング</title>
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<![CDATA[ <p>「さて、奈奈ちゃん、さっちゃん、カフェごっこしよか。」<br></p><p>気分が盛り上がっている中、突然ゆめきちが言った。</p><br><p>「マニュアルはないから、まずは最低限のことを知らないと<br>　いいサービスは生まれないからね。とりあえず、奈奈ちゃんが<br>　店員で、さっちゃんがお客さん、しよか。」</p><br><p>そう言って、ゆめきちは２人に来店からお店出るまでのシナリオ<br>を説明した。</p><br><p>「そうそう、お客さんが来店されたときは「いらっしゃいませ」は<br>　使わないでね。昼なら「こんにちわ」、夜なら「こんばんわ」を<br>　使ってや。」</p><br><p>「それはなぜですか？」<br></p><p>真剣な顔をしている奈奈が尋ねた。</p><br><p>「おお！いいねぇ、奈奈ちゃん。わからないことはその場で聞く、<br>　いい姿勢やね。</p><br><p>「いらっしゃいませ」はお客さんとして使う分には十分だけど<br>　このお店のコンセプトにある背景としてはコミュニケーション<br>　スペースの提供って言ってたでしょ。</p><br><p>　つまり、お客さんはお客さんなんやけど、店員と客ではなく、<br>　みんなここに集まるメンバーっていうか、仲間っていうか<br>　まあ、コミュニティなんだよね。</p><br><p>　早朝の掃除をしているときに、「いらっしゃいませ」って<br>　使わへんでしょ。ちゃんと「おはようございます」って言うし、<br>　この界隈の顔見知りの人がお店に来て、「いらっしゃいませ」<br>　って、変なことない？</p><br><p>　知り合いだから「こんにちわ」ではなく、ここに集う人は<br>　みんな知り合いとして、巻き込まないといけないんだよ。<br>　それがコミュニケーションスペースだからね。</p><br><p>　もっといえば、知り合いだったら、「○○さん、こんにちわ」<br>　って言ってもいいくらいだよ。</p><br><p>　でも、それ以上は馴れ馴れしくしたり、なあなあになる<br>　ようなことは言ってはダメやけどね。<br></p><p>　それは他のお客さんが疎外感を感じてしまう可能性が<br>　あるから、ほどほどのところでわきまえなあかんと僕は<br>　思ってる。」</p><br><p>奈奈は複雑そうな顔して<br>「わかりました。でも、微妙って言うか、むずかしいっていうか<br>　複雑な感じです。」</p><br><p>ゆめきちはニコニコして<br>「まあ、とりあえず、やってみよか。実際にやってみることで<br>　いろんなこと気づくと思うし。基本は相手に不快感を与えず、<br>　いい気持ち、喜んでもらうってことかな。</p><br><p>　あ、それとさっちゃんはお客さんとして、店員さんの接客、<br>　サービスの中で違和感を感じたり、いいなあって思ったり<br>　したことは覚えておくか、メモしておいてね。</p><br><p>　それが一番のチェックポイントになるから。僕と淳子は<br>　お客さんの振りをしているから、何も言わないしね。」</p><p><br>そうして２人のシュミレーションは始まった。<br>奈奈は入り口にいる幸子を迎え入れ、席へ案内し、その後<br>お水を給仕し、注文を取った。</p><br><p>しばらく時間をおいて、料理を出し、精算をして幸子は<br>お店を出て行ったのだった。</p><br><p>「はい、お店の雰囲気もないし、詳細な状況説明もなかったので<br>　やりにくかったと思うけど、ようやってくれたわ。ありがとう。</p><p>　そしたら、今度は交代しよか。さっちゃんが店員で、ななちゃんが<br>　お客さん。</p><p>　二人とも今のを踏まえて、それぞれの役割を演じてや。」</p><br><p>再び二人のシュミレーションが始まった。<br></p><p>そんな様子を見ていた淳子は<br>「ゆめちゃん、何もないところでシュミレーションしてもボロだらけ<br>　なんじゃないの。二人ともかわいそうな気がするけど。」</p><br><p>「ええねん。今日は来店から出るところまでだけど、今は<br>　何がどうとかじゃなくて、一通りやることで、これからいろんな<br>　お店に行ったときに、少しでもお店の接客・サービスを観察して<br>　比較して、覚えていってくれたら、それで十分やし。</p><p>　もちろん、今日は今日で落とし込むことはあるけど。まだ、<br>　始まったばかりやしな。」</p><br><p>そんな２人の会話の最中に、幸子が奈奈に声をかけた。<br></p><p>「今日のお勧めは、私の友達のおばあちゃんの料理なんだけど<br>　その友達がおばあちゃんを思い出して作ったトマトの炊き込み<br>　ご飯がいいですね。</p><p>　私も昨日、食べて本当に美味しかったんですよ。」</p><br><p>淳子とゆめきちは顔を合わせ、互いに微笑んでいた。<br>そして、シュミレーションが終わった。</p><br><p>「はい、お疲れさん。そしたら、２人とも、お互いのサービスで<br>　気がついた点をホワイトボードに書いてくれるか。<br>　最後に自分で店員を演じて、感じたことを書いてくれるか。」</p><br><br><p>幸子が書いた奈奈の店員評は</p><p>１．「こんにちわ」の笑顔がよかった<br>２．フォークとスプーンが出てこなかった<br>３．お水や料理の置き方が少し雑だった<br>４．特に「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ」になることがなかった</p><br><br><p>そして自分の店員については<br>・緊張して大きな声も出ず、明るい雰囲気を出すことが出来ませんでした。<br>・どこで喜んでもらえることができるかが全然わかりませんでした。</p><br><br><p>そして奈奈が書いた幸子の店員評は</p><p>１．声があまり出ていなくて元気さが感じられなかった<br>２．注文をとるときにお勧めがよかった<br>３．料理を出すしぐさがぎこちなかった<br>４．お店を出るときに挨拶がなかった</p><br><br><p>自分の店員については<br>・大きな声を出しましたが、緊張して何がなんだかわからなくなりました。<br>・「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ］のことを何も考えていませんでした。</p><p><br>ゆめきちと淳子はそれを見ながら、ニコニコしていた。</p><p>「そしたら、淳子、２人の様子を見ての感想を言うて」</p><br><p>「２人とも何もないところで、すごくがんばったと思います。<br>　接客・サービスについては正直なところ、これからだと思います。<br>　でも、そんな中で奈奈ちゃんはいい笑顔で臨んでいたし、<br>　さっちゃんについてはお勧めを自分なりに一生懸命伝えようと<br>　していたところは良かったと思います。<br>　　本当によくがんばっていたというのが一番の印象です。」</p><br><p>そして、ゆめきちは<br>「じゃあ、僕の観想を言うな。細かいことはこれからおいおい<br>　教えていくけど、まずは楽しかったか？それぞれの役割を演じて<br>　楽しかったかな？どう？」</p><br><p>２人とも、ホワイトボードに書いたとおり、緊張したという<br>答えだった。</p><br><p>「まあ、最初やし仕方ないけど、さっきのマニュアルの話を<br>　思い出して欲しいねん。緊張したのは僕らが見ていたのも<br>　あるけど、何をしたらいいかわからない不安感もあったと<br>　思うねん。</p><br><p>　一通り自分がやったことで、これからは飲食店に行ったときに、<br>　できればお店の様子を観察して欲しいねん。特に店員の<br>　動きやお店の雰囲気、それとお客さんの様子。</p><br><p>　お客さんがどんなことを求めているかとそれに店員が<br>　気づいているかとか、店員の言動とか、ちょっとしたことが<br>　これからのこのお店の接客・サービスだけでなく、全ての<br>　提供するもの、価値って言ったほうがええかな、それに<br>　つながるから。</p><br><p>　大事なことはオーダーとったり、料理を<br>　サービスしたりということではなく、お客さんにどんな<br>　ことを伝えて、喜んでもらうかやねん。<br>　<br>　それを伝える手段、きっかけが来店の瞬間であったり<br>　オーダーであったり、サービスっていうことやし。<br></p><p>　もちろん、それは今までの価値観での話であって、<br>　もっといろんなシーンにもあるかもしれないっていう<br>　ことかな。それは僕も含めて多くの人が気がついて<br>　いないかもしれないし、そこを発見することが出来れば、<br>　他のお店より、魅力を発揮する機会が増えるってことに<br>　なるねん。</p><br><p>　同じ観察でも、少し目線を変えるだけで今までと違うことが<br>　見えるかも知れへんで。そんなことを楽しんで欲しいと思う。」</p>
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<pubDate>Mon, 01 Sep 2008 21:00:00 +0900</pubDate>
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<title>マニュアルの良し悪し</title>
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<![CDATA[ <p>「作らないよ。」</p><br><p>「ええ？<br>　そうなんですか。なぜですか？」</p><br><p>「そやな、じゃあ、例えば、さっちゃんには申し訳ないけど<br>　昨日の事を例にしよか。</p><p>　さっちゃん、昨日の料理、レシピどおり作ったやろ。」</p><br><p>「はい、分量も約時間もちゃんと計りました。」</p><br><p>「そやな。だから、ちゃんとした料理としてできたやろ。<br>　でも、それ以上はなかったよな。」</p><br><p>「え？」</p><br><p>「昨日のさっちゃんの状況がまさにこれからお店する<br>　二人の状況やねん。</p><br><p>　つまり、マニュアルがあれば、それ通りにきちっと<br>　やろうとするわ。それは最低水準、いわゆる無難に<br>　やれるところまでは出来ると思うねん。</p><br><p>　さっちゃんの昨日の料理も初めてにしては、よう出来て<br>　いたやろ。なあ、淳子」</p><br><p>淳子はニコニコしながら答えた。<br>「そうですね」</p><br><p>「あれ？淳子は僕の言いたいことわかっているみたいやね」</p><br><p>「ん？それはどうでしょう」</p><br><p>「まあ、ええわ。でも、さっちゃん、昨日、料理の説明では<br>　料理の説明は出来たけど、テーマとの関連は説明できな<br>　かったよね。」</p><br><p>「はい。」</p><br><p>「これはさっちゃんのこと攻めてるんじゃないからね。<br>　昨日の時点で、わかっていたことだから、ちょうど<br>　よかっただけだからね。誤解しないでね。」</p><br><p>幸子には意味がわからなかった。<br></p><p>さらにゆめきちは</p><p>「奈奈ちゃん、昨日のテーマ覚えているか？」</p><br><p>「はい、「自分のおばあちゃんに作る初めての料理」です。」</p><br><p>「そう。奈奈ちゃんは料理作っている間、何を考えていた？」</p><br><p>「八代のおばあちゃんがトマトの炊き込みご飯を作って<br>　くれていたことかな」</p><br><p>「じゃあ、さっちゃんは昨日料理の最中、何考えていた？」</p><br><p>「レシピ通りに失敗しないようにって思ってました。」</p><br><p>「でしょ。同じ料理でも作っている思いがこれだけで<br>　全然違うよね。見た目は同じでも。さらに、料理を食べて<br>　採点した結果も、奈奈ちゃんとさっちゃんでは差があったよね。</p><p>　あの差は何だと思う？」</p><br><p>奈奈は幸子をかばうように<br>「だって、さっちゃんは料理初めてだから、仕方ないでしょ」</p><br><p>ゆめきちはニヤニヤして<br>「じゃあ、このお店オープンして、君ら２人はお店でどんな思いを<br>　して仕事するの？」</p><br><p>二人は沈黙した。</p><p>「このままだったら、まさに昨日のさっちゃん状態だよね。<br>　マニュアルがあれば、きっとマニュアルにしたがって<br>　失敗しないようにって思いながら仕事するでしょ。</p><br><p>　でも、このお店のコンセプトは、失敗しないように<br>　じゃないよね。お客さんに何か「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ」を<br>　提供することで笑顔になってもらうことを思って仕事する<br>　んだよね。</p><br><p>　昨日の奈奈ちゃんには３つのポイントがあったんだよ。<br>　ひとつはテーマの通り、「おばあちゃんのことを思って作る」<br>　<br>　ふたつめは「トマトの炊き込みご飯という意外性」これは<br>　トマトの産地八代ならではを知らない僕たちにとってと</p><p>　いうことだけどね。<br>　<br>　三つ目は奈奈ちゃんがトマトの炊き込みご飯を通じて<br>　おばあちゃんとのストーリーを展開してくれたこと。</p><br><p>　これだけの要素があったからこそ、みんなより美味しく<br>　あの炊き込みご飯を食べたんじゃないかな？」</p><br><p>二人はただうなずくだけだった。</p><br><p>「マニュアルを作るとね、確かに最低限のことはしてくれる<br>　んだけど、初めての人にとってはその意味も理解せず、<br>　ただただコンセプトのことを思わずして、作業をして<br>　しまうねん。</p><br><p>　だけど大事なのはお客さんであったり、スタッフであったり<br>　地元の人や女子大生や観光客なんやな。つまり人。</p><br><p>　ここは食べるものやドリンクを出すお店じゃないねん。<br>　食べるものやドリンクも「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ」や笑顔を<br>　伝える手段、つまり、雑誌のメニューや写真や２人の接客と<br>　同じやねん。</p><br><p>　このお店にかかわる人をまずしっかり見て、その人が笑顔に<br>　なるためにはどうしたらいいのかを常に考えてほしいんやわ。</p><br><p>　そうなったら、マニュアルにはこうしか書けへんで。</p><br><p>　「このお店にかかわる全ての人に対して笑顔になってもらえる<br>　　ような「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ」考えて、動いてください。」</p><p>　これだけやで。」</p><br><p>奈奈が反論した。<br>「でも、やることがいっぱいあるのだし、これから入ってくる<br>　アルバイトにはそれをどうやって伝えればいいのですか？</p><p>　今、ゆめちゃんが言ったことを伝えたら、勝手にいろんなこと<br>　してしまいますよ」</p><br><p>ゆめきちはニコニコしている淳子を見て<br></p><p>「はい、そこのニコニコ傍観者さん、今の奈奈ちゃんの質問に<br>　答えてください」</p><br><p>「え？私。<br>　はい、わかりました。</p><p>　アルバイトに伝えるのは私たちこの４人、いや、ゆめちゃんは<br>　意地悪だから、アルバイトがやめてしまうかもしれないので・・」</p><br><p>ゆめきちはびっくりしたように<br>「おいおい、僕そんな意地悪か」</p><br><p>「え？まだ気づいていないようですね。<br>　まあ、それはおいといて、<br>　私たちがこのお店のコンセプトをしっかりと伝えなければならないの。<br>　<br>　それをどうやってかというと、私たちの動いている姿勢で見せるの。<br>　もちろん、言葉で伝えること、説明しなければならないことも<br>　あるけどね。</p><br><p>　そして勝手なことって奈奈ちゃんは言ったけど、私は勝手なこと<br>　してもいいと思うよ。それがこのお店のコンセプトに合致して<br>　いればだけどね。</p><br><p>　その勝手なことって言うのは、その人にとって対象の人、例えば<br>　お客さんなら、お客さんにとってこのお店のコンセプトに合致して<br>　提供できると思ったからしたってことでしょ。</p><br><p>　それが今まで私たちが考えつかず、しかも、お客さんが喜んで<br>　くれれば、それって素晴らしいことなんじゃないかな。<br></p><p>　それこそ、「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ」になるし、ゆめちゃんのいう<br>　ストーリーになると思うんだけどな。」</p><br><p>ゆめきちはニコニコして<br>「さすが、フード業界のプロ。すごいね。<br>　そこへ行くためには、きっといろんなことがおきると思うよ。<br></p><p>　場合によればお客さんに失礼なことになるかもしれないし、<br>　アルバイト同士でけんかになるかもしれないし、<br>　でも、それはそういうことした人の責任ではないからね。<br>　<br>　僕たちの責任。今の段階なら、僕の責任。それはその思いを<br>　わかりやすく伝えきれなかったからなんやね。</p><br><p>　もちろん、その人に理解する能力の問題もあると思うけど、<br>　それはその人の姿勢次第だしね。</p><br><p>　だから、僕は最初に君ら２人しかお願いしなかったし、<br>　思いを理解してくれそうにない人は引き払ってもらった<br>　わけなんやわ。</p><br><p>　こういうやり方になると本当にコンセプトを真剣に考えて<br>　それをまじめに楽しく取り組んでもらわないと出来ないからね。</p><br><p>　そういうふうにしてやっていくことで、お店やこのアルバイトが<br>　楽しいなって思える雰囲気を出すことが出来れば、きっと<br>　募集しなくても、こちらが求める人は集まってくると思うねん。</p><p>　それができるかどうかも僕たち次第やな。」</p><br><p>淳子が奈奈に言った。</p><p>「奈奈ちゃん、前にお店に来てくれたでしょ。アルバイト探して<br>　いたんだと思うけど。あっちの通りはアルバイト募集なんて<br>　しなくても、勝手に問い合わせがくるんだよ。」</p><br><p>「そうですね。あの時、私も他の店に聞きに行きましたから。」</p><br><p>「そうでしょ。それはあの通りにそういう雰囲気が価値として<br>　あるから、そんな仕組みになってしまっているの。<br>　でも、最初は違ったと思うよ。アルバイトの募集もしていたと<br>　思うし、それはあの通りの努力によって変わっていったって<br>　私、聞いたことあるの。</p><br><p>　お店つくりもそんな雰囲気を最初に意識して作らないと<br>　しっかりと固まらないと思うの。</p><br><p>　だから、大変だけど、楽しみがあるし、やりがいも出てくると<br>　思うよ。みんなでがんばりましょうね」</p><br><p>ゆめきちは冷やかすように<br>「おーおー、感動やね。まさにＩＬ　ＢＵＯＮＯ e ＮＵＯＶＯ<br>　の誕生やね」<br></p>
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<pubDate>Thu, 26 Jun 2008 21:00:00 +0900</pubDate>
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<title>コンセプトの整合と実現</title>
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<![CDATA[ <p>「わっはははは・・・・・」<br>ゆめきちの声が部屋中に響き渡った。</p><p>「はい、大声で笑って。せえーのー」</p><p><br>「わっははははは・・・・・」</p><br><p>「はい、どうや？なんか気分がすっきりしてへんか？<br>　こんなことするのは、初めだけにしなあかんし、<br>　そのためには、今僕ら４人だけやけど、スタッフ全員が<br>　心の底から、楽しまなあかねん。</p><p>　</p><p>  それは、だらだら、うだうだ、けじめなく、気を緩める<br>　のではなく、作業一つ一つに楽しみを自分で見つけたり<br>　作ったりすることやねん。</p><p>　</p><p>　そうすることでお店全体の雰囲気や流れが出来上がって<br>　くるし、そうすれば、こんなことせんでもええように<br>　なるしな。</p><p>　</p><p>　例えば、昨日の晩御飯でも、競うことでみんなそれぞれの<br>　思いを持って、一生懸命にやったし、楽しかったやろ。<br>　その後も、料理の説明を聞いているだけで、いろんな<br>　ストーリーから、少しかも知れへんけど心動かされたやろ。</p><p>　それが全てではないけど、ひとつの雰囲気作りの仕掛け<br>　かな。」</p><br><p>奈奈はあまりイメージがわかなかった。そして<br>「ゆめちゃんの言っているイメージがわからないんだけど<br>　もう少し、わかりやすく説明してください。」</p><br><p>「うん、今のうちにつめておかないとあかんからな。<br>　例えば、カフェを想像してみて。<br>　そこの店員さんはどんな感じかな。</p><br><p>　あ、感じって言ったらあかんな。浮かんでいる状況で<br>　店員さんはどんな顔して、どんなことしてしてる？」</p><br><p>奈奈は最近行ったカフェを思い出した。<br>「カウンタ越しに立って、料理やドリンクを作ってます。」</p><br><p>「店員さんは何人いる？」</p><br><p>「二人です。」</p><br><p>「じゃあ、もう一人は何をしているかな？」</p><br><p>「ええ・・・・っと・・・<br>　カウンタの前に立って、お客さんを見てます。」</p><br><p>「うん、そしたら、その浮かんでいるお店の雰囲気は楽しい<br>　雰囲気かな？<br>　<br>　それとそのお店の雰囲気で<br>　「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ、みんなの笑顔のために」を<br>　どのようにしたら出せるかな？」</p><br><p>奈奈はしばらく考えた。<br>そんな様子をみて、ゆめきちは</p><br><p>「じゃあ、お客さんはどんな顔して、何をしてた？」</p><br><p>奈奈はその時の様子を思い出した。<br>「一人でいるお客さんは、静かに本を読んでました。<br>　女性二人でいるお客さんは楽しそうに<br>　おしゃべりしてました。<br>　<br>　２組のカップルは普通に食事して、時々相手と話してました。」</p><p>ゆめきちはニコニコして<br></p><p>「あ？それは現実の話しかいな。どこのお店や。まあ、ええわ。<br>　それならなおさらやわ。</p><br><p>　そしたら、そのお店の店員として奈奈ちゃんがいたとしたら<br>　「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ、みんなの笑顔のために」をお客さんに<br>　どうやって提供する？」</p><br><p>「ええー。わからないです。」</p><br><p>「お店の雰囲気は静かな雰囲気やったやろ。店員もお客さんに<br>　積極的にかかわってなかったはずやわ。</p><p>　なんでかわかるか？」</p><br><p>「それは、お客さんたちが自分たちの時間を楽しんでいるから<br>　店員さんは必要なとき以外、お客さんの方には行かないのだと<br>　思います。」</p><br><p>「そやな。それとカウンタの前に立っていた店員は楽しそう<br>　やったか？まあ、暗い顔はしていないけど、ニコニコも<br>　していなかったやろ。普通にすましていたんじゃない？」</p><br><p>「そうですね。」</p><br><p>「そんな雰囲気でいきなり、お客さんに笑顔になって<br>　もらえるようなことできるか？<br>　もっといえば、そんな状況で笑顔になってもらう雰囲気を<br>　作れるか？」</p><br><p>「それは無理です。」</p><br><p>「そや。初めからお店のコンセプトが違うから、そんなこと<br>　いきなり出来るわけないんや。それは既にお店の雰囲気や<br>　流れが出来ているやろ。</p><br><p>　もちろん、お店のコンセプトがあるかどうかはわからんけど<br>　少なくとも、カフェのイメージとして静かに自分の時間を<br>　好きなようにゆったりと過ごすイメージがあると思うねん。</p><br><p>　でも、このお店のコンセプトは違うよね。<br>　「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ、みんなの笑顔のために」だし、<br>　お客さんにとってのコミュニケーションスペースにならないと<br>　あかんやろ。</p><br><p>　ってことはお客さん同士のコミュニケーションもあるけど<br>　「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ、みんなの笑顔のために」を提供する<br>　スタッフ自身も同じ空間を共有しなあかんねん。</p><br><p>　ってことは、店員がすましているお店では、そんな雰囲気は<br>　作れへんやろ。自分たちも楽しまなあかんわけや。</p><br><p>　つまり、僕らスタッフはカウンタの前でお客さんをじっと<br>　見ていたらダメやねん。時には話しかけ、時には<br></p><p>　「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ、みんなの笑顔のために」の仕掛けを<br>　考えたり、準備したりしなあかんってことや。</p><br><p>　そこに実は学祭の雰囲気の演出が求められるねん。それは<br>　スタッフ自身が発信していかないとできひんやろ。<br>　もちろん、中身はあるんやで。それはわかっているか？」</p><br><p>奈奈は意味がわかった。<br>「あ、それって雑誌のメニューとか近隣の写真とか、絵とか<br>　ですよね。」</p><br><p>「そや、他にも取材もあるし、もっといえば、最初の頃に<br>　言うたけど、スタッフたちの「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ」話を<br>　つくるのもそうやしな。</p><br><p>　そういう意味では早朝の掃除の中にもそんな可能性は<br>　あるやろ。<br>　<br>　カウンタの前ですますようなお店じゃないってこと<br>　やねん。」</p><br><p>そんな話を聞いていた幸子が口を開いた。<br>「私、そんないろいろ言われても、覚えられないです。<br>　だって、お店での仕事ってお客さんに料理とかドリンクとか<br>　出すことだし、それもちゃんと出せるかどうか不安です。」</p><br><p>奈奈は思いついたように言った。<br>「ゆめちゃん、それってマニュアル作ればいいんだよね。」</p><br><br><p>ゆめきちの顔が一瞬曇った。<br></p>
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<link>https://ameblo.jp/kyonana/entry-10109181368.html</link>
<pubDate>Wed, 25 Jun 2008 21:00:00 +0900</pubDate>
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<title>「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ、みんなの笑顔のために」の第１歩</title>
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<![CDATA[ <p>「淳子、今朝のクロワッサン、うまかったな。あれ、<br>　お店のメニューにしようや。<br>　</p><p>　ただし、クリームとジャムは何種類かとあとこし餡<br>　で日替わりとか週代わりで１種類ずつ出していくって<br>　いうのでどうかな。」</p><br><p>「うん、しばらくはどんな反響があるかわからないから<br>　それでいいんじゃないの。売れ筋や好みを知らないと<br>　無駄になるからね」</p><br><p>淳子が試作したブリオッシュはお店のメニューとして<br>取り入れる方針で固まったのだった。</p><br><p>「おつかれさまです。」<br>奈奈と幸子が学校から戻ってきた。</p><br><p>「おう！勤労少女達。そしたら、はじめよか。<br>　今日から、お店のオペレーションを構築していこうと<br>　思うねん。</p><br><p>　とはいうてもお店はまだ出来ていないから、イメージの<br>　中でのシュミレーションになるんやけどな」</p><br><p>奈奈と幸子にはさっぱりイメージが沸いてこなかった。<br></p><p>淳子は<br>「シュミレーションって具体的に動きなんて出来ないから<br>　そんなに出来ないんじゃないの？」</p><br><p>「いえいえ、動きは出来なくても細かいところはできるし、<br>　今はそういう細かいところをある程度、洗い出さないと<br>　動きが入ってからではやることが多くなって、おろそか<br>　になるしね。」</p><br><p>ゆめきちにはある程度のイメージがあるようだが、３人との<br>間には明らかにギャップがあった。</p><br><p>「まあ、そんなに心配せんときいな。今からきっちりできるわけ<br>　じゃないんやから。出来ないところをまず洗い出して、<br>　みんなで考えようというところやしね。</p><br><p>　ここは楽しむところやな。作り上げるプロセスやから、<br>　楽しまないと広がらへんしな。</p><p>　まあ、とりあえず、やろか」</p><br><p>そういって、ゆめきちは奈奈と幸子を横に並ばせた。</p><br><p>「はい、そしたら、今から、二人にはお腹から力を入れて<br>　笑ってもらうしな。大きな声で腹筋に力を入れて、<br>　顔も思い切り、つくり笑いしてもらおうか。</p><p>　はい、わっはははは・・・・</p><p>　やってみて」</p><br><p>二人は戸惑い、固まってしまった。</p><br><p>「あれ？<br>　わっははははは・・・・」<br></p><p>ゆめきちの声は部屋中にうるさいくらいに響きわたった。<br>そんな様子を見た淳子が言った。</p><br><p>「ゆめちゃん、これ何してるの？」</p><br><p>「え？笑う練習やん。」</p><br><p>３人はきょとんとした。そして淳子は<br>「接客で笑顔は大事やけど、笑うの？」</p><br><p>ゆめきちはすかさず<br>「笑顔っていうけど、慣れていない者に急に<br>　笑顔してっていうても、できひんで。<br>　<br>　お店のサービスや仕事を心底から楽しめないと<br>　笑顔なんて出えへんし、逆に作った笑顔なんて<br>　不自然でなんにも伝わらへんで。</p><p>　奈奈ちゃん、このお店のコンセプトは？」</p><br><p>「「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ、みんなの笑顔のために」です。」</p><br><p>「そう、お店に来てもらった全ての人に笑顔になって<br>　もらわなあかんねん。そのネタとして「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ」<br>　の提供やけど、提供するお店の人が常に心の底から<br>　テンションが盛り上がって、笑顔でいてないと<br>　そんなもん伝わるもんも伝わらへんで。</p><br><p>　そうなったら、最初からそんな楽しい気持ちになれるか？<br>　事前に自分達でテンションを上げないとそんな風に<br>　なれへんやろ。</p><br><p>　事前にそんな風にしてもなかなか出来ないのに。<br>　自分達で無理に上げるためにも心の底から声を出して<br>　笑っとかなあかんで。</p><br><p>　これはそういう練習や。わかった？<br>　そしたら、サービスのプロ、淳子さんに見本を見せて<br>　もらおか。淳子さん、どうぞ」</p><br><p>急な振りに淳子がびっくりしたが、<br>「わっはははははは・・・・・」</p><br><p>「さすが、サービスのプロ淳子様。なりきりもすごいね。<br>　これで何人の男を騙しよったんやろか」</p><br><p>「何言ってるの。私が騙されてばかりなのに」</p><br><p>奈奈はびっくりした。<br>「そうなんですか。淳子さん」</p><br><p>ゆめきちは笑いながら<br>「そんなわけないやろ。っていうか騙す男もおらんわ。<br>　みんな怖がって近寄らへんで」</p><br><p>淳子はゆめきちを睨んだ。</p><br><p>そんな淳子を見て、<br></p><p>「すいません。言い過ぎました。」</p>
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<link>https://ameblo.jp/kyonana/entry-10109109632.html</link>
<pubDate>Tue, 24 Jun 2008 21:00:00 +0900</pubDate>
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<title>早朝掃除とマラソンの恋？</title>
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<![CDATA[ <p>奈奈と幸子の早朝掃除も３ヶ月がたち、いつしか商店街周辺</p><p>に住む人々にも顔が知られるようになった。 </p><br><p>「おはよう。奈奈ちゃん。毎日ありがとね」 </p><p>「さっちゃん、今日は早いね。がんばってね」 </p><br><p>近所のおばちゃんの励ましの言葉も二人にとっては掃除の</p><p>活力にもなっていた。 ゆめきちにとっては新しいお店を地元に</p><p>宣伝するいい機会になっていることよりも、二人の女子大生の</p><p>意識が変わってきていることが、</p><p>何よりの「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ」だった。</p><br><p> 「おう！勤労少女達！おはよう！」 </p><br><p>ゆめきちの冷やかし半分の挨拶も一つの愛情表現と二人とも</p><p>理解しており、これまでのお店つくりの過程で築き上げた</p><p>信頼関係の証であるといえる。 そんな中、奈奈に一人の</p><p>小学生が声をかけた。</p><br><p>「おねえちゃん、おはよう」</p><br><p> 奈奈は笑顔で</p><p>「おはよう、駿ちゃん。今日もがんばってるね」</p><br><p> そんな様子を見たゆめきちは</p><p>「よう！駿、おまえこのおねえちゃんのこと、好きなんやろ。</p><p>　お前、顔が赤なってるぞ」</p><br><p>いつもの意地悪は小学生にも容赦なく浴びせかけられた。</p><br><p> 「うるさいわ、おっさん。そんなん違うわ」</p><br><p> ゆめきちに反論した駿とは淳子の甥っ子、</p><p>すなわち淳子の姉の息子なのである。 駿は小学３年生。</p><p>地元の少年野球チームに入っているのだが体が小さく、</p><p>体力がないため、２年生の時から毎朝、阿弥陀が峰まで</p><p>マラソンをして体を鍛えていたのだった。 </p><br><p>奈奈にとっては初めて早朝の掃除をした時に駿と出会っていた。</p><p> 緊張で慣れていない奈奈は駿を見て、</p><p>小さな声で「おはよう」と声をかけたのだが、</p><p>駿には聞こえなかったようで、</p><p>そんな様子を見たゆめきちが奈奈に</p><br><p>「奈奈ちゃん、くそがき相手にも声でてへんやん。</p><p>　勇気出して、大きな声だしや」 </p><br><p>と駿もびっくりするような大きな声で言われ、</p><p>赤面したのが最初だった。 その後、奈奈は勇気を振り絞って、</p><p>硬直した笑顔で駿に声をかけていたのだが、</p><p>駿は恥ずかしいのか、</p><br><p>奈奈に</p><p>「うるさいわ、おばはん」</p><br><p>と言い返していたのだが、 奈奈もそんな恥ずかしがっている</p><p>駿をかわいく思ったのか、駿の様子をしっかりと見て、</p><p>声をかける言葉を工夫したのだった。 </p><br><p>それが駿に伝わったのか、２ヶ月ほどしたある朝、突然、</p><p>駿が奈奈に</p><br><p>「おねえちゃん、おはよう」</p><br><p>と言ったのだった。 奈奈はうれしくて、</p><p>思わず駿を抱きかかえたのだ。それ以来二人は普通に</p><p>挨拶を交わしていたのだが、淳子によると駿が奈奈の</p><p>ことを意識しているということをゆめきちに言っていたのだった。 </p><br><p>そんな駿の淡い恋をゆめきちは知って、冷やかしていたのだ。</p><br><p> 「奈奈ちゃん、同じ年頃の男にはモテへんけど、</p><p> クソガキに　モテて、幸せやな。あと１０年待ったら、</p><p> いけるやん」</p><br><p> 奈奈はゆめきちを睨み、ムキになって</p><br><p>「そういうことを言わないで下さい。私は私でちゃんと恋を</p><p>　してますから。」 </p><br><p>ゆめきちはここぞとばかりにニヤニヤしながら</p><br><p>「え？誰か好きな人、いるの？　へぇ～・・・・</p><p>　奈奈ちゃんが好きになった男ってどんなんやろ。</p><p> 　あ～でも、そうなったら、駿は叶わぬ恋をこのまま</p><p>　していくんやな。かわいそうになぁ～</p><p> 　っていうか、実は、駿なんじゃないの？」 </p><br><p>「ゆめちゃん、もうええ加減にしなさいよ」</p><p>いいタイミングで注意したのは淳子だった。</p><br><p> 「はいはい、今日の掃除はこれまで。朝ごはん、</p><p> みんなで　食べよう。私、トマトとバジルのスクランブルエッグと</p><p>　ブリオッシュを作ったから、みんなで食べましょう。」 </p><br><p>ゆめきちはどこかで聞いたことのある言葉の確認をした。</p><br><p>「ん？ブリオッシュってクロワッサンのことか？」 </p><br><p>「そうよ。今日はそれのクリーム入りとジャム入りを</p><p>　作ったの。」 </p><br><p>「へぇ～。ブリオッシュ・コン・ラ・クレーマと</p><p>　ブリオッシュ・コン・ラ・マルメッラータやな。</p><p>　手、込んだことしてるやん。」</p><br><p>「お店のメニューに取り入れられるか試したみたの。」 </p><br><p>「おお！そうか。もし、そのクロワッサン、メニューに</p><p>　入れられるんやったら、名前は決定やな。」</p><br><p> 「え？何にするの？」 </p><br><p>ゆめきちは再びニヤニヤしながら、</p><p>「淡い恋のブリオッシュかな。ほんまは</p><p>　奈奈の恋の物語なんやけどね。」 </p><br><p>奈奈はムスッとしていた。 </p><p>淳子はすかさず</p><br><p>「もぉ～。その話はもう終わり。」 </p><br><p>しかし、ゆめきちは</p><p>「何言うてるねん。こんなええ話はないやろ。</p><p>　駿が少し前から、奈奈ちゃんに心開いて、ちゃんと</p><p>　挨拶しとるねんで。</p><br><p>　でも、それは奈奈ちゃんが毎日ちゃんと駿を見てきて</p><p>　やったから、通じたことやんか。 </p><p>　そんな思い出の味をそのクロワッサンに乗せれたら</p><p>　一つのストーリーができるやん。</p><br><p> 　ただのクロワッサンが少年の恋ばなになるんやで</p><p>　女性にはウケるやろ」 </p><br><p>ゆめきちの執拗な冷やかしにうんざりしていた淳子も</p><p>納得したようで、</p><br><p>「まぁ、そういう意味で淡い恋くらいなら、　いいんじゃないかな。</p><p>　当事者の奈奈ちゃんはどう思う？」 </p><br><p>奈奈はムスっとしながらも</p><p>「淡い恋は私ではなく、駿ちゃんだから</p><p>　いいんじゃないでしょうか。」 </p><br><p>ゆめきちはニコニコしながら</p><br><p>「まあ、そういうことでとりあえず、その淡い恋のブリオッシュを</p><p>食べようや」 </p><br><p>４人はいつもの打ち合わせ場所へ移動した。 </p>
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<link>https://ameblo.jp/kyonana/entry-10109074406.html</link>
<pubDate>Mon, 23 Jun 2008 21:00:00 +0900</pubDate>
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<title>自動車運転と経営</title>
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<![CDATA[ <p>ビジネスプランも完成し、いよいよお店の改装工事が<br>始まった。お店作りも再び以前の面接会場に戻り、<br>メニュー作りとお店運営の仕組み、手順の構築が始まった。</p><br><p>奈奈の大学生活はというと少し余裕ができ、時間の管理も<br>行えるようになり、新しい挑戦が始まっていたのだった。</p><p>少し前から、自動車教習所に通いだしていたのだった。<br></p><p>自動車に対する趣味があるわけではないが、地元の八代では<br>自動車も生活必需品というのは普通の感覚であり、奈奈も<br>大学在学中には免許証の取得は当然のことと思っていたのだった。</p><br><p>「あれ？なんでこんな時間にうろついてるの？<br>　ななちゃん授業は？」</p><br><p>商店街を歩いている奈奈を見つけたのはゆめきちだった。</p><p>「あっ！・・・・。」</p><br><p>「あれぇ？さぼり？１年生のくせして、要領かましているんか？」<br>ゆめきちはいつもの意地悪な言い方で奈奈をせめた。</p><br><p>「あ、いや、あのぅ・・・・<br>　今から、教習所に行くので・・・・。」<br>奈奈は見られた相手が悪いと思いながら、説明をしたのだった。</p><br><p>「ええっ～　奈奈ちゃんが免許取るの？大丈夫か？<br>　世間の迷惑になるんとちがうの？」</p><br><p>「失礼ですね。地元に帰ったら、車の運転くらいはできないと<br>　いけないんですよ。必要だから行くんですよ」</p><br><p>「ふぅ～ん・・・・。で、今どこまで進んでるの？<br>　もう、仮免は取ったの？」</p><br><p>「今日は卒検です。いちおう今のところ一度もつまづくことなく　<br>　順調に進んでいるんですよ。」</p><br><p>「そうか。でもな、京都で取っても、地元とは交通事情が違うし<br>　運転の感覚はかなり変わると思うで。<br>　まあ、田舎で取って、交通マナーの悪いところで運転するよりは<br>　ましやけどな。」</p><br><p>「それどういう意味ですか？」<br>奈奈にはまったく見当がつかなかった。</p><br><p>「路上教習したやろ。学科で学んだことと、実際、京都の道を走って<br>　なんか気づかへんかったか？」</p><br><p>「う～ん・・・。わからないですね。」</p><br><p>「まあ、まだ、よその道、走っていないもんな。<br>　京都市内は路駐が多いし、関西は比較的割り込みが多い。<br>　さらに観光地やから、車が多すぎるし、特に他府県ナンバーの<br>　車は急に止まったりするから、危ないんやわ。</p><br><p>　そういう意味では、こっちの道に慣れておけば、地元帰ったら<br>　逆にスイスイ運転は出来ると思うわ。</p><br><p>　僕は田舎でとって、こっちで運転したから、最初はほんまに<br>　苦労したわ。」</p><br><p>「そうなんですか。でも、確かに路上駐車は多いですね。４車線<br>　道路の右側は走ろうと思っても走れませんよね。」</p><br><p>「そうや。まあ仕方ないで片付けたらあかんねんけど、ほんまに<br>　個人の意識次第やもんな。</p><br><p>　それより、自動車の運転ってお店の経営に通じることがあるの<br>　知ってるか？」</p><br><p>「また、むずかしいこと言われるんですね。そんなのわからない<br>　ですよ。」</p><br><p>「あかんなぁ～。っていうか時間大丈夫なの？」</p><br><p>「あ、はい、早めに授業抜けましたから。」</p><br><p>「はぁ？あかんやん。まあええわ。僕が経営の勉強をここで<br>　したるわ。学校の授業よりためになるしな。」<br></p><p>ゆめきちはいつものニコニコ顔で話をしだしたのだった。</p><p>「教習所で最初のころ、目線のこと言われなかったか？<br>　目線は手前ではなく、先を見るように。」</p><br><p>「あ、そんなこといわれたかもしれません。」</p><br><p>「そや、その目線、まさに経営も同じなんや。目先ばかりを<br>　見てしまうと今、自分がどこにいるかわからんようになるんや。<br>　もちろん、足元もちゃんと見なあかんのやけど、前方を見て<br>　あらかじめ、想定されることをイメージしておかなあかんねん。</p><br><p>　その時点で、目先のことは対処できるからな。常に前方を読んで<br>　行動していれば、目先の行動は想定されているから、あらかじめ<br>　準備が出来ているんや。</p><br><p>　前方を見ていなかったら、目先の対処に追われてばかりで、<br>　行き先を見失ってしまうねん。そうしたら、いつまでも<br>　悪循環やろ。</p><br><p>　でも、実は運転っていうのは、その前方を読む以前にもうひとつ<br>　準備しておかなあかんことがあるねん。何かわかるか？」</p><br><p>「いや、わからないです。」</p><br><p>「車に乗る前に行き先を決めるやろ。そうしたら、その行き先に<br>　たどり着くまでの道のりをあらかじめ、決めなあかんねん。<br>　つまり、目標を定め、その目標にたどり着くための道筋を<br>　考えることって、まさにこの間のビジネスプランと同じやろ。」</p><br><p>「ああ、そうですね。」</p><br><p>「その道筋を決め方はその人の価値観に左右されるんや。<br>　たとえば、道筋は距離を優先する人なら、近道を考えるし、<br>　時間を優先する人なら、近道だけでなく、混雑状況も考えるし、<br>　走りやすさを大事にする人なら、大通りを通るところを優先するし、<br>　それは人によっていろいろやからな。</p><br><p>　でも、運転途中で想定していないこと、例えば、近道を走って<br>　いたら、前で事故があって、救急車が止まっていて、渋滞していたら<br>　その場で道を代えるか代えないか考えることになるやろ。</p><br><p>　でも、そこにも価値観が左右するから、人によって判断は異なるんや。<br></p><p>　経営ってそんなもんやな。その価値観っていうのが、お店で言うたら<br>　「笑顔あふれる豊谷商店街<br>　　　　　～女子大生の思い出と地元の笑顔のために～」<br></p><p>　やし、その実現のために通るべき道筋っていうのが<br>　「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ、みんなの笑顔のために」を具体的に提供する<br>　仕組みや姿勢ってことやな。</p><br><p>　それを実際にやっていくのに前方を見て、先を読まなあかんってこと<br>　やねん。例えばお客さんなら、どんな気持ちでお店に来てくれたかを<br>　しっかり見て、常に対応できるように想定しなあかんってことやな。</p><br><p>　でも、それをせずに、お客さんが何か言うまで、待っていたら、<br>　それに振り回されるってことやし、それではお客さんに<br>　「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ」や「笑顔」を提供することが難しくなるって<br>　いうことやな。」</p><br><p>「むずかしいですね。」</p><br><p>「まあ、最初は自分に余裕がないから、そこまで見るのは難しいと思うけど<br>　それを意識するのとしないのでは全然違うで。</p><p>　だから教習所の教官は前方見てくださいってしつこく言いよるんやからね。<br></p><p>　運転する側は初心者だから、そこまでの余裕がないでしょ。だから、<br>　ついつい目先を見てしまいがちになるってことやな。</p><p>　その目線を少しずつ上に上げていくことが訓練やし、練習ってことや。<br></p><p>　今日、卒検やろ。緊張するやろ。でもな、事前の準備と心構えができていれば<br>　そんなに緊張することはないと思うで。</p><br><p>　今、お店が改装工事に入っているけど、準備はもっともっとしておかなあかんし<br>　いろんなことを用意しておかなあかんねん。」</p><br><p>「そうですね。私がんばります。今から卒検の準備しておきます。」</p><br><p>ゆめきちはニヤニヤしながら皮肉を言った。　<br>「それって学校のテストも同じやしな。事前の準備がどこまで出来ているか。<br>　なぁ。授業をサボっても、しっかり友達から事前にノートを借りて用意して<br>　おけば、クリアできるもんな。」</p><br><p>奈奈はバツの悪そうな顔をして<br>「本当にゆめちゃんは意地悪いってばかりやね。嫌味ばかり言っていたら<br>　嫌われるよ。」</p><br><p>ゆめきちは驚いた表情をしながらも<br>「おお！１９の女子大生から説教食らったわ。ありがとうございます。<br>　こんなことも言っていただけるのも、まだ嫌われていない証拠ですからね。」</p><br><p>奈奈はあきれて<br>「はいはい、そうですね。もうおっさんのお守りはこれ以上できないので<br>　失礼します。では、また夕方、ご指導よろしくお願いします。」</p><br><p>「はぁ～。かわいくないねぇ～。そんなんでは彼氏できひんで～」</p><p>ゆめきちのさらなる嫌味に奈奈は・・・・・</p><p>　　　　　　　　　　　　　　　　　　<br></p><br><p>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　無視するだけだった。<br></p>
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<link>https://ameblo.jp/kyonana/entry-10105568481.html</link>
<pubDate>Thu, 12 Jun 2008 21:00:00 +0900</pubDate>
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<title>顧客ニーズは顧客に実現させる</title>
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<![CDATA[ <p>「ハードの部分では空間づくりが求められるんかな。一人で</p><p>　あっても、複数で会話をするにしてもゆったりした空間が</p><p>　必要なんやね。</p><br><p>　でも、よくよく考えてみると、お店の雰囲気作りも女子大生</p><p>　に参加してもらえればいいんだよね。もちろん、ハードへの</p><p>　投資の部分は簡単に出来ることではないけど、雰囲気作り</p><p>　なら、いろいろ提案してもらえればいいんだよね。</p><br><p>　それは試食会のモニター参加によるメニュー作りも同じや</p><p>　もんね。そう考えると女子大生のニーズをこちらから考える</p><p>　んじゃなくて、女子大生から出してもらうことで捉えれば</p><p>　いいんだよね。</p><br><p>　よくありがちなのはアンケート形式だし、少し面白みを出す</p><p>　ならコンテストとかね。学校の魅力や商店街の魅力を写真</p><p>　や絵で募集するとか、奈奈ちゃんとこなら、この店の</p><p>　コンセプトにあうスイーツコンテストとか、カフェを持ちたい</p><p>　夢を持っている女子大生には夢のカフェプランコンテストとか</p><p>　そんなを企画して、発表する場とか期間限定でお店で取り</p><p>　入れるとか、そんなところで情報入手すればいいんだよね。」</p><br><p>なかなかピンとこない女子大生のニーズについてゆめきちは</p><p>逆にいろんな参加型の企画で収集し、利用することで</p><p>囲い込みとニーズの把握の両方を実現できることに</p><p>気がついたのだった。</p><br><p>スッキリしたゆめきちに奈奈は聞いた。</p><p>「ニーズを聞くことはわかるのですが、なぜ参加型にしないと</p><p>　いけないのですか。」</p><br><p>「奈奈ちゃんはこれまでに行きつけのお店ってあった？」</p><br><p>「高校のとき、友達とよく行った喫茶店かな」</p><br><p>「そこは奈奈ちゃんにとっては自分のお店っていう感覚は</p><p>　なかったかな？」</p><br><p>「う～ん・・・あまり、そんな感覚はなかったかな。」</p><br><p>「そっか。お客さんに継続してきてもらおうとするには</p><p>　お客さんに自分のお店って思ってもらわないと、来て</p><p>　もらえないと思うねん。</p><br><p>　それを囲い込みって言うんやけど、まあ、リピーターの</p><p>　確保ともいうけどね。さっきの雑誌に載る話にもいえる</p><p>　んだけど、雑誌に載って来てもらっても、１回来たら、</p><p>　２度と来ないお客さんなんて、いっぱいいるでしょ。</p><p>　</p><p>　でも、それではお店は持続しないと思うんやわ。やっぱり</p><p>　このお店を気に入ってもらって、何度も来てもらわないと</p><p>　ダメでしょ。</p><br><p>　参加型にすることで、こんなことして欲しいを自分達で</p><p>　お店作りに参加することで愛着をわいてもらうことが</p><p>　できると思うし、そうなったら、お店にも来るでしょ。</p><br><p>　例えば、こうして欲しいと思うことがお店に反映されて</p><p>　いたら、うれしいでしょ。なんか認められた感じがするし</p><p>　だからこそ、お店を応援したくなるでしょ。」</p><br><p>「なるほどね。ゆめちゃんってほんとにいろいろ</p><p>　考えているんだね。」</p><br><p>「はははは・・・・。</p><p>　でもな、今は僕がお店作りの土台を作っているけど</p><p>　お店が始まったら、奈奈ちゃんやさっチャンがそれを</p><p>　運営していくんやで。</p><p>　</p><p>　つまり、お店作りをいろんな人を巻き込んでね。</p><p>　「ＧＯＯＤ＆ＮＥＷ」や「笑顔」の創出を常に念頭において</p><p>　作ってほしいということやね。それをしてもらうために</p><p>　こうやって、ええもん食べてもらっているんやから。</p><br><p>　あ、ぼちぼちシェフ淳子のきの全ができるで。</p><p>　これ食べて、ええ店、作っていってな」</p><p>　</p><p>ゆめきちは二人に大きな期待をかけたのだった。</p><p>きの全に思いをのせて・・・・・。</p><br>
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<link>https://ameblo.jp/kyonana/entry-10105379321.html</link>
<pubDate>Wed, 11 Jun 2008 21:01:00 +0900</pubDate>
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